2024年11月24日実施・基礎30問・適性15問・公式正答照合
技術士第一次試験
令和6年度 基礎・適性の解答・解説
令和6年度の基礎科目30問と適性科目15問について、公式正答と解き方をこのページに載せています。問題本文は転載していないため、日本技術士会の公式問題PDFを開き、問題番号を合わせて読んでください。部門別の専門科目は扱いません。令和5・7年度の45問もそれぞれ別のページで解説しています。
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基礎科目 1群 設計・計画の解答・解説(6問)
設計・計画
I-1-1 ユニバーサルデザインの7原則
ロナルド・メイスらがまとめたユニバーサルデザインの7原則のうち、2番目から6番目の語句を補う問題である。
正答 ①(柔軟性・単純・寛大・身体的)
7原則は、公平な利用、利用における柔軟性、単純で直感的な利用、認知できる情報、失敗に対する寛大さ、少ない身体的な努力、接近や利用のためのサイズと空間である。ア柔軟性、イ単純、ウ寛大、エ身体的の①が正答となる。
限定性や厳格は、誰もが使えるようにするという考え方と逆向きの語である。ウの失敗に対する寛大さは、誤操作をしても危険や不利益につながりにくい設計を求める原則で、厳しさを求めるものではない。エは身体的な負担を小さくする原則で、精神的な努力を扱うものではない。イは単純で直感的に使えることを指すため、複雑とした④⑤も外れる。
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設計・計画
I-1-2 限界状態の3分類
通常の使用や耐久性に関わる状態は使用限界状態、繰返し荷重による状態は疲労限界状態、最大耐力に対応する状態は終局限界状態である。
正答 ②(使用・疲労・終局)
アは使用限界状態、イは疲労限界状態、ウは終局限界状態にあたり、この順に並ぶ②が正答となる。
限界状態設計法では、構造物が満たすべき性能を限界状態に分け、それぞれを超えないことを個別に照査する。使用限界状態は、ひび割れ、たわみ、振動などで通常の使用や耐久性が損なわれる状態である。疲労限界状態は、荷重の繰返しで部材に疲労破壊が生じる状態で、一度の大きな荷重で決まる最大耐力とは別に扱う。終局限界状態は、破壊、転倒、過大な変形など、構造物が耐荷力を失う状態である。
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設計・計画
I-1-3 円形断面の片持ばりの応力とたわみ
最大曲げ応力は断面係数Z、最大たわみは断面二次モーメントIに反比例する。円形断面ではZが直径の3乗、Iが直径の4乗に比例する。
正答 ①(3乗・反比例・4乗・反比例)
Z=32πd3,I=64πd4
σmax=ZwL2/2∝d31,δmax=8EIwL4∝d41
最大曲げ応力は直径の3乗に反比例し、最大たわみは直径の4乗に反比例するので①が正答となる。
等分布荷重wを受ける長さLの片持ばりでは、最大曲げモーメントは固定端でwL²/2、最大たわみは自由端でwL⁴/(8EI)となる。荷重と長さが同じなら、応力の大小は断面係数、たわみの大小は断面二次モーメントだけで決まる。直径を2倍にすると、最大曲げ応力は1/8、最大たわみは1/16になる。比例とした選択肢では断面を大きくするほど応力やたわみが増えることになり、向きから誤りと分かる。
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設計・計画
I-1-4 歯車装置の速度伝達比とトルク
速度伝達比30は、入力軸の角速度が出力軸の30倍という意味である。効率がほぼ100%なら動力が保たれるので、トルクは角速度と逆の比で大きくなる。
正答 ③(入力30回転で出力1回転・トルク約30倍)
ωoutωin=30,Tinωin=Toutωout ⇒ Tout=30Tin
入力軸が30回転する間に出力軸は1回転し、出力軸のトルクは入力軸のほぼ30倍になるので③が正答となる。
動力は角速度とトルクの積で、滑りがなく損失を無視できる歯車装置では入力側と出力側で等しい。減速すると回転が遅くなる分だけトルクが大きくなる。①④は速度伝達比を増速の意味に取り違えている。②はトルクが変わらないとしており、動力が30分の1に減ってしまう。⑤は減速時のトルクの増減を逆にしている。
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設計・計画
I-1-5 線形計画法による最大利益
製品1をx kg、製品2をy kg作るとき、原料A、原料B、稼働時間の3つの制約の下で利益300x+200y(万円)を最大にする線形計画問題である。
正答 ④(1,800万円)
max 300x+200ys.t. x+2y≤12, 3x+y≤15, x+y≤7, x,y≥0
3x+y=15, x+y=7 ⇒ x=4, y=3,300×4+200×3=1800
原料Bと稼働時間の制約が同時に効く点(4, 3)では原料Aの使用量も10 kgで上限内に収まり、利益は1,800万円となる。④が正答である。
線形計画問題の最適解は実行可能領域の頂点にある。頂点を順に調べると、(0, 6)で1,200万円、(2, 5)で1,600万円、(4, 3)で1,800万円、(5, 0)で1,500万円となり、(4, 3)が最大である。原料AとBの制約が交わる点(3.6, 4.2)は稼働時間が7.8時間となって上限の7時間を超えるため、候補にならない。⑤の1,920万円はこの点の利益を計算した値である。
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設計・計画
I-1-6 独立な正規分布の和と差
独立な正規確率変数の和と差は、平均が和または差になり、分散はどちらの場合も足し合わされる。
正答 ③
XA1+XA2∼N(μA1+μA2, σA12+σA22)
XB2−XB1∼N(μB2−μB1, σB22+σB12)
すき間は軸受の内径から軸の外径を引いた値なので、平均は差、分散は和となる。この組合せの③が正答である。
差の分散はVar(X−Y)=Var(X)+Var(Y)−2Cov(X, Y)で、独立なら共分散が0なので分散の和になる。部品のばらつきは組み合わせるほど大きくなり、差をとっても打ち消されない。分散の差とした②④⑤や、すき間の平均を和とした①⑤は誤りである。公差設計では、この性質を用いて組立品の寸法のばらつきを見積もる。
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基礎科目 2群 情報・論理の解答・解説(6問)
情報・論理
I-2-1 0.6の2進数表現
小数部に2を掛けて整数部を取り出す操作を繰り返すと、0.6は1001の並びを繰り返す循環小数になる。
正答 ①(0.1001100110011001)
0.6→1.2(1),0.2→0.4(0),0.4→0.8(0),0.8→1.6(1),0.6→⋯
取り出した整数部は1、0、0、1の順で、その後も同じ並びを繰り返す。小数点以下16位までは0.1001100110011001となり、①が正答となる。
10進数の0.6は2進数では有限の桁で表せないため、計算機では丸めた近似値として扱われる。確かめるときは、先頭の0.1001が1/2+1/16=0.5625で、0.6に近い値から始まっているかを見るとよい。②は0.7、③は0.75、④は0.8、⑤は0.9を2進数で表したものである。
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情報・論理
I-2-2 必要条件と十分条件
x²+y²=0とx=y=0は互いに導き合う。x+y>2はx>1又はy>1を導くが、逆は成り立たない。
正答 ②(必要十分条件・十分条件であるが必要条件ではない)
実数の2乗は0以上なので、x²+y²=0ならx=y=0となり、逆も成り立つ。アは必要十分条件である。
x≦1かつy≦1ならx+y≦2なので、その対偶としてx+y>2ならx>1又はy>1が成り立つ。一方、x=2、y=−5はx>1を満たすがx+y>2を満たさない。イは十分条件であるが必要条件ではなく、②が正答となる。
pがqであるための十分条件とは「pならばq」が成り立つこと、必要条件とは「qならばp」が成り立つことである。イのように直接示しにくい命題は、対偶を考えると判定しやすい。逆向きの命題が成り立たないことは、反例を1つ挙げれば示せる。
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情報・論理
I-2-3 リンク状態型と距離ベクトル型
ネットワーク全体のトポロジを把握して経路を計算するのはリンク状態型である。距離ベクトル型の各ノードは、隣接ノードから受け取る距離情報だけで次ホップを決める。
正答 ②
どちらの方式でもノードがトポロジを把握して経路を決めるとした②が最も不適切である。
リンク状態型(OSPF、IS-IS)では、各ノードがリンクの状態や距離を網内に広告し、集めた情報から網全体の地図を作って、ダイクストラ法などで最短経路を計算する。距離ベクトル型(RIP)では、宛先までの距離を隣接ノード同士で交換し、ベルマン・フォード法の考え方で距離が最短となる次ホップを選ぶため、網全体の形は知らない。①の転送の仕組み、③④の各方式の説明、⑤の代表例はいずれも適切である。
公式問題でI-2-3を見る
情報・論理
I-2-4 パリティビットによる誤り検出
付加するビットは、元のデータを含む全体の「1」の数を偶数にそろえる偶数パリティである。2ビットが反転すると「1」の数の偶奇が元に戻るため、誤りを検出できない。
正答 ⑤
2ビットが反転した場合には伝送誤りを検出できないとする⑤が最も適切である。
受信側は、受け取ったビット列全体の「1」の数が奇数なら誤りと判定する。1ビットの反転は元のデータの長さに関係なく検出できるので、長さの条件を付けた①②は誤りである。どのビットが反転したかは分からないため訂正はできず、③も誤りである。「1」の数は必ず偶数か奇数のどちらかなので付加ビットは常に決まり、④も誤りである。一般に奇数個のビットの反転は検出でき、偶数個の反転は見逃す。
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情報・論理
I-2-5 拡張ユークリッド互除法の行列計算
互除法の最後の割る数が最大公約数になる。3つの割り算を同じ2×2行列で表し、その3乗の2行目を読むと、104x+65y=13を満たすx、yが得られる。
正答 ④(13・2・−3)
(011−1)3=(−122−3)
(2613)=(−122−3)(10465) ⇒ 104×2+65×(−3)=13
gcd(104, 65)=13で、行列の3乗の2行目からイ=2、ウ=−3が決まる。④が正答となる。
3回の割り算はいずれも商が1なので、(大きい数, 小さい数)の組を(小さい数, 余り)に移す同じ行列で表せる。行列の2乗は(1, −1; −1, 2)、3乗は(−1, 2; 2, −3)で、2行目の係数が元の2数から13を作る組になる。⑤のx=−3、y=5も104x+65y=13を満たすが、一般解x=2+5k、y=−3−8kのk=−1にあたる別の解で、この行列計算からは出てこない。208−195=13と代入して確かめておくとよい。
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情報・論理
I-2-6 暗号技術と認証方式
パスワードの再送で成りすますリプレイ攻撃を防ぐ方式として広く使われるのは、チャレンジ・レスポンス認証である。多要素認証は認証の要素を組み合わせる考え方で、この説明には当てはまらない。
正答 ④
毎回異なるチャレンジ(乱数)への応答を返させれば、盗聴した認証情報を再送しても通らない。この方式には共通鍵を使うものと公開鍵(署名)を使うものがある。多要素認証方式としている④が最も不適切である。
多要素認証は、知識(パスワード)、所持(端末やトークン)、生体の要素のうち2つ以上を組み合わせて認証の強度を上げる考え方で、公開鍵系と共通鍵系に分ける分類も使わない。①のハッシュ関数の安全性の定義、②の量子計算機に対しても安全と考えられる公開鍵暗号(ポスト量子暗号)の候補、③のディジタル署名の性質、⑤のゼロ知識証明で数量を秘匿したまま取引の正当性を示す例は、いずれも適切である。
公式問題でI-2-6を見る
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基礎科目 3群 解析の解答・解説(6問)
解析
I-3-1 変数変換のヤコビ行列
連鎖律により、uのxによる偏微分は、fとgを経由する2つの経路の和になる。係数として並ぶのはfとgのx、yによる偏微分である。
正答 ④
∂x∂u=∂x∂f∂f∂u+∂x∂g∂g∂u,∂y∂u=∂y∂f∂f∂u+∂y∂g∂g∂u
[J]=∂x∂f∂y∂f∂x∂g∂y∂g 1行目がxによる偏微分、2行目がyによる偏微分で、列がf、gの順に並ぶ④が正答となる。
右辺の列ベクトルは(∂u/∂f, ∂u/∂g)の順なので、行列の1列目にはfの偏微分、2列目にはgの偏微分が来る。②はfの行とgの行の並びを入れ替えた形で、転置にあたるため式が成り立たない。①⑤は逆向きの変換(x、yをf、gで微分する)の成分で、③はu自身の偏微分を並べたもので行列の役割を果たさない。
公式問題でI-3-1を見る
解析
I-3-2 ベクトルの射影と垂線
bの大きさが1なので、aのb方向への正射影は(b·a)bである。aの終点からこの点へ向かうベクトルが垂線を表す。
正答 ②((b·a)b−a)
p=(b⋅a)b,p−a=(b⋅a)b−a
b⋅{(b⋅a)b−a}=(b⋅a)∣b∣2−b⋅a=0
垂線の足は(b·a)bで、aの終点からそこへ向かうベクトルは(b·a)b−aとなる。bとの内積が0になることも確かめられ、②が正答である。
④の(b·a)bは垂線の足の位置ベクトルそのもので、始点が原点になっている。③のb−aはaの終点からbの終点へ向かうベクトルで、一般にbと直交しない。外積a×bはaとbの両方に垂直なベクトルで、bが定める直線への垂線とは向きが異なるため①⑤も外れる。
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解析
I-3-3 ニュートン-ラフソン法のフローチャート
ニュートン-ラフソン法は、接線とx軸の交点を次の近似値とする。修正量は−f(xn)/f′(xn)で、その大きさが十分小さくなったら収束と判定して終了する。
正答 ⑤(Δx←−f(xn)/f′(xn)、|Δx|<ε)
xn+1=xn−f′(xn)f(xn)⇒Δx=−f′(xn)f(xn)
アには修正量の計算、イには収束判定|Δx|<εが入り、YESで出力へ、NOで次の反復へ進む。この組合せの⑤が正答となる。
xnにおける接線y=f(xn)+f′(xn)(x−xn)が0となるxを求めると上の更新式が得られる。①は積、②③は分母と分子を入れ替えており、いずれも接線の交点にならない。②④は判定を|Δx|>εとしているため、収束していない段階で出力に進み、収束した後も反復を続けてしまう。
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解析
I-3-4 支持条件と座屈荷重
オイラー座屈荷重は有効座屈長さの2乗に反比例する。両端ピンは長さL、一端固定・他端ピンは約0.7L、一端固定・他端自由は2Lで比べる。
正答 ③(Pb>Pa>Pc)
Pcr=(KL)2π2EI,Ka=1,Kb≈0.7,Kc=2
Pb≈L22.05π2EI>Pa=L2π2EI>Pc=4L2π2EI
拘束が強いほど有効座屈長さが短くなり座屈荷重は大きくなるので、Pb>Pa>Pcの③が正答となる。
(a)は上下とも回転が自由なピン支持、(b)は下端が固定で上端がピン支持、(c)は下端が固定で上端が自由である。材料・断面・長さが同じなら、比較は有効座屈長さ係数Kだけで決まる。上端が自由な(c)は横にも回転にも拘束がなく、長さ2Lの両端ピン柱と同じ扱いになるため、座屈荷重は(a)の1/4と最も小さい。
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解析
I-3-5 ばね質点系の固有振動数
固有振動数は√(等価ばね定数/質量)に比例する。質点を両側から支えるbも並列のaと同じく2k、直列につないだcはk/2になる。
正答 ③(cのみ)
ka=k+k=2k,kb=k+k=2k,kc=(k1+k1)−1=2k
f=2π1mkeq ⇒ fa=fb=2π1m2k,fc=2π12mk 等価ばね定数が最も小さいcだけが最小の固有振動数をもつので、③が正答となる。
bでは質点がxだけ動くと、左のばねは伸びて、右のばねは縮み、どちらの復元力も質点を元の位置に戻す向きに働く。見た目は直列に並んでいても、質点から見れば2本が並列に働く。cは2本のばねが同じ力を伝えるため伸びが2倍になり、ばねが柔らかくなる。固有振動数はaとbが等しく、cはその半分である。
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解析
I-3-6 対称な抵抗回路の合成抵抗
回路はa、bを結ぶ線に対して対称で、上・中央・下の3つの接続点はいずれもaとbの中間の電位になる。電位差のない縦の抵抗には電流が流れない。
正答 ③(2/3 Ω)
Va=1, Vb=0 ⇒ Vtop=Vcenter=Vbottom=21
I=3×11−21=23,Rab=IVa−Vb=32 Ω
縦に並ぶ2本の抵抗には電流が流れないため、回路は2Ωの経路3本の並列と同じになり、合成抵抗は2/3 Ωである。③が正答となる。
aとbを入れ替えて電位を1から引いた形にしても回路は同じ形に戻るので、上、中央、下の接続点の電位はいずれも1/2になる。電位差のない上と中央、中央と下の間の抵抗には電流が流れず、取り除いても結果は変わらない。残るのは、上・中央・下を経由する1Ω+1Ωの経路3本の並列で、2/3 Ωとなる。
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基礎科目 4群 材料・化学・バイオの解答・解説(6問)
材料・化学・バイオ
I-4-1 ハロゲンの性質
電気陰性度と単体の酸化力はF>Cl>Br>Iの順で正しい。ハロゲン化水素の酸の強さと沸点は、この順にはならない。
正答 ①(ア・イ)
正しいのはアとイで、①が正答となる。
ウについて、HFは水溶液中で電離しにくい弱酸で、HCl、HBr、HIはほぼ完全に電離する強酸である。同じ濃度なら水素イオン濃度はHFが最も低く、HFを最も高いとした順序は逆になる。エの沸点は、分子間に水素結合をつくるHF(約20℃)が最も高いが、残りは分子量が大きいほど高くHI>HBr>HClとなり、HClが最も低い。HF、HCl、HBr、HIの順は誤りである。
公式問題でI-4-1を見る
材料・化学・バイオ
I-4-2 2価の多原子イオン
多原子イオンは複数の原子からなるイオンで、硫酸イオンSO₄²⁻は2価の多原子イオンである。硫酸アンモニウム(NH₄)₂SO₄がこれを含む。
正答 ③(硫酸アンモニウム)
硫酸アンモニウムは1価の多原子イオンNH₄⁺と2価の多原子イオンSO₄²⁻からなる。③が正答となる。
硫化銀Ag₂Sの硫化物イオンS²⁻は2価だが単原子イオンである。水酸化ナトリウムNaOHの水酸化物イオンOH⁻と、硝酸鉛(II)Pb(NO₃)₂の硝酸イオンNO₃⁻は1価の多原子イオンで、Pb²⁺は2価の単原子イオンである。リン酸カルシウムCa₃(PO₄)₂のリン酸イオンPO₄³⁻は3価の多原子イオンである。
公式問題でI-4-2を見る
材料・化学・バイオ
I-4-3 金属の結晶構造
室温・大気圧でFeとNaは体心立方、AlとCuは面心立方、TiとZnは六方最密充填の構造をとる。体心立方の単位格子に属する原子は2個である。
正答 ③(体心立方・面心立方・六方最密充填・2)
体心立方格子は頂点8個×1/8と中心1個で2個、面心立方格子は頂点8個×1/8と面心6個×1/2で4個となる。ア体心立方、イ面心立方、ウ六方最密充填、エ2の③が正答である。
六方最密充填構造の基本単位(単純六方格子の単位胞)には2個の原子が属し、問題文の「2個」と合う。面心立方と六方最密充填はどちらも最密充填で充填率は約74%、体心立方は約68%である。FeとNaの体心立方、AlとCuの面心立方の対応を入れ替えた①②④⑤は誤りである。
公式問題でI-4-3を見る
材料・化学・バイオ
I-4-4 材料の性質に関する正誤
比強度は引張強度を密度で除した値である。ヤング率を密度で除した値は比剛性(比弾性率)と呼び、別の指標になる。
正答 ②(比強度の求め方)
比強度をヤング率から求めるとした②が最も不適切である。
①ステンレス鋼はクロムを約10.5%以上含む鉄合金と定義されるため、10%未満の鉄系合金はステンレス鋼にあたらない。③室温の電気抵抗率は純銅が約1.7×10⁻⁸ Ω·m、純金が約2.4×10⁻⁸ Ω·m、純鉄が約1.0×10⁻⁷ Ω·mで、記述の大小関係は正しい。④ダイヤモンドは硬く熱膨張も小さいため切削工具に使われる。⑤金属が吸収した水素により延性や靭性が低下する現象が水素脆化である。
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材料・化学・バイオ
I-4-5 DNAの構造と複製
DNAの塩基はアデニン、グアニン、シトシン、チミンの4種類である。ウラシルはRNAに含まれる塩基で、DNAではチミンが対応する。
正答 ①(塩基にウラシルを含めている)
DNAの塩基にウラシルを挙げた①が最も不適切である。
②2本のDNA鎖は逆平行に並び、AとT、GとCの塩基対の水素結合で結び付いている。③DNAポリメラーゼは鋳型となる一本鎖を必要とし、新生鎖を5′から3′の方向にだけ伸ばす。④塩基は二重らせんの内側に重なり、糖とリン酸の主鎖が外側に出る。⑤脊椎動物では、DNAのメチル化のパターンが細胞分裂後も保たれ、遺伝子の発現状態を娘細胞に伝える仕組みの1つになっている。
公式問題でI-4-5を見る
材料・化学・バイオ
I-4-6 タンパク質の性質
タンパク質のアミノ酸配列は、遺伝子の塩基配列から転写・翻訳を経て決まる。ほかの記述は側鎖の分布、鏡像異性体、結合の種類のいずれかを誤っている。
正答 ④
アミノ酸配列が核酸の塩基配列によって規定されるとした④が適切である。
①非極性の側鎖は水を避けてタンパク質の内部に集まりやすく、表面には極性・荷電した側鎖が多い。②タンパク質を構成するアミノ酸はほとんどがL体である。③ペプチド結合は共有結合で、非共有結合ではない。⑤静電相互作用、水素結合、疎水性相互作用は非共有結合だが、ジスルフィド結合はシステイン同士の共有結合であり、非共有結合としてまとめた点が誤りである。
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基礎科目 5群 環境・エネルギー・技術の解答・解説(6問)
環境・エネルギー・技術
I-5-1 環境条約・議定書の名称と概要
ラムサール条約は、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地の保全と賢明な利用を目的とする条約で、森林を対象とするものではない。
正答 ①(ラムサール条約)
ラムサール条約の概要を森林の保全とした①が最も不適切である。
②ワシントン条約は絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引を規制する条約、③モントリオール議定書はオゾン層を破壊する物質の生産・消費を規制する議定書、④バーゼル条約は有害廃棄物の国境を越える移動と処分を規制する条約、⑤名古屋議定書は遺伝資源の取得の機会と利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を定める議定書で、いずれも名称と概要が合っている。
公式問題でI-5-1を見る
環境・エネルギー・技術
I-5-2 産業廃棄物の処理の流れ
図の数値から伏せられた量を求めて割合を確かめる。直接最終処分量は4百万トン、中間処理後の最終処分量は5百万トン、減量化量は166百万トンになる。
正答 ⑤(再生利用量は排出量の約53%)
374−77−293=4,293−122−5=166,77+122=199
374199≈0.53,9199≈22
再生利用量199百万トンは排出量の約53%で、20%ではない。最終処分量の約22倍という部分は正しいが、前半が誤っている⑤が最も不適切である。
①の77/199は約39%、②の122/293は約42%で、どちらも「およそ40%」に合う。③の減量化量166百万トンは排出量の約44%で「およそ45%」、④の直接最終処分量4百万トンは約1.1%で「およそ1%」と言える。最終処分量9百万トンは直接最終処分4百万トンと中間処理後の5百万トンの和である。
公式問題でI-5-2を見る
環境・エネルギー・技術
I-5-3 家庭のエネルギー種別CO₂排出量
世帯当たりのCO₂排出量では電気が全体の3分の2ほどを占めて最も多い。最も小さいCはLPガスで、2017年度から2022年度にかけて大きく減ったDが灯油である。
正答 ②(電気・都市ガス・LPガス・灯油)
Aは電気、Bは都市ガス、CはLPガス、Dは灯油で、②が正答となる。
図ではAが1.74〜2.16 t/世帯・年と突出しており電気にあたる。BとDはともに2017年度に0.43 tだが、Dは2022年度に0.32 tまで減っており、暖房用の需要が減っている灯油と読める。Bは2020年度に0.44 tへ増えたあと0.38 tとなっており、都市ガスにあたる。Cは0.15〜0.18 tと最も小さくLPガスである。全国平均では、都市ガスとLPガスは地域によって使われ方が分かれるため、世帯当たりの平均値は電気に比べて小さくなる。
公式問題でI-5-3を見る
環境・エネルギー・技術
I-5-4 一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギー等
総合エネルギー統計(2022年度)で、水力を除く再生可能エネルギー、水力、未活用エネルギーを合わせた割合は、一次エネルギー国内供給の約14%である。
正答 ④(14%)
化石燃料が一次エネルギー供給の8割強を占める構成で、残りの大半をこの3つが占める。約14%の④が正答となる。
0.5%や2%は水力だけの割合よりも小さく、28%は化石燃料の比率が8割を超える現状と合わない。数値問題は、化石燃料が8割強、原子力が数%以下という全体の構成から当たりをつけると絞り込みやすい。未活用エネルギーは、廃棄物の焼却熱や工場の排熱など、一度使われた後に捨てられていたエネルギーを回収して利用するもので、統計では再生可能エネルギーと合わせて集計される。
公式問題でI-5-4を見る
環境・エネルギー・技術
I-5-5 産業革命期の技術発展
産業革命期の紡績機や蒸気機関などの改良を担ったのは、主に現場の職人や技術者、事業家だった。大学の研究者が主導した産学協同の例とする記述は史実に合わない。
正答 ③(大学研究者主導・産学協同としている)
新技術の開発のほとんどを大学研究者が主導したとする③が最も不適切である。
ワットの蒸気機関はニューコメンの機関を改良したもので、アークライトの水力紡績機やカートライトの力織機も、現場の工夫と特許・資本の結び付きから生まれた。①の既存技術の改良の積み重ね、②の自動人形などの機構の転用(ヴォーカンソンの自動織機はジャカード織機につながった)、④の工場制機械工業への移行、⑤の長時間労働や児童労働の社会問題化は、いずれも産業革命の説明として適切である。
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環境・エネルギー・技術
I-5-6 科学史・技術史の年代順
ベルヌーイの定理は1738年、ラヴォワジエの燃焼理論は1770年代後半、スティーヴンソンのロケット号は1829年、ダーウィンの『種の起源』は1859年、ヴェーゲナーの大陸移動説は1912年である。
正答 ②(ア→イ→オ→ウ→エ)
古い順にア、イ、オ、ウ、エとなり、②が正答となる。
ダニエル・ベルヌーイは著書『流体力学』(1738年)で流体のエネルギー保存を示した。ラヴォワジエは1777年ごろに燃焼を酸素との結合とする理論を発表し、フロギストン説を退けた。ロケット号は1829年のレインヒル・トライアルで優勝した蒸気機関車で、鉄道の時代を開いた。『種の起源』の出版は1859年、大陸移動説の発表は1912年で、著書『大陸と海洋の起源』は1915年に出版された。
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適性科目の解答・解説(15問)
技術士法
II-1 技術士法第4章の見出しと条文
技術士法第4章の見出しは、秘密保持義務、公益確保の責務、名称表示の場合の義務、資質向上の責務である。名称表示では登録を受けた技術部門を明示する。
正答 ④(義務・公益・責務・技術部門・資質)
第45条は技術士等の秘密保持義務、第45条の2は技術士等の公益確保の責務、第46条は技術士の名称表示の場合の義務、第47条の2は技術士の資質向上の責務である。ア義務、イ公益、ウ責務、エ技術部門、オ資質の④が正答となる。
義務規定には罰則が伴うものがあり、秘密保持義務(第45条)の違反は、告訴があれば1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象となる(第59条)。一方、公益確保と資質向上は努力を求める責務として定められている。名称表示では「建設部門」のように登録を受けた技術部門を明示し、登録していない部門を表示してはならない。技術士でなくなった後も秘密保持義務が続く点も頻出である。
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SDGs
II-2 2030アジェンダのジェンダー平等
2030アジェンダは、女性・女児のエンパワーメントと、雇用、リーダーシップ、意思決定への男性と同等の機会を掲げている。ケアはどの空欄にも入らない。
正答 ⑤(ケア)
アにはエンパワーメント、イ〜エには雇用、リーダーシップ、意思決定が入る。どれにも当てはまらないのはケアで、⑤が正答となる。
アジェンダの宣言部分(パラグラフ20)は、女性と女児が質の高い教育、経済的資源、政治参加に平等にアクセスし、あらゆるレベルの雇用、リーダーシップ、意思決定で男性と同等の機会を享受すべきだとしている。無償のケア労働の評価はSDGsの目標5のターゲット5.4で扱われるが、この段落の空欄には入らない。ジェンダーの視点を主流化することが不可欠だとする結びまで含め、出題文は宣言の該当段落に沿っている。
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知的財産
II-3 著作権の権利制限
公表された著作物は、要件を満たせば著作権者の承諾なしに引用できる。官公資料の転載や、思想・感情の享受を目的としない利用も権利制限の対象である。
正答 ①(×・○・○・○)
アは承諾がなければ侵害になるとしており誤りで、イ、ウ、エは正しい。×・○・○・○の①が正答となる。
アについて、著作権法第32条第1項は、公表された著作物の引用を認めている。公正な慣行に合致し、報道・批評・研究などの目的上正当な範囲内であれば、著作権者の承諾は要らない。イは同条第2項の規定で、国や地方公共団体などが一般に周知させる目的で作成・公表した資料は、転載禁止の表示がない限り説明の材料として転載できる。ウのAI開発のための学習データの収集や提供、エの複製技術の開発のための試験的な複製は、いずれも第30条の4(著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用)の対象となる。
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社会的責任
II-4 JIS Z 26000の社会的責任の原則
JIS Z 26000は、社会的責任の包括的な目的を持続可能な発展への最大限の貢献とし、説明責任、透明性、倫理的な行動など7つの原則を示している。
正答 ①(持続可能な発展・国際行動規範・多様性・透明性・人権の尊重)
アは持続可能な発展、イは国際行動規範、ウは多様性、エは透明性、オは人権の尊重で、①が正答となる。
7つの原則は、説明責任、透明性、倫理的な行動、ステークホルダーの利害の尊重、法の支配の尊重、国際行動規範の尊重、人権の尊重である。規格は、国際行動規範との整合をとりつつ、社会、環境、法、文化、政治及び組織の多様性を考慮するよう求めている。機密情報の保護や公共の福祉は原則の一覧に含まれず、②④⑤が外れる。
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環境
II-5 カーボン・オフセットと関連用語
アの定義は「排出量の全部又は一部を埋め合わせる」取組で、カーボン・オフセットにあたる。エの「全部を埋め合わせた状態」はカーボン・ニュートラルの定義で、2つの用語の説明が入れ替わっている。
正答 ⑤(×・○・○・×)
アとエは誤りで、イとウは正しい。×・○・○・×の⑤が正答となる。
環境省の整理では、カーボン・オフセットは、自らの排出量を認識して削減努力を行い、削減が困難な部分をクレジット等で埋め合わせる考え方で、埋め合わせは一部でもよい。カーボン・ニュートラルは、削減が困難な部分の排出量の全部を埋め合わせた状態を指す。イのプラネタリー・バウンダリーは人間が安全に活動できる地球の限界を示す概念で、ウのトップランナー制度は、省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)に基づき、基準設定時に最も優れた機器の性能以上に基準値を定める仕組みである。
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SDGs
II-6 SDGsの特徴と人間の安全保障
SDGsは社会・経済・環境の3側面の課題を統合的に解決し、先進国も含むすべての国が取り組む普遍的な目標である。日本は「人間の安全保障」の考え方を主導してきた。
正答 ②(平和)
アは経済、イは統合、ウは普遍、エは安全で、どれにも当てはまらないのは平和である。②が正答となる。
外務省の説明では、17のゴールは社会面の開発アジェンダ、すべての国が持続可能な形で経済成長を目指す経済アジェンダ、地球規模で取り組む環境アジェンダを網羅的に示している。前身のMDGsが主に開発途上国向けだったのに対し、SDGsは先進国も含むすべての国の普遍的な目標である。人間の安全保障は、一人一人に焦点を当てて保護と能力強化を図る考え方で、「誰一人取り残さない」という理念と一致する。
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労働安全衛生
II-7 労働安全衛生の基本用語
安全の4S活動は整理、整頓、清掃、清潔である。清掃を洗浄としたエだけが誤りで、ほかの記述は正しい。
正答 ④(○・○・○・×・○)
エの「洗浄(Senjou)」は清掃(Seisou)の誤りで、ア、イ、ウ、オは正しい。○・○・○・×・○の④が正答となる。
アの不安全行動と不安全状態は労働災害の直接原因の2つの柱である。イのハインリッヒの法則は、1件の重大災害の背後に29件の軽傷災害と300件の無傷害事故があり、さらにその背後に多数の不安全行動・不安全状態があるとする。ウのヒヤリハット活動は報告者を責めないことが前提になる。オの安全データシート(SDS)は、化学物質を譲渡・提供する際に相手方へ性状や危険有害性、取扱い方法を伝える文書である。4Sにしつけを加えた5Sも広く使われる。
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研究倫理
II-8 研究成果の発表とオーサーシップ
研究費を獲得したことだけでは著者の要件を満たさない。著者として記載されるには、研究への実質的な寄与と論文への責任が必要である。
正答 ③(○・×・○・○)
イだけが不適切で、ア、ウ、エは適切である。○・×・○・○の③が正答となる。
アのギフト・オーサーシップ(名誉著者)は、要件を満たさない人を好意や力関係から著者に加える行為で、研究倫理に反する。エのゴースト・オーサーシップは、実質的に寄与した人を著者から外す行為である。ウのサラミ出版は、1つの研究成果を細かく分けて複数の論文にする行為で、業績を水増しし、読者や査読者の判断を誤らせるため不適切とされる。イについて、多くの学術誌の基準では、研究資金の獲得や研究グループの監督だけでは著者の要件を満たさない。
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個人情報保護
II-9 個人識別符号となる身体の特徴
個人情報保護法施行令第1条第1号が個人識別符号の対象として定める身体の特徴は、DNA、顔、虹彩、声紋、歩行の態様、手指の静脈、指紋又は掌紋の7つである。
正答 ⑤(骨伝導の振動特性)
耳周辺の骨を振動させた際の振動特性(骨伝導)は政令に記載がなく、⑤が正答となる。
選択肢①の指紋又は掌紋、②の顔の容貌、③の声紋(声帯の振動、声門の開閉、声道の形状とその変化)、④の歩行の態様は、いずれも政令第1条第1号に定められている。ほかにDNAの塩基配列、虹彩の表面の起伏の線状の模様、手指の静脈の形状が挙げられている。これらの特徴を電子計算機で扱える符号に変換し、本人を識別できるようにしたものが個人識別符号となる。
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ハラスメント
II-10 職場のハラスメント
セクシュアルハラスメントは相手の意思表示の有無だけで判断するものではない。パワーハラスメントの優位性には、専門知識や経験による優位性も含まれる。
正答 ③(×・○・○・○・×)
アとオが誤りで、イ、ウ、エは正しい。×・○・○・○・×の③が正答となる。
アについて、セクシュアルハラスメントは、被害者が明確に拒否しなくても、平均的な労働者の感じ方を基準に判断される。イの人格を否定する大声での叱責は、本人だけでなく周囲の就業環境も害するパワーハラスメントとなり得る。ウについて、厚生労働省の指針は、取引先、顧客、患者やその家族、学校の生徒等も行為者になり得るとしている。エの業務上必要かつ相当な範囲の指示・指導はパワーハラスメントにあたらない。オについて、優越的な関係には、業務上必要な知識や豊富な経験をもつ同僚・部下による言動も含まれる。
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技術者倫理
II-11 技術士倫理綱領の指針
2023年改定の技術士倫理綱領は、10の基本綱領それぞれに具体的な行動を示す指針を付けている。5つの記述はすべて指針に記載がある。
正答 ⑤(5つ)
アは「安全・健康・福利の優先」の指針(2)、イは「持続可能な社会の実現」の指針(2)、ウは「秘密情報の保護」の指針(1)、エは「法令等の遵守」の指針(2)、オは「継続研鑽と人材育成」の指針(3)にあたる。5つすべてが記載されており、⑤が正答となる。
改定後の倫理綱領は、前文と、安全・健康・福利の優先、持続可能な社会の実現、信用の保持、有能性の重視、真実性の確保、公正かつ誠実な履行、秘密情報の保護、法令等の遵守、相互の尊重、継続研鑽と人材育成の10項目からなる。リスクの評価と履行の妥当性の検証、負の影響の低減、秘密情報の適切な管理、国・地域の文化の尊重、技術者の育成は、いずれも各項目の指針に書かれている。
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標準化
II-12 国際標準とJIS
ISO・IECの説明、JISマークの認証制度と審査は正しい。令和元年の改正の向きを逆にしたウと、新旧のJISマークを左右逆に示したカが誤りである。
正答 ③(適切なのは4つ)
適切なのはア、イ、エ、オの4つで、③が正答となる。
令和元年の改正では、工業標準化法が産業標準化法に、日本工業規格が日本産業規格に改められ、データやサービスも標準化の対象になった。ウはこの向きを逆に書いている。JISマーク表示制度は2005年10月から、国が登録した民間の登録認証機関が認証する仕組みに変わり、認証後も登録認証機関による定期的な審査と国の立入検査で信頼性を確保している。カの図では、円の中に「JIS」の文字を置いた左側が現行のJISマークで、曲線で文字を表した右側が旧JISマークである。
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労働安全衛生
II-13 リスクアセスメントの指針
4つの記述は、厚生労働省の「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」の内容に沿っており、いずれも正しい。
正答 ⑤(○・○・○・○)
ア、イ、ウ、エはすべて正しく、⑤が正答となる。
アはリスクアセスメントの定義そのものである。イについて、指針は、負傷や疾病の発生が合理的に予見できる作業を調査等の対象とし、平坦な通路の歩行のように明らかに軽微なものは除外してよいとしている。ウについて、危険性又は有害性の特定では、労働者の疲労等による付加的影響を考慮する。エについて、リスク低減措置は、負担と効果が著しく不均衡な場合を除き、可能な限り優先順位の高いものを実施し、重篤なリスクの措置に時間を要する場合は暫定措置を直ちに講じる。
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製造物責任
II-14 製造物責任法の対象と責任主体
製造物責任法は、製造物の欠陥で製造物以外に損害が生じた場合を対象とし、OEMなどで製造業者として表示した者も責任を負う。医薬品も製造物にあたる。
正答 ③(○・○・×・○・×)
ウとオが誤りで、ア、イ、エは正しい。○・○・×・○・×の③が正答となる。
アの製造物は製造又は加工された動産で、電気、音響、サービスや不動産は含まない。イは、欠陥による損害がその製造物自体にとどまる場合で、第3条ただし書により同法の対象とならない。ウについて、製造業者として氏名等を表示した者や、実質的な製造業者と認められる表示をした者も製造業者等に含まれ(第2条第3項)、OEM先の販売者が責任を負うことがある。エの再生品は、再生した事業者を製造業者として対象となる。オの医薬品も製造又は加工された動産であり、対象となる。
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継続研鑽
II-15 技術士のCPD
通常業務として現在の知識を適用しているだけでは、CPDの要件を満たしたことにならない。CPDは知識・技能を継続して高めるための取組である。
正答 ②(適切なのは4つ)
エだけが不適切で、ア、イ、ウ、オの4つが適切である。②が正答となる。
アは技術士法第47条の2の資質向上の責務に対応する。イについて、CPD登録では、第三者からの問合せに対し記録と証拠を示して本人が説明できるようにしておく必要がある。ウについて、2021年の省令改正で技術士登録簿に資質向上の取組状況の欄が設けられ、日本技術士会は技術士(CPD認定)の認定や名簿の公表を行っている。オについて、学協会の中にはCPDの実績を資格の継続要件にしているものがある。
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