法及び関係法令の解答・解説(27問)
貸金業法の登録・業務規制・書面・総量規制と、出資法・利息制限法の金利規制を扱う27問です。監督指針の着眼点を記述にした問が多く、届出の期限(あらかじめ・2週間)や年収証明書の金額基準(50万円・100万円)を入れ替えた肢を条文で確かめます。
貸金業法の定義
問1 貸金業・貸付けの契約・債務者等・個人信用情報
貸金業法2条の定義規定に、各記述の言葉を一つずつ当てはめます。似た用語の「信用情報」と「個人信用情報」は、別の項で別の内容が定められています。
正答 1
適切なのはbだけで1個となるため、正答は①です。
aは不適切。事業者がその従業者に対して行う貸付けは、貸金業の定義から除かれています(2条1項4号)。
bは適切。2条3項は、貸付けに係る契約と、その契約に係る保証契約の両方を「貸付けの契約」と定義しています。
cは不適切。債務者等とは、債務者又は保証人をいいます(2条5項)。資金需要者である顧客や債務者であった者は、この定義に入りません。
dは不適切。記述は「信用情報」の定義です(2条13項)。個人信用情報は、個人を相手方とする貸付けに係る契約(極度方式基本契約などを除く)に係る41条の35第1項各号の事項をいいます(2条14項)。
公式問題で問1を見る
登録の拒否事由
問2 貸付け業務の経験・営業所の人的体制・社内規則・純資産額
業務を的確に遂行する体制の審査基準は、施行規則5条の7第1項に並んでいます。純資産額の基準は、別に政令が5,000万円と定めています。
正答 2
登録を拒否されるのはaとcで、正答は②です。
aは拒否される。申請者が個人の場合は、本人が貸付けの業務に3年以上従事した経験を持つことが審査基準です(6条1項15号、施行規則5条の7第1項2号)。
bは拒否されない。基準は、営業所等ごとに、貸付けの業務の経験が1年以上ある常勤の役員又は使用人が1人以上いることです(施行規則5条の7第1項3号)。1人いれば満たします。
cは拒否される。資金需要者等の利益を守り、貸金業を適正に運営するための十分な社内規則を定めていることが審査基準です(同項4号)。
dは拒否されない。法人の純資産額の基準は5,000万円なので(6条1項14号、施行令3条の2)、1億円なら基準を満たします。
公式問題で問2を見る
変更の届出
問3 営業所の所在地・ホームページアドレス・業務の種類と方法・兼業の種類
「あらかじめ」と「変更後2週間以内」の取り違えが典型的な誤りです。8条1項が事前の届出とするのは、営業所等の名称・所在地(4条1項5号)と、広告や勧誘で表示する連絡先等(同項7号)だけです。
正答 2
適切なのはaとdで、正答は②です。
aは適切。営業所等の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ登録行政庁に届け出なければなりません(8条1項・4条1項5号)。
bは不適切。ホームページアドレスは広告や勧誘で表示する連絡先等に当たり(4条1項7号、施行規則3条の2第1項2号)、変更しようとするときにあらかじめ届け出ます。変更後2週間以内では遅れます。
cは不適切。業務の種類及び方法(4条1項8号)の変更は、変更の日から2週間以内に届け出る事項です。あらかじめ届け出る事項ではありません。
dは適切。他に事業を行っている場合のその事業の種類(4条1項9号)を変更したときは、その日から2週間以内に届け出ます。
公式問題で問3を見る
業務運営の措置
問4 返済能力情報の目的外利用の防止・委託先の監督・コンプライアンス態勢・情報管理
貸金業者が業務の適切な運営のために講じる措置について、施行規則の義務と監督指針の着眼点の両方から確かめる設問です。4つとも条文や指針の内容に沿っています。
正答 4
a〜dはすべて適切で4個となるため、正答は④です。
aは適切。信用情報に関する機関から受け取った個人の資金需要者等の返済能力情報は、返済能力の調査以外の目的に使わないよう措置を講じなければなりません(12条の2、施行規則10条の3)。
bは適切。業務を第三者に委託する場合は、受託者の業務の実施状況を定期的に又は必要に応じて確認し、必要に応じ改善させるなど、適切な監督のための措置を講じます(施行規則10条の5第2号)。
cは適切。監督指針は、コンプライアンス・プログラムや行動規範の策定と見直しに加え、業績評価や人事考課が収益目標に偏らずコンプライアンスを重視しているかに留意するとしています。
dは適切。監督指針は、顧客等に関する情報管理について、内部管理部門の点検や内部監査で実施状況を検証し、その結果に基づいて態勢を見直しているかに留意するとしています。
公式問題で問4を見る
苦情等対処の態勢
問5 受付態勢・事後的な説明態勢・情報共有・記録と分析
第19回は、監督指針の着眼点を記述にした設問が法令科目に多く出ています。苦情等への対処では、受付、説明、情報共有、記録・分析の流れで指針を読みます。
正答 3
適切なのはa・b・dの3個で、正答は③です。
aは適切。苦情等の発生状況に応じて受付窓口の対応を充実させ、利便に配慮したアクセス時間・手段を設けて広く苦情等を受け付ける態勢が着眼点です。
bは適切。苦情等への対処を手続の問題にとどめず事後的な説明態勢の問題と位置付け、できる限り資金需要者等に理解・納得してもらって解決を目指しているかが着眼点です。
cは不適切。監督指針が速やかな報告を求めているのは、重要案件と認められた場合の内部監査部門や経営陣への報告です。軽微な案件まですべて直ちに報告する態勢を求めてはいません。
dは適切。自ら対処したものに加え外部機関が介在したものも記録・保存し、指定ADR機関から提供された情報も使って分析し、態勢の改善や再発防止に生かすことが着眼点です。
公式問題で問5を見る
主任者と従業者名簿
問6 常時勤務の意味・主任者の必要数・名簿の記載対象・名簿の保存期間
主任者の数は、従業者全体ではなく「貸金業の業務に従事する者」の数で数えます。この人数は従業者名簿に記載されるべき従業者の数と一致すると監督指針は説明しています。
正答 4
①は不適切。監督指針は、常時勤務する者といえるには営業時間内に営業所等に常時駐在する必要はないが、社会通念に照らして常時勤務していると認められる実態が必要だとしています。
②は不適切。主任者は、業務に従事する者の数に対する割合が50分の1以上となる数を置けば足ります(施行規則10条の8)。従事者が50人なら1人です。
③は不適切。監督指針は、名簿の記載対象かを個別の事実関係で判断し、営業、審査、債権の管理・回収などに従事する者は雇用形態を問わず該当するとしています。勧誘を伴わない広告のみの業務などを除く定めは、証明書の携帯に関するものです(施行規則10条の9第2項)。
④は適切。従業者名簿は営業所等ごとに備え、従業者の氏名、住所、証明書の番号などを記載し、最終の記載をした日から10年間保存します(12条の4第2項、施行規則10条の9の2第3項)。
公式問題で問6を見る
禁止行為と罰則
問7 保証人への誤解させる告知・暴力団員等の使用・断定的判断の提供・従業者証明書
12条の6の禁止行為で刑事罰の対象になるのは、1号のうち虚偽のことを告げる行為だけです(48条1号の2)。暴力団員等の使用や証明書の不携帯には、それぞれ別の罰則があります。
正答 1
適切なのはaとbで、正答は①です。
aは適切。保証人となろうとする者に対し、主たる債務者が確実に弁済すると誤解させるおそれのあることを告げる行為は禁止されていますが(12条の6第3号)、罰則はなく、行政処分の対象です。
bは適切。暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者は暴力団員等に当たり、業務に従事させることは禁止されています(12条の5)。行政処分に加え、刑事罰の対象です(48条1号)。
cは不適切。断定的判断の提供は禁止行為ですが(12条の6第2号)、罰則の対象ではなく、行政処分の対象にとどまります。
dは不適切。証明書を携帯させずに業務に従事させることは12条の4第1項違反で、100万円以下の罰金の対象になります(49条3号)。
公式問題で問7を見る
返済能力の調査
問8 個人事業者・法人代表者の保証・極度額の増額・極度方式貸付け
まず相手方が個人かどうかを見て、次に13条2項と施行規則10条の16が信用情報の使用義務から除く契約に当たるかを確かめます。保証契約も貸付けの契約に含まれます。
正答 4
①は不適切。個人事業者も個人なので、貸付けに係る契約を締結しようとするときは、指定信用情報機関が保有する信用情報を使って返済能力を調査しなければなりません(13条2項)。
②は不適切。貸付けの契約には保証契約も含まれるので(2条3項)、個人である代表者Cと保証契約を締結しようとするときは、Cについても信用情報を使った調査が必要です。
③は不適切。極度額の増額にも返済能力の調査が必要です(13条5項)。調査が不要になるのは、相手方と連絡が取れないために一時的に減額し、連絡が取れたので元の額まで戻す場合で、返済能力の低下による減額は除かれています(施行規則10条の19)。
④は適切。極度方式貸付けに係る契約は、信用情報の使用義務の対象から除かれています(13条2項、施行規則10条の16第1号)。
公式問題で問8を見る
総量規制の除外契約
問9 つなぎ融資・有価証券担保・第三者提供の不動産担保・不動産の売却代金による返済
つなぎ融資の「本融資」を誰が行うか、担保を誰が提供するかで迷わせる記述が並びます。施行規則10条の21第1項は、どちらも限定していません。
正答 3
適切なのはbとdで、正答は③です。
aは不適切。不動産の建設・購入・改良に必要な資金の貸付け(施行規則10条の21第1項1号)が、自ら又は他の者により行われるまでのつなぎの貸付けは、除外契約に当たります(同項2号)。
bは適切。国債や上場株券などの有価証券を担保とし、貸付けの金額が契約締結時の時価の範囲内である貸付けは、除外契約に当たります(同項5号)。
cは不適切。不動産担保の貸付けで顧客の返済能力を超えず、価格の範囲内のものは、担保の提供者が顧客本人でなくても除外契約に当たります。居宅など生活の維持に不可欠な不動産は除かれます(同項6号)。
dは適切。売却を予定している不動産の売却代金で弁済される貸付けで、価格の範囲内であり、売却で生活に支障を来さないものは、除外契約に当たります(同項7号)。
公式問題で問9を見る
基準額超過極度方式基本契約の調査
問10 1か月ごとの調査の要件・信用情報の提供依頼の期限・定期調査の免除・停止措置の解除
極度方式基本契約の途上与信には、要件に該当したときの調査(13条の3第1項)と、3か月以内ごとの定期調査(同条2項)があります。数字、期限、免除される場合を条文で確かめます。
正答 2
①は不適切。1か月ごとの期間の調査が必要なのは、期間内の極度方式貸付けの合計額が5万円を超え、かつ期間末日の残高の合計額が10万円を超える場合です(施行規則10条の24第1項1号)。残高も要件に入ります。
②は適切。この要件を満たしたときの指定信用情報機関への個人信用情報の提供依頼は、その期間の末日から3週間を経過する日までに行います(同条2項)。
③は不適切。定期調査が不要になるのは、期間末日の残高が10万円以下の場合や、新たな極度方式貸付けを停止する措置を講じている場合などです(施行規則10条の25第3項)。極度額を減額する措置を講じただけでは不要になりません。
④は不適切。新たな貸付けの停止措置を解除しようとする場合が、調査の要件とされています(施行規則10条の24第1項2号)。解除した後1か月以内ではなく、解除する前に調査します。
公式問題で問10を見る
契約締結時の書面(極度方式)
問11 基本契約の書面の仮定表示・個別契約の書面と契約番号・マンスリーステートメント・極度額の再引上げ
極度方式の書面は、基本契約の書面(17条2項)、個別契約の書面(17条1項)、取引状況をまとめた書面(17条6項)の三つに分けて、それぞれの条文で判断します。
正答 1
①は適切。基本契約の書面には、極度額(下回る額を提示する場合はその額)を1回貸し付けることなどの仮定を置き、その仮定に基づく返済金額の合計額、返済期間・返済回数とその仮定を記載します(17条2項7号、施行規則13条3項1号ヨ)。
②は不適切。個別契約の書面で契約番号などの記載に代えられるのは、契約の相手方の商号・名称又は氏名及び住所です(施行規則13条1項1号ロ)。貸付けの利率などは代えられません。
③は不適切。承諾を得て取引状況の書面を交付する場合も、個別契約の書面に代えて、契約年月日や貸付けの金額などを記載した書面を交付します(17条6項)。何も交付しなくてよいわけではありません。
④は不適切。極度額を引き下げたときと、引き下げた後に元の額を上回らない額まで引き上げたときは、どちらも変更後の書面を交付する必要はありません(17条2項後段、施行規則13条5項)。
公式問題で問11を見る
契約締結時の書面の再交付
問12 商号・住所の変更・利率の引下げ・保証人への交付・変更後の書面の内容
契約締結時の書面を改めて交付するかどうかは、変更した事項の種類、相手方の利益になる変更か、保証人がいるかの三点で決まります。
正答 3
①は不適切。貸金業者の商号・名称又は氏名及び住所は、変更したときに書面の再交付が必要な重要事項に含まれていません(施行規則13条2項)。
②は不適切。貸付けの利率を引き下げるなど相手方の利益となる変更は、再交付が必要な場合から除かれています(施行規則13条2項1号イ)。
③は適切。保証契約がある場合に各回の返済期日や返済金額などの重要事項を変更したときは、相手方だけでなく保証人にも変更後の書面を交付しなければなりません(17条1項後段・4項後段、施行規則13条10項)。
④は不適切。重要事項を変更したときも、17条1項各号の事項について契約の内容を明らかにする書面を交付します(17条1項後段)。変更した事項だけを記載すれば足りるわけではありません。
公式問題で問12を見る
帳簿
問13 代理店での備付け・書面の写しによる代替・閲覧請求ができる者・請求を拒める場合
帳簿は営業所等ごとに備え(19条)、債務者等や債務者等であった者などは利害関係がある部分の閲覧・謄写を請求できます(19条の2)。請求できる者は施行規則17条の2が補っています。
正答 3
適切なのはbとdで、正答は③です。
aは不適切。帳簿は営業所等ごとに備え付けなければならず(19条)、営業所等には代理店も含まれます(施行規則1条の5第3項)。代理店を除く定めはありません。
bは適切。帳簿を保存すべき営業所等で契約締結時の書面の写しを保存すれば、施行規則16条1項1号の事項の記載に代えることができます(施行規則16条3項1号)。
cは不適切。保証人は債務者等に当たり、債務者等のために弁済をした者も請求できる者に含まれます(19条の2、施行規則17条の2第3号)。どちらも債務者の承諾は要りません。
dは適切。貸金業者が請求を拒めるのは、請求者の権利行使に関する調査が目的でないことが明らかなときに限られます(19条の2後段)。
公式問題で問13を見る
取立て行為の規制
問14 訪問・電話の時間帯・第三者からの弁済・家族への開示・反復した連絡
時間帯の数字を前後入れ替えた記述や、監督指針の条件を外した記述で誤らせる設問です。不適当な時間帯は午後9時から午前8時までです。
正答 4
①は不適切。正当な理由がないのに電話・ファクシミリ・訪問をしてはならない時間帯は、午後9時から午前8時までです(21条1項1号、施行規則19条1項)。
②は不適切。禁止されているのは、債務者等以外の者に債務者等に代わって弁済するよう要求することです(21条1項7号)。第三者が任意に弁済したものを受け取ること自体は禁止されていません。
③は不適切。監督指針は、家族に知られないよう要請を受けている場合以外は、家族が出た電話で貸金業者と名乗ることや差出人として貸金業者と示すことは、直ちに21条1項5号に当たるものではないとしています。
④は適切。監督指針は、反復継続して電話をかける、電報を送る、電子メールやファクシミリで送信する、居宅を訪問するといった行為は、私生活又は業務の平穏を害する言動に該当するおそれが大きいとしています。
公式問題で問14を見る
開始等の届出
問15 債権の譲渡と譲受け・業務の委託・協会への加入と脱退・届出期限
24条の6の2は、業務の開始・休止・再開などに加え、4号で内閣府令に届出事由を委ねています。施行規則26条の25第1項の列挙と、2項の期限を確かめます。
正答 3
適切なのはbとcで、正答は③です。
aは不適切。届出が必要なのは、貸付けに係る契約に基づく債権を他人に譲渡した場合です(施行規則26条の25第1項3号)。第三者から債権を譲り受けた場合は列挙されていません。
bは適切。第三者に貸金業の業務を委託した場合や、委託を行わなくなった場合は届出が必要です(同項6号)。
cは適切。貸金業協会に加入し、又は脱退した場合も届出が必要です(同項7号)。
dは不適切。開始等の届出は、該当することとなった日から2週間以内に行います(同条2項)。30日以内ではありません。
公式問題で問15を見る
監督処分
問16 立入検査の要件・役員の解任命令・暴力団員等の保証業者・業務改善命令の判断
処分の根拠条文を一つずつ開き、要件と処分の種類を対応させて判断します。登録取消し・業務停止の事由は24条の6の4第1項、解任命令は同条2項です。
正答 2
①は不適切。立入検査は、資金需要者等の利益の保護を図るため必要があると認めるときに行えます(24条の6の10第3項)。法令違反が認められることは要件ではありません。
②は適切。取立て制限者と知りながら債権譲渡等をすることは処分事由で(24条の6の4第1項3号)、その事由に該当することとなった役員について、登録行政庁は解任を命ずることができます(同条2項)。
③は不適切。暴力団員等である保証業者は取立て制限者に当たり(24条の2第3項)、それと知りながら保証契約を締結したときは、登録の取消し又は業務停止を命ずることができます(24条の6の4第1項5号)。
④は不適切。監督指針は、処分の検討で行為の重大性・悪質性などに加え、貸金業者が行政の対応に先行して自主的に資金需要者等の利益の保護に取り組んでいるといった軽減事由も考慮するとしています。
公式問題で問16を見る
指定信用情報機関への情報提供
問17 極度方式基本契約の情報提供・同意の記録の保存期間・信用情報の目的外使用・同意の取得方法
提供義務の対象契約、同意記録の保存期間、同意の方法は、それぞれ別の条文にあります。保存期間を「提供した日から10年」とするなど、数字を作った記述に注意します。
正答 4
適切なのはcとdで、正答は④です。
aは不適切。個人信用情報を遅滞なく提供しなければならない貸付けに係る契約からは、極度方式基本契約が除かれています(41条の35第2項)。
bは不適切。同意に関する記録は、その同意に基づき指定信用情報機関が信用情報を保有している間保存します(施行規則30条の16)。提供した日から10年間ではありません。
cは適切。監督指針は、途上与信のために取得した信用情報の勧誘への二次利用や、内部データベースに取り込んでの勧誘への利用は、債権保全を目的とする利用を含めて目的外使用に当たると注意しています。
dは適切。信用情報の提供依頼の同意は、あらかじめ書面又は電磁的方法で得なければならず(41条の36第1項)、口頭の同意では足りません。
公式問題で問17を見る
金利・保証料の規制
問18 出資法の上限金利・変動利率の保証料・媒介手数料・賠償額の予定
どの法律の規制かを先に決め、次に上限の数字と「超える」かどうかを確かめます。出資法の刑事罰は年20%を超える部分からで、媒介手数料は出資法4条が規制します。
正答 4
①は不適切。業として行う貸付けで刑事罰の対象になるのは、年20%を超える割合による利息の契約です(出資法5条2項)。年20%ちょうどは超えていません。
②は不適切。変動利率で特約上限利率を定めなかった場合、出資法の適用上、貸付けの利息は年10%とみなされます(出資法5条の2第2項2号)。年10%の保証料と合わせて20%なので、超えておらず刑事罰の対象になりません。
③は不適切。媒介手数料は利息制限法ではなく、出資法4条1項が貸借の金額の5%(1年未満は年5%の割合)を超える手数料の契約を禁止しています。
④は適切。営業的金銭消費貸借の債務不履行による賠償額の予定は、元本に対する割合が年20%を超える部分が無効です(利息制限法7条1項)。
公式問題で問18を見る
金融ADR制度
問19 手続実施基本契約と公表・書面への機関名の記載・訴訟係属の報告・手続応諾義務
指定紛争解決機関が存在する場合、貸金業者は手続実施基本契約を締結する措置を講じ、相手方の機関名を公表します(12条の2の2)。機関名は契約締結前の書面と契約締結時の書面の両方の記載事項です。
正答 2
①は適切。協会に加入していない貸金業者も、指定紛争解決機関と手続実施基本契約を締結する措置を講じ、相手方である機関の商号又は名称を公表しなければなりません(12条の2の2)。
②は適切でない。手続実施基本契約を結ぶ相手の指定紛争解決機関の商号又は名称は、契約締結前の書面にも記載します(施行規則12条の2第1項1号ヌ)。
③は適切。訴訟が係属している請求について紛争解決手続が開始された場合に、その旨、請求の理由、訴訟の程度を報告することは、手続実施基本契約の内容とされています(41条の44第2項6号)。
④は適切。苦情処理手続や資金需要者等の申立てによる紛争解決手続が開始され、手続に応じるよう求められたときは、加入貸金業者は正当な理由なく拒めません(41条の44第2項2号)。
公式問題で問19を見る
年収証明書
問20 新規の貸付けと他社残高・既に提出された源泉徴収票・除外契約の残高・提出の期限
合算額に入れない残高を見落とすと、③を正しいと判断してしまいます。極度方式個人顧客合算額からは、除外契約(住宅資金貸付契約等)に係る残高を除きます(13条の3第5項)。
正答 3
①は適切。貸付けの金額40万円と他社残高70万円の合計110万円が100万円を超えるので、年収証明書の提出又は提供を受けなければなりません(13条3項2号)。
②は適切。貸付けの金額100万円が50万円を超えるので年収証明書が必要です(13条3項1号)。既に提出を受けた源泉徴収票で足りるのは一般的に発行される直近の期間のものに限られ(施行規則10条の17第2項1号)、2年前に発行されたものは当たりません。
③は適切でない。他社残高80万円がすべて除外契約に係るものなら合算額に入らず、極度方式個人顧客合算額は極度額の30万円です。100万円を超えないので、年収証明書は要りません。
④は、公式正答で適切な記述として扱われています。ただし、施行規則10条の26第1項は、合算額が100万円を超えると知った日から「1月以内」に年収証明書の提出又は提供を受けると定めており、記述の2か月とは一致しません。
次回受験での注意 施行規則10条の26第1項の期限は、出題時の法令基準日(2024年4月1日)の版でも、2026年4月1日現在の版でも「一月以内」です。公式正答(③)はそのまま示し、肢④は条文の期限で覚えてください。
公式問題で問20を見る
総量規制の例外契約
問21 段階的に残高を減らす借換えの要件
借換えの例外契約には、顧客に一方的に有利な借換え(施行規則10条の23第1項1号)と、残高を段階的に減らす借換え(同項1号の2)があります。1号の2は、1号の要件のうちロを引用していません。
正答 1
要件として適切でないのは①です。
①は要件ではない。将来支払う返済金額の合計額が既存債務を上回らないことは1号ロの要件で、1号の2ニが引用するのは1号イ及びハからヘまでです。
②は要件である。1か月の負担が既存債務の1か月の負担を上回らないことは、1号イとして1号の2でも求められます(1号の2ニ)。
③は要件である。貸付けの利率が既存債務の利率(2以上あれば弁済時の残高で加重平均した利率)を上回らないことが求められます(1号の2ロ)。
④は要件である。既存債務の物的担保以外の物的担保を供させず、既存債務の保証人以外の者を保証人としないことも求められます(1号の2ニ、1号ハ・ホ)。
公式問題で問21を見る
貸付条件の広告
問22 電話番号の表示・登録番号の括弧書・担保に関する事項・他の法令に違反する広告
書面で認められている省略が広告にも使えると考えると誤ります。登録番号の括弧書の省略は、契約締結前・締結時の書面や受取証書について定められています。
正答 2
①は適切。広告に表示できる電話番号は貸金業者登録簿に登録されたものに限られ(15条2項)、登録できるのは場所を特定する電話番号などです(施行規則3条の2第1項1号)。営業所で使う携帯電話の番号は表示できません。
②は適切でない。貸付条件の広告では商号等と登録番号を表示しなければならず(15条1項1号)、広告について登録番号の括弧書を省略できるとする規定はありません。
③は適切。担保を供することが必要な場合における担保に関する事項は、広告で表示しなければならない事項です(15条1項3号、施行規則12条1項1号ロ・11条3項1号ロ)。
④は適切。貸付けの条件の広告では、景品表示法や、屋外広告物法に基づく都道府県の条例などの法令に違反してはなりません(施行規則12条6項)。
公式問題で問22を見る
契約締結前の書面
問23 交付の時期・記載事項・文字の大きさ・記載事項の変更
契約締結前の書面について、交付時期、記載事項、記載方法、内容が変わったときの扱いを法令と監督指針で確かめる設問です。
正答 1
①は適切でない。契約締結前の書面は、契約を締結するまでに交付すればよく(16条の2第1項)、監督指針も前日までの交付を求めてはいません。
②は適切。契約締結前の書面は契約の内容を説明するためのもので、契約年月日や相手方の氏名・住所は記載事項に含まれていません(16条の2第1項、施行規則12条の2第1項)。
③は適切。記載事項は、日本産業規格Z8305の8ポイント以上の文字と数字を使って、明瞭かつ正確に記載します(施行規則12条の2第9項)。
④は適切。監督指針は、書面を交付した後、契約締結前に法令で定められた記載事項の内容が変わった場合は、改めて書面を交付する必要があるとしています。
公式問題で問23を見る
受取証書と債権証書
問24 窓口での弁済・口座への払込み・第三者による弁済・完済時の書面
受取証書は弁済の都度直ちに交付し(18条1項)、口座への払込みでは請求があった場合に限られます(同条2項)。全額の弁済で求められるのは債権証書の返還です(22条)。
正答 4
①は適切。弁済を受けたときは、その都度、直ちに受取証書を弁済をした者に交付しなければなりません(18条1項)。
②は適切。預金又は貯金の口座への払込みによる弁済では、弁済をした者から請求があった場合に限り受取証書を交付します(18条2項)。
③は適切。受取証書には債務者の氏名を記載し、債務者以外の者が弁済したときはその者の氏名も記載します(施行規則15条1項3号・4号)。
④は適切でない。全部の弁済を受けたときに求められるのは、債権の証書を有する場合に遅滞なく返還することです(22条)。完済証明書の交付は義務付けられていません。
公式問題で問24を見る
債権譲渡等の規制
問25 譲受人への通知・譲受人の帳簿・債権譲渡契約の規定・債権回収と弁護士法
「貸金業者に譲渡する場合は通知不要」のように、条文にない例外を足した記述が誤りの型です。24条1項の通知義務は、譲受人の属性を問いません。
正答 1
①は適切でない。債権を譲渡するときの通知義務には、譲受人が貸金業者である場合を除く定めがありません(24条1項)。
②は適切。債権を譲り受けた者には19条の帳簿の規定が準用され、営業所等ごとに帳簿を備えて譲受年月日、債権の額などを記載し、保存しなければなりません(24条2項)。
③は適切。監督指針は、債権譲渡契約に、債務者等からの問い合わせや取引履歴の開示請求への対応と、譲受人による法令を守った債権管理・回収のための規定を置いているかに留意するとしています。
④は適切。監督指針は、貸付債権の委託や譲渡を受けて管理・回収を業として行う場合、弁護士法などに抵触しないかを確認しているかを着眼点にしています。
公式問題で問25を見る
利息制限法の元本額の特則
問26 既存債務と新たな貸付けの合算・同時に複数の契約を締結する場合
新しい契約ごとに、既存の残元本と新しい元本の合計額を出し、10万円・100万円の区切りで上限利率を決めます(利息制限法5条)。既に締結した契約の上限は変わりません。
正答 1
①は適切でない。残元本15万円と90万円の合計105万円で上限が年15%になるのは第二契約だけです(5条1号)。第一契約は元本30万円で年18%のままで、無効になる部分はありません。
②は適切。残元本20万円と8万円の合計28万円は10万円以上100万円未満なので上限は年18%で、第二契約の年20%のうち18%を超える部分が無効です。
③は適切。同時に二つの契約を結ぶ場合は残元本5万円と60万円・40万円の合計105万円で判断し(5条1号・2号)、第二・第三契約とも上限は年15%です。
④は適切。残元本10万円と80万円・9万円の合計99万円で上限は年18%なので、第三契約の年20%のうち18%を超える部分が無効です。
公式問題で問26を見る
みなし利息
問27 ATM手数料・書面の再発行手数料・収入印紙代・カード発行手数料
利息制限法は、債権者が受け取る元本以外の金銭を名目を問わず利息とみなします(3条)。営業的金銭消費貸借では、公租公課や一定額までのATM利用料(6条2項)と、債務者の要請による書面やカードの再発行の手数料(6条1項)が除かれます。
正答 2
①は適切。1万円以下の弁済でATMの利用料が110円(消費税額等相当額を含む)以下なら、利息とみなされません(6条2項3号、利息制限法施行令2条1号)。
②は適切でない。貸金業法の規定で交付した書面を債務者の要請で再発行する手数料は、利息とみなされない費用です(6条1項、利息制限法施行令1条2号)。
③は適切。契約書に貼る収入印紙のような公租公課の支払に充てる費用は、利息とみなされません(6条2項1号)。
④は適切。契約締結時に交付するカードの発行手数料は除外される費用に当たらず、利息とみなされます。除外されるのは、カードの再発行の手数料です(利息制限法施行令1条1号)。
公式問題で問27を見る
正答一覧へ戻る ↑
貸付け・債権管理の実務の解答・解説(15問)
民法の行為能力・意思表示・代理・時効・保証・抵当権・相続と、会社法、犯罪収益移転防止法、民事執行法を扱う15問です。心裡留保や抵当権の随伴性のように、原則と例外を逆にした肢を本文とただし書に分けて判断します。
行為能力
問28 成年被後見人の行為・被保佐人と相続・被補助人の同意・営業を許された未成年者
制限行為能力者の種類ごとに、同意があれば取り消せなくなるか、何に同意が要るかを分けて判断します。
正答 3
①は不適切。成年被後見人の法律行為は、成年後見人の同意を得ていても取り消すことができます(民法9条)。日用品の購入など日常生活に関する行為は除かれます。
②は不適切。相続の承認又は放棄は、被保佐人が保佐人の同意を得なければならない行為です(13条1項6号)。
③は適切。被補助人が補助人の同意を要するのは、家庭裁判所の審判で定められた特定の法律行為だけです(17条1項)。それ以外は単独で有効にできます。
④は不適切。営業を許された未成年者が成年者と同一の行為能力を持つのは、その営業に関する行為に限られます(6条1項)。
公式問題で問28を見る
無効と取消し
問29 無効な行為の追認・成年被後見人の追認・取消しの効果・制限行為能力者の返還義務
取消しの効果を「将来に向かって」とする記述は、解除と混同した誤りです。取り消された行為は、初めから無効であったものとみなされます(民法121条)。
正答 4
①は不適切。無効な行為は追認しても効力を生じません。無効と知って追認したときは、新たな行為をしたものとみなされます(119条)。行為の時にさかのぼって有効になるわけではありません。
②は不適切。制限行為能力者が法定代理人などの同意を得て追認できる場合から、成年被後見人は除かれています(124条2項2号)。成年被後見人は、行為能力者となり取消権を知った後に追認します(124条1項)。
③は不適切。取り消された行為は、初めから無効であったものとみなされます(121条)。取消しの意思表示の時から将来に向かって効力を失うのではありません。
④は適切。行為の時に制限行為能力者であった者は、その行為によって現に利益を受けている限度で返還の義務を負います(121条の2第3項)。
公式問題で問29を見る
消滅時効
問30 時効期間・時効の援用・強制執行の取下げ・時効完成後の承認
債権の消滅時効は、主観的起算点から5年と客観的起算点から10年の二本立てです(民法166条1項)。時効の効果は援用によって生じ、完成猶予と更新の事由は条文ごとに確かめます。
正答 4
①は不適切。債権は、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年で時効によって消滅します(166条1項)。知っているかどうかで扱いが異なります。
②は不適切。時効は当事者が援用しなければ、裁判所はこれによって裁判をすることができません(145条)。
③は不適切。強制執行が申立ての取下げで終了した場合も、終了の時から6か月を経過するまでは時効の完成が猶予されます(148条1項)。
④は適切。時効完成後に債務を承認した債務者は、完成を知らなかったときでも信義則上その時効を援用できず、時効は承認の時から新たに進行します(判例)。
公式問題で問30を見る
遅延損害金
問31 約定利率による遅延損害金・損害の証明
遅延損害金の利率は、まず約定利率と法定利率を比べて決めます。金銭債務の不履行では、損害の証明は要りません(民法419条)。
正答 1
①は適切。約定利率年15%が法定利率を超えるので、遅延損害金は約定利率の年15%で計算します(419条1項ただし書)。
②は不適切。約定利率と法定利率を合計する定めはありません。
③は不適切。約定利率が法定利率を超えるときは約定利率によるので、法定利率年3%に限られません。
④は不適切。金銭債務の不履行による損害賠償は、債権者が損害を証明しなくても請求できます(419条2項)。
次回受験での注意 法定利率は3年ごとに見直される変動制です(民法404条)。次回の受験では、遅滞の責任を負った時点の法定利率を確かめてください。
公式問題で問31を見る
保証
問32 保証契約の方式・主たる債務の加重・分別の利益・催告の抗弁
連帯保証に特有の扱い(催告・検索の抗弁がない、分別の利益がない)と、保証一般の扱い(書面が必要、負担は加重されない)を混ぜた記述が並びます。
正答 3
①は不適切。保証契約は、連帯保証かどうかにかかわらず、書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じません(民法446条2項・3項)。
②は不適切。保証契約の締結後に主たる債務の目的や態様が加重されても、保証人の負担は加重されません(448条2項)。
③は適切。数人の保証人は原則として平等の割合で分割された額についてだけ保証債務を負いますが(456条・427条)、連帯保証人には分別の利益がなく、それぞれ全額を負担します。
④は不適切。連帯保証人には催告の抗弁権がありません(454条)。
公式問題で問32を見る
定型約款
問33 定型取引の定義・内容の表示・みなし合意・定型約款の変更
定型約款のルールは、定義(民法548条の2第1項)、みなし合意(同項各号)、内容の表示(548条の3)、変更(548条の4)の順に並んでいます。
正答 1
①は適切。定型取引は、特定の者が不特定多数を相手方として行う取引のうち、内容の全部又は一部が画一的であることが双方にとって合理的なものです(548条の2第1項)。
②は不適切。定型約款準備者は、合意の前又は後相当の期間内に相手方から請求があった場合に、遅滞なく相当な方法で内容を示せば足ります(548条の3第1項)。
③は不適切。定型約款を契約の内容とする旨をあらかじめ相手方に表示していれば、個別の条項を認識していなくても合意したものとみなされます(548条の2第1項2号)。不当な条項は除かれます(同条2項)。
④は不適切。相手方の一般の利益に適合する場合のほか、契約の目的に反せず、変更の必要性や内容の相当性などに照らして合理的な場合も、個別の合意なしに変更できます(548条の4第1項)。
公式問題で問33を見る
相続
問34 代襲相続の原因・配偶者と直系尊属の相続分・限定承認・相続財産法人
相続の放棄を代襲原因に入れる記述や、相続分の数字を入れ替える記述が典型的な誤りです。代襲原因は死亡・欠格・廃除の三つです。
正答 4
①は不適切。代襲相続の原因は、相続開始以前の死亡、相続欠格、廃除です(民法887条2項)。相続の放棄は代襲原因になりません。
②は不適切。配偶者と直系尊属が相続人のとき、配偶者の法定相続分は3分の2です(900条2号)。
③は不適切。相続人が数人あるときは、限定承認は共同相続人の全員が共同してのみすることができます(923条)。
④は適切。相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人とされます(951条)。
公式問題で問34を見る
取締役と取締役会
問35 取締役の任期・職務執行状況の報告・多額の借財・第三者に対する責任
取締役会設置会社の規律は、会社法の条文で数字と決定機関を確かめます。職務執行状況の報告は「3か月に1回以上」です(363条2項)。
正答 2
①は不適切。取締役の任期は原則2年ですが、定款又は株主総会の決議で短縮でき(会社法332条1項ただし書)、公開会社でない会社は定款で10年まで伸長できます(同条2項)。
②は適切。代表取締役と業務執行取締役は、3か月に1回以上、自分の職務執行の状況を取締役会に報告する義務があります(363条2項)。
③は不適切。多額の借財は取締役会が決定しなければならない事項で、取締役に委任できません(362条4項2号)。
④は不適切。取締役が職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、取締役自身も第三者に対して損害賠償責任を負います(429条1項)。
公式問題で問35を見る
犯罪収益移転防止法
問36 特定取引の範囲・代表者の本人確認・確認記録の保存期間・特定事業者作成書面等
貸金業者の取引時確認について、対象となる取引、確認する人、記録の保存期間、体制整備の努力義務を確かめる設問です。
正答 4
①は不適切。貸金業者の特定取引として政令が定めるのは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介を内容とする契約の締結で(犯収法施行令7条1項1号カ)、保証契約は挙げられていません。
②は不適切。会社の代表者が会社のために取引を行う場合は、会社の取引時確認に加え、取引の任に当たっている代表者等の本人特定事項も確認しなければなりません(犯収法4条4項)。
③は不適切。確認記録は、特定取引等に係る契約が終了した日などから7年間保存します(6条2項)。記録を作成した日から数えるのではありません。
④は適切。取引時確認等の措置を的確に行うため、特定事業者作成書面等を作成し、必要に応じて見直し、必要な変更を加えるよう努めなければなりません(11条4号、犯収法施行規則32条1項1号)。
公式問題で問36を見る
意思表示
問37 心裡留保・虚偽表示・発信後の死亡・公示による意思表示
心裡留保は、原則と例外を逆にした記述で出題されやすい論点です。真意でないと知ってした意思表示は原則として有効です(民法93条1項)。
正答 1
①は適切でない。表意者が真意でないことを知ってした意思表示も、原則として有効です。相手方が真意でないことを知り又は知ることができたときに無効になります(93条1項)。
②は適切。相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効で、その無効は善意の第三者に対抗できません(94条)。
③は適切。通知を発した後に表意者が死亡したり、意思能力を失ったり、行為能力の制限を受けたりしても、意思表示の効力は妨げられません(97条3項)。
④は適切。相手方が誰か分からないときや、相手方の所在が分からないときは、公示の方法で意思表示をすることができます(98条1項)。
公式問題で問37を見る
代理
問38 顕名のない意思表示・任意代理人の復代理・法定代理人の責任・代理権授与の表示
代理の条文は、顕名(民法99条・100条)、復代理(104条・105条)、表見代理(109条など)の順に並んでいます。各肢がどの条文の話かを先に決めます。
正答 1
①は適切でない。顕名がなくても、本人のための行為であることを相手方が知り、又は知ることができたときは、追認がなくても本人に効力を生じます(100条ただし書)。
②は適切。委任による代理人が復代理人を選任できるのは、本人の許諾を得たときか、やむを得ない事由があるときに限られます(104条)。
③は適切。法定代理人は自己の責任で復代理人を選任でき、やむを得ない事由があるときは選任・監督についての責任のみを負います(105条)。
④は適切。代理権を与えた旨を表示した者はその範囲内の行為について責任を負い、相手方が代理権のないことを知り又は過失で知らなかったときは除かれます(109条1項)。
公式問題で問38を見る
期限の利益
問39 担保の滅失・破産手続開始・利息の1回の遅滞・期限の利益の放棄
期限の利益を当然に失う事由は、民法137条の3つ(破産手続開始の決定、担保の滅失・損傷・減少、担保提供義務の不履行)だけです。それ以外は特約があるかで判断します。
正答 3
①は適切。債務者が担保を滅失させたときは、期限の利益を主張できません(137条2号)。
②は適切。債務者が破産手続開始の決定を受けたときは、期限の利益を主張できません(137条1号)。
③は適切でない。利息の支払を1回遅滞したことは137条の事由に当たらず、期限の利益喪失の特約がなければ、借主は期限の利益を失いません。
④は適切。期限の利益は放棄できるので(136条2項)、借主は返済期限前でも借入金と利息を弁済できます。相手方の利益を害することはできません。
公式問題で問39を見る
抵当権
問40 賃料への物上代位・随伴性・抵当権消滅請求・優先弁済の範囲
抵当権の随伴性を「特約がなければ移転しない」と逆にした記述が誤りの型です。被担保債権が譲渡されれば、抵当権も当然に移転します。
正答 2
①は適切。抵当権者は目的物の賃料にも物上代位でき、払渡しの前に差し押さえて回収できます(民法372条・304条1項)。
②は適切でない。抵当権には随伴性があるので、被担保債権がDに譲渡されれば、特約がなくても抵当権はDに移転します。
③は適切。主たる債務者、保証人とこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができません(380条)。保証人Eも請求できません。
④は適切。後順位抵当権者などがいる場合、利息と遅延損害金は通算して最後の2年分についてのみ抵当権を行使できます(375条)。
公式問題で問40を見る
金銭消費貸借
問41 要物契約と書面による諾成契約・利息の特約・返還時期の定めがない場合・不可抗力と遅滞
消費貸借は、成立(民法587条・587条の2)、利息(589条)、返還時期(591条)の順に条文を確かめます。金銭債務の特則(419条)も合わせて出題されます。
正答 2
①は適切。消費貸借は金銭の受取りによって成立しますが(587条)、書面でする消費貸借は合意だけで成立します(587条の2第1項)。
②は適切でない。貸主は、特約がなければ借主に利息を請求することができません(589条1項)。法定利息を請求できるわけではありません。
③は適切。返還の時期を定めなかったときは、貸主は相当の期間を定めて返還を催告できます(591条1項)。
④は適切。金銭債務の不履行について、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができないので(419条3項)、弁済期から遅滞の責任を負います。
公式問題で問41を見る
民事執行
問42 執行文の要否・債権執行の開始・差押命令の効力発生時期・給与の差押禁止
差押命令の効力が生じる時点は、第三債務者への送達時です(民事執行法145条5項)。債務者への送達時と入れ替えた記述を見抜きます。
正答 3
①は適切。強制執行は執行文の付された債務名義の正本に基づくのが原則ですが、少額訴訟の確定判決、仮執行宣言付きの少額訴訟の判決、支払督促による強制執行は、その正本に基づいて実施されます(25条)。
②は適切。債権執行は、執行裁判所の差押命令によって開始します(143条)。
③は適切でない。差押命令は債務者と第三債務者に送達されますが、差押えの効力は第三債務者に送達された時に生じます(145条5項)。
④は適切。給与債権は、支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分(政令で定める額を超えるときはその額に相当する部分)を差し押さえてはなりません(152条1項)。
公式問題で問42を見る
正答一覧へ戻る ↑