問1 専有部分・共用部分・敷地利用権
共用部分になるもの、規約で敷地にできる土地、敷地利用権の意味を見分ける問題です。
正解 1
附属の建物も規約で共用部分にできるので、1が誤りです。
1 ×
専有部分だけでなく附属の建物も、規約で共用部分にできます(区分所有法4条2項)。附属の建物を除いている点が誤りです。
2 ○
建物や建物が建つ土地と一体として管理・使用する庭や通路などの土地は、規約で建物の敷地にできます(5条1項)。
3 ○
敷地利用権は、専有部分を所有するための敷地に関する権利です(2条6項)。数人で敷地を所有していれば、その共有の所有権が敷地利用権にあたります。
4 ○
専有部分に属さない建物の附属物は、規約がなくても共用部分です(2条4項)。
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問2 管理組合・団地管理組合・法人
管理組合・団地管理組合・管理組合法人で、区分所有者を代理する者、管理所有、義務違反者への訴訟の担い手がどう違うかを比べます。
正解 3
誤っているのはイ・ウ・エの三つで、正解は3です。団地管理組合には管理所有と義務違反者に対する措置の規定が準用されず、管理組合法人では法人そのものが代理し、訴えを起こします。
ア ○
法定共用部分を専有部分にすると、その共用部分はなくなり特定の人の所有物になります。区分所有法の多数決では決められず、共有者全員の同意が要ります(民法251条1項)。
イ ×
管理組合と団地管理組合で区分所有者を代理するのは管理者です(区分所有法26条2項、66条)。管理組合法人で代理するのは法人そのもので(47条6項)、代表権のある理事が共同して代理するのではありません。
ウ ×
管理者を管理所有者とする規約は、管理組合では定められますが(27条1項)、団地管理組合には27条が準用されないため定められません(66条)。管理組合法人の理事を管理所有者にできない点は正しいものの(47条11項)、全体として誤りです。
エ ×
競売請求などの義務違反者に対する措置は団地管理組合には準用されず、各棟で行います(66条)。管理組合法人では、法人自身が集会の決議に基づいて訴えを起こすため(59条1項)、理事を訴訟担当者に選ぶ仕組みではありません。
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問3 共用部分の管理・変更
共用部分の変更・管理の決議要件と、区分所有者が共有する敷地や附属施設への準用を確かめる個数問題です。
正解 4
ア〜エはすべて正しく、正解は4です。区分所有者が共有する敷地や共用部分以外の附属施設には、共用部分の変更・管理・負担の規定が準用されます(21条)。
ア ○
出題時の17条1項では、重大変更は区分所有者及び議決権の各4分の3以上の決議で決め、区分所有者の定数だけは規約で過半数まで減らせました。2026年4月施行の改正法では、区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で出席者の各4分の3以上により決め、規約で2分の1を超える割合まで下げられる形に改められています。
イ ○
共用部分の管理は、重大変更の場合を除いて集会の決議で決め(18条1項)、この決め方は規約で別に定められます(18条2項)。出席者の過半数で決めると規約に定めることもできます。
ウ ○
区分所有者が共有する共用部分以外の附属施設には、共用部分の変更の規定が準用されます(21条・17条)。区分所有者の定数を規約で過半数まで減らせる点も同じです。
エ ○
区分所有者が共有する敷地にも19条が準用され、各共有者は規約に別段の定めがない限り持分に応じて費用を負担し、利益を受けます(21条)。
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問4 規約で別段の定めができる事項
規約で別段の定めを置ける事項と置けない事項を見分ける問題です。
正解 3
管理所有者は、規約があっても共用部分の重大変更はできません(20条2項)。規約で定められないのは3です。
1 可
集会の議長は管理者か招集した区分所有者の一人が務めますが、規約に別段の定めがあれば他の人を議長にできます(41条)。
2 可
専有部分と敷地利用権の分離処分は禁止されていますが、規約に別段の定めがあれば分離して処分できます(22条1項ただし書)。
3 不可
管理所有者ができるのは共用部分の保存や管理までで、重大変更はできません(20条2項)。規約で例外を設ける規定もありません。
4 可
全員の利害に関係しない一部共用部分でも、全員の規約に定めれば区分所有者全員で管理できます(16条)。ただし、その一部共用部分を使う区分所有者の4分の1を超える者か、その議決権の4分の1を超える者が反対すると規約を定められません(31条2項)。
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問5 共用部分の無断賃貸と不当利得
一部の区分所有者が共用部分を第三者に貸して得た賃料について、他の区分所有者が不当利得の返還を求められるかを扱った判例(最判平成27年9月18日)の問題です。
正解 3
判例は、区分所有者の団体だけが請求権を行使できると集会で決議したり規約で定めたりできると判断しました。決議できないとする3が誤りです。
1 ○
共用部分を第三者に賃貸することは、共用部分の管理に関する事項にあたります(判例)。
2 ○
賃料のうち各区分所有者の持分割合に相当する部分について生じる不当利得返還請求権は、各区分所有者に帰属します(判例)。
3 ×
この請求権は共用部分の管理と密接に関係するため、団体だけが行使できると集会で決議し、又は規約で定めることができます(判例)。
4 ○
管理者が共用部分を管理し、特定の区分所有者に使わせることができると定めた規約は、団体だけが請求権を行使できる旨を含むと解されます(判例)。このため、Bが個別に請求することはできません。
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問6 集会の招集・決議・議事録
集会の招集請求、議決権の行使方法、招集通知に示す内容、共有者の議決権行使者を確かめます。
正解 3
出題時の35条5項では、議案の要領まで通知するのは共用部分の重大変更、規約の設定・変更・廃止、建替えなど特定の決議事項に限られ、管理者の選任は含まれませんでした。誤りは3です。
1 ○
区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を持つ者は、議題を示して管理者に集会の招集を請求できます(34条3項)。この定数は規約で減らせます。
2 ○
議決権は書面や代理人によって行使できます(39条2項)。
3 ×
出題時の規定では、議案の要領の通知が要るのは35条5項に挙げた決議事項だけで、普通決議で行う管理者の選任は対象外でした。2026年4月施行の改正法では、すべての招集通知に議案の要領を示すことになったため(35条1項)、令和8年度以降は扱いが変わります。
4 ○
専有部分を共有している場合、共有者は議決権を行使する者を一人定めます(40条)。
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問7 賃借人の規約遵守・管理費・意見陳述
専有部分の賃借人が規約や決議に従う範囲、管理費の支払義務者、占有者のための掲示を確かめる個数問題です。
正解 2
誤っているのはイとエの二つで、正解は2です。
ア ○
規約が求めているのは専有部分を住宅として使うことです。Aが事業として賃貸していても、Bが住居として使っていれば用途違反にはあたりません。
イ ×
占有者が区分所有者と同じ義務を負うのは、建物や敷地の使用方法についてだけです(46条2項)。建替え決議は使用方法の定めではないためBを拘束せず、更新拒絶には借地借家法の正当事由が要ります。なお、2026年4月施行の改正法で、建替え決議後に専有部分の賃貸借の終了を請求できる制度(64条の2)が設けられました。
ウ ○
管理費等の支払義務を負うのは区分所有者です(19条)。Bの口座から引き落とすと届け出ていても、管理組合は滞納分をAに請求できます。
エ ×
建物内に掲示しなければならないのは、議題について利害関係を持つ占有者がいる場合です(44条2項)。Bに利害関係がなければ、Bのための掲示は要りません。
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問8 ごみ屋敷状態と共同利益違反
ごみをため込んだ専有部分について、管理者や隣の区分所有者がとれる手段を区分所有法と民法の管理命令から確かめます。
正解 2
民法の所有者不明建物管理命令は、区分所有建物の専有部分と共用部分には適用されません(区分所有法6条4項)。誤りは2です。
1 ○
共同の利益に反する行為の停止や結果の除去を求めて管理者が訴えを起こすには、集会の決議が必要です(57条2項・3項)。規約の定めで代えることはできません。
2 ×
民法の所有者不明建物管理命令(264条の8)は、専有部分と共用部分には適用されません(区分所有法6条4項)。なお、2026年4月施行の改正法で、区分所有法に所有者不明専有部分管理命令(46条の2)が設けられました。
3 ○
Aの不適切な管理によってBが健康を害し通院が必要になったのであれば、Bは不法行為による損害賠償を請求できます(民法709条)。
4 ○
民法の管理不全建物管理命令(264条の14)も、専有部分と共用部分には適用されません(区分所有法6条4項)。改正法では、区分所有法に管理不全専有部分管理命令(46条の8)が設けられています。
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問9 建替え決議後の催告・売渡請求
建替え決議の後、賛成しなかった区分所有者への催告、回答がない場合の扱い、売渡請求とその効果を確かめます。
正解 3
売渡請求によって売買契約が成立するため、移転登記と代金の支払は同時履行の関係になります。正しいのは3です。
1 ×
催告を受けた日から2か月以内に回答しない区分所有者は、建替えに参加しない旨を回答したものとみなされます(63条4項)。
2 ×
売渡請求の相手方は、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者です(63条5項)。参加すると回答したBには請求できません。
3 ○
売渡請求をすると、時価による売買契約が成立します。移転登記と代金の支払は同時履行の関係にあるため(民法533条)、EがCに登記を求めるには代金を提供する必要があります。
4 ×
裁判所が1年以内の期限を許与できるのは、建物の明渡しについてです(63条6項)。移転登記の義務に期限を与える制度ではありません。
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問10 団地規約と棟別管理
団地共用部分になるもの、棟ごとの規約、団地内建物の一括建替え決議の要件を確かめます。
正解 1
団地共用部分は、団地内の附属施設である建物を規約で指定したものです(67条1項)。土地が当然に団地共用部分になるとする1が誤りです。
1 ×
団地共用部分にできるのは、団地内の附属施設である建物で、規約による指定が必要です(67条1項)。棟が建つ土地は団地建物所有者の共有物として団地管理組合が管理する対象で、団地共用部分ではありません。
2 ○
団地管理組合が各棟の管理を規約で定めるとき(68条1項)、棟ごとに異なる内容を定めることも禁じられていません。
3 ○
出題時の70条1項では、団地全体で区分所有者及び議決権の各5分の4以上の賛成に加え、各棟で区分所有者の3分の2以上かつ議決権の3分の2以上の賛成が必要でした。2026年4月施行の改正法では、いずれかの棟で区分所有者又は議決権の3分の1を超える反対があると決議できない形に改められています。
4 ○
一括建替え決議では、再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項も定めます(70条)。
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問11 全部滅失後の再建決議
災害で区分所有建物が全部滅失した後、敷地共有者等の集会で行う再建決議の要件と効果を確かめます。
正解 4
建物が滅失しても敷地利用権は残り、その上の抵当権も存続します。再建によって抵当権が消滅するとする4が誤りです。
1 ○
出題時の被災マンション法4条1項では、敷地共有者等の議決権の5分の4以上で再建決議ができました。2026年4月施行の改正で再建決議は区分所有法75条に移り、政令で定める災害の場合は3分の2以上で決議できます(被災マンション法2条)。
2 ○
議決権を持つのは、敷地共有持分等を持つ敷地共有者等です。滅失後に持分を第三者へ譲渡した人は議決権を失い、譲り受けた人が議決権を持ちます。
3 ○
再建する建物は、元の敷地の一部に建ててもよく、元の敷地の全部又は一部を含む別の範囲の土地に建ててもかまいません(被災マンション法4条1項)。
4 ×
建物が全部滅失しても敷地利用権は消えないため、敷地利用権に設定された抵当権も存続します。建物が再建されても消滅しません。
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