2023年11月26日実施・全50問・公式正解照合

マンション管理士試験
令和5年度の解答・解説

令和5年度のマンション管理士試験について、問1〜50の公式正解と各肢の判断根拠をこのページに載せています。問題本文は転載していないため、公益財団法人マンション管理センターの公式問題PDFを開き、問番号を合わせて読んでください。

公開 ・更新 ・作成 資格Hub(運営 Boson)・正答の照合方法

令和5年度の合格最低点と合格率

試験日2023年11月26日
合格最低点50問中36問以上正解(試験の一部免除者は45問中31問以上正解)
受験者数・合格者数11,158名・1,125名
合格率10.1%

出典:マンション管理センター「令和5年度 正解一覧」、マンション管理センター「令和6年度マンション管理士試験の結果について」(前年度の実績、Internet Archive保存版)

令和8年度に読み替える点

各問の正解は、出題年度の法令・規約で判断しています。2026年4月1日に改正区分所有法などが施行され、集会の普通決議は出席者の各過半数で、規約の変更や共用部分の重大変更は区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で出席者の各4分の3以上で決める形に改められました。招集通知にはすべての議題で議案の要領を示し、耐震性不足などの建物は建替え決議の要件が4分の3に下がり、被災マンション法の再建決議は区分所有法75条に移っています。

改正で扱いが変わる肢は、その問の解説に注記しています。令和8年度の受験では、改正後の条文をe-Gov法令検索の区分所有法で確かめてください。

正答一覧(全50問)

公式問題・正解と照合しています。問番号を選ぶと各肢の根拠へ移動します。

区分所有法・被災区分所有法

問題正答論点
問11専有部分・共用部分・敷地利用権
問23管理組合・団地管理組合・法人
問34共用部分の管理・変更
問43規約で別段の定めができる事項
問53共用部分の無断賃貸と不当利得
問63集会の招集・決議・議事録
問72賃借人の規約遵守・管理費・意見陳述
問82ごみ屋敷状態と共同利益違反
問93建替え決議後の催告・売渡請求
問101団地規約と棟別管理
問114全部滅失後の再建決議

民法・借地借家法・登記

問題正答論点
問124動産の即時取得・盗品回復
問132詐害行為取消請求
問143手付解除と原状回復
問154使用貸借の解除・修繕・相続
問162事務管理の義務・費用償還
問171不法行為の消滅時効
問182管理費先取特権と担保不動産競売

標準管理規約・管理組合運営

問題正答論点
問251修繕・改良工事と積立金
問263占有者・同居人の規約遵守
問274災害への備えと管理組合
問284外部専門家を理事長に選任する手続
問294役員と理事会
問303WEB会議併用総会
問313議決権行使の有効性
問323規約改正が必要な事項
問333団地管理組合の運営

管理組合会計

問題正答論点
問343発生主義の仕訳
問354預金残高差異の原因

建物・設備・修繕

問題正答論点
問362長期修繕計画の作成条件
問373長期修繕計画の作成方法
問382大規模修繕工事の設計・施工
問393調査機器と劣化診断
問404建物構造と耐震・荷重
問411防犯設備・照度・見通し
問421断熱・換気・省エネ
問432給水方式と受水槽
問443排水通気・排水管
問452電気・消防・昇降機設備

マンション管理適正化法

問題正答論点
問464管理計画認定と助言・勧告
問473管理適正化基本方針
問483管理計画認定基準
問491マンション管理業者の業務規制
問503重要事項説明と書面交付

令和5〜7年度150問のマンション管理士解説集PDF

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この年度の出題構成

7分野に分かれ、最多の区分所有法・被災区分所有法は11問(22%)です。復習する分野は、各問の正誤と理解できなかった根拠から選べます。

次に多いのが建物・設備・修繕の10問で、上位2分野で42%を占めます。

当サイトの分類では論点名が50件あり、同名の論点は重複していません。名称が異なる問題でも、必要な知識や考え方が共通する場合があります。

読み取れた50問の正答番号は3が19件、1が7件です。正答の分布は次の問題の答えを予測する根拠にはなりません。見直しは問題の条件と選択肢の根拠から行ってください。

分野出題数割合この年に問われた論点
区分所有法・被災区分所有法11問22%専有部分・共用部分・敷地利用権、管理組合・団地管理組合・法人、共用部分の管理・変更、規約で別段の定めができる事項、共用部分の無断賃貸と不当利得、集会の招集・決議・議事録、賃借人の規約遵守・管理費・意見陳述、ごみ屋敷状態と共同利益違反
建物・設備・修繕10問20%長期修繕計画の作成条件、長期修繕計画の作成方法、大規模修繕工事の設計・施工、調査機器と劣化診断、建物構造と耐震・荷重、防犯設備・照度・見通し、断熱・換気・省エネ、給水方式と受水槽
標準管理規約・管理組合運営9問18%修繕・改良工事と積立金、占有者・同居人の規約遵守、災害への備えと管理組合、外部専門家を理事長に選任する手続、役員と理事会、WEB会議併用総会、議決権行使の有効性、規約改正が必要な事項
民法・借地借家法・登記7問14%動産の即時取得・盗品回復、詐害行為取消請求、手付解除と原状回復、使用貸借の解除・修繕・相続、事務管理の義務・費用償還、不法行為の消滅時効、管理費先取特権と担保不動産競売
再生・都市計画・建築関連法令6問12%建替組合・権利変換、地区計画、建築確認・違反建築物・避難設備、簡易専用水道の検査・清掃、高層マンションの防炎物品、防犯に配慮した共同住宅
マンション管理適正化法5問10%管理計画認定と助言・勧告、管理適正化基本方針、管理計画認定基準、マンション管理業者の業務規制、重要事項説明と書面交付
管理組合会計2問4%発生主義の仕訳、預金残高差異の原因
正答番号1234
件数7131911

集計は当サイトが公開している全50問・200件の解説から作成しました。問題と正答は試験実施団体の公表資料と照合しています。

区分所有法・被災区分所有法の解答・解説(11問)

問1 専有部分・共用部分・敷地利用権

共用部分になるもの、規約で敷地にできる土地、敷地利用権の意味を見分ける問題です。

正解 1

附属の建物も規約で共用部分にできるので、1が誤りです。

1 ×

専有部分だけでなく附属の建物も、規約で共用部分にできます(区分所有法4条2項)。附属の建物を除いている点が誤りです。

2 ○

建物や建物が建つ土地と一体として管理・使用する庭や通路などの土地は、規約で建物の敷地にできます(5条1項)。

3 ○

敷地利用権は、専有部分を所有するための敷地に関する権利です(2条6項)。数人で敷地を所有していれば、その共有の所有権が敷地利用権にあたります。

4 ○

専有部分に属さない建物の附属物は、規約がなくても共用部分です(2条4項)。

公式問題で問1を見る

問2 管理組合・団地管理組合・法人

管理組合・団地管理組合・管理組合法人で、区分所有者を代理する者、管理所有、義務違反者への訴訟の担い手がどう違うかを比べます。

正解 3

誤っているのはイ・ウ・エの三つで、正解は3です。団地管理組合には管理所有と義務違反者に対する措置の規定が準用されず、管理組合法人では法人そのものが代理し、訴えを起こします。

ア ○

法定共用部分を専有部分にすると、その共用部分はなくなり特定の人の所有物になります。区分所有法の多数決では決められず、共有者全員の同意が要ります(民法251条1項)。

イ ×

管理組合と団地管理組合で区分所有者を代理するのは管理者です(区分所有法26条2項、66条)。管理組合法人で代理するのは法人そのもので(47条6項)、代表権のある理事が共同して代理するのではありません。

ウ ×

管理者を管理所有者とする規約は、管理組合では定められますが(27条1項)、団地管理組合には27条が準用されないため定められません(66条)。管理組合法人の理事を管理所有者にできない点は正しいものの(47条11項)、全体として誤りです。

エ ×

競売請求などの義務違反者に対する措置は団地管理組合には準用されず、各棟で行います(66条)。管理組合法人では、法人自身が集会の決議に基づいて訴えを起こすため(59条1項)、理事を訴訟担当者に選ぶ仕組みではありません。

公式問題で問2を見る

問3 共用部分の管理・変更

共用部分の変更・管理の決議要件と、区分所有者が共有する敷地や附属施設への準用を確かめる個数問題です。

正解 4

ア〜エはすべて正しく、正解は4です。区分所有者が共有する敷地や共用部分以外の附属施設には、共用部分の変更・管理・負担の規定が準用されます(21条)。

ア ○

出題時の17条1項では、重大変更は区分所有者及び議決権の各4分の3以上の決議で決め、区分所有者の定数だけは規約で過半数まで減らせました。2026年4月施行の改正法では、区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で出席者の各4分の3以上により決め、規約で2分の1を超える割合まで下げられる形に改められています。

イ ○

共用部分の管理は、重大変更の場合を除いて集会の決議で決め(18条1項)、この決め方は規約で別に定められます(18条2項)。出席者の過半数で決めると規約に定めることもできます。

ウ ○

区分所有者が共有する共用部分以外の附属施設には、共用部分の変更の規定が準用されます(21条・17条)。区分所有者の定数を規約で過半数まで減らせる点も同じです。

エ ○

区分所有者が共有する敷地にも19条が準用され、各共有者は規約に別段の定めがない限り持分に応じて費用を負担し、利益を受けます(21条)。

公式問題で問3を見る

問4 規約で別段の定めができる事項

規約で別段の定めを置ける事項と置けない事項を見分ける問題です。

正解 3

管理所有者は、規約があっても共用部分の重大変更はできません(20条2項)。規約で定められないのは3です。

1 可

集会の議長は管理者か招集した区分所有者の一人が務めますが、規約に別段の定めがあれば他の人を議長にできます(41条)。

2 可

専有部分と敷地利用権の分離処分は禁止されていますが、規約に別段の定めがあれば分離して処分できます(22条1項ただし書)。

3 不可

管理所有者ができるのは共用部分の保存や管理までで、重大変更はできません(20条2項)。規約で例外を設ける規定もありません。

4 可

全員の利害に関係しない一部共用部分でも、全員の規約に定めれば区分所有者全員で管理できます(16条)。ただし、その一部共用部分を使う区分所有者の4分の1を超える者か、その議決権の4分の1を超える者が反対すると規約を定められません(31条2項)。

公式問題で問4を見る

問5 共用部分の無断賃貸と不当利得

一部の区分所有者が共用部分を第三者に貸して得た賃料について、他の区分所有者が不当利得の返還を求められるかを扱った判例(最判平成27年9月18日)の問題です。

正解 3

判例は、区分所有者の団体だけが請求権を行使できると集会で決議したり規約で定めたりできると判断しました。決議できないとする3が誤りです。

1 ○

共用部分を第三者に賃貸することは、共用部分の管理に関する事項にあたります(判例)。

2 ○

賃料のうち各区分所有者の持分割合に相当する部分について生じる不当利得返還請求権は、各区分所有者に帰属します(判例)。

3 ×

この請求権は共用部分の管理と密接に関係するため、団体だけが行使できると集会で決議し、又は規約で定めることができます(判例)。

4 ○

管理者が共用部分を管理し、特定の区分所有者に使わせることができると定めた規約は、団体だけが請求権を行使できる旨を含むと解されます(判例)。このため、Bが個別に請求することはできません。

公式問題で問5を見る

問6 集会の招集・決議・議事録

集会の招集請求、議決権の行使方法、招集通知に示す内容、共有者の議決権行使者を確かめます。

正解 3

出題時の35条5項では、議案の要領まで通知するのは共用部分の重大変更、規約の設定・変更・廃止、建替えなど特定の決議事項に限られ、管理者の選任は含まれませんでした。誤りは3です。

1 ○

区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を持つ者は、議題を示して管理者に集会の招集を請求できます(34条3項)。この定数は規約で減らせます。

2 ○

議決権は書面や代理人によって行使できます(39条2項)。

3 ×

出題時の規定では、議案の要領の通知が要るのは35条5項に挙げた決議事項だけで、普通決議で行う管理者の選任は対象外でした。2026年4月施行の改正法では、すべての招集通知に議案の要領を示すことになったため(35条1項)、令和8年度以降は扱いが変わります。

4 ○

専有部分を共有している場合、共有者は議決権を行使する者を一人定めます(40条)。

公式問題で問6を見る

問7 賃借人の規約遵守・管理費・意見陳述

専有部分の賃借人が規約や決議に従う範囲、管理費の支払義務者、占有者のための掲示を確かめる個数問題です。

正解 2

誤っているのはイとエの二つで、正解は2です。

ア ○

規約が求めているのは専有部分を住宅として使うことです。Aが事業として賃貸していても、Bが住居として使っていれば用途違反にはあたりません。

イ ×

占有者が区分所有者と同じ義務を負うのは、建物や敷地の使用方法についてだけです(46条2項)。建替え決議は使用方法の定めではないためBを拘束せず、更新拒絶には借地借家法の正当事由が要ります。なお、2026年4月施行の改正法で、建替え決議後に専有部分の賃貸借の終了を請求できる制度(64条の2)が設けられました。

ウ ○

管理費等の支払義務を負うのは区分所有者です(19条)。Bの口座から引き落とすと届け出ていても、管理組合は滞納分をAに請求できます。

エ ×

建物内に掲示しなければならないのは、議題について利害関係を持つ占有者がいる場合です(44条2項)。Bに利害関係がなければ、Bのための掲示は要りません。

公式問題で問7を見る

問8 ごみ屋敷状態と共同利益違反

ごみをため込んだ専有部分について、管理者や隣の区分所有者がとれる手段を区分所有法と民法の管理命令から確かめます。

正解 2

民法の所有者不明建物管理命令は、区分所有建物の専有部分と共用部分には適用されません(区分所有法6条4項)。誤りは2です。

1 ○

共同の利益に反する行為の停止や結果の除去を求めて管理者が訴えを起こすには、集会の決議が必要です(57条2項・3項)。規約の定めで代えることはできません。

2 ×

民法の所有者不明建物管理命令(264条の8)は、専有部分と共用部分には適用されません(区分所有法6条4項)。なお、2026年4月施行の改正法で、区分所有法に所有者不明専有部分管理命令(46条の2)が設けられました。

3 ○

Aの不適切な管理によってBが健康を害し通院が必要になったのであれば、Bは不法行為による損害賠償を請求できます(民法709条)。

4 ○

民法の管理不全建物管理命令(264条の14)も、専有部分と共用部分には適用されません(区分所有法6条4項)。改正法では、区分所有法に管理不全専有部分管理命令(46条の8)が設けられています。

公式問題で問8を見る

問9 建替え決議後の催告・売渡請求

建替え決議の後、賛成しなかった区分所有者への催告、回答がない場合の扱い、売渡請求とその効果を確かめます。

正解 3

売渡請求によって売買契約が成立するため、移転登記と代金の支払は同時履行の関係になります。正しいのは3です。

1 ×

催告を受けた日から2か月以内に回答しない区分所有者は、建替えに参加しない旨を回答したものとみなされます(63条4項)。

2 ×

売渡請求の相手方は、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者です(63条5項)。参加すると回答したBには請求できません。

3 ○

売渡請求をすると、時価による売買契約が成立します。移転登記と代金の支払は同時履行の関係にあるため(民法533条)、EがCに登記を求めるには代金を提供する必要があります。

4 ×

裁判所が1年以内の期限を許与できるのは、建物の明渡しについてです(63条6項)。移転登記の義務に期限を与える制度ではありません。

公式問題で問9を見る

問10 団地規約と棟別管理

団地共用部分になるもの、棟ごとの規約、団地内建物の一括建替え決議の要件を確かめます。

正解 1

団地共用部分は、団地内の附属施設である建物を規約で指定したものです(67条1項)。土地が当然に団地共用部分になるとする1が誤りです。

1 ×

団地共用部分にできるのは、団地内の附属施設である建物で、規約による指定が必要です(67条1項)。棟が建つ土地は団地建物所有者の共有物として団地管理組合が管理する対象で、団地共用部分ではありません。

2 ○

団地管理組合が各棟の管理を規約で定めるとき(68条1項)、棟ごとに異なる内容を定めることも禁じられていません。

3 ○

出題時の70条1項では、団地全体で区分所有者及び議決権の各5分の4以上の賛成に加え、各棟で区分所有者の3分の2以上かつ議決権の3分の2以上の賛成が必要でした。2026年4月施行の改正法では、いずれかの棟で区分所有者又は議決権の3分の1を超える反対があると決議できない形に改められています。

4 ○

一括建替え決議では、再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項も定めます(70条)。

公式問題で問10を見る

問11 全部滅失後の再建決議

災害で区分所有建物が全部滅失した後、敷地共有者等の集会で行う再建決議の要件と効果を確かめます。

正解 4

建物が滅失しても敷地利用権は残り、その上の抵当権も存続します。再建によって抵当権が消滅するとする4が誤りです。

1 ○

出題時の被災マンション法4条1項では、敷地共有者等の議決権の5分の4以上で再建決議ができました。2026年4月施行の改正で再建決議は区分所有法75条に移り、政令で定める災害の場合は3分の2以上で決議できます(被災マンション法2条)。

2 ○

議決権を持つのは、敷地共有持分等を持つ敷地共有者等です。滅失後に持分を第三者へ譲渡した人は議決権を失い、譲り受けた人が議決権を持ちます。

3 ○

再建する建物は、元の敷地の一部に建ててもよく、元の敷地の全部又は一部を含む別の範囲の土地に建ててもかまいません(被災マンション法4条1項)。

4 ×

建物が全部滅失しても敷地利用権は消えないため、敷地利用権に設定された抵当権も存続します。建物が再建されても消滅しません。

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民法・借地借家法・登記の解答・解説(7問)

問12 動産の即時取得・盗品回復

賃借人が勝手に処分した動産や盗まれた動産について、即時取得と盗品の回復請求を確かめます。

正解 4

盗品であれば、即時取得の要件を満たす買主に対しても、盗難から2年間は回復を請求できます。正しいのは4です。

1 ×

即時取得は、取引行為によって占有を始めた人を保護する制度です(民法192条)。相続で占有を始めたCには適用されず、Aの返還請求は認められます。

2 ×

売主が以後は買主のために占有すると示すだけの占有改定では、外から見た占有の状態が変わらないため、即時取得は成立しません(判例)。

3 ×

占有者は善意・平穏・公然に占有するものと推定され(186条1項)、占有物について行使する権利も適法に持つものと推定されます(188条)。このため無過失も推定され、Dが自ら立証する必要はありません(最判昭和41年6月9日)。

4 ○

盗品の被害者は、盗難の時から2年間、占有者に物の回復を請求できます(193条)。Fは同種の物を扱う商人などから買ったわけではないため、代価の弁償も要りません(194条)。

公式問題で問12を見る

問13 詐害行為取消請求

債務者がマンションの一室を贈与した場合の詐害行為取消請求について、期間の制限、取り消せる債権、取消しの範囲、返還の方法を確かめます。

正解 2

詐害行為取消請求ができるのは、取り消す行為より前の原因に基づいて生じた債権に限られます(民法424条3項)。正しいのは2です。

1 ×

訴えを起こせる期間は、債務者が債権者を害すると知って行為したことを債権者が知った時から2年、行為の時から10年です(426条)。行為の時から2年ではありません。

2 ○

取消しの基礎となる債権は、詐害行為より前の原因に基づいて生じたものでなければなりません(424条3項)。

3 ×

自分の債権額の限度で取り消すのは、行為の目的が分けられる場合です(424条の8第1項)。一室の贈与は分けられないため、贈与全体の取消しを請求できます。

4 ×

債権者が自分への直接の支払や引渡しを求められるのは、金銭か動産の場合です(424条の9第1項)。不動産では、Cの登記を抹消してAの名義に戻すよう求めます。

公式問題で問13を見る

問14 手付解除と原状回復

解約手付による解除の方法と時期、債務不履行による解除との違いを確かめます。

正解 3

債務不履行で解除すると双方が原状回復義務を負い、Aは受け取った手付金もBに返します(民法545条1項)。誤りは3です。

1 ○

売主が手付解除をするには手付の倍額を現実に提供すれば足り、買主が受け取らなくても解除できます(557条1項)。

2 ○

手付解除ができなくなるのは、相手方が履行に着手した後です(557条1項ただし書)。自分だけが着手していても、相手方が着手していなければ解除できます。

3 ×

債務不履行による解除では、各当事者が原状回復義務を負います(545条1項)。Aは手付金300万円をBに返したうえで、損害の賠償を請求します(545条4項)。

4 ○

手付解除をされた側は、損害賠償を請求できません(557条2項)。損害が手付の額を超えても同じです。

公式問題で問14を見る

問15 使用貸借の解除・修繕・相続

無償で部屋を貸す使用貸借について、解除できる時期、修繕、借主の死亡、期間の定めがない場合を確かめます。

正解 4

期間も使用・収益の目的も定めていない使用貸借は、貸主がいつでも解除できます(民法598条2項)。正しいのは4です。

1 ×

書面によらない使用貸借を貸主が解除できるのは、借主が物を受け取るまでです(593条の2)。Bはすでに引渡しを受けているので、解除できません。

2 ×

使用貸借の貸主には修繕義務がありません。賃貸借とは異なり、Bは修繕を請求できません。

3 ×

使用貸借は借主の死亡で終了し(597条3項)、借主の地位は相続されません。

4 ○

期間と使用・収益の目的のどちらも定めていなければ、貸主はいつでも契約を解除できます(598条2項)。

公式問題で問15を見る

問16 事務管理の義務・費用償還

留守中の隣室の窓ガラスを直すなど、頼まれずに他人の事務を処理する事務管理のルールを確かめます。

正解 2

事務管理者が本人のために有益な費用を支出したときは、本人に償還を請求できます(民法702条1項)。Bが費用を負担しなければならないとする2が誤りです。

1 ○

事務管理者は、事務の性質に従い、本人の利益に最も適する方法で管理しなければなりません(697条1項)。

2 ×

窓ガラスの修理費用は本人のための有益な費用にあたり、BはAに償還を請求できます(702条1項)。

3 ○

事務管理を始めたら、本人がすでに知っている場合を除き、遅滞なく本人に通知します(699条)。

4 ○

本人の財産への急迫の危害を避けるための事務管理では、悪意か重大な過失がなければ損害賠償責任を負いません(698条)。火を消すために割った窓ガラスの修理費用を払う必要はありません。

公式問題で問16を見る

問17 不法行為の消滅時効

物の損害と人身の損害で、不法行為による損害賠償請求権の消滅時効の期間と起算点がどう違うかを確かめます。

正解 1

人身傷害は損害と加害者を知った時から5年で、後遺症の損害を知るのは症状固定の時です。令和2年7月31日から5年の令和7年7月31日の経過で消滅するので、正しいのは1です。

1 ○

生命・身体を害する不法行為の損害賠償請求権は、損害と加害者を知った時から5年で時効にかかります(民法724条の2)。後遺症が残った場合は症状固定の時に損害を知ったと扱われ、令和2年7月31日から5年の令和7年7月31日の経過で消滅します。

2 ×

自転車の損傷は物の損害なので期間は3年で(724条1号)、事故当日の令和2年5月1日から数えて令和5年5月1日の経過で消滅します。

3 ×

人身傷害の起算点は事故の日ではなく、後遺症の損害を知った症状固定の日です。令和7年5月1日ではありません。

4 ×

自転車の損傷の起算点は事故の日で、期間は3年です。症状固定の日から数えるのではありません。

公式問題で問17を見る

問18 管理費先取特権と担保不動産競売

滞納管理費を区分所有法7条の先取特権で回収する場合の優先順位、登記、競売の申立て、代位登記を確かめます。

正解 2

敷地権付き区分建物には、建物だけを目的とする担保権の登記はできません(不動産登記法73条3項)。誤りは2です。

1 ○

区分所有法7条の先取特権は、優先権の順位と効力について共益費用の先取特権とみなされる一般の先取特権です(7条2項)。登記をした抵当権者には対抗できず、第一順位の抵当権に劣後します(民法336条ただし書)。

2 ×

敷地権付き区分建物には、建物だけを目的とする先取特権などの担保権の登記をすることができません(不動産登記法73条3項)。

3 ○

一般の先取特権は、その存在を証する文書を提出すれば、登記がなくても担保不動産競売を申し立てられます(民事執行法181条1項4号)。

4 ○

管理者は、管理組合の債権を保全するため、相続人に代位して相続による所有権移転登記を申請できます(民法423条1項)。

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標準管理規約・管理組合運営の解答・解説(9問)

問25 修繕・改良工事と積立金

標準管理規約で、専有部分の工事に伴う共用部分の工事、緊急時の保存行為、窓ガラスの交換や改良工事の負担を確かめます。

正解 1

理事長の書面による承認を受ければ、その範囲内で専有部分の修繕等に伴う共用部分の工事ができます(標準管理規約17条)。適切なのは1です。

1 ○

専有部分の修繕等をする区分所有者は、設計図・仕様書・工程表を付けて理事長に申請し、書面で承認を受けます。承認があれば、その範囲内で専有部分の修繕等に伴う共用部分の工事もできます(17条)。

2 ×

専有部分の使用に支障が生じていて緊急を要するときは、区分所有者が承認を受けずに共用部分の保存行為を行えます(21条3項ただし書)。台風で割れた窓ガラスを同じ仕様のもので張り替える場合がその例です。

3 ×

窓ガラスは共用部分で、区分所有者が持つのは専用使用権です。通常の使用に伴う保存行為は専用使用権者が行いますが、経年劣化への対応は管理組合が計画修繕として負担します(21条関係コメント)。

4 ×

断熱性を高める窓枠・窓ガラスの改良工事は、管理組合が計画修繕として行うのが原則です(22条1項)。管理組合が速やかに実施できない場合に区分所有者が行うときは、その区分所有者の責任と負担で行うため(22条2項)、費用を管理組合に請求することはできません。

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問26 占有者・同居人の規約遵守

標準管理規約で、占有者が総会で意見を述べられる場合、議決権の代理人、帳票や規約・議事録を閲覧できる利害関係人を確かめる個数問題です。

正解 3

適切なのはイ・ウ・エの三つで、正解は3です。

ア ×

占有者が総会で意見を述べられるのは、議題について利害関係を持つ場合です(標準管理規約45条2項)。占有者が規約上負うのは使用方法についての義務で、修繕積立金の値上げは、家賃に管理費等を上乗せしていても占有者の利害関係にはあたりません。

イ ○

代理人にできるのは、組合員の配偶者・一親等の親族、組合員の住戸に同居する親族、他の組合員などです(46条5項)。同居している姪は同居する親族にあたります。

ウ ○

会計帳簿などの帳票類は、組合員か利害関係人が理由を付けて書面で請求すれば閲覧できます(64条1項)。組合員から売却の媒介を頼まれた宅地建物取引業者も利害関係人に含まれます。

エ ○

規約と総会議事録は、区分所有者のほか利害関係人も閲覧を請求できます(49条、72条)。規約違反の是正を求められている同居の親族は、法律上の利害関係を持つ者にあたります。

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問27 災害への備えと管理組合

管理組合が行う災害への備えについて、費用の出どころ、支援が必要な人の名簿、合い鍵の預かり、書面決議の要件を確かめます。

正解 4

書面による決議には区分所有者全員の承諾が必要で(区分所有法45条1項)、規約で要件を緩めることはできません。適切でないのは4です。

1 ○

防災は管理組合の業務で(標準管理規約32条)、管理費はその業務の費用に充てられます(27条)。地域と一体で行う防災訓練のうち、マンションの住民の避難訓練に相当する分は管理費から出せます。

2 ○

防災の業務の一環として、組合員名簿とは別に、災害時に特別な支援が必要な人の名簿を備え、本人に記載への協力を求めることができます。

3 ○

理事長は、災害などで緊急に立ち入らないと共用部分や他の住戸に重大な影響が出るおそれがあるとき、専有部分などに立ち入れます(23条4項)。その実効性を高めるため、各住戸の合い鍵を預かると定めることも考えられますが、プライバシーへの配慮が必要です。

4 ×

集会を開かずに書面で決議するには、区分所有者全員の承諾が必要です(区分所有法45条1項)。この要件を規約で緩める規定はなく、4分の3以上の決議で規約を改めても全員の承諾は省けません。

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問28 外部専門家を理事長に選任する手続

外部専門家を理事長に選ぶ場合の細則、欠格条項、委託契約、細則を定める総会決議の要件について、標準管理規約と外部専門家の活用ガイドラインで確かめます。

正解 4

細則の制定は総会の普通決議で足り、出席組合員の議決権の過半数で決めます(標準管理規約47条2項、48条)。4分の3以上が必要とする4が適切でありません。

1 ○

外部専門家の選任方法は細則に委ねられているため(35条4項)、役職も含めて総会で決議するといった特別な手続をあらかじめ細則で定めておくのが望ましいとされています。

2 ○

外部専門家を役員にする場合、マンション管理士の登録の取消しや、同じような資格の取消処分を受けた人を欠格とする定めを細則に置きます(36条の2関係コメント)。

3 ○

外部専門家を理事長にするには、総会や理事会での選任に加え、管理組合と専門家の間で理事長業務の委託契約を結び、権限や責任を明確にします(外部専門家の活用ガイドライン)。

4 ×

細則の制定・変更・廃止は総会の決議事項ですが(48条)、特別決議の対象ではなく、出席組合員の議決権の過半数で決めます(47条2項)。

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問29 役員と理事会

標準管理規約で、役員の欠格事由、監事による理事会の招集、建物診断の発注、役員の利益相反取引を確かめます。

正解 4

役員が自分のために管理組合と取引するときは、理事会で重要な事実を示して承認を受けます(標準管理規約37条の2)。適切なのは4です。

1 ×

役員の欠格事由は、心身の故障で職務を適正に行えない者、一定の刑に処せられた者、暴力団員等などで(36条の2)、滞納管理費の請求訴訟の被告であることは含まれません。

2 ×

監事は理事長に理事会の招集を請求でき、請求後一定期間内に招集の通知が出ないときに自ら招集できます(41条)。いつでも自ら招集できるわけではありません。

3 ×

修繕工事の前提となる建物診断の費用は修繕工事の一環として修繕積立金から出すのが原則で(32条関係コメント)、修繕積立金の取崩しには総会の決議が必要です(48条)。理事会だけでは発注できません。

4 ○

理事に就いたマンション管理士が管理組合と長期修繕計画作成の契約を結ぶのは、役員が自分のために管理組合と取引する場合にあたります。理事会で重要な事実を開示し、承認を受けます(37条の2)。

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問30 WEB会議併用総会

集会所での会議とWEB会議システムを併用する総会で、議決権行使、理事長の出席方法、代理人、招集通知の時期を確かめます。

正解 3

WEB会議で出席する組合員の議決権行使は、会場で出席する場合と同じに扱います。総会に出られない組合員はWEB会議で出席する他の組合員を代理人にできるので、適切なのは3です。

1 ×

WEB会議システムで出席した組合員の議決権行使は、会場で出席した場合と同じに扱われ、規約にあらかじめ定めておく必要はありません(標準管理規約46条関係コメント)。

2 ×

理事長はWEB会議システムで出席して業務の報告をすることもできます(38条関係コメント)。会場に出席しなければならないわけではありませんが、組合員の質問には適切に答える必要があります。

3 ○

他の組合員は代理人にできる者に含まれます(46条5項)。配偶者が会場に出席できる場合でも、WEB会議で出席する予定の組合員を代理人に選べます。

4 ×

緊急を要するときは、理事長は理事会の承認を得て、招集通知の期間を5日を下回らない範囲で短縮できます(43条9項)。IDやパスワードの送付が必要でも、2週間前でなければならないわけではありません。

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問31 議決権行使の有効性

総会で提出された委任状や議決権行使書が有効かどうか、標準管理規約の代理人の範囲と書面による議決権行使から確かめます。

正解 3

代理人にできるのは、組合員の配偶者・一親等の親族、同居する親族、他の組合員に限られます(標準管理規約46条5項)。購入の媒介をした不動産業者はいずれにもあたらないので、3が適切でありません。

1 ○

出席票に「欠席した場合は議長に一任する」と書き添えて返したものは、議長を代理人とする委任と扱えます。この管理組合では議長は組合員なので、代理人の範囲にも収まります。

2 ○

書面による議決権行使に決まった様式はありません(46条4項)。組合員が自分で作成し、部屋番号と氏名を書いた議決権行使書も有効です。

3 ×

代理人にできる者の範囲は46条5項で限られています。住戸購入を媒介した不動産業者はどれにもあたらず、その委任状による議決権行使は認められません。

4 ○

署名があり本人が誰か確認できれば、住戸番号の記載がなくても議決権行使書として有効に扱えます。

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問32 規約改正が必要な事項

標準管理規約と同じ内容の規約を持つ管理組合で、役員の立候補・輪番制・総会の議長・役員の選任方法のうち、規約の改正が必要なものを見分けます。

正解 3

標準管理規約では総会の議長は理事長が務めるため(42条5項)、出席組合員の中から議長を選ぶには規約の改正が必要です。正解は3です。

1 不要

標準管理規約には役員の立候補の届出に関する定めがないため、届出期間を設けるのに規約の改正は要りません。細則などで定められます。

2 不要

立候補がない場合の輪番制も規約に定めのない事項で、規約の改正なしに運用できます。

3 必要

総会の議長は理事長が務めると規約で定めています(42条5項)。出席組合員の中から選ぶには、この規定を改める必要があります。

4 不要

役員を一括で選ぶか個別に信任するかは規約に定めがなく、総会の議事の進め方として決められます。

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問33 団地管理組合の運営

団地型の標準管理規約で、駐車場使用料の積立て、滞納への法的措置、特定の棟が使う通路の修繕、各棟修繕積立金の取崩しの決議機関を確かめます。

正解 3

通路などの土地は団地全体の管理対象なので、修繕は団地総会で決め、団地修繕積立金から支出します。適切なのは3です。

1 ×

駐車場使用料は管理に要する費用に充てるほか、団地建物所有者の土地の共有持分に応じて棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てます(団地型31条)。区分所有者の数に応じるのではありません。

2 ×

滞納管理費等への訴訟などの法的措置は、理事会の決議により理事長が管理組合を代表して行います(団地型62条)。棟総会の決議は要りません。

3 ○

敷地内の通路は土地の一部で、特定の棟の住民が主に使うものでも団地全体で管理します。その修繕は団地総会で決め、団地修繕積立金から支出します(団地型28条)。

4 ×

各棟修繕積立金は棟ごとに区分して経理しますが、取り崩して工事を行うには団地総会の決議が必要です(団地型50条)。棟総会の決議ではありません。

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管理組合会計の解答・解説(2問)

問34 発生主義の仕訳

発生主義による管理組合の仕訳として、前払金、前受金・未収金、前期の未収金の入金、記帳漏れを確かめます。

正解 3

前期の未収金20万円のうち17万円が入金されたときの仕訳は、現金預金17万円と未収金17万円だけです。残る3万円は未収のままにしておくので、管理費収入を減らす3が適切でありません。

1 ○

着手金5万円は支払時に前払金として計上しています。工事完了時に前払金を修繕費へ振り替え、支払った20万円と合わせて修繕費25万円とする仕訳は適切です。

2 ○

入金30万円のうち、令和4年3月分2万円は前期の未収金の回収、4月〜翌3月分24万円は当期の管理費収入、翌4月・5月分4万円は前受金です。

3 ×

入金した17万円について現金預金と未収金を17万円ずつ計上します。未入金の3万円は回収を続ける債権なので、未収金を消して管理費収入を減らす処理は適切でありません。

4 ○

支払った損害保険料5万円の記帳漏れは、保険料5万円と現金預金5万円の仕訳で補います。

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問35 預金残高差異の原因

決算日の帳簿上の現金預金と預金残高証明書が2万円ずれた原因について、仕訳から確かめます。

正解 4

未収金として処理した基地局設置料2万円が実際には入金されていたため、帳簿の現金預金が2万円少なくなります。適切なのは4です。

1 ×

4月分の管理費が3月に入金されたときに現金預金と前受金で処理するのは正しい処理で、帳簿の現金預金と残高証明書は一致します。

2 ×

未払金で処理した保守料が実際には引き落とされていたので、帳簿の現金預金は残高証明書より2万円多くなります。少なくなるのではありません。

3 ×

翌年度分の保険料を前払金とし、支払額4万円を現金預金から減らすのは正しい処理で、差異は生じません。

4 ○

設置料を未収金で処理したため帳簿の現金預金は増えていませんが、実際は入金されていました。帳簿の現金預金が2万円少なくなります。

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建物・設備・修繕の解答・解説(10問)

問36 長期修繕計画の作成条件

長期修繕計画作成ガイドライン(令和3年9月)が掲げる長期修繕計画の目的を確かめます。

正解 2

長期修繕計画は、工事の内容、おおよその時期、概算の費用を明らかにするもので、実施の時期を確定させるものではありません。適切でないのは2です。

1 ○

快適な居住環境と資産価値を保つには、適時に適切な修繕工事を行うことが必要だとガイドラインは述べています。

2 ×

目的は、将来の修繕工事・改修工事の内容、おおよその時期、概算の費用などを明らかにすることです。時期を確定させることまでは目的にしていません。

3 ○

計画修繕のために積み立てる修繕積立金の額の根拠を明らかにすることも目的の一つです。

4 ○

修繕・改修の長期計画についてあらかじめ合意し、計画修繕工事を円滑に進めることも目的の一つです。

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問37 長期修繕計画の作成方法

長期修繕計画作成ガイドラインが示す計画の構成、計画期間、修繕工事の集約、推定修繕工事費の算定を確かめます。

正解 3

修繕工事をまとめて行うと、足場などの仮設の費用を減らせるという経済的な利点があります。費用が増えるとする3が適切でありません。

1 ○

計画は、建物・設備の概要等、調査・診断の概要、計画作成と積立金の額の設定の考え方、計画の内容、修繕積立金の額の設定を基本の構成とします。

2 ○

計画期間は30年以上で、大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とします。

3 ×

工事を集約すると、直接仮設や共通仮設の設置費用を軽減できるなどの経済的な利点があります。費用が増えるのではありません。

4 ○

推定修繕工事費は、計画用に算出した数量に、調査データや実績などから設定した単価を掛けて算定します。

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問38 大規模修繕工事の設計・施工

大規模修繕工事で使う防水材料、工事騒音の目安、ひび割れの補修方法、外壁の改修工法を確かめます。

正解 2

室内で40dBA程度は静かな住宅の居室と同じくらいの音で、この程度で不快感を訴える人が多くなるとはいえません。適切でないのは2です。

1 ○

溶融温度が低い改質アスファルトを使えば、アスファルトを溶かすときの煙や臭いを減らせます。

2 ×

40dBA程度は住宅の居室で普通に見られる静かさの水準です。不快感の訴えが増えるのは、これより大きな騒音の場合です。

3 ○

幅が1.0mmを超え、幅が動くひび割れは、U字形に溝を切ってシーリング材など伸縮に追従する材料を充填するUカットシール材充填工法で補修するのが一般的です。

4 ○

ピンネット工法は、既存のタイルやモルタルを残したまま、アンカーピンで剝落を防ぎ、繊維ネットで仕上げ層を一体にして安全性を確保する工法です。

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問39 調査機器と劣化診断

建物調査に使う機器と、その機器で調べる内容の組合せを確かめます。

正解 3

タッピングマシンは床衝撃音の遮音性能を測るときに使う機器で、外壁タイルの浮きは打診などで調べます。適切でないのは3です。

1 ○

電磁波レーダは、コンクリート内部の鉄筋の位置やかぶり厚さを調べるのに使います。

2 ○

クラックスケールは、コンクリートのひび割れの幅を測る目盛り付きの道具です。

3 ×

タッピングマシンは、靴のかかとのような軽い衝撃を床に与え、下の階で聞こえる音から床の遮音性能を評価する機器です。外壁タイルの浮きは、テストハンマーによる打診や赤外線装置で調べます。

4 ○

針入度計は、アスファルトに針が刺さる深さから硬さを測る機器で、防水層の劣化の程度を調べるのに使えます。

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問40 建物構造と耐震・荷重

建築基準法の耐震基準の目標、壁式構造、耐震構造、鋼とコンクリートを組み合わせた構造を確かめます。

正解 4

鋼管の中にコンクリートを詰めた構造はコンクリート充填鋼管構造(CFT造)で、鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)ではありません。適切でないのは4です。

1 ○

現行の耐震基準は、震度6強から7程度の大地震でも、人命に危害を及ぼす倒壊などが生じないことを目標にしています。

2 ○

壁式構造は、鉄筋コンクリートの壁と床を一体にして荷重や外力を受ける構造で、壁が多く必要になるため中層・低層のマンションに向いています。

3 ○

耐震構造は、柱・梁・壁の剛性や強度を高めて地震の力に抵抗する方式で、多くのマンションが採用しています。

4 ×

SRC造は、鉄骨の周りに鉄筋を配してコンクリートを打ち込んだ構造です。鋼管にコンクリートを詰めた構造はコンクリート充填鋼管構造(CFT造)と呼びます。

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問41 防犯設備・照度・見通し

防犯設計指針が示す共用部分の照度と、屋外階段の配置の考え方を確かめます。

正解 1

共用廊下と共用階段の照明は、床面でおおむね20ルクス以上の平均水平面照度を確保するものとされています。50ルクスとする1が適切でありません。

1 ×

共用廊下・共用階段の照明設備は、極端な明暗が出ないようにしながら、床面でおおむね20ルクス以上を確保します。50ルクス以上が目安となるのは共用玄関の内側などです。

2 ○

屋外の共用階段は住棟の外から見通せるようにし、バルコニーに近い部分はバルコニーへ侵入しにくい構造にするのが望ましいとされています。

3 ○

敷地内の通路は共用玄関や居室の窓から見通せる位置に配置し、路面でおおむね3ルクス以上の照度を確保します。

4 ○

共用玄関の照明は、内側の床面でおおむね50ルクス以上、外側の床面でおおむね20ルクス以上を確保します。

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問42 断熱・換気・省エネ

建築物省エネ法の住宅の基準、熱貫流率、夏の日射対策、断熱性能を高める方法を確かめます。

正解 1

建築物省エネ法で住宅に関わる基準は、建築物エネルギー消費性能基準のほか、誘導基準や住宅トップランナー基準があり、2つに限られません。適切でないのは1です。

1 ×

住宅に関わる基準には、建築物エネルギー消費性能基準(省エネ基準)、より高い水準の誘導基準、住宅トップランナー基準があります。2つとする点が誤りです。

2 ○

熱貫流率は、材料の熱伝導率と表面の熱伝達率から決まります。値が大きい壁ほど熱を通しやすく、小さい壁ほど保温性が高くなります。

3 ○

夏は日射を室内に入れないことが省エネの要点で、ブラインドやルーバーで直射光を遮るのは有効です。

4 ○

外壁を熱伝導抵抗の高い仕様にし、建具の気密性を高めると、熱の出入りが減り断熱性能が上がります。

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問43 給水方式と受水槽

専有部分の給水圧力、さや管ヘッダー工法の配管材、受水槽の排水口空間とマンホールを確かめる組合せ問題です。

正解 2

適切でないのはイとウで、正解は2です。さや管ヘッダー工法では樹脂管を使い、受水槽のオーバーフロー管と排水管の間には150mm以上の排水口空間を設けます。

ア ○

住戸内の給水圧力の上限は、一般に300〜400kPaに設定します。

イ ×

さや管ヘッダー工法では、曲げやすく耐食性の高い水道用架橋ポリエチレン管や水道用ポリブテン管を使います。ポリエチレン粉体ライニング鋼管ではありません。

ウ ×

受水槽へ排水が逆流しないよう、オーバーフロー管の下端と排水管の間には150mm以上の排水口空間を確保して間接排水にします。100mmでは足りません。

エ ○

ほこりなどが入らないよう、点検用マンホールの面は受水槽の上面から10cm以上立ち上げます。

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問44 排水通気・排水管

通気管の種類、トラップの用途、排水横枝管の勾配、排水立て管の掃除口の間隔を確かめる組合せ問題です。

正解 3

適切なのはウとエで、正解は3です。

ア ×

結合通気管は、排水立て管と通気立て管を結び、排水立て管内の圧力変動を緩和する管です。排水横枝管から立ち上げて通気立て管につなぐのはループ通気管です。

イ ×

逆わんトラップは、洗濯機の防水パンの排水口などに使われるトラップです。台所流しの排水口に設けるとする点が適切ではありません。

ウ ○

排水横管は管径が大きいほど緩い勾配で足り、管径65mm以下では最小勾配を1/50とします。管径50mmの浴室系統の横枝管も1/50です。

エ ○

排水立て管の掃除口は、清掃ノズルを入れられるよう、3〜5階以内の間隔で設けます。

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問45 電気・消防・昇降機設備

ガス給湯器の号数、熱交換型換気扇、特殊継手排水システム、給水栓の残留塩素を確かめます。

正解 2

熱交換型換気扇は給気と排気の両方を機械で行う第1種換気で、外気の熱負荷を減らせます。適切なのは2です。

1 ×

給湯器の1号は、毎分1リットルの水の温度を25℃上げる能力です。20℃ではありません。

2 ○

熱交換型換気扇は給気と排気を機械で行う第1種換気方式で、排気する空気の熱を取り入れる外気に移すため、換気による熱負荷を減らせます。

3 ×

特殊継手排水システムは、特殊な継手で排水に旋回流を起こし、伸頂通気だけで通気を確保する方式です。通気立て管を設けない点に特徴があります。

4 ×

給水栓の水は、遊離残留塩素を0.1mg/ℓ以上保持するよう塩素消毒します(水道法施行規則17条1項3号)。0.05mg/ℓではありません。

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マンション管理適正化法の解答・解説(5問)

問46 管理計画認定と助言・勧告

マンション管理適正化法で、都道府県等の助言・指導、区分所有者等の努力義務、管理計画認定の更新、推進計画のための協力要請を確かめる個数問題です。

正解 4

ア〜エはすべて正しく、正解は4です。

ア ○

都道府県等は、マンション管理適正化指針に即して、管理組合の管理者等(いなければ区分所有者等)に必要な助言と指導ができます(5条の2第1項)。

イ ○

区分所有者等は、管理組合の一員としての役割を適切に果たすよう努めなければなりません(5条2項)。

ウ ○

管理計画の認定は5年ごとに更新を受けないと、期間の経過で効力を失います(出題時の5条の6第1項)。2026年4月施行の改正後は5条の16に規定されています。

エ ○

都道府県等は、推進計画の作成・変更や計画に基づく措置のため特に必要なときは、管理組合やマンション管理業者などに調査への協力を求められます(3条の2第6項)。

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問47 管理適正化基本方針

国の「マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針」(令和3年9月)が管理組合に求める取組みを確かめる個数問題です。

正解 3

適切なのはア・イ・エの三つで、正解は3です。設計図書は区分所有者等の求めに応じて閲覧できるようにするもので、建設業者や宅地建物取引業者を相手とする記述は誤りです。

ア ○

基本方針は、防災・減災や防犯、日常のトラブル防止の観点からもコミュニティ形成が重要だとし、管理組合も区分所有法に則って良好なコミュニティ形成に取り組むよう求めています。

イ ○

管理組合の自立的な運営は区分所有者等全員の参加と意見の反映で成り立つため、情報開示や運営の透明化を通じて開かれた民主的なものにする必要があるとしています。

ウ ×

設計に関する図書等は、管理者等が保管し、区分所有者等の求めに応じて適時閲覧できるようにすることが重要だとされています。建設業者や宅地建物取引業者の求めに応じるとはしていません。

エ ○

経済的な基盤を確立するため、管理費と修繕積立金などを必要な額で徴収し、規約に基づいて帳簿上も区分して経理し、適正に管理する必要があるとしています。

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問48 管理計画認定基準

管理計画の認定基準のうち、役員の体制、長期修繕計画、規約の定め、名簿の整備を確かめます。

正解 3

認定基準が規約に求めるのは、管理組合の財務・管理の情報を区分所有者等に書面で交付する(又は電磁的方法で提供する)定めなどで、情報の保管を電磁的方法で行う定めは求めていません。誤っているのは3です。

1 ○

管理者等と監事が置かれていることが、管理組合の運営に関する基準の一つです。

2 ○

長期修繕計画は、計画期間が30年以上で、残りの期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれるように設定されていることが求められます。

3 ×

規約に求められるのは、緊急時の専有部分への立入り、修繕などの履歴情報の管理、財務・管理の情報の書面交付(又は電磁的方法による提供)についての定めです。情報の保管を電磁的方法に限る定めは基準にありません。

4 ○

組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上内容を確認していることが基準とされています。

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問49 マンション管理業者の業務規制

マンション管理業者の基幹事務の再委託、管理事務の報告、契約成立時の書面、毎月の収支報告書を確かめる個数問題です。

正解 1

正しいのはウだけで、正解は1です。

ア ×

基幹事務は一括して他人に再委託してはなりません(74条)。複数の業者に分けて委託しても、全部を再委託すれば一括再委託にあたります。

イ ×

管理者等が置かれていない管理組合では、定期に説明会を開き、管理業務主任者に区分所有者等へ報告させます(77条2項)。書面の交付だけでは足りません。

ウ ○

管理受託契約を結んだら、管理者等が置かれている管理組合では、その管理者等に遅滞なく契約成立時の書面を交付します(73条1項)。

エ ×

毎月の収支状況の書面は、翌月末日までに管理者等に交付しますが(施行規則87条5項)、管理業務主任者の記名は求められていません。

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問50 重要事項説明と書面交付

管理受託契約の重要事項説明について、主任者証の提示、同一条件での更新、認定管理者等の説明省略、書面交付の時期を確かめる個数問題です。

正解 3

誤っているのはア・ウ・エの三つで、正解は3です。

ア ×

管理業務主任者は、重要事項を説明するときは相手方の求めがなくても管理業務主任者証を提示しなければなりません(72条4項)。

イ ○

管理事務の範囲を広げて費用を据え置く更新は、従前と同一の条件での更新に含まれると扱われます。この場合は説明会を開く必要がありません。

ウ ×

認定管理者等が説明不要の意思を示せば、管理者等への説明は書面の交付で代えられます(72条3項ただし書)。それでも、区分所有者等全員への重要事項の書面交付(72条2項)は省けません。

エ ×

重要事項と説明会の日時・場所を記載した書面は、説明会の日の1週間前までに区分所有者等と管理者等の全員に交付します(72条1項)。5日前では足りません。

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出典と照合

出典は公益財団法人マンション管理センターが公表した令和5年度の試験問題と正解です。問題本文と選択肢は転載していません。解説は資格Hubが条文、標準管理規約、国の指針とガイドラインを確認して書いたもので、試験実施団体とは関係ありません。

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