全30問・公式正答照合
令和8年10月公表 第二種衛生管理者 解答・解説
安全衛生技術試験協会が令和8年10月に公表した第二種衛生管理者試験(令和8年1〜6月実施)の全30問について、正答と150肢すべての判断根拠をこのページに載せています。必要換気量の式、WBGT、喫煙専用室の要件など、数値と計算の根拠も示しています。
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関係法令の解答・解説(10問)
衛生管理体制、産業医、健康診断、労働時間、事務所衛生基準を扱います。選任人数、実施周期、記録保存期間を対象制度と組にして判断します。
衛生管理体制
問1 深夜業は専任要件の有害業務に含まれない
専任の衛生管理者が必要なのは、常時1,000人を超える事業場と、常時500人を超え、かつ坑内労働や一定の有害業務に常時30人以上を従事させる事業場です。深夜業はこの有害業務に入っていません。
正答 1
正答は1です。常時900人で、深夜業を含む業務に100人が従事していても、専任の衛生管理者を置く義務は生じません。
肢1が誤りです。深夜業は、専任要件の判断に使う坑内労働や労働基準法施行規則18条の有害業務に含まれません。900人規模で1,000人を超えていないため、専任は不要です。
肢2は正しいです。常時1,000人を超え2,000人以下の事業場では、4人以上の衛生管理者を選任します(安衛則7条)。
肢3は正しいです。燃料小売業は、第一種衛生管理者免許等が必要な業種(製造業、建設業、運送業、医療業など)に含まれないため、第二種免許者から選任できます。
肢4は正しいです。通信業も第二種衛生管理者免許者から選任できる業種です。
肢5は正しいです。2人以上を選任する場合、そのうち1人は事業場に専属でない労働衛生コンサルタントから選任できます。
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衛生委員会
問2 議長になるのは総括安全衛生管理者等
衛生委員会の議長は、総括安全衛生管理者又は事業の実施を統括管理する者等から事業者が指名した委員です(安衛法18条)。
正答 1
正答は1です。総括安全衛生管理者である委員は、衛生委員会の議長になることができます。
肢1が誤りです。議長には総括安全衛生管理者又はこれに準ずる者が就きます。総括安全衛生管理者である委員が議長になれないという制限はありません。
肢2は正しいです。議長を除く委員の半数は、過半数労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名します。
肢3は正しいです。事業場に専属でない産業医でも、選任している産業医であれば衛生委員会の委員に指名できます。
肢4は正しいです。衛生委員会は毎月1回以上開催し、議事で重要なもの等の記録を作成して3年間保存します(安衛則23条)。
肢5は正しいです。労働基準監督署長等から文書で命令、指示、勧告又は指導を受けた事項のうち、健康障害の防止に関するものは付議事項に含まれます(安衛則22条)。
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衛生管理者の職務
問3 衛生管理者の巡視は毎週1回
巡視の頻度は、衛生管理者が少なくとも毎週1回、産業医が少なくとも毎月1回(条件を満たせば2か月に1回)です。頻度の入れ替えを見抜く問題です。
正答 5
正答は5です。衛生管理者の巡視は少なくとも毎週1回です。毎月1回とする記述は、衛生管理者の業務として定められていません。
肢1は定められています。総括安全衛生管理者が統括管理する業務のうち衛生に係る技術的事項として、安全衛生に関する方針の表明があります(安衛則3条の2)。
肢2は定められています。安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善も、衛生管理者が技術的事項を管理する業務です。
肢3は定められています。健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置は、安衛法10条に列挙された業務です。
肢4は定められています。労働災害の原因の調査及び再発防止対策も、安衛法10条に列挙されています。
肢5が定められていません。衛生管理者は少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、有害のおそれがあれば直ちに必要な措置を講じます(安衛則11条)。毎月1回は産業医の巡視頻度です。
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定期健康診断
問4 既往歴・業務歴の調査は省略できない
定期健康診断で医師の判断により省略できるのは、身長、腹囲、胸部エックス線検査、喀痰検査、貧血・肝機能・血中脂質・血糖検査、心電図検査などの一部です。問診にあたる項目は省略できません。
正答 4
正答は4です。既往歴及び業務歴の調査は、医師が必要でないと認めても省略できない項目です。
肢1は正しいです。常時50人以上の労働者を使用する事業場では、定期健康診断を行ったとき、遅滞なく定期健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出します(安衛則52条)。
肢2は正しいです。健康診断の結果は、異常の所見の有無にかかわらず、受診した労働者に遅滞なく通知します(安衛則51条の4)。
肢3は正しいです。異常の所見があると診断された労働者については、健康診断が行われた日から3か月以内に、必要な措置について医師の意見を聴きます(安衛則51条の2)。
肢4が誤りです。既往歴及び業務歴の調査、自覚症状・他覚症状の有無の検査、血圧、尿検査などは省略できません。
肢5は正しいです。45歳以上の労働者の聴力検査は、1,000Hzと4,000Hzの音について行います。45歳未満(35歳と40歳を除く)は、医師が適当と認める方法で代えることができます。
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長時間労働の面接指導
問5 記録すべき事項は面接の内容と意見
面接指導の記録は5年間保存します。記録する事項は、実施年月日、労働者の氏名、医師の氏名、疲労の蓄積の状況、その他の心身の状況、医師の意見です(安衛則52条の6)。
正答 3
正答は3です。80時間を超えた時間外労働時間そのものは、面接指導の結果の記録事項として定められていません。
肢1は記録事項です。面接指導を受けた労働者の氏名を記載します。
肢2は記録事項です。面接指導を行った医師の氏名を記載します。
肢3が記録事項ではありません。時間外・休日労働時間は、面接指導の対象者を判断するために把握する情報で、面接指導の結果の記録事項には含まれていません。
肢4は記録事項です。労働者の疲労の蓄積の状況を記載します。
肢5は記録事項です。労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師から聴取した意見を記載します。
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産業医
問6 産業医に代理者の規定はない
代理者を選任する規定があるのは、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者です。産業医にはこの規定がありません。
正答 4
正答は4です。専属の産業医が職務を行えないときに代理者を選任する義務は、法令上定められていません。
肢1は正しいです。産業医は、厚生労働大臣が定める研修の修了者や、保健衛生区分の労働衛生コンサルタント試験の合格者など、一定の要件を備えた医師から選任します。
肢2は正しいです。常時50人以上の労働者を使用する事業場では、産業医を選任しなければなりません。
肢3は正しいです。重量物の取扱い等重激な業務など一定の有害業務に常時500人以上を従事させる事業場では、専属の産業医を選任します。常時1,000人以上の事業場も同じです。
肢4が誤りです。旅行や疾病で職務を行えないときの代理者の選任は、衛生管理者等に定められた規定で、産業医には適用されません。
肢5は正しいです。産業医は、衛生委員会に対して労働者の健康を確保する観点から必要な調査審議を求めることができます(安衛則23条5項)。
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事業場の衛生基準
問7 照度・気積・食堂の数値基準
衛生基準の数値は、気積が1人10㎥以上、照度が精密300・普通150・粗70ルクス以上、食堂の床面積が1人1㎡以上、大掃除が6か月以内ごとに1回です。この表と1つずつ照合します。
正答 2
正答は2です。精密な作業を行う作業面の照度は300ルクス以上と定められているため、300ルクスは基準を満たしています。
肢1は違反です。気積は、設備の占める容積と床面から4mを超える空間を除いて、労働者1人当たり10㎥以上必要です。60人なら600㎥以上で、500㎥では足りません。
肢2が違反していません。精密な作業は300ルクス以上、普通の作業は150ルクス以上、粗な作業は70ルクス以上です(安衛則604条)。
肢3は違反です。事業場に附属する食堂の床面積は、食事の際の1人について1㎡以上とします。
肢4は違反です。炊事場には、炊事従業員専用の履物を備え、土足のまま立ち入らせてはなりません。
肢5は違反です。大掃除は、日常の清掃のほか、6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に行います。
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労働衛生コンサルタント
問8 ストレスチェックの実施者になれる職種
ストレスチェックの実施者は、医師、保健師と、所定の研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師です。労働衛生コンサルタントという資格はこの中にありません。
正答 4
正答は4です。労働衛生コンサルタントが研修を修了しても、そのことでストレスチェックの実施者にはなれません。
肢1は正しいです。労働衛生コンサルタント試験の区分は、保健衛生と労働衛生工学の2つです。
肢2は正しいです。試験に合格した者は、指定登録機関が備える労働衛生コンサルタント名簿に登録を受けることで、労働衛生コンサルタントになれます。
肢3は正しいです。労働衛生コンサルタントは、他人の求めに応じ報酬を得て、事業場の衛生についての診断とこれに基づく指導を行うことを業とします(安衛法81条)。
肢4が誤りです。研修を修了して実施者になれるのは歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師で、労働衛生コンサルタントは含まれません。
肢5は正しいです。医師で、保健衛生区分の労働衛生コンサルタント試験に合格した者は、産業医の要件を満たします。
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妊産婦の保護
問9 妊産婦は産後1年まで
妊産婦の定義、時間外・休日労働の制限、変形労働時間制とフレックスタイム制の扱い、生理休暇を、労働基準法の条文どおりに照合します。
正答 1
正答は1です。妊産婦とは、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性をいいます。産後8週間は産後休業の期間です。
肢1が誤りです。妊産婦は産後1年を経過しない女性までを含みます(労基法64条の3)。8週間という数字は、産後休業(労基法65条)の期間です。
肢2は正しいです。36協定を届け出ていても、妊産婦が請求した場合は時間外・休日労働をさせられません。管理監督者等は労働時間・休日の規定の適用除外のため、この制限の対象外です。
肢3は正しいです。妊産婦の請求による法定労働時間の制限(労基法66条1項)は変形労働時間制を対象としており、フレックスタイム制は含まれません。
肢4は正しいです。1か月単位の変形労働時間制でも、妊産婦が請求すれば1週40時間、1日8時間を超えて労働させられません(管理監督者等を除く)。
肢5は正しいです。生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、生理日に就業させてはなりません(労基法68条)。
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年次有給休暇
問10 週4日勤務の比例付与を表で読む
週所定労働時間が30時間未満で週所定労働日数が4日以下なら、比例付与の表を使います。週25時間・週4日はこの条件に当たります。
正答 2
正答は2です。週所定労働日数4日の労働者が5年6か月継続勤務した場合の付与日数は13日です。
肢1は誤りです。12日は、週4日の労働者が4年6か月継続勤務した場合の付与日数です。
肢2が正しいです。週4日の比例付与は、6か月で7日、1年6か月で8日、2年6か月で9日、3年6か月で10日、4年6か月で12日、5年6か月で13日、6年6か月以上で15日です。
肢3は誤りです。週4日の比例付与の表に14日の段階はありません。
肢4は誤りです。15日は、週4日の労働者が6年6か月以上継続勤務した場合の付与日数です。
肢5は誤りです。16日は、週5日以上又は週30時間以上の労働者が4年6か月継続勤務した場合の付与日数です。
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労働衛生の解答・解説(10問)
検査指標、食中毒、救命処置、温熱、健康保持、腰痛予防、換気と照明を扱います。計算は分母と単位を固定し、対策は対象と正しい順序を確認します。
換気量計算
問11 ppmを体積比に直す100万倍
必要換気量は、在室者が1時間に出す二酸化炭素の量を、許容できる濃度の上昇分(基準濃度と外気濃度の差)で割って求めます。濃度をppmで表すので100万を掛けます。
正答 4
正答は4です。Q={D/(A-C)}×1,000,000です。Aは室内二酸化炭素基準濃度、Cは外気の二酸化炭素濃度で、測定値Bは使いません。
肢1は誤りです。分母のA-Cは正しいものの、ppmは100万分の1の単位なので、100ではなく1,000,000を掛けます。100を掛けるのは濃度を%で表す場合です。
肢2は誤りです。分母に測定値Bを使っています。必要換気量は、基準濃度Aと外気濃度Cの差から求めます。
肢3は誤りです。分母のB-Cは測定値と外気の差で、基準濃度を保つための換気量にはなりません。係数も100では単位が合いません。
肢4が正しいです。D÷(A-C)で必要な外気の量を求め、ppmの単位に合わせて1,000,000を掛けます。
肢5は誤りです。係数は正しいものの、分母がB-Aで、基準濃度と外気濃度の差になっていません。
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温熱条件
問12 日射がないWBGTは自然湿球温度と黒球温度
WBGT値は、日射がない場合は自然湿球温度と黒球温度、日射がある場合はこれに気温(乾球温度)を加えて算出します。
正答 2
正答は2です。日射がない場合のWBGT値は、0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度で求めます。気温(乾球温度)は使いません。
肢1は正しいです。WBGT基準値は作業強度などに応じて定められ、WBGT値が基準値を超えると熱中症のリスクが高まっていると判断します。
肢2が誤りです。日射がない場合は自然湿球温度と黒球温度から算出します。気温(乾球温度)を使うのは日射がある場合です。
肢3は正しいです。日射がある場合は、0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×気温(乾球温度)で算出します。
肢4は正しいです。身体に対する負荷が大きい作業ほど、WBGT基準値は小さく(厳しく)なります。
肢5は正しいです。暑熱順化者に用いる基準値は、暑熱非順化者に用いる値より大きくなります。
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受動喫煙防止
問13 喫煙専用室の要件と標識
喫煙専用室の技術的基準は、出入口で室外から室内への気流が0.2m/s以上、壁や天井等による区画、煙の屋外排気の3つです。加えて、標識の掲示と20歳未満の立入禁止が求められます。
正答 2
正答は2です。喫煙専用室には、20歳未満の者を立ち入らせてはなりません。
肢1は誤りです。出入口で室外から室内に流入する空気の気流は0.2m/s以上必要です。0.02m/s以下では煙が漏れ出します。
肢2が正しいです。喫煙専用室には、従業員を含め20歳未満の者を立ち入らせてはならず、その旨を標識で掲示します。
肢3は誤りです。出入口に掲示するのは、喫煙専用室であることと20歳未満の立入禁止を示す標識です。管理する者の氏名の掲示は求められていません。
肢4は誤りです。利用者に入室・退室の時刻を記録させる定めはありません。
肢5は誤りです。喫煙専用室を設置しても、所轄労働基準監督署長への届出は不要です。
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採光・照明
問14 全般照明は局部照明の10分の1以上
全般照明と局部照明を併用すると、明るさの差が大きいほど目が疲れます。そのため全般照明を一定以上の明るさに保ちます。
正答 3
正答は3です。全般照明による照度は、局部照明による照度の約10分の1以上とします。15分の1以下にするのは逆です。
肢1は正しいです。照明設備は6か月以内ごとに1回、定期に点検し、汚れなどがあれば清掃や交換をします(安衛則605条)。
肢2は正しいです。目の高さより下の壁や床は、まぶしさを防ぎ安定感を出すため濁色とし、目より上は明るい色にします。
肢3が誤りです。全般照明の照度は局部照明の照度の約10分の1以上にし、照度差を小さくします。
肢4は正しいです。1ルクスは、光度1カンデラの光源から1m離れた所で、その光に直角な面が受ける明るさに相当します。
肢5は正しいです。高齢者は一般に高い照度を必要としますが、水晶体の混濁でまぶしさを感じやすくなるため、照明の配置に配慮します。
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労働衛生統計
問15 有所見率と発生率の時点と期間
ある時点の割合か、一定期間に生じた割合かで、有所見率と発生率を見分けます。静態データと動態データの区別も同じ考え方です。
正答 4
正答は4です。ある時点の検査で有所見者の割合を示すのが有所見率、一定期間に有所見が発生した者の割合を示すのが発生率です。記述は2つの定義が逆です。
肢1は正しいです。平均値が同じでも分散が違えば、ばらつきの大きさが違う集団であり、異なる特徴をもつと評価されます。
肢2は正しいです。相関関係が認められても、それだけで因果関係があるとはいえません。交絡因子などを検討する必要があります。
肢3は正しいです。ある時点の集団に関するデータを静態データ、ある期間の集団に関するデータを動態データといいます。
肢4が誤りです。ある時点の有所見者の出現割合は有所見率、一定期間に有所見とされた者の割合は発生率です。
肢5は正しいです。病休度数率は、疾病休業件数を在籍労働者の延べ実労働時間数で割り、1,000,000を掛けて求めます。
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脳・心血管疾患
問16 心筋梗塞の痛みは長く続く
狭心症と心筋梗塞は、痛む場所がほぼ同じでも、発作の続く時間と心筋の壊死の有無が違います。
正答 4
正答は4です。数分から長くても15分以内でおさまるのは狭心症の発作です。心筋梗塞では、強い痛みが通常30分以上続きます。
肢1は正しいです。脳梗塞は、脳血管の動脈硬化による脳血栓症と、心臓などでできた血栓が流れて詰まる脳塞栓症に分けられます。
肢2は正しいです。出血性の脳血管疾患には、くも膜下腔に出血するくも膜下出血と、脳実質内に出血する脳出血があります。
肢3は正しいです。虚血性心疾患は、冠動脈からの血液の供給が不足したり途絶えたりして起こる心筋障害です。
肢4が誤りです。発作が数分程度で15分以内におさまるのは狭心症です。心筋梗塞では心筋が壊死し、痛みは長く続きます。
肢5は正しいです。運動負荷心電図検査は、安静時には現れない心筋の虚血を見つけるのに有用です。
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腰痛予防
問17 腰痛健康診断は配置時と6か月以内ごと
腰痛予防対策指針の重量物取扱い作業の数値(男性は体重のおおむね40%以下)と、健康診断の周期、作業姿勢の原則を照合します。
正答 5
正答は5です。重量物取扱い作業に常時従事する労働者には、配置する際とその後6か月以内ごとに1回、医師による腰痛の健康診断を行います。
肢1は誤りです。満18歳以上の男性が人力のみで取り扱う重量は、体重のおおむね40%以下とします。女性はさらに男性の60%程度までとします。
肢2は誤りです。腰部保護ベルトは全員に一律に使用させるのではなく、労働者ごとに効果を確認してから使用の適否を判断します。
肢3は誤りです。作業動作や作業姿勢についての作業標準は、腰痛予防に有効です。個々の労働者の特性や技能レベルを考慮して策定します。
肢4は誤りです。重量物は身体を対象物に近づけ、膝を曲げて腰を落とし、腰を伸ばしたまま持ち上げます。膝を伸ばした前屈姿勢は腰への負担を大きくします。
肢5が正しいです。配置前と、その後6か月以内ごとに1回、腰痛の健康診断を行います。
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一次救命処置
問18 胸骨圧迫の位置は胸骨の下半分
安全確認、反応の確認、気道確保、呼吸の確認、胸骨圧迫の順に、各段階の手順と数値を確かめます。
正答 5
正答は5です。胸骨圧迫は、胸骨の下半分を、胸が約5cm沈む強さで、1分間に100〜120回のテンポで行います。上半分ではありません。
肢1は正しいです。救助者自身の安全を確保するため、まず周囲の状況が安全かを確認します。
肢2は正しいです。反応がある場合は心肺蘇生を行わず、楽な姿勢や回復体位で安静にさせて経過を観察し、必要に応じて救急要請します。
肢3は正しいです。頭部後屈あご先挙上法では、額を押さえながら、もう一方の手の指先をあご先に当てて持ち上げます。
肢4は正しいです。普段どおりの呼吸がない場合や、約10秒観察しても判断できない場合は心停止とみなし、胸骨圧迫から心肺蘇生を始めます。
肢5が誤りです。圧迫の深さ(約5cm)とテンポ(100〜120回/分)は正しいものの、圧迫する位置は胸骨の下半分です。
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食中毒
問19 カンピロバクターは感染型
細菌性食中毒は、菌が体内で増えて起こる感染型と、食品中で作られた毒素で起こる毒素型に分かれます。代表菌をどちらに入れるかを確認します。
正答 1
正答は1です。カンピロバクターは感染型食中毒の原因菌です。毒素型の代表は黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌です。
肢1が誤りです。毒素型食中毒の定義は正しいものの、カンピロバクターは腸管内で増殖して発症する感染型です。
肢2は正しいです。サルモネラ菌による食中毒は、菌が腸管内で増殖して起こる感染型です。
肢3は正しいです。黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンは熱に強く、加熱しても分解されにくい性質があります。
肢4は正しいです。腸炎ビブリオ菌は塩分を好むため、病原性好塩菌とも呼ばれ、魚介類が主な原因食品です。
肢5は正しいです。ノロウイルスによる食中毒は冬季に集団発生しやすく、潜伏期間は1〜2日です。
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健康診断の検査項目
問20 HDLコレステロールは低値が危険因子
健康診断の検査値は、高値が問題になる項目と低値が問題になる項目があります。HDLコレステロールは後者です。
正答 5
正答は5です。HDLコレステロールは善玉コレステロールとも呼ばれ、低値であることが動脈硬化の危険因子になります。
肢1は正しいです。γ-GTPは肝細胞に含まれる酵素で、肝細胞が障害されると血液中に出てきます。特にアルコールの摂取で高値になります。
肢2は正しいです。尿酸はプリン体の代謝物で、高尿酸血症は痛風発作などの原因になります。
肢3は正しいです。中性脂肪は食後に上昇し、空腹時にも高値が続くことは動脈硬化の危険因子になります。
肢4は正しいです。ヘモグロビンA1cは過去2〜3か月の平均的な血糖値を反映し、直前の食事に左右されません。
肢5が誤りです。悪玉コレステロールと呼ばれ高値が危険因子となるのはLDLコレステロールです。HDLコレステロールは低値が問題になります。
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労働生理の解答・解説(10問)
感覚、消化、神経、肝腎機能、血液、視覚、体温、免疫、加齢変化を扱います。似た名称の器官と生理作用を正しい組合せへ戻します。
消化器系
問21 胆汁に消化酵素は含まれない
消化液ごとに含まれる酵素を整理します。胃液はペプシン、膵液はトリプシンやアミラーゼ、リパーゼを含み、胆汁は酵素を含まずに脂肪を乳化します。
正答 3
正答は3です。胆汁はアルカリ性ですが、消化酵素は含みません。トリプシンは膵液に含まれる蛋白質分解酵素です。
肢1は正しいです。ブドウ糖とアミノ酸は小腸の絨毛の毛細血管から吸収され、門脈を通って肝臓に運ばれます。
肢2は正しいです。無機塩とビタミン類は、酵素による分解を受けずにそのまま吸収されます。
肢3が誤りです。胆汁は肝臓で作られるアルカリ性の液で、消化酵素を含まず、脂肪を乳化して消化を助けます。トリプシンは膵液の酵素です。
肢4は正しいです。胃液中のペプシノーゲンは胃酸によってペプシンになり、蛋白質を分解します。
肢5は正しいです。酸性の消化物が十二指腸に入ると、アルカリ性の膵液が分泌されて酸を中和します。
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血液
問22 リンパ球は白血球の一種
血液の有形成分は赤血球、白血球、血小板の3つです。白血球の中に好中球やリンパ球があり、血小板は止血に関わります。
正答 4
正答は4です。Bリンパ球やTリンパ球は白血球の一種で、免疫反応に関与します。血小板の一種ではありません。
肢1は正しいです。血液は血漿成分と有形成分から成り、血漿成分は血液容積の約55%を占めます。
肢2は正しいです。ABO式血液型は赤血球の分類で、A型の血清は抗B抗体をもちます。
肢3は正しいです。好中球は白血球の一種で、侵入した細菌や異物を貪食します。
肢4が誤りです。リンパ球は白血球の一種です。Bリンパ球は抗体を作り、Tリンパ球は細胞性免疫を担います。
肢5は正しいです。血液の凝固は、血漿中のフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球などが絡みついて固まる現象です。
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肝機能
問23 ビリルビンは分解でなく抱合して排出
肝臓の働きは、解毒、グリコーゲンの貯蔵、尿素の合成、胆汁の生成、コレステロールなどの合成です。ビリルビンの扱いは、作るか、分解するか、排出するかの言い回しに注意します。
正答 3
正答は3です。ビリルビンは、古くなった赤血球のヘモグロビンが分解されてできる色素です。肝臓はこれを分解するのではなく、抱合して胆汁中に排出します。
肢1は正しいです。肝臓は、血液中の有害な物質を分解したり無害化したりする解毒作用をもちます。
肢2は正しいです。肝臓はブドウ糖をグリコーゲンに変えて蓄え、必要に応じてブドウ糖に戻します。
肢3が誤りです。ビリルビンはヘモグロビンの分解で生じる色素で、肝臓は抱合して胆汁中に排出します。肝臓の機能として分解を挙げるのは誤りです。
肢4は正しいです。アミノ酸の分解で生じた有害なアンモニアから、肝臓で尿素が合成されます。
肢5は正しいです。肝臓はコレステロールやリン脂質を合成します。
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呼吸
問24 呼吸中枢は延髄にある
体温調節中枢と呼吸中枢の場所を入れ替えた記述が誤りです。視床下部は体温調節、延髄は呼吸と循環を担います。
正答 1
正答は1です。身体活動で血液中の二酸化炭素分圧が上がると、延髄にある呼吸中枢が刺激され、1回換気量と呼吸数が増えます。間脳の視床下部ではありません。
肢1が誤りです。呼吸中枢は延髄にあります。間脳の視床下部にあるのは体温調節中枢などです。
肢2は正しいです。チェーンストークス呼吸は、無呼吸から次第に呼吸が深くなり、再び浅くなって止まる周期を繰り返す呼吸です。
肢3は正しいです。肺胞内の空気と毛細血管中の血液との間で行われるガス交換を外呼吸(肺呼吸)といいます。
肢4は正しいです。通常の呼気には、酸素が約16%、二酸化炭素が約4%含まれます。
肢5は正しいです。呼吸運動は、横隔膜や肋間筋などの呼吸筋の収縮と弛緩により胸郭内の容積が増減し、それに伴って肺が伸縮することで行われます。
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体温調節
問25 不感蒸泄は皮膚と呼気の両方から
汗腺から汗を出す発汗と、発汗以外で皮膚や呼気から水分が失われる不感蒸泄を区別します。
正答 2
正答は2です。不感蒸泄は、発汗とは別に、皮膚及び呼気から水分が蒸発して失われる現象です。発汗は汗腺から汗が分泌されることです。
肢1は正しいです。暑熱な環境では汗腺の働きが活発になり、汗の蒸発に伴う熱の放散が増えます。
肢2が誤りです。不感蒸泄は皮膚と呼気の両方から水分が失われる現象で、呼気だけではありません。また発汗は、汗腺からの汗の分泌を指します。
肢3は正しいです。外部環境が変わっても身体内部の状態を一定に保とうとする性質を恒常性(ホメオスタシス)といいます。
肢4は正しいです。体温調節中枢は間脳の視床下部にあります。
肢5は正しいです。水100gの気化熱は約58kcalで、体重70kgの人の体温を計算上約1℃下げる量に当たります。
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感覚器
問26 音は蝸牛の有毛細胞で神経信号になる
感覚の強さと刺激量の関係、感覚点の密度、内臓感覚の性質、平衡感覚器の位置を順に確認します。
正答 4
正答は4です。音の振動は蝸牛の中のリンパ液を介して有毛細胞に伝わり、蝸牛神経を刺激して音として伝えられます。
肢1は誤りです。刺激の量と感じる強さは直線的な比例関係ではなく、刺激の対数におおむね比例します(ウェーバー・フェヒナーの法則)。
肢2は誤りです。皮膚の感覚点の中で密度が最も高いのは痛覚点です。冷覚点の密度は痛覚点などより低くなっています。
肢3は誤りです。内臓感覚は、痛みなどの部位の特定がしにくい鈍い感覚です。
肢4が正しいです。蝸牛のリンパ液の振動が有毛細胞を刺激し、蝸牛神経を通じて音として伝わります。
肢5は誤りです。前庭と半規管は中耳ではなく内耳にあり、体の傾き(前庭)や回転(半規管)を感じます。
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代謝
問27 メッツは安静時の何倍かを表す
同化と異化、メッツ、エネルギー代謝率、呼吸商という5つの用語の定義を確かめます。分解と合成の向きを逆にした選択肢がよく出ます。
正答 3
正答は3です。メッツは身体活動の強度を示す指標で、座位安静時の酸素消費量に対する身体活動時の酸素消費量の比で表します。
肢1は誤りです。体脂肪やグリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが合成されることは異化です。
肢2は誤りです。摂取した栄養素から蛋白質など生体に必要な物質が合成されることは同化です。
肢3が正しいです。メッツは、身体活動時の酸素消費量が座位安静時の何倍かで強度を示します。
肢4は誤りです。体内で消費された酸素と排出された二酸化炭素の容積比は呼吸商です。エネルギー代謝率は、作業に要したエネルギーが基礎代謝量の何倍かで表します。
肢5は誤りです。エネルギー代謝率は動的な筋作業の強度を表す指標で、精神的・感覚的な負担の評価には適しません。
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免疫
問28 抗体は体液性免疫の免疫グロブリン
抗原を受け止める免疫の仕組みを、抗体を作る体液性免疫と、リンパ球が直接攻撃する細胞性免疫に分けて考えます。
正答 5
正答は5です。抗体は、体内に入った抗原に対して体液性免疫で作られる免疫グロブリンという蛋白質で、抗原に特異的に結合してその働きを抑えます。
肢1は誤りです。抗体が結合する相手は抗原で、化学物質一般ではありません。また抗体はアルブミンではなく免疫グロブリンです。
肢2は誤りです。Aが化学物質である点と、Bが細胞性免疫である点が誤りです。抗体はBリンパ球が作り、体液性免疫で働きます。
肢3は誤りです。AとBは正しいものの、抗体の蛋白質はアルブミンではなく免疫グロブリンです。
肢4は誤りです。Bの細胞性免疫と、Cのアルブミンが誤りです。
肢5が正しいです。抗原、体液性、免疫グロブリンの組合せです。
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血糖の調節
問29 血糖を下げるのはインスリンだけ
血糖を下げるホルモンはインスリンだけで、グルカゴン、アドレナリン、コルチゾールはいずれも血糖を上げます。あとは分泌部位を当てはめます。
正答 5
正答は5です。グルカゴンは血糖量を増加させ、インスリンは減少させます。副腎髄質から分泌されるアドレナリンと、副腎皮質から分泌されるコルチゾールは、ともに血糖量を増加させます。
肢1は誤りです。グルカゴンとインスリンの作用が逆で、アドレナリンとコルチゾールの分泌部位も逆、さらにEも減少ではなく増加です。
肢2は誤りです。CとDの分泌部位は正しいものの、グルカゴンは血糖を増加させ、インスリンは減少させます。AとBが逆です。
肢3は誤りです。AとB、Eは正しいものの、アドレナリンは副腎髄質、コルチゾールは副腎皮質から分泌されます。CとDが逆です。
肢4は誤りです。CとDの分泌部位が逆で、Eも減少ではなく増加です。
肢5が正しいです。増加、減少、副腎髄質、副腎皮質、増加の組合せです。
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疲労
問30 日周性疲労と慢性疲労を分ける
疲労の分類は、急性疲労、慢性疲労、日周性疲労です。1労働日から翌日にかけての生活リズムの乱れで生じるものがどれに当たるかを確認します。
正答 2
正答は2です。1労働日から翌日にわたる生活サイクルの不調で現れるのは日周性疲労です。慢性疲労は、回復しきれない疲労が長期間蓄積したものです。
肢1は正しいです。産業疲労は、疲労徴候の現れ方により、急性疲労、慢性疲労、日周性疲労などに分類されます。
肢2が誤りです。記述の内容は日周性疲労の説明です。慢性疲労は、休養をとっても回復しない疲労が長い期間にわたって蓄積した状態です。
肢3は正しいです。情報機器作業などで体の一部の筋肉を使う局所疲労が、近年の職場で問題になっています。
肢4は正しいです。エネルギー代謝率(RMR)が7程度の作業は重い作業で、大きな疲労状態に陥ります。
肢5は正しいです。労働時間の短縮は仕事による負担を減らし、睡眠や休養を取りやすくするため、疲労の蓄積を予防する方法の一つです。
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