法規 全13問の解説
第1問・電気事業法
使用開始前の届出が必要な小規模事業用電気工作物
小規模事業用電気工作物に当たるのは、太陽電池発電設備では出力10 kW以上50 kW未満、風力発電設備では出力20 kW未満のものである。設置者は使用の開始前に経済産業大臣へ届け出る。水力・内燃力・燃料電池の小出力発電設備は、選択肢の出力なら一般用電気工作物になる。
公式正答(3) 出力5 kWの風力発電設備
各選択肢の判断理由
(1) 出力5 kWの太陽電池発電設備:誤り
10 kW未満の太陽電池は一般用電気工作物で、届出の対象外。
(2) 出力15 kWの水力発電設備:誤り
20 kW未満でダムを伴わない水力は一般用電気工作物。
(3) 出力5 kWの風力発電設備:正しい
20 kW未満の風力は出力にかかわらず小規模事業用電気工作物で、使用開始前に届け出る。
(4) 出力5 kWの内燃力発電設備:誤り
10 kW未満の内燃力は一般用電気工作物。
(5) 出力8 kWの燃料電池発電設備:誤り
条件を満たす10 kW未満の燃料電池は一般用電気工作物。
第2問・電気関係報告規則
自家用電気工作物の事故報告
電圧1万V以上の需要設備に属する主要電気工作物の破損事故と、電圧3,000 V以上の自家用電気工作物による供給支障事故(波及事故)は、事故報告の対象になる。速報は事故を知った時から24時間以内、報告書は30日以内に出す。波及事故の原因が自然現象であるものは、報告書の提出を要しない。
公式正答(3) 10,000・3,000・自然現象
各選択肢の判断理由
(1) 6,000・3,000・自然現象:誤り
主要電気工作物の破損事故の対象は電圧1万V以上の需要設備。
(2) 6,000・6,000・経年劣化:誤り
三つの空欄とも違う。
(3) 10,000・3,000・自然現象:正しい
3空欄とも正しい。
(4) 10,000・6,000・経年劣化:誤り
波及事故の対象は3,000 V以上で、報告書が不要になるのは自然現象による場合。
(5) 10,000・6,000・自然現象:誤り
(イ)が違う。高圧受電の自家用電気工作物は3,000 V以上で対象になる。
第3問・電気設備技術基準
サイバーセキュリティの確保
電技第15条の2は、小規模事業用電気工作物を除く事業用電気工作物の運転を管理する電子計算機について、人体への危害・物件の損傷と、一般送配電事業又は配電事業の電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないよう、サイバーセキュリティの確保を求めている。
公式正答(2) 小規模事業用電気工作物・電子計算機・一般送配電事業
各選択肢の判断理由
(1) 小規模事業用電気工作物・制御装置・電気使用場所:誤り
(イ)は電子計算機、(ウ)は一般送配電事業。
(2) 小規模事業用電気工作物・電子計算機・一般送配電事業:正しい
3空欄とも正しい。
(3) 自家用電気工作物・制御装置・電気使用場所:誤り
3空欄とも違う。
(4) 自家用電気工作物・電子計算機・一般送配電事業:誤り
除かれるのは小規模事業用電気工作物で、自家用電気工作物は対象に含まれる。
(5) 小規模事業用電気工作物・電子計算機・電気使用場所:誤り
(ウ)が違う。供給支障の対象は一般送配電事業又は配電事業。
第4問・電気設備技術基準の解釈
23 kVで受電する変圧器の絶縁耐力試験
解釈第16条では、最大使用電圧が7,000 Vを超え60,000 V以下の変圧器の巻線(中性点接地式で多重接地するものを除く)は、最大使用電圧の1.25倍の電圧を連続して10分間加えて試験する。
公式正答(3) 1.25倍の28,750 Vを10分間
23000×1.25=28750 V
各選択肢の判断理由
(1) 1.1倍・25,300 V・1分間:誤り
倍率も試験時間も規定と違う。
(2) 1.25倍・28,750 V・1分間:誤り
電圧は合うが、試験時間は10分間。
(3) 1.25倍・28,750 V・10分間:正しい
規定どおり。
(4) 1.5倍・34,500 V・1分間:誤り
1.5倍は最大使用電圧7,000 V以下の場合で、試験時間も違う。
(5) 1.5倍・34,500 V・10分間:誤り
1.5倍は最大使用電圧7,000 V以下の場合の倍率。
第5問・発電用風力設備の技術基準
風車の施設
発電用風力設備の技術基準は、風車について、負荷を遮断したときの最大速度や風圧に対して構造上安全であること、運転中に損傷を与えるような振動がないこと、運転中に他の工作物や植物等に接触しないことを求めている。
公式正答(4) 構造上安全・振動・接触
各選択肢の判断理由
(1) 安定・変形・影響:誤り
3空欄とも違う。
(2) 構造上安全・変形・接触:誤り
(イ)が違う。風車に損傷を与えるのは振動。
(3) 安定・振動・影響:誤り
(ア)と(ウ)が違う。
(4) 構造上安全・振動・接触:正しい
3空欄とも正しい。
(5) 安定・変形・接触:誤り
(ア)と(イ)が違う。
第6問・電気設備技術基準の解釈
地中電線路の暗きょ式と直接埋設式
解釈第120条では、暗きょ式の地中電線路は、地中電線に耐燃措置を施すか、暗きょ内に自動消火設備を施設する。直接埋設式の埋設深さは、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所で1.2 m以上、その他の場所で0.6 m以上である。
公式正答(2) 耐燃措置・自動消火設備・1.2・0.6
各選択肢の判断理由
(1) 堅ろうな覆い・換気装置・0.6・0.3:誤り
延焼防止の措置と埋設深さがどちらも違う。
(2) 耐燃措置・自動消火設備・1.2・0.6:正しい
4空欄とも正しい。
(3) 耐熱措置・換気装置・1.2・0.3:誤り
暗きょ内に施設するのは自動消火設備で、その他の場所の深さは0.6 m以上。
(4) 耐燃措置・換気装置・1.2・0.6:誤り
(イ)が違う。暗きょ内には自動消火設備を施設する。
(5) 堅ろうな覆い・自動消火設備・0.6・0.3:誤り
(ア)と埋設深さが違う。
第7問・電気設備技術基準の解釈
逆変換装置を用いた分散型電源の系統連系
逆変換装置から直流が系統へ流出しないよう、受電点との間に変圧器を設けるのが原則である。交流出力側で直流を検出して交流出力を停止する機能があり、かつ直流側電路が非接地であるか高周波変圧器を用いていれば省略できる。短絡容量の対策は、低圧の系統に逆変換装置で連系する場合は不要である。
公式正答(4) 停止・非接地式電路・高周波変圧器・低圧
各選択肢の判断理由
(1) 停止・中性点接地式電路・高周波変圧器・低圧:誤り
(イ)が違う。直流側電路は非接地であることが条件。
(2) 抑制・中性点接地式電路・高周波チョッパ・高圧:誤り
4空欄とも違う。
(3) 停止・非接地式電路・高周波変圧器・高圧:誤り
(エ)が違う。短絡容量の対策が不要になるのは低圧の系統に連系する場合。
(4) 停止・非接地式電路・高周波変圧器・低圧:正しい
4空欄とも正しい。
(5) 抑制・非接地式電路・高周波チョッパ・低圧:誤り
直流を検出したら出力を停止する。(ウ)も高周波変圧器。
第8問・電気設備技術基準
配線による他の配線・工作物への危険の防止
電技第62条は、配線が他の配線や弱電流電線と接近・交差する場合の混触による感電・火災を防ぐこと、水道管やガス管と接近・交差する場合に放電で損傷させず、漏電や放電による感電・火災のおそれがないよう施設することを定めている。
公式正答(2) 混触・放電・漏電
各選択肢の判断理由
(1) 混触・誘導・短絡:誤り
(イ)(ウ)が違う。
(2) 混触・放電・漏電:正しい
3空欄とも正しい。
(3) 放電・混触・短絡:誤り
3空欄とも違う。
(4) 誘導・放電・漏電:誤り
(ア)が違う。他の配線とは混触による危険を防ぐ。
(5) 誘導・混触・地絡:誤り
3空欄とも違う。
第9問・電気設備技術基準の解釈
低圧屋内配線の施設場所と工事の種類
解釈第156条の表で、(ア)は乾燥した場所の300 V以下だけで使える工事なので金属線ぴ工事、(イ)は乾燥した場所で300 Vを超えても使える工事なので金属ダクト工事、(ウ)は展開した湿気の多い場所の300 V以下でも使える工事なのでバスダクト工事(屋外用を使う)である。
公式正答(2) 金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト
第10問・高圧受電設備規程
保守・点検の記述の不適切なもの
定期点検は、比較的長い周期で、主に設備を停止して点検・測定・試験を行うものである。短い周期で運転中の設備を目視で確かめるのは日常の巡視・点検に当たる。
公式正答(2) (2)が不適切
各選択肢の判断理由
(1) 日常巡視は運転中の設備を目視等で確認する:正しい
適切。
(2) 定期点検は1週間〜1か月の周期で運転中に目視する:誤り
定期点検の説明として不適切。運転中の目視は日常の巡視・点検で行う。
(3) 精密点検は長期間の周期で分解を含めて点検・試験する:正しい
適切。
(4) 臨時点検は事故や異常のときに点検・試験する:正しい
適切。
(5) 保守は異常や修理の必要に応じて措置を講じる:正しい
適切。
第11問・施設管理
トップランナー変圧器の負荷損と損失比
省エネ基準達成率の式から、更新後の無負荷損と負荷率40 %時の負荷損の和を求める。負荷損は負荷率の2乗に比例するので、0.4²で割ると定格時の負荷損になる。
公式正答(4・2) (a)3,880 W (b)55 %
Wi+Wc40=1.401080≃771.4 W,Wc40=771.4−150=621.4 W
Wc=0.42621.4≃3884 W
(b) 300 kW・力率0.8の負荷は375 kV·Aで、負荷率は375÷500=0.75。
W1=500+6700×0.752≃4269 W,W2=150+3884×0.752≃2335 W
W1W2≃0.547
(a) 各選択肢の判断理由
(1) 1,920:誤り
この負荷損では負荷率40 %時が307 Wとなり、達成率は約236 %で140 %と合わない。
(2) 2,510:誤り
達成率が約196 %となり、140 %と合わない。
(3) 3,140:誤り
達成率が約166 %となり、140 %と合わない。
(4) 3,880:正しい
621.4÷0.16≒3,884 W。
(5) 4,700:誤り
達成率が約120 %となり、140 %に届かない。
第12問・施設管理
1線の絶縁低下でB種接地線に流れる電流
地絡点から見ると、R_Bと3相分の対地静電容量3Cが並列に入り、その先に絶縁抵抗R_Gが直列につながる。テブナンの定理で地絡電流を求め、R_Bに分流する電流を取り出す。
公式正答(5・1) (a)E/√{(R_G+R_B)²+36π²f²C²R_B²R_G²} (b)0.87 A
I˙B=RG+RB+j3ωCRBRGE
IB=(RG+RB)2+36π2f2C2RB2RG2E (b) 対地静電容量の項は約0.02で、(R_G+R_B)²=13,225に比べて無視できる。
IB≃100+15100≃0.87 A
(a) 各選択肢の判断理由
(1) E/√{R_B²+36π²f²C²R_B²R_G²}:誤り
実部にR_Gが入っていない。
(2) 3E/√{(R_G+R_B)²+4π²f²C²R_B²R_G²}:誤り
起電力を3倍にし、静電容量も1相分しか入れていない。
(3) E/√{(R_G+R_B)²+4π²f²C²R_B²R_G²}:誤り
対地静電容量を1相分のCとしている。地絡時は3相分の3Cが並列に入る。
(4) E/√{R_G²+36π²f²C²R_B²R_G²}:誤り
実部にR_Bが入っていない。
(5) E/√{(R_G+R_B)²+36π²f²C²R_B²R_G²}:正しい
テブナンの定理から導いた式。
第13問・施設管理
高圧進相コンデンサの運転電流と素子短絡
定格電流は三相の無効電力の式から求め、図の比率を掛ける。(b)は1相2素子のY結線で、R相の1素子が短絡するとR相の静電容量は2倍になる。
公式正答(1・2) (a)R相6.6 A・S相5.0 A・T相5.0 A (b)S-T相間が最小
In=3×6.6×10350×103≃4.37 A IR=1.50×4.37≃6.6 A,IS=IT=1.15×4.37≃5.0 A
(b) 健全な相の静電容量をCとすると、R相は2Cになる。2端子間の測定値は二つの相の直列合成になる。
CRS=CTR=2C+C2C⋅C=32C,CST=C+CC⋅C=21C
(a) 各選択肢の判断理由
(1) 6.6・5.0・5.0:正しい
定格電流4.37 Aに比率を掛けた値。
(2) 7.5・5.7・5.7:誤り
定格電流を5.0 Aとしたことになり、4.37 Aと合わない。
(3) 3.8・2.9・2.9:誤り
定格電流をさらに√3で割った値(約2.5 A)を使っている。
(4) 11.3・8.6・8.6:誤り
定格電流を単相の式50÷6.6≒7.6 Aで求めている。
(5) 7.2・5.5・5.5:誤り
定格電流を約4.8 Aとしたことになり、4.37 Aと合わない。
(b) 各選択肢の判断理由
(1) R-S相間が最も小さい:誤り
R-SはT-Rと並んで最も大きい(2C/3)。
(2) S-T相間が最も小さい:正しい
S-TはC/2で最小。
(3) T-R相間は測定不能:誤り
T-Rも2C/3として測定できる。
(4) R-S相間はS-T相間の約75 %:誤り
大小が逆で、S-TがR-Sの75 %になる。
(5) R-S相間とS-T相間が等しい:誤り
R-Sは2C/3、S-TはC/2で等しくない。