2023年11月19日実施・全50問・公式正解照合
令和5年度 賃貸不動産経営管理士試験 解答・解説
令和5年度賃貸不動産経営管理士試験の全50問について、公式正解と各記述の正誤理由をこのページに載せています。解説は試験の基準である2023年4月1日現在の法令で書き、管理業法とサブリースの運用は国土交通省の「解釈・運用の考え方」と「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」で確かめました。問題本文は転載していないため、公式PDFを開いて問番号を合わせて読んでください。
令和5年度は受験者28,299人、合格者7,972人で、合格率は28.2%でした(賃貸不動産経営管理士協議会「受験申込者数および受験者に関するデータ」)。問46〜50の5問は、講習修了者には免除される問題です。問49は出題範囲を逸脱する選択肢があったため、全ての解答が正解として扱われました。
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賃貸借契約・民法の解答・解説(9問)
居住用賃貸借の約定、賃料債務の消滅、敷金、契約の成立、共有物の管理、修繕と費用償還、定期建物賃貸借、契約の終了、賃貸人の地位の移転を扱います。
居住用賃貸借契約の約定
問7 無催告解除と残置物処分・連帯保証人による解除・明渡し遅延の損害金
家賃債務保証業者が連帯保証人として無催告で契約を解除し、残置物を処分できるとする条項は、消費者契約法10条により無効とされました(最判令和4年12月12日)。賃貸人による残置物の任意処分も自力救済に当たります。
正解 2
不適切なのはアとイの2つで、正解は2です。
ア:不適切。3か月以上の滞納を理由とする無催告解除の特約自体は、信頼関係の破壊が明らかな場合などに効力を認められることがありますが、賃借人の残置物を賃貸人が任意に処分できるとする部分は、法の手続によらない自力救済を認めるもので許されません。
イ:不適切。連帯保証人が無催告で賃貸借契約を解除し、残置物を処分できるとする約定は、賃借人の利益を一方的に害するものとして無効とされています(最判令和4年12月12日)。
ウ:適切。契約終了後の明渡し遅延について、賃料相当額の損害金を支払う約定は有効です。
エ:適切。明渡し遅延の損害金を賃料の2倍相当額とする約定も、損害賠償額の予定として有効と考えられています。
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賃料債務の消滅
問19 消滅時効の援用・弁済の提供と供託・債務の本旨・敷金の充当
賃貸人は、契約期間中でも敷金を未払賃料に充当でき、賃借人の承諾は要りません(民法622条の2第2項)。逆に、賃借人から充当を求めることはできません。
正解 4
肢1:誤り。賃料債権も消滅時効にかかりますが、時効の利益を受けるには賃借人が時効を援用しなければなりません(民法145条)。期間が過ぎただけで当然に債務を免れるわけではありません。
肢2:誤り。従前の賃料を持参して受領を拒まれた場合、弁済の提供により履行遅滞の責任は免れますが、債務自体はなくなりません。債務を免れるには供託が必要です。
肢3:誤り。受領拒絶を理由とする供託は、債務の本旨に従った弁済の提供が前提です。口座振込と定めた賃料を持参しただけでは本旨に従った提供とはいえず、この場合の供託で債務を免れることはできません。
肢4:正しい。賃貸人は、賃借人が賃料を支払わないときは、契約期間中でも敷金を賃料債務に充当でき、充当した分の賃料債務は消滅します(622条の2第2項)。
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敷金
問20 敷金契約の合意解約・交付の時期・明渡し遅延の損害金・当然充当
敷金契約は賃貸借契約とは別の契約なので、賃貸借を続けたまま合意で敷金契約だけを解約し、敷金を返すこともできます。
正解 1
適切なのは1です。
肢1:適切。敷金契約は賃貸借契約に付随する別個の契約で、当事者の合意で解約し、賃貸借継続中に敷金を返還できます。
肢2:不適切。敷金の交付時期について法律上の制限はなく、契約締結後に交付することもできます。
肢3:不適切。敷金は、賃貸借終了後の明渡しまでに生じた賃料相当損害金も担保します(622条の2第1項)。敷金から差し引けます。
肢4:不適切。敷金は明渡し時に未払債務に当然充当され、残額が返還されます。充当の意思表示をしなければ全額を返さなければならないわけではありません。
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賃貸借契約の成立と内容
問21 契約の終期・賃借人死亡で終了する特約・賃料の支払時期・契約締結上の過失
賃貸借は期間を定めなくても成立し、賃料の支払時期の合意がなければ建物は毎月末に当月分を支払います(民法614条)。賃借人の死亡で終了するという特約は、借地借家法30条により無効です。
正解 2
誤っているのはアとイの2つで、正解は2です。
ア:誤り。期間の定めのない賃貸借も有効に成立するので、契約の終期を合意しなくてもかまいません。
イ:誤り。賃借人の死亡を契約の終了事由とする特約は、借地借家法の規定より賃借人に不利なものとして無効です(30条)。賃借人が死亡しても契約は終了せず、賃借権は相続されます。
ウ:正しい。支払時期の定めがなければ、建物の賃料は毎月末に支払います(民法614条)。当月分は当月末日払になります。
エ:正しい。契約が成立すると相手方に強く信頼させながら、合理的な理由なく交渉を破棄した場合は、契約締結上の過失として不法行為責任を負うことがあります。
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共有物の管理
問22 保存行為・期間3年以内の定期建物賃貸借・期間5年の定期建物賃貸借・賃貸借契約の解除
2023年4月施行の改正民法で、建物の賃借権の設定は期間3年以内なら管理行為として持分の価格の過半数で決められることが明文化されました(民法252条4項)。
正解 3
持分の価格の過半数で決するのはイとエで、正解は3です。
ア:該当しない。台風で割れた窓ガラスの交換は保存行為で、各共有者が単独でできます(252条5項)。
イ:該当する。期間3年以内の建物の賃借権の設定は管理行為で、持分の価格の過半数で決めます(252条4項3号)。定期建物賃貸借でも同じです。
ウ:該当しない。期間が3年を超える建物の賃貸借は管理行為の範囲を超えるので、共有者全員の同意が必要です。
エ:該当する。共有物を目的とする賃貸借契約の解除は管理行為に当たり、持分の価格の過半数で決めます(判例)。
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修繕と費用償還
問23 急迫の事情による賃借人の修繕・必要費と留置権・償還請求の期間・造作買取請求権
賃借人が支出した必要費の償還請求権は、建物を明け渡すまでの留置権の被担保債権になります。ただし、償還請求は建物の返還を受けた時から1年以内にしなければなりません(民法600条・622条)。
正解 2
適切なのは2です。
肢1:不適切。修繕が必要なのに賃貸人と連絡が取れないなど急迫の事情があるときは、賃借人は自ら修繕できます(民法607条の2)。帰国を待つ必要はありません。
肢2:適切。必要費の償還を受けるまでは、賃借人は留置権により建物全体の明渡しを拒めます(295条・296条)。
肢3:不適切。必要費の償還請求は、賃貸人が建物の返還を受けた時から1年以内にしなければなりません(600条1項・622条)。1年半後の請求は拒まれます。
肢4:不適切。造作買取請求権は形成権で、行使すると売買契約が当然に成立します。賃貸人が改めて売買契約を締結する義務を負う仕組みではありません。
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定期建物賃貸借
問24 電磁的記録による契約・事前説明の電磁的提供・期間1年未満の通知・旧契約からの切替え
2022年5月から、定期建物賃貸借は電磁的記録でも締結でき、事前説明の書面も賃借人の承諾を得れば電磁的方法で提供できるようになりました(借地借家法38条)。
正解 2
正しいのはアとウの2つで、正解は2です。
ア:正しい。定期建物賃貸借の契約は、書面のほか電磁的記録でも締結できます(38条2項)。
イ:誤り。事前説明の書面を電磁的方法で提供するには、賃借人の承諾が必要です(38条4項)。
ウ:正しい。期間満了前の終了の通知が必要なのは、期間1年以上の定期建物賃貸借です(38条6項)。期間3か月の契約では通知なしで終了を対抗できます。
エ:誤り。定期借家制度の施行(2000年3月1日)前に結ばれた居住用建物の賃貸借は、当事者が合意解約しても、当分の間、定期建物賃貸借に切り替えることができません(借地借家法改正法附則3条)。
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賃貸借契約の終了
問25 履行拒絶と無催告解除・1回の不払・解除の効果・保証会社の代位弁済
賃貸借契約の解除は将来に向かってのみ効力を生じます(民法620条)。保証会社が代わりに賃料を支払っていても、賃借人の不払が続けば信頼関係の破壊が認められることがあります。
正解 4
適切なのはアとエで、正解は4です。
ア:適切。賃借人が賃料の支払を拒絶する意思を書面で明確にし、実際に3か月滞納しているなら、催告をしても履行される見込みがないので、無催告で解除できます(542条1項2号)。
イ:不適切。賃貸借では、1回の賃料不払だけで直ちに信頼関係が破壊されたとは認められないのが通常です。
ウ:不適切。賃貸借の解除は将来に向かってのみ効力を生じ、契約当初にさかのぼりません(620条)。
エ:適切。家賃債務保証業者の保証債務の履行は賃借人自身の賃料支払ではないので、それでも賃借人の不払が続けば、信頼関係が破壊されたとして解除が認められる場合があります。
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賃貸住宅の譲渡と賃借人
問26 賃借人の承諾なき売却・合意による地位の移転・抵当権実行と明渡猶予・賃借権の譲渡と敷金
抵当権の設定登記後に入居した賃借人は買受人に対抗できませんが、建物の明渡しには買受けの時から6か月の猶予があります(民法395条1項)。
正解 1
正しいのはアの1つだけで、正解は1です。
ア:正しい。賃貸人は、賃借人の承諾がなくても賃貸住宅を売却できます。
イ:誤り。不動産の譲渡人と譲受人の合意で、賃借人の承諾なしに賃貸人の地位を移転できます(605条の3)。Bは引渡しを受けているので、売却により当然に地位が移転する場合でもあります(605条の2第1項)。
ウ:誤り。競売手続の開始前から使用している賃借人は、買受人の買受けの時から6か月を経過するまで明渡しを猶予されます(395条1項)。3か月ではありません。
エ:誤り。賃借人が適法に賃借権を譲渡したときは、賃貸人は敷金を旧賃借人に返還しなければならず(622条の2第1項2号)、敷金関係は譲受人Dに承継されません。
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賃貸住宅管理業法の解答・解説(13問)
管理受託契約重要事項説明と電話による説明、変更契約、金銭管理、定期報告、分別管理、業務管理者、名義貸し、登録と更新、監督、管理業の範囲を扱います。
管理受託契約重要事項説明
問1 説明する者・説明が不要な相手方・代理人への説明・18歳の賃貸人
管理受託契約重要事項説明が不要になるのは、相手方が賃貸住宅管理業者や宅地建物取引業者、独立行政法人都市再生機構などの専門家である場合です。賃貸人の勤務先がそうした法人であっても、賃貸人本人は説明の対象です。
正解 2
誤っているのはイの1つだけで、正解は2です。
ア:正しい。説明は業務管理者が自ら行う必要はなく、業務管理者の管理・監督の下であれば、管理業務の実務経験を持つ従業者が行えます(解釈・運用の考え方 第13条関係)。
イ:誤り。説明が不要になるのは、契約の相手方そのものが都市再生機構などである場合です(法13条1項、施行規則30条)。賃貸人個人の勤務先が機構であっても、説明を省くことはできません。
ウ:正しい。賃貸人本人の意思により、委任状などで代理権を与えられた者に説明した場合は、説明をしたと認められます。
エ:正しい。2022年4月から成年年齢は18歳なので、18歳の賃貸人は成年です。立会人を置かずに本人に説明できます。
公式問題で問1を見る
管理受託契約重要事項説明
問2 実施方法の回数・苦情対応・報酬に含まれる費用・賠償責任保険
管理受託契約重要事項説明では、管理業務の内容と実施方法(回数や頻度を含む)、報酬に含まれない費用、責任と免責に関する事項などを説明します(施行規則31条)。
正解 3
肢1:誤り。管理業務の内容と実施方法は説明事項で、点検や清掃などの回数や頻度もできる限り具体的に示します。
肢2:誤り。入居者からの苦情や問い合わせへの対応を管理業務として行う場合は、その対応の内容も説明します。
肢3:正しい。説明が必要なのは、報酬に含まれていない費用で管理業者が通常必要とするものです(施行規則31条5号)。水道光熱費が報酬に含まれているなら、別途の費用としての説明は要りません。
肢4:誤り。賃貸人に賠償責任保険への加入を求める場合や、保険で補償される損害について管理業者が責任を負わないこととする場合は、その旨を責任・免責に関する事項として説明します。
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変更契約の重要事項説明
問3 電話による説明の要件
管理受託契約の変更契約の重要事項説明は、一定の要件を満たせば電話で行えます。賃貸人からの依頼、説明前の書面確認、説明後の理解の確認、対面希望への対応の四つが求められます。
正解 4
ア〜エはすべて正しく、正解は4です。
ア:正しい。電話による説明は、賃貸人から電話で行ってほしいとの依頼があった場合に限られます(解釈・運用の考え方 第13条関係)。
イ:正しい。依頼があった場合でも、後から対面での説明を希望する申出があったときは、対面で説明しなければなりません。
ウ:正しい。説明を始める前に、賃貸人が重要事項説明書を手元で確認しながら説明を受けられる状態かどうかを確かめる必要があります。
エ:正しい。説明を終えた後に、賃貸人が説明の内容を理解したことを確認する必要があります。
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管理受託契約の変更
問4 再委託先の変更・賃貸人の変更・商号変更・法施行前の契約
組織運営に変更のない商号変更のような形式的な変更であれば、契約締結時書面を改めて交付する必要はありません(解釈・運用の考え方 第14条関係)。
正解 3
肢1:不適切。再委託先の変更は契約内容の変更に当たり、賃貸人に知らせずに済ませることはできません。
肢2:不適切。賃貸住宅の売却で賃貸人の地位が新しい賃貸人に移る場合、地位承継の特約があっても、新しい賃貸人に管理受託契約の内容が分かる書面を遅滞なく交付することが望ましいとされています。
肢3:適切。組織運営に変更のない商号の変更は形式的な変更なので、その旨を知らせれば足り、契約締結時書面の再交付は要りません。
肢4:不適切。法施行前の契約で契約締結時書面を交付していなかった場合、施行後に契約を変更するときは、変更部分だけでなくすべての事項を記載した書面を交付する必要があります。
公式問題で問4を見る
金銭管理業務
問5 受任者の地位・善管注意義務・利息の引渡し・再委託
管理受託契約は委任(準委任)の性質を持つので、受任者である管理業者は善良な管理者の注意義務を負い、受け取った金銭から生じた果実(利息)も委託者に引き渡します。
正解 4
肢1:不適切。管理業者は雇用関係のように賃貸人の指揮命令に従うのではなく、委任の本旨に従って専門家として自らの判断で事務を処理します。
肢2:不適切。受任者は善良な管理者の注意をもって事務を処理しなければなりません(民法644条)。自己の財産と同程度の注意では足りません。
肢3:不適切。受任者は、委任事務の処理で受け取った金銭とその果実を委任者に引き渡さなければなりません(民法646条1項)。利息を差し引くことはできません。
肢4:適切。受任者は委任者の許諾を得れば復受任者を選任できます(民法644条の2第1項)。管理業法も管理業務の全部の再委託を禁じているだけで(法15条)、承諾を得て金銭管理業務を再委託することはできます。
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定期報告
問8 法施行前の契約の更新と変更・報告事項・電磁的方法
書面による定期報告で必要な事項は、報告の対象期間、管理業務の実施状況、入居者からの苦情の発生状況と対応状況です(施行規則40条1項)。
正解 3
肢1:正しい。法施行前に結んだ契約でも、施行後に更新したなら、期間を延ばすだけの形式的な更新であっても、更新後は定期報告を行うべきとされています(解釈・運用の考え方 第20条関係)。
肢2:正しい。法施行前の契約でも、施行後に形式的とはいえない変更をすれば、変更後の契約には法の規定が適用され、報告義務が生じます。
肢3:誤り。法令上の報告事項は、報告の対象となる期間、管理業務の実施状況、入居者からの苦情の発生状況及び対応状況の三つです(施行規則40条1項)。家賃等の収受状況が独立の報告事項とされているわけではありません。
肢4:正しい。管理業務報告書は賃貸人の承諾を得て電磁的方法で提供でき、その場合も賃貸人が内容を理解したことを確認する必要があります(施行規則40条2項・3項)。
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財産の分別管理
問18 管理報酬の扱い・口座の区分・固有財産の一部残置・帳簿での判別
管理業者は、家賃等を管理する口座を自己の固有財産の口座と区別し、どの管理受託契約の金銭かを帳簿で直ちに判別できるように管理しなければなりません(法16条、施行規則36条)。
正解 4
肢1:誤り。家賃等から管理報酬を差し引く場合も、いったん家賃等管理口座に入金し、管理報酬相当額を後から固有財産管理口座に移すことができます。あらかじめ分けて入金する必要はありません。
肢2:誤り。管理戸数にかかわらず、登録を受けた管理業者は家賃等管理口座と固有財産管理口座を明確に区分しなければなりません。一つの口座で帳簿上だけ区別することは認められません。
肢3:誤り。支払に備えるため、管理業者の固有財産のうち一定額を家賃等管理口座に残しておくことは差し支えないとされています。
肢4:正しい。勘定科目に物件名や顧客名を入れた補助科目を付けて仕分けることで、他の管理受託契約に基づく家賃等と区別して管理できます。
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業務管理者と秘密保持
問27 業務管理者の兼務・営業所の範囲・宅建士との兼務・再委託先の秘密保持
業務管理者は営業所・事務所ごとに1人以上置き、他の営業所の業務管理者を兼ねることはできません(法12条)。
正解 3
正しいのはイ・ウ・エの3つで、正解は3です。
ア:誤り。業務管理者は、他の営業所又は事務所の業務管理者を兼ねることができません(12条3項)。やむを得ない事情があっても同じです。
イ:正しい。管理受託契約の締結、維持保全の手配、金銭の管理などが行われ、継続的に営業の拠点となる実態がある施設は、名称を問わず営業所・事務所に当たり、業務管理者を選任します。
ウ:正しい。業務管理者が宅地建物取引士の業務を兼ねることはできますが、管理業務についての指導・管理・監督に従事できる状態でなければなりません。
エ:正しい。秘密を守る義務を負う従業者には、再委託を受けた者など、管理業者と直接の雇用関係にない者も含まれます(21条2項、解釈・運用の考え方)。
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管理業者の義務
問28 信義誠実・名義貸しの禁止・従業者証明書・再委託先
管理業務の一部は再委託できますが、再委託先が賃貸住宅管理業者である必要はありません。禁止されているのは管理業務の全部の再委託です(法15条)。
正解 4
肢1:正しい。管理業者は、建物所有者や入居者の視点に立ち、信義を旨として誠実に業務を行うよう求められています(法10条)。
肢2:正しい。自己の名義で他人に賃貸住宅管理業を営ませることは禁止され(11条)、違反は罰則の対象です。名義を借りた者が登録業者かどうかは関係ありません。
肢3:正しい。従業者証明書を携帯させるべき者は、正規・非正規を問わず直接の雇用関係にあって管理業務に従事する者で、内部管理事務だけに従事する者は含まれません。
肢4:誤り。一部の再委託先は登録業者に限られていません。再委託しても、管理業務の適正な実施について管理業者が責任を負います。
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登録
問29 業務管理者の人数・200戸未満の登録・合併の届出・更新の申請期間
登録の有効期間は5年で、更新の申請は有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に行います(施行規則4条)。
正解 4
肢1:正しい。業務管理者は営業所ごとに1人以上置けばよく、3人置いても規定に反しません。
肢2:正しい。管理戸数200戸未満の事業者も任意に登録でき、登録後は法の規制を受け、違反すれば監督処分や罰則の対象になります。
肢3:正しい。登録業者である法人が合併で消滅したときは、その法人を代表する役員であった者が30日以内に廃業等届出書を提出します(9条1項2号)。
肢4:誤り。更新の申請は、満了日の90日前から30日前までの間にしなければなりません。90日前までに申請するのではありません。
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義務と監督
問30 業務改善命令の対象期間・勧誘者の義務・登録失効後の業務の結了・登録の取消し
管理業者の登録が効力を失っても、締結済みの管理受託契約に基づく業務を結了する目的の範囲内では、なお管理業者とみなされます(法27条)。
正解 3
正しいのはア・イ・エの3つで、正解は3です。
ア:正しい。国土交通省の監督処分の基準では、処分をしようとする日から過去5年以内に行われた違反行為を対象とするとされています。
イ:正しい。誇大広告等の禁止や不当な勧誘等の禁止は特定転貸事業者だけでなく勧誘者にも課され、建設業者や不動産業者も勧誘者に当たれば義務を負います(28条・29条)。
ウ:誤り。登録が効力を失っても、締結済みの管理受託契約に基づく業務を結了する範囲では、引き続き業務を行えます(27条)。
エ:正しい。登録を受けてから1年以内に業務を開始しないとき、又は引き続き1年以上業務を行っていないときは、登録を取り消すことができます(23条2項)。
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登録の要否と基準
問31 無償の管理業務・特定転貸事業者・事務所と住宅の戸数・財産的基礎
賃貸住宅管理業の登録が義務になるのは、賃貸住宅の管理戸数が200戸以上の場合です。無償でも、事業全体として営利性があれば「業として」行っていることになります。
正解 1
肢1:誤り。管理業務自体は無償でも、事業全体として営利性が認められれば「業として」行うものに当たり、管理戸数が200戸以上なら登録が必要です。
肢2:正しい。特定賃貸借契約の戸数が200戸以上でも、賃貸住宅の維持保全を行う戸数が200戸未満なら、管理業の登録義務はありません。
肢3:正しい。事務所は賃貸住宅に当たらないので、管理戸数は100戸です。200戸未満なので登録義務はありません。
肢4:正しい。負債の合計額が資産の合計額を超えていても、直前2年の各事業年度に当期純利益が生じているなど、財産及び損益の状況が良好と認められれば登録を拒否されません。
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賃貸住宅管理業の範囲
問32 家賃の集金のみ・維持保全のみ・クレーム対応の有無
賃貸住宅管理業に当たるのは、維持保全業務(点検・清掃・修繕とその手配)を行う場合で、家賃等の金銭管理はこれと併せて行う場合に管理業務になります(法2条2項)。
正解 3
肢1:正しい。家賃の集金だけを行い、維持保全を行わない場合は、賃貸住宅管理業に当たりません。
肢2:正しい。居室と共用部分の点検・清掃・修繕を行うなら、家賃の集金をしていなくても賃貸住宅管理業に当たります。
肢3:誤り。維持保全を行っていれば、入居者のクレーム対応をしていなくても賃貸住宅管理業に当たります。クレーム対応は要件ではありません。
肢4:正しい。家賃の集金とクレーム対応だけで、維持保全を手配も含めて行っていない場合は、賃貸住宅管理業に当たりません。
公式問題で問32を見る
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サブリース規制の解答・解説(7問)
勧誘者の範囲、誇大広告等の禁止、不当な勧誘等の禁止、特定賃貸借契約重要事項説明とその書面、建物所有者の金銭負担、特定賃貸借標準契約書を扱います。
勧誘者
問33 一般的な説明・再委託・口頭の依頼・広告での勧誘
勧誘者とは、特定転貸事業者と特定の関係を持ち、その事業者の特定賃貸借契約の締結を勧める者です。一般的なサブリースの仕組みを説明したり事業者を紹介したりするだけの者は含まれません(サブリースガイドライン)。
正解 1
肢1:正しい。契約の内容や条件に触れずに一般的な仕組みを説明した者や、単に事業者を紹介しただけの者は勧誘者に当たりません。
肢2:誤り。特定転貸事業者から勧誘を委託された者からさらに再委託を受けて勧誘する者も、勧誘者に当たります。
肢3:誤り。勧誘の委託は明示的・書面によるものに限られず、口頭で依頼された者も勧誘者に当たります。
肢4:誤り。不特定多数に向けた広告でも、特定の事業者の特定賃貸借契約の内容や条件を具体的に伝えて勧誘する場合は、勧誘者の規制が適用されます。
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誇大広告等の禁止
問34 誤認の程度・家賃保証の表示・借上げ保証の表示・24時間対応の表示
「家賃保証」と表示する場合は、家賃の定期的な見直しや、借地借家法32条による減額の可能性について隣接する箇所に表示しなければ、誇大広告になります。
正解 2
肢1:正しい。表示と事実の相違を知っていれば通常その契約に誘引されないと判断される程度であれば、誇大広告等に当たりません。
肢2:誤り。定期的な見直しが予定されていなくても、借地借家法32条により家賃が減額される可能性はあります。見直しの予定がない旨を書いただけでは、誇大広告等を免れません。
肢3:正しい。「〇年間借上げ保証」と表示するときは、期間中でも特定転貸事業者から解約する可能性があることを表示しなければ、誇大広告等に当たります。
肢4:正しい。休日や深夜は受付だけで実際の維持保全を行わないのに「24時間対応」と表示するのは、誇大広告等に当たります。
公式問題で問34を見る
不当な勧誘等の禁止
問35 解除を妨げる威迫・中途解約の誤った告知・費用負担の不実告知・土地購入とサブリース
特定転貸事業者であれば当然知っているはずの事項を告げなかったり不実を告げたりしたときは、故意が推認されます(サブリースガイドライン)。
正解 2
不適切なのは2です。
肢1:適切。契約の解除を妨げるため、面会を拒否されているのに声を荒げて面会を強要するのは、威迫による禁止行為に当たります(法29条2号、施行規則43条)。
肢2:不適切。賃貸人からいつでも中途解約できるという説明は、特定転貸事業者なら当然誤りと分かる事項で、故意による不実告知として不当な勧誘等に当たりえます。
肢3:適切。維持保全の費用負担があるのに負担なしと告げる行為は、契約が締結されなくても不当な勧誘等の禁止に違反します(29条1号)。
肢4:適切。土地の購入とあわせて特定賃貸借契約を勧誘する場合は、土地購入の勧誘の時点で、家賃減額のリスクなどを含めて事実を告げる必要があります。
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特定賃貸借契約重要事項説明
問36 管理物件の新たな契約・相続・法施行前の契約の更新・物件の売却
特定賃貸借契約重要事項説明は、契約の同一性を保ったまま期間だけを延長するような形式的な更新では、改めて行わなくても差し支えないとされています。
正解 3
肢1:正しい。管理受託中の物件でも、新たに特定賃貸借契約を締結するなら重要事項説明が必要です。
肢2:正しい。建物所有者に相続が発生したときは、各相続人に重要事項説明を行うことが望ましいとされています。
肢3:誤り。法施行前のマスターリース契約でも、更新が契約内容を変えない形式的なものであれば、重要事項説明をし直す必要はありません。
肢4:正しい。建物の売却で賃貸人たる地位が同じ内容のまま新しい所有者に移るときは、新しい賃貸人に契約内容が分かる書類を交付することが望ましいとされています。
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特定賃貸借契約重要事項説明書
問37 建物設備・賠償責任保険・維持保全の報告頻度・家賃が固定されない旨
特定賃貸借契約重要事項説明書には、対象となる賃貸住宅の設備、維持保全の実施方法と報告の頻度、契約期間は家賃が固定される期間ではないことなどを記載します(施行規則46条)。
正解 2
肢1:正しい。対象となる賃貸住宅について、所在地や構造などとともに建物設備も記載して説明します。
肢2:誤り。記載が求められるのは、賃貸人に賠償責任保険への加入を求める場合や、保険で補償される損害について特定転貸事業者が責任を負わないこととする場合です。賃貸人が加入しない旨は記載事項ではありません。
肢3:正しい。特定転貸事業者が行う維持保全の実施状況を賃貸人に報告する頻度も記載します。
肢4:正しい。契約期間は家賃が固定される期間ではないことを記載し、説明します。
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建物所有者の金銭負担
問38 設備ごとの費用負担・引渡し遅延の違約金・定期建物賃貸借の減額しない特約・経年劣化の修繕費
特定賃貸借契約を定期建物賃貸借で結び、家賃を減額しない特約を定めた場合は、借地借家法32条の減額請求は認められません(38条9項)。
正解 3
肢1:正しい。維持保全の費用負担者が設備によって異なるときは、設備ごとに負担者を記載します。
肢2:正しい。引渡日に物件を引き渡さない場合に建物所有者が負う違約金を定めるときは、その内容を記載します。
肢3:誤り。定期建物賃貸借で家賃を減額しない旨の特約を定めた場合は、借地借家法32条は適用されず、特定転貸事業者は減額請求できません(38条9項)。減額請求できる場合があると説明するのは普通建物賃貸借の場合です。
肢4:正しい。経年劣化による修繕費用を建物所有者の負担とするときは、その旨を記載します。
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特定賃貸借標準契約書
問39 貸主の情報提供・反社会的勢力への譲渡・清掃業務の再委託・維持保全の報告
特定賃貸借標準契約書では、借主(特定転貸事業者)は合意した頻度で維持保全の実施状況を報告するほか、貸主から求められたときにも報告しなければなりません。
正解 4
肢1:正しい。貸主は、借主が維持保全を行うために必要な情報を提供しなければなりません。
肢2:正しい。借主は、貸主の承諾があっても、賃借権の全部又は一部を反社会的勢力に譲渡できません。
肢3:正しい。借主は、維持保全業務の一部である清掃業務を第三者に再委託できます。
肢4:誤り。合意した頻度で報告するほか、貸主が必要と認めて求めたときは、その時期以外でも実施状況を報告しなければなりません。
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管理受託実務の解答・解説(3問)
賃貸不動産経営管理士と業務管理者の職務、経営支援の業務、空き家や居住支援などの住宅政策を扱います。
賃貸不動産経営管理士
問42 登録証明事業・業務管理者の職務
賃貸不動産経営管理士試験は、業務管理者に必要な知識と能力を証明する登録証明事業の登録試験です。業務管理者の職務は管理業務の管理・監督で、個々の事務を自ら行うことは法律上義務付けられていません。
正解 1
肢1:適切。賃貸不動産経営管理士試験は、国土交通大臣の登録を受けた登録証明事業の試験に位置付けられています。
肢2:不適切。家賃の改定や未収納への対応を業務管理者自らが行うことは、法律で義務付けられていません。業務管理者が担うのは、管理業務についての管理・監督です。
肢3:不適切。金銭の管理、帳簿の備付け、秘密保持などは業務管理者が管理・監督すべき事項で、業務管理者自らが行うことまでは義務付けられていません。
肢4:不適切。契約終了時の精算や原状回復の範囲の決定、明渡しの実現を業務管理者が行うことは、法律で義務付けられていません。
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賃貸不動産経営の支援
問43 書類の記名と説明・予算管理・物件状況報告書・長期修繕計画の期間
長期修繕計画は、建物の耐用年数を見据えて、おおむね25〜30年程度の期間について、いつ・何を・どの程度・いくらで修繕するかを示すものです。
正解 4
肢1:適切。予算計画書や物件状況報告書、長期修繕計画書を作成したときは、責任を明らかにするため記名し、賃貸人に口頭でも説明することが望ましいとされています。
肢2:適切。予算の達成が難しくなったら、原因を分析して、収入を増やす策と支出を抑える策を賃貸人に提言することが期待されます。
肢3:適切。賃料水準の低下や空室の長期化に対しても、課題と対策を物件状況報告書にまとめて賃貸人に示すことが期待されます。
肢4:不適切。長期修繕計画の期間は25〜30年程度が一般的で、5〜10年程度では短すぎます。
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賃貸住宅管理と住宅政策
問48 空き家の活用・居住支援協議会・住生活基本計画・不動産業ビジョン2030
住宅確保要配慮者の入居を支援するため、地方公共団体、不動産関係団体、居住支援団体などで居住支援協議会がつくられ、住宅情報の提供などが行われています。
正解 1
ア〜エはいずれも適切で、不適切なものはありません。正解は1です。
ア:適切。空き家を賃貸住宅として活用する際は、所有者に賃貸経営の経験がないことや、修繕義務の所在など契約関係に特別な配慮が必要なことが阻害要因になります。
イ:適切。住宅セーフティネット制度のもとで居住支援協議会が組織され、住宅確保要配慮者への住宅情報の提供などの支援が行われています。
ウ:適切。2021年3月の住生活基本計画は、新たな日常やDXへの対応、災害に備えた安全な住宅・住宅地、子育てしやすい住まい、脱炭素に向けた住宅循環システムなどを目標に掲げています。
エ:適切。不動産業ビジョン2030は、官民共通の目標の一つにエリア価値の向上を掲げ、不動産の活用によって地域の価値と個々の不動産の価値を高め合うことを目指しています。
令和8年度試験での注意 2025年10月施行の改正住宅セーフティネット法で、居住支援協議会の設置が市区町村の努力義務になりました。住生活基本計画はおおむね5年ごとに見直されるので、令和8年度試験ではその時点の計画の目標を確かめます。
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建物・設備管理の解答・解説(9問)
法定点検、耐震基準の変遷、防火の規制、換気、漏水、屋根と外壁の点検、排水設備、制振・免震、給水設備を扱います。
法定点検
問6 浄化槽・自家用電気工作物・簡易専用水道・消防用設備等
簡易専用水道の設置者は毎年1回以上、地方公共団体の機関などの検査を受けなければなりませんが、その結果を大臣に報告する義務はありません。
正解 3
肢1:正しい。浄化槽の設置後等の水質検査と定期検査は指定検査機関が行い、その結果は都道府県知事に報告されます。
肢2:正しい。自家用電気工作物の設置者は、保安規程を定めて使用の開始前に経済産業大臣に届け出なければなりません(電気事業法42条1項)。
肢3:誤り。簡易専用水道の設置者は毎年1回以上、登録を受けた検査機関などの検査を受けなければなりませんが、検査結果を大臣に報告する義務はありません。
肢4:正しい。消防用設備等の点検には機器点検と総合点検があり、その結果は定期に消防長又は消防署長に報告します(消防法17条の3の3)。
令和8年度試験での注意 2024年4月に水道行政の一部が厚生労働省から国土交通省へ移管され、簡易専用水道の検査機関は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者になりました(水道法34条の2第2項)。検査結果を大臣に報告する義務がない点は変わらないので、肢3は誤りのままです。
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建物の耐震
問12 十勝沖地震と1971年改正・新耐震設計法・耐震改修促進法の改正・耐震診断の義務
耐震診断が義務付けられているのは、不特定多数の者が利用する大規模建築物など一部の建築物です。一般の賃貸共同住宅の耐震診断・耐震改修は努力義務にとどまります。
正解 4
肢1:適切。1968年の十勝沖地震の被害を受け、1971年に鉄筋コンクリート造の柱の帯筋の基準を強化するなど、せん断設計に関する施行令改正が行われました。
肢2:適切。1978年の宮城県沖地震の被害を受けて1981年に耐震基準が改正され、これに基づく設計法が新耐震設計法と呼ばれています。
肢3:適切。2013年の耐震改修促進法の改正で、大規模な病院・店舗・旅館などの要緊急安全確認大規模建築物について耐震診断が義務付けられました。
肢4:不適切。一般の共同住宅である賃貸住宅の耐震診断・耐震改修は努力義務で、すべての賃貸住宅に義務付けられているわけではありません。
公式問題で問12を見る
防火の規制
問13 内装制限・防火設備の維持管理・防火区画の種類・主要構造部
建築基準法の主要構造部は、壁・柱・床・はり・屋根・階段です。間柱、小ばり、屋外階段、ひさしなど構造上重要でない部分は除かれます(建築基準法2条5号)。
正解 4
肢1:正しい。内装制限は、火災の初期の延焼を防ぐため、建物の用途や規模に応じて壁や天井の仕上げ材料を制限するものです。
肢2:正しい。防火区画を構成する防火戸などの防火設備は、物を置いて閉鎖を妨げないなど、機能を阻害しない日常管理が必要です。
肢3:正しい。防火区画は、面積・高層・竪穴・異種用途の四つに分けられます。
肢4:誤り。間柱、小ばり、屋外階段、ひさしは、主要構造部から除かれています(2条5号)。
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換気
問14 自然換気・機械換気・第3種換気・給気不足による障害
自然換気は温度差や風を利用するので経済的ですが、自然条件に左右され、安定した換気量は確保できません。
正解 1
肢1:誤り。自然換気は換気扇の騒音がなく経済的ですが、外気の条件によって換気量が変わるため、いつでも安定した換気量を確保できるわけではありません。
肢2:正しい。機械換気は換気扇や送風機で強制的に換気する方式で、必要なときに換気できますが、電力などのエネルギーが要ります。
肢3:正しい。住宅では、台所・浴室・便所などを機械で排気し、給気口から自然に給気する第3種換気が多く採用されています。
肢4:正しい。第3種換気で給気が不足したまま排気すると、室内が負圧になって扉が開けにくくなる、すき間風の音がするなどの障害が起きます。
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漏水と詰まり
問15 雨水の漏水・給排水管の漏水・入居者の不注意・雨樋の詰まり
建物の漏水には、屋上や外壁からの雨水によるもの、給水管・排水管の不具合によるもの、入居者の不注意によるものがあります。
正解 3
適切なのはア・ウ・エの3つで、正解は3です。
ア:適切。雨水の漏水は、屋上や屋根の防水層の劣化・破損や、コンクリートなど構造部材のひび割れ・破損から生じます。
イ:不適切。建物内部の漏水には、給水管や排水管の劣化・接続部の不良などによるものもあります。発生しないわけではありません。
ウ:適切。洗濯水のあふれ、流し台や洗面台の排水ホースの外れ、トイレの詰まりの放置などは、入居者の不注意による漏水の典型です。
エ:適切。雨樋が落ち葉などで詰まると、降雨時にあふれた水が軒天や破風に回り、建物全体の劣化を早めることがあります。
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屋根と外壁の点検
問16 傾斜屋根の塗装・陸屋根の排水口・コンクリート打ち放し・ルーフバルコニー
ルーフバルコニーは防水面の膨れや亀裂、立ち上がり部のシーリングの劣化が起きやすく、定期的な点検と補修が必要です。
正解 4
肢1:不適切。金属屋根やスレート屋根の表面塗装の補修は、おおむね10年前後が目安とされています。3年前後ではありません。
肢2:不適切。陸屋根に土砂やごみが堆積したり排水口がふさがれたりすると、雨水が滞留して防水層の劣化や漏水の原因になります。
肢3:不適切。コンクリート打ち放しの塩害や中性化は、鉄筋の腐食につながる耐久性の問題です。美観だけの問題ではなく、定期的な点検が必要です。
肢4:適切。ルーフバルコニーの防水面や立ち上がり部のシーリングは劣化しやすく、定期的な点検と補修が必要です。
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排水・通気設備
問17 防水パンのトラップ・封水の破封・排水槽・特殊継手排水方式
洗濯機の防水パンには、わんトラップのような非サイホン式のトラップが使われることが多く、毛髪や糸くずが詰まると毛細管作用で封水がなくなることがあります。
正解 1
肢1:不適切。洗濯機の防水パンに使われるのは、わんトラップ(ベルトラップ)などの非サイホン式トラップです。サイホン式トラップと説明している点が誤りです。
肢2:適切。排水管内の圧力変動で封水が吸い出されたり、長期間の空室で封水が蒸発したりすると、下水の臭気が室内に入ります。
肢3:適切。雑排水槽や汚水槽にためてポンプでくみ上げる方式では、ポンプの作動確認や槽の清掃など定期的な管理が必要です。
肢4:適切。特殊継手排水方式は、排水横枝管に接続する器具が比較的少ない集合住宅やホテルの客室系統に多く採用されています。
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制振構造と免震構造
問46 制振構造の仕組み・塔状の建物の風揺れ・免震構造の仕組み・免震装置の点検
制振構造は、ダンパーなどの制震部材で建物の揺れを吸収する構造で、地震だけでなく、塔状の建物や超高層建物の風揺れ対策にも効果があります。
正解 2
肢1:適切。制振構造は、建物の骨組みに設置したダンパーなどで地震のエネルギーを吸収し、揺れを低減・制御する構造です。
肢2:不適切。塔状の建物では、制振構造による風揺れの低減効果が期待できます。効果がないわけではありません。
肢3:適切。免震構造は、基礎と建物の間に免震ゴムなどの免震装置を設け、地震の揺れを建物に伝わりにくくする構造です。
肢4:適切。免震装置は性能を保つため、定期的な点検と管理が必要です。
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給水設備
問47 ウォーターハンマー・配管材料・クロスコネクション・直結直圧方式
直結直圧方式は、水道本管の圧力をそのまま利用して各住戸に給水する方式で、受水槽や高置水槽を使いません。停電時も給水できますが、断水時は給水できません。
正解 4
不適切なのは4です。
肢1:適切。給水管内の水流を急に止めると、水の慣性で衝撃と高い水圧が生じるウォーターハンマー現象が起き、器具の破損や漏水の原因になります。
肢2:適切。赤水や腐食を防ぐため、樹脂ライニング鋼管、ステンレス鋼鋼管、銅管、合成樹脂管などが使われています。
肢3:適切。クロスコネクションは、飲料水の給水・給湯系統と飲料水以外の系統が接続されることで、汚染の原因になるため禁止されています。
肢4:不適切。説明されているのは受水槽と高置水槽を使う高置水槽方式です。直結直圧方式は水道本管から直接給水する方式で、本管が断水すると給水できません。
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原状回復・退去の解答・解説(3問)
原状回復ガイドラインの負担区分と経過年数の考え方、少額訴訟を扱います。
原状回復ガイドライン
問9 照明器具のビス穴・ペットの臭い・家具の設置跡・台所とトイレの消毒
原状回復ガイドラインでは、家具の設置による床のへこみや専門業者による消毒など通常の使用による損耗は賃貸人の負担、天井に直接付けた照明器具の跡やペットによる臭いなど通常の使用を超えるものは賃借人の負担とされています。
正解 1
不適切なのはアとイで、正解は1です。
ア:不適切。賃借人が天井に直接取り付けた照明器具の跡は、通常の使用を超えるものとして賃借人の負担とされています。
イ:不適切。ペットにより柱やクロスに傷が付いたり臭いが付着したりした場合は、無断飼育かどうかに関係なく、賃借人の負担とされています。
ウ:適切。家具の設置によるカーペットのへこみや設置跡は通常の使用による損耗で、賃借人の負担になりません。
エ:適切。台所・トイレの消毒は次の入居者を確保するための費用で、賃借人の負担になりません。
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原状回復ガイドライン
問10 経過年数を超えた設備の毀損・襖紙・フローリング全体・クッションフロア
原状回復ガイドラインは、賃借人の負担割合を経過年数で減らす考え方をとりますが、消耗品は経過年数を考慮せず、フローリングの全体張替えは建物の耐用年数で、クッションフロアは6年で考えます。
正解 4
ア〜エはいずれも不適切で、正解は4です。
ア:不適切。経過年数を超えた設備でも、継続して使用できるものを故意・過失で使用不能にした場合は、本来の機能を回復するための工事費や人件費などを賃借人が負担します。残存価値の1円で済むわけではありません。
イ:不適切。襖紙や障子紙、畳表のような消耗品は、経過年数を考慮せずに賃借人の負担とされます。6年で残存価値1円となる直線は使いません。
ウ:不適切。フローリングの部分補修は経過年数を考慮しませんが、全体の張替えが必要な場合は、建物の耐用年数で残存価値1円となるような直線を想定して負担割合を算定します。
エ:不適切。クッションフロアは6年で残存価値1円となるような直線で負担割合を算定します。経年変化を考慮しないわけではありません。
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原状回復と精算
問11 少額訴訟の上限・契約時の合意・精算明細の様式・民法621条
少額訴訟で請求できるのは、60万円以下の金銭の支払に限られます(民事訴訟法368条1項)。
正解 1
肢1:不適切。敷金100万円から70万円を控除された賃借人が敷金全額の返還を求める場合、請求額は70万円で、少額訴訟の上限60万円を超えるため少額訴訟は使えません。
肢2:適切。ガイドラインには、契約時に原状回復の条件を確認するための様式(契約書に添付するもの)が収録されています。
肢3:適切。原状回復の精算明細などに関する様式も示されており、見積りや精算の参考になります。
肢4:適切。民法621条は、通常損耗と経年変化を除き、賃借人の責めに帰することができない事由による損傷も除いて、賃借人が原状回復義務を負うとしています。
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不動産・税・保険の解答・解説(3問)
相続税・贈与税、不動産の税金、不動産証券化を扱います。問49は出題範囲外の選択肢を含むとして全員正解になりました。
相続税と贈与税
問45 相続時精算課税の加算額・相続放棄と代襲・基礎控除・小規模宅地等の特例
相続時精算課税を選択して贈与を受けた財産は、相続時に贈与時の価額で相続財産に加算されます。相続時の価額と比べて低い方になるわけではありません。
正解 1
肢1:不適切。相続時精算課税で贈与を受けた財産は、贈与時の価額で相続財産に加算されます。贈与時と相続時のいずれか低い価額ではありません。
肢2:適切。相続放棄をした者は初めから相続人でなかったものとみなされるので(民法939条)、その子が代襲相続することはありません。
肢3:適切。遺産に係る基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数で、4人なら5,400万円です。
肢4:適切。貸付事業用宅地等は、200㎡までの部分について評価額を50%減額できます。
令和8年度試験での注意 2024年1月1日以後の贈与から、相続時精算課税に年110万円の基礎控除が設けられ、その部分は相続財産に加算されなくなりました。暦年課税の贈与を相続財産に加算する期間も、相続開始前3年から7年に段階的に延びています。加算額が贈与時の価額である点は変わりません。
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不動産の税金
問49 住宅の貸付けと消費税・所得税と住民税・住宅用地の特例・インボイスの2割特例
問49は、出題範囲を逸脱する選択肢が含まれていたとして、全ての解答が正解として扱われました。各肢の内容自体は、不動産の税金の基本として押さえておく価値があります。
公式:全ての解答を正解として扱う
公式上は選択肢1〜4のいずれを選んでも正解です。内容としては、肢2の所得税・住民税は必要経費にならない点が誤りです。
肢1:適切。事務所や店舗の賃料は消費税の課税売上ですが、住宅の貸付け(貸付期間が1か月未満のものを除く)は非課税です。
肢2:不適切。所得税や住民税は、不動産所得の計算上、必要経費に含めることができません。固定資産税などとは扱いが異なります。
肢3:適切。住宅(賃貸用を含む)の敷地は住宅用地として、固定資産税の課税標準が軽減されます。
肢4:適切。免税事業者がインボイス制度を機に適格請求書発行事業者になった場合、2023年10月1日から2026年9月30日までの日の属する課税期間は、納付税額を売上税額の2割とすることができます(2割特例)。
令和8年度試験での注意 2割特例は2026年9月30日の属する課税期間までの経過措置です。所得税・住民税を必要経費にできない点など、各肢の内容は令和8年度試験でもそのまま使えます。
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不動産証券化
問50 ビークル・流動化型とファンド型・デットとエクイティ・ノンリコースローン
資産流動化型の証券化は、はじめに不動産などの資産があり、それを証券化して資金を調達する仕組みです。先に資金を集めてから投資対象を決めるのはファンド型です。
正解 2
肢1:正しい。証券化では、活動の実態を持たないペーパーカンパニーが器(ビークル)として使われ、資産を倒産隔離します。
肢2:誤り。お金を集めてから投資対象を決めるのはファンド型(資金運用型)です。流動化型は、はじめに対象となる資産があり、それを流動化する仕組みです。
肢3:正しい。デットは利息の支払や元本の償還でエクイティに優先するので安全性が高い一方、リターンは低くなります。
肢4:正しい。ノンリコースローンでは、特定の事業や資産だけが返済の引当て(責任財産)となり、それ以外の財産には及びません。
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募集・媒介の解答・解説(3問)
人の死の告知に関するガイドライン、障害者への対応、募集広告の表示を扱います。
人の死の告知に関するガイドライン
問40 入居者の入れ替わり・共用部分・隣の部屋・社会的影響の大きい事件
賃貸借の媒介では、居室や日常生活で使う共用部分で自然死等以外の死があった場合、発生からおおむね3年間は告知します。社会的影響の大きい事案は3年を過ぎても告知が必要な場合があります。
正解 2
肢1:不適切。発生からおおむね3年以内であれば、その後に別の入居者が入居・退去していても告知が必要です。
肢2:適切。日常生活で通常使用する共用部分で自然死等以外の死があった場合も、発生からおおむね3年以内は告知します。
肢3:不適切。隣接する住戸や日常生活で使わない共用部分で起きた死は、原則として告知の対象外です。
肢4:不適切。事件性、周知性、社会に与えた影響などが特に高い事案は、3年を経過していても告知が必要になる場合があります。
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障害者への対応
問41 懸念を理由とする仲介の拒否・障害者お断りの広告・障害の状況の確認・誓約書
国土交通省の対応指針は、障害を理由に仲介を断ることや、障害者に限って誓約書を求めることを不当な差別的取扱いの例として挙げています。
正解 1
肢1:誤り。「火災を起こす恐れがある」などの懸念を理由に仲介を断ることは、不当な差別的取扱いに当たります。
肢2:正しい。物件広告に「障害者不可」などと記載して入居者を募集することは、不当な差別的取扱いに当たります。
肢3:正しい。合理的配慮を提供するために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ障害の状況を確認することは、不当な差別的取扱いに当たりません。
肢4:正しい。障害を理由に誓約書の提出を求めることは、不当な差別的取扱いに当たります。
令和8年度試験での注意 2024年4月1日に改正障害者差別解消法が施行され、事業者による合理的配慮の提供が法的義務になりました。国土交通省の対応指針も改定されていますが、この問の正誤は変わりません。
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入居者の募集広告
問44 間取り図の確認・新築の表示・所要時間の起点・おとり広告
マンションやアパートの最寄駅までの所要時間は、建物の出入口を起点に算出します(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則)。貸室の玄関ではありません。
正解 3
肢1:適切。募集広告のために作成した間取り図は、事実と相違がないよう賃貸人にも確認してもらう必要があります。
肢2:適切。新築と表示できるのは、建築後1年未満で居住の用に供されたことがないものです。
肢3:不適切。集合住宅の所要時間は、貸室の玄関ではなく建物の出入口を起点として算出します。
肢4:適切。成約済みの物件を削除せずに広告し続けると、宅地建物取引業法が禁じるおとり広告に当たる場合があります。
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