法及び関係法令の解答・解説(27問)
貸金業法の登録・主任者・書面交付・総量規制・広告・債権譲渡と、出資法・利息制限法の金利規制を扱う27問です。届出の期限(あらかじめ・2週間・30日)や書類の保存期間の起算点を入れ替えた肢が多く、条文と施行規則の数字で確かめます。
貸金業法の定義
問1 貸金業者・資金需要者等・住宅資金貸付契約・手続実施基本契約
貸金業法2条は、貸金業者、顧客等、債務者等、資金需要者等などの用語を項ごとに定義しています。資金需要者等は「顧客等」と「債務者等」を合わせた言葉なので、二つの定義をたどって中身を確かめます。
正答 2
適切なのはcとdの2個で、正答は②です。
aは不適切。貸金業者とは、3条1項の登録を受けた者をいいます(2条2項)。貸金業は金銭の貸付けや貸借の媒介を業として行うことで(2条1項)、保証を業とする者はこの定義に含まれません。
bは不適切。資金需要者等は、顧客等(資金需要者である顧客又は保証人となろうとする者)と債務者等(債務者又は保証人)を合わせたものです(2条4項〜6項)。債務者であった者は含まれず、保証人側の者が抜けている点でも定義と異なります。
cは適切。住宅の建設・購入の資金(住宅用の土地や借地権の取得資金を含む)か、住宅の改良資金を貸し付ける契約が住宅資金貸付契約です(2条17項)。
dは適切。手続実施基本契約は、指定紛争解決機関と貸金業者が紛争解決等業務の実施について結ぶ契約です(2条23項)。
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登録の拒否事由
問2 復権後の期間・出資法違反の罰金・取消法人の元役員・貸付け業務の経験
「復権を得た日から5年」のように、拒否事由にない期間を付け足した記述が典型的なひっかけです。6条1項各号の文言と、審査基準を定める施行規則5条の7を見比べます。
正答 3
登録を拒否されるのはbとcで、正答は③です。
aは拒否されない。拒否事由は、破産手続開始の決定を受けて復権を得ていないことです(6条1項2号)。復権を得れば、その後の経過期間に関係なく、この事由には当たりません。
bは拒否される。貸金業法や出資法などに違反して罰金刑を受けた者は、刑の執行を終わるなどした日から5年を経過するまで登録を拒否されます(6条1項5号)。
cは拒否される。24条の6の4第1項で登録を取り消された法人について、聴聞の期日・場所の公示の日前60日以内に役員だった者は、取消しの日から5年間拒否事由に当たります(6条1項3号)。公示は取消しより前に行われるので、取消しの30日前まで在任した者はこの期間内に役員だったことになります。
dは拒否されない。審査基準は、常務に従事する役員のうちに貸付けの業務に3年以上従事した経験を持つ者がいることです(施行規則5条の7第1項2号)。経験を貸金業者での業務に限る定めはないため、他の金融機関での貸付け業務の経験でも満たします。
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反社会的勢力による被害の防止
問3 一元的な管理態勢・事前審査・取引判明時の対応・不当要求への対応
監督指針の反社会的勢力対策は、組織対応、対応部署による一元管理、事前審査、事後検証、取引解消、不当要求への対処の順に着眼点を並べています。取引が判明した後の対応を問う記述が、この設問の分かれ目です。
正答 3
適切なのはa・b・dの3個で、正答は③です。
aは適切。反社会的勢力対応部署を整備して一元的な管理態勢を構築し、情報を積極的に集めて分析し、データベースを適切に更新する体制が着眼点とされています。
bは適切。反社会的勢力に関する情報を使った事前審査と、契約書や取引約款への暴力団排除条項の導入によって、取引先となることを防ぐことが着眼点です。
cは不適切。取引が判明した場合は、対応部署を経由して経営陣に報告し、外部専門機関と連携しながら取引の解消を推進し、可能な限り回収を図るとされています。弁済の遅れや不当要求が起きるまで契約を続ける方針は、指針の考え方と逆です。
dは適切。不当要求には民事上の法的手段を尽くすとともに、被害届の提出などで刑事事件として扱うこともためらわない対応が着眼点です。
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貸金業務取扱主任者
問4 登録取消し後の制限・登録の更新・常時勤務の意味・主任者を欠いたとき
主任者登録の拒否事由(24条の27)と取消事由(24条の30)を結び付けて読む設問です。④は、2週間の猶予が「予見し難い事由」に限られる点を監督指針で確かめます。
正答 1
①は適切。職務に関して貸金業関係の法令に違反したことは主任者登録の取消事由で(24条の30第4号)、これにより取消しの処分を受けた者は、処分の日から5年を経過するまで登録を拒否されます(24条の27第1項7号)。
②は不適切。主任者登録は申請により更新します(24条の32第1項)。更新を受けようとする者は、更新の申請の日前6か月以内に行われる登録講習機関の講習を受けなければなりません(同条2項・24条の25第2項)。講習を受けるだけで更新されるわけではありません。
③は不適切。監督指針は、常時勤務する者といえるために営業時間内に営業所等に常時駐在する必要はないとしています。一方で、所属する営業所等が一つに決まっているだけでは足りず、社会通念上常時勤務していると認められる実態が必要です。
④は不適切。主任者が欠けたときの2週間の猶予は、予見し難い事由による場合の定めです(12条の3第3項)。監督指針は、急な死亡や失踪などに限られ、定年による退職のように会社として予見できるものは含まないとしています。定年退職なら、あらかじめ後任を置く必要があります。
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年収証明書
問5 提出が必要な金額・給与明細の期間・所得証明書の範囲・年収を把握できないとき
年収証明書の提出が必要になるのは、自社の貸付けが50万円を超える場合と、他社を含む合計が100万円を超える場合です(13条3項)。二つの基準のどちらか一方に当たれば提出を求めます。
正答 4
適切なのはcとdで、正答は④です。
aは不適切。今回の貸付けの金額と自社の既存残高の合計が50万円を超える場合は、他社分を足した合計が100万円以下でも年収証明書が必要です(13条3項1号)。貸付けの金額が60万円なので、この基準に当たります。
bは不適切。給与の支払明細書は、直近2か月分以上のものでなければなりません(施行規則10条の17第2項2号)。1年以内に発行されたものから任意に2か月分を選ぶことはできません。
cは適切。監督指針は、所得証明書(施行規則10条の17第1項8号)の例として、法令上の発行根拠がなくても、地方公共団体が行政サービスとして発行する所得・課税証明書を挙げています。
dは適切。年収証明書の提出がなく年収を把握できない場合は、返済能力を確認できないので、極度方式貸付けを含めて貸付けの契約を結べない(13条の2第1項)と監督指針は述べています。
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個人過剰貸付契約から除かれる契約
問6 住宅改良資金・自動車購入資金・高額療養費・不動産担保貸付け
除外契約の各号には、担保や生計同一などの条件が付いた号と、付いていない号が混在しています。条件のない号に条件を付け足した記述を見抜けるかが問われています。
正答 3
適切なのはb・c・dの3個で、正答は③です。
aは不適切。不動産の建設・購入資金や改良資金の貸付けは、担保の有無を問わず除外契約です(施行規則10条の21第1項1号)。住宅を担保としない改良資金の貸付けも該当します。
bは適切。自動車購入資金の貸付けが除外契約になるのは、貸金業者が自動車の所有権を取得するか、自動車が譲渡担保の目的となっている場合です(同項3号)。
cは適切。高額療養費の支払資金は、個人顧客本人か、本人と生計を一にする親族の分に限って除外契約になります(同項4号)。
dは適切。不動産担保の貸付けで除外契約となるのは、返済能力を超えないと認められるもので、個人顧客や担保提供者の居宅などを担保とするものは除かれます(同項6号)。
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極度方式基本契約の定期的な調査
問7 年収証明書が必要な合算額・残高10万円以下・停止措置中・基準額超過時の措置
3か月ごとの途上与信(13条の3第2項)には、調査を省ける場合が施行規則10条の25第3項に並んでいます。残高の基準が「10万円以下」である点と、停止措置の理由を正確に押さえます。
正答 2
①は不適切。調査の際に年収証明書の提出を受けなければならないのは、極度方式個人顧客合算額が100万円を超えるときです(13条の3第3項)。80万円であれば提出を受ける義務はありません。
②は適切。所定の期間の末日における極度方式貸付けの残高(他の極度方式基本契約の分を含む)の合計額が10万円以下であれば、調査は不要です(施行規則10条の25第3項1号)。
③は不適切。元本又は利息の支払の遅延を理由に新たな極度方式貸付けを停止しているときは、残高にかかわらず調査は不要です(同項3号イ)。
④は不適切。基準額超過極度方式基本契約に当たるときの措置は、基準額超過とならないための極度額の減額か、新たな極度方式貸付けの停止です(13条の4、施行規則10条の29)。基本契約の解除はこの措置に挙げられていません。
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広告と勧誘の規制
問8 事実と異なる説明の罰則・広告審査・勧誘の再開時期・借入意欲をそそる表示
法律の規制(16条)と日本貸金業協会の自主規制規則の両方を問う設問です。法律違反の効果は「行政処分か刑事罰か」、自主規制は「期間や手続」に注意して読みます。
正答 2
①は不適切。貸付けの条件について著しく事実に相違する説明をすることは16条1項違反で、行為者は48条1項3号により刑事罰の対象です。従業者が業務に関して違反したときは、両罰規定(51条1項)により貸金業者にも罰金刑が科されます。
②は適切。自主規制規則は、個人向け貸付けの広告をテレビCM、新聞、雑誌、電話帳に出すときは、協会が設ける審査機関の承認を得なければならないとしています。
③は不適切。勧誘を受けた資金需要者等が勧誘を望まない意思を明確に示したときは、最低6か月間、その取引や類似する取引の勧誘を見合わせることを目処に対応するとされています。3か月ではありません。
④は不適切。借入れが容易であることを過度に強調して借入意欲をそそる表示・説明は、16条2項3号で禁止されています。法令違反は登録の取消しや業務停止の対象となり(24条の6の4第1項2号)、取り消せないわけではありません。
次回受験での注意 2025年6月1日施行の刑法等改正に伴い、48条1項の「懲役」は「拘禁刑」に改められました。正誤は変わりません。
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契約締結前の書面
問9 極度方式基本契約の記載事項・極度方式貸付け・記載事項の変更・保証契約の2種類の書面
16条の2は、通常の貸付け(1項)、極度方式基本契約(2項)、保証契約(3項)の3つに分けて契約締結前の書面を定めています。極度方式貸付けごとの書面はなく、契約年月日のような締結後の事項も入りません。
正答 4
①は不適切。極度方式基本契約の契約締結前の書面に記載するのは、貸金業者の商号等、極度額、貸付けの利率、返済の方式などです(16条の2第2項)。契約年月日や相手方の氏名・住所は、契約締結時の書面の記載事項です(17条2項、施行規則13条3項)。
②は不適切。16条の2第1項は、極度方式基本契約と極度方式貸付けに係る契約を対象から除いています。極度方式貸付けのたびに契約締結前の書面を交付する義務はありません。
③は不適切。監督指針は、契約締結前の書面を交付した後、契約締結までに法定の記載事項が変わったときは、改めて契約締結前の書面を交付する必要があるとしています。
④は適切。保証契約の契約締結前の書面は、保証契約の概要を記載した書面と詳細を記載した書面の2種類を同時に交付しなければなりません(施行規則12条の2第7項)。
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保証契約の契約締結時の書面
問10 書面の交付先・連帯保証の記載・弁済の方式の変更・貸付契約の内容の書面
保証契約を後から結んだときに、どの書面を誰に渡すのかを問う設問です。17条3項(保証契約の内容)と同条4項(貸付契約の内容)の書面は、どちらも保証人に交付するものです。
正答 3
適切なのはbとdで、正答は③です。
aは不適切。17条3項の保証契約の内容を明らかにする書面は、保証人であるCに交付するものです。主たる債務者Bに交付するよう求める規定はありません。
bは適切。保証契約における契約締結時の書面には16条の2第3項各号の事項を記載します(施行規則13条6項1号)。保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担するときは、民法454条の規定の趣旨が記載事項に入ります(16条の2第3項5号、施行規則12条の2第5項)。
cは不適切。保証契約に基づく債務の弁済の方式は、利益となる変更かどうかを問わず、変更すれば書面の再交付が必要な事項です(17条3項後段、施行規則13条7項1号ロ・12条の2第6項1号)。
dは適切。貸付けに係る契約について保証契約を締結したときは、遅滞なく、17条1項各号の事項を記載した貸付契約の書面を保証人に交付しなければなりません(17条4項)。
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極度方式基本契約の書面の再交付
問11 極度額の引下げ後の引上げ・返済金額の設定方式・利率の引下げ・登録番号の括弧書
17条2項後段の再交付は、施行規則13条4項が「利益となる変更なら不要」の事項(イ)と「変更すれば必ず必要」の事項(ロ)に分けています。極度額だけは同条5項の特則で判断します。
正答 2
適切なのはaとdで、正答は②です。
aは適切。極度額を引き下げたときと、引き下げた後に元の額を上回らない額まで引き上げたときは、再交付は不要です(施行規則13条5項)。30万円から15万円に下げた後の20万円への引上げはこれに当たります。
bは不適切。各回の返済期日及び返済金額の設定の方式は、利益となる変更でも再交付が必要な事項です(施行規則13条4項1号ロ・3項1号チ)。
cは不適切。貸付けの利率は、引下げなど相手方の利益となる変更であれば再交付は不要です(施行規則13条4項1号イ)。
dは適切。登録番号は、変更したときに再交付を要する重要事項(施行規則13条4項)に含まれていません。更新で括弧書の登録回数が変わっても、書面を交付し直す必要はありません。
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保存義務
問12 従業者名簿・返済能力調査の記録・定期調査の記録・帳簿
保存期間は、起算点(作成日・最終記載日・最終返済期日)と年数の組合せで出題されます。第18回は4つの書類を並べ、起算点の取り違えを問いました。
正答 1
①は適切。従業者名簿の保存期間は、最終の記載をした日から10年間です(施行規則10条の9の2第3項)。
②は不適切。返済能力の調査の記録は、貸付けの契約に定められた最終の返済期日(債権が消滅したときは消滅した日)までの間保存します(施行規則10条の18第2項1号)。作成日から10年間ではありません。
③は不適切。基準額超過極度方式基本契約に当たるかを調べた記録(13条の3第4項)の保存期間は、作成後3年間です(施行規則10条の27第2項)。
④は不適切。帳簿の保存期間は、契約に定められた最終の返済期日(債権が消滅したときは消滅した日)から少なくとも10年間です(施行規則17条1項)。契約締結日が起算点ではありません。
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債権譲渡の規制
問13 譲受人への通知・書面の交付者・帳簿の扱い・開始等の届出
貸金業者が債権を譲渡すると、24条2項により書面交付や帳簿などの規制が譲受人にも及びます。譲渡人には、譲受人への通知(同条1項)と登録行政庁への届出が残ります。
正答 4
①は不適切。24条1項の通知は、譲受人が貸金業者であるかどうかを問わず必要です。貸金業者である譲受人を除く定めはありません。
②は不適切。債権の譲渡があったときは17条などの規定が譲受人に準用されるため(24条2項)、債権の内容を明らかにする書面を債務者に交付するのは譲受人です。
③は不適切。帳簿の備付け・保存義務(19条)は24条2項で譲受人にも準用されますが、譲渡人が作成した帳簿を譲受人に引き渡せば譲渡人の保存義務がなくなるという定めはありません。譲渡人は、施行規則17条1項の期間、自らの帳簿を保存します。
④は適切。貸付けに係る契約に基づく債権を他人に譲渡したときは、24条の規定が適用されない場合を除き、その日から2週間以内に登録行政庁へ届け出ます(24条の6の2第4号、施行規則26条の25第1項3号)。
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不祥事件
問14 不祥事件の範囲・第一報後の確認・検証の着眼点・届出後の監督手法
監督指針Ⅱ-2-8は、不祥事件の範囲、第一報を受けたときの確認、業務の適切性の検証、届出後の対応を順に定めています。4つの記述はいずれもこの流れに沿っています。
正答 4
a〜dはすべて適切で4個となるため、正答は④です。
aは適切。法令違反行為のほか、資金需要者等の利益を損なうおそれのある詐欺・横領・背任等や、業務に関して資金需要者等から告訴・告発され又は検挙された行為も不祥事件に当たるとされています。
bは適切。第一報があったときは、社内規則等に沿った内部管理部門と経営陣への報告、刑罰法令に触れるおそれのある事実の警察等への通報、内部監査部門など独立した部署による調査・解明を確認するとされています。
cは適切。発覚後の対応、経営陣や組織の関与、資金需要者等への影響、内部牽制機能、再発防止策と責任追及、資金需要者等への説明の6つが検証の着眼点として挙げられています。
dは適切。届出があった場合は、事実関係や発生原因、改善・対応策を深度あるヒアリングで確かめ、必要に応じて24条の6の10に基づく報告書を徴収して、自主的な業務改善の状況を把握するとされています。
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出資法と利息制限法の保証料規制
問15 年18%の利息と3%の保証料の扱い
利息と保証料を合わせた負担について、出資法は年20%、利息制限法は元本に応じた上限(本問は元本100万円なので年15%)で判定します。どちらの法律で、誰が責任を負うかを分けて考えます。
正答 1
適切なのはaだけで1個となるため、正答は①です。
aは適切。Aの利息は年18%で、出資法5条2項の上限である年20%を超えていません。保証料の契約より後に利息を増やした場合(5条の3)にも当たらないため、Aは刑事罰の対象になりません。
bは不適切。業として保証を行うCが、利息と合わせて年20%を超える保証料の契約をすると、出資法5条の2第1項の処罰対象です。18%と3%で合計21%になります。
cは不適切。元本100万円の利息の上限は年15%です(利息制限法1条3号)。18%の約定は、15%を超える部分が無効になります。
dは不適切。保証料は、法定上限額から主たる債務の利息を差し引いた額を超える部分が無効です(利息制限法8条1項)。利息だけで上限の15%に達しているため保証料を払う余地はなく、保証料の契約は全部無効です。
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みなし利息
問16 ATM利用料・公租公課・再度の口座振替費用・カード発行手数料
カードの「再発行」手数料は利息とみなされませんが、最初の「発行」手数料はみなし利息です。利息制限法6条と施行令1条・2条の範囲を正確に区別します。
正答 1
適切なのはaとbで、正答は①です。
aは適切。ATMなどの利用料は、1万円以下の受払いで110円、1万円を超える受払いで220円(いずれも消費税額等相当額を含む)までなら利息とみなされません(利息制限法6条2項3号、施行令2条)。2万円の弁済で220円は範囲内です。
bは適切。営業的金銭消費貸借でも、公租公課の支払に充てられるべき契約締結・弁済の費用は利息とみなされません(利息制限法3条ただし書・6条2項1号)。
cは不適切。口座振替で弁済期に弁済できなかったときの再度の口座振替手続の費用は、利息とみなされない費用です(施行令1条3号)。
dは不適切。利息とみなされないのはカードの再発行の手数料です(施行令1条1号)。契約締結時に交付するカードの発行手数料は、みなし利息に当たります。
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変更の届出
問17 主任者の氏名・取締役・ホームページアドレス・業務の種類及び方法
8条1項は、登録申請書の記載事項(4条1項各号)が変わったときの届出を定めています。事前の届出は、営業所等の名称・所在地(5号)と、広告等に表示する連絡先(7号)の2つだけです。
正答 4
①は適切。営業所等ごとに置く貸金業務取扱主任者の氏名・登録番号(4条1項6号)は、変更があった日から2週間以内に届け出ます(8条1項)。
②は適切。法人の役員の氏名(4条1項2号)も、変更があった日から2週間以内の届出事項です。
③は適切。ホームページアドレスは広告や勧誘で表示する連絡先等に当たり(4条1項7号、施行規則3条の2第1項2号)、変更しようとするときは、あらかじめ届け出ます。
④は適切でない。業務の種類及び方法(4条1項8号)は、変更があった日から2週間以内に届け出る事項です。事前の届出ではありません。
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廃業等の届出
問18 破産・死亡・合併消滅・金融サービス仲介業の登録
10条1項は、事由ごとに届出をする者と起算日を変えています。破産では「申立て」ではなく「開始の決定」が、届出者では会社ではなく破産管財人が問われます。
正答 1
①は適切でない。届出が必要になるのは破産手続開始の決定があった場合で、届け出るのは破産管財人です(10条1項3号)。申立てをしただけでは届出事由に当たりません。
②は適切。個人である貸金業者が死亡した場合は、相続人が、死亡の事実を知った日から30日以内に届け出ます(10条1項1号)。
③は適切。法人が合併により消滅した場合は、その法人を代表する役員であった者が、消滅した日から30日以内に届け出ます(10条1項2号)。
④は適切。貸金業貸付媒介業務の種別に係る金融サービス仲介業の登録を受けた場合は、登録を受けた者が30日以内に届け出ます(10条1項6号)。この場合、貸金業の登録は効力を失います(同条2項)。
次回受験での注意 ④の法律は、2024年2月1日の改正で「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に名称が変わりました。届出の期限と届出者は変わりません。
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経営管理等と業務の適切性
問19 社内規則・自己検証の頻度・法令等遵守・経営者保証ガイドライン
監督指針の総論部分から、内部監査を置けない小規模業者の扱いなど細かい数字が問われました。自己検証は「月1回以上」「記録は3年間保存」の組合せで覚えます。
正答 2
①は適切。社内規則等は規模・特性に応じて創意・工夫を生かし自主的に策定するものですが、内容は協会の自主規制規則に則ることが求められるとされています。
②は適切でない。他に業務に従事する者がいない個人の貸金業者が内部監査に代えて自己検証を行う場合、着眼点は頻度が少なくとも月1回以上となっているかです。年1回ではありません。
③は適切。貸金業者が自らの役割を認識して法令や社内規則等を厳格に守り、健全・適切な業務運営に努めることが、資金需要者等からの信頼の確立と貸金市場の健全性の確保に重要だとされています。
④は適切。金融機関は、経営者保証に関するガイドラインの趣旨や内容を踏まえて適切に対応し、ガイドラインを融資慣行として浸透・定着させることが求められているとされています。
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禁止行為と各種の制限
問20 保証人への説明・生命保険契約・広告表示・媒介手数料
12条の6から12条の8と16条の禁止規定の範囲を問う設問です。生命保険契約については、契約そのものではなく自殺を保険事故とすることが禁止されている点が要になります。
正答 2
①は適切。保証人となろうとする者に、主たる債務者が確実に弁済すると誤解させるおそれのあることを告げる行為は禁止されています(12条の6第3号)。
②は適切でない。12条の7は、資金需要者の死亡を保険事故とする保険契約の締結自体を禁止していません。禁止しているのは、その保険契約で自殺による死亡を保険事故とすることです。
③は適切。他の貸金業者の利用者や返済能力がない者を対象として勧誘する旨の表示・説明は、16条2項2号で禁止されています。
④は適切。媒介手数料を受け取った貸金業者は、その契約の更新(新たな役務の提供を伴わない内閣府令で定める行為を含む)に対して、新たな手数料を受け取ったり要求したりできません(12条の8第10項)。
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返済能力の調査
問21 法人顧客・極度額の再増額・極度方式貸付け・手形の割引
③の「5万円超かつ10万円超」は、13条の3第1項の月次の途上与信の要件です。契約締結時の調査(13条)と混ぜた記述に注意します。
正答 3
①は適切。指定信用情報機関の信用情報の使用が義務付けられているのは、個人である顧客等との契約です(13条2項)。法人顧客との契約では使用義務はありません。
②は適切。連絡がとれないために極度額を一時的に減額し、連絡がとれた後に減額前の額まで戻す場合は(返済能力の低下による減額を除く)、増額時の調査規定が準用されません(13条5項、施行規則10条の19)。
③は適切でない。極度方式貸付けに係る契約は、信用情報の使用義務の対象外です(13条2項、施行規則10条の16第1号)。金額によって使用義務が生じる規定ではありません。
④は適切。手形(融通手形を除く)の割引を内容とする契約も、信用情報の使用義務の対象から除かれています(施行規則10条の16第2号・1条の2の3第2号)。
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過剰貸付け等の禁止
問22 法人顧客・新規事業資金・事業者の収入・除外契約の書面保存
13条の2第1項は法人を含むすべての顧客について返済能力を超える貸付けを禁じ、同条2項は個人顧客に総量規制をかけています。年収に加える定期的な収入の範囲は施行規則10条の22が決めています。
正答 3
①は適切。返済能力を超える貸付けの契約の禁止(13条の2第1項)は、個人に限らず法人顧客との契約にも及びます。
②は適切。現に事業を営んでいない個人顧客への新規事業資金の貸付けで、資金が確実に事業に使われると認められ、事業計画等に照らして返済能力を超えないものは例外契約です(施行規則10条の23第1項5号)。
③は適切でない。年間の給与に類する定期的な収入として扱えるのは、過去の状況に照らして安定的と認められる年間の事業所得の金額です(施行規則10条の22第1項4号)。所得税法上の総収入金額ではありません。
④は適切。除外契約を結んだときは、建設工事の請負契約書の写しなどの書面について、契約に定められた最終の返済期日(債権が消滅したときは消滅した日)まで保存する義務があります(施行規則10条の21第2項)。
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例外契約
問23 個人事業者向け・つなぎ資金・特定緊急貸付け・借換え
例外契約の各号は、要件を「すべて満たす」形で並んでいます。①の「いずれか」という言い方が、条文の「次に掲げるすべての要件」と食い違っていないかを確かめます。
正答 1
①は適切でない。事業を営む個人顧客への貸付けが例外契約となるには、事業の実態の確認と、事業計画等に照らして返済能力を超えないことの両方が必要です(施行規則10条の23第1項4号)。
②は適切。預金保険法の金融機関による正規貸付けまでのつなぎ資金で、正規貸付けが確実と認められ、返済期間が1か月以内のものは例外契約です(同項6号)。
③は適切。特定緊急貸付契約は、返済能力を超えないこと、合算額が10万円以下であることに加え、返済期間が3か月を超えないことが要件です(同項2号の2)。返済期間1年では該当しません。
④は適切。借換えの例外契約は、1か月の負担が既存債務の1か月の負担を上回らないことも要件です(同項1号イ)。返済総額が上回らなくても、月々の負担が増えるなら該当しません。
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貸付条件の広告と誇大広告の禁止
問24 広告の表示事項・広告の範囲・過度な広告の抑制・連絡先の表示
広告で表示すべき事項(15条1項、施行規則12条)と、契約書面の記載事項を混ぜた記述が出ました。「受け取る書面の内容」は、契約締結前・締結時の書面で使う言葉です。
正答 1
①は適切でない。貸付条件の広告等で表示するのは、商号・登録番号、貸付けの利率、返済の方式・期間・回数、賠償額の予定の割合、担保に関する事項などです(15条1項、施行規則12条1項・11条3項1号)。貸付けに関し受け取る書面の内容は含まれません。
②は適切。監督指針は、広告をある事項を随時又は継続して広く宣伝するため一般に知らせることとし、テレビ・ラジオのCM、新聞・雑誌、看板、チラシ、インターネット上の表示などを例に挙げています。
③は適切。広告や勧誘をするときは、返済能力を超える貸付けの防止に配慮し、過度にならないよう努めなければなりません(16条5項)。
④は適切。貸付条件の広告などでは、電話番号などの連絡先について、貸金業者登録簿に登録されたもの以外を表示・記録してはなりません(15条2項)。
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特定公正証書と公的給付
問25 委任状の取得・代理人の推薦・事前の説明・預金通帳等の保管
③の「遅滞なく」は、20条3項の「あらかじめ」と入れ替えた言葉です。強制執行に服することになる旨などの説明は、嘱託の前に済ませなければなりません。
正答 3
①は適切。債務者等から、特定公正証書の作成嘱託を代理人に委任することを証する書面を取得することは禁止されています(20条1項)。
②は適切。債務者等が代理人に委任する場合に、その代理人の選任について推薦などの関与をすることも禁止されています(20条2項)。
③は適切でない。特定公正証書の作成を嘱託する場合は、あらかじめ(嘱託を約する契約を結ぶときはその契約の締結まで)、強制執行に服することになる旨などを書面で説明しなければなりません(20条3項)。嘱託した後の説明では足りません。
④は適切。公的給付が振り込まれる口座から弁済を受ける目的で、特定受給権者の預金通帳等の引渡しや提供を求めたり、保管したりすることは禁止されています(20条の2)。
次回受験での注意 2025年10月1日施行の改正で、20条1項は委任を証する電磁的記録の取得も禁止の対象とし、特定公正証書の定義も電磁的記録で作られた公正証書を含むものに改められました。正誤は変わりません。
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監督と登録の取消し
問26 事業報告書・報告徴収・暴力団員等の使用・営業の未開始
登録の取消しには、必ず取り消す場合(24条の6の5)と、取り消すことができる場合(24条の6の4・24条の6の6)があります。暴力団員等を業務に従事させたときは前者です。
正答 3
①は適切。貸金業者は事業年度ごとに事業報告書を作成し、事業年度経過後3か月以内に登録行政庁へ提出します(24条の6の9)。
②は適切。登録行政庁は、法律の施行に必要があると認めるときは、業務に関する報告や資料の提出を命じることができます(24条の6の10第1項)。
③は適切でない。12条の5に違反して暴力団員等を業務に従事させたときは、登録を取り消さなければなりません(24条の6の5第1項5号)。業務停止で済ませる選択肢はありません。
④は適切。正当な理由なく登録の日から6か月以内に貸金業を開始しないときは、登録を取り消すことができます(24条の6の6第1項2号)。
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利息制限法の元本額の特則
問27 完済後の貸付け・同時の貸付け・残高がある場合・複数の同時貸付け
利息制限法5条は、既存の残高と新しい元本を合算した額で上限利率を決めます。完済後の貸付けは合算せず、同時に結んだ契約は元本を合計します。
正答 4
①は適切。第一契約を完済した後の第二契約は残高と合算しないため、元本5万円で上限は年20%です(1条1号)。20%の約定は有効です。
②は適切。同時に結んだ契約は元本を合計して判断します(5条2号)。合計100万円で上限は年15%となり、第一契約の18%は15%を超える部分が無効です。
③は適切。残高30万円がある時点の新たな貸付けは、残高と元本を合算します(5条1号)。合計110万円で上限は年15%となり、第二契約の18%は15%を超える部分が無効です。
④は適切でない。残高50万円に、同時に貸し付けた5万円と50万円を加えると105万円で、上限は年15%です(5条1号・2号)。第二契約・第三契約とも、15%を超える部分が無効になります。
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貸付け・債権管理の実務の解答・解説(15問)
民法の行為能力・無効と取消し・時効・債権譲渡・相殺・保証・相続と、犯罪収益移転防止法、手形法・電子記録債権法、民事訴訟法を扱う15問です。詐欺と強迫の第三者保護や、陳述擬制が認められる期日のように、似た制度の適用範囲の違いを条文で分けます。
意思能力と行為能力
問28 意思無能力・未成年者・成年被後見人・被保佐人
意思能力を欠く行為は無効、制限行為能力者の行為は取消しと、効果が分かれます。成年被後見人だけは、同意を得た行為でも取り消せます。
正答 3
①は不適切。意思表示をした時に意思能力がなかった法律行為は無効です(民法3条の2)。取り消すことができる行為ではありません。
②は不適切。未成年者が単に権利を得たり義務を免れたりする法律行為は、法定代理人の同意が不要です(5条1項ただし書)。権利を得る行為にも同意は要りません。
③は適切。成年被後見人の法律行為は、日用品の購入など日常生活に関する行為を除き、取り消すことができます(9条)。成年後見人には同意権がないため、事前の同意があっても取り消せます。
④は不適切。借財や元本の領収は、被保佐人が保佐人の同意を得なければならない行為です(13条1項1号・2号)。
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無効と取消し
問29 無効な行為の追認・取消しの方法・取消しの効果・追認の時期
取消しの効果は「初めから無効」で、将来に向かってだけ無効になるのではありません。①と③は、無効と取消しの効果をずらした記述です。
正答 4
①は不適切。無効な行為は追認しても効力を生じません。無効と知って追認したときは、新たな行為をしたものとみなされるだけです(民法119条)。
②は不適切。制限行為能力者は、法定代理人などの同意を得なくても、自ら取り消すことができます(120条1項)。
③は不適切。取り消された行為は、初めから無効であったものとみなされます(121条)。
④は適切。取消しの原因となった状況が消えて、取消権があると知った後でなければ、追認は効力を生じません(124条1項)。
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時効
問30 消滅時効の期間・時効利益の放棄・完成猶予と更新の効力・判決で確定した権利
2020年施行の民法改正後の時効規定から出題されています。①は「知った時から5年・行使できる時から10年」の数字を入れ替えた記述です。
正答 4
①は不適切。債権は、権利を行使できることを知った時から5年、又は行使できる時から10年行使しないと、時効によって消滅します(民法166条1項)。
②は不適切。時効の利益は、時効の完成前にあらかじめ放棄することができません(146条)。事前の放棄は効力がないので、時効を援用できます。
③は不適切。時効の完成猶予や更新の効力は、その事由が生じた当事者とその承継人の間にだけ及びます(153条1項)。利害関係を持つすべての者に及ぶわけではありません。
④は適切。確定判決などで確定した権利は、10年より短い時効期間の定めがあっても時効期間が10年になります。確定の時に弁済期が来ていない債権は除かれます(169条)。
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債権の目的と効力
問31 特定物の保存・特別損害・金銭債務の不可抗力・損害の証明
金銭債務の不履行には、民法419条の特則があります。不可抗力の抗弁ができない点と、損害の証明が要らない点は、一般の損害賠償と異なります。
正答 1
①は適切。特定物の引渡しを目的とする債権では、債務者は引渡しまで、善良な管理者の注意(契約などの発生原因と取引上の社会通念で定まるもの)で物を保存しなければなりません(民法400条)。
②は不適切。特別の事情による損害も、当事者がその事情を予見すべきであったときは賠償を請求できます(416条2項)。
③は不適切。金銭債務の不履行については、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができません(419条3項)。不可抗力でも損害賠償の責任を負います。
④は不適切。金銭債務の不履行による損害賠償では、債権者は損害を証明する必要がありません(419条2項)。賠償額の予定がなくても同じです。
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債権譲渡
問32 譲渡制限特約・債務者への対抗要件・確定日付のない承諾・通知の到達の先後
債務者に対しては通知か承諾があれば足り、債務者以外の第三者に対しては確定日付のある証書が必要です(民法467条)。二重譲渡の優劣は、確定日付のある通知が債務者に届いた順で決まります。
正答 3
①は不適切。譲渡を制限する特約があっても、債権譲渡の効力は妨げられません(民法466条2項)。Cは債権を取得します。
②は不適切。債務者に対抗するには、譲渡人からの通知か債務者の承諾があれば足ります(467条1項)。確定日付のない通知でも、Cは譲渡をBに対抗できます。
③は適切。確定日付のない承諾しか得ていないCは、確定日付のある通知を備えたDに対抗できません(467条2項)。Bは、Cからの請求を拒むことができます。
④は不適切。判例(最判昭和49年3月7日)は、確定日付のある通知が債務者に到達した日時の先後で優劣を決めるとしています。先に到達したDが優先するため、BはCの請求を拒めます。
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相殺
問33 差し押さえられた自働債権・自働債権の弁済期・差押え前の債権・時効消滅した債権
相殺では、相殺する側の債権(自働債権)が弁済期にあることが必要です(民法505条1項)。相手方の債権(受働債権)の期限は、相殺する側が期限の利益を放棄すれば足ります。
正答 2
①は不適切。甲債権がCに差し押さえられると、Aは甲債権の取立てその他の処分を禁じられます(民事執行法145条1項)。差し押さえられた甲債権を自働債権として相殺することはできません。
②は適切。Aが相殺するときの自働債権は甲債権です。甲債権の弁済期が到来していないため相殺に適する状態になく、Aは相殺できません(民法505条1項)。
③は不適切。差押え前に取得した債権による相殺は、差押債権者に対抗できます(511条1項)。乙債権の差押え前に甲債権を取得したAは、相殺をDに対抗できます。
④は不適切。時効で消滅した債権でも、消滅前に相殺に適するようになっていれば、その債権者は相殺できます(508条)。
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金銭消費貸借
問34 書面でする消費貸借の解除・利息の約定・分割返済の遅滞・重利
2020年施行の民法改正で、書面でする消費貸借は合意だけで成立し、借主は金銭を受け取るまで解除できることになりました(民法587条の2)。
正答 1
①は適切。書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭を受け取るまで契約を解除できます(587条の2第2項)。
②は不適切。貸主は、特約がなければ借主に利息を請求できません(589条1項)。利息の約定がない以上、法定利息も請求できません。
③は不適切。分割弁済の1回の遅滞で残債務全部を請求できるのは、期限の利益喪失の特約がある場合です。民法137条の喪失事由に履行遅滞は含まれていません。
④は不適切。利息の支払が1年分以上延滞し、催告しても支払われないときは、債権者は利息を元本に組み入れることができます(405条)。
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犯罪収益移転防止法
問35 確認事項・本人確認書類の有効期限・写しの提示・確認済みの顧客
自然人の取引時確認で確かめる事項は、本人特定事項、取引を行う目的、職業です。資産・収入の状況は、ハイリスク取引で必要に応じて確認する事項です。
正答 2
①は不適切。自然人の顧客について確認するのは、本人特定事項(氏名・住居・生年月日)、取引を行う目的、職業です(犯罪収益移転防止法4条1項)。収入は通常の取引時確認の事項に入りません。
②は適切。運転免許証のように有効期間のある本人確認書類は提示を受ける日に有効なもの、住民票の写しのように有効期間のない書類は提示日前6か月以内に作成されたものに限られます(施行規則7条)。
③は不適切。運転免許証による対面での確認は、原本の提示を受けて行います(施行規則6条1項1号イ)。写しの提示を受ける方法は定められていません。
④は不適切。過去に取引時確認をして確認記録を保存している顧客で、本人であることを確かめる措置をとった場合は、改めて取引時確認をする必要はありません(4条3項、施行令13条2項)。
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意思表示
問36 虚偽表示・動機の錯誤・詐欺・強迫と第三者
第三者の保護は、虚偽表示(善意)、錯誤と詐欺(善意無過失)で認められ、強迫では認められません。④は、詐欺の規律を強迫に当てはめた記述です。
正答 4
①は適切。通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗できません(民法94条2項)。
②は適切。動機の錯誤で取り消せるのは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限られます(95条1項2号・2項)。
③は適切。詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗できません(96条3項)。
④は適切でない。96条3項の第三者保護は詐欺に限られ、強迫による取消しは善意無過失の第三者にも対抗できます。
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期間の計算
問37 時間による期間・初日不算入・末日が休日・月の末日
期間の計算は、起算日(初日を算入するか)と満了日(応当日の前日・月末)の二段階で確かめます。末日が休日のときは、慣習がある場合に限り翌日に延びます。
正答 3
①は適切。時間で定めた期間は即時から起算します(民法139条)。午前10時30分から6時間なら午後4時30分に満了します。
②は適切。日・週で定めた期間は初日を算入しないため(140条)、10月2日から起算し、2週間後の応当日の前日である10月15日の終了で満了します(143条2項)。
③は適切でない。期間の末日が日曜日などの休日に当たり、その日に取引をしない慣習があるときは、期間はその翌日に満了します(142条)。前日ではありません。
④は適切。午前0時から始まる期間は初日を算入します(140条ただし書)。10月31日起算の1か月は、11月に応当日がないため11月30日に満了します(143条2項ただし書)。
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質権と抵当権
問38 債権質の対抗要件・直接取立ての範囲・根抵当権の極度額・債権の範囲の変更
債権質の質権者は直接取り立てられますが、金銭債権なら自分の債権額に対応する部分までです(民法366条2項)。②は、この上限を外した記述です。
正答 2
①は適切。債権を目的とする質権は、債権譲渡と同じく、第三債務者への通知か承諾がなければ第三債務者に対抗できません(364条・467条)。
②は適切でない。質権の目的である債権が金銭債権のときは、質権者が直接取り立てられるのは自己の債権額に対応する部分に限られます(366条2項)。
③は適切。根抵当権者は、確定した元本と利息・損害金の全部について、極度額を限度に根抵当権を行使できます(398条の3第1項)。
④は適切。元本の確定前は、後順位の抵当権者などの承諾を得ずに、担保すべき債権の範囲を変更できます(398条の4第1項・2項)。
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保証
問39 保証債務だけの違約金・連帯保証人の抗弁・取り消しうる債務の保証・保証人の要件
保証債務の負担は主たる債務より重くできませんが(民法448条1項)、保証債務についてだけ違約金や損害賠償の額を約定することは認められています(447条2項)。
正答 1
①は適切でない。保証人は、その保証債務についてだけ、違約金や損害賠償の額を約定できます(447条2項)。負担が重い場合の減縮(448条1項)とは別の定めです。
②は適切。連帯保証人には、催告の抗弁(452条)と検索の抗弁(453条)がありません(454条)。
③は適切。行為能力の制限による取消しの原因を知りながら、その債務を保証した者は、不履行や取消しの場合に同一の目的の独立の債務を負担したものと推定されます(449条)。
④は適切。保証人を立てる義務がある場合、保証人は行為能力者で弁済の資力がある者でなければなりません(450条1項)。債権者が保証人を指名したときは、この要件は適用されません(同条3項)。
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相続
問40 法定相続分・相続分の指定と債権者・単純承認・相続放棄と代襲
代襲相続の原因は、死亡、相続欠格、廃除の3つです(民法887条2項)。相続放棄は代襲原因に入らないため、放棄した子の子は相続人になりません。
正答 4
①は適切。配偶者と子が相続人のとき、配偶者が2分の1、子が残りの2分の1を等分します(900条1号・4号)。C・Dは各4分の1です。
②は適切。遺言で相続分が指定されていても、相続債権者は各相続人に法定相続分に応じて権利を行使できます(902条の2)。
③は適切。相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなされます(921条1号)。費消は処分に当たります。
④は適切でない。相続放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされ(939条)、放棄は代襲原因ではありません。相続人はBとCで、Eは相続人になりません。
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手形法と電子記録債権法
問41 人的抗弁の切断・裏書の連続・発生記録・支払免責
詐欺による手形行為の取消しは、直接の相手方にしか主張できない人的抗弁です。善意で手形を取得した所持人には対抗できません(手形法17条)。
正答 1
①は適切でない。人的抗弁は、所持人が債務者を害することを知って手形を取得した場合を除き、所持人に対抗できません(手形法77条1項1号・17条)。事情を知らない所持人には、詐欺による取消しを主張できません。
②は適切。裏書の連続した手形の所持人は適法な所持人と推定されるため(手形法77条1項1号・16条1項)、権利を証明しなくても支払を請求できます。
③は適切。電子記録債権は、保証記録に係るものと特別求償権を除き、発生記録をすることによって生じます(電子記録債権法15条)。
④は適切。電子記録名義人に対する支払は、支払った者に悪意又は重大な過失がない限り、名義人に受領の権利がなくても効力を持ちます(電子記録債権法21条)。
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民事訴訟法
問42 合意管轄・訴えの提起・支配人の訴訟代理・陳述擬制
準備書面による陳述擬制(民事訴訟法158条)は、最初の口頭弁論期日の欠席に限られます。続行期日にも認めるのは簡易裁判所の特則(277条)です。
正答 4
①は適切。当事者は、第一審に限り、合意で管轄裁判所を定めることができます(11条1項)。専属管轄の定めがある訴えには適用されません(13条1項)。
②は適切。訴えの提起は訴状を提出してするのが原則で(134条1項)、簡易裁判所では口頭でも訴えを提起できます(271条)。
③は適切。支配人は法令により裁判上の行為をすることができる代理人で(商法21条1項)、弁護士でなくても訴訟代理人となれます(民事訴訟法54条1項)。
④は適切でない。地方裁判所では、準備書面を出していても、続行期日に欠席した当事者の陳述は擬制されません。陳述擬制は最初にすべき口頭弁論の期日に限られます(158条)。
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