令和8年度下期 学科50問の解説
第1問・電気理論
コンデンサに蓄えられる静電エネルギー
静電エネルギーはW=CV²/2で求める。5 μFを5×10⁻⁶ Fに直してから代入する。
公式解答 ハ
W=21CV2=21×5×10−6×102=2.5×10−4 J
μ(10⁻⁶)の換算、係数の1/2、電圧の2乗の三点を確かめればハに絞れる。
イ 7.5×10⁻⁴ J
正しい値2.5×10⁻⁴ Jのちょうど3倍で、式のどの項を取り違えてもこの値にはならない。
ロ 5×10⁻⁸ J
静電容量5×10⁻⁶を電圧の2乗100で割った値。V²は掛ける。
ハ 2.5×10⁻⁴ J
W=(1/2)×5×10⁻⁶×10²=2.5×10⁻⁴ J。
ニ 1.25×10⁻⁴ J
係数1/2をもう一度掛けたCV²/4の値。
第2問・直流回路
並列2枝の途中点a-b間の電圧
a点とb点の電位をそれぞれ求めて差を取る。上下の枝はどちらも合計10 Ωなので、並列部分の電流は1 Aずつに分かれる。
公式解答 ロ
R=5+10+1010×10=10 Ω,I=1020=2 A
Va=8×1=8 V,Vb=5×1=5 V,Vab=8−5=3 V
並列部分には20−5×2=10 Vが加わる。電位は電源の負極側を基準にし、a点は8 Ω、b点は右側5 Ωの電圧降下から求めた。
イ 2 V
上側2 Ωの電圧降下(1 A×2 Ω)で、a-b間の電位差ではない。
ロ 3 V
Va=8 V、Vb=5 Vの差で3 V。
ハ 4 V
直列の5 Ωを無視して並列部分に20 Vが加わるとみなし、2 Ωの分担電圧を出した値に当たる。
ニ 5 V
b点の電位(右側5 Ωの電圧降下)だけを答えた値で、a点との差を取っていない。
第3問・交流回路
RL並列回路の力率
並列回路では電圧が共通なので、抵抗に流れる電流を全電流で割れば力率になる。リアクタンスXの値を先に求める必要はない。
公式解答 イ
IR=20200=10 A,cosθ=IIR=2010=0.5
リアクタンスの電流は√(20²−10²)≒17.3 Aで、X≒11.5 Ωになる。力率は50 %である。
イ 50 %
抵抗電流10 Aを全電流20 Aで割って0.5。
ロ 60 %
抵抗電流が12 Aでなければ出ない値で、200 Vと20 Ωの条件と合わない。
ハ 80 %
抵抗電流が16 Aになる場合の値で、問題の条件と合わない。
ニ 100 %
リアクタンスの電流を無視した値。全電流20 Aが抵抗電流10 Aより大きいので、力率は1にならない。
第4問・交流回路
半波整流回路の抵抗の消費電力
ダイオード1個の半波整流では、電流が流れるのは正の半周期だけである。抵抗の消費電力は、交流をそのまま加えた場合の半分になる。
公式解答 ハ
PAC=RV2=101002=1000 W,P=21000=500 W
瞬時電力v²/Rは負の半周期で0になるため、1周期の平均は半分になる。半波整流波形の実効値100/√2≒70.7 Vを使い、70.7²/10≒500 Wとしても同じ結果になる。
イ 100 W
電流10 Aに抵抗10 Ωを掛けたIRの値で、これは電圧に当たる。電力はI²Rで求める。
ロ 200 W
半波整流の平均値約45 Vで計算した値(45²/10≒203 W)。電力は実効値で求める。
ハ 500 W
正の半周期だけ電流が流れるため、1,000 Wの半分。
ニ 1,000 W
ダイオードがない場合の電力で、負の半周期の遮断を考えていない。
第5問・三相交流
Δ結線負荷の線電流
1相のインピーダンスは12 Ωと16 Ωから20 Ωになる。Δ結線では相電圧が線間電圧200 Vに等しく、線電流は相電流の√3倍になる。
公式解答 ハ
Z=122+162=20 Ω,Iϕ=20200=10 A,I=3×10≃17.3 A イ 5.8 A
相電流10 Aを√3で割った値。Δ結線の線電流は相電流より大きい。
ハ 17.3 A
線電流=√3×相電流=√3×10≒17.3 A。
ニ 20.0 A
相電流の2倍。線電流は二つの相電流のベクトル差で、大きさは√3倍になる。
第6問・配電理論
単相3線式の中性線電流
中性線電流は両負荷電流のベクトル差で、大きさの差でも和でもない。図のベクトル図では10 Aどうしが60°ずれているので、差は正三角形の一辺になる。
公式解答 ロ
I˙N=I˙A−I˙B,∣I˙N∣=102+102−2×10×10×0.5=10 A 力率50 %の遅れは電圧から60°遅れることを表す。大きさの等しい二辺が60°をはさむ三角形は正三角形になる。
イ 5 A
有効分の差(10 A−5 A)だけを取った値で、負荷Aの無効分約8.7 Aを落としている。
ロ 10 A
60°ずれた10 Aどうしのベクトル差で10 A。
ハ 20 A
両負荷電流を算術的に足した値。中性線には差の電流が流れる。
ニ 25 A
両負荷電流の大きさの和20 Aを超えており、ベクトル差はこの値にならない。
第7問・配電理論
単相3線式の線路損失(平衡負荷)
負荷電流はP/(V cosθ)で求める。負荷AとBが等しいので中性線には電流が流れず、損失は外側2線の分だけになる。
公式解答 ハ
I=100×0.8800=10 A,PL=2×102×0.4=80 W
イ 40 W
外側1線分の損失(10²×0.4)で、もう1線を数えていない。
ロ 60 W
電流10 Aが流れる線1本の損失40 Wの整数倍にならず、平衡負荷の条件からは出ない値。
ハ 80 W
外側2線×10²×0.4=80 W。中性線の電流は0 A。
ニ 120 W
中性線にも10 Aが流れるとみなして3線分を足した値。
第8問・短絡計算
百分率インピーダンスと三相短絡電流
短絡電流は基準電流の100/%Z倍になる。基準容量10 MV·Aと線間電圧V kVから基準電流を出してから掛ける。
公式解答 ハ
In=3V10×103 A=3V10 kA Is=In×Z100=3VZ1000 kA イ 10√3Z/V
Zが分子にあり、%Zが大きいほど短絡電流が大きくなる式になっている。
ロ 1000/(VZ)
三相の基準電流に必要な√3が抜けている。
ハ 1000/(√3VZ)
基準電流10/(√3V) kAに100/Zを掛けた式。
ニ 10Z/V
100/Zを掛ける代わりにZを掛け、√3も落としている。
第9問・高圧機器
Y結線進相コンデンサの電流と容量
Y結線では1相のコンデンサに加わる電圧が線間電圧の1/√3になる。電流はこの相電圧で求め、容量は3相分を合計する。
公式解答 ロ
イ I=2πfCV、Q=2πfCV²/√3
電流は1相に線間電圧が加わるΔ結線の式で、容量も√3で割っている。
ロ I=2πfCV/√3、Q=2πfCV²
相電圧V/√3で電流を求め、3相分の容量は2πfCV²。
ハ I=2πfCV²、Q=2πfCV/√3
電流と容量の式が入れ替わっており、電流の単位も合わない。
ニ I=2πfCV²/√3、Q=2πfCV
電流に電圧の2乗が入り、容量には2乗がない。
第10問・電動機
誘導電動機の滑りと一次周波数
回転速度と滑りから同期速度を求め、極数を使って周波数に直す。
公式解答 ニ
Ns=1−sN=1−0.051140=1200 min−1
f=120pNs=1206×1200=60 Hz
イ 30 Hz
極数6の代わりに極対数3を使った値。
ロ 40 Hz
極数を4として計算した値で、6極の条件と合わない。
ハ 50 Hz
商用周波数を当てはめただけの値。50 Hzなら同期速度は1,000 min⁻¹で、回転速度は950 min⁻¹になる。
ニ 60 Hz
Ns=1,200 min⁻¹、f=6×1,200/120=60 Hz。
第11問・変圧器
変圧器の損失
銅損は巻線抵抗で生じるI²Rの損失で、負荷電流の2乗に比例する。電流が2倍になれば銅損は4倍で、2倍とする記述が誤りである。
公式解答 ニ
鉄損は電圧と周波数で決まり、負荷電流にはほとんど関係しない。銅損と鉄損が等しくなる負荷で効率が最大になる。
イ 銅損と鉄損が等しいとき効率が最大
正しい。負荷で変わる銅損と一定の鉄損が等しい点で効率が最大になる。
ロ 無負荷損の大部分は鉄損
正しい。無負荷時は励磁電流が小さく、銅損はわずかである。
ハ 鉄損はヒステリシス損と渦電流損
正しい。鉄心で生じる損失はこの二つからなる。
ニ 負荷電流が2倍で銅損も2倍
誤り。銅損はI²Rなので、電流が2倍なら4倍になる。
第12問・照明
電球形LEDランプの寿命
光源の寿命は桁で覚える。白熱電球は約1,000時間、電球形蛍光ランプは約6,000〜10,000時間、電球形LEDランプは約40,000時間が目安である。
公式解答 ニ
イ 約1,000時間
一般照明用白熱電球の寿命の目安。
ロ 約6,000時間
電球形蛍光ランプの寿命の目安に近い。
ハ 約12,000時間
直管蛍光ランプの寿命の目安に近い。
ニ 約40,000時間
電球形LEDランプの一般的な定格寿命。
第13問・蓄電池
鉛蓄電池の電解液
鉛蓄電池は正極に二酸化鉛、負極に鉛、電解液に希硫酸を使う。放電すると両極に硫酸鉛ができ、電解液の比重が下がる。
公式解答 ニ
イ 水酸化ナトリウム水溶液
アルカリ性の電解液で、鉛蓄電池には使わない。
ロ 水酸化カリウム水溶液
ニッケル・カドミウム蓄電池などアルカリ蓄電池の電解液。
ハ 塩化亜鉛水溶液
マンガン乾電池などに使われる電解液。
第14問・配線器具
S形表示のダウンライトの用途
日本照明工業会のSB・SGI・SG形の表示は、断熱材施工天井に埋め込んで使えるダウンライトに付く。断熱材でおおわれても温度上昇が許容範囲に収まることを示す区分である。
公式解答 イ
イ 断熱材施工天井に埋め込める
SB・SGI・SG形は断熱施工天井用の区分。
ロ 非常用照明として使える
非常用照明には、建築基準法に適合した非常用照明器具であることの表示が必要。
ハ 屋外で使える
屋外での使用は、防雨形・防湿形などの表示で判断する。
ニ ライティングダクトに設置できる
ライティングダクトにはプラグで接続する専用の器具を使う。
第15問・高圧機器
モールド変圧器の上部端子
写真の上部に並ぶ太い銅バーの端子は、大電流が流れる二次(低電圧側)の端子である。一次(高電圧側)の端子とタップ切替端子はコイル側に設けられる。
公式解答 ニ
イ タップ切替端子
一次巻線の電圧タップを切り替える端子で、上部の母線端子ではない。
ロ 耐震固定端部
耐震固定は下部のベースと基礎で行う。
ハ 一次(高電圧側)端子
高電圧側は電流が小さく、上部の太い母線ではなくコイル側の端子につなぐ。
ニ 二次(低電圧側)端子
大電流を流すため太い導体で上部に引き出された低電圧側の端子。
第16問・発電設備
ディーゼル発電装置
4サイクル機関の工程は吸気→圧縮→爆発(燃焼)→排気の順である。圧縮と爆発の順序を入れ替えた記述が誤りになる。
公式解答 ロ
イ 点火プラグが不要
正しい。圧縮して高温になった空気へ燃料を噴射し、自然着火させる。
ロ 吸気→爆発→圧縮→排気の順
誤り。圧縮してから燃料が燃焼する。
ハ はずみ車で回転むらを滑らかにする
正しい。燃焼が間欠的なため、はずみ車で回転を平滑にする。
ニ ビルの非常用予備発電に一般に使う
正しい。始動が速く燃料も保管しやすいため、非常用電源に広く使われる。
第17問・発電設備
水力発電所の発電用水の経路
取水口から取り入れた水を水圧管路で水車まで導き、水車を回した後に放水口から放流する。
公式解答 ハ
イ 水車→取水口→水圧管路→放水口
最初に水車が来ており、水を導く順序になっていない。
ロ 取水口→水車→水圧管路→放水口
水圧管路は水車へ水を落とす管で、水車の後ろにはない。
ハ 取水口→水圧管路→水車→放水口
取水、導水、発電、放流の順になっている。
ニ 水圧管路→取水口→水車→放水口
取水口より前に水圧管路が来ることはない。
第18問・送電設備
スリートジャンプ対策
スリートジャンプは、電線に付いた氷雪が落ちた反動で電線がはね上がる現象である。上の電線に触れないよう、鉄塔で上下の電線の位置を水平にずらすオフセットを設ける。
公式解答 ロ
イ アーマロッドで補強する
微風振動などによる電線の素線切れを防ぐ対策。
ロ 上下の電線間にオフセットを設ける
はね上がった電線が上の電線に触れないようにする対策。
ハ トーショナルダンパを取り付ける
着氷した電線が大きく揺れるギャロッピングを抑える対策。
ニ がいしの連結数を増やす
雷や塩害によるフラッシオーバの対策で、はね上がりは防げない。
第19問・蓄電池
電力貯蔵用の二次電池
アルカリマンガン電池は使い切りの一次電池で、充電して電力を貯蔵する用途には使わない。ほかの三つは充電できる二次電池である。
公式解答 イ
ロ レドックスフロー電池
電解液を循環させる二次電池で、大規模な電力貯蔵に使われる。
ハ リチウムイオン電池
エネルギー密度が高く、電力貯蔵にも広く使われる二次電池。
ニ 鉛蓄電池
非常用電源や電力貯蔵に使われてきた二次電池。
第20問・避雷器
避雷器の機能
避雷器は過電圧が加わったときだけ電流を大地へ流して電圧を抑え、過電圧が去ると続流を止めて元の状態に戻る。機器を電路から切り離す装置ではない。
公式解答 イ
イ 大地へ分流して過電圧を制限し、速やかに回復する
避雷器の放電と続流遮断の説明。
ロ 過電圧が侵入した相を強制的に切り離す
遮断器の動作で、避雷器は回路を切り離さない。
ハ 内部の限流ヒューズが溶断して切り離す
限流ヒューズの動作。
ニ 一時的に切り離し、過電圧の後に再接続する
再閉路のような動作で、避雷器の機能ではない。
第21問・高圧受電設備
キュービクルの主遮断装置と設備容量
JIS C 4620では、PF・S形の主遮断装置を使えるのは受電設備容量300 kV·A以下である。400 kV·AにPF・S形を使う記述が不適切になる。
公式解答 ロ
CB形は4,000 kV·A以下まで使える。容量の上限が違う二つの形式を、容量と組み合わせて判断する。
イ 500 kV·AにCB形
適切。CB形の適用範囲内。
ロ 400 kV·AにPF・S形
不適切。PF・S形は300 kV·A以下に限られる。
ハ 300 kV·AにCB形
適切。CB形は小さい容量でも使える。
ニ 200 kV·AにPF・S形
適切。300 kV·A以下の範囲内。
第22問・計器用変成器
高圧変流器(CT)の用途
写真は高圧の変流器(CT)である。一次側を流れる大電流を5 Aなどの小電流に変成し、電流計や過電流継電器へ送る。
公式解答 ニ
イ 零相電流を検出する
零相変流器(ZCT)の用途。
ロ 高電圧を低電圧に変成する
計器用変圧器(VT)の用途。
ハ 進相コンデンサの投入時の突入電流を抑える
直列リアクトルの用途。
第23問・高圧機器
負荷開閉器と地絡継電装置の組合せ
写真は高圧交流負荷開閉器と地絡継電装置の制御箱である。需要家構内の地絡事故で開閉器を開放するが、短絡電流は遮断できない。
公式解答 ハ
イ 構内の開閉と、短絡事故時の遮断
負荷開閉器は短絡電流を遮断できない。短絡時は配電線側の遮断器が動作する。
ロ 計量のため電圧・電流を変成する
電力需給用計器用変成器(VCT)の用途。
ハ 構内の開閉と、地絡事故時の遮断
地絡継電装置が地絡を検出して開閉器を開放する。
ニ 遠方制御による開閉
遠方操作を目的とした組合せではない。
第24問・架空電線路
引込柱の支線の材料
支線は亜鉛めっき鋼より線で張り、途中に玉がいしを入れて絶縁し、地中側はアンカで固定する。
公式解答 イ
イ 亜鉛めっき鋼より線、玉がいし、アンカ
支線の本体、絶縁、根元の固定に使う材料の組合せ。
ロ 耐張クランプ、巻付グリップ、スリーブ
耐張クランプとスリーブは電線の引留めと接続に使う材料で、アンカもない。
ハ 耐張クランプ、玉がいし、亜鉛めっき鋼より線
耐張クランプは電線を引き留める金具で、支線を固定するアンカがない。
ニ 巻付グリップ、スリーブ、アンカ
支線の本体となる鋼より線と、絶縁の玉がいしがない。
第25問・施工方法
インサートの名称
写真はコンクリートを打つ前に型枠へ釘で留めておく金物で、打設後に吊りボルトをねじ込む受け口になる。名称はインサートである。
公式解答 ロ
イ ボードアンカ
石こうボードなどの中空壁に器具を固定する部品。
ロ インサート
コンクリートに埋め込み、吊りボルトを受ける金物。
ハ ボルト形コネクタ
太い電線どうしをボルトで接続する部品。
ニ ユニバーサルエルボ
露出の金属管を直角に曲げて接続する部品。
第26問・工具
電線をボルト締めする工具
端子台や機器への電線の接続は、規定の締付トルクで締めることが求められる。そのためにトルクレンチを使う。
公式解答 ハ
イ 電線リール
電線を巻き取って保管し、繰り出すための道具。
ロ 張線器
架空電線などを引っ張って張力を調整する工具。
ハ トルクレンチ
規定のトルクでボルト・ナットを締め付ける工具。
第27問・低圧配線
300 V以下のケーブル工事
ビニルキャブタイヤケーブルを使えるのは、使用電圧300 V以下で、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所に施設する場合に限られる。点検できない隠ぺい場所には施設できない。
公式解答 イ
イ ビニルキャブタイヤケーブルを点検できない隠ぺい場所に施設
不適切。点検できない隠ぺい場所には使えない。
ロ MIケーブルをコンクリートに直接埋め込む
適切。MIケーブルはコンクリートに直接埋め込める。
ハ 防護装置の金属製部分にD種接地工事
適切。300 V以下の防護装置の金属製部分にはD種接地工事を施す。
ニ 機械的衝撃を受ける箇所に防護装置
適切。損傷のおそれがある箇所のケーブルは防護する。
第28問・施工方法
合成樹脂管工事の支持間隔
合成樹脂管の支持点間の距離は1.5 m以下と定められている。2 mとした記述が誤りである。
公式解答 ハ
イ 重量物の圧力や機械的衝撃を受けないように施設
正しい。合成樹脂管は金属管より機械的強度が低い。
ロ 差込み深さを外径の1.2倍(接着剤使用時0.8倍)以上
正しい。管相互と、管とボックスの接続の規定どおり。
ハ 支持間隔を2 mとする
誤り。支持点間は1.5 m以下とし、管端や接続点の近くでも支持する。
ニ 湿気の多い場所で防湿装置を施す
正しい。湿気の多い場所では防湿装置を施す。
第29問・施工方法
可燃性ガスが存在する場所の施工
可燃性ガスが存在する場所では、可とう性が必要な接続部にも防爆型のフレキシブルフィッチングを使う。一般の金属製可とう電線管は使えない。
公式解答 ニ
イ スイッチ・コンセントに防爆構造規格の適合品
適切。電気機械器具は防爆構造のものとする。
ロ 移動電線に接続点のない3種クロロプレンキャブタイヤケーブル
適切。可搬形機器の移動電線として認められる。
ハ 金属管工事で厚鋼電線管を使う
適切。薄鋼電線管以上の強度の管を使う。
ニ 可とう接続部に金属製可とう電線管
不適切。耐圧防爆型又は安全増防爆型のフレキシブルフィッチングを使う。
第30問・高圧受電設備
地中線用地絡継電装置付負荷開閉器(UGS)
UGSは地絡を検出して自動で開放するが、短絡電流を遮断する能力はない。短絡時には開放せず、配電線側の遮断器の動作に任せる。
公式解答 ロ
イ 地絡で自動的に遮断する機能を内蔵
適切。地絡継電装置が地絡を検出して開放する。
ロ 短絡で瞬時に遮断する機能をもつ
不適切。負荷開閉器は短絡電流を遮断できない。
ハ 一般送配電事業者の地絡保護継電装置と動作協調
適切。波及事故を防ぐため、配電線側より先に動作させる。
ニ 定格短時間耐電流を受電点の短絡電流以上にする
適切。短絡電流が流れても損傷しない耐量が必要。
第31問・高圧ケーブル
地中ケーブルの屋内引込部
地中から建物の壁を貫通してケーブルを引き込む部分は、雨水や地下水の浸入を防ぐ構造にする。防水鋳鉄管を使い、管とケーブルのすき間も防水処理する。
公式解答 イ
ロ 合成樹脂管
地中からの引込部に求められる防水と強度を確保できない。
ハ 金属ダクト
屋内で多数の電線を収める設備で、引込口の防水には使わない。
ニ シーリングフィッチング
防爆工事で管内のガスの移動を止める部品。
第32問・接地工事
キュービクル内の接地線の太さ
高圧機器の金属製部分に施すA種接地工事の接地線は、直径2.6 mm以上(断面積5.5 mm²以上)の軟銅線とする。進相コンデンサの外箱に5.5 mm²の軟銅線を使う記述が適切。
公式解答 イ
イ 進相コンデンサの金属製部分に5.5 mm²の軟銅線
適切。A種接地工事の太さを満たす。
ロ 変圧器二次側の低圧1端子に3.5 mm²の軟銅線
B種接地工事の接地線は直径4 mm以上が基本で、3.5 mm²では細すぎる。
ハ LBSの金属製部分に直径1.6 mmの硬銅線
A種接地工事には直径2.6 mm以上が必要。
ニ 変圧器の金属製外箱に直径2.0 mmの硬アルミ線
A種接地工事の太さに足りず、アルミ線も使わない。
第33問・施工方法
鋼製ケーブルラックの施工
ケーブルラックの金属製部分にはD種接地工事を施す。乾燥した場所で省略が認められるのは使用電圧300 V以下で長さ4 m以下の場合などに限られ、10 mでは省略できない。
公式解答 ハ
イ 壁の貫通部に防火措置
適切。防火区画の貫通部は延焼を防ぐ措置をする。
ロ 重量に耐える構造とし、天井スラブからアンカーボルトで吊る
適切。
ハ 長さ10 mなのでD種接地工事を省略
不適切。長さ10 mは省略の条件に当たらない。
ニ 電灯幹線と動力幹線の間のセパレータを省略
適切。低圧ケーブルどうしはセパレータを設けなくてよい。
第34問・低圧配線
低圧配電盤と幹線の過電流遮断器
過電流遮断器は、多線式電路の中性極を除く各極に設ける。素子を省けるのは対地電圧150 V以下の電路の接地側電線などに限られ、三相3線式210 Vの回路には3極3素子のものを使う。
公式解答 ニ
3極2素子では、素子のない線にだけ大きな電流が流れる不平衡のとき過電流を検出できない。例えば単相負荷2台がS相を共有すると、S相の電流は他の2線より大きくなる。
イ 配電盤の器具と電線は容易に点検できるように施設
適切。管に収めた電線とケーブルを除き、点検できるようにする。
ロ 電灯幹線の過電流遮断器は許容電流以下の定格
適切。幹線を保護する過電流遮断器の基本の選定。
ハ 低圧幹線は損傷を受けるおそれがない場所に施設
適切。低圧幹線の施設場所の規定。
ニ 三相3線式210 Vに3極2素子を使用
不適切。各線に過電流素子をもつ3極3素子を使う。
第35問・保守・検査
接地抵抗計の接続
E端子は測定する接地極へ、S(P)端子は中間の補助接地極へ、H(C)端子は遠い補助接地極へつなぐ。図では接地極③から10 mの②がS(P)、20 mの①がH(C)になる。
公式解答 ハ
イ E-①、S(P)-②、H(C)-③
接地極と遠い補助接地極を入れ替えており、③の接地抵抗を測れない。
ロ E-②、S(P)-①、H(C)-③
E端子を補助接地極につないでいる。
ハ E-③、S(P)-②、H(C)-①
測定する極、電圧用補助極、電流用補助極の順に正しく接続している。
ニ E-③、S(P)-①、H(C)-②
電圧用と電流用の補助接地極が入れ替わっている。
第36問・保守・検査
地絡方向継電器(DGR)の試験
DGRは零相電流と零相電圧の大きさと位相から地絡の方向を判定する。試験は動作電流値、動作電圧値、位相特性、動作時間について行い、周波数を変える試験は行わない。
公式解答 ハ
イ 動作電流値試験
行う。零相電流の動作値を確認する。
ロ 動作電圧値試験
行う。零相電圧の動作値を確認する。
ニ 位相特性試験
行う。方向判定に使う位相特性を確認する。
第37問・法令
絶縁用保護具の定期自主検査
労働安全衛生規則は、絶縁用保護具等について6か月以内ごとに1回、定期に耐電圧試験を行い、結果を記録して3年間保存することを定めている。
公式解答 ロ
イ ① 1、② 1
検査の周期も記録の保存期間も短すぎる。
ロ ① 6、② 3
6か月以内ごとに1回、記録は3年間保存。
ハ ① 6、② 1
周期は正しいが、保存期間が1年と短い。
ニ ① 12、② 3
保存期間は正しいが、周期が12か月と長い。
第38問・法令
第一種電気工事士でなければ従事できない作業
電気工事士法が対象とする自家用電気工作物は、最大電力500 kW未満の需要設備である。発電所、変電所、最大電力500 kW以上の需要設備の工事は対象外になる。
公式解答 ハ
イ 最大電力800 kWの需要設備の変圧器に電線を接続
最大電力500 kW以上の需要設備は電気工事士法の対象外。
ロ 出力500 kWの発電所の配電盤を造営材に取り付ける
発電所は電気工事士法の対象外。
ハ 最大電力400 kWの需要設備の受電用ケーブルを電線管に収める
500 kW未満の需要設備の工事で、第一種電気工事士でなければ従事できない。
ニ 配電用変電所内の電線相互を接続
変電所は電気工事士法の対象外。
第39問・法令
電気保安を主旨とした法令
電気保安四法は、電気事業法、電気工事士法、電気工事業の業務の適正化に関する法律、電気用品安全法である。消費生活用製品安全法は一般の消費生活用製品を対象とする法律で、これに含まれない。
公式解答 ハ
イ 電気事業法
電気工作物の保安を定める基本の法律。
ロ 電気工事士法
電気工事の作業に従事する者の資格と義務を定める。
ハ 消費生活用製品安全法
電気保安を主旨とした法令ではない。
ニ 電気工事業の業務の適正化に関する法律
電気工事業者の登録などを定める。
第40問・法令
低圧電路の絶縁抵抗値
電気設備技術基準第58条は、300 V以下で対地電圧150 V以下の電路を0.1 MΩ以上、その他の300 V以下を0.2 MΩ以上、300 Vを超える電路を0.4 MΩ以上としている。300 V超450 V以下を0.3 MΩとした記述が不適切。
公式解答 ハ
イ 300 V以下・対地電圧150 V以下で0.1 MΩ以上
適切。
ロ 300 V以下・対地電圧150 V超で0.2 MΩ以上
適切。
ハ 300 V超450 V以下で0.3 MΩ以上
不適切。300 Vを超える電路は0.4 MΩ以上。
ニ 450 V超で0.4 MΩ以上
適切。300 Vを超える電路の基準値。
第41問・電動機回路
正逆転回路の主回路結線
MC-2の主接点は、①へ上からR、S、Tの順に入る。逆転させるには、MC-1(R-U、S-V、T-W)に対して2相を入れ替え、R-W、S-V、T-Uと結ぶ。
公式解答 ロ
3相を一つずつずらす結線では相回転が変わらず、電動機は正転と同じ向きに回る。
イ R-V、S-W、T-U
3相を順にずらしただけで相回転は変わらず、逆転しない。
ロ R-W、S-V、T-U
RとTを入れ替えており、逆転する。
ハ R-W、S-U、T-V
これも3相を順にずらしただけで、正転と同じ向きに回る。
ニ R-U、S-V、T-W
MC-1と同じ結線で、逆転しない。
第42問・電動機回路
熱動継電器(THR)
②の図記号は熱動継電器である。電動機に過負荷電流が流れるとヒータで加熱され、接点を切り換える。写真ニの、3相の主回路端子と電流調整ダイヤルをもつ機器である。
公式解答 ニ
イ マイクロスイッチ(写真イ)
リミットスイッチなどに使うマイクロスイッチ。
ロ 制御用リレー(写真ロ)
プラグイン形の制御用リレー。
ハ タイマ(写真ハ)
時間設定ダイヤルをもつタイマ。
ニ 熱動継電器(写真ニ)
3相の主回路端子と電流調整ダイヤルをもつ。
第43問・電動機回路
正逆転回路のインタロック接点
インタロックは、一方の電磁接触器が動作している間はもう一方を動作させない仕組みである。MC-1のコイル回路にはMC-2のb接点、MC-2のコイル回路にはMC-1のb接点を入れる。
公式解答 ハ
イ ⓐ MC-2のa接点、ⓑ MC-1のa接点
a接点では相手が動作していないと自分も動作できず、どちらも始動しない。
ロ ⓐ MC-1のa接点、ⓑ MC-2のa接点
自分のa接点は始動前に開いているため、コイルが励磁されない。
ハ ⓐ MC-2のb接点、ⓑ MC-1のb接点
相手が動作すると自分の回路が開く、正しいインタロック。
ニ ⓐ MC-1のb接点、ⓑ MC-2のb接点
自分のb接点では、励磁した瞬間に自分の回路が開いてしまう。
第44問・電動機回路
熱動継電器のb接点が開く条件
④は熱動継電器のb接点である。設定値を超える電流が続くと開き、電磁接触器のコイル回路を切って電動機を止める。
公式解答 イ
イ 設定値を超えた電流が継続して流れたとき
過負荷で熱動継電器が動作し、b接点が開く。
ロ 電動機が始動したとき
始動電流は短時間で、熱動継電器は動作しないように選定する。
ハ 正転から逆転に切り替わったとき
切替えは電磁接触器の接点で行い、熱動継電器は関係しない。
ニ 電動機が停止したとき
停止しても熱動継電器のb接点は閉じたまま。
第45問・電動機回路
表示灯の用途
SL-1はMC-1とMC-2のb接点を直列に通るので、両方が止まっているときに点灯する。SL-2はMC-1とMC-2のa接点の並列で運転中に、SL-3は熱動継電器のメーク接点で過負荷のときに点灯する。
公式解答 ロ
イ SL-1運転、SL-2故障、SL-3停止
接点の種類と表示の対応が合っていない。
ロ SL-1停止、SL-2運転、SL-3故障
b接点の直列、a接点の並列、THRのメーク接点の順に対応している。
ハ SL-1故障、SL-2正転運転、SL-3逆転運転
SL-2はMC-1とMC-2のどちらでも点灯し、正転と逆転を区別しない。
ニ SL-1正転運転、SL-2逆転運転、SL-3故障
SL-1はb接点を通るため、運転中には消える。
第46問・高圧受電設備
地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器の役割
①は責任分界点に置く地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器である。需要家側で地絡が起きたときに地絡電流を検出して開閉器を開き、配電線への波及を防ぐ。
公式解答 ハ
イ 一般送配電事業者側の地絡を検出し、遮断器を自動遮断
検出するのは需要家側の地絡で、開放するのは負荷開閉器。
ロ 一般送配電事業者側の地絡を検出し、断路器を開放
検出の範囲が逆で、断路器は電流を開閉できない。
ハ 需要家側の地絡を検出し、負荷開閉器を開放
方向性の地絡継電装置で、需要家側の地絡だけに応動する。
ニ 需要家側の地絡を検出し、断路器を開放
断路器は負荷電流や地絡電流を開閉できない。
第47問・計器用変成器
計器用変圧器の一次側ヒューズ
②はV結線した計器用変圧器2台の一次側を保護する高圧の限流ヒューズである。1台につき2本ずつ、合計4本を使う。
公式解答 ニ
イ 低圧用の筒形ヒューズ(ナイフ刃形)2本
低圧用のヒューズで、高圧の計器用変圧器には使えない。
ロ 高圧の限流ヒューズ2本
種類は合うが、計器用変圧器2台の一次側には4本必要。
ハ 低圧用の筒形ヒューズ(ナイフ刃形)4本
本数は合うが、低圧用のヒューズである。
ニ 高圧の限流ヒューズ4本
計器用変圧器2台の一次側の各端子に1本ずつ。
第48問・接地工事
変流器の二次側の接地
③は変流器(CT)である。高圧の計器用変成器の二次側電路には、D種接地工事を施す。
公式解答 ニ
イ A種接地工事
高圧機器の外箱や避雷器に施す接地工事。
ロ B種接地工事
高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側に施す接地工事。
ハ C種接地工事
300 Vを超える低圧機器の外箱などに施す接地工事。
ニ D種接地工事
高圧の計器用変成器の二次側電路に施す接地工事。
第49問・変圧器
Δ-Δ結線の変圧器バンク
④の図記号はΔとΔの間に「3」が付いており、単相変圧器3台をΔ-Δ結線したバンクを表す。高圧ブッシングが2本の単相変圧器を3台とする組合せが正しい。
公式解答 ニ
イ 三相変圧器1台(写真イ)
高圧ブッシングが3本の三相変圧器で、単相3台の構成と合わない。
ロ 単相変圧器1台(写真ロ)
単相1台では三相のΔ-Δ結線を組めない。
ハ 三相変圧器3台(写真ハ)
三相変圧器を3台並べる構成ではない。
ニ 単相変圧器3台(写真ニ)
単相変圧器3台でΔ-Δ結線のバンクを組む。
第50問・接地工事
変圧器外箱の接地線の最小太さ
⑤は変圧器の金属製外箱に施すA種接地工事である。高圧受電設備規程は、A種接地工事の接地線を断面積5.5 mm²以上の軟銅線としている(避雷器は14 mm²以上)。
公式解答 ロ
イ 3.5 mm²
A種接地工事の最小太さ5.5 mm²に足りない。
ロ 5.5 mm²
高圧機器の外箱に施すA種接地工事の最小太さ。
ハ 8 mm²
使うことはできるが、最小の太さではない。
ニ 14 mm²
避雷器のA種接地工事に求められる太さで、最小値ではない。