全44問・公式正答照合
令和8年10月公表 第一種衛生管理者 解答・解説
安全衛生技術試験協会が令和8年10月に公表した第一種衛生管理者試験(令和8年1〜6月実施)の全44問について、正答と220肢すべての判断根拠をこのページに載せています。化学物質管理者、作業環境測定士に測定させる作業場、妊産婦の就業制限など、法令の要件は条文の番号まで示しています。
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関係法令(有害業務)の解答・解説(10問)
特定化学物質、有機溶剤、局所排気装置、保護具などの法定要件を扱います。人数、検査周期、保存期間を、対象設備・記録と組にして判断します。
化学物質管理者
問1 選任後の手続は報告でなく周知
令和6年4月に全面施行された化学物質の自律的管理から、化学物質管理者と保護具着用管理責任者の選任要件を確かめる問題です。
正答 3
正答は3です。化学物質管理者を選任しても、労働基準監督署長への報告義務はありません。氏名を事業場の見やすい箇所に掲示するなどして、関係労働者に周知します。
肢1は正しいです。リスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う事業場ごとに化学物質管理者を選任し、化学物質の管理に係る技術的事項を管理させます(安衛則12条の5)。
肢2は正しいです。選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任します。対象物を製造する事業場では専門的講習の修了者等から選ぶなど、事業場の区分に応じた条件があります。
肢3が誤りです。総括安全衛生管理者や衛生管理者と違い、化学物質管理者には所轄労働基準監督署長への選任報告の規定がありません。求められるのは関係労働者への周知です。
肢4は正しいです。化学物質管理者が管理する技術的事項には、リスクアセスメントの実施に関することが含まれます。ラベル表示やSDSの確認、労働者への教育なども同じ範囲です。
肢5は正しいです。リスクアセスメントの結果に基づく措置として労働者に保護具を使用させるときは、保護具着用管理責任者を選任し、保護具の選択や使用状況の管理を担わせます(安衛則12条の6)。
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特別教育
問2 作業主任者の業務と特別教育の業務を分ける
鉛業務は作業主任者と特殊健康診断で管理する業務で、特別教育の対象とは制度が違います。この取り違えを誘う選択肢です。
正答 1
正答は1です。鉛ライニングの業務は鉛作業主任者の選任や鉛健康診断の対象ですが、安衛則36条の特別教育の対象業務には含まれません。
肢1が該当しません。鉛ライニングの業務は鉛中毒予防規則で作業主任者の選任や鉛健康診断が義務付けられていますが、特別教育を要する業務としては定められていません。
肢2は特別教育の対象です。酸素欠乏危険場所における作業に係る業務は、安衛則36条26号と酸素欠乏症等防止規則12条で特別教育が義務付けられています。
肢3は特別教育の対象です。石綿等が使用されている建築物等の解体等の作業に係る業務は、石綿障害予防規則27条で特別教育が必要です。
肢4は特別教育の対象です。チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務は、安衛則36条8号に定められています。
肢5は特別教育の対象です。エックス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務は、安衛則36条28号に定められています。
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特別管理物質
問3 事業廃止時に提出する3種類の記録
特別管理物質は発がん性があり、離職後や事業廃止後も健康管理の記録をたどれるよう、廃止時に記録を国へ引き渡す制度があります(特化則53条)。
正答 3
正答は3です。特別管理物質等関係記録等報告書に添えて提出するのは、作業環境測定の記録(A)、作業の記録(C)、特定化学物質健康診断個人票(E)です。
肢1は誤りです。Aは提出しますが、Bの運転条件・製造量の記録とDの局所排気装置の定期自主検査の記録は、廃止時の提出対象ではありません。
肢2は誤りです。AとEは提出対象ですが、Bの製造プロセスの運転条件・製造量の記録は対象外です。
肢3が正しいです。作業環境測定の記録、労働者が常時従事した作業の概要と期間等の記録、特定化学物質健康診断個人票の3つ(又はその写し)を報告書に添えて提出します。
肢4は誤りです。Cは提出対象ですが、BとDは対象外です。設備の定期自主検査記録は3年保存の記録で、国への提出は求められていません。
肢5は誤りです。CとEは提出対象ですが、Dの局所排気装置の定期自主検査の記録は含まれません。
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報告義務
問4 定期の特殊健康診断は人数に関係なく報告
一般健康診断の報告は常時50人以上の事業場に限られます。特殊健康診断の定期分には人数の条件がない点を押さえると、選択肢を絞れます。
正答 2
正答は2です。定期の鉛健康診断を行ったときは、常時使用する労働者数にかかわらず、遅滞なく鉛健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出します(鉛則55条)。
肢1は報告不要です。特定化学物質健康診断の結果報告は定期に行ったものが対象で、雇入時や配置替えの際に行った健康診断は報告の対象外です。
肢2が該当します。15名の事業場でも、定期の鉛健康診断を行ったときは結果を報告します。特殊健康診断の定期分に、一般健康診断のような50人の線引きはありません。
肢3は報告不要です。放射線業務を行う作業場の線量当量率等の測定は、記録を5年間保存する義務はありますが、労働基準監督署長への報告は求められていません。
肢4は報告不要です。特定化学設備の定期自主検査は2年以内ごとに1回行い、記録を3年間保存しますが、結果の報告義務はありません。
肢5は報告不要です。作業主任者を選任したときは、氏名と行わせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示して周知します。選任の報告は規定されていません。
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化学物質の表示
問5 ラベルの記載事項と測定記録を区別する
容器又は包装への表示事項(安衛法57条)は、名称、人体に及ぼす作用、貯蔵又は取扱い上の注意、表示者の氏名等、注意喚起語、安定性及び反応性、標章です。
正答 5
正答は5です。成分の含有量を測定した者の氏名は、表示事項に含まれていません。
肢1は表示事項です。注意喚起語は、危険・有害性の程度を「危険」「警告」で伝える語で、安衛則33条で定められています。
肢2は表示事項です。人体に及ぼす作用は、安衛法57条1項1号に定められた基本の表示事項です。
肢3は表示事項です。安定性及び反応性は、安衛則33条で追加された表示事項です。
肢4は表示事項です。貯蔵又は取扱い上の注意は、安衛法57条1項1号に定められています。
肢5が定められていない事項です。表示するのは表示をする者の氏名(法人は名称)、住所、電話番号であり、成分の含有量を測定した者の氏名ではありません。
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有機溶剤業務
問6 健康診断個人票は5年保存
制御風速、区分の色、測定周期、健康診断の周期と記録の保存期間、自主検査の周期という5つの数値を、一つずつ有機則の条文に当てはめていきます。
正答 4
正答は4です。有機溶剤等健康診断は6か月以内ごとに1回行いますが、有機溶剤等健康診断個人票の保存期間は5年で、3年ではありません。
肢1は正しいです。局所排気装置の囲い式フードは0.4m/sの制御風速を出し得る能力が必要です。外付け式フードは側方・下方吸引型で0.5m/s、上方吸引型で1.0m/sです。
肢2は正しいです。有機溶剤等の区分の色分け表示は、第一種が赤、第二種が黄、第三種が青です。
肢3は正しいです。第一種・第二種有機溶剤等を常時取り扱う屋内作業場では、6か月以内ごとに1回、空気中の有機溶剤の濃度を測定します。
肢4が誤りです。健康診断の周期(6か月以内ごとに1回)は正しいものの、有機溶剤等健康診断個人票は5年間保存しなければなりません。
肢5は正しいです。局所排気装置、プッシュプル型換気装置は、原則として1年以内ごとに1回、定期自主検査を行います。
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衛生基準
問7 冷蔵庫内作業の測定は半月以内ごと
作業環境測定の周期は、騒音とダイオキシン類が6か月以内ごと、暑熱・寒冷・多湿の屋内作業場と坑内の気温が半月以内ごとです。周期の数字が入れ替わっていないかを見ます。
正答 4
正答は4です。冷蔵庫など内部で作業を行う寒冷の屋内作業場では、半月以内ごとに1回、定期に、気温と湿度を測定します。2か月以内ごとではありません。
肢1は正しいです。著しい騒音を発する一定の屋内作業場では、6か月以内ごとに1回、等価騒音レベルを測定します(安衛則590条)。
肢2は正しいです。廃棄物焼却施設で焼却灰を取り扱う業務を行う作業場では、6か月以内ごとに1回、空気中のダイオキシン類の濃度を測定します(安衛則592条の2)。
肢3は正しいです。坑内の気温は、原則として37℃以下にしなければなりません(安衛則611条)。
肢4が誤りです。冷蔵庫、製氷庫、冷凍庫など内部で作業を行う場所は、暑熱・寒冷・多湿の屋内作業場として半月以内ごとに1回、気温と湿度を測定します(安衛則607条)。
肢5は正しいです。著しく暑熱又は多湿の作業場の休憩設備は、坑内等やむを得ない場合を除き作業場外に設けます(安衛則614条)。
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酸素欠乏症等防止
問8 換気できないときの呼吸用保護具
電動ファン付き呼吸用保護具は周囲の空気をろ過して送る保護具で、酸素を補えません。酸素が足りない場所で使えるのは、外から空気や酸素を供給するものに限られます。
正答 4
正答は4です。換気を行えない場合に備えるのは、空気呼吸器、酸素呼吸器又は送気マスクです。電動ファン付き呼吸用保護具は使用できません(酸欠則5条の2)。
肢1は正しいです。酸素欠乏とは、空気中の酸素濃度が18%未満である状態をいいます(酸欠則2条)。
肢2は正しいです。第二種酸素欠乏危険作業では、その日の作業開始前に、空気中の酸素と硫化水素の濃度を測定します。第一種は酸素濃度だけです。
肢3は正しいです。酸素欠乏危険作業では、労働者を入場させるとき及び退場させるときに人員を点検します(酸欠則8条)。
肢4が誤りです。電動ファン付き呼吸用保護具は防じん・防毒のためのろ過式で、酸素欠乏空気の中では使えません。空気呼吸器、酸素呼吸器又は送気マスクを備え、使用させます。
肢5は正しいです。汚水などを入れたことのあるポンプや配管を分解・修理する作業では、硫化水素中毒の防止に必要な知識を有する者から指揮者を選任し、作業を指揮させます(酸欠則25条の2)。
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作業環境測定士
問9 指定作業場の測定は作業環境測定士が行う
作業環境測定士に測定させなければならないのは指定作業場です。粉じんでは、特定粉じん作業を行う屋内作業場がこれに当たります。
正答 1
正答は1です。セメントを袋詰めする箇所の作業は特定粉じん作業で、その屋内作業場は指定作業場です。粉じん濃度の測定は作業環境測定士が実施します。
肢1が該当します。セメントの袋詰めは特定粉じん発生源(粉じん則別表第2)での作業で、常時行う屋内作業場の粉じん濃度測定は作業環境測定士(又は作業環境測定機関)に行わせます。
肢2は該当しません。騒音の測定は定期に行う義務がありますが、指定作業場の測定ではなく、作業環境測定士でなくても実施できます。
肢3は該当しません。暑熱の屋内作業場における気温、湿度、ふく射熱の測定は、作業環境測定士の資格を要件としていません。
肢4は該当しません。坑内の通気量の測定は、作業環境測定士に行わせる測定には含まれません。
肢5は該当しません。炭酸ガスが停滞するおそれのある坑内の作業場の炭酸ガス濃度測定も、作業環境測定士の資格は不要です。
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妊産婦の就業制限
問10 病原体による汚染は就業制限業務に含まれない
女性労働基準規則2条が妊娠中の女性に禁止する業務は24あり、重量物、有害物、高熱・低温物体、振動、異常気圧などが中心です。
正答 5
正答は5です。病原体によって著しく汚染のおそれのある業務は、女性労働基準規則の妊産婦等の就業制限業務に含まれていません。
肢1は就業させてはならない業務です。高圧室内業務や潜水業務などの異常気圧下の業務は、妊娠中の女性に禁止されています。
肢2は就業させてはならない業務です。多量の高熱物体を取り扱う業務は、妊娠中の女性に禁止されています。
肢3は就業させてはならない業務です。満18歳以上では、断続作業で30kg以上、継続作業で20kg以上の重量物を取り扱う業務が禁止されます。30kgは断続作業の上限に達しています。
肢4は就業させてはならない業務です。削岩機、鋲打機など身体に著しい振動を与える機械器具を用いて行う業務は、妊娠中の女性に禁止されています。
肢5が該当しません。病原体による汚染のおそれは、女性労働基準規則の就業制限業務として列挙されていません。
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労働衛生(有害業務)の解答・解説(10問)
化学物質、騒音、放射線、金属中毒、特殊健康診断を扱います。有害因子ごとの標的臓器と、対策の優先順位を入れ替えないことが要点です。
有害物質の状態
問11 沸点が常温より高い物質が蒸気になる
蒸気は、常温・常圧で液体又は固体の物質が揮発して気体になったものです。常温で気体の物質(ガス)を先に除くと、残る1つが見えます。
正答 5
正答は5です。アクリロニトリルは常温で液体(沸点約77℃)で、空気中では揮発した蒸気として存在します。
肢1は蒸気ではありません。二酸化硫黄は常温・常圧で気体のガスです。
肢2は蒸気ではありません。硫化水素も常温・常圧で気体のガスです。
肢3は蒸気ではありません。ホルムアルデヒドは沸点が約マイナス19℃で、常温ではガスとして存在します。
肢4は蒸気ではありません。エチレンオキシドは沸点が約11℃で、常温・常圧ではガスです。
肢5が正しいです。アクリロニトリルは常温で液体のため、空気中では蒸気として存在します。
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リスクアセスメント
問12 ハザードとリスクの定義を取り違えない
危険性又は有害性そのもの(ハザード)と、労働災害の発生可能性と重篤度の組合せ(リスク)を入れ替えた記述が誤りです。
正答 1
正答は1です。発生の可能性と重篤度の組合せはリスクの定義です。ハザードは、労働者に危害をもたらす潜在的な危険性又は有害性そのものを指します。
肢1が誤りです。可能性と重篤度の組合せで表すのはリスクです。ハザードは危険性又は有害性そのもので、リスクを見積もる出発点になります。
肢2は正しいです。指針では、対象業務を洗い出したうえで、原則としてGHSなどで示された危険性又は有害性の分類に即して特定します。
肢3は正しいです。新たな機械設備等を外部から導入する際は、製造者に設計・製造段階でのリスクアセスメントの実施を求め、その結果を入手します。
肢4は正しいです。リスク低減措置は、代替物の使用などの本質的対策、局所排気装置などの工学的対策、作業手順の改善などの管理的対策、保護具の順に優先します。
肢5は正しいです。優先順位の高い措置で十分にリスクが低減されるなら、それより低い順位の措置を検討する必要はありません。
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化学物質による健康障害
問13 二酸化窒素の標的は呼吸器
物質ごとの標的臓器を組み合わせる問題です。二酸化窒素は水に溶けにくく肺の奥まで届くため、肺水腫や慢性気管支炎が特徴です。
正答 1
正答は1です。二酸化窒素による中毒では、慢性気管支炎、肺水腫などの呼吸器障害がみられます。末梢神経障害は、ノルマルヘキサンや鉛などの特徴です。
肢1が誤りです。二酸化窒素の障害は呼吸器が中心で、急性では肺水腫、慢性では気管支炎や歯の酸蝕症がみられます。末梢神経障害は特徴ではありません。
肢2は正しいです。シアン化水素は細胞内の呼吸酵素を阻害し、酸素を利用できなくなるため、呼吸困難やけいれんを起こします。
肢3は正しいです。硫化水素は高濃度で意識消失や呼吸麻痺を起こし、低濃度では目や気道を刺激します。
肢4は正しいです。1,2-ジクロロプロパンでは中枢神経抑制や溶血性貧血がみられ、印刷業での胆管がんの原因物質としても知られています。
肢5は正しいです。弗化水素の慢性中毒では、骨の硬化(骨硬化症)や斑状歯がみられます。
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粉じんによる健康障害
問14 胸膜の変化は石綿の特徴
遊離けい酸と石綿の特徴を入れ替えた記述が誤りです。けい肺は肺内の結節性の線維化、石綿は胸膜肥厚と中皮腫が手がかりになります。
正答 3
正答は3です。石灰化を伴う胸膜肥厚(胸膜プラーク)や胸膜中皮腫を生じるのは石綿です。遊離けい酸は、肺に結節性の線維化を起こすけい肺の原因です。
肢1は正しいです。じん肺法は、じん肺を「粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病」と定義しています。
肢2は正しいです。じん肺の合併症には、肺結核、結核性胸膜炎、続発性気管支炎、続発性気管支拡張症、続発性気胸、原発性肺がんがあります。
肢3が誤りです。石灰化を伴う胸膜肥厚や胸膜中皮腫は石綿ばく露の特徴です。遊離けい酸による障害はけい肺です。
肢4は正しいです。アルミニウムやその化合物の粉じんでアルミニウム肺を起こすことがあります。
肢5は正しいです。炭素を含む粉じんでも、炭素肺や黒鉛肺などのじん肺を起こすことがあります。
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有機溶剤
問15 物質名と特有の障害を正しく組み合わせる
有機溶剤の一般的性質(脂溶性、蒸気は空気より重い、皮膚からも吸収)と、物質ごとの特有の障害を順に確認します。
正答 3
正答は3です。二硫化炭素は、網膜細動脈瘤を伴う脳血管障害や精神障害を起こすことで知られています。
肢1は誤りです。有機溶剤は脂溶性が高く、蒸気は一般に空気より重いため、低い所に滞留しやすくなります。
肢2は誤りです。有機溶剤は呼吸器から吸収されやすいだけでなく、脂溶性のため皮膚からも吸収されます。
肢3が正しいです。二硫化炭素では、網膜の変化を伴う脳血管障害や、精神障害がみられます。
肢4は誤りです。N,N-ジメチルホルムアミドで顕著なのは肝機能障害です。視力低下を伴う視神経障害は、メタノールなどでみられます。
肢5は誤りです。酢酸メチルでは視神経障害による視力低下がみられます。再生不良性貧血などの造血器障害はベンゼンの特徴です。
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有害要因による健康障害
問16 電磁波の波長の順序をたどる
電離放射線の影響の分類、金属熱の原因、減圧症の気泡の正体、凍瘡と凍傷の違いを、一つずつ確かめると誤りが残ります。
正答 4
正答は4です。マイクロ波は赤外線より波長の長い電磁波で、照射部位の組織を加熱する作用があります。
肢1は誤りです。中枢神経系障害は確定的影響で、しきい値を超えると発生し、線量が増えると重症度が増します。確率的影響はがんや遺伝的影響です。
肢2は誤りです。金属熱は、亜鉛や銅などの金属ヒュームを吸入した後に悪寒や発熱が起こるものです。高温環境で体温調節が障害されるのは熱中症です。
肢3は誤りです。減圧症は、浮上による減圧で血液中に溶け込んでいた窒素が気泡となって起こります。酸素ではありません。
肢4が正しいです。電磁波を波長の長い順に並べると、電波(マイクロ波を含む)、赤外線、可視光線、紫外線となります。マイクロ波には組織の加熱作用があります。
肢5は誤りです。凍瘡(しもやけ)は0℃以上の寒冷と湿気で起こり、組織の凍結壊死は伴いません。凍結壊死を伴うのは0℃以下で起こる凍傷です。
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作業環境測定と評価
問17 管理区分を決める2つの数値
作業環境評価基準では、A測定の第一評価値・第二評価値と、B測定値を管理濃度と比べて管理区分を決めます。B測定の境目が管理濃度の1.5倍である点が手がかりです。
正答 4
正答は4です。A測定の第二評価値(算術平均濃度の推定値)が管理濃度を超える単位作業場所は、B測定の結果に関係なく第三管理区分になります。
肢1は誤りです。A測定の測定点の高さは、床上50cm以上150cm以下です。
肢2は誤りです。第二評価値は算術平均濃度の推定値です。第一評価値は、高濃度側から5%に当たる濃度の推定値です。
肢3は誤りです。B測定は、発散源の近くで作業が行われる場合に、濃度が最も高くなると思われる時間に作業者の位置で行う測定です。
肢4が正しいです。第二評価値が管理濃度を超えれば、場所全体の平均的な濃度が基準を上回っているため、B測定の結果を問わず第三管理区分です。
肢5は誤りです。B測定値が管理濃度を超えても1.5倍以下なら、第三管理区分とは限りません。A測定の結果に関係なく第三管理区分となるのは、B測定値が管理濃度の1.5倍を超える場合です。
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局所排気装置
問18 フードの型式を囲い式・外付け式・レシーバ式に分ける
ダクトの圧力損失、フランジの効果、フードの分類という3つの論点が混在しています。フードの分類は、発散源を囲うか、外から吸うか、飛散の勢いを受け止めるかで判断します。
正答 5
正答は5です。ドラフトチェンバ型フードは、作業面を除いて周りが覆われた囲い式フードです。
肢1は誤りです。ダクトの断面積を大きくすると圧力損失は減少します。ただし太すぎると搬送速度が落ち、粉じんが堆積しやすくなります。
肢2は誤りです。フランジを付けると後方からの空気の流入が減り、少ない排風量で同じ効果が得られます。
肢3は誤りです。スロット型フードは外付け式フードに分類されます。発生源からの飛散速度を利用して捕捉するのは、レシーバ式(キャノピ型、グラインダー型など)です。
肢4は誤りです。建築ブース型フードは囲い式フードに分類されます。
肢5が正しいです。ドラフトチェンバ型は作業面以外を覆う囲い式で、外付け式より少ない排風量で効果を上げやすい型式です。
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呼吸用保護具
問19 吸収缶の色を用途と組にする
防毒マスクの吸収缶の色は、有機ガス用が黒、ハロゲンガス用が灰/黒、アンモニア用が緑、一酸化炭素用が赤、硫化水素用が黄です。防じんマスクの手入れと密着性の注意も、繰り返し出題されています。
正答 2
正答は2です。防毒マスクの吸収缶の色は、アンモニア用が緑色、有機ガス用が黒色です。
肢1は誤りです。2種類以上の有害ガスが混在する場合は、毒性が最も強いガス用ではなく、混在する全てのガスに有効な吸収缶(又は防毒マスク)を使用します。
肢2が正しいです。アンモニア用は緑色、有機ガス用は黒色で、吸収缶の色は用途ごとに決まっています。
肢3は誤りです。型式検定に合格した防じんマスクは、粒子捕集効率の区分に応じてヒュームにも使用できます。ヒュームの作業には捕集効率の高い区分を選びます。
肢4は誤りです。ろ過材に付着した粉じんを圧縮空気で吹き飛ばしたり、強くたたいたりすると、ろ過材を傷め、粉じんを再飛散させます。取扱説明書に従って手入れをします。
肢5は誤りです。接顔メリヤスを使うと、面体と顔の間にすき間ができて密着性が悪くなります。使用してはいけません。
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生物学的モニタリング
問20 スチレンの指標はマンデル酸
生物学的モニタリングは、尿中の代謝物から体内に取り込まれた量を推定します。物質と代謝物の組合せを1つずつ照合します。
正答 2
正答は2です。スチレンの生物学的モニタリングの指標は、尿中のマンデル酸(及びフェニルグリオキシル酸)です。メチルホルムアミドはN,N-ジメチルホルムアミドの代謝物です。
肢1は正しいです。鉛では、尿中のデルタアミノレブリン酸や血液中の鉛の量を指標にします。
肢2が誤りです。スチレンの指標は尿中のマンデル酸です。N-メチルホルムアミドは、N,N-ジメチルホルムアミドの指標です。
肢3は正しいです。キシレンの指標は尿中のメチル馬尿酸です。
肢4は正しいです。1,1,1-トリクロロエタンでは、尿中の総三塩化物(及びトリクロロ酢酸)を指標にします。
肢5は正しいです。テトラクロロエチレンでは、尿中のトリクロロ酢酸や総三塩化物を指標にします。
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関係法令(一般)の解答・解説(7問)
産業医、一般健康診断、労働時間、年次有給休暇、事業場衛生基準を扱います。一般労働者と例外対象、原則上限と特別条項を分けます。
衛生委員会
問21 議長になるのは総括安全衛生管理者等
衛生委員会の議長は、総括安全衛生管理者又は事業の実施を統括管理する者等から事業者が指名した委員です(安衛法18条)。
正答 1
正答は1です。総括安全衛生管理者である委員は、衛生委員会の議長になることができます。
肢1が誤りです。議長には総括安全衛生管理者又はこれに準ずる者が就きます。総括安全衛生管理者である委員が議長になれないという制限はありません。
肢2は正しいです。議長を除く委員の半数は、過半数労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名します。
肢3は正しいです。事業場に専属でない産業医でも、選任している産業医であれば衛生委員会の委員に指名できます。
肢4は正しいです。衛生委員会は毎月1回以上開催し、議事で重要なもの等の記録を作成して3年間保存します(安衛則23条)。
肢5は正しいです。労働基準監督署長等から文書で命令、指示、勧告又は指導を受けた事項のうち、健康障害の防止に関するものは付議事項に含まれます(安衛則22条)。
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衛生管理者の職務
問22 衛生管理者の巡視は毎週1回
巡視の頻度は、衛生管理者が少なくとも毎週1回、産業医が少なくとも毎月1回(条件を満たせば2か月に1回)です。頻度の入れ替えを見抜く問題です。
正答 5
正答は5です。衛生管理者の巡視は少なくとも毎週1回です。毎月1回とする記述は、衛生管理者の業務として定められていません。
肢1は定められています。総括安全衛生管理者が統括管理する業務のうち衛生に係る技術的事項として、安全衛生に関する方針の表明があります(安衛則3条の2)。
肢2は定められています。安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善も、衛生管理者が技術的事項を管理する業務です。
肢3は定められています。健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置は、安衛法10条に列挙された業務です。
肢4は定められています。労働災害の原因の調査及び再発防止対策も、安衛法10条に列挙されています。
肢5が定められていません。衛生管理者は少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、有害のおそれがあれば直ちに必要な措置を講じます(安衛則11条)。毎月1回は産業医の巡視頻度です。
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定期健康診断
問23 既往歴・業務歴の調査は省略できない
定期健康診断で医師の判断により省略できるのは、身長、腹囲、胸部エックス線検査、喀痰検査、貧血・肝機能・血中脂質・血糖検査、心電図検査などの一部です。問診にあたる項目は省略できません。
正答 4
正答は4です。既往歴及び業務歴の調査は、医師が必要でないと認めても省略できない項目です。
肢1は正しいです。常時50人以上の労働者を使用する事業場では、定期健康診断を行ったとき、遅滞なく定期健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出します(安衛則52条)。
肢2は正しいです。健康診断の結果は、異常の所見の有無にかかわらず、受診した労働者に遅滞なく通知します(安衛則51条の4)。
肢3は正しいです。異常の所見があると診断された労働者については、健康診断が行われた日から3か月以内に、必要な措置について医師の意見を聴きます(安衛則51条の2)。
肢4が誤りです。既往歴及び業務歴の調査、自覚症状・他覚症状の有無の検査、血圧、尿検査などは省略できません。
肢5は正しいです。45歳以上の労働者の聴力検査は、1,000Hzと4,000Hzの音について行います。45歳未満(35歳と40歳を除く)は、医師が適当と認める方法で代えることができます。
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長時間労働の面接指導
問24 記録すべき事項は面接の内容と意見
面接指導の記録は5年間保存します。記録する事項は、実施年月日、労働者の氏名、医師の氏名、疲労の蓄積の状況、その他の心身の状況、医師の意見です(安衛則52条の6)。
正答 3
正答は3です。80時間を超えた時間外労働時間そのものは、面接指導の結果の記録事項として定められていません。
肢1は記録事項です。面接指導を受けた労働者の氏名を記載します。
肢2は記録事項です。面接指導を行った医師の氏名を記載します。
肢3が記録事項ではありません。時間外・休日労働時間は、面接指導の対象者を判断するために把握する情報で、面接指導の結果の記録事項には含まれていません。
肢4は記録事項です。労働者の疲労の蓄積の状況を記載します。
肢5は記録事項です。労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師から聴取した意見を記載します。
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事業場の衛生基準
問25 照度・気積・食堂の数値基準
衛生基準の数値は、気積が1人10㎥以上、照度が精密300・普通150・粗70ルクス以上、食堂の床面積が1人1㎡以上、大掃除が6か月以内ごとに1回です。この表と1つずつ照合します。
正答 2
正答は2です。精密な作業を行う作業面の照度は300ルクス以上と定められているため、300ルクスは基準を満たしています。
肢1は違反です。気積は、設備の占める容積と床面から4mを超える空間を除いて、労働者1人当たり10㎥以上必要です。60人なら600㎥以上で、500㎥では足りません。
肢2が違反していません。精密な作業は300ルクス以上、普通の作業は150ルクス以上、粗な作業は70ルクス以上です(安衛則604条)。
肢3は違反です。事業場に附属する食堂の床面積は、食事の際の1人について1㎡以上とします。
肢4は違反です。炊事場には、炊事従業員専用の履物を備え、土足のまま立ち入らせてはなりません。
肢5は違反です。大掃除は、日常の清掃のほか、6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に行います。
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妊産婦の保護
問26 妊産婦は産後1年まで
妊産婦の定義、時間外・休日労働の制限、変形労働時間制とフレックスタイム制の扱い、生理休暇を、労働基準法の条文どおりに照合します。
正答 1
正答は1です。妊産婦とは、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性をいいます。産後8週間は産後休業の期間です。
肢1が誤りです。妊産婦は産後1年を経過しない女性までを含みます(労基法64条の3)。8週間という数字は、産後休業(労基法65条)の期間です。
肢2は正しいです。36協定を届け出ていても、妊産婦が請求した場合は時間外・休日労働をさせられません。管理監督者等は労働時間・休日の規定の適用除外のため、この制限の対象外です。
肢3は正しいです。妊産婦の請求による法定労働時間の制限(労基法66条1項)は変形労働時間制を対象としており、フレックスタイム制は含まれません。
肢4は正しいです。1か月単位の変形労働時間制でも、妊産婦が請求すれば1週40時間、1日8時間を超えて労働させられません(管理監督者等を除く)。
肢5は正しいです。生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、生理日に就業させてはなりません(労基法68条)。
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年次有給休暇
問27 週4日勤務の比例付与を表で読む
週所定労働時間が30時間未満で週所定労働日数が4日以下なら、比例付与の表を使います。週25時間・週4日はこの条件に当たります。
正答 2
正答は2です。週所定労働日数4日の労働者が5年6か月継続勤務した場合の付与日数は13日です。
肢1は誤りです。12日は、週4日の労働者が4年6か月継続勤務した場合の付与日数です。
肢2が正しいです。週4日の比例付与は、6か月で7日、1年6か月で8日、2年6か月で9日、3年6か月で10日、4年6か月で12日、5年6か月で13日、6年6か月以上で15日です。
肢3は誤りです。週4日の比例付与の表に14日の段階はありません。
肢4は誤りです。15日は、週4日の労働者が6年6か月以上継続勤務した場合の付与日数です。
肢5は誤りです。16日は、週5日以上又は週30時間以上の労働者が4年6か月継続勤務した場合の付与日数です。
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労働衛生(一般)の解答・解説(7問)
温熱、健康保持増進、応急処置、腰痛予防、換気と照明を扱います。数値問題は単位と濃度差を明示し、対策問題は原因側から順に読みます。
採光・照明
問28 全般照明は局部照明の10分の1以上
全般照明と局部照明を併用すると、明るさの差が大きいほど目が疲れます。そのため全般照明を一定以上の明るさに保ちます。
正答 3
正答は3です。全般照明による照度は、局部照明による照度の約10分の1以上とします。15分の1以下にするのは逆です。
肢1は正しいです。照明設備は6か月以内ごとに1回、定期に点検し、汚れなどがあれば清掃や交換をします(安衛則605条)。
肢2は正しいです。目の高さより下の壁や床は、まぶしさを防ぎ安定感を出すため濁色とし、目より上は明るい色にします。
肢3が誤りです。全般照明の照度は局部照明の照度の約10分の1以上にし、照度差を小さくします。
肢4は正しいです。1ルクスは、光度1カンデラの光源から1m離れた所で、その光に直角な面が受ける明るさに相当します。
肢5は正しいです。高齢者は一般に高い照度を必要としますが、水晶体の混濁でまぶしさを感じやすくなるため、照明の配置に配慮します。
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労働衛生統計
問29 有所見率と発生率の時点と期間
ある時点の割合か、一定期間に生じた割合かで、有所見率と発生率を見分けます。静態データと動態データの区別も同じ考え方です。
正答 4
正答は4です。ある時点の検査で有所見者の割合を示すのが有所見率、一定期間に有所見が発生した者の割合を示すのが発生率です。記述は2つの定義が逆です。
肢1は正しいです。平均値が同じでも分散が違えば、ばらつきの大きさが違う集団であり、異なる特徴をもつと評価されます。
肢2は正しいです。相関関係が認められても、それだけで因果関係があるとはいえません。交絡因子などを検討する必要があります。
肢3は正しいです。ある時点の集団に関するデータを静態データ、ある期間の集団に関するデータを動態データといいます。
肢4が誤りです。ある時点の有所見者の出現割合は有所見率、一定期間に有所見とされた者の割合は発生率です。
肢5は正しいです。病休度数率は、疾病休業件数を在籍労働者の延べ実労働時間数で割り、1,000,000を掛けて求めます。
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脳・心血管疾患
問30 心筋梗塞の痛みは長く続く
狭心症と心筋梗塞は、痛む場所がほぼ同じでも、発作の続く時間と心筋の壊死の有無が違います。
正答 4
正答は4です。数分から長くても15分以内でおさまるのは狭心症の発作です。心筋梗塞では、強い痛みが通常30分以上続きます。
肢1は正しいです。脳梗塞は、脳血管の動脈硬化による脳血栓症と、心臓などでできた血栓が流れて詰まる脳塞栓症に分けられます。
肢2は正しいです。出血性の脳血管疾患には、くも膜下腔に出血するくも膜下出血と、脳実質内に出血する脳出血があります。
肢3は正しいです。虚血性心疾患は、冠動脈からの血液の供給が不足したり途絶えたりして起こる心筋障害です。
肢4が誤りです。発作が数分程度で15分以内におさまるのは狭心症です。心筋梗塞では心筋が壊死し、痛みは長く続きます。
肢5は正しいです。運動負荷心電図検査は、安静時には現れない心筋の虚血を見つけるのに有用です。
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腰痛予防
問31 腰痛健康診断は配置時と6か月以内ごと
腰痛予防対策指針の重量物取扱い作業の数値(男性は体重のおおむね40%以下)と、健康診断の周期、作業姿勢の原則を照合します。
正答 5
正答は5です。重量物取扱い作業に常時従事する労働者には、配置する際とその後6か月以内ごとに1回、医師による腰痛の健康診断を行います。
肢1は誤りです。満18歳以上の男性が人力のみで取り扱う重量は、体重のおおむね40%以下とします。女性はさらに男性の60%程度までとします。
肢2は誤りです。腰部保護ベルトは全員に一律に使用させるのではなく、労働者ごとに効果を確認してから使用の適否を判断します。
肢3は誤りです。作業動作や作業姿勢についての作業標準は、腰痛予防に有効です。個々の労働者の特性や技能レベルを考慮して策定します。
肢4は誤りです。重量物は身体を対象物に近づけ、膝を曲げて腰を落とし、腰を伸ばしたまま持ち上げます。膝を伸ばした前屈姿勢は腰への負担を大きくします。
肢5が正しいです。配置前と、その後6か月以内ごとに1回、腰痛の健康診断を行います。
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一次救命処置
問32 胸骨圧迫の位置は胸骨の下半分
安全確認、反応の確認、気道確保、呼吸の確認、胸骨圧迫の順に、各段階の手順と数値を確かめます。
正答 5
正答は5です。胸骨圧迫は、胸骨の下半分を、胸が約5cm沈む強さで、1分間に100〜120回のテンポで行います。上半分ではありません。
肢1は正しいです。救助者自身の安全を確保するため、まず周囲の状況が安全かを確認します。
肢2は正しいです。反応がある場合は心肺蘇生を行わず、楽な姿勢や回復体位で安静にさせて経過を観察し、必要に応じて救急要請します。
肢3は正しいです。頭部後屈あご先挙上法では、額を押さえながら、もう一方の手の指先をあご先に当てて持ち上げます。
肢4は正しいです。普段どおりの呼吸がない場合や、約10秒観察しても判断できない場合は心停止とみなし、胸骨圧迫から心肺蘇生を始めます。
肢5が誤りです。圧迫の深さ(約5cm)とテンポ(100〜120回/分)は正しいものの、圧迫する位置は胸骨の下半分です。
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食中毒
問33 カンピロバクターは感染型
細菌性食中毒は、菌が体内で増えて起こる感染型と、食品中で作られた毒素で起こる毒素型に分かれます。代表菌をどちらに入れるかを確認します。
正答 1
正答は1です。カンピロバクターは感染型食中毒の原因菌です。毒素型の代表は黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌です。
肢1が誤りです。毒素型食中毒の定義は正しいものの、カンピロバクターは腸管内で増殖して発症する感染型です。
肢2は正しいです。サルモネラ菌による食中毒は、菌が腸管内で増殖して起こる感染型です。
肢3は正しいです。黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンは熱に強く、加熱しても分解されにくい性質があります。
肢4は正しいです。腸炎ビブリオ菌は塩分を好むため、病原性好塩菌とも呼ばれ、魚介類が主な原因食品です。
肢5は正しいです。ノロウイルスによる食中毒は冬季に集団発生しやすく、潜伏期間は1〜2日です。
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健康診断の検査項目
問34 HDLコレステロールは低値が危険因子
健康診断の検査値は、高値が問題になる項目と低値が問題になる項目があります。HDLコレステロールは後者です。
正答 5
正答は5です。HDLコレステロールは善玉コレステロールとも呼ばれ、低値であることが動脈硬化の危険因子になります。
肢1は正しいです。γ-GTPは肝細胞に含まれる酵素で、肝細胞が障害されると血液中に出てきます。特にアルコールの摂取で高値になります。
肢2は正しいです。尿酸はプリン体の代謝物で、高尿酸血症は痛風発作などの原因になります。
肢3は正しいです。中性脂肪は食後に上昇し、空腹時にも高値が続くことは動脈硬化の危険因子になります。
肢4は正しいです。ヘモグロビンA1cは過去2〜3か月の平均的な血糖値を反映し、直前の食事に左右されません。
肢5が誤りです。悪玉コレステロールと呼ばれ高値が危険因子となるのはLDLコレステロールです。HDLコレステロールは低値が問題になります。
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労働生理の解答・解説(10問)
感覚、消化、神経、肝腎機能、血液、視覚、体温、免疫、加齢変化を扱います。似た名称の器官と生理作用を正しい組合せへ戻します。
消化器系
問35 胆汁に消化酵素は含まれない
消化液ごとに含まれる酵素を整理します。胃液はペプシン、膵液はトリプシンやアミラーゼ、リパーゼを含み、胆汁は酵素を含まずに脂肪を乳化します。
正答 3
正答は3です。胆汁はアルカリ性ですが、消化酵素は含みません。トリプシンは膵液に含まれる蛋白質分解酵素です。
肢1は正しいです。ブドウ糖とアミノ酸は小腸の絨毛の毛細血管から吸収され、門脈を通って肝臓に運ばれます。
肢2は正しいです。無機塩とビタミン類は、酵素による分解を受けずにそのまま吸収されます。
肢3が誤りです。胆汁は肝臓で作られるアルカリ性の液で、消化酵素を含まず、脂肪を乳化して消化を助けます。トリプシンは膵液の酵素です。
肢4は正しいです。胃液中のペプシノーゲンは胃酸によってペプシンになり、蛋白質を分解します。
肢5は正しいです。酸性の消化物が十二指腸に入ると、アルカリ性の膵液が分泌されて酸を中和します。
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血液
問36 リンパ球は白血球の一種
血液の有形成分は赤血球、白血球、血小板の3つです。白血球の中に好中球やリンパ球があり、血小板は止血に関わります。
正答 4
正答は4です。Bリンパ球やTリンパ球は白血球の一種で、免疫反応に関与します。血小板の一種ではありません。
肢1は正しいです。血液は血漿成分と有形成分から成り、血漿成分は血液容積の約55%を占めます。
肢2は正しいです。ABO式血液型は赤血球の分類で、A型の血清は抗B抗体をもちます。
肢3は正しいです。好中球は白血球の一種で、侵入した細菌や異物を貪食します。
肢4が誤りです。リンパ球は白血球の一種です。Bリンパ球は抗体を作り、Tリンパ球は細胞性免疫を担います。
肢5は正しいです。血液の凝固は、血漿中のフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球などが絡みついて固まる現象です。
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肝機能
問37 ビリルビンは分解でなく抱合して排出
肝臓の働きは、解毒、グリコーゲンの貯蔵、尿素の合成、胆汁の生成、コレステロールなどの合成です。ビリルビンの扱いは、作るか、分解するか、排出するかの言い回しに注意します。
正答 3
正答は3です。ビリルビンは、古くなった赤血球のヘモグロビンが分解されてできる色素です。肝臓はこれを分解するのではなく、抱合して胆汁中に排出します。
肢1は正しいです。肝臓は、血液中の有害な物質を分解したり無害化したりする解毒作用をもちます。
肢2は正しいです。肝臓はブドウ糖をグリコーゲンに変えて蓄え、必要に応じてブドウ糖に戻します。
肢3が誤りです。ビリルビンはヘモグロビンの分解で生じる色素で、肝臓は抱合して胆汁中に排出します。肝臓の機能として分解を挙げるのは誤りです。
肢4は正しいです。アミノ酸の分解で生じた有害なアンモニアから、肝臓で尿素が合成されます。
肢5は正しいです。肝臓はコレステロールやリン脂質を合成します。
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呼吸
問38 呼吸中枢は延髄にある
体温調節中枢と呼吸中枢の場所を入れ替えた記述が誤りです。視床下部は体温調節、延髄は呼吸と循環を担います。
正答 1
正答は1です。身体活動で血液中の二酸化炭素分圧が上がると、延髄にある呼吸中枢が刺激され、1回換気量と呼吸数が増えます。間脳の視床下部ではありません。
肢1が誤りです。呼吸中枢は延髄にあります。間脳の視床下部にあるのは体温調節中枢などです。
肢2は正しいです。チェーンストークス呼吸は、無呼吸から次第に呼吸が深くなり、再び浅くなって止まる周期を繰り返す呼吸です。
肢3は正しいです。肺胞内の空気と毛細血管中の血液との間で行われるガス交換を外呼吸(肺呼吸)といいます。
肢4は正しいです。通常の呼気には、酸素が約16%、二酸化炭素が約4%含まれます。
肢5は正しいです。呼吸運動は、横隔膜や肋間筋などの呼吸筋の収縮と弛緩により胸郭内の容積が増減し、それに伴って肺が伸縮することで行われます。
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体温調節
問39 不感蒸泄は皮膚と呼気の両方から
汗腺から汗を出す発汗と、発汗以外で皮膚や呼気から水分が失われる不感蒸泄を区別します。
正答 2
正答は2です。不感蒸泄は、発汗とは別に、皮膚及び呼気から水分が蒸発して失われる現象です。発汗は汗腺から汗が分泌されることです。
肢1は正しいです。暑熱な環境では汗腺の働きが活発になり、汗の蒸発に伴う熱の放散が増えます。
肢2が誤りです。不感蒸泄は皮膚と呼気の両方から水分が失われる現象で、呼気だけではありません。また発汗は、汗腺からの汗の分泌を指します。
肢3は正しいです。外部環境が変わっても身体内部の状態を一定に保とうとする性質を恒常性(ホメオスタシス)といいます。
肢4は正しいです。体温調節中枢は間脳の視床下部にあります。
肢5は正しいです。水100gの気化熱は約58kcalで、体重70kgの人の体温を計算上約1℃下げる量に当たります。
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感覚器
問40 音は蝸牛の有毛細胞で神経信号になる
感覚の強さと刺激量の関係、感覚点の密度、内臓感覚の性質、平衡感覚器の位置を順に確認します。
正答 4
正答は4です。音の振動は蝸牛の中のリンパ液を介して有毛細胞に伝わり、蝸牛神経を刺激して音として伝えられます。
肢1は誤りです。刺激の量と感じる強さは直線的な比例関係ではなく、刺激の対数におおむね比例します(ウェーバー・フェヒナーの法則)。
肢2は誤りです。皮膚の感覚点の中で密度が最も高いのは痛覚点です。冷覚点の密度は痛覚点などより低くなっています。
肢3は誤りです。内臓感覚は、痛みなどの部位の特定がしにくい鈍い感覚です。
肢4が正しいです。蝸牛のリンパ液の振動が有毛細胞を刺激し、蝸牛神経を通じて音として伝わります。
肢5は誤りです。前庭と半規管は中耳ではなく内耳にあり、体の傾き(前庭)や回転(半規管)を感じます。
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代謝
問41 メッツは安静時の何倍かを表す
同化と異化、メッツ、エネルギー代謝率、呼吸商という5つの用語の定義を確かめます。分解と合成の向きを逆にした選択肢がよく出ます。
正答 3
正答は3です。メッツは身体活動の強度を示す指標で、座位安静時の酸素消費量に対する身体活動時の酸素消費量の比で表します。
肢1は誤りです。体脂肪やグリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが合成されることは異化です。
肢2は誤りです。摂取した栄養素から蛋白質など生体に必要な物質が合成されることは同化です。
肢3が正しいです。メッツは、身体活動時の酸素消費量が座位安静時の何倍かで強度を示します。
肢4は誤りです。体内で消費された酸素と排出された二酸化炭素の容積比は呼吸商です。エネルギー代謝率は、作業に要したエネルギーが基礎代謝量の何倍かで表します。
肢5は誤りです。エネルギー代謝率は動的な筋作業の強度を表す指標で、精神的・感覚的な負担の評価には適しません。
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免疫
問42 抗体は体液性免疫の免疫グロブリン
抗原を受け止める免疫の仕組みを、抗体を作る体液性免疫と、リンパ球が直接攻撃する細胞性免疫に分けて考えます。
正答 5
正答は5です。抗体は、体内に入った抗原に対して体液性免疫で作られる免疫グロブリンという蛋白質で、抗原に特異的に結合してその働きを抑えます。
肢1は誤りです。抗体が結合する相手は抗原で、化学物質一般ではありません。また抗体はアルブミンではなく免疫グロブリンです。
肢2は誤りです。Aが化学物質である点と、Bが細胞性免疫である点が誤りです。抗体はBリンパ球が作り、体液性免疫で働きます。
肢3は誤りです。AとBは正しいものの、抗体の蛋白質はアルブミンではなく免疫グロブリンです。
肢4は誤りです。Bの細胞性免疫と、Cのアルブミンが誤りです。
肢5が正しいです。抗原、体液性、免疫グロブリンの組合せです。
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血糖の調節
問43 血糖を下げるのはインスリンだけ
血糖を下げるホルモンはインスリンだけで、グルカゴン、アドレナリン、コルチゾールはいずれも血糖を上げます。あとは分泌部位を当てはめます。
正答 5
正答は5です。グルカゴンは血糖量を増加させ、インスリンは減少させます。副腎髄質から分泌されるアドレナリンと、副腎皮質から分泌されるコルチゾールは、ともに血糖量を増加させます。
肢1は誤りです。グルカゴンとインスリンの作用が逆で、アドレナリンとコルチゾールの分泌部位も逆、さらにEも減少ではなく増加です。
肢2は誤りです。CとDの分泌部位は正しいものの、グルカゴンは血糖を増加させ、インスリンは減少させます。AとBが逆です。
肢3は誤りです。AとB、Eは正しいものの、アドレナリンは副腎髄質、コルチゾールは副腎皮質から分泌されます。CとDが逆です。
肢4は誤りです。CとDの分泌部位が逆で、Eも減少ではなく増加です。
肢5が正しいです。増加、減少、副腎髄質、副腎皮質、増加の組合せです。
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疲労
問44 日周性疲労と慢性疲労を分ける
疲労の分類は、急性疲労、慢性疲労、日周性疲労です。1労働日から翌日にかけての生活リズムの乱れで生じるものがどれに当たるかを確認します。
正答 2
正答は2です。1労働日から翌日にわたる生活サイクルの不調で現れるのは日周性疲労です。慢性疲労は、回復しきれない疲労が長期間蓄積したものです。
肢1は正しいです。産業疲労は、疲労徴候の現れ方により、急性疲労、慢性疲労、日周性疲労などに分類されます。
肢2が誤りです。記述の内容は日周性疲労の説明です。慢性疲労は、休養をとっても回復しない疲労が長い期間にわたって蓄積した状態です。
肢3は正しいです。情報機器作業などで体の一部の筋肉を使う局所疲労が、近年の職場で問題になっています。
肢4は正しいです。エネルギー代謝率(RMR)が7程度の作業は重い作業で、大きな疲労状態に陥ります。
肢5は正しいです。労働時間の短縮は仕事による負担を減らし、睡眠や休養を取りやすくするため、疲労の蓄積を予防する方法の一つです。
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