機械 全18問の解説
第1問・直流機
直流機の記述の誤り
直巻発電機は界磁電流が出力電流そのものなので、磁気飽和していない範囲では負荷電流とともに磁束と電圧が大きく変わる。界磁が飽和する大電流域の方が磁束の変化が小さく、出力電圧は安定する。
公式正答(2) (2)が誤り
各選択肢の判断理由
(1) 分巻発電機は残留磁束から電圧が立ち上がる:正しい
自己励磁の過程として正しい。
(2) 直巻発電機は磁気飽和しない小電流域の方が電圧が安定する:誤り
飽和しない範囲では電流とともに電圧が大きく変わる。この記述が誤り。
(3) 分巻電動機は負荷が変わっても速度がほぼ一定:正しい
定速度電動機と呼ばれ、正しい。
(4) 直巻電動機は始動トルクが大きい:正しい
始動時の大電流がそのまま界磁電流になるので正しい。
(5) ブラシレスDCモータは整流を半導体スイッチで行う:正しい
正しい。
第2問・直流機
1巻きコイルに誘導される起電力
電機子導体の周速度はv=πDn/60。1本の導体の起電力はBlvで、1巻きのコイルにはN極側とS極側の2本の導体があり、起電力が足し合わされる。
公式正答(4) 15.7 V
v=60πDn=60π×0.5×1500≃39.3 m/s
e=2Blv=2×0.4×0.5×39.3≃15.7 V
第3問・誘導機
誘導電動機のV/f一定制御とベクトル制御
周波数を変えるときに電圧も比例させるV/f一定制御は、回転磁界(磁束)の強さを一定に保つ方式で、可変電圧可変周波数(VVVF)電源を使う。低速時の制御性を改善したのがベクトル制御で、始動トルクを大きくとれる。
公式正答(1) V/f・回転磁界・VVVF・ベクトル・大きく
各選択肢の判断理由
(1) V/f・回転磁界・VVVF・ベクトル・大きく:正しい
5空欄とも正しい。
(2) V/f・回転電界・CVCF・ベクトル・小さく:誤り
CVCFは定電圧定周波数の電源で、周波数を変えられない。
(3) V·f・回転磁界・VVVF・ベクトル・小さく:誤り
電圧は周波数に比例させるのでV/f。始動トルクも大きくとれる。
(4) V·f・回転電界・CVCF・スカラー・大きく:誤り
(ア)〜(エ)が違う。
(5) V/f・回転磁界・CVCF・スカラー・小さく:誤り
(ウ)〜(オ)が違う。
第4問・誘導機
トルクから求める二次入力(同期ワット)
二次入力は、トルクと同期角速度の積(同期ワット)で表される。50 Hz・6極の同期速度は1,000 min⁻¹である。
公式正答(3) 21 kW
Ns=6120×50=1000 min−1,ωs=602π×1000≃104.7 rad/s
P2=Tωs=200×104.7≃20.9×103 W≃21 kW
各選択肢の判断理由
(1) 19:誤り
機械出力20 kWより小さく、二次入力にならない。二次入力は機械出力に二次銅損を足した値。
(2) 20:誤り
機械出力の値。二次入力は同期角速度で求める。
(3) 21:正しい
200×104.7≒20.9 kW。
(4) 25:誤り
二次入力が25 kWならすべりは0.2で回転速度800 min⁻¹となり、トルクは約239 N·mで200 N·mと合わない。
(5) 27:誤り
二次入力が27 kWならすべりは約0.26となり、トルクは約258 N·mで200 N·mと合わない。
第5問・同期機
水車発電機とタービン発電機の構造
水車は回転速度が低いので、周波数を得るために極数を多くする。極数が多い回転子は直径が大きく軸方向に短い。タービン発電機は高速で回るため、遠心力に耐えるよう直径を小さくし、軸方向に長くする。
公式正答(2) 小さい・大きく・大きく・大きい・小さく
各選択肢の判断理由
(1) 小さい・小さく・大きく・大きい・大きく:誤り
低速の水車発電機は極数を大きくする。タービン発電機の直径も小さくする。
(2) 小さい・大きく・大きく・大きい・小さく:正しい
5空欄とも正しい。
(3) 小さい・大きく・大きく・大きい・大きく:誤り
(オ)が違う。高速のタービン発電機は直径を小さくする。
(4) 大きい・大きく・小さく・小さい・小さく:誤り
水車の回転速度とタービンの回転速度の大小が逆。
(5) 大きい・小さく・小さく・小さい・大きく:誤り
(ア)〜(オ)のすべてが逆。
第6問・同期機
並行運転する同期発電機の横流
短絡比Kから同期インピーダンスの単位法の値は1/K。基準インピーダンスに掛けてΩ値にし、起電力の差400 V(相電圧)を2台分の同期インピーダンスで割る。
公式正答(2) 31.3 A
Zbase=PVn2=4500×10360002=8 Ω,Zs=1.258=6.4 Ω
Ic=2Zs∣E˙1−E˙2∣=2×6.4400≃31.3 A
各選択肢の判断理由
(1) 18.0:誤り
400 Vを線間の値とみなして√3で割った値。図の起電力は1相分。
(2) 31.3:正しい
400÷(2×6.4)≒31.3 A。
(3) 54.1:誤り
正しい値に√3を掛けている。
(4) 62.5:誤り
同期インピーダンスを1台分だけにした値。横流は2台の同期インピーダンスを通る。
(5) 108:誤り
1台分のインピーダンスで割り、さらに√3を掛けた値。
第7問・電動機応用
交流整流子モータ(ユニバーサルモータ)
直巻電動機は電圧の極性を逆にしても磁束と電機子電流が共に逆になり、トルクの向きは変わらない。交流では磁束が交番して鉄損が生じるので、界磁鉄心と継鉄は積層鉄心にする。高速で小形にでき、交流と直流の両方で使えるものはユニバーサルモータと呼ばれる。
公式正答(2) 逆になる・積層鉄心・高速・ユニバーサルモータ
各選択肢の判断理由
(1) 逆になる・塊状鉄心・高速・ユニバーサルモータ:誤り
交番磁束では渦電流損が大きくなるので、塊状ではなく積層の鉄心にする。
(2) 逆になる・積層鉄心・高速・ユニバーサルモータ:正しい
4空欄とも正しい。
(3) 変わらない・積層鉄心・低速・ブラシレスDCモータ:誤り
磁束と電流は共に逆になる。回転速度は高速で、名称も違う。
(4) 変わらない・塊状鉄心・低速・ユニバーサルモータ:誤り
(ア)〜(ウ)が違う。
(5) 変わらない・積層鉄心・高速・ブラシレスDCモータ:誤り
(ア)と(エ)が違う。ブラシレスDCモータは整流子をもたない。
第8問・変圧器
返還負荷法の結線
返還負荷法では、T₁とT₂の一次巻線を並列にして電源Eから定格電圧を加え、鉄損を供給する。二次巻線は互いの誘導起電力が打ち消し合う向きに直列につなぎ、その閉回路に補助変圧器T₃から電圧を加えて定格電流を流し、銅損を供給する。
公式正答(4) (4)の結線
各選択肢の判断理由
(1) (1):誤り
一次側は並列で正しいが、二次巻線どうしも並列になっていて、T₃からT₁とT₂を通る循環電流を流せない。
(2) (2):誤り
一次巻線が電源Eに直列につながり、各変圧器に定格電圧が加わらない。二次巻線も並列。
(3) (3):誤り
一次巻線が直列で、二次巻線は起電力が足し合わされる向きにつながっている。
(4) (4):正しい
一次並列で鉄損、二次は起電力が打ち消し合う直列で銅損を供給する正しい結線。
(5) (5):誤り
一次側は並列だが、二次巻線の起電力が足し合わされる向きで、電源Eから大きな循環電流が流れる。
第9問・変圧器
4台のV-V結線2組とΔ-Δ結線の容量比
単相変圧器3台のΔ結線では300 kV·Aを使える。V結線1組は√3×100 kV·Aで、4台でV結線2組を並列運転すると2√3×100 kV·Aになる。
公式正答(3) 1.15
PΔP=3×1002×3×100=323≃1.15 各選択肢の判断理由
(1) 0.577:誤り
V結線1組とΔ結線の容量比(√3/3)で、2組分になっていない。
(2) 0.943:誤り
1未満の値。4台をV結線2組にすると、Δ結線3台より容量は大きくなる。
(3) 1.15:正しい
2√3/3≒1.15。
(4) 1.33:誤り
4台の定格容量の合計400 kV·Aを300で割った値で、V結線の利用率を入れていない。
(5) 1.73:誤り
V結線2組の約346 kV·Aを、Δ結線の300 kV·Aではなく変圧器2台分の200 kV·Aで割った値。
第10問・パワーエレクトロニクス
入力電流が方形波で遅れる整流回路
図の入力電流は振幅一定の方形波で、電圧より遅れて正負が切り替わる。十分大きな平滑リアクトルをもつ単相ブリッジ整流回路で電流が平坦になり、サイリスタの制御角だけ切替えが遅れる。
公式正答(5) (5)の回路
各選択肢の判断理由
(1) (1):誤り
ダイオード1個と抵抗負荷の半波整流で、電流は正の半周期だけの正弦波状になる。
(2) (2):誤り
半波整流で、負の半周期に電源電流が流れない。
(3) (3):誤り
サイリスタの半波整流で、やはり負の半周期の電流がない。
(4) (4):誤り
ダイオードブリッジでは電流の切替えが電圧の零点と一致し、遅れが生じない。
(5) (5):正しい
サイリスタブリッジと平滑リアクトルで、制御角だけ遅れた方形波電流になる。
第11問・電動機応用
巻上機の電動機出力
巻上げに必要な動力は、重力に逆らって物体を持ち上げる仕事率mgvを機械効率で割って求める。
公式正答(4) 5.5 kW
P=ηmgv=0.91000×9.8×0.5≃5.44×103 W
最も近い選択肢は5.5 kW。
各選択肢の判断理由
(1) 0.6:誤り
重力加速度9.8を掛けていない値。
(2) 4.4:誤り
効率で割らずに掛けた値(4.9×0.9)。
(3) 4.9:誤り
効率で割っていない値。
(4) 5.5:正しい
4.9÷0.9≒5.44 kW。
(5) 6.0:誤り
必要な出力約5.44 kWより大きい。
第12問・電力貯蔵
電気二重層キャパシタの記述の誤り
電気二重層キャパシタは化学反応を使わず電荷を物理的に蓄えるため、充放電を繰り返しても劣化が少なく寿命が長い。リチウムイオン電池と比べると、エネルギー密度は小さく、出力密度は大きい。
公式正答(3) (3)が誤り
第13問・自動制御
フィードバックと並列要素を含むブロック線図
加え合わせ点の出力をEとすると、下の経路の出力はY=E/(jωT₂)で、E=R−Y。上の経路はE·T₁/T₂で、出力はC=(T₁/T₂)E+Y。
公式正答(4) (1+jωT₁)/(1+jωT₂)
Y=1+jωT2R,E=R−Y=1+jωT2jωT2R
C=T2T1⋅1+jωT2jωT2R+1+jωT2R=1+jωT21+jωT1R
各選択肢の判断理由
(1) (T₁+jω)/(T₂+jω):誤り
時定数と角周波数を足し合わせていて、単位がそろわない。
(2) (T₂+jω)/(T₁+jω):誤り
単位がそろわず、分子と分母も逆。
(3) jωT₁/(1+jωT₂):誤り
フィードバック経路Yを出力に足していない。
(4) (1+jωT₁)/(1+jωT₂):正しい
上下の経路を合わせた伝達関数。
(5) (1+jωT₁/T₂)/(1+jωT₂):誤り
上の経路の係数T₁/T₂に、Eに含まれるT₂を掛け合わせていない。
第14問・情報
2進数・10進数・16進数の記述の誤り
16進数の各桁は2進数4桁に対応する。(3D)₁₆は3=0011、D=1101で(00111101)₂=(111101)₂となる。
公式正答(5) (5)が誤り
第15問・同期機
同期電動機のトルクと進み力率時の誘導起電力
力率1の入力電力を同期角速度で割るとトルクになる。(b)では出力一定のまま進み力率30°にするので、電流は200/cos30°に増え、ベクトル図からE=V−jx_sI_M1を求める。
公式正答(3・3) (a)735 N·m (b)400 V
P=3×3400×200≃138.6×103 W,ωs=602π×1800≃188.5 rad/s T=ωsP≃735 N⋅m
IM1=cos30∘200≃230.9 A,I˙M1=200+j115.5
E˙=V˙−jxsI˙M1=230.9−j(200+j115.5)=346.4−j200,E=346.42+2002=400 V (a) 各選択肢の判断理由
(1) 12.3:誤り
回転速度を毎分のまま使い、60で割っていない。
(2) 368:誤り
同期速度を3,600 min⁻¹(2極相当)とした値。4極・60 Hzでは1,800 min⁻¹。
(3) 735:正しい
138.6 kW÷188.5 rad/s≒735 N·m。
(4) 1,270:誤り
相電圧を400 Vとして電力を√3倍に見積もった値。
(5) 1,470:誤り
同期角速度を半分にした値。
(b) 各選択肢の判断理由
(1) 374:誤り
電機子電流を200 Aのまま計算した値。出力一定で力率が下がると電流は増える。
(2) 387:誤り
実部346.4 V・虚部200 Vから求める400 Vより小さい。
(3) 400:正しい
E=346.4−j200から400 V。
(4) 446:誤り
x_sI_M1にjを付けず、電流と同相の電圧としてVに足した値。リアクタンスの電圧は電流より90°進む。
(5) 475:誤り
ベクトル図から求めるE=346.4−j200(大きさ400 V)より大きい。
第16問・パワーエレクトロニクス
三相ダイオード全波整流の線間電圧と脈動率
線間電圧の実効値は相電圧の√3倍。出力電圧は線間電圧の最大値V_mを頂点とし、π/3ごとに切り替わるので、最小値はV_mcos(π/6)、平均値は3V_m/πになる。
公式正答(2・2) (a)173 V (b)0.14
Vavg=π3∫π/32π/3Vmsinθdθ=π3Vm
δd=3Vm/πVm−Vmcos(π/6)=0.9551−0.866≃0.14
第17問・電熱
木材の乾燥に要する熱量と時間
必要な熱量は、乾いた木材30 kgと水70 kgを100 ℃まで温める顕熱と、含水量を70 kgから5 kgにするため65 kgの水を蒸発させる潜熱の合計である。
公式正答(5・2) (a)173×10³ kJ (b)4.0 h
Q=30×1.25×80+70×4.19×80+65×2.26×103
=3000+23464+146900≃173×103 kJ
t=22×0.55173×103≃14.3×103 s≃4.0 h
(a) 各選択肢の判断理由
(1) 14.3×10³:誤り
木材と水の顕熱だけでも約26.5×10³ kJあり、これより小さくならない。
(2) 23.0×10³:誤り
水を温める顕熱(約23.5×10³ kJ)に近く、蒸発の潜熱を入れていない。
(3) 147×10³:誤り
蒸発の潜熱だけで、木材と水の顕熱を入れていない。
(4) 161×10³:誤り
顕熱約26.5×10³ kJと潜熱146.9×10³ kJの合計より小さく、どちらかの一部が抜けている。
(5) 173×10³:正しい
顕熱と潜熱の合計。
(b) 各選択肢の判断理由
(1) 1.2:誤り
効率で割らずに熱量に0.55を掛けた値。
(2) 4.0:正しい
173×10³÷(22×0.55)≒14.3×10³ s≒4.0 h。
(3) 5.0:誤り
有効な電力22×0.55=12.1 kWで割ると約4.0 hで、5.0 hにはならない。
(4) 14.0:誤り
秒で求めた約14.3×10³ sを時間に直していない値に近い。
(5) 17.0:誤り
約4.0 hの4倍以上で、熱量か電力の換算を誤った値。
第18問・情報
論理式の簡単化(積和形と和積形)
(a)は共通因子でくくり、Z+Z̄=1、Y+Ȳ=1を使う。(b)は同じ項を重ねて使い、(A+Y)(A+Ȳ)=Aの関係を2回当てはめる。
公式正答(5・4) (a)X·Y+X̄·Z (b)(X+Z)·(Y+Z)
XYZˉ+XYZ+XˉYZ+XˉYˉZ=XY(Zˉ+Z)+XˉZ(Y+Yˉ)=XY+XˉZ
(X+Y+Z)(X+Yˉ+Z)=X+Z,(X+Y+Z)(Xˉ+Y+Z)=Y+Z
(X+Y+Z)(X+Yˉ+Z)(Xˉ+Y+Z)=(X+Z)(Y+Z)
(a) 各選択肢の判断理由
(1) X·Y+X·Z:誤り
後半の2項はX̄を含むので、X·Zにはならない。
(2) X·Ȳ+Y·Z:誤り
元の式にX·Ȳを含む項はない。
(3) X̄·Y+X·Z:誤り
XとX̄の組合せが逆。
(4) X·Y+Ȳ·Z:誤り
後半の2項はX̄·Zにまとまる。
(5) X·Y+X̄·Z:正しい
共通因子でくくった結果。