2023年10月15日実施・全50問・公式正解照合

令和5年度 宅建試験 解答・解説

令和5年度宅建試験の全50問について、公式正解と4肢すべての判断根拠をこのページに載せています。解説は試験の基準である2023年4月1日現在の法令で書き、令和8年度試験(2026年4月1日現在の法令)までに変わった点は各問の注意にまとめました。問題本文は転載していないため、公式PDFを開いて問題番号を合わせて読んでください。

令和5年度の結果は、受験者233,276人、合格者40,025人、合格率17.2%。合格基準点は50問中36点(登録講習修了者は45問中31点)でした(不動産適正取引推進機構「試験実施概況」)。

令和7年度(2025年)全50問の解答・解説 →

令和6年度(2024年)全50問の解答・解説 →

令和8年度(2026年10月18日)の日程・正解の公表日・合格点の推移 →

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正答一覧(全50問)

権利関係

問題正答論点
問11遺産分割前に生じた賃料債権の帰属
問21隣地使用・越境した枝・共有の障壁・囲繞地通行
問32増築部分の所有権と契約不適合の通知期間
問44弁済期と相殺の可否
問54家庭裁判所の処分・管理人の改任・控訴の提起・売却の許可
問63時効完成前後の第三者と再度の時効取得
問73存続期間・第三者への賃貸・登記・必要費
問83未成年者の取消し・追認・法定追認
問92賃借人による修繕と賃貸人の修繕義務
問103抵当権の順位の放棄と配当額

借地借家・登記

問題正答論点
問114地代減額しない特約・定期借地・建物買取請求・更新拒絶
問1231年未満の期間・減額しない特約・賃貸人の地位の留保・増額請求
問132決議事項・招集手続の省略・保存行為・一部共用部分の規約
問142滅失登記・附属書類の閲覧・共有物分割禁止・区分建物の保存登記

法令上の制限

問題正答論点
問154市街化調整区域・高度利用地区・特定用途制限地域・地区計画
問161公共施設管理者の同意・変更の許可・完了公告・市街化調整区域の建築
問173災害危険区域・直通階段・防火地域にわたる建築物・石綿
問181建蔽率の緩和・道路内の建築制限・条例による制限の付加・日影規制
問191造成宅地防災区域・技術的基準の強化・勧告・排水施設の除却工事
問204清算金の確定・重複施行の制限・登記・仮換地指定の同意
問212相続・特定遺贈・農業用施設への転用・無許可の売買・社会福祉法人
問221国からの取得・相続・届出義務者・重要土地等調査法

税・不動産鑑定

問題正答論点
問231仲介人保存分・区分記載・贈与契約書・減額の変更契約書
問244徴収方法・税の性格・課税主体・非課税
問254原価法・取引事例比較法の適用

宅建業法

問題正答論点
問263承諾・宅建士の明示・出力・改変の確認
問274調査の定義・実施者・あっせん料金・37条書面
問283勧誘の継続・不実告知・深夜の電話・37条書面の押印
問292政令使用人・取締役の罰金刑・宅建業法違反・非常勤役員
問301届出の催告・事業開始・不足額の供託・取戻しの公告
問314取引態様の明示・建物状況調査・広告開始時期・誇大広告の罰則
問324事務所の新設・合併による消滅・専任の宅建士の交代・展示会の届出
問331交換の説明対象・引渡し時期・登記後の受領金・電磁的提供の承諾
問343居住用の借主からの報酬・特別な広告料金・契約書作成費・事務所の貸借
問354告知の方法・撤回の方法・事務所等・他の業者の事務所
問363預り金の返還・手付の分割・帳簿の電子保存・目的を告げない勧誘
問373携帯させる範囲・閲覧・提示・保存期間
問382自ら貸借・宅建士の定義・建設業者の媒介・知識の維持向上
問392保全の時期・保証保険の期間・保険証券の交付・電磁的方法
問404申込みの報告・建物状況調査・指定流通機構への登録・他業者による成約
問412報告の求め・他県での名義の表示・不正な宅建士証の交付・公告
問423宅建士証の提示・説明の相手方・業者間取引・代金の支払
問434業者間取引・交付の時期・記名する宅建士・不可抗力による損害
問441苦情の解決・一部事務所の廃止・還付の手続・手付金等保管事業
問454信託会社等・供託所の説明・供託先・瑕疵担保責任を負わない特約

住宅・統計・土地建物

問題正答論点
問462子育て・高齢者向け賃貸住宅・買取型の対象・金利引下げ・マンション共用部分
問472おとり広告・物件名に使える道路名・施設までの所要時間・新発売
問481宅建業者数・地価公示・非居住建築物の着工・法人企業統計
問492自然堤防の縁・谷底低地の揺れ・関東地震・丘陵地の盛土
問503鉄筋コンクリート構造の特徴と鉄筋の種類

令和7年度 全50問の解答解説PDF

解説を全50問・200肢そろえた78ページのPDFです。 買い切りで、購入後すぐダウンロードできます。

収録した全問を試験実施団体の公表問題・正答と照合しています。照合の手順を見る →

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この年度の出題構成

全50問のうち20問、40%が宅建業法です。問題数の構成比であり、配点や合格基準の比率ではありません。

次に多いのが権利関係の10問で、上位2分野で60%を占めます。

論点は48件で、複数問にまたがるのは建築基準法(2問)、重要事項説明(2問)です。同じ論点でも問われ方が変わるので、解説は問ごとに分けています。

読み取れた50問の正答番号は4の14件から1の11件までで、番号の偏りはほとんどありません。

分野出題数割合この年に問われた論点
宅建業法20問40%37条書面の電磁的提供、建物状況調査、業務上の規制、免許の基準、営業保証金、広告、届出、重要事項説明
権利関係10問20%相続、相隣関係、請負、相殺、不在者の財産管理、取得時効と登記、配偶者居住権、制限行為能力者
法令上の制限8問16%都市計画、開発許可、建築基準法、宅地造成の規制、土地区画整理、農地法、土地取引の届出
住宅・統計・土地建物5問10%住宅金融支援機構、景品表示法・表示規約、不動産統計、土地、建物の構造と材料
借地借家・登記4問8%借地権、借家、区分所有法、不動産登記
税・不動産鑑定3問6%印紙税、不動産取得税、不動産鑑定評価
正答番号1234
件数11121314

集計は当サイトが公開している全50問・200件の解説から作成しました。問題と正答は試験実施団体の公表資料と照合しています。

全問に共通する注意

令和8年度試験での注意 2026年4月1日までの改正で正誤や数値の扱いが変わる問(問13・問19・問29・問31・問34・問48)には、各問に注意を付けました。それ以外の問は、2026年4月1日現在の法令で解いても正誤が変わりません。

権利関係の解答・解説(10問)

相続と賃料債権、相隣関係、請負、相殺、不在者の財産管理、取得時効、配偶者居住権、未成年者、賃貸借の修繕、抵当権の順位の放棄を扱います。2023年4月施行の民法改正で見直された相隣関係も出題されました。

相続

問1 遺産分割前に生じた賃料債権の帰属

判決文によれば、相続開始から遺産分割までに生じた賃料債権は遺産とは別の財産で、各共同相続人が相続分に応じて確定的に取得します。遺産分割の遡及効がこの賃料に及ぶかが分かれ目です。

公式正解 1

誤っているのは1です。遺産分割前に生じた賃料債権は各共同相続人が相続分に応じて確定的に取得し、後の遺産分割で不動産を取得した相続人にさかのぼって帰属することはありません。

肢1:誤り。判決文のとおり、遺産分割までに生じた賃料債権は遺産とは別個の財産で、各共同相続人が相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得します。遺産分割の遡及効はこの賃料債権に及びません(最判平成17年9月8日)。

肢2:正しい。相続人が数人あるときは相続財産はその共有に属し、各共同相続人は相続分に応じて被相続人の権利義務を承継します(民法898条1項・899条)。

肢3:正しい。遺産分割は相続開始の時にさかのぼって効力を生じますが、第三者の権利を害することはできません(909条)。

肢4:正しい。遺産分割後に生じた賃料は、分割によって不動産の所有者となった相続人が取得します。

公式問題で問1を見る

相隣関係

問2 隣地使用・越境した枝・共有の障壁・囲繞地通行

2023年4月施行の民法改正で、隣地使用権と越境した枝の切取りのルールが見直されました。改正後の条文で各肢を確認します。

公式正解 1

正しいのは1です。隣地を使用できる場合でも、住家に立ち入るには居住者の承諾が必要です。

肢1:正しい。境界標の調査や境界に関する測量などの目的で隣地を使用できますが、住家についてはその居住者の承諾がなければ立ち入れません(民法209条1項)。

肢2:誤り。竹木の所有者に枝の切除を催告したのに相当の期間内に切除しないときは、土地の所有者が自らその枝を切り取ることができます(233条3項1号)。

肢3:誤り。相隣者の一人は、共有の障壁の高さを単独で増すことができます(231条1項)。障壁が工事に耐えないときは、自己の費用で必要な工作や改築をします。

肢4:誤り。公道に通じない土地の所有者が通行する場所と方法は、通行権者のために必要で、かつ他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければなりません(211条1項)。自由には選べません。

公式問題で問2を見る

請負

問3 増築部分の所有権と契約不適合の通知期間

請負の契約不適合では、通知期間が「不適合を知った時から1年」である点と、請負人が悪意・重過失の場合や注文者の材料による不適合の扱いを確認します。

公式正解 2

誤っているのは2です。通知期間の起算点は、注文者が不適合を知った時です。

肢1:正しい。建物の構成部分となる増築部分は建物に付合し、建物の所有者Aの所有となります(民法242条)。請負代金の支払の有無は関係ありません。

肢2:誤り。注文者が不適合を理由に修補などを請求できなくなるのは、不適合を知った時から1年以内に通知しなかった場合です(637条1項)。工事が終了した日から数えるのではありません。

肢3:正しい。仕事が終了した時に請負人が不適合を知り、又は重大な過失で知らなかったときは、1年の通知期間の制限は適用されません(637条2項)。消滅時効が完成するまでは修補を請求できます。

肢4:正しい。注文者が提供した材料の性質によって生じた不適合は、請負人が材料の不適当を知りながら告げなかった場合を除き、修補などを請求できません(636条)。

公式問題で問3を見る

相殺

問4 弁済期と相殺の可否

相殺するには、相殺する側の債権(自働債権)の弁済期が到来している必要があります。相手方の債権(受働債権)は、期限の利益を放棄すれば弁済期前でも相殺に使えます。

公式正解 4

相殺できないのはエだけで、正解は4です。自働債権である甲債権の弁済期が到来していないと、Aは一方的に相殺できません。

ア:相殺できる。弁済期の定めのない甲債権はいつでも請求できるので、自働債権にできます。乙債権はAが期限の利益を放棄すれば受働債権にできます(民法505条1項・136条2項)。

イ:相殺できる。甲債権の弁済期は到来しており、弁済期の定めのない乙債権はAがいつでも弁済できるので、受働債権にできます。

ウ:相殺できる。弁済期の定めのない甲債権は成立と同時に請求できるので、自働債権として使えます。乙債権も弁済期が到来しています。

エ:相殺できない。自働債権である甲債権の弁済期が到来していないので、Aが相殺するとBの期限の利益を一方的に奪うことになります。

公式問題で問4を見る

不在者の財産管理

問5 家庭裁判所の処分・管理人の改任・控訴の提起・売却の許可

不在者の財産管理人は、保存行為と目的を変えない範囲の利用・改良行為(民法103条)ができ、それを超える行為には家庭裁判所の許可が必要です。

公式正解 4

正しいのは4です。管理人は保存行為として自宅を修理でき、売却は家庭裁判所の許可を得て行えます。

肢1:誤り。不在者が管理人を置かなかったときは、家庭裁判所は利害関係人又は検察官の請求により、財産の管理について必要な処分を命じることができます(民法25条1項)。生死不明が7年続くことは要件ではなく、7年は失踪宣告の期間です。

肢2:誤り。不在者が管理人を置いた場合でも、不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は利害関係人又は検察官の請求により管理人を改任できます(26条)。

肢3:誤り。判例は、不在者を被告とする建物収去土地明渡請求を認めた第一審判決に対し、管理人が控訴することは保存行為に当たり、家庭裁判所の許可は要らないとしています。

肢4:正しい。自宅の修理は保存行為として管理人の権限に含まれ、売却は権限を超える行為なので家庭裁判所の許可を得て行います(103条・28条)。

公式問題で問5を見る

取得時効と登記

問6 時効完成前後の第三者と再度の時効取得

時効完成前の第三者には登記なしで対抗でき、時効完成後の第三者とは登記の先後で決まります。ただし、第三者の登記の後にさらに時効期間の占有を続ければ、再び時効取得できます。

公式正解 3

正しいのはア・イ・ウの3つで、正解は3です。

ア:正しい。時効完成前に所有権を取得したCは、時効取得の当事者と同じ立場になるので、Bは登記がなくても時効取得をCに対抗できます(判例)。

イ:正しい。時効完成後の第三者Dが登記を備えても、その登記の日からBがさらに時効取得に必要な期間占有を続ければ、Bは登記なしにDに対抗できます(判例)。

ウ:正しい。時効完成後に抵当権の設定登記がされても、Bがその後引き続き時効取得に必要な期間占有を続けたときは、特段の事情がない限り再度の時効取得により抵当権は消滅します(最判平成24年3月16日)。

以上から、正しいものは三つで、正解は3です。

公式問題で問6を見る

配偶者居住権

問7 存続期間・第三者への賃貸・登記・必要費

配偶者居住権は、配偶者が無償で居住建物に住み続けられる権利です。存続期間、建物所有者の登記義務、費用の負担を条文で確認します。

公式正解 3

正しいのは3です。居住建物の所有者Cは、配偶者Bに配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負います。

肢1:誤り。遺産分割協議で存続期間を定めなかったときは、配偶者の終身の間となります(民法1030条)。20年ではありません。

肢2:誤り。配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、第三者に居住建物を使用・収益させることができません(1032条3項)。

肢3:正しい。居住建物の所有者は、配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負います(1031条1項)。

肢4:誤り。居住建物の通常の必要費は、配偶者Bが負担します(1034条1項)。

公式問題で問7を見る

制限行為能力者

問8 未成年者の取消し・追認・法定追認

未成年者は単独で取り消すことができます。追認は取消しの原因がなくなり、取消権を知った後でなければ効力を生じません。

公式正解 3

正しいのは3です。成年に達し取消権を知った後なら、Aは自ら追認でき、追認後は取り消せません。

肢1:誤り。制限行為能力者本人も単独で取り消すことができます(民法120条1項)。法定代理人Bは、自分が同意していないことを理由にAの取消しを取り消すことはできません。

肢2:誤り。相手方Cが未成年者であることについて善意無過失でも、Bは制限行為能力を理由に取り消せます(5条2項)。取り消せなくなるのは、Aが行為能力者であると信じさせるため詐術を用いた場合です(21条)。

肢3:正しい。成年に達して取消権を有することを知った後は、A自身が追認でき(124条1項)、追認後は取り消せなくなります(122条)。Bはもう法定代理人ではないので、その反対は関係ありません。

肢4:誤り。取得した権利の譲渡が法定追認になるのは、追認をすることができる時以後にした場合です(125条)。Aが未成年のまま同意なく甲建物を売却しても法定追認にならず、取り消すことができます。

公式問題で問8を見る

賃貸借

問9 賃借人による修繕と賃貸人の修繕義務

賃借人が自ら修繕できるのは、賃貸人が相当の期間内に修繕しないときと、急迫の事情があるときです(民法607条の2)。

公式正解 2

誤っているのは2です。賃借人が修繕できるのは、通知後「相当の期間内」に賃貸人が修繕しないときで、直ちに修繕しないだけでは足りません。

肢1:正しい。賃貸人が修繕の必要を知ったのに相当の期間内に修繕しないときは、賃借人が修繕できます(607条の2第1号)。

肢2:誤り。通知したのに賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないときに、賃借人は修繕できます(607条の2第1号)。直ちに修繕しないことは要件になりません。

肢3:正しい。賃借人の責めに帰すべき事由によって修繕が必要になったときは、賃貸人は修繕義務を負いません(606条1項ただし書)。

肢4:正しい。急迫の事情があるときは、賃借人は修繕できます(607条の2第2号)。

公式問題で問9を見る

抵当権

問10 抵当権の順位の放棄と配当額

順位の放棄は、放棄した者と放棄を受けた者が、両者の本来の配当額の合計を債権額の割合で分け合う処分です。間にいる二番抵当権者の配当は変わりません。

公式正解 3

Bの配当は400万円で、正解は3です。

本来の配当:売却代金2,400万円から、Bが1,000万円、Cが1,200万円、Dが残りの200万円を受けます。

順位の放棄:BとDの本来の配当の合計1,200万円は、債権額1,000万円と2,000万円の割合(1対2)で2人に分けられます(民法376条1項)。

計算:Bは1,200万円×1/3=400万円、Dは1,200万円×2/3=800万円です。Cの1,200万円は変わりません。

以上から、Bの配当額は400万円で、肢3が正解です。

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借地借家・登記の解答・解説(4問)

借地の存続期間と更新、借家の特約と賃貸人の地位、区分所有法の集会、不動産登記の申請義務と附属書類の閲覧を扱います。

借地権

問11 地代減額しない特約・定期借地・建物買取請求・更新拒絶

借地借家法の条文で、地代の増減額請求、定期借地権の方式、建物買取請求の要件、更新拒絶の正当事由を確認します。

公式正解 4

正しいのは4です。借地権者が更新を請求しても、借地権設定者が遅滞なく異議を述べ、正当事由があれば更新されません。

肢1:誤り。地代を減額しない特約は無効で、借地権者は減額を請求できます(借地借家法11条1項)。特約で排除できるのは、一定期間増額しない特約だけです。

肢2:誤り。賃貸アパートは居住用の建物なので事業用定期借地権は使えず、存続期間50年なら一般定期借地権(22条)になります。この特約は公正証書による等書面ですれば足り、公正証書に限られません。

肢3:誤り。建物買取請求権は、存続期間が満了して契約の更新がないときに認められます(13条1項)。債務不履行による解除で終了した場合は請求できないとするのが判例です。

肢4:正しい。期間満了時に建物があり借地権者が更新を請求しても、借地権設定者が遅滞なく異議を述べ、その異議に正当の事由があれば更新されません(5条1項・6条)。

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借家

問12 1年未満の期間・減額しない特約・賃貸人の地位の留保・増額請求

普通建物賃貸借の期間、借賃増減額請求と特約、不動産譲渡に伴う賃貸人の地位の移転を確認します。

公式正解 3

正しいのは3です。譲渡人と譲受人が賃貸人の地位の留保と譲受人から譲渡人への賃貸を合意すれば、賃貸人の地位は移転しません。

肢1:誤り。期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない賃貸借とみなされます(借地借家法29条1項)。

肢2:誤り。普通建物賃貸借で一定期間賃料を減額しない特約は、賃借人の減額請求を妨げません(32条1項)。賃料が不相当になれば減額を請求できます。

肢3:正しい。不動産の譲渡人と譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨と、譲受人が譲渡人に賃貸する旨を合意したときは、賃貸人たる地位は譲受人に移転しません(民法605条の2第2項)。

肢4:誤り。判例は、現行賃料を定めた時から一定期間が経過していることを増額請求の要件としていません。期間の経過は、賃料が不相当かどうかを判断する事情の一つにとどまります。

公式問題で問12を見る

区分所有法

問13 決議事項・招集手続の省略・保存行為・一部共用部分の規約

集会の決議と招集の手続は、規約で変えられる部分と、全員の同意が必要な部分を区別します。

公式正解 2

誤っているのは2です。招集の手続を省略するには、区分所有者全員の同意が必要です。

肢1:正しい。集会はあらかじめ通知した事項についてのみ決議できますが、特別の定数がある事項を除き、規約で別段の定めができます(区分所有法37条1項・2項)。

肢2:誤り。招集の手続を経ないで集会を開けるのは、区分所有者全員の同意があるときです(36条)。4分の3以上の同意では足りません。

肢3:正しい。共用部分の保存行為は、規約に別段の定めがない限り、各共有者が単独でできます(18条1項ただし書・2項)。

肢4:正しい。一部共用部分に関する事項で全員の利害に関係しないものについての全員の規約は、一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者が反対するとできません(31条2項)。8人の4分の1は2人なので、3人が反対すれば変更できません。

令和8年度試験での注意 2026年4月1日施行の改正区分所有法で、招集手続の省略に必要な全員の同意や、一部共用部分の規約に反対する者の数え方について、議決権を有しない区分所有者を除いて数えることになりました。本問の4肢の正誤は変わりません。

公式問題で問13を見る

不動産登記

問14 滅失登記・附属書類の閲覧・共有物分割禁止・区分建物の保存登記

不動産登記法の条文で、表示に関する登記の申請義務、登記簿の附属書類の閲覧、共同申請の例外を確認します。

公式正解 2

誤っているのは2です。申請書などの附属書類を閲覧できるのは、正当な理由がある場合に、その理由がある部分に限られます。

肢1:正しい。建物の滅失の登記は表示に関する登記で、表題部所有者又は所有権の登記名義人に申請義務があり、期限は滅失の日から1か月以内です(不動産登記法57条)。

肢2:誤り。土地所在図などの図面は何人も閲覧できますが、申請書などそれ以外の附属書類は、正当な理由があるときに、その理由があると認められる部分に限り閲覧できます(121条2項・3項)。

肢3:正しい。共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記は、その権利の共有者である全ての登記名義人が共同して申請します(65条)。

肢4:正しい。区分建物では、表題部所有者から所有権を取得した者も所有権の保存の登記を申請できます(74条2項)。

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法令上の制限の解答・解説(8問)

都市計画、開発許可、建築基準法、宅地造成等規制法、土地区画整理法、農地法、国土利用計画法と重要土地等調査法を扱います。区域、面積、手続の主体を取り違えないことが分かれ目です。

都市計画

問15 市街化調整区域・高度利用地区・特定用途制限地域・地区計画

区域・地域地区の定義は、名前の似たものどうし(高度地区と高度利用地区、準都市計画区域と市街化調整区域など)を入れ替えた肢が多く出ます。

公式正解 4

正しいのは4です。地区計画は、用途地域が定められていない区域のうち一定の区域にも定められます。

肢1:誤り。記述は準都市計画区域の説明です(都市計画法5条の2)。市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域です(7条3項)。

肢2:誤り。建築物の高さの最低限度を定めるのは高度地区です。高度利用地区は、容積率の最高限度と最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度、壁面の位置の制限を定めます(9条)。

肢3:誤り。特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)に定めます(9条)。

肢4:正しい。地区計画は、用途地域が定められている区域のほか、用途地域のない区域のうち住宅市街地の開発事業が行われる区域などにも定められます(12条の5第1項)。

公式問題で問15を見る

開発許可

問16 公共施設管理者の同意・変更の許可・完了公告・市街化調整区域の建築

開発許可の前後の手続は、誰が行うか(申請者か知事か)と、許可か届出かで区別します。

公式正解 1

正しいのは1です。開発許可の申請前に、関係する公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければなりません。

肢1:正しい。開発許可の申請者は、申請の前に、開発行為に関係する公共施設の管理者と協議して同意を得る必要があります(都市計画法32条1項)。

肢2:誤り。申請書の記載事項を変更するには、原則として知事の許可が必要です(35条の2第1項)。軽微な変更は許可不要ですが、変更後遅滞なく届け出ます(同条3項)。

肢3:誤り。工事完了の公告をするのは都道府県知事です(36条3項)。開発許可を受けた者ではありません。

肢4:誤り。市街化調整区域のうち開発区域以外の区域で建築物を新築するには、原則として知事の許可が必要です(43条1項)。自己の居住用でも、農林漁業者の住宅などの例外に当たらなければ許可が要ります。

公式問題で問16を見る

建築基準法

問17 災害危険区域・直通階段・防火地域にわたる建築物・石綿

建築物が二つの地域にまたがる場合の扱いは、制限の種類ごとに違います。防火地域・準防火地域にわたるときは、厳しい方の規定が全体にかかります。

公式正解 3

誤っているのは3です。防火地域と準防火地域にわたる建築物は、原則として全部に防火地域の規定が適用されます。

肢1:正しい。地方公共団体は条例で災害危険区域を指定し、区域内で住居の用に供する建築物の建築を禁止するなどの制限を定められます(建築基準法39条)。

肢2:正しい。3階以上の階を床面積の合計が1,500㎡を超える物品販売業の店舗の売場とする場合などには、避難階以外の階から避難階又は地上に通じる2以上の直通階段が必要です(施行令121条)。

肢3:誤り。建築物が防火地域と準防火地域にわたるときは、その全部について防火地域内の規定が適用されます(65条2項)。防火地域外の部分が防火壁で区画されている場合は、その部分だけ準防火地域の規定によります。

肢4:正しい。石綿等をあらかじめ添加した建築材料は、国土交通大臣が定めたもの又は大臣の認定を受けたものを除き、使用できません(28条の2第2号)。

公式問題で問17を見る

建築基準法

問18 建蔽率の緩和・道路内の建築制限・条例による制限の付加・日影規制

建蔽率の緩和(防火・準防火地域の耐火建築物等、角地)と、日影規制の対象区域外の建築物の扱いがよく問われます。

公式正解 1

正しいのは1です。準防火地域内の準耐火建築物等で、特定行政庁が指定する角地にあるものは、建蔽率に10分の2を加えられます。

肢1:正しい。準防火地域内の耐火建築物等又は準耐火建築物等であることで10分の1、特定行政庁が指定する角地等にあることで10分の1、両方に当たれば10分の2が加算されます(建築基準法53条3項)。

肢2:誤り。地盤面下に設ける建築物は、道路内に建築できます(44条1項1号)。

肢3:誤り。袋路状道路にのみ接する延べ面積150㎡超の建築物について条例で制限を付加できますが、一戸建ての住宅は除かれます(43条3項5号)。

肢4:誤り。対象区域外にある高さ10m超の建築物で、冬至日に対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、対象区域内の建築物とみなして日影規制が適用されます(56条の2第4項)。

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宅地造成の規制

問19 造成宅地防災区域・技術的基準の強化・勧告・排水施設の除却工事

造成宅地防災区域は、宅地造成等工事規制区域の外にある既存の造成宅地の危険を防ぐための区域です。規制区域の内側には指定されません。

公式正解 1

誤っているのは1です。造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域内の土地を除いて指定します。

肢1:誤り。造成宅地防災区域は、一団の造成宅地のうち宅地造成工事規制区域内の土地を除いた区域について指定されます(旧宅地造成等規制法20条1項)。

肢2:正しい。気候や地勢の特殊性により法の規定だけでは災害防止の目的を達しにくいときは、規則で技術的基準を強化し、又は付加できます。

肢3:正しい。知事は、災害防止のため必要があると認めるとき、宅地の所有者などに擁壁等の設置などの措置を勧告できます。

肢4:正しい。規制区域内の宅地で排水施設の除却工事などを行うときは、一定の場合を除き、工事着手の14日前までに知事に届け出ます。

令和8年度試験での注意 令和5年度試験は宅地造成等規制法で出題されましたが、2023年5月26日から宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)に改められました。造成宅地防災区域を規制区域の外に指定する点(45条1項)、勧告(22条2項)、排水施設の除却工事などの14日前の届出(21条3項)は、改正後の法律でも同じ考え方です。令和8年度試験では盛土規制法の用語(宅地造成等工事規制区域、特定盛土等規制区域)で覚えます。

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土地区画整理

問20 清算金の確定・重複施行の制限・登記・仮換地指定の同意

仮換地を指定するときの手続は施行者ごとに違います。組合は総会等の同意、公的施行者は土地区画整理審議会の意見を聴きます。

公式正解 4

誤っているのは4です。組合が仮換地を指定するときに必要なのは、総会、部会又は総代会の同意です。

肢1:正しい。換地計画で定めた清算金は、換地処分の公告があった日の翌日に確定します(土地区画整理法104条8項)。

肢2:正しい。現に施行されている土地区画整理事業の施行地区では、その施行者の同意を得なければ、ほかの者は事業を施行できません(128条1項)。

肢3:正しい。換地処分の公告後、施行地区内の土地・建物に変動があったときは、施行者が遅滞なくその登記を申請し、又は嘱託します(107条2項)。

肢4:誤り。組合が仮換地を指定するときは、総会若しくはその部会又は総代会の同意を得ます(98条3項)。土地区画整理審議会の意見を聴くのは、都道府県や市町村などが施行する場合です。

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農地法

問21 相続・特定遺贈・農業用施設への転用・無許可の売買・社会福祉法人

3条許可が不要な取得(相続など)と、4条の許可が不要な転用(2アール未満の農業用施設など)の線引きを確認します。

公式正解 2

誤っているのは2です。自己の農地を農業用施設に転用して許可が不要になるのは2アール未満の場合で、4アールでは許可が必要です。

肢1:正しい。相続による取得は3条許可が不要です。相続人に対する特定遺贈も不要ですが、相続人以外の者への特定遺贈には許可が必要です。

肢2:誤り。農作物の育成や養畜の事業のための農業用施設に転用する場合に4条許可が不要になるのは、2アール未満の農地に限られます(農地法施行規則29条1号)。

肢3:正しい。3条又は5条の許可が必要な売買を許可なしに行っても、所有権移転の効力は生じません(3条6項・5条3項)。

肢4:正しい。社会福祉法人が事業の運営に必要な施設として農地を使うと認められるときは、農地所有適格法人でなくても許可を受けて所有権を取得できます(3条2項ただし書)。

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土地取引の届出

問22 国からの取得・相続・届出義務者・重要土地等調査法

事後届出は、当事者の一方が国や地方公共団体であるときや、相続などの契約によらない取得のときは不要です。届け出るのは権利取得者だけです。

公式正解 1

正しいのは1です。当事者の一方が国である土地売買等の契約は、事後届出の対象になりません。

肢1:正しい。当事者の一方又は双方が国、地方公共団体などである場合は、面積にかかわらず事後届出は不要です(国土利用計画法23条2項3号)。

肢2:誤り。相続は土地売買等の契約に当たらないので、事後届出は不要です。

肢3:誤り。市街化区域の2,000㎡以上の取引で事後届出が必要ですが、届け出るのは権利取得者のDだけです(23条1項)。

肢4:誤り。重要土地等調査法で特別注視区域内の契約に事前届出が必要になるのは、面積が200㎡以上の土地等です(同法と施行令)。100㎡の土地は対象外です。

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税・不動産鑑定の解答・解説(3問)

印紙税、不動産取得税、不動産鑑定評価基準を扱います。記載金額の決め方、課税する団体、鑑定評価の手法と価格の名前が問われます。

印紙税

問23 仲介人保存分・区分記載・贈与契約書・減額の変更契約書

印紙税の記載金額は、文書の種類(不動産譲渡は1号文書、請負は2号文書)と、増額・減額・贈与などの記載の仕方で決まります。

公式正解 1

正しいのは1です。仲介人が保存する契約書も課税文書なので、3通とも印紙税が課されます。

肢1:正しい。契約当事者だけでなく、仲介人が保存する契約書も課税文書に当たります。3通とも印紙税が課されます。

肢2:誤り。譲渡金額と請負金額が区分して記載され、請負金額の方が大きいので、この契約書は2号文書(請負に関する契約書)となり、記載金額は請負金額の6,000万円です。合計額の1億1,000万円にはなりません。

肢3:誤り。贈与は対価がないので、時価を記載しても記載金額にはならず、記載金額のない契約書として扱います。

肢4:誤り。契約金額を減額する変更契約書は、記載金額のないものとして扱います。記載金額が生じるのは増額の場合で、増加額が記載金額になります。

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不動産取得税

問24 徴収方法・税の性格・課税主体・非課税

不動産取得税は、不動産所在の都道府県が、取得者に普通徴収の方法で課す普通税です。

公式正解 4

正しいのは4です。不動産取得税は、市町村や特別区などの公的団体には課すことができません。

肢1:誤り。不動産取得税は普通徴収の方法で徴収します(地方税法73条の17)。

肢2:誤り。不動産取得税は使途を特定しない普通税です。

肢3:誤り。課税するのは不動産所在の都道府県です(73条の2)。市町村や特別区ではありません。

肢4:正しい。国、都道府県、市町村、特別区などには、不動産取得税を課すことができません(73条の3)。

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不動産鑑定評価

問25 原価法・取引事例比較法の適用

鑑定評価の3手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)は、求める価格の名前(積算価格・比準価格・収益価格)と組み合わせて覚えます。

公式正解 4

正しいのは4です。取引事例比較法は、近隣地域や同一需給圏内で類似の不動産の取引がある場合に有効です。

肢1:誤り。原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、これに減価修正を行って積算価格を求める手法です。

肢2:誤り。対象不動産が土地のみでも、造成地や埋立地のように再調達原価を適切に求められるときは原価法を適用できます。

肢3:誤り。特殊な事情を含む取引事例でも、その具体的な状況が判明し、事情補正ができるものは採用できます。

肢4:正しい。取引事例比較法は、近隣地域や同一需給圏内の類似地域で類似の不動産の取引がある場合、又は同一需給圏内の代替競争不動産の取引がある場合に有効です。

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宅建業法の解答・解説(20問)

37条書面の電磁的提供、建物状況調査、勧誘の規制、免許の基準、営業保証金、広告、届出、重要事項説明、報酬、クーリング・オフ、従業者名簿、媒介契約、保証協会、住宅瑕疵担保履行法を横断します。

37条書面の電磁的提供

問26 承諾・宅建士の明示・出力・改変の確認

37条書面を電磁的方法で提供するには、相手方の承諾と、施行規則が定める方法の基準(出力できる、改変を確認できる、宅建士が明示される)を満たす必要があります。

公式正解 3

正しいのはア・ウ・エの3つで、正解は3です。

ア:正しい。電磁的方法で提供するには、あらかじめ相手方の承諾を得なければなりません(宅建業法37条4項、施行令3条の4第1項)。

イ:誤り。電磁的方法そのものが、書面の交付に係る宅建士が明示されるものでなければなりません(施行規則16条の4の12第2項4号)。承諾を得る通知で明示しても代わりになりません。

ウ:正しい。相手方がファイルへの記録を出力して書面を作成できるものでなければなりません(同項1号)。

エ:正しい。記載事項について改変が行われていないかを確認できる措置を講じなければなりません(同項2号)。

公式問題で問26を見る

建物状況調査

問27 調査の定義・実施者・あっせん料金・37条書面

建物状況調査の確認事項を37条書面に書くのは、既存建物の売買・交換の場合だけです。貸借の37条書面には記載しません。

公式正解 4

誤っているのは4です。貸借の37条書面に、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について双方が確認した事項を記載する必要はありません。

肢1:正しい。建物状況調査は、構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の状況の調査で、国土交通省令で定める者が実施します(宅建業法34条の2第1項4号)。

肢2:正しい。調査を実施できるのは、国土交通大臣が定める講習を修了した建築士です(施行規則15条の8)。

肢3:正しい。建物状況調査を実施する者のあっせんは媒介業務の一環なので、報酬とは別にあっせんの料金を受け取ることはできません。

肢4:誤り。建物の構造耐力上主要な部分などの状況を当事者双方が確認した内容は、既存建物の売買・交換の37条書面に書く事項です(37条1項2号の2)。貸借では記載しません。

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業務上の規制

問28 勧誘の継続・不実告知・深夜の電話・37条書面の押印

勧誘に関する禁止行為(施行規則16条の11)と、2022年5月の改正で37条書面への押印が不要になった点を確認します。

公式正解 3

違反するのはア・イ・ウの3つで、正解は3です。

ア:違反する。相手方が契約を締結しない旨や勧誘を受けたくない旨の意思を示したのに勧誘を続けることは禁止されています(施行規則16条の11第1号ニ)。担当者を替えても同じです。

イ:違反する。不実と知りながら再開発の予定を告げることは、重要な事項についての不実告知に当たります(宅建業法47条1号)。

ウ:違反する。深夜の電話など、私生活の平穏を害するような方法で相手方を困惑させることは禁止されています(施行規則16条の11第1号ヘ)。

エ:違反しない。37条書面は宅建士が記名すれば足り、押印は求められていません(37条3項)。

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免許の基準

問29 政令使用人・取締役の罰金刑・宅建業法違反・非常勤役員

役員や政令で定める使用人が欠格事由に当たると、法人の免許は取り消されます。罰金刑で欠格になるのは、宅建業法違反や暴行・脅迫などの一定の罪に限られます。

公式正解 2

正しいのは2です。所得税法違反の罰金刑は欠格事由に当たらないので、B社の免許は取り消されません。

肢1:誤り。支店の代表者は政令で定める使用人です。罪の種類を問わず拘禁刑(当時は懲役)以上の刑に処せられれば欠格事由に当たり(宅建業法5条1項5号)、A社の免許は取り消されます(66条1項3号)。

肢2:正しい。罰金刑で欠格事由になるのは、宅建業法・暴力団対策法違反や、傷害・暴行・脅迫・背任などの罪に限られます(5条1項6号)。所得税法違反の罰金は含まれません。

肢3:誤り。宅建業法違反による罰金刑は欠格事由に当たり、個人業者Cの免許は取り消されます(5条1項6号・66条1項1号)。

肢4:誤り。非常勤でも取締役は役員に当たり、脅迫罪(刑法222条)の罰金刑は欠格事由なので、D社の免許は取り消されます。

令和8年度試験での注意 2025年6月1日の改正刑法の施行で、懲役と禁錮は拘禁刑に一本化されました。令和8年度試験では、欠格事由を「拘禁刑以上の刑」として覚えます。罰金刑で欠格になる罪の範囲は変わっていません。

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営業保証金

問30 届出の催告・事業開始・不足額の供託・取戻しの公告

営業保証金の期間(3か月・1か月・2週間・6か月)は、どの手続の期間かと結び付けて覚えます。

公式正解 1

正しいのはイだけで、正解は1です。

ア:誤り。免許権者は、免許をした日から3か月以内に供託の届出がないときに催告しなければならず、催告の到達から1か月以内に届出がないときは免許を取り消せます(宅建業法25条6項・7項)。6か月ではありません。

イ:正しい。営業保証金を供託したときは、供託書の写しを添付して免許権者に届け出なければならず、届出をした後でなければ事業を開始できません(25条4項・5項)。

ウ:誤り。不足額は通知を受けた日から2週間以内に供託し、供託したときは2週間以内に届け出ます(28条1項・2項)。30日ではありません。

エ:誤り。取戻しの公告の期間は6か月を下らない一定期間です(30条2項)。3か月ではありません。

公式問題で問30を見る

広告

問31 取引態様の明示・建物状況調査・広告開始時期・誇大広告の罰則

取引態様の明示は、広告をするときと注文を受けたときの両方で必要です。広告開始時期の制限は、売買・貸借の別を問わずかかります。

公式正解 4

正しいのは4です。著しく事実に相違する表示は、監督処分に加えて罰則の対象にもなります。

肢1:誤り。注文を受けたときは、広告で取引態様を明示していても、遅滞なく改めて取引態様の別を明らかにしなければなりません(宅建業法34条2項)。

肢2:誤り。建物状況調査の実施の有無は重要事項説明の項目で、広告に明示する義務はありません。

肢3:誤り。建築確認などの処分の前は、売買だけでなく貸借の媒介でも広告できません(33条)。貸借を除くのは契約締結時期の制限(36条)です。

肢4:正しい。誇大広告等の禁止(32条)に違反すると、監督処分のほか、6か月以下の拘禁刑(当時は懲役)若しくは100万円以下の罰金又はその併科の対象になります(81条1号)。

令和8年度試験での注意 2025年6月1日から懲役は拘禁刑に改められました。誇大広告等の禁止違反の罰則は「6か月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又は併科」で覚えます。

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届出

問32 事務所の新設・合併による消滅・専任の宅建士の交代・展示会の届出

宅建業者名簿の登載事項の変更は30日以内に届け出ます。案内所や展示会などの届出は、業務開始の10日前までです。

公式正解 4

誤っているのは4です。展示会の場所の届出は、業務を開始する日の10日前までに行います。

肢1:正しい。事務所の名称と所在地は名簿の登載事項なので、変更から30日以内に免許権者へ届け出ます(宅建業法8条2項・9条)。

肢2:正しい。合併で消滅した場合は、消滅した法人を代表する役員であった者が、その日から30日以内に届け出ます(11条1項2号)。

肢3:正しい。事務所ごとの専任の宅建士の氏名も名簿の登載事項なので、交代したら30日以内に届け出ます(8条2項・9条)。

肢4:誤り。展示会など契約の締結や申込みの受付をする場所の届出は、業務を開始する日の10日前までに、免許権者とその所在地の知事に行います(50条2項、施行規則19条3項)。5日前ではありません。

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重要事項説明

問33 交換の説明対象・引渡し時期・登記後の受領金・電磁的提供の承諾

重要事項説明は、宅地建物を取得し、又は借りようとする者に対して、その物件について行います。

公式正解 1

正しいのは1です。交換では、相手方Bが取得する甲宅地について説明すれば足ります。

肢1:正しい。重要事項説明は、取得しようとする者に、その者が取得する物件について行います(宅建業法35条1項)。BがAに渡す乙宅地について、Bに説明する義務はありません。

肢2:誤り。宅地の引渡しの時期は37条書面の記載事項で、重要事項説明の項目ではありません。

肢3:誤り。支払金・預り金の保全措置の説明対象から、所有権移転の登記以後に受領する金銭は除かれています(施行規則16条の3)。

肢4:誤り。電磁的方法で提供するには、あらかじめ方法の種類と内容を示し、書面又は電磁的方法で承諾を得る必要があります(施行令3条の3第1項)。口頭の依頼では足りません。

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報酬額の制限

問34 居住用の借主からの報酬・特別な広告料金・契約書作成費・事務所の貸借

貸借の媒介の報酬は、一の取引につき業者全体で借賃の1か月分(課税事業者は1.1倍)が上限です。居住用建物では、承諾がない限り依頼者の一方から0.5か月分までです。

公式正解 3

違反するのはア・ウ・エの3つで、正解は3です。

ア:違反する。居住用建物の貸借の媒介で依頼者の承諾がないときは、借主から受けられる報酬は借賃の0.5か月分(課税事業者は12万円×0.55=6万6,000円)までです。13万2,000円は上限を超えています。

イ:違反しない。依頼者の依頼による特別な広告の料金は、報酬とは別に受け取れます。

ウ:違反する。契約書の作成費は媒介業務の費用で、報酬の限度額とは別に受け取れません。

エ:違反する。事務所の貸借でも、権利金の授受がなければ、AとCが受け取る報酬の合計は借賃1か月分の13万2,000円以内です。合計26万4,000円は上限を超えています。

令和8年度試験での注意 2024年7月施行の報酬告示の改正で、長期間使用されていない空家等の貸借について貸主から受けられる報酬の特例などが設けられました。本問は通常の居住用建物と事務所の貸借なので、正誤は変わりません。

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クーリング・オフ

問35 告知の方法・撤回の方法・事務所等・他の業者の事務所

クーリング・オフは、告知も申込みの撤回も書面で行います。売主から媒介を依頼された他の業者の事務所は「事務所等」に当たります。

公式正解 4

正しいのは4です。売却の媒介を依頼した業者Cの事務所での申込みは、クーリング・オフで撤回できません。

肢1:誤り。クーリング・オフの告知は、所定の事項を記載した書面を交付して行わなければなりません(施行規則16条の6)。電磁的方法での告知は認められていません。

肢2:誤り。申込みの撤回は書面で行います(宅建業法37条の2第1項)。電磁的方法による申出では撤回できません。

肢3:誤り。Aの事務所での申込みはクーリング・オフの対象外です。

肢4:正しい。売主が売却の代理・媒介を依頼した他の宅建業者の事務所は事務所等に当たり(施行規則16条の5第1号ハ)、そこでの申込みは撤回できません。

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業務上の禁止行為

問36 預り金の返還・手付の分割・帳簿の電子保存・目的を告げない勧誘

預り金の返還拒否、手付の信用供与、勧誘目的の不告知は、いずれも宅建業法と施行規則で禁止されています。帳簿は電子媒体で保存できます。

公式正解 3

違反するのはア・イ・エの3つで、正解は3です。

ア:違反する。申込みの撤回の際に、既に受け取った預り金の返還を拒むことは禁止されています(施行規則16条の11第2号)。諸費用を差し引くことも返還の一部拒否に当たります。

イ:違反する。手付の分割払いは手付について信用を供与することに当たり、これによって契約の締結を誘引することは禁止されています(宅建業法47条3号)。

ウ:違反しない。帳簿は、必要に応じて紙面に表示できるときは電子媒体で保存できます(施行規則18条2項)。

エ:違反する。勧誘に先立って、業者名、勧誘を行う者の氏名、契約の締結の勧誘が目的であることを告げずに勧誘することは禁止されています(施行規則16条の11第1号ハ)。

公式問題で問36を見る

従業者証明書・従業者名簿

問37 携帯させる範囲・閲覧・提示・保存期間

従業者証明書は代表者や非常勤役員を含む全員に携帯させ、取引の関係者から請求があれば提示します。従業者名簿の保存期間は10年です。

公式正解 3

正しいのは3です。取引の関係者から請求があれば、相手方が宅建業者でも従業者証明書を提示します。

肢1:誤り。従業者証明書は、非常勤の役員を含む全ての従業者に携帯させなければなりません(宅建業法48条1項)。

肢2:誤り。取引の関係者から請求があれば、従業者名簿を閲覧させなければなりません(48条4項)。守秘義務を理由に拒めません。

肢3:正しい。従業者は、取引の関係者の請求があれば従業者証明書を提示します(48条2項)。請求した者が宅建業者でも同じです。

肢4:誤り。従業者名簿は、最終の記載をした日から10年間保存します(施行規則17条の2第4項)。

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宅建業の定義

問38 自ら貸借・宅建士の定義・建設業者の媒介・知識の維持向上

宅建業に当たるかは、取引の態様(自ら売買・交換、売買・交換・貸借の代理・媒介)を業として行うかで判断します。

公式正解 2

正しいのはアとエの2つで、正解は2です。

ア:正しい。自ら所有する建物を賃貸する行為は宅建業の取引に当たらず、反復継続しても宅建業に該当しません。

イ:誤り。宅建士は、試験に合格し登録を受けたうえで、宅地建物取引士証の交付を受けた者をいいます(宅建業法2条4号)。

ウ:誤り。建設業者でも、業として宅地の売買の媒介を行えば宅建業に当たり、免許が必要です。

エ:正しい。宅建士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識と能力の維持向上に努めなければなりません(15条の3)。

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手付金等の保全措置

問39 保全の時期・保証保険の期間・保険証券の交付・電磁的方法

保全措置は手付金等を受け取る前に講じ、保証書や保険証券は買主に交付します。電磁的方法に代えるには買主の承諾が要ります。

公式正解 2

正しいのは2です。保証保険の保険期間は、少なくとも契約成立時から宅地の引渡しまでです。

肢1:誤り。保全措置は、手付金を受領する前に講じなければなりません(宅建業法41条1項・41条の2第1項)。

肢2:正しい。保証保険契約の保険期間は、少なくとも保証保険契約の成立時から、受領した手付金等に係る宅地建物の引渡しまでの期間でなければなりません(41条3項2号)。

肢3:誤り。保証保険契約を締結し、かつ保険証券又はこれに代わる書面を買主に交付する必要があります(41条1項2号)。

肢4:誤り。銀行等の保証書の交付に代えて電磁的方法で講じるには、買主の承諾が必要です(41条5項)。

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媒介契約

問40 申込みの報告・建物状況調査・指定流通機構への登録・他業者による成約

専任媒介契約の登録期限は、契約締結の日から休業日を除いて7日以内です。申込みがあれば業者の判断にかかわらず報告します。

公式正解 4

正しいのは4です。専任媒介契約では、依頼者が他の業者の媒介・代理で契約したときの措置を媒介契約書面に記載します。

肢1:誤り。購入の申込みがあったときは、遅滞なく依頼者に報告しなければなりません(宅建業法34条の2第8項)。業者が条件に合わないと判断しても省略できません。

肢2:誤り。建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項は、媒介契約書面の記載事項です(34条の2第1項4号)。書面の交付後に改めて確認する仕組みではありません。

肢3:誤り。専任媒介契約の指定流通機構への登録は、契約締結の日から休業日を除いて7日以内です(施行規則15条の10)。

肢4:正しい。専任媒介契約では、依頼者が他の宅建業者の媒介又は代理によって契約を成立させたときの措置を記載します(施行規則15条の9第1号)。

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宅建士の監督

問41 報告の求め・他県での名義の表示・不正な宅建士証の交付・公告

宅建士への指示や事務禁止は、登録をしている知事のほか、事務を行った区域の知事もできます。宅建士への処分は公告されません。

公式正解 2

正しいのは2です。乙県で専任の宅建士である旨の表示を許したBには、乙県知事も指示ができます。

肢1:誤り。知事は、その登録を受けている宅建士のほか、その都道府県の区域内で事務を行う宅建士にも報告を求められます(宅建業法72条3項)。

肢2:正しい。他の業者の事務所で専任の宅建士である旨の表示を許したときは指示処分の対象になり(68条1項1号)、その区域を管轄する乙県知事も指示できます(68条3項)。

肢3:誤り。不正の手段で宅建士証の交付を受けたときは、登録を消除しなければなりません(68条の2第1項3号)。情状を問わない必要的な処分です。

肢4:誤り。監督処分の公告(70条1項)は宅建業者に対する業務停止や免許取消しなどが対象で、宅建士に対する処分は公告されません。

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重要事項説明

問42 宅建士証の提示・説明の相手方・業者間取引・代金の支払

重要事項説明では、請求がなくても宅建士証を提示します。説明の相手方は買主などの取得者で、相手方が宅建業者なら書面の交付だけで足ります。

公式正解 3

誤っているのはア・イ・エの3つで、正解は3です。

ア:誤り。重要事項の説明をするときは、請求がなくても宅建士証を提示しなければなりません(宅建業法35条4項)。

イ:誤り。重要事項説明は、取得しようとする買主に対して行います。売主に説明する義務はありません。

ウ:正しい。買主が宅建業者の場合は、重要事項説明書を交付すれば足り、説明は不要です(35条6項)。

エ:誤り。代金並びにその支払時期・方法は37条書面の記載事項で、重要事項の説明事項ではありません。説明が必要なのは、代金以外に授受される金銭の額と目的です(35条1項7号)。

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37条書面

問43 業者間取引・交付の時期・記名する宅建士・不可抗力による損害

37条書面は、契約成立後遅滞なく交付する書面で、業者間の取引でも記載事項を省略できません。記名する宅建士は専任でなくてかまいません。

公式正解 4

正しいのは4です。天災などの不可抗力による損害の負担について取決めがあれば、37条書面に記載します。

肢1:誤り。買主が宅建業者でも、移転登記の申請の時期は37条書面に記載しなければなりません(宅建業法37条1項5号)。

肢2:誤り。37条書面は、契約が成立した後、遅滞なく交付します(37条1項)。

肢3:誤り。37条書面に記名させる宅建士は、専任の宅建士である必要はありません(37条3項)。

肢4:正しい。天災その他不可抗力による損害の負担について取決めがあれば、その内容を記載します(37条1項10号)。

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保証協会

問44 苦情の解決・一部事務所の廃止・還付の手続・手付金等保管事業

弁済業務保証金の還付は、保証協会の認証を受けて供託所から行われます。分担金の返還で公告が必要なのは、社員が地位を失った場合だけです。

公式正解 1

正しいのは1です。社員は、苦情の解決のため保証協会から資料の提出を求められたら、正当な理由がない限り拒めません。

肢1:正しい。保証協会から苦情の解決のために文書や資料の提出を求められた社員は、正当な理由がある場合でなければ拒めません(宅建業法64条の5第3項)。

肢2:誤り。一部の事務所を廃止して分担金を返還するときは、公告は不要です。公告が必要なのは、社員が社員の地位を失ったときです(64条の11第4項)。

肢3:誤り。還付を受けるには、まず保証協会の認証を受け、そのうえで供託所に還付を請求します(64条の8第2項)。保証協会が直ちに支払う仕組みではありません。

肢4:誤り。手付金等保管事業の対象は、工事完了後の物件(41条の2)の手付金等です。工事完了前の物件の手付金等は対象になりません。

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住宅瑕疵担保履行法

問45 信託会社等・供託所の説明・供託先・瑕疵担保責任を負わない特約

新築住宅の売主である宅建業者は、構造耐力上主要な部分などの瑕疵について10年間の責任を負い、その資力確保のため保証金の供託か保険契約の締結が必要です。

公式正解 4

正しいのは4です。瑕疵担保責任を負わない特約は無効なので、資力確保の義務も残ります。

肢1:誤り。信託会社や信託業務を兼営する金融機関で宅建業を営むものも、資力確保の義務を負います。

肢2:誤り。供託所の所在地などは、売買契約を締結するまでに書面を交付して説明しますが、買主の承諾を得れば電磁的方法で提供できます(特定住宅瑕疵担保責任履行確保法15条)。

肢3:誤り。保証金の供託先は、宅建業者の主たる事務所の最寄りの供託所です(11条6項)。住宅の最寄りではありません。

肢4:正しい。構造耐力上主要な部分などの瑕疵について責任を負わない特約は、住宅品質確保法により無効です(同法95条2項)。Aは保証金の供託又は保険契約の締結を行う義務を負います。

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住宅・統計・土地建物の解答・解説(5問)

住宅金融支援機構、不動産の表示に関する公正競争規約、統計、土地、建物の構造を扱います。統計は前年の数値を暗記せず、出題年度の公表値で確かめます。

住宅金融支援機構

問46 子育て・高齢者向け賃貸住宅・買取型の対象・金利引下げ・マンション共用部分

証券化支援事業(買取型)は、新築住宅だけでなく中古住宅の購入資金の貸付債権も買取りの対象にしています。

公式正解 2

誤っているのは2です。買取型は、中古住宅の購入資金の貸付債権も対象です。

肢1:正しい。子どもを育成する家庭や高齢者の家庭に適した賃貸住宅の建設資金の貸付けは、機構の業務です(独立行政法人住宅金融支援機構法13条1項9号)。

肢2:誤り。買取型の対象は住宅の建設・購入に必要な資金の貸付債権で、中古住宅の購入資金も含まれます。

肢3:正しい。ZEHや、省エネルギー性・耐震性・バリアフリー性・耐久性・可変性に優れた住宅の取得には、一定期間金利を引き下げる制度があります。

肢4:正しい。マンションの共用部分の改良に必要な資金の貸付けは、機構の業務です(13条1項7号)。

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景品表示法・表示規約

問47 おとり広告・物件名に使える道路名・施設までの所要時間・新発売

表示規約は、物件名に使える地名や道路名の範囲、施設までの距離・所要時間の表示方法、「新発売」の定義を細かく定めています。

公式正解 2

正しいのは2です。物件から直線距離で50m以内にある街道の名称は、物件名に使えます。

肢1:誤り。実在しても取引する意思がない物件の広告は、おとり広告として禁止されています(表示規約21条)。

肢2:正しい。物件から直線距離で50m以内に所在する街道その他の道路の名称(坂名を含む)は、物件名に用いることができます(表示規約19条1項4号)。

肢3:誤り。スーパーマーケットなどの商業施設は、物件からの道路距離又は徒歩所要時間を明示して表示します(表示規約施行規則)。自転車の所要時間を示しても、この表示は省けません。

肢4:誤り。「新発売」は、新築住宅などのほか一棟リノベーションマンションについても、初めて購入の申込みの勧誘を行う場合に表示できます(表示規約18条1項2号)。

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不動産統計

問48 宅建業者数・地価公示・非居住建築物の着工・法人企業統計

統計問題は、出題時点で最新の宅建業法の施行状況調査、地価公示、建築着工統計、法人企業統計の数値と照合します。

公式正解 1

誤っているのは1です。令和4年3月末の宅建業者数は約12.9万業者で、14万業者には達していません。

肢1:誤り。令和4年3月末の宅建業者数は約12万9千業者で、8年連続の増加でしたが、14万業者を超えてはいません。

肢2:正しい。令和5年地価公示では、地方圏平均の全用途平均・住宅地・商業地が2年連続で上昇し、工業地は6年連続で上昇しました。

肢3:正しい。令和4年の民間非居住建築物の着工床面積は、工場と倉庫が増えた一方、事務所と店舗が減り、全体では前年より減少しました。

肢4:正しい。令和3年度の不動産業の売上高営業利益率は11.1%、売上高経常利益率は12.5%で、いずれも2年連続で上昇しました。

令和8年度試験での注意 統計は毎年差し替わります。令和8年度試験では、2026年の地価公示、2025年の建築着工統計、最新の宅建業法施行状況調査や法人企業統計など、試験の直前に公表された数値で確かめます。

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土地

問49 自然堤防の縁・谷底低地の揺れ・関東地震・丘陵地の盛土

地形と地盤の問題は、液状化しやすい場所、揺れが増幅される場所、盛土造成の注意点を押さえます。

公式正解 2

最も不適当なのは2です。軟弱層が厚く堆積した谷底低地では、地震動が増幅されて揺れが大きくなります。

肢1:適当。自然堤防の後背湿地側の縁は、緩い砂が堆積し地下水位も浅いので、液状化しやすい地盤です。

肢2:不適当。谷底低地に軟弱層が厚く堆積しているところでは、地震動が増幅され、揺れが大きくなります。

肢3:適当。1923年の関東地震では、東京の谷底低地で水道管や建物に多くの被害が出ました。

肢4:適当。丘陵地を切土・盛土して造成するときは、盛土部分に排水施設を設けて地下水位を下げ、十分に締め固める必要があります。

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建物の構造と材料

問50 鉄筋コンクリート構造の特徴と鉄筋の種類

鉄筋コンクリート構造は、引張りに強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートを一体にして使います。一体化には、鉄筋とコンクリートの付着が重要です。

公式正解 3

最も不適当なのは3です。表面に突起のある異形棒鋼の方が、丸鋼よりコンクリートとの付着がよく、一体化に優れます。

肢1:適当。鉄筋コンクリート構造は、地震や風の力を受けても躯体の変形が比較的小さく、耐火性にも富みます。

肢2:適当。躯体の断面が大きく材料も重いので、建物の自重が大きくなります。

肢3:不適当。異形棒鋼は表面の突起がコンクリートに食い込むため、丸鋼より付着力が大きく、鉄筋とコンクリートの一体化に優れています。

肢4:適当。コンクリートが所定の強度に達するまで日数がかかり、現場での施工も多いので、工期は長くなりがちです。

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出典と照合

出典は一般財団法人不動産適正取引推進機構「令和5年度宅地建物取引士資格試験 問題・正解」です。問題本文と選択肢は転載していません。各問の「公式問題で問◯を見る」から公式PDFの該当ページを開けます。

正解は公式発表と1問ずつ照合しています。解説は資格Hubが法令・告示・公的資料で確かめて作成したもので、試験実施団体とは関係ありません。

令和5年度の正解番号(公式PDF)→

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