2025年11月23日実施・基礎30問・適性15問・公式正答照合

技術士第一次試験
令和7年度 基礎・適性の解答・解説

令和7年度の基礎科目30問と適性科目15問について、公式正答と解き方をこのページに載せています。問題本文は転載していないため、日本技術士会の公式問題PDFを開き、問題番号を合わせて読んでください。部門別の専門科目は扱いません。

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試験の形式と令和7年度の結果

基礎科目科学技術全般の基礎知識。1群〜5群の各6問から3問ずつ、計15問を選んで解答(1時間・15点満点)
適性科目技術士法第4章(技術士等の義務)の遵守に関する適性。15問すべてに解答(1時間・15点満点)
専門科目受験する技術部門の基礎知識と専門知識(2時間・50点満点)。このページでは扱いません
令和7年度の結果受験者17,013名、合格者5,754名、受験者に対する合格率33.8%
令和8年度2026年11月22日(日)実施

出典:技術士第一次試験実施大綱、令和7年度技術士第一次試験統計、令和7年度技術士第一次試験正答訂正等について(訂正は専門科目の機械・建設部門のみ)、令和8年度技術士第一次試験の実施について(いずれも日本技術士会)

基礎科目は本番では各群3問だけを選びますが、ここでは30問すべてを解説しています。得意な群と避ける群を見極める練習に使えます。

正答一覧(全45問)

日本技術士会の正答表と照合しています。問題番号を選ぶと解説へ移動します。

基礎科目 1群 設計・計画

問題正答論点
I-1-1③性能設計の流れ
I-1-2④PDCAサイクルの語義
I-1-3②許容応力と安全率
I-1-4①平面応力と平面ひずみ
I-1-5⑤M/M/1待ち行列の平均滞在時間
I-1-6③第1種・第2種の誤り

基礎科目 2群 情報・論理

問題正答論点
I-2-1③有限集合間の写像数
I-2-2④情報源・通信路分離定理
I-2-3③TCPスロースタートの増加則
I-2-4⑤標的型攻撃と外部解析サービス
I-2-5④データ伝送の回線利用率
I-2-6①アッカーマン関数A(2,2)

基礎科目 3群 解析

問題正答論点
I-3-1②上三角行列の逆行列
I-3-2①勾配ベクトルの長さ
I-3-3⑤シンプソン法の3点公式
I-3-4②両端固定棒の反力配分
I-3-5⑤正四面体回路の合成抵抗
I-3-6①導体棒の終端速度

基礎科目 4群 材料・化学・バイオ

問題正答論点
I-4-1②酸化数の比較
I-4-2③希薄水溶液中の酸性度
I-4-3③結晶粒径と鋼材強度
I-4-4⑤質量分率からモル分率への換算
I-4-5④必須アミノ酸の判別
I-4-6④細菌細胞の巨大分子組成

基礎科目 5群 環境・エネルギー・技術

問題正答論点
I-5-1⑤ブルーカーボンの国連報告
I-5-2③海洋プラスチック対策の正誤
I-5-3④第7次エネルギー基本計画
I-5-4②再エネ比率・太陽光費用・風力
I-5-5②日本人ノーベル物理学賞の識別
I-5-6④科学技術基本計画の年代順

適性科目

問題正答論点
II-1③技術士法第4章の義務
II-2①技術士プロフェッション宣言
II-3⑤倫理的意思決定を阻害する要因
II-4③有能性と専門家との協業
II-5①情報セキュリティ用語の対応
II-6⑤DEI推進宣言
II-7①AIと知識集約型社会
II-8④産業財産権に含まれる4権利
II-9④Society 5.0の定義
II-10③循環資源の利用優先順位
II-11④公正取引に関する用語
II-12④製造物責任法の消滅時効
II-13⑤公益通報者に含まれる者
II-14②ALARP領域での許容条件
II-15②働き方改革関連の制度

令和7年度 基礎・適性45問の解説集PDF

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基礎科目 1群 設計・計画の解答・解説(6問)

設計・計画

I-1-1 性能設計の流れ

性能設計は、目的に沿った要求性能を先に定め、構造計画と構造詳細へ具体化してから、設計耐用期間を通じた性能を照査する。

正答 ③(合理的・要求性能・構造計画・構造詳細)

構造物は自然条件、施工条件、経済性などを踏まえて合理的に計画する。「使用性能」は要求性能の一部にすぎず、設計の出発点を表す語としては要求性能が適切である。

大枠を決める構造計画の後に部材・接合などの構造詳細を定めるため、この並びをすべて満たす③が正答となる。

選択肢の絞り込みでは、まずアの「不合理」を含む②④を外す。イは、設計の出発点として構造物が満たすべき性能をまとめて定める語が入るので、使用性・安全性・復旧性などを含む「要求性能」が適切で、その一部にすぎない「使用性能」の①は外れる。ウの「施工計画」は施工方法や工程を決める計画で、構造形式や部材配置を決める設計段階の語ではない。エも、構造計画で決めた大枠を部材寸法・接合部・配筋などへ具体化する「構造詳細」が性能設計の手順に合い、一般的な工程名の「詳細設計」を入れた⑤は外れる。

公式問題でI-1-1を見る

設計・計画

I-1-2 PDCAサイクルの語義

PDCAはPlan、Do、Check、Actの循環であり、CをChoose、AをAchieveとする説明が誤りである。

正答 ④(正・正・誤・誤)

Planは目標と達成方法を定め、Doで実行し、Checkで結果を評価する。最後のActでは評価結果を踏まえて是正・改善し、次の計画へつなげる。

したがって前半2項目だけが正しく、組合せは④となる。

PDCAはシューハートが示しデミングが広めた品質管理の考え方で、Checkでは計画と実績の差を確かめ、Actでは良かったやり方を標準化し、問題があれば是正して次のPlanへ反映する。サイクルを回し続けて改善を積み上げる点が要点で、「成し遂げる(Achieve)」で終わる手順ではない。選択肢の組合せでは、アとイが正しいので①②が外れ、ウを正とする③、エを正とする⑤も外れて④が残る。

公式問題でI-1-2を見る

設計・計画

I-1-3 許容応力と安全率

許容応力は材料の基準強さを安全率で割って求める。引張強さを基準にする場合は2以上、疲労限度を基準にする場合はおおむね1.3〜2.0の安全率を用いる。

正答 ②(基準強さ÷安全率、2以上、1.3〜2.0)

安全率を大きくするほど許容応力は小さくなるので、割り算の向きを逆にした選択肢は除外できる。数値範囲まで一致する②が正答である。

安全率は基準強さが許容応力の何倍あるかを示す値なので、定義上1より大きい。1以下の安全率では許容応力が強さ以上になり、設計の余裕がなくなるため①④は外れる。また「13〜20」では許容応力が強さの1/13以下となり、通常の設計値として過大である。引張強さは破断を基準にするため余裕を大きく取り、すでに繰返し荷重での限界を表す疲労限度を基準にする場合は小さめの安全率でよい、という対比で覚えておくと数値の組を取り違えない。

公式問題でI-1-3を見る

設計・計画

I-1-4 平面応力と平面ひずみ

面内荷重を受ける薄板では、自由表面に直交する厚さ方向の応力成分を無視でき、これを平面応力状態という。

正答 ①(薄板の厚さ方向応力を無視する)

一方、長手方向に十分長く、その方向へ状態が変化しない物体では長手方向ひずみをゼロと近似する平面ひずみが現れる。応力をゼロにするのか、ひずみをゼロにするのかを区別すれば①だけが残る。

平面応力は、薄板の自由表面に垂直な応力σzを0とみなす近似で、厚さ方向のひずみεzは0にならず、ポアソン効果で生じる。平面ひずみは、ダム、トンネル、擁壁のように奥行き方向に長く条件が一様な物体で、奥行き方向のひずみεzを0とみなす近似で、このときσzは0ではなくν(σx+σy)となる。②⑤は長い柱で「応力」を無視するとしており、③は長手方向の「ひずみ」を無視する状態を平面応力と呼んでいる。④は薄板で厚さ方向のひずみを無視する状態を平面ひずみと呼んでおり、いずれも応力とひずみの組合せか名称が逆である。

公式問題でI-1-4を見る

設計・計画

I-1-5 M/M/1待ち行列の平均滞在時間

尋ねているのは待ち時間ではなく系内滞在時間である。到着率は毎時36人、平均処理時間50秒からサービス率は毎時72人となる。

正答 ⑤(100秒)

待ち時間だけでなく処理時間も含む系内滞在時間を尋ねているため、⑤が正答となる。

誤答の多くは、どの時間を尋ねているかの取り違えから生じる。列に並んでいる時間だけを表す平均待ち時間は、待ち行列長Lq=ρ²/(1−ρ)=0.5人をλで割った1/72時間=50秒で、③はこの値である。系内滞在時間Wは待ち時間50秒に平均処理時間50秒を足した値と一致し、W=1/(μ−λ)=1/36時間=100秒からも確かめられる。利用率ρが1に近づくとLもWも急増する点は、窓口や処理系の設計で重要である。

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設計・計画

I-1-6 第1種・第2種の誤り

真の帰無仮説を棄却するのが第1種の誤り、偽の帰無仮説を棄却しないのが第2種の誤りである。

正答 ③(誤りの定義が正しい)

有意水準は通常5%や1%であり、30%ではない。母分散未知の平均検定で使うt統計量の自由度は標本数nに対してn−1、信頼度は危険率αの逆数ではなく1−αで表す。よって③だけが適切である。

①の帰無仮説は、棄却されることを期待して立てる仮説で、成立を期待する仮説ではない。②の有意水準は5%や1%が一般的で、30%では偶然の差を有意と判定しやすくなりすぎる。④で母分散が未知のときの統計量は自由度n−1のt分布に従う。⑤の信頼度(信頼係数)は1−αで表し、危険率αの逆数ではない。第1種の誤りの確率はα、第2種の誤りの確率はβで、1−βを検出力という。

公式問題でI-1-6を見る

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基礎科目 2群 情報・論理の解答・解説(6問)

情報・論理

I-2-1 有限集合間の写像数

A×Bの要素数は3×2=6であり、その各要素にCの2要素のどちらかを割り当てるため、写像は2の6乗個ある。

正答 ③(64)

単射や全射という制約は付いていないので、6個の入力ごとに独立に2択できる。したがって③である。

有限集合XからYへの写像の総数は|Y|^|X|で、定義域の各要素ごとに行き先を独立に選べることから導かれる。底と指数を逆にした6²=36(②)や、3×2×2=12(①)は典型的な誤りである。81=3⁴、128=2⁷はどちらも要素数の組合せと合わない。単射や全射に限る条件が付くと数え方が変わるため、問題文に制約があるかを最初に確かめる。なお単射に限ると、6個の入力に2個の値を重複なく割り当てることはできないので0個になる。

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情報・論理

I-2-2 情報源・通信路分離定理

情報源符号化と通信路符号化を分けて設計できるという説明は、ユニバーサル符号化ではなく情報源・通信路分離定理を指す。

正答 ④(分離定理をユニバーサル符号化としている)

ユニバーサル符号は、情報源の確率分布を事前に完全には知らなくても効率よく符号化する方式である。用語の対応が誤っている④が最も不適切となる。

①は符号化と復号化の定義、②は雑音のない通信路で入力長を短くする情報源符号化、③は雑音のある通信路で伝送レートを高める通信路符号化、⑤は複数の情報源・通信路を扱う多元情報理論(ネットワーク情報理論)の説明で、いずれも適切である。④の内容はシャノンの情報源・通信路符号化分離定理にあたり、情報源符号化と通信路符号化を別々に最適化しても全体の最適性を損なわないことを示す。名称だけが入れ替わっている点に気付けるかが問われている。

公式問題でI-2-2を見る

情報・論理

I-2-3 TCPスロースタートの増加則

スロースタートではACKごとに輻輳ウィンドウを増やすため、1往復時間当たりではおおむね倍増し、線形ではなく指数的に増える。

正答 ③(スロースタートを線形増加としている)

しきい値到達後の輻輳回避では、1往復時間当たり約1セグメント分という加法的な線形増加へ切り替わる。二つの段階を取り違えた③が不適切である。

スロースタートでは、ACKを1つ受け取るたびに輻輳ウィンドウを1セグメント分増やすため、1往復で送ったセグメント数だけ増え、ウィンドウは往復時間ごとに約2倍になる。しきい値(ssthresh)に達した後の輻輳回避では、1往復時間当たり約1セグメント分の加法的増加に切り替わり、輻輳を検知したら大きく減らす加法増加・乗法減少(AIMD)で帯域を分け合う。①②④⑤はこの仕組みに沿っている。

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情報・論理

I-2-4 標的型攻撃と外部解析サービス

組織宛ての添付ファイルを公開型のオンライン検査サービスへ送ると、機密情報が外部へ流出するおそれがある。

正答 ⑤(添付ファイルを外部サービスへ安易に送る)

多層防御、連絡窓口、実行制御、組織間の攻撃情報共有はいずれも有効である。解析は組織の規程に従い、隔離された承認済み環境で行うべきなので⑤が最も不適切となる。

オンラインのウイルス検査サービスやサンドボックスでは、送信したファイルが提供事業者や提携先と共有され、第三者が閲覧できる場合がある。業務文書を添付した標的型攻撃メールを送ると、組織内の情報が外部に出るだけでなく、攻撃者に気付かれたことを知らせるおそれもある。疑わしい添付ファイルは開かずに連絡窓口へ報告し、組織が承認した隔離環境や契約した解析サービスで調べるのが適切である。

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情報・論理

I-2-5 データ伝送の回線利用率

圧縮後は200 MB、ビット換算で1.6×10^9 bitである。25秒間の実効速度は64 Mbpsとなるため、100 Mbps回線の利用率は64%である。

正答 ④(64%)

圧縮率を掛けることと、バイトからビットへ8倍することの両方が必要である。

数値を取り違えた誤答が選択肢に並んでいる。バイトをビットに直さず200 MBのまま計算すると8%(①)、圧縮前の250 MBをビット換算すると80%(⑤)、圧縮もビット換算もしないと10%(②)になる。伝送時間の式を回線利用率について解き、分子のデータ量を「圧縮後」「ビット単位」にそろえることが要点である。

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情報・論理

I-2-6 アッカーマン関数A(2,2)

再帰定義からA(1,n)=n+2、続いてA(2,n)=2n+3が得られるので、A(2,2)=7となる。

正答 ①(7)

再帰式を順に使うと、A(2,0)=A(1,1)=3である。またA(2,n+1)=A(1,A(2,n))=A(2,n)+2なので、値は3、5、7と2ずつ増える。

したがってA(2,2)=7であり、7を示す選択肢①が公式正答と一致する。添字を一度に代入せず、初期値から二回更新すると再帰の段数を取り違えない。

第1式からA(0,n)=n+1、第2式からA(1,0)=A(0,1)=2となり、第3式でA(1,n+1)=A(1,n)+1が得られるのでA(1,n)=n+2である。A(2,n)はこのA(1,n)を繰り返し使うため1回で2ずつ増え、A(2,1)=5、A(2,2)=7となる。同じ手順を進めるとA(3,n)=2^(n+3)−3となり、引数が少し増えるだけで値が急増するのがアッカーマン関数の特徴である。

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基礎科目 3群 解析の解答・解説(6問)

解析

I-3-1 上三角行列の逆行列

対角が1の上三角行列では、逆行列も同じ形になる。候補を掛け、非対角成分がすべて0になるものを選ぶ。

正答 ②

(1,3)成分ではa²と−a²が相殺される。これに一致する②が正答である。

対角成分が1の上三角行列はA=I+N(Nは対角成分が0の上三角行列)と書け、3次ではN³=0なのでA⁻¹=I−N+N²が成り立つ。N²は(1,3)成分だけがa²の行列なので、I−Nの(1,3)成分−a²にa²を足して0になり、②の行列が得られる。①は(1,3)成分を−a²のまま残しており、⑤はa²の符号が逆である。候補が絞れたら、AとA⁻¹の積の非対角成分が0になるかで確かめる。

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解析

I-3-2 勾配ベクトルの長さ

関数をxとyで偏微分し、(2,1)へ代入すると勾配は(9,0)になる。したがって長さは9である。

正答 ①(9)

勾配は各点で関数が最も急に増える向きを表すベクトルで、その長さは最大の変化率にあたる。∂f/∂x=4x+y、∂f/∂y=x−2yに(2,1)を代入すると(9,0)となり、求める長さは9である。④の(9,0)は勾配ベクトルそのもので、問われている「長さ」ではない。勾配に直交する向きは等高線の接線方向にあたり、その向きに少し動いても関数の値は変わらない。単位ベクトルにすると(1,0)で、点(2,1)からはx軸の正の向きに進むと関数値が最も急に増える。

公式問題でI-3-2を見る

解析

I-3-3 シンプソン法の3点公式

等間隔の3点a、b、cで2区間を近似するシンプソン法は、端点を1、中点を4の重みで足し、h/3を掛ける。

正答 ⑤(h/3・[f(a)+4f(b)+f(c)])

台形公式の重み1:1や、中点を2倍する式と混同しない。該当するのは⑤である。

シンプソン法は、3点(a,f(a))、(b,f(b))、(c,f(c))を通る2次式で被積分関数を近似し、その2次式を積分した公式である。区間全体の幅は2hなので、(2h/6){f(a)+4f(b)+f(c)}=(h/3){f(a)+4f(b)+f(c)}となる。③のh/6は、hを区間全体の幅とした書き方と混同した式である。②は台形公式を幅2hに当てはめた式で、①はその半分にあたる。シンプソン法は3次式まで厳密に積分でき、誤差は区間幅の5乗に比例して小さくなる。

公式問題でI-3-3を見る

解析

I-3-4 両端固定棒の反力配分

荷重点Cから左右の固定端までの棒は、長さに反比例するばねとして働く。左側Lの剛性は右側4Lの4倍なので、荷重を4:1に分担する。

正答 ②(PA=−4P/5、PB=−P/5)

反力は図の荷重正方向と逆向きになるため負号が付く。

両端が固定された棒は静定構造ではなく、つり合い式PA+P+PB=0だけでは反力が決まらない。棒全体の伸びが0という変形の条件を加え、AC間の軸力を−PA、CB間の軸力をPBとすると、伸びの和は(−PA·L+PB·4L)/EA=0となり、PA=4PBが得られる。これをつり合い式に代入するとPB=−P/5、PA=−4P/5となる。短い区間ほど剛性が高く荷重を多く受け持つため、左右の配分を逆にした④は誤りである。

公式問題でI-3-4を見る

解析

I-3-5 正四面体回路の合成抵抗

図示された対称な電流分配を使い、AB間の電位差を一つの経路で求めると、端子を辺の中点へ移すにつれて合成抵抗が増える。

正答 ⑤(Ra<Rb<Rc)

各値は、Aから流入する全電流Iに対するAB間電位差VABを図の枝電流から求め、VAB/Iとすれば得られる。したがって⑤である。

(a)では、A、B以外の2頂点は対称な位置にあり電位が等しいため、その間の導線には電流が流れない(図のi=0)。この導線を除くと、ABの直結R、2Rの経路2本の並列になり、Ra=R/2となる。(b)(c)では端子を導線の中点へ移すため、端子に接する導線が半分の抵抗R/2に分かれ、図の電流分配から求めるとRb=5R/8、Rc=3R/4となる。頂点には3本の導線がつながるが、中点には半分の長さの導線が2本つながるだけなので、端子から電流が分かれる経路が減り、合成抵抗が大きくなる。

公式問題でI-3-5を見る

解析

I-3-6 導体棒の終端速度

速度vで動く導体棒にはBLvの起電力が生じ、電流BLv/Rによる磁気力が運動を妨げる。等速時には磁気力とおもりの重力が釣り合う。

正答 ①(MgR/(BL)²)

エネルギーの収支からも同じ結果が得られる。等速運動ではおもりの位置エネルギーの減少率Mgvが、抵抗Rで生じるジュール熱I²R=(BLv)²/Rにすべて変わるので、Mgv=(BLv)²/Rからv=MgR/(BL)²となる。単位を確かめると、MgR/(BL)²は[N·Ω]/[T²·m²]=m/sとなり、速度の次元をもつのは①だけである。電流の向きは、レンツの法則により導体の運動を妨げる向きである。おもりを放した直後は磁気力が小さく加速するが、速度とともに起電力と磁気力が増え、加速度が0になった時点の速度が終端速度である。

公式問題でI-3-6を見る

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基礎科目 4群 材料・化学・バイオの解答・解説(6問)

材料・化学・バイオ

I-4-1 酸化数の比較

各化学種で酸素を−2、水素を+1として電荷収支を取ると、過マンガン酸イオン中のMnが+7で最大になる。

正答 ②(過マンガン酸イオンのMnは+7)

比較対象は、硫酸のSが+6、二クロム酸イオンのCrが+6、硝酸のNが+5、二酸化窒素のNが+4である。したがって②となる。

酸化数は、化合物では酸素を−2、水素を+1とし、全体の合計が0(イオンでは電荷)になるように求める。H₂SO₄はS=+6、MnO₄⁻はMn=+7、Cr₂O₇²⁻(二クロム酸イオン)はCr=+6、HNO₃はN=+5、NO₂はN=+4である。+7はマンガンがとりうる最高の酸化数で、過マンガン酸カリウムが強い酸化剤として働くのはこのためである。酸化数は、酸化還元反応で電子を失う物質(酸化数が増える)と受け取る物質(酸化数が減る)を見分けるときの基本になる。

公式問題でI-4-1を見る

材料・化学・バイオ

I-4-2 希薄水溶液中の酸性度

トリフルオロ酢酸はフッ素の誘起効果で酢酸より強く、エタノールは共役塩基の安定化が弱いため酢酸より弱い。正しいのはイとウである。

正答 ③(イ・ウ)

水溶液では塩化水素はフッ化水素より強酸なのでアは誤り。フェノキシドイオンは共鳴安定化されるため、フェノールはエタノールより強酸でありエも誤りとなる。

酸の強さはpKaで比べると分かりやすい。水中でのpKaは、塩化水素が約−7、フッ化水素が約3.2、トリフルオロ酢酸が約0.2、酢酸が約4.8、フェノールが約10、エタノールが約16である。フッ素の電気陰性度は大きいが、H−F結合が強く、生じたF⁻が水との水素結合で強く束縛されるため、水溶液中のフッ化水素は弱酸になる。CF₃基は電子を強く引き付けて共役塩基を安定化し、フェノキシドイオンは負電荷がベンゼン環に広がって安定化する。

公式問題でI-4-2を見る

材料・化学・バイオ

I-4-3 結晶粒径と鋼材強度

鋼材は結晶粒を微細化すると粒界が転位運動を妨げ、強度が増す。粗大化で強度が向上するという説明は逆である。

正答 ③(粗大化で強度向上としている)

硫黄添加による被削性向上、BCC単位胞の原子数2、再結晶による延性回復、シャルピー試験によるじん性評価はいずれも適切である。

①の硫黄は鋼中で硫化マンガンを作り、切りくずを細かく分断するため被削性が上がる(硫黄快削鋼)。②の体心立方の単位胞は、角の原子1/8×8と中心の1個で2個分の原子を含む(面心立方は4個)。④の再結晶では加工で増えた転位が減り、硬さが下がって延性が戻る。⑤のシャルピー衝撃試験は切欠き試験片を破断させる吸収エネルギーでじん性を評価する。結晶粒の微細化は、強度とじん性を同時に高められる数少ない手段である(ホール・ペッチの関係)。

公式問題でI-4-3を見る

材料・化学・バイオ

I-4-4 質量分率からモル分率への換算

合金100 gを仮定し、各質量を原子量で割って物質量へ直してから、総モル数に対する比を取る。

正答 ⑤(Sn 95.8%、Ag 3.28%、Cu 0.928%)

百分率は順に95.8%、3.28%、0.928%となり、⑤と一致する。質量分率をそのままモル分率としてはいけない。

計算の前に選択肢を絞ることもできる。銅の原子量63.5は合金の平均原子量(約118)より小さいので、モル分率では質量分率より大きくなり、0.500%を下回る①③④は外れる。逆に最も重いすずはモル分率が質量分率96.5%より小さくなるため②も外れ、⑤だけが残る。計算では総物質量0.8487 molに対し、すず0.813 mol、銀0.0278 mol、銅0.00787 molの比を取る。

公式問題でI-4-4を見る

材料・化学・バイオ

I-4-5 必須アミノ酸の判別

イソロイシン、バリン、ロイシン、メチオニンはヒトの必須アミノ酸だが、プロリンは体内で合成できる非必須アミノ酸である。

正答 ④(プロリン)

分岐鎖アミノ酸であるイソロイシン、バリン、ロイシンはいずれも必須である。選択肢中で必須アミノ酸として不適切なのは④だけとなる。

ヒトの必須アミノ酸は、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン(リジン)、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリンの9種類である。このうちロイシン、イソロイシン、バリンは分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれる。プロリンはグルタミン酸から体内で合成できるため非必須アミノ酸に分類され、④が不適切となる。必須アミノ酸が一つでも不足するとタンパク質の合成が制限されるため、食品のアミノ酸スコアは最も不足する必須アミノ酸の割合で評価される。

公式問題でI-4-5を見る

材料・化学・バイオ

I-4-6 細菌細胞の巨大分子組成

細菌細胞の乾燥重量で最も大きな割合を占める巨大分子は一般にタンパク質であり、核酸ではない。

正答 ④(核酸が最大重量比としている)

生体の主要4元素、水素原子の高い個数比、糖・アミノ酸・脂肪酸・ヌクレオチドという有機小分子、水が細胞重量の約70%という説明は妥当である。したがって④が不適切となる。

細菌細胞の乾燥重量の約半分をタンパク質が占め、RNAが約20%、DNAは数%程度にとどまる。①では水素・酸素・炭素・窒素の4元素が人体の原子数の約99%を占め、②では水分子と有機物に多く含まれる水素が原子数の約6割を占める。③の糖、アミノ酸、脂肪酸、ヌクレオチドは、それぞれ多糖、タンパク質、脂質、核酸の材料となる小分子で、⑤の水は細胞重量の約70%を占める。

公式問題でI-4-6を見る

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基礎科目 5群 環境・エネルギー・技術の解答・解説(6問)

環境・エネルギー・技術

I-5-1 ブルーカーボンの国連報告

日本は2022年度分から海草藻場・海藻藻場による吸収量を温室効果ガスインベントリへ算定し、国連へ報告している。

正答 ⑤(国連報告に至っていないとしている)

したがって「報告に至っていない」という⑤が不適切である。衛星観測、排出量算定・報告・公表制度、HFC対策、ZEH・ZEB支援の説明は白書の内容に沿う。

日本は2024年に提出した温室効果ガスインベントリから、海草藻場とあわせて海藻藻場(コンブ、ワカメ等)による吸収量を算定・報告しており、海藻藻場の吸収量を報告したのは世界で初めてとされる。①はGOSAT(いぶき)シリーズによる観測、②は地球温暖化対策推進法の算定・報告・公表制度、③はキガリ改正とフロン排出抑制法によるHFC対策、④はZEH・ZEBの普及目標と支援策で、いずれも白書の記載と一致する。

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環境・エネルギー・技術

I-5-2 海洋プラスチック対策の正誤

マイクロプラスチックは一般に5 mm以下で、海洋流出量は先進国が大半というわけではない。陸域対策と3R+Renewableは正しい。

正答 ③(誤・誤・正・誤・正)

2017年の日本からの廃プラスチック輸出量は10万トン未満ではなく約140万トン規模だったためエも誤りとなる。正誤は誤・誤・正・誤・正で③である。

アのマイクロプラスチックは一般に5 mm以下のものを指す。イの海洋流出量の推計(2010年)では、上位を東アジア・東南アジアなどの途上国が占めた。エでは、2017年に日本から輸出された廃プラスチックは約140万トンで、その大半が海外で再生利用に回されていた。ウの陸域での散乱防止・清掃と、オの3R+Renewableによる代替素材の活用は、戦略と対策の方向に合っている。

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環境・エネルギー・技術

I-5-3 第7次エネルギー基本計画

不確実性の高い脱炭素移行では、特定技術へ選択肢を絞るのではなく、活用可能な技術を幅広く確保することが基本となる。

正答 ④(技術の選択肢を限定するとしている)

データセンター等による電力需要増、S+3Eの視点、2035年度60%・2040年度73%削減目標、脱炭素投資を成長へ結び付ける各記述は計画と整合する。したがって④が不適切である。

第7次エネルギー基本計画は、2040年度に向けて再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入しつつ、原子力、水素・アンモニア、CCUSなど脱炭素につながる技術を幅広く活用する方針を示した。将来の技術動向が見通せないため、特定の技術に絞らず複数の選択肢を確保し、S+3E(安全性を大前提に、安定供給、経済効率性、環境適合)のバランスを取る考え方である。④は選択肢を「限定していく」としており、この方針と逆である。

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環境・エネルギー・技術

I-5-4 再エネ比率・太陽光費用・風力

2023年度の再生可能エネルギー比率は約23%、2024年の事業用太陽光の平均システム費用も約23万円/kWである。風が運ぶエネルギーは風速の3乗に比例する。

正答 ②(23%、23万円/kW、3乗)

風速の2乗は運動エネルギー密度に対応するが、単位時間に通過する空気量も風速に比例するため、出力側では3乗になる。三つが一致する②が正答である。

2023年度の電源構成では、水力を含む再生可能エネルギーが約23%で、太陽光が約10%、水力が約8%を占める。15%は2010年代半ばの水準で、アには合わない。事業用太陽光の平均システム費用は、制度開始時の約42万円/kWから2024年には約23万円/kWまで下がった。風のエネルギーの式は、運動エネルギー(1/2)mv²に単位時間当たりの空気の質量ρAvを掛けたもので、風速が2倍になると出力は8倍になる。

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環境・エネルギー・技術

I-5-5 日本人ノーベル物理学賞の識別

1949年に中間子理論で日本人初のノーベル物理学賞を受賞したのは湯川秀樹である。朝永振一郎の受賞は量子電気力学への業績による1965年である。

正答 ②(朝永振一郎と湯川秀樹を取り違えている)

ハーバー法、1873年ウィーン万博、堀田式錆止塗料、フォードの流れ作業はいずれも対応が正しい。人物と業績を混同した②が不適切となる。

1949年に中間子の存在を予言した業績で日本人初のノーベル賞(物理学賞)を受けたのは湯川秀樹である。朝永振一郎は、くりこみ理論による量子電気力学の発展で1965年に物理学賞を受けた。①のハーバーは1918年のノーベル化学賞、③は明治政府が初めて公式参加した1873年のウィーン万博、④は1885年(明治18年)の特許第1号、⑤はフォードが1913年に導入した移動式組立ラインで、いずれも正しい。

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環境・エネルギー・技術

I-5-6 科学技術基本計画の年代順

第2期から第6期へ、社会との双方向性、ELSI、震災復興、Society 5.0、総合知の順に重点が移っている。

正答 ④(イ→ア→オ→エ→ウ)

イが第2期、アが第3期、オが第4期、エが第5期、ウが第6期に対応する。したがって年代順はイ→ア→オ→エ→ウで④となる。

各期の期間は、第2期が2001〜2005年度、第3期が2006〜2010年度、第4期が2011〜2015年度、第5期が2016〜2020年度、第6期が2021〜2025年度である。社会との双方向のコミュニケーション(第2期)、ELSIへの取組(第3期)、東日本大震災からの復興(第4期)、Society 5.0(第5期)、総合知(第6期)と、キーワードを期の特徴に結び付けておくと並べやすい。

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適性科目の解答・解説(15問)

技術者倫理

II-1 技術士法第4章の義務

信用失墜行為の禁止、秘密保持、公益確保は技術士法上の義務である。一方、未登録部門を実務経験だけで表示できる制度はない。

正答 ③(正・正・正・誤)

技術士が名称を表示するときは登録部門を明示し、登録していない技術部門を表示してはならない。よって正・正・正・誤の③となる。

技術士法第4章は、信用失墜行為の禁止(第44条)、秘密保持義務(第45条)、公益確保の責務(第45条の2)、名称表示の場合の義務(第46条)、技術士補の業務の制限(第47条)、資質向上の責務(第47条の2)を定める。秘密保持義務は技術士でなくなった後も続き、違反には罰則がある。登録していない技術部門を名乗るには、その部門の第二次試験に合格して登録を受ける必要があり、実務経験で表示を認める制度はない。

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技術者倫理

II-2 技術士プロフェッション宣言

行動原則は、自らの技術、顧客への誠実な業務と守秘義務、社会と環境への影響という三つの責任を並べている。

正答 ①(技術・顧客・守秘義務・社会)

要求内容を示す主体は顧客であり、課せられるものは守秘義務である。公益との関係では社会に対して責任を持つため、①が正答となる。

技術士プロフェッション宣言の行動原則は、技術に対する責任、顧客に対する責任、社会に対する責任の三つで構成される。2は顧客との関係を扱い、業務内容や品質の要求を示すのは顧客で、技術士が順守するのは守秘義務である。3の公益に対する責任は「公衆」ではなく「社会」に対する責任として書かれている。「所属企業」「基準」「行動」は宣言の文言と合わない。宣言は、倫理綱領の考え方を技術士自身の行動の言葉で示したもので、三つの責任の対象(技術・顧客・社会)を押さえておけば語句の組合せを判断できる。

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技術者倫理

II-3 倫理的意思決定を阻害する要因

無知、自己中心的志向、微視的視野、権威の無批判な受入れ、集団思考は、いずれも倫理的な状況認識や判断を歪めうる。

正答 ⑤(5項目すべて)

知識不足だけでなく、視野の狭さや組織内同調も意思決定上の危険因子になる。列挙された5項目すべてが該当するため⑤である。

例えば、規制や事故事例を知らずに判断する(無知)、自部門の都合だけで判断する(自己中心的志向)、仕様の細部は満たしても製品全体の安全を見落とす(微視的視野)、上司の判断を検証せずに従う(権威の無批判な受入れ)、反対意見を言いにくい雰囲気で合意してしまう(集団思考)といった場面が考えられる。スペースシャトル・チャレンジャー号の打上げ判断は、集団思考の典型例として取り上げられることが多い。

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技術者倫理

II-4 有能性と専門家との協業

自分の力量を超える課題では、適切な力量を持つ技術士や専門家の助力・協業を求めることが有能性の重視に含まれる。

正答 ③(必要でも他の専門家へ助力を求めない)

一人で解決すること自体が倫理的なのではない。安全、持続可能性、文化尊重、人材育成の観点からも、必要な専門性を確保する責任があるため③が不適切となる。

2023年改訂の技術士倫理綱領は、安全・健康・福祉の優先、持続可能な社会の実現、信用の保持、有能性の重視、真実性の確保、公正かつ誠実な履行、秘密情報の保護、法令等の遵守、相互の尊重、継続研鑽と人材育成の10項目からなる。「有能性の重視」では、自分の力量が及ぶ範囲で業務を行い、必要な場合は適切な力量を持つ他の技術士や専門家の助力・協業を求めるとしている。①②④⑤は各項目の指針にある行動と一致する。

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情報倫理

II-5 情報セキュリティ用語の対応

可用性・完全性・機密性の説明は正しいが、情報セキュリティポリシーと情報セキュリティマネジメントの説明が入れ替わっている。

正答 ①(誤・正・正・正・誤)

ポリシーは組織の方針・行動指針、マネジメントはそれを運用・管理する仕組みである。したがって誤・正・正・正・誤となり①である。

情報の機密性・完全性・可用性はJIS Q 27000などで定義される情報セキュリティの3要素で、イ〜エはその説明として正しい。ISO/IEC 27001は情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の要求事項を定めた規格で、方針、リスク評価、対策、監査、見直しを継続的に運用する仕組みを扱う。情報セキュリティポリシーは、その仕組みの中で組織が定める基本方針や対策基準の文書にあたる。

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技術者倫理

II-6 DEI推進宣言

多様性を受け入れ、公平な環境を用意し、違いを包摂して能力発揮と新たな価値創出へつなげるという4項目は、DEI推進宣言に沿っている。

正答 ⑤(4項目すべて正しい)

Diversity、Equity、Inclusionは同じ意味ではなく、違いを認めること、必要に応じた条件を公平に整えること、参加と活躍を可能にすることをそれぞれ表す。全項目が正しいため⑤である。

Diversity(多様性)は性別、年齢、国籍、障害、価値観などの違いを持つ人が集まること、Equity(公平性)は一人ひとりの状況に応じて必要な環境や支援を整えること、Inclusion(包摂性)は違いを受け入れて誰もが参加・活躍できる状態をいう。全員に同じものを配る平等(Equality)に対し、公平性は必要に応じた配分である点が区別のポイントで、ウの「個性や特性に応じた環境、ツールを公平に用意する」はこれにあたる。

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科学技術政策

II-7 AIと知識集約型社会

資本集約型から知識集約型へ移り、製品・サービスの高付加価値化が進むという文脈である。AIの適用先には医療、身近な生成AIには対話型が入る。

正答 ①(知識・高付加価値化・医療・対話)

「情報集約型」「標準規定化」では白書の論旨に合わず、医療と対話型まで一貫する①が正答となる。

白書は、価値の源泉が資本設備から知識やデータへ移る「知識集約型社会」への転換を述べ、スマート化による製品・サービスの高付加価値化をその特徴としている。AIの適用先には医療が挙げられ、専門家でなくても使える対話型生成AIの普及によって、AIが身近な技術になったと整理されている。ア〜エの語を文脈の流れに沿って確かめると①だけが一貫する。白書はこのほか、AIが仮説の生成や実験の自動化など研究の進め方そのものを変えつつある点にも触れている。

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知的財産

II-8 産業財産権に含まれる4権利

産業財産権は特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つである。著作権、回路配置利用権、育成者権は別制度に属する。

正答 ④(著作権・回路配置利用権・育成者権)

したがって、産業財産権に該当しない3権利をまとめた④が正答である。知的財産権という上位概念と産業財産権を混同しない。

産業財産権は特許庁に出願・登録して権利になる4つの権利で、存続期間は特許権が出願から20年、実用新案権が出願から10年、意匠権が出願から25年、商標権が登録から10年(更新可能)である。著作権は創作した時点で自動的に発生し、登録を要しない。回路配置利用権は登録機関(ソフトウェア情報センター)への設定登録、育成者権は農林水産省への品種登録で生じるため、どちらも特許庁の産業財産権には含まれない。

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科学技術政策

II-9 Society 5.0の定義

社会の発展段階は狩猟、農耕、工業、情報の順であり、Society 5.0は経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会である。

正答 ④(狩猟・農耕・社会・人間・持続可能)

将来の脅威や不確実性への対応では持続可能性と強靱性を備える。全ての語が整う④が正答となる。

Society 5.0は2016年1月に閣議決定された第5期科学技術基本計画で示された社会像で、狩猟社会(1.0)、農耕社会(2.0)、工業社会(3.0)、情報社会(4.0)に続く段階とされる。第6期基本計画では、持続可能性と強靱性を備え、一人ひとりが多様な幸せ(well-being)を実現できる社会と定義された。人間中心と経済発展・社会的課題の解決の両立という語の組も、第5期以来の定義に沿う。

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環境法

II-10 循環資源の利用優先順位

正しいのは、有用な廃棄物等を循環資源とする説明と、燃焼可能な循環資源から熱を得る熱回収の説明である。

正答 ③(適切なのは2項目)

再使用は製品または部品として再び使うこと、再生利用は原材料として利用することなので、二つを入れ替えた記述は誤りである。

優先順位は発生抑制→再使用→再生利用→熱回収→適正処分であり、適切なのは2項目。よって③となる。

循環型社会形成推進基本法は、廃棄物等のうち有用なものを循環資源とし(第2条)、処理の優先順位を発生抑制、再使用、再生利用、熱回収、適正処分の順に定める(第5条〜第7条)。再使用は製品や部品としてそのまま使うこと、再生利用は原材料として使うことで、イとウは定義が入れ替わっている。オは再使用と再生利用の順位が逆であり、適切なのはアとエの2つである。

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コンプライアンス

II-11 公正取引に関する用語

正しいのは、相場を人為的に動かして利益を得る行為を相場操縦取引とする記述だけである。

正答 ④(適切なのは1項目)

価格や生産数量の共同取決めはカルテル、未公表の重要情報を用いる売買はインサイダー取引、公共入札の事前調整は談合である。名称を入れ替えた3項目は誤りなので④となる。

価格や生産数量を事業者が共同で決めて競争を制限する行為はカルテルで、公共入札で受注者や金額を事前に決める談合とともに、独占禁止法第3条の不当な取引制限にあたる。未公表の重要事実を知った会社関係者が自社株を売買する行為はインサイダー取引(金融商品取引法第166条)、相場を人為的に動かして利益を得る行為は相場操縦(同法第159条)として禁止されている。用語を入れ替えたア、イ、エは誤りで、正しいのはウの1つである。

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コンプライアンス

II-12 製造物責任法の消滅時効

製造物責任法の損害賠償請求権にも期間制限があるため、「時効はない」という説明は誤りである。

正答 ④(損害賠償請求権に時効がない)

原則として、損害と賠償義務者を知った時から一定期間、また製造物の引渡しから一定期間で権利は消滅する。製造・加工された動産、通常有すべき安全性、表示製造業者、民法適用の説明は妥当なので④である。

製造物責任法第5条は、損害賠償請求権の期間制限を定めている。被害者が損害と賠償義務者を知った時から3年(人の生命・身体を侵害した場合は5年)行使しないとき、または製造物を引き渡した時から10年を経過したときに消滅する。①の製造物は製造・加工された動産で、電気やサービスは含まれない(第2条)。②の欠陥は通常有すべき安全性を欠いていることをいい、③のOEM先が自ら製造業者として表示した場合は表示製造業者として責任を負う。⑤は第6条の定めである。

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コンプライアンス

II-13 公益通報者に含まれる者

公益通報者保護制度の対象となる労働者には公務員も含まれるため、公務員を除くとする説明が誤りである。

正答 ⑤(公務員を除外している)

通報対象事実、内部・行政機関・外部という通報先、事業者の体制整備、報道機関や消費者団体を含む外部通報先の説明はいずれも制度に沿う。したがって⑤となる。

2022年6月施行の改正法で、公益通報者の範囲は労働者に加え、退職後1年以内の退職者と役員に広がった。労働者には正社員のほか、派遣労働者、アルバイト、パートタイマー、公務員も含まれる。③のとおり、内部通報に対応する体制の整備は常時使用する労働者が300人を超える事業者の義務で、300人以下の事業者は努力義務とされている。公益通報をしたことを理由とする解雇は無効で、降格や減給などの不利益な取扱いも禁止される。2022年の改正では内部通報の担当者に守秘義務が課され、違反には刑事罰が設けられた。

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安全管理

II-14 ALARP領域での許容条件

ALARP領域では、合理的に実行可能なリスク低減を尽くし、追加対策の費用が得られる改善に著しく釣り合わない場合に限って残存リスクを許容する。

正答 ②(費用が改善に全く釣り合わない場合)

無条件許容ではなく、単に賠償費用より対策費が高いだけでも足りない。残存リスクが無視できるなら広く受入れ可能な領域であり、予算を別事業へ回したいという都合も根拠にならない。よって②である。

キャロットダイアグラムでは、リスクの大きさに応じて、許容できない領域、ALARP領域、広く受け入れられる領域の3つに分ける。ALARP領域のリスクは、さらに下げるための費用や労力が得られる改善に比べて著しく大きい(全く釣り合わない)ことを示せた場合に限り、残存リスクとして受け入れられる。④は広く受け入れられる領域の条件で、③の賠償費用との比較や⑤の予算の都合は、ALARPの判断基準にならない。

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労働法

II-15 働き方改革関連の制度

年5日の有給休暇取得義務とフレックスタイム制の清算期間拡充は正しい。一方、時間外労働の上限を自由に緩和する制度や、超過10時間ごとに代休を与える制度ではない。

正答 ②(正・誤・誤・正)

時間外労働には原則月45時間・年360時間の上限があり、月60時間を超える法定時間外労働には50%以上の割増賃金率が適用される。正・誤・誤・正の②が正答となる。

時間外労働の上限規制は、原則を月45時間・年360時間とし、特別条項を設けても年720時間以内、休日労働を含めて単月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内に抑える規制で、使用者の指示で緩和できる制度ではない。月60時間を超える時間外労働の割増賃金率は50%以上で、労使協定を結べば引上げ分の割増賃金に代えて代替休暇を与えられるが、10時間ごとに1日を与える仕組みではない。フレックスタイム制は清算期間の上限が1か月から3か月に延びた。

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出典と照合

出典は公益社団法人日本技術士会が公表した令和7年度技術士第一次試験の基礎科目・適性科目の問題と正答です。問題本文と図は転載していません。解説は資格Hubが法令、公的資料、計算で確かめて書いたもので、試験実施団体とは関係ありません。

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