電気分野と共通の必須基礎区分です。問題1が省エネ法(50点)、問題2がエネルギー情勢・政策とエネルギー概論(50点)、問題3がエネルギー管理技術の基礎(100点)です。
省エネ法
問題1 判断基準・定期報告・指示と勧告・エネルギー使用量の範囲・指定区分
令和7年4月1日時点の省エネ法から、判断基準(第5条)、指導・助言と定期報告(第6条・第16条)、合理化計画の指示と非化石転換の勧告(第17条・第18条)、エネルギー使用量の数え方と指定区分までを条文で照らす12欄です。
標準解答 1イ・2カ・3イ・4エ・5ウ・6ウ・7ア・8カ・9イ・10イ・11イ・12オ
化学工場22,000 kLはエネルギー管理者2名、本社1,600 kLは第二種エネルギー管理指定工場等です。
空欄1 イ
第5条第1項・第2項は、合理化と非化石転換のそれぞれについて、目標と「当該目標を達成するために計画的に取り組むべき措置」に関する判断基準を定めるとしています。強制的、自主的、定期的は条文の語句ではありません。1は2か所に入ります。
空欄2 カ
第5条第4項は、判断基準を「業種別のエネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換の状況」その他の事情を勘案して定めるとしています。ベンチマーク指標が業種ごとに置かれているのはこのためです。
空欄3 イ
第5条第3項の指針は、電気の需給状況に応じて経済産業大臣が指定する「電気需要最適化時間帯」における、電気と燃料・熱の使用の転換や機器の使用時間の変更を実施事項に掲げています。
空欄4 エ
第6条は、措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるとき、主務大臣が工場等でエネルギーを使用して事業を行う者などに「指導及び助言」をすることができるとしています。削減命令や課徴金の規定はありません。
空欄5 ウ
エネルギーの使用量や設備の設置・改廃の状況などを毎年度報告させるのは、第16条の定期の報告です。中長期的な計画の作成は第15条の別の義務です。
空欄6 ウ
第17条第1項は、合理化の状況が判断基準に照らして著しく不十分なとき、合理化計画を作成し提出すべき旨の「指示」をすることができるとしています。指示に従わなければ公表、正当な理由なく措置をとらなければ命令へ進みます。
空欄7 ア
第18条第1項は、非化石エネルギーへの転換の状況が著しく不十分なとき、必要な措置をとるべき旨の「勧告」をすることができるとしています。合理化(第17条)は指示、非化石転換(第18条)は勧告で、勧告に従わないときの措置は公表までです。
空欄8 カ
勧告の対象は、「他の者に供給された熱又は電気を発生させるために使用された燃料の使用量」を除いたエネルギー使用量が政令の数値以上の特定事業者です。他者へ供給する電気や熱のための燃料は、その事業者自身の非化石転換の評価から外します。
空欄9 イ
④と⑥が算入対象です。④工場内の太陽光発電の電気は燃料を熱源としないので、施行令第2条第2項の除外に当たらず使用量に入ります(自家消費分は1,000 kWh=3.60 GJで換算)。⑥ボイラ燃料の木質バイオマスは非化石燃料です。⑤コージェネレーションで自ら発生させた電気は、燃料②を数えているので除きます。⑦原料のアルコールは燃焼に使わないので燃料に当たりません。
空欄10 イ
購入した電気は、施行規則により1,000 kWh=8.64 GJで熱量に換算し、1 GJ=0.0258 kLで原油に換算します。60,000 MWh×8.64×0.0258=13,375 kLです。3.6は電気そのものの熱量(1 kWh=3.6 MJ)で、購入電気の換算には使いません。
空欄11 イ
本社は1,600 kLで、1,500 kL以上3,000 kL未満なので第二種エネルギー管理指定工場等です。指定は用途によらず使用量で決まり、第二種ではエネルギー管理員を選任します。
空欄12 オ
化学工場は22,000 kLで第一種エネルギー管理指定工場等です。コークス製造業などを除く製造業のエネルギー管理者は、2万 kL以上5万 kL未満で2人なので2名です。事業者全体は22,000+3,300+1,600=26,900 kLで特定事業者です。
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エネルギー概論
問題2 SI組立単位・熱力学の法則・電動車の省エネ要素・電源構成の推移
令和7年度の概論は、単位と熱力学の基本に、電動車の省エネ要素と、エネルギー白書の電源構成という時事的な数値を組み合わせています。統計の欄は年度と「水力を除く」などの条件まで合わせて読みます。
標準解答 1オ・2イ・3ウ・4エ・5ケ・6オ・7ア・8ケ・9ウ・10カ
2010年度は火力約65%・原子力約25%、2022年度の水力を除く再生可能エネルギーは約14%、火力の内訳は天然ガス、石炭、石油の順です。
空欄1 オ
ニュートンは質量1 kgの物体に1 m/s²の加速度を生じさせる力で、N=kg·m/s²です。kg·m²/s²はエネルギー(J)、kg·m/sは運動量の単位です。
空欄2 イ
1 kWh=1,000 J/s×3,600 s=3.6×10⁶ J=3,600 kJです。4,185は水の比熱(約4.19 kJ/(kg·K))に当たる数、1,163は1,000 kcalをWhで表した値です。
空欄3 ウ
熱力学第一法則は、閉じた系で「内部エネルギーの変化=熱+仕事」とするエネルギー保存則です。内部エネルギーは状態量で、経路によって変わる熱や仕事とは性質が違います。3は2か所に入ります。
空欄4 エ
カルノーサイクルは2つの等温変化と2つの断熱変化をすべて可逆過程で行う理想サイクルで、同じ温度の熱源の間で最も高い熱効率になります。
空欄5 ケ
電磁気エネルギーと力学的エネルギーは、原理的にはどちら向きにも100%の効率で変換できます。電動機(電気→力学)と発電機(力学→電気)の両方が高効率なのはこのためで、熱を経由する変換とは違います。
空欄6 オ
減速時に電動機を発電機として働かせ、運動エネルギーを電気として蓄電池へ戻すのが回生です。内燃機関自動車では摩擦ブレーキの熱として捨てていました。
空欄7 ア
エンジンの排熱を暖房に使えない電動車では、室内暖房にヒートポンプを採用すると、電熱ヒータより少ない電力で暖房できます。
空欄8 ケ
2010年度の発電電力量は、火力が約65%、原子力が約25%でした。震災後は原子力が大きく減り、火力の比率が上がりました。
空欄9 ウ
2024年版エネルギー白書が示す2022年度実績では、水力を除く再生可能エネルギーは約14%(うち太陽光が約9%)です。水力を含めた再生可能エネルギー全体では約22%です。
空欄10 カ
2022年度の火力の発電電力量は、天然ガス(約34%)、石炭(約31%)、石油等(約8%)の順に多くなっています。
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エネルギー管理技術の基礎
問題3 判断基準の改正・比熱の関係・酸素富化燃焼・伝熱・ボイラ・電気設備の計算
令和4年の改正で加わった非化石転換の判断基準と、熱・電気の基礎計算を20欄に並べています。計算欄は単位換算を一度書き出せば、どれも2行以内で終わります。
標準解答 1イ・2ア/カ・3ク・4イ・5ウ・6ウ・7イ・8ウ・9イ・10ア・11ア・12イ・13ウ・14ア・15イ・16イ・17ウ・18エ・19ア・20イ
炉壁の厚さ250 mm、熱抵抗7.5×10⁻² K/W、A重油2.4×10⁴ kL、電力量約16 kWh、コンデンサ容量300 kvarです。
空欄1 イ
判断基準に基づく取組の基本は、エネルギー消費設備ごとの管理標準の策定です。管理体制の整備や従業員への周知・教育は、全ての事業者が取り組むべき事項の別の項目です。
空欄2 ア・カ(どちらも正解)
標準解答はアとカのどちらも正解としています。非化石エネルギーへの転換の判断基準には、取組の管理体制の整備も、非化石エネルギーの使用割合などの目標の設定も含まれ、どちらも文意に合うためです。
空欄3 ク
非化石転換の措置が合理化の効果を必ずしももたらさない場合について、判断基準は「エネルギーの使用の合理化を著しく妨げることのないよう留意」するとしています。合理化に優先する、または合理化を妨げない範囲に限るという書き方ではありません。
空欄4 イ
理想気体ではマイヤーの関係cp−cv=Rが成り立ち、差はガス定数です。比熱比はcp/cvです。
空欄5 ウ
H₂+1/2 O₂→H₂Oより、水素1 m³Nに酸素0.5 m³Nが必要です。酸素濃度25%の富化空気なら0.5/0.25=2.0 m³Nです。
空欄6 ウ
δ=λΔT/q=0.2×(880−80)/640=0.25 m=2.5×10² mmです。これより薄いと、同じ熱流束で外面温度が80℃を超えます。
空欄7 イ
熱抵抗はR=ΔT/Q=(50−20)/400=0.075 K/W=7.5×10⁻² K/Wです。
空欄8 ウ
放射エネルギーはE=εσT⁴=0.8×5.67×10⁻⁸×500⁴=0.8×5.67×10⁻⁸×6.25×10¹⁰=2,835 W/m²≒2.8 kW/m²です。
空欄9 イ
乾き度は、湿り蒸気全体の質量に対する乾き飽和蒸気の質量の割合です。体積やエンタルピーの割合ではありません。
空欄10 ア
換算蒸発量では、実際に蒸気1 kgを作るのに使った熱hs−hwが、100℃の水を100℃の蒸気にする潜熱2,257 kJ/kgの何倍かを求めます。W=W′×(hs−hw)/2,257です。
空欄11 ア
100 GWhは3.6×10⁵ GJです。発電端熱効率38%なので燃料の入熱は3.6×10⁵/0.38=9.47×10⁵ GJで、A重油は9.47×10⁵/39.1=2.42×10⁴ kLです。
空欄12 イ
熱源機や空調機を複数台使う場合は、負荷に応じて稼働台数を調整し、効率の高い運転点で動かします。12は1)と2)の両方に入ります。
空欄13 ウ
同じ区画で冷房する空調機と暖房する空調機が同時に動くと、熱を打ち消し合う混合損失が生じます。判断基準はこの防止を求めています。
空欄14 ア
三相電力はP=√3VIcosφです。最初の20分は1.73×400×20×0.85=11.76 kW、次の40分は1.73×400×30×0.85=17.65 kWなので、電力量は11.76×20/60+17.65×40/60=3.92+11.76=15.7≒16 kWhです。
空欄15 イ
30分の上限は2,000 kW×0.5 h=1,000 kWhです。20分までに700 kWh使ったので残り10分は300 kWhで、300÷(10/60)=1,800 kWです。
空欄16 イ
負荷損(銅損)は巻線抵抗による損失I²Rなので、負荷電流の2乗に比例します。無負荷損(鉄損)は負荷によらずほぼ一定です。
空欄17 ウ
力率100%にするには無効電力をすべて打ち消します。Q=P tanφ=400×0.6/0.8=300 kvarです。電源電圧6.6 kVは計算に使いません。
空欄18 エ
同期速度はNs=120f/Pで、誘導電動機は滑りsの分だけ遅れて回るので、N=120f(1−s)/Pです。
空欄19 ア
電解質は電子ではなくイオンを運んで電流を流すイオン伝導体です。電子は外部回路を流れます。
空欄20 イ
光束法では平均照度E=N·F·U·M/Aなので、必要なランプ数はN≧E·A/(F·U·M)です。照明率や保守率が小さいほど多くのランプが必要になります。
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