2024年11月10日実施・全60問・公式正解照合

令和6年度 行政書士試験 解答・解説

令和6年度行政書士試験の全60問について公式正解を載せ、問題が公開されている56問は各肢・空欄・記述式の判断根拠まで解説しています。問題1と問題58〜60は、試験研究センターが著作権の関係で問題を公開していないため、正解だけを示します。

令和6年度の受験者は47,785人、合格者は6,165人で、合格率は12.9%でした(行政書士試験研究センター「試験結果分析」)。

令和7年度(2025年)全60問の解答・解説 →

令和5年度(2023年)全60問の正解と54問の解説 →

公開 ・更新 ・作成 資格Hub(運営 Boson)・正答の照合方法

正答一覧(全56問)

基礎法学

問題正答論点
問23民事・刑事・非訟事件の手続原則

憲法

問題正答論点
問35氏名と人格権・夫婦同氏制(最大判平成27年12月16日)
問42検索結果の削除請求(最決平成29年1月31日)
問53義務教育の無償・教科書検定・教育内容の決定権能
問61選挙制度に関する国会の裁量
問74歳費・不逮捕特権・免責特権・懲罰
問41ア8・イ2・ウ4・エ10婚外子相続分違憲決定と先例としての拘束性(最大決平成25年9月4日)

行政法

問題正答論点
問85取消しの方法・国家賠償との関係・無効の争い方・違法性の承継・無効の要件
問92意見公募手続・政令の罰則・委任命令・通達・処分基準
問104権限の濫用・配慮義務・信義則・信頼保護
問115免許取消処分と不利益処分の手続
問122行政指導の方式・地方公共団体への適用・中止の求め・行政指導指針
問131審査基準と処分基準の設定・公表
問145代理人・参加人・総代・地位の承継・法人でない社団
問154適用範囲・不作為・条例に基づく処分・固有の資格
問165期間のただし書・教示・拘束力・執行停止・差止め
問172取消訴訟の訴えの利益が消滅する場合
問184抗告訴訟の判決の効力
問193民衆訴訟と機関訴訟
問201教科書検定・経済政策・部活動事故・事実上の河川管理
問213国家賠償法1条の責任主体と公務員個人の責任
問221地方公共団体の事務の区分
問235住民監査請求と住民訴訟
問244規則の制定・条例の罰則・手数料・委員会の規則
問253学校処分の司法審査・一日校長・目的外使用・予防訴訟・転任処分
問262行政文書の定義・作成義務・整理・管理規則・報告
問42ア13・イ18・ウ4・エ10公用収用と文化財的価値の補償(最判昭和63年1月21日)
問43ア16・イ7・ウ13・エ3臨時会召集要求と確認の訴え(最判令和5年9月12日)
問44例あり競願関係の取消訴訟の被告と対象

民法

問題正答論点
問271死亡の擬制・権利能力・取消し・返還の範囲・善意の行為
問281原状回復の範囲・遺言の転換・取消権者・法定追認
問294共同相続・遺産分割・遺贈・相続放棄・特定財産承継遺言
問303抵当権設定登記後の賃借権・妨害排除・物上代位
問312保証人の要件・時効の完成猶予・保証債務の範囲
問325他人物売買の効力・権利者の相続・即時取得・無権代理人の責任・理事の代表権の制限
問335業務の決定・執行の委任・組合財産・脱退・業務執行者の解任
問34全員正解近親者の慰謝料・法人の名誉毀損・企業損害・定期金賠償・別原因による死亡
問352協議の解除・預金債権の承継・分割前の処分・期間・預貯金の払戻し
問45例あり売主が代金を確保する方法
問46例あり登記請求権を保全するための代位

商法・会社法

問題正答論点
問362出資の帰属・第三者への責任・利益配当・検査・終了事由
問374無議決権株式・自己株式・特別利害関係・監査役の解任・責任の免除
問384監査等委員である取締役の報酬等
問393完全親会社の種類・全部取得・対価・株式買取請求・社債権者の異議
問401決議の取消し・設立無効・新株発行無効・責任追及・役員の解任

基礎知識

問題正答論点
問475政党助成・メディアリテラシー・政治資金規正・無党派層・フェミニズム
問485中東・パレスチナ問題の経緯
問492円の為替相場の歴史
問502日本における外国人
問513ジェンダーに関する用語と出来事
問521報酬の掲示・審査請求の代理・資格・欠格事由
問535住民票の記載事項
問541デジタル環境での情報流通に関する用語
問552欧米の情報通信法制
問564設置・個人情報保護委員会との関係・所掌事務
問574漏えい等報告・不適正利用・提供記録・学術研究・公的部門

令和7年度 全60問の解答解説PDF

解説を全60問・288肢そろえた92ページのPDFです。 買い切りで、購入後すぐダウンロードできます。

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この年度の出題構成

出題数が最も多いのは行政法の22問で、全56問の39%にあたります。

次に多いのが基礎知識の11問で、上位2分野で59%を占めます。

論点は46件で、複数問にまたがるのは行政事件訴訟法(4問)、地方自治法(3問)、行政手続法(2問)です。同じ論点でも問われ方が変わるので、解説は問ごとに分けています。

読み取れた49問の正答番号は2の11件から3の8件までで、番号の偏りはほとんどありません。

分野出題数割合この年に問われた論点
行政法22問39%行政行為、行政立法、行政法の一般原則、行政手続法、行政指導、行政不服審査法、行政不服審査法と行政事件訴訟法、行政事件訴訟法
基礎知識11問20%政治、国際情勢、経済、社会、行政書士法、住民基本台帳法、情報通信、デジタル庁
民法11問20%失踪の宣告、無効・取消し、相続と登記、抵当権、保証、他人物売買・無権代理、組合、不法行為
憲法6問11%人格権、プライバシー、教育を受ける権利、選挙制度、国会議員の特権、違憲判断の効力
商法・会社法5問9%匿名組合、株主総会の議決権、監査等委員会設置会社、株式交換、会社の訴え
基礎法学1問2%訴訟手続
正答番号12345
件数91181011

集計は当サイトが公開している全56問・272件の解説から作成しました。問題と正答は試験実施団体の公表資料と照合しています。

全問に共通する注意

令和8年度試験での注意 解説は令和6年度試験の基準日(2024年4月1日)の法令で書いています。2026年4月1日までの改正で確認が必要な問(問11・問24・問52・問57)には各問に注意を付けました。それ以外の問は、2026年4月1日現在の法令・判例で解いても正誤が変わりません。

基礎法学の解答・解説(1問)

法令用語と裁判制度の基礎を、定義と制度趣旨から判定します。似た法律用語を日常語の感覚だけで選ぶと失点しやすい分野です。

訴訟手続

問2 民事・刑事・非訟事件の手続原則

訴訟手続の基本原則(釈明権、起訴便宜主義、自由心証主義、起訴状一本主義)と、非訟事件の非公開の原則を区別します。

公式正解 3

妥当でないのは3です。非訟事件の手続は、公開しないのが原則です。

1:妥当。裁判長は、訴訟関係を明確にするため、当事者に事実上・法律上の事項について問いを発し、立証を促すことができます(民事訴訟法149条1項、釈明権)。

2:妥当。犯人の性格や情状、犯罪後の状況などから訴追を必要としないときは、検察官は公訴を提起しないことができます(刑事訴訟法248条、起訴便宜主義)。

3:妥当でない。非訟事件の手続は公開しないのが原則で、裁判所は相当と認める者の傍聴を許すことができるにとどまります(非訟事件手続法30条)。

4:妥当。裁判所は、口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果をしん酌し、自由な心証で事実を認定します(民事訴訟法247条、自由心証主義)。

5:妥当。起訴状には、裁判官に予断を生じさせるおそれのある書類などを添付し、又はその内容を引用してはなりません(刑事訴訟法256条6項、起訴状一本主義)。

公式問題で問2を見る

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憲法の解答・解説(6問)

人権、統治、国会、内閣、法令形式を最高裁判例と憲法条文から整理します。判例の判断を一般化し過ぎず、事案と審査基準を対応させる必要があります。

人格権

問3 氏名と人格権・夫婦同氏制(最大判平成27年12月16日)

夫婦同氏制を合憲とした大法廷判決は、氏の変更を強制されない自由を憲法上の権利とは認めませんでしたが、婚姻前の氏を使い続ける利益は制度設計で考慮すべき人格的利益だと述べています。

公式正解 5

妥当でないのは5です。判例によれば、婚姻前に築いた信用などを維持する利益は、制度の在り方を検討するときに考慮すべき人格的利益です。

1:妥当。氏名は個人を識別する機能とともに、個人として尊重される基礎で人格の象徴であり、人格権の一内容を構成するとされています。

2:妥当。氏は婚姻・家族に関する法制度の一部として法律で規律されるので、氏に関する人格権の内容も法制度を前提に具体的に捉えられるとしています。

3:妥当。家族は社会の自然かつ基礎的な集団単位であり、氏を一つに定めることには合理性があり、身分関係の変動で氏が改められることも性質上予定されているとしています。

4:妥当。現行の法制度の下での氏の性質から、婚姻の際に氏の変更を強制されない自由は、憲法上の権利として保障される人格権の一内容とはいえないとしています。

5:妥当でない。判例は、婚姻前に築いた個人の信用、評価、名誉感情等を維持する利益は憲法上の権利とまではいえないとしつつ、婚姻・家族の法制度の在り方を検討する際に考慮すべき人格的利益であるとしています。専ら立法裁量の問題として切り捨ててはいません。

公式問題で問3を見る

プライバシー

問4 検索結果の削除請求(最決平成29年1月31日)

検索事業者に検索結果の削除を求められるかは、事実を公表されない法的利益と、検索結果として提供する理由に関する諸事情を比べ、前者が優越することが明らかかどうかで判断します。

公式正解 2

妥当でないのは2です。判例は、検索結果の提供は検索事業者自身による表現行為という側面を有するとしています。

1:妥当。プライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益は法的保護の対象で、過去の逮捕歴もこれに含まれます。

2:妥当でない。検索結果はプログラムで自動的に作られるものですが、その収集・整理・提供は事業者の方針に沿うように作られており、判例は検索事業者自身による表現行為という側面を有するとしています。

3:妥当。検索結果の提供は、公衆の情報発信や情報の入手を支援し、インターネット上の情報流通の基盤として大きな役割を果たしているとしています。

4:妥当。公表されない法的利益が、検索結果として提供する理由に関する諸事情に優越することが明らかな場合には、URL等の削除を求めることができるとしています。

5:妥当。児童買春は児童への性的搾取・虐待として強い社会的非難の対象で、罰則で禁止されているので、一定期間が経過しても公共の利害に関する事柄でありうるとしています。

公式問題で問4を見る

教育を受ける権利

問5 義務教育の無償・教科書検定・教育内容の決定権能

旭川学力テスト事件判決(最大判昭和51年5月21日)は、教育内容を国が決めるとする説も国民(教師)が決めるとする説も、極端で一方的だとして退けました。

公式正解 3

妥当でないのは3です。教育の内容・方法は専ら法律で定められ、教育行政機関が広く決定権限を持つという考え方は、判例で退けられています。

1:妥当。義務教育の無償は授業料を徴収しないことを意味し、教科書など教育に必要な一切の費用まで無償とすることを定めたものではないとされています(最大判昭和39年2月26日)。

2:妥当。教科書は学術研究の結果の発表を目的とするものではなく、検定は教科書という形態での発表を制限するにすぎないので、学問の自由に違反しないとされています(第一次家永教科書訴訟、最判平成5年3月16日)。

3:妥当でない。旭川学力テスト事件判決は、国家が教育内容を決定するという見解について、子どもの教育を受ける権利の保障の観点から極端で一方的なものとして退けています。国は必要かつ相当と認められる範囲で教育内容を決定する権能を有するにとどまります。

4:妥当。憲法26条の背後には、自ら学習できない子どもが、その学習要求を充足する教育を大人一般に要求する権利(学習権)を有するとの観念が存在するとしています。

5:妥当。普通教育では児童生徒に十分な批判能力がなく、全国的に一定の教育水準を確保する要請もあるので、教師に完全な教授の自由を認めることは許されないとしています。

公式問題で問5を見る

選挙制度

問6 選挙制度に関する国会の裁量

最高裁は選挙制度の仕組みについて国会の広い裁量を認めますが、参議院選挙区の都道府県単位については、投票価値の平等の観点から仕組み自体の見直しを求めています。

公式正解 1

妥当でないのは1です。判例は、都道府県を参議院の選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はないとしています。

1:妥当でない。最高裁は、都道府県を選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はなく、都道府県単位を固定したまま大きな較差が続く状況では仕組み自体の見直しが必要としています(最大判平成24年10月17日、平成26年11月26日)。都道府県代表的な意義を前提に、その枠内で平等を図れば足りるとはしていません。

2:妥当。小選挙区制は死票を多く生む可能性があるものの、死票はどの制度でも生じ、国民の総意を議席に反映させる一つの合理的方法であるとされています(最大判平成11年11月10日)。

3:妥当。重複立候補を認めるかどうかは国会の裁量に属し、衆議院の小選挙区と比例代表の重複立候補制度は憲法に違反しないとされています(同判決)。

4:妥当。名簿式比例代表制の採用は国会の裁量に属し、名簿登載者個人への投票を政党への投票としても数える非拘束名簿式も同様とされています(最大判平成16年1月14日)。

5:妥当。参議院比例代表の特定枠も、選挙人の総意によって当選人が決まる点で候補者個人を直接選択する方式と異ならず、憲法に違反しないとされています(最判令和2年10月23日)。

公式問題で問6を見る

国会議員の特権

問7 歳費・不逮捕特権・免責特権・懲罰

国会議員の特権は、憲法の条文(49条〜51条・58条)と国会法の定めを組み合わせて判定します。参議院の緊急集会中も議員の特権は保障されます。

公式正解 4

妥当なのは4です。参議院の緊急集会中も、議員には不逮捕特権と免責特権が及びます。

1:妥当でない。憲法49条は相当額の歳費を受けることを保障しますが、裁判官の報酬(79条6項・80条2項)のような在任中の減額禁止の規定はなく、法律による一律の減額は許されます。

2:妥当でない。会期中の不逮捕特権(50条)はありますが、所属する議院の同意がなければ訴追されないという規定はありません。訴追に同意が要るのは国務大臣で、同意するのは内閣総理大臣です(75条)。

3:妥当でない。免責特権(51条)は、本会議での発言に限らず、委員会や地方公聴会など議員の職務として行った行為に及ぶと解されています。

4:妥当。緊急集会中の参議院議員は、院外の現行犯を除き参議院の許諾がなければ逮捕されず(国会法100条)、緊急集会での発言も免責特権の対象になります。

5:妥当でない。両議院の懲罰は議院の自律権に属し、除名を含めて司法審査は及ばないと解されています。除名の手続に審査が及ぶとした最高裁判例はありません。地方議会の懲罰とは区別します。

公式問題で問7を見る

違憲判断の効力

問41 婚外子相続分違憲決定と先例としての拘束性(最大決平成25年9月4日)

違憲判断の効力が過去の遺産分割に及ぶかを論じた部分です。違憲判断の「先例としての事実上の拘束性」を限定し、法的安定性と調和させる論理を戻します。

公式正解 ア8・イ2・ウ4・エ10

空欄は「先例」「事実上の拘束性」「法的安定性」「確定的」で、公式正解はア8・イ2・ウ4・エ10です。

ア(8 先例):最高裁の違憲判断が、後の事件で同種の判断を導く先例として働くことを指します。

イ(2 事実上の拘束性):違憲判断の効果は法令を廃止するものではなく、先例として事実上拘束するものと捉えられています。

ウ(4 法的安定性):解決済みの遺産分割にまで影響させると、法に内在する普遍的な要請である法的安定性を著しく害します。

エ(10 確定的):裁判や合意で確定的になった法律関係は覆さず、まだ確定していない事案では違憲とされた規定の適用を排除して確定させるとしました。

公式問題で問41を見る

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行政法の解答・解説(22問)

行政手続、不服申立て、行政訴訟、国家賠償、地方自治、情報公開を一続きの手続として解きます。処分性、原告適格、出訴期間、執行停止など隣接概念の取り違えが主な失点源です。

行政行為

問8 取消しの方法・国家賠償との関係・無効の争い方・違法性の承継・無効の要件

処分の効力を否定する方法(職権取消し、取消訴訟、不服申立て)と、無効の主張方法、違法性の承継の効果を区別します。

公式正解 5

妥当なのは5です。瑕疵が重大であれば、明白とまではいえなくても無効とされる場合があります。

1:妥当でない。処分は、取消訴訟の判決や不服申立ての裁決・決定のほか、処分庁などの職権による取消しでも取り消せます。

2:妥当でない。判例は、金銭の納付を命じる処分でも、取消訴訟などで取り消されていなくても国家賠償を請求できるとしています(最判平成22年6月3日)。

3:妥当でない。無効を前提とする現在の法律関係に関する訴え(当事者訴訟や争点訴訟)でも無効を争えます。無効確認の訴えは、これらで目的を達せない場合の補充的な訴えです(行政事件訴訟法36条)。

4:妥当でない。違法性の承継が認められる場合は、先行処分Aの出訴期間が過ぎていても、後行処分Bの取消訴訟でAの違法を主張できます。

5:妥当。判例は、課税処分について、課税要件の根幹に関わる重大な過誤があり、第三者の信頼保護を考える必要がない場合などには、明白性がなくても無効となり得るとしています(最判昭和48年4月26日)。

公式問題で問8を見る

行政立法

問9 意見公募手続・政令の罰則・委任命令・通達・処分基準

法規命令と行政規則の違い、意見公募手続の対象、通達の処分性、処分基準に反した処分の効果を確認します。

公式正解 2

妥当なのは2です。政令には、法律の委任があれば罰則を設けることができます。

1:妥当でない。意見公募手続の対象となる命令等には、法律に基づく命令・規則のほか、審査基準、処分基準、行政指導指針も含まれます(行政手続法2条8号)。

2:妥当。政令には、特にその法律の委任がある場合を除いて罰則を設けることができません(憲法73条6号ただし書)。委任があれば罰則を設けられます。

3:妥当でない。法律の委任の範囲を超えた委任命令は無効です。行政行為の公定力のように、取り消されるまで有効として扱われるものではありません。

4:妥当でない。通達は行政組織内部の命令で、国民の権利義務を直接形成しないので、取消訴訟の対象となる処分に当たらないとされています(最判昭和43年12月24日)。

5:妥当でない。判例は、処分基準に従わない処分は裁量権の範囲の逸脱又は濫用となり得るとしていますが(最判平成27年3月3日)、基準に反した処分が当然に無効となるわけではありません。

公式問題で問9を見る

行政法の一般原則

問10 権限の濫用・配慮義務・信義則・信頼保護

行政法の一般原則に関する代表的な判例(余目町個室付浴場事件、紀伊長島町水道水源条例事件、宜野座村工場誘致事件など)の判断を確認します。

公式正解 4

妥当なのは4です。宜野座村工場誘致事件で、最高裁は代償措置なしの施策変更を信頼関係の不当な破壊として違法としました。

1:妥当でない。営業の阻止を主な目的とした児童遊園の設置認可は、行政権の濫用として違法とされ、その営業も違法とはならないとされています(最判昭和53年5月26日)。

2:妥当でない。町は事業者の地位を不当に害しないよう配慮すべき義務を負い、この義務に違反すれば認定処分は違法となるとされています(最判平成16年12月24日)。明文の規定がないことは理由になりません。

3:妥当でない。判例は、租税法律関係でも、納税者間の平等・公平を犠牲にしてもなお納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえる特別の事情があれば、信義則の適用を考える余地を認めています(最判昭和62年10月30日)。

4:妥当。地方公共団体の勧告・勧誘で施策の継続を前提に活動に入った者が、社会観念上看過できない積極的損害を被る場合に、補償などの措置を講じずに施策を変更することは、やむを得ない客観的事情がない限り違法となります(最判昭和56年1月27日)。

5:妥当でない。違法な通達に基づいて手当を打ち切った地方公共団体が、支払を求める訴訟で消滅時効を主張することは、信義則に反し許されないとされています(最判平成19年2月6日)。

公式問題で問10を見る

行政手続法

問11 免許取消処分と不利益処分の手続

宅建業者の免許取消しは、許認可等の効力を失わせる不利益処分です。資格の喪失が判決書などの客観的資料で直接証明される場合は、意見陳述の手続を省けます。

公式正解 5

妥当なのは5です。役員の刑の確定という客観的資料で資格の喪失が直接証明されるので、聴聞は不要です。

1:妥当でない。届出に対する応答としてされる処分は不利益処分から除かれますが(行政手続法2条4号ニ)、本件の取消しは届出への応答ではないので不利益処分に当たります。

2:妥当でない。適用除外は、刑事事件に関する法令に基づいて検察官などがする処分です(3条1項5号)。知事による免許取消しは、刑事事件を契機としていても除外されません。

3:妥当でない。地方公共団体の機関がする処分でも、根拠規定が法律に置かれていれば行政手続法が適用されます(3条3項は条例・規則に根拠がある処分を除外するもの)。

4:妥当でない。審査基準は申請に対する処分の基準です。不利益処分について定めるのは処分基準で、その設定は努力義務です(12条1項)。

5:妥当。法令上必要な資格が失われたことが判明した場合に必ずする処分で、その喪失が判決書などの客観的な資料で直接証明されるときは、聴聞・弁明の手続は不要です(13条2項2号)。

令和8年度試験での注意 宅建業法の欠格事由は、2025年6月1日の改正刑法の施行に合わせて「禁錮以上の刑」から「拘禁刑以上の刑」に改められました。行政手続法の判断(本問の正解)は変わりません。

公式問題で問11を見る

行政指導

問12 行政指導の方式・地方公共団体への適用・中止の求め・行政指導指針

行政指導の規定(行政手続法32条〜36条の2)は、地方公共団体の機関がする行政指導には適用されません。意見公募の対象となる命令等には行政指導指針も含まれます。

公式正解 2

妥当なのはアとウで、正解は2です。

ア:妥当。許認可等をする権限を行使し得る旨を示すときは、その根拠となる法令の条項、要件、要件に適合する理由を示さなければなりません(行政手続法35条2項)。

イ:妥当でない。地方公共団体の機関がする行政指導には、根拠規定が法律にあっても、行政手続法の行政指導の規定は適用されません(3条3項)。

ウ:妥当。法律に根拠がある行政指導で違反の是正を求めるものを受けた相手方は、要件に適合しないと考えるときは、行政指導の中止などを求めることができます(36条の2)。

エ:妥当でない。意見公募手続の対象となる命令等には、審査基準・処分基準のほか、行政指導指針も含まれます(2条8号ニ)。

公式問題で問12を見る

行政手続法

問13 審査基準と処分基準の設定・公表

審査基準は定めて公にする法的義務、処分基準は定めて公にする努力義務です。どちらも、行政上特別の支障があるときは公にしないことが許されます。

公式正解 1

妥当なのは1です。審査基準を公にすると行政上特別の支障が生じる場合は、公にしなくても違法になりません。

1:妥当。審査基準は、行政上特別の支障があるときを除き、公にしておかなければなりません(行政手続法5条3項)。支障があるときは公にしなくても違法ではありません。

2:妥当でない。処分基準は定めて公にしておくよう努めるものとされており(12条1項)、名あて人の求めに応じて示せば足りるという規定ではありません。

3:妥当でない。審査基準を定めることと公にしておくことは、努力義務ではなく法的義務です(5条1項・3項)。

4:妥当でない。公にする方法は、申請の提出先とされている機関の事務所での備付けその他の適当な方法とされており、備付けに限られません(5条3項)。

5:妥当でない。処分基準は、定めることも公にしておくことも努力義務です(12条1項)。

公式問題で問13を見る

行政不服審査法

問14 代理人・参加人・総代・地位の承継・法人でない社団

審査請求の当事者に関する規定(行政不服審査法10条〜15条)を確認します。代理人、参加人、総代は、いずれも認められる制度です。

公式正解 5

妥当なのは5です。代表者や管理人の定めがある法人でない社団・財団は、その名で審査請求ができます。

1:妥当でない。審査請求は代理人によってもすることができます(行政不服審査法12条1項)。

2:妥当でない。利害関係人は、審理員の許可を得て参加人として審査請求に参加できます(13条1項)。

3:妥当でない。多数人が共同して審査請求をするときは、3人を超えない総代を互選することができます(11条1項)。総代の選任は義務ではありません。

4:妥当でない。審査請求人が死亡したときは、相続人など処分に係る権利を承継した者が審査請求人の地位を承継します(15条1項)。当然に終了するわけではありません。

5:妥当。法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名で審査請求をすることができます(10条)。

公式問題で問14を見る

行政不服審査法

問15 適用範囲・不作為・条例に基づく処分・固有の資格

行政不服審査法の適用範囲は、行政手続法と比べて広い点(条例に基づく処分にも適用)と、固有の資格に基づく処分の除外を押さえます。

公式正解 4

妥当なのは4です。地方公共団体などが固有の資格で相手方となる処分には、行政不服審査法は適用されません。

1:妥当でない。金銭の納付を命じる不利益処分などを除外するのは、行政手続法の意見陳述の手続です(行政手続法13条2項4号)。行政不服審査法の適用は除外されていません。

2:妥当でない。行政不服審査法の不作為は、法令に基づく申請に対して何らの処分もしないことです(3条)。是正のための処分がされないときの手当ては、行政手続法の処分等の求め(36条の3)です。

3:妥当でない。行政不服審査法は、条例や規則に根拠がある処分にも適用されます。適用されないとするのは行政手続法の規定です。

4:妥当。国の機関や地方公共団体などが、その固有の資格において処分の相手方となるものには、行政不服審査法の規定は適用されません(7条2項)。

5:妥当でない。行政不服審査法には、自己の法律上の利益に関わらない資格でする、いわゆる民衆争訟型の審査請求の規定はありません。

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行政不服審査法と行政事件訴訟法

問16 期間のただし書・教示・拘束力・執行停止・差止め

審査請求と取消訴訟の共通点と違いは、条文ごとに比べると整理できます。内閣総理大臣の異議と差止めは行政事件訴訟法だけの制度です。

公式正解 5

妥当なのはウとオで、正解は5です。

ア:妥当でない。行政不服審査法も、審査請求期間について「正当な理由があるときは、この限りでない」というただし書を置いています(18条1項・2項)。

イ:妥当でない。行政事件訴訟法にも、取消訴訟を提起できる処分をするときに、被告とすべき者や出訴期間などを書面で教示すべき旨の規定があります(46条)。

ウ:妥当。取消判決は処分庁その他の関係行政庁を拘束し(行政事件訴訟法33条1項)、裁決は関係行政庁を拘束します(行政不服審査法52条1項)。

エ:妥当でない。行政不服審査法にも執行停止の規定はありますが(25条)、内閣総理大臣の異議の制度は行政事件訴訟法(27条)だけにあります。

オ:妥当。差止めの訴え(行政事件訴訟法3条7項)に相当する不服申立ては、行政不服審査法には定められていません。

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行政事件訴訟法

問17 取消訴訟の訴えの利益が消滅する場合

処分の効果が期間の経過や事情の変化でなくなっても、取消判決で回復すべき法律上の利益が残っていれば訴えの利益は消えません。名誉や信用の回復だけでは足りないとされています。

公式正解 2

妥当なのは2です。代替施設の設置で洪水などの危険が解消すれば、保安林指定解除処分の取消しを求める利益は失われます。

1:妥当でない。免職された公務員が公職選挙に立候補して公務員の地位を回復できなくなっても、給料請求権などを回復するため取消しを求める利益は残るとされています(最大判昭和40年4月28日)。

2:妥当。原告適格の基礎となった洪水や渇水の危険が、代替施設の設置で解消された場合は、訴えの利益は失われるとされています(長沼ナイキ事件、最判昭和57年9月9日)。

3:妥当でない。公開請求の対象文書が取消訴訟で書証として提出されても、非公開決定の取消しを求める訴えの利益は消滅しないとされています(最判平成14年2月28日)。

4:妥当でない。免許停止期間が経過し、処分の日から無違反・無処分で1年を経過した後は、名誉・感情・信用の回復の可能性があっても訴えの利益はないとされています(最判昭和55年11月25日)。

5:妥当でない。保育所廃止条例の制定行為の取消訴訟は、原告らの保育の実施期間がすべて満了すれば訴えの利益が失われるとされています(最判平成21年11月26日)。

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行政事件訴訟法

問18 抗告訴訟の判決の効力

行政事件訴訟法の条文で、事情判決、取消判決の拘束力、第三者の再審の訴え、義務付け判決の要件を確認します。拘束力の規定は他の抗告訴訟にも準用されます。

公式正解 4

誤っているのはイとオで、正解は4です。

ア:正しい。裁判所は、相当と認めるときは、終局判決前に、判決で処分が違法であることを宣言することができます(行政事件訴訟法31条2項)。

イ:誤り。申請を拒否した処分が取り消されたときは、行政庁は判決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分をしなければなりません(33条2項)。必ず申請を認める処分をするわけではありません。

ウ:正しい。取消判決で権利を害された第三者は、自分の責任でなく訴訟に参加できず攻撃防御の方法を出せなかったときは、再審の訴えで不服を申し立てられます(34条1項)。

エ:正しい。直接型の義務付け訴訟の要件を満たし、行政庁が処分をしないことが違法であれば、裁判所は処分をすべき旨を命じる判決をします(37条の2第5項)。

オ:誤り。取消判決の拘束力の規定(33条)は、無効等確認訴訟や義務付け訴訟など取消訴訟以外の抗告訴訟にも準用されます(38条1項)。

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行政事件訴訟法

問19 民衆訴訟と機関訴訟

民衆訴訟と機関訴訟は、法律に定める場合に、法律に定める者だけが提起できる客観訴訟です(行政事件訴訟法42条)。

公式正解 3

正しいのは3です。処分の取消しを求める機関訴訟には、一部を除き取消訴訟の規定が準用されます。

1:誤り。機関訴訟は、法律に定める場合において、法律に定める者に限り提起することができます(行政事件訴訟法42条)。個別の法律の定めが必要です。

2:誤り。民衆訴訟も、法律に定める場合に法律に定める者だけが提起できるもので、何人も提起できるわけではありません(42条)。

3:正しい。民衆訴訟又は機関訴訟で処分の取消しを求めるものには、一部の規定を除き取消訴訟に関する規定が準用されます(43条1項)。

4:誤り。地方議会の議員の選挙の効力に関する訴訟は、選挙人などが提起する民衆訴訟の例です。

5:誤り。行政事件訴訟に関し同法に定めがない事項は民事訴訟の例によるとする規定(7条)に、民衆訴訟と機関訴訟を除く限定はありません。

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国家賠償

問20 教科書検定・経済政策・部活動事故・事実上の河川管理

国家賠償の違法性と過失、2条の管理主体について、代表的な判例の判断を確認します。

公式正解 1

ア誤、イ誤、ウ正、エ正の組合せで、正解は1です。

ア:誤り。判例は、検定意見の中に合否の判定に直接影響するものがあることを前提に、看過し難い過誤のある検定意見を付したことを国家賠償法上違法としています(第三次家永教科書訴訟、最判平成9年8月29日)。すべてが助言・指導にすぎないとはしていません。

イ:誤り。政府が政策目標を達成できなかったとしても、それは政治的責任の問題で、法律上の義務違反として国家賠償責任が生じるものではないとされています(最判昭和57年7月15日)。

ウ:正しい。課外のクラブ活動では、事故の危険を具体的に予見できる特段の事情がない限り、顧問の教諭が立ち会っていなくても過失はないとされています(最判昭和58年2月18日)。

エ:正しい。法律上の管理権がなくても、市が改修工事をして河川を事実上管理していれば、国家賠償法2条1項の責任を負う公共団体に当たるとされています(最判昭和59年11月29日)。

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国家賠償

問21 国家賠償法1条の責任主体と公務員個人の責任

国家賠償法1条の責任は国・公共団体が負い、公務員個人は被害者に直接責任を負いません。職務の範囲は外形で判断します。

公式正解 3

妥当なのは3です。複数の公務員が共同して故意に損害を加えた場合、国などへの求償債務は連帯債務になります。

1:妥当でない。判例は、指定確認検査機関の確認事務は建築主事を置く地方公共団体の事務であり、その地方公共団体が損害賠償請求の相手方となり得るとしています(最決平成17年6月24日)。

2:妥当でない。判例は、公務員個人は被害者に対して直接責任を負わないとしています。故意又は重大な過失は、国などが公務員に求償するための要件です(1条2項)。

3:妥当。複数の公務員が共同して故意に違法に損害を加えた場合、国などに対する求償債務は連帯債務になるとされています(最判令和2年7月14日)。

4:妥当でない。専ら自己の利をはかる意図であっても、客観的に職務執行の外形を備える行為は「職務を行うについて」に当たるとされています(最判昭和31年11月30日、外形標準説)。

5:妥当でない。都道府県警察の警察官が交通犯罪の捜査を行う際に違法に損害を加えた場合、賠償責任を負うのは原則として都道府県で、国ではないとされています(最判昭和54年7月10日)。

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地方自治法

問22 地方公共団体の事務の区分

普通地方公共団体の事務は、自治事務と法定受託事務に分かれます。法定受託事務も地方公共団体の事務で、旧機関委任事務のように国の機関として処理するものではありません。

公式正解 1

妥当なのは1です。普通地方公共団体は、地域における事務と、法律又は政令で処理することとされる事務を処理します。

1:妥当。普通地方公共団体は、地域における事務と、その他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理します(地方自治法2条2項)。

2:妥当でない。法定受託事務も都道府県の事務で、知事が国の機関として処理するものではありません。国の機関として処理する仕組みは、廃止された機関委任事務です。

3:妥当でない。法定受託事務についても、法令に違反しない限り条例を制定できます(14条1項)。

4:妥当でない。自治事務は、地方公共団体が処理する事務のうち法定受託事務以外のものをいいます(2条8項)。法定受託事務は自治事務に含まれません。

5:妥当でない。現行法の下でも、自治事務のほかに法定受託事務があります(2条9項)。

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地方自治法

問23 住民監査請求と住民訴訟

住民訴訟は監査請求を経た住民が提起し、請求の類型は法律に列挙された4つに限られます。損害賠償を求める4号請求で勝訴しても、賠償金は地方公共団体に支払われます。

公式正解 5

妥当でないのは5です。4号請求の勝訴判決が確定すると、長が職員などに賠償金の支払を請求し、賠償金は地方公共団体に入ります。

1:妥当。住民監査請求は、住民が監査委員に対して行います(地方自治法242条1項)。

2:妥当。住民訴訟は、住民監査請求をした住民でなければ提起できません(242条の2第1項、監査請求前置)。

3:妥当。住民訴訟で争えるのは、住民監査請求の対象となる財務会計上の行為や怠る事実に限られます。

4:妥当。請求できるのは、差止め、取消し・無効確認、怠る事実の違法確認、職員などに損害賠償等を請求することを求める請求の4類型に限られます(242条の2第1項)。

5:妥当でない。4号請求の認容判決が確定したときは、長は判決確定から60日以内に職員などに賠償金の支払を請求しなければならず(242条の3第1項)、賠償金は地方公共団体に支払われます。原告住民が受け取るものではありません。

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地方自治法

問24 規則の制定・条例の罰則・手数料・委員会の規則

条例と規則の役割分担、条例で定められる罰則の範囲、手数料を定める形式を確認します。

公式正解 4

妥当なのは4です。委員会は、法律の定めるところにより、その権限に属する事務に関して規則を定めることができます。

1:妥当でない。長は、法令に違反しない限り、その権限に属する事務に関して規則を制定できます(地方自治法15条1項)。個別の委任は要りません。

2:妥当でない。条例には、法令に特別の定めがあるものを除き、一定の範囲の刑罰や過料を科す旨の規定を設けることが地方自治法で一般的に認められています(14条3項)。個別の法令の委任は要りません。

3:妥当でない。手数料に関する事項は、条例で定めなければなりません(228条1項)。

4:妥当。委員会は、法律の定めるところにより、法令又は条例・規則に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し規則その他の規程を定められます(138条の4第2項)。

5:妥当でない。条例では刑罰のほか、5万円以下の過料も科すことができます(14条3項)。

令和8年度試験での注意 地方自治法14条3項の条例で科せる刑罰は、2025年6月1日から「2年以下の拘禁刑、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料」に改められました(懲役・禁錮は拘禁刑に一本化)。本問の正誤は変わりません。

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公立学校と裁判

問25 学校処分の司法審査・一日校長・目的外使用・予防訴訟・転任処分

学校をめぐる処分の司法審査は、裁量の逸脱・濫用があるかを審査する方法で行い、裁判所が校長と同じ立場で判断し直すわけではありません。

公式正解 3

妥当なのはイとウで、正解は3です。

ア:妥当でない。裁判所は校長と同一の立場で判断し直すのではなく、処分が全く事実の基礎を欠くか社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超え又は濫用したと認められる場合に違法とします(剣道実技拒否事件、最判平成8年3月8日)。

イ:妥当。教育委員会の処分が著しく合理性を欠き予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるといえない限り、退職手当の支出決定は財務会計法規上違法とはならないとされています(最判平成4年12月15日)。

ウ:妥当。学校施設の目的外使用の許可は管理者の裁量に委ねられ、学校教育上支障がない場合でも、合理的な裁量判断で許可しないことができるとされています(最判平成18年2月7日)。

エ:妥当でない。懲戒処分が反復継続的かつ累積加重的にされる危険がある場合には、差止めの訴えの要件である「重大な損害を生ずるおそれ」が認められるとされています(最判平成24年2月9日)。

オ:妥当でない。同一市内の転任処分でも、勤務場所や勤務内容などに客観的・実際的な不利益を伴う場合には、取消しを求める訴えの利益が認められ得ます(最判昭和61年10月23日の趣旨)。

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公文書管理法

問26 行政文書の定義・作成義務・整理・管理規則・報告

公文書管理法は、行政文書の作成・整理・保存・管理状況の報告などを定めていますが、違反した職員への罰則は置いていません。

公式正解 2

誤っているのは2です。公文書管理法は文書の作成義務を定めていますが、違反した職員に対する罰則はありません。

1:正しい。行政文書は、職員が職務上作成・取得した文書で、組織的に用いるものとして行政機関が保有しているものです(公文書等の管理に関する法律2条4項)。

2:誤り。軽微な事案を除いて経緯も含めた文書を作成する義務はありますが(4条)、違反した職員に対する罰則は定められていません。

3:正しい。行政文書を作成・取得したときは、行政機関の長は分類し、名称を付け、保存期間と保存期間の満了日を設定します(5条1項)。

4:正しい。行政機関の長は、行政文書管理規則を設ける義務を負います(10条1項)。

5:正しい。行政機関の長は、毎年度、行政文書ファイル管理簿の記載状況など行政文書の管理状況を内閣総理大臣に報告します(9条1項)。

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損失補償

問42 公用収用と文化財的価値の補償(最判昭和63年1月21日)

土地収用法88条の「通常受ける損失」の意味と、輪中堤の文化財的価値が補償の対象になるかを判断した判例です。

公式正解 ア13・イ18・ウ4・エ10

空欄は「公用収用」「通常受ける」「財産的」「市場価格」で、公式正解はア13・イ18・ウ4・エ10です。

ア(13 公用収用):公益事業のために特定の財産権を強制的に取得・消滅させることを公用収用といいます。

イ(18 通常受ける):土地収用法88条は、収用によって土地所有者などが「通常受ける損失」を補償すると定めています。

ウ(4 財産的):通常受ける損失とは、客観的・社会的にみて収用に基づき当然に受けると考えられる経済的・財産的な損失をいうとされました。

エ(10 市場価格):文化財的価値が取引価格に反映し市場価格を形成する場合は補償されますが、歴史的・学術的価値だけでは市場価格に影響せず、補償の対象にならないとされました。

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公法上の当事者訴訟

問43 臨時会召集要求と確認の訴え(最判令和5年9月12日)

国会議員が臨時会の召集に関する法律関係の確認を求めた訴えについて、法律上の争訟には当たるが、確認の利益を欠くとした判決です。

公式正解 ア16・イ7・ウ13・エ3

空欄は「公法上の法律関係」「法律上の争訟」「現実の危険」「確認の利益」で、公式正解はア16・イ7・ウ13・エ3です。

ア(16 公法上の法律関係):本件の訴えは、公法上の法律関係に関する確認の訴え(行政事件訴訟法4条後段の当事者訴訟)として構成されています。

イ(7 法律上の争訟):当事者の具体的な権利義務や法律関係をめぐる紛争で、法令の適用で最終的に解決できるので、法律上の争訟に当たるとしました。

ウ(13 現実の危険):将来の臨時会召集要求の有無や召集決定の時期は明らかでないので、不利益が生じる現実の危険があるとはいえないとしました。

エ(3 確認の利益):そのため本件各確認の訴えは確認の利益を欠き不適法とされ、訴えを却下した原審の判断が維持されました。

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行政事件訴訟法

問44 競願関係の取消訴訟の被告と対象

競願関係では、他者への免許処分と自己への拒否処分が表裏の関係にあります。どちらの取消しを求めても、判決の効果で再審査を受けられます。

公式正解例あり

公式正解例は「国を被告として、免許処分又は拒否処分のいずれかに対する取消訴訟を提起できる。」です。

被告:取消訴訟は、処分をした行政庁が所属する国又は公共団体を被告とします(行政事件訴訟法11条1項1号)。総務大臣の処分なので被告は国です。

対象の処分:競願関係では、Xは自己に対する拒否処分の取消しを求めても、Aへの免許処分の取消しを求めてもかまいません。

判例:東京12チャンネル事件(最判昭和43年12月24日)は、競願者が自己に対する拒否処分の取消しを求める訴えの利益を認めました。取り消されれば、行政庁は改めて競願者全員を審査し直すことになります。

書き方:40字程度で、「国を被告として」「免許処分又は拒否処分のいずれか」「取消訴訟を提起」の3点を入れます。

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民法の解答・解説(11問)

代理、物権、債権、家族法を、当事者関係と時間の順序から解きほぐします。原則と例外、対抗要件、第三者保護を一つのルールとして扱うと誤ります。

失踪の宣告

問27 死亡の擬制・権利能力・取消し・返還の範囲・善意の行為

失踪宣告は失踪者を死亡したものとみなす制度ですが、本人の権利能力を奪うものではありません。取消し後の返還の範囲と、取消し前の行為の保護を確認します。

公式正解 1

妥当なのは1です。普通失踪では、7年間の期間が満了した時に死亡したものとみなされます。

1:妥当。生死が7年間明らかでないことによる普通失踪の宣告を受けた者は、その期間が満了した時に死亡したものとみなされます(民法31条)。

2:妥当でない。失踪宣告は失踪者の権利能力を奪うものではないので、生存していた本人が不法行為で被害を受ければ、宣告の取消しがなくても損害賠償請求権は発生します。

3:妥当でない。失踪宣告の取消しは、本人又は利害関係人の請求によって行われます(32条1項)。

4:妥当でない。失踪宣告によって財産を得た者は、取消しによって権利を失いますが、返還するのは現に利益を受けている限度です(32条2項)。

5:妥当でない。取消し前に善意でした行為の効力は失われませんが(32条1項後段)、契約では当事者双方が善意であることが必要とするのが判例です。第三者が悪意なら保護されません。

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無効・取消し

問28 原状回復の範囲・遺言の転換・取消権者・法定追認

無効な行為に基づいて給付を受けた者は原状回復の義務を負います。ただし、無償行為で無効を知らなかった者は、現に利益を受けている限度で返せば足ります。

公式正解 1

誤っているのは1です。無効な贈与で給付を受けた者が無効を知らなかったときは、現存利益の返還で足ります。

1:誤り。無効な無償行為に基づいて給付を受けた者が、給付を受けた当時その無効を知らなかったときは、現に利益を受けている限度で返還すれば足ります(民法121条の2第2項)。

2:正しい。売買のような有償契約では、善意であっても原状回復義務を負い(121条の2第1項)、受け取った金銭を費消していても全額を返還しなければなりません。

3:正しい。方式に欠ける秘密証書遺言でも、自筆証書遺言の方式を備えていれば自筆証書遺言として効力を有します(971条)。

4:正しい。未成年者本人も、制限行為能力を理由に単独で取り消すことができます(120条1項)。

5:正しい。追認をすることができる時以後に、異議をとどめずに履行を請求すると、追認したものとみなされ(125条2号)、取消権を失います。

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相続と登記

問29 共同相続・遺産分割・遺贈・相続放棄・特定財産承継遺言

相続による権利の承継は、法定相続分を超える部分については登記がなければ第三者に対抗できません(民法899条の2第1項)。ただし、相続放棄の効力は登記なしに誰に対しても主張できます。

公式正解 4

妥当でないのは4です。相続放棄の効力は絶対的で、Cは登記がなくても差押えの無効を主張できます。

1:妥当。共同相続人の一人が単独名義の登記をして第三者に売却しても、他の相続人は自己の法定相続分の持分を登記なしに主張できます(最判昭和38年2月22日)。

2:妥当。遺産分割で法定相続分を超えて取得した部分は、登記をしなければ第三者に対抗できません(899条の2第1項)。

3:妥当。遺贈による所有権の取得は、登記をしなければ第三者に対抗できません(最判昭和39年3月6日)。

4:妥当でない。相続を放棄した者は初めから相続人とならなかったものとみなされ(939条)、その効力は登記なしに誰に対しても主張できます(最判昭和42年1月20日)。Cは差押えの無効を主張できます。

5:妥当。特定財産承継遺言(相続させる旨の遺言)による取得も、法定相続分を超える部分は登記をしなければ第三者に対抗できません(899条の2第1項)。

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抵当権

問30 抵当権設定登記後の賃借権・妨害排除・物上代位

抵当権者は、抵当権設定登記後の賃借人に対して直ちに明渡しを求められるわけではありません。物上代位と債権譲渡の優劣、転貸賃料への物上代位の可否も判例で確認します。

公式正解 3

妥当なのは3です。賃料債権が譲渡され対抗要件が備えられた後でも、抵当権者は自ら差し押さえて物上代位権を行使できます。

1:妥当でない。抵当権に基づく妨害排除請求が認められるのは、占有権原の設定に抵当権の実行を妨害する目的があり、交換価値の実現が妨げられて優先弁済請求権の行使が困難となる状態がある場合です(最判平成17年3月10日)。直ちには求められません。

2:妥当でない。競売手続の開始前から使用収益している建物の賃借人は、買受けの時から6か月を経過するまで明渡しを猶予されます(民法395条1項)。

3:妥当。抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後でも、自ら差し押さえて物上代位権を行使できるとされています(最判平成10年1月30日)。Cがまだ弁済していなければ、Bの請求を拒めません。

4:妥当でない。抵当権者が直接自己への明渡しを求められるのは、所有者において抵当不動産を適切に維持管理することが期待できない場合です(最判平成17年3月10日)。

5:妥当でない。抵当権者は、賃借人を所有者と同視できる場合を除き、賃借人が転借人に対して有する転貸賃料債権には物上代位できないとされています(最決平成12年4月14日)。

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保証

問31 保証人の要件・時効の完成猶予・保証債務の範囲

債務者が保証人を立てる義務を負うとき、保証人は行為能力者で弁済の資力がある者でなければなりません。ただし、債権者が保証人を指名した場合はこの要件が外れます。

公式正解 2

誤っているのは2です。債権者が指名した保証人は、行為能力者である必要はありません。

1:正しい。債権者が保証人を指名したときは、保証人が弁済の資力を失っても、代わりの保証人を立てるよう請求することはできません(民法450条3項)。

2:誤り。保証人を立てる義務を負う場合でも、債権者が保証人を指名したときは、行為能力者であることなどの要件は適用されません(450条3項)。

3:正しい。主たる債務者について生じた時効の完成猶予と更新は、保証人にも効力が及びます(457条1項)。

4:正しい。保証債務は、主たる債務の元本だけでなく、利息、違約金、損害賠償など従たるものも含みます(447条1項)。

5:正しい。保証人は、その保証債務についてのみ違約金又は損害賠償の額を約定することができます(447条2項)。

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他人物売買・無権代理

問32 他人物売買の効力・権利者の相続・即時取得・無権代理人の責任・理事の代表権の制限

他人の物の売買は有効で、売主は権利を取得して移転する義務を負います。無権代理では、即時取得は使えず、無権代理人の責任や表見代理で相手方を保護します。

公式正解 5

妥当なのは5です。定款の制限を知っていても、理事会の承認を得たと過失なく信じた相手方は、表見代理の規定の類推で保護されます。

1:妥当でない。他人物売買は、所有者に譲渡の意思がないことが当初から明確で移転が不能でも、契約として有効に成立します(最判昭和25年10月26日)。移転できないことは債務不履行の問題です。

2:妥当でない。権利者Aが他人物売主Bを相続しても、Aは信義則に反する特別の事情がない限り、売主としての履行を拒絶できるとされています(最大判昭和49年9月4日)。Cが当然に所有権を取得するわけではありません。

3:妥当でない。即時取得は前主の無権利を補う制度で、代理権がないという取引行為自体の欠陥は補いません。無権代理人との取引では即時取得は成立しません。

4:妥当でない。相手方が代理権のないことを過失によって知らなかった場合でも、無権代理人自身が代理権のないことを知っていたときは、相手方は履行又は損害賠償を請求できます(民法117条2項2号ただし書)。

5:妥当。理事の代表権に加えた定款の制限を知っていた相手方でも、理事会の承認を得たと信じ、そう信じることに正当な理由があるときは、民法110条の類推で保護されるとされています(最判昭和60年11月29日)。

公式問題で問32を見る

組合

問33 業務の決定・執行の委任・組合財産・脱退・業務執行者の解任

組合の業務は組合員だけでなく第三者にも委任できます。組合財産は総組合員の共有ですが、清算前に分割を請求することはできません。

公式正解 5

正しいのは5です。業務の決定と執行を任された組合員を解任できるのは正当な事由がある場合で、他の組合員の一致が必要です。

1:誤り。組合の業務の決定及び執行は、組合契約の定めにより、一人又は数人の組合員又は第三者に委任することができます(民法670条2項)。

2:誤り。業務の執行も、組合員だけでなく第三者に委任できます(670条2項)。

3:誤り。組合財産は総組合員の共有に属しますが、組合員は清算前に組合財産の分割を求めることができません(668条・676条3項)。

4:誤り。存続期間を定めた場合は、やむを得ない事由がなければ脱退できません(678条2項)。いつでも脱退できるのは期間を定めなかった場合で、それでも組合に不利な時期の脱退は原則としてできません(678条1項)。

5:正しい。業務の決定・執行を委任された組合員は、正当な事由がなければ辞任できず、正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によって解任できます(672条1項・2項)。

公式問題で問33を見る

不法行為

問34 近親者の慰謝料・法人の名誉毀損・企業損害・定期金賠償・別原因による死亡

公式の正解は「全員正解」です。判例に照らすと、肢3と肢5がいずれも妥当といえる内容でした。

公式正解 全員正解

公式の正解は全員正解です。各肢を判例で確認すると、肢3と肢5の二つが妥当な記述になります(当サイトの検討)。

1:妥当でない。近親者固有の慰謝料(民法711条)は父母、配偶者及び子に認められる規定で、相続人であれば常に認められるものではありません。

2:妥当でない。法人が名誉を毀損された場合でも、金銭評価が可能な無形の損害の賠償が認められるとされています(最判昭和39年1月28日)。

3:妥当。被害者が個人会社の唯一の代表取締役で代替性がなく、会社と経済的に一体をなす事情の下では、会社は加害者に営業上の逸失利益の賠償を請求できるとされています(最判昭和43年11月15日)。

4:妥当でない。後遺障害による逸失利益についても、被害者が求めれば定期金による賠償が認められ得るとされています(最判令和2年7月9日)。

5:妥当。交通事故の後に別の原因で死亡しても、事故の時点で死亡の原因となる具体的な事由があり、近いうちの死亡が客観的に見込まれていたといった特段の事情がなければ、就労可能期間の認定で死亡の事実は考慮しないとされています(最判平成8年4月25日)。

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遺産分割

問35 協議の解除・預金債権の承継・分割前の処分・期間・預貯金の払戻し

2018年・2021年の相続法改正で、遺産分割前の処分財産の扱い(906条の2)、預貯金の仮払い(909条の2)、相続開始から10年経過後の分割(904条の3)が整備されました。

公式正解 2

妥当なのは2です。法定相続分を超えて預金債権を承継したときは、債権譲渡の対抗要件を備えなければ第三者に対抗できません。

1:妥当でない。遺産分割協議で負担した債務が履行されなくても、他の相続人は民法541条によって遺産分割協議を解除することはできないとされています(最判平成元年2月9日)。

2:妥当。相続させる旨の遺言による承継でも、法定相続分を超える部分は対抗要件を備えなければ第三者に対抗できず(899条の2第1項)、債権では債務者への通知などが対抗要件になります。

3:妥当でない。遺産分割前に処分された財産も、共同相続人全員の同意があれば遺産分割時に存在するものとみなせます。処分した相続人の同意は要りません(906条の2)。

4:妥当でない。相続開始から10年を経過しても遺産分割の調停・審判を申し立てることはできます。10年経過後は、原則として特別受益と寄与分を主張できなくなるにとどまります(904条の3)。

5:妥当でない。各共同相続人は、遺産分割前でも、預貯金債権の一定額(相続開始時の額の3分の1に法定相続分を掛けた額で、金融機関ごとに上限あり)を単独で払い戻せます(909条の2)。

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動産売買の先取特権

問45 売主が代金を確保する方法

動産の売主は、売買代金とその利息について、その動産の上に先取特権を持ちます。買主の一般債権者に優先して弁済を受けられます。

公式正解例あり

公式正解例の一つは「Aは、動産売買の先取特権に基づき、一般債権者に優先して売買代金を確保することができる。」です。

権利:動産の売買の先取特権(民法311条5号・321条)。売主は、売却した動産の代価と利息について先取特権を持ちます。

方法:先取特権に基づいて甲を競売し(民事執行法190条)、その売却代金から一般債権者に優先して弁済を受けます。甲は第三者に転売されずBの倉庫にあるので、追及効の問題も生じません(民法333条参照)。

公式の正解例:「動産売買の先取特権に基づき、甲を競売して、一般債権者に優先して売買代金を確保する。」も示されています。

別の正解例:Bに催告し、相当期間内に履行がなければ契約を解除して甲の返還を求め、Aが売却する方法(541条)も、公式に正解例として示されています。

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債権者代位権

問46 登記請求権を保全するための代位

C→B→Aと順に売買された土地で登記名義がCに残っている場合、Aは自分のBに対する登記請求権を守るため、BのCに対する登記請求権を代わりに行使できます。

公式正解例あり

公式正解例は「Aは、Bに対する登記請求権の保全のため、BのCに対する登記請求権をBに代位して行使する。」という趣旨です。

何のために:Aが有するBに対する所有権移転登記請求権を保全するためです。

誰の誰に対する権利:BがCに対して持つ所有権移転登記請求権です。

どのように:Aは、Bに代位してCに対しこの登記請求権を行使します(民法423条の7)。登記請求権を保全するための代位では、Bの無資力は要件になりません。

書き方:「保全のため」「BのCに対する登記請求権」「Bに代位して行使」の3点を40字程度にまとめます。

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商法・会社法の解答・解説(5問)

交互計算、会社設立、株主総会、監査役、株券制度の機関と手続を確認します。株主総会・取締役会・監査役会の権限主体を入れ替えた肢に注意が必要です。

匿名組合

問36 出資の帰属・第三者への責任・利益配当・検査・終了事由

匿名組合員は営業者の営業のために出資し、その利益の分配を受ける者で、営業者の行為について第三者に対し権利義務を持ちません。

公式正解 2

誤っているのは2です。匿名組合員は、債権者が匿名組合の存在を知っていても、営業者の債務について責任を負いません。

1:正しい。匿名組合員の出資は、営業者の財産に属します(商法536条1項)。

2:誤り。匿名組合員は、営業者の行為について第三者に対して権利義務を有しません(536条4項)。連帯責任を負うのは、自己の氏名などを営業者の商号中に用いることを許諾した場合です(537条)。

3:正しい。損失で出資が減ったときは、損失をてん補するまで利益の配当を請求できません(538条)。

4:正しい。匿名組合員は、営業年度の終了時に、営業者の営業時間内に業務と財産の状況を検査できます(539条1項)。

5:正しい。匿名組合員又は営業者が破産手続開始の決定を受けたことは、匿名組合契約の終了事由です(541条3号)。

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株主総会の議決権

問37 無議決権株式・自己株式・特別利害関係・監査役の解任・責任の免除

会社法は株主総会の議決権について、議決権制限株式、自己株式、決議要件、役員等の責任免除の要件を定めています。

公式正解 4

正しいのはイとオで、正解は4です。

ア:誤り。株主総会の全部の事項について議決権を行使できない株式(議決権制限株式)も発行できるので、定款の定めは有効です(会社法108条1項3号)。

イ:正しい。株式会社は、自己株式については議決権を有しません(308条2項)。

ウ:誤り。会社法には特別利害関係人の議決権を排除する規定はなく、取締役候補者である株主も選任決議で議決権を行使できます。

エ:誤り。監査役の選任は普通決議ですが、解任は特別決議(議決権の過半数の出席、出席株主の議決権の3分の2以上)が必要です(309条2項7号)。

オ:正しい。任務懈怠による役員等の責任を全部免除するには、総株主の同意が必要です(424条)。議決権のない株主も含みます。

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監査等委員会設置会社

問38 監査等委員である取締役の報酬等

監査等委員である取締役の独立性を守るため、その報酬等は他の取締役と区別して定め、総会の決議がない部分は監査等委員である取締役の協議で決めます。

公式正解 4

誤っているのは4です。監査等委員である各取締役の報酬等は、多数決ではなく、監査等委員である取締役の協議によって定めます。

1:正しい。報酬等は、監査等委員である取締役の分とそれ以外の取締役の分を分けて定めます(会社法361条2項)。

2:正しい。監査等委員である取締役は、自分たちの報酬等について株主総会で意見を述べられます(361条5項)。

3:正しい。監査等委員会が選定した監査等委員は、監査等委員以外の取締役の報酬等に関する監査等委員会の意見を株主総会で述べられます(361条6項)。

4:誤り。定款の定め又は総会の決議がないときは、総会で決議された報酬等の範囲内で、監査等委員である取締役の協議によって定めます(361条3項)。

5:正しい。監査等委員会設置会社の取締役会は、監査等委員以外の取締役の個人別の報酬等の決定方針を定めなければなりません(361条7項)。

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株式交換

問39 完全親会社の種類・全部取得・対価・株式買取請求・社債権者の異議

株式交換は、ある株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させる組織再編です。対価には親会社株式以外の金銭等も使えます。

公式正解 3

正しいのは3です。株式交換完全親会社は、完全子会社の株主に金銭等を交付できます。

1:誤り。株式交換完全親会社は、株式会社のほか合同会社でもかまいません(会社法767条)。

2:誤り。株式交換は、発行済株式の全部を取得させるものです(2条31号)。一部だけを取得する株式交換はできません。

3:正しい。完全子会社の株主に対して、親会社の株式に代えて金銭等を交付することができます(768条1項2号)。

4:誤り。株式交換完全親会社の反対株主も、自己の株式を公正な価格で買い取るよう請求できます(797条1項)。

5:誤り。株式交換契約新株予約権が付された新株予約権付社債の社債権者は、完全子会社に対して異議を述べることができます(789条1項3号)。

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会社の訴え

問40 決議の取消し・設立無効・新株発行無効・責任追及・役員の解任

株主総会決議の瑕疵は、内容の法令違反なら無効確認、手続の法令違反や内容の定款違反なら取消しと、訴えの種類が分かれます。

公式正解 1

誤っているのは1です。決議の内容が法令に違反するときは、決議無効確認の訴えの対象です。

1:誤り。決議の内容が法令に違反するときは無効で、決議無効確認の訴えで争います(会社法830条2項)。取消しの訴えの対象は、招集手続や決議方法の法令・定款違反、内容の定款違反などです(831条1項)。

2:正しい。設立無効の主張は、会社成立の日から2年以内に訴えで行う方法に限られます(828条1項1号)。

3:正しい。新株発行無効の判決が確定すると、無効とされた行為は将来に向かって効力を失います(839条)。

4:正しい。公開会社では、6か月前から引き続き株式を有する株主が、役員等の責任を追及する訴えの提起を請求できます(847条1項)。

5:正しい。役員の解任の訴えは、株式会社と解任を請求された役員の双方を被告とします(855条)。

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基礎知識の解答・解説(11問)

政治・経済・社会、情報通信、個人情報保護を制度の目的と最新用語から判断します。印象で選ばず、制度主体、年代、定義を一つずつ照合することが得点につながります。

政治

問47 政党助成・メディアリテラシー・政治資金規正・無党派層・フェミニズム

政治の基本用語と制度の定義を確認します。性差による差別に反対し男女同権を目指す主張は、フェミニズムです。

公式正解 5

妥当でないのは5です。記述はフェミニズムの説明で、ポピュリズムではありません。

1:妥当。政党助成法は、一定数以上の国会議員を有する政党や、議員を有し一定の得票率を得た政党に政党交付金を交付します。

2:妥当。メディアの情報を主体的・批判的に読み解く能力をメディア・リテラシーといいます。

3:妥当。政治資金規正法は、政治資金の収支の公開や寄附の規正を通じて、政治活動の公明と公正を確保します。

4:妥当。特定の支持政党を持たない有権者を無党派層といいます。

5:妥当でない。性差による差別に反対し、女性の権利を男性と同等にすることを目指す主張・運動はフェミニズムです。ポピュリズムは、大衆の支持を背景に既存のエリートや制度と対立する政治手法を指します。

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国際情勢

問48 中東・パレスチナ問題の経緯

パレスチナ分割決議、中東戦争、インティファーダ、オスロ合意、アブラハム合意を年代順に整理します。

公式正解 5

妥当でないのは5です。2020年のイスラエルとアラブ首長国連邦などとの国交正常化は、米国の仲介によるもので、イランは含まれません。

1:妥当。1947年の国連総会で、パレスチナをアラブ人国家、ユダヤ人国家、国際管理地区に分割する決議が採択されました。

2:妥当。1948年のイスラエル建国宣言に反発したアラブ諸国との間で、第一次中東戦争が起こりました。

3:妥当。1987年に占領地で始まったパレスチナ人の大規模な抵抗運動は、第一次インティファーダと呼ばれます。

4:妥当。1993年のオスロ合意(パレスチナ暫定自治協定)により、西岸地区とガザ地区で先行自治が始まりました。

5:妥当でない。2020年のアブラハム合意は米国の仲介で、イスラエルとアラブ首長国連邦・バーレーンなどが国交正常化に合意したものです。日本の仲介ではなく、イランも含まれていません。

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経済

問49 円の為替相場の歴史

固定相場制(1ドル=360円)、スミソニアン協定(308円)、変動相場制への移行、プラザ合意の順に整理します。

公式正解 2

妥当なのは2です。1ドル=360円の単一為替レートは1949年に設けられ、1971年のスミソニアン協定で308円に改められました。

1:妥当でない。金輸出の解禁は1930年で、1931年には再び禁止されました。記述のような自由経済圏の成立もありません。

2:妥当。1ドル=360円の単一レートは1949年に定められ、ニクソン・ショック後の1971年12月のスミソニアン協定で1ドル=308円に変更されました。

3:妥当でない。変動相場制では為替レートは外国為替市場の需給で決まり、IMF理事会が決定するものではありません。

4:妥当でない。1985年のドル高是正の合意はプラザ合意で、その後は円高ドル安が進みました。

5:妥当でない。アベノミクスの下で円安は進みましたが、1ドル=360円になったことはありません。記述の政策目標も事実と異なります。

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社会

問50 日本における外国人

外国籍の生徒のスポーツ大会参加、特定技能の対象分野、公務就任、入管施設での死亡事案、入国時の個人識別情報の提供を確認します。

公式正解 2

妥当なのはアとエで、正解は2です。

ア:妥当。高体連や高野連が主催する大会には、外国籍の生徒も出場できます。

イ:妥当でない。在留資格「特定技能1号」の対象分野に医師は含まれていません。

ウ:妥当でない。公権力の行使に当たる業務などに外国籍の者が就くことは想定されていないとされています(最大判平成17年1月26日)。全ての自治体で就労できるわけではありません。

エ:妥当。2021年に名古屋出入国在留管理局の収容施設でスリランカ人女性が亡くなり、遺族が国に賠償を求めて提訴しました。

オ:妥当でない。入国時に指紋と顔写真の提供を求められる外国人から、特別永住者は除かれています。

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社会

問51 ジェンダーに関する用語と出来事

ジェンダーギャップ指数の日本の順位、フェムテック、レインボーフラッグ、医学部入試の不正、マタニティ・ハラスメントを確認します。

公式正解 3

妥当なのは3です。性の多様性を尊重するシンボルとして、レインボーフラッグが使われています。

1:妥当でない。日本はジェンダーギャップ指数で例年下位にあり、上位10位以内に入ったことはありません。

2:妥当でない。フェムテックは、女性の健康上の課題を技術で解決する製品やサービスを指します。

3:妥当。虹色の旗(レインボーフラッグ)は、性的少数者の権利や性の多様性を象徴する旗として広く使われています。

4:妥当でない。2018年に明らかになったのは、医学部入試で女性の受験生などが不当に減点されていた問題です。

5:妥当でない。妊娠・出産を理由とする解雇や職場での嫌がらせはマタニティ・ハラスメントです。カスタマー・ハラスメントは顧客などからの著しい迷惑行為を指します。

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行政書士法

問52 報酬の掲示・審査請求の代理・資格・欠格事由

行政書士法の業務、資格、欠格事由を確認します。欠格期間はいずれも3年で、破産者は復権すれば資格を回復します。

公式正解 1

妥当なのは1です。行政書士は、事務所の見やすい場所に報酬の額を掲示しなければなりません。

1:妥当。行政書士は、その事務所の見やすい場所に、業務に関し受ける報酬の額を掲示しなければなりません(行政書士法10条の2第1項)。

2:妥当でない。日本行政書士会連合会の研修を修了した特定行政書士は、許認可等に関する審査請求などの手続を代理できます。

3:妥当でない。公務員として行政事務を担当した期間で資格を得るには、通算20年以上(高校卒業者などは17年以上)が必要です(2条6号)。

4:妥当でない。欠格事由は「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」で、復権すれば資格を有します(2条の2第2号)。

5:妥当でない。懲戒免職の処分を受けた公務員が資格を有しないのは、処分の日から3年を経過するまでです(2条の2第4号)。

令和8年度試験での注意 2026年1月1日施行の行政書士法改正で、目的規定が使命規定(1条)に改められ、職責の規定(1条の2)が置かれました。特定行政書士が代理できる審査請求は、行政書士が作成した書類に係るものから、作成することができる書類に係るものへ広がっています(1条の4)。報酬の掲示、資格、欠格事由の規定は変わっていません。

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住民基本台帳法

問53 住民票の記載事項

住民票の記載事項は住民基本台帳法7条に列挙されています。税額や連絡先、渡航歴は含まれません。

公式正解 5

妥当なのは5です。世帯主かどうか、世帯主でなければ世帯主の氏名と続柄は、住民票の記載事項です。

1:妥当でない。前年度の住民税の納税額は、住民票の記載事項ではありません。

2:妥当でない。緊急時の連絡先は、住民票の記載事項ではありません。

3:妥当でない。住民票には国民健康保険や国民年金などの資格に関する事項は記載されますが、地震保険の被保険者資格は記載事項ではありません。

4:妥当でない。海外渡航歴は、住民票の記載事項ではありません。

5:妥当。住民票には、世帯主であればその旨が、世帯主でなければ世帯主の氏名と続柄が記載されます(住民基本台帳法7条4号)。

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情報通信

問54 デジタル環境での情報流通に関する用語

生成AIや SNS に関する用語の定義を確認します。生成AIがもっともらしい誤情報を答える現象はハルシネーションです。

公式正解 1

妥当でないのは1です。生成AIが誤った情報を真実のように回答する現象はハルシネーションと呼ばれます。

1:妥当でない。記述はハルシネーションの説明です。アノテーションは、AIの学習用データに正解のラベルなどを付ける作業を指します。

2:妥当。アテンションエコノミーは、情報があふれる環境で人々の関心や時間が希少になり、経済的な価値を持つことを指します。

3:妥当。コンテンツモデレーションは、事業者が違法・規約違反のコンテンツを削除するなどの対応を指します。

4:妥当。ファクトチェックは、第三者が情報の真偽を検証し、その結果を公表する活動です。

5:妥当。フィルターバブルは、アルゴリズムによって自分の関心に合う情報ばかりに囲まれる状況を指します。

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情報通信

問55 欧米の情報通信法制

EUのデジタルサービス法(DSA)、デジタル市場法(DMA)、一般データ保護規則(GDPR)と、米国の個人情報保護法制の特徴を区別します。

公式正解 2

妥当でないのは2です。DMAは巨大プラットフォーム事業者の競争上の行為を規制する法律で、著作権侵害コンテンツへの対策を定めるものではありません。

1:妥当。DSAは、プラットフォーム事業者に、規模などに応じて利用者保護や違法コンテンツ対応の義務を課しています。

2:妥当でない。DMAは、ゲートキーパーと呼ばれる巨大プラットフォーム事業者に公正な競争を確保するための義務を課す法律です。著作権侵害コンテンツへの対策は、EUの著作権指令などで扱われています。

3:妥当。GDPRは、プロファイリングに異議を唱える権利やデータポータビリティの権利を個人に認めています。

4:妥当。米国には包括的な連邦法がなく、児童オンラインプライバシー保護法など分野ごとの連邦法があります。

5:妥当。米国では、カリフォルニア州のように包括的な個人情報保護の州法を持つ州があります。

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デジタル庁

問56 設置・個人情報保護委員会との関係・所掌事務

デジタル庁は内閣に置かれ、内閣総理大臣が長を務めます。マイナンバー制度や官民データ活用推進基本計画も所掌しています。

公式正解 4

妥当なのは4です。デジタル庁は、官民データ活用推進基本計画の作成と推進に関する事務を行っています。

1:妥当でない。デジタル庁は内閣に置かれています(デジタル庁設置法2条)。総務省の外局ではありません。

2:妥当でない。個人情報保護委員会は、行政機関に対しても指導・助言や勧告などを行うことができ、デジタル庁も対象です。

3:妥当でない。サイバーセキュリティ戦略本部は内閣に置かれています(サイバーセキュリティ基本法)。デジタル庁に置かれているのではありません。

4:妥当。官民データ活用推進基本計画の作成と推進に関する事務は、デジタル庁の所掌事務です(デジタル庁設置法4条2項)。

5:妥当でない。マイナンバーとマイナンバーカードに関する事務は、デジタル庁の所掌事務に含まれています。

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個人情報保護法

問57 漏えい等報告・不適正利用・提供記録・学術研究・公的部門

2020年・2021年の改正で、漏えい等の報告義務や不適正利用の禁止が設けられ、学術研究機関や国・地方公共団体の機関にも個人情報保護法が適用されるようになりました。

公式正解 4

妥当でないのは4です。学術研究機関が学術研究目的で個人情報を扱う場合も、個人情報取扱事業者の義務は原則として適用されます。

1:妥当。個人の権利利益を害するおそれが大きい漏えい等が発生したときは、個人情報保護委員会への報告が必要です(個人情報の保護に関する法律26条1項)。

2:妥当。違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法で個人情報を利用することは禁止されています(19条)。

3:妥当。個人データを第三者に提供したときは、原則として提供年月日や提供先の氏名などを記録しなければなりません(29条1項)。

4:妥当でない。2021年の改正で学術研究機関等の一律の適用除外はなくなり、義務は原則として適用されたうえで、利用目的による制限などの個別の規定に学術研究の例外が置かれています。

5:妥当。2021年の改正で、国の行政機関や地方公共団体の機関にも個人情報保護法の規定が適用されるようになりました。

令和8年度試験での注意 個人情報保護法は定期的に見直しが行われます。令和8年度試験では、問題文が前提とする時点の条文で確認してください。本問の5つの記述は、制度の基本的な仕組みに関するものです。

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出典と照合

出典は一般財団法人行政書士試験研究センター「令和6年度行政書士試験問題・正解」です。問題本文と選択肢は転載していません。正解は公式の正解と照合しています。

問題本文が公開されていない問題の公式正解:問1(基礎法学)は4、問58(文章理解)は2、問59(文章理解)は4、問60(文章理解)は1です。

解説は資格Hubが法令・判例で確かめて作成したもので、試験実施団体とは関係ありません。

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