電気分野と共通の必須基礎区分です。問題1が省エネ法(50点)、問題2がエネルギー情勢・政策とエネルギー概論(50点)、問題3がエネルギー管理技術の基礎(100点)です。
省エネ法
問題1 非化石エネルギーとDR・管理統括者と企画推進者・報告徴収と立入検査・指定区分
令和6年4月1日時点の省エネ法から、定義(第2条)、エネルギー管理統括者と企画推進者(第8条・第9条)、報告徴収と立入検査(第166条)、エネルギーの範囲と換算、工場等の指定区分を条文で照らす12欄です。
標準解答 1カ・2ウ・3オ・4ウ・5イ・6エ・7キ・8ウ・9ア・10イ・11エ・12キ
加工工場2,300 kLは第二種エネルギー管理指定工場等でエネルギー管理員の選任が、鋳造工場12,000 kLはエネルギー管理者1名の選任が必要です。
空欄1 カ
第2条第4項の非化石エネルギーは、非化石燃料並びに非化石熱(化石燃料を熱源とする熱に代えて使う熱)及び非化石電気です。燃料だけでも、熱と電気だけでもなく、3つすべてが割合を向上させる対象です。
空欄2 ウ
第2条第6項の電気の需要の最適化は、需給状況の変動に応じて電気の需要量を「増加又は減少」させることです。需要創出の上げDRと需要抑制の下げDRのいずれも該当します。
空欄3 オ
②と④が適切です。①は誤りで、第8条第2項は、エネルギー管理統括者を事業の実施を統括管理する者(役員クラスなど)から充てるとしています。②施行規則は、選任すべき事由が生じた日以後遅滞なく選任するとしています。③は誤りで、統括者に資格要件はありません。④第8条第1項は、第15条の中長期的な計画の作成事務の統括管理を業務に含めています。
空欄4 ウ
①と④が適切です。①第9条第1項は、統括者の業務のうち非化石転換の中長期計画の作成事務を除いて補佐するとしています。②は誤りで、企画推進者は工場等ごとではなく特定事業者ごとに選任します。③は誤りで、選任の期限は事由が生じた日から6月以内です。④企画推進者の要件は講習修了者またはエネルギー管理士免状の交付を受けている者で、管理者・管理員の経験は求められていません。
空欄5 イ
②だけが正しい記述です。①は誤りで、第1項の対象は「工場等においてエネルギーを使用して事業を行う者」で、指定を受ける前の事業者も含みます。②第2項は、選任に関する規定の施行に必要な限度で、経済産業大臣が報告と立入検査をさせることができるとしています。③は誤りで、連鎖化事業の加盟者の工場等に立ち入る場合は、あらかじめ加盟者の承諾を得なければなりません。
空欄6 エ
①と②が対象です。第3項は第3章第1節(工場等に係る措置)の規定の施行に必要な限度での報告徴収と立入検査を定めており、第6条の指導及び助言と第16条の定期の報告はこの節にあります。第165条の一般消費者への情報の提供は別の章の規定です。
空欄7 キ
①〜③のすべてが法のエネルギーです。①バイオマスの燃焼による熱は熱、②太陽光発電による電気は電気に当たります。③太陽熱で加熱した温水の熱は、施行令第1条が除く「自然界に存する熱」のうち、給湯などの設備を介した「集約した地熱等」に当たるので、法のエネルギーに含まれます。
空欄8 ウ
他人から供給された熱は、施行規則別表第二の熱の種類ごとの換算係数(産業用蒸気1.17、産業用以外の蒸気・温水・冷水1.19)を熱量に掛け、その熱を作るのに使われた燃料の発熱量に換算してから原油に換算します。
空欄9 ア
①だけが正しい換算です。燃料を使わずに発電し、事業者自らが使うための電気(風力・太陽光など)は、1,000 kWh=3.60 GJで換算します。②の太陽光の自家使用も3.60 GJなので誤り、③の電気事業者からの買電は8.64 GJなので誤りです。
空欄10 イ
加工工場は2,300 kLで、1,500 kL以上3,000 kL未満なので第二種エネルギー管理指定工場等です。事業者全体は12,000+2,300+1,200=15,500 kLで特定事業者です。本社1,200 kLは1,500 kL未満で指定されません。
空欄11 エ
鋳造工場は12,000 kLで第一種エネルギー管理指定工場等です。製造業(コークス製造業などを除く)のエネルギー管理者は2万 kL未満で1人なので、1名です。
空欄12 キ
第二種エネルギー管理指定工場等では、エネルギー管理員を選任します(第14条)。エネルギー管理者の選任義務は第一種の工場等に限られます。
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エネルギー概論
問題2 SI組立単位・氷蓄熱と二次電池・位置エネルギー換算・パリ協定とIPCC
単位の組立と蓄熱・蓄電の基礎量、気候変動政策の固有名詞を組み合わせた10欄です。単位の欄は、定義の式(仕事=力×距離、電荷=電流×時間、電力=電圧×電流)に戻せば迷いません。
標準解答 1ケ・2オ・3ア・4エ・5ウ・6エ・A1.8×10⁴・7ウ・8キ・9エ
50 Wh/kgの電池1 kgのエネルギーは、約1.8×10⁴ mの高さの位置エネルギーに相当します。
空欄1 ケ
J=N·mで、N=kg·m/s²なので、J=kg·m²/s²です。kg·m/sは運動量、kg·m/s²は力の単位です。
空欄2 オ
エントロピーは熱量を絶対温度で割った量なので、単位はJ/Kです。J·Kや J·sではありません。
空欄3 ア
電流は単位時間当たりの電荷の移動量なので、電荷はC=A·sです。
空欄4 エ
1 Aで1 J/sを消費する2点間の電圧が1 Vなので、V=(J/s)/A=J/(A·s)=J/Cです。
空欄5 ウ
氷の融解潜熱は約334 kJ/kg、水の比熱は約4.19 kJ/(kg·K)なので、潜熱は温度変化1℃当たりの顕熱の約80倍です。氷蓄熱が水蓄熱より小さな槽で済むのはこのためです。
空欄6 エ
動作温度が約300℃の二次電池は、ナトリウム硫黄(NAS)電池です。電極の硫黄とナトリウムを溶融状態にして動かす電池で、大規模な電力貯蔵に実績があります。
空欄A 1.8×10⁴
50 Wh/kg×1 kg=50×3,600 J=1.8×10⁵ Jです。mgh=Eよりh=1.8×10⁵/(1×9.8)=1.84×10⁴ mで、1.8×10⁴です。
空欄7 ウ
パリ協定の長期目標は、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて抑えることです。
空欄8 キ
目標は、2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求することです。
空欄9 エ
IPCCはIntergovernmental Panel on Climate Changeの略で、気候変動に関する政府間パネルです。
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エネルギー管理技術の基礎
問題3 判断基準の共通事項・比熱比と粘性・燃焼と伝熱・蒸気・電気設備の計算
例年、判断基準の文言を問う欄と、1〜2行で終わる計算の欄が交互に並びます。令和6年度は計算欄が9欄あり、どれも単位をそろえれば解答群の数値が一つに決まります。
標準解答 1ウ・2イ・3ウ・4イ・5ア・6イ・7ウ・8イ・9エ・10ア・11ア・12ウ・13イ・14エ・15ウ・16ウ・17イ・18ア・19ア・20イ
計算欄は、熱伝導率0.2 W/(m·K)、熱損失3.0×10² W/m²、加熱量1.3×10⁵ kJ、発電端熱効率38.4%、コンデンサ容量24.9 kvar、所要入力83.7 kWなどです。
空欄1 ウ
令和4年の改正後、全ての事業者が工場全体を俯瞰して取り組む共通事項の2番目は、管理体制の整備です。管理標準の整備は設備ごとの取組で、共通事項の項目名ではありません。
空欄2 イ
5番目は、取組方針及び遵守状況の評価手法の定期的な精査・変更です。
空欄3 ウ
風車を通過する空気の運動エネルギーは、質量流量(風速に比例)×v²/2なので、発電電力は原理的に風速の3乗に比例します。
空欄4 イ
cp−cv=R>0なので、比熱比κ=cp/cvはすべての気体で1より大きくなります(空気で約1.4)。
空欄5 ア
気体の粘性は分子の運動量の受け渡しで生じるので、温度が上がると大きくなります。液体の水は分子間の引力が弱まって、温度が上がると粘性が小さくなります。
空欄6 イ
C₄H₁₀+13/2 O₂→4CO₂+5H₂Oなので、理論酸素量は6.5 molです。
空欄7 ウ
λ=qδ/ΔT=400×0.30/(660−60)=120/600=0.2 W/(m·K)です。
空欄8 イ
q=hΔT=5×(90−30)=300 W/m²=3.0×10² W/m²です。
空欄9 エ
30℃の水を120℃の飽和水にする顕熱は50×(503.8−125.8)=18,900 kJ、蒸発させる潜熱は50×2,202=110,100 kJです。合計129,000 kJ≒1.3×10⁵ kJです。
空欄10 ア
判断基準は、有効エネルギー(エクセルギー)の観点から熱利用の温度的な整合性改善も検討するよう求めています。高温の熱を低温の用途に使うと、エクセルギーを無駄にするからです。
空欄11 ア
事務所等の空調では、室内温度、換気回数、湿度、外気の有効利用等について管理標準を設定します。
空欄12 ウ
出力は240,000 kWh×3.6 MJ/kWh=864,000 MJ、入熱は50,000 m³N×45 MJ/m³N=2,250,000 MJなので、864,000/2,250,000=0.384で38.4%です。
空欄13 イ
星形結線の対称三相回路では、線間電圧は相電圧の√3倍で、位相は30°進みます。
空欄14 エ
皮相電力はS=√3VI=1.73×400×60=41.52 kVAで、力率0.8のときの無効電力はQ=S×0.6=24.9 kvarです。これをすべてコンデンサで打ち消すと力率は100%になります。
空欄15 ウ
判断基準は、受変電設備の配置の適正化、配電方式の変更による配電線路の短縮、配電電圧の適正化等について管理標準を設定し、配電損失を低減するよう求めています。
空欄16 ウ
30分の上限は4,000 kW×0.5 h=2,000 kWhです。前半15分に1,100 kWh使ったので残りは900 kWhで、900÷0.25 h=3,600 kWです。
空欄17 イ
ω=2π×720/60=2×3.14×12=75.36 rad/sで、出力はP=Tω=1 kN·m×75.36 rad/s=75.36 kWです。効率90%なので所要入力は75.36/0.9=83.7 kWです。
空欄18 ア
流体機械では、使用端圧力と吐出量を見直したうえで、負荷に応じた運転台数の選択、回転数の変更等の管理標準を設定します。
空欄19 ア
誘導加熱は、コイルの交番磁束で被加熱材に生じる渦電流が、材料の抵抗によって発生させるジュール熱を利用します。
空欄20 イ
JIS Z 9110(照明基準総則)の事務室の推奨照度は750 lxで、推奨照度範囲は500〜1,000 lxです。
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