2021年11月21日実施・全50問・公式正解照合

令和3年度 賃貸不動産経営管理士試験 解答・解説

令和3年度賃貸不動産経営管理士試験(第9回)の全50問について、公式正解と各記述の正誤理由をこのページに載せています。国家資格となって初めての試験です。解説は試験の基準である2021年4月1日現在の法令(管理業法は同年6月15日時点)で書き、管理業法とサブリースの運用は国土交通省の「解釈・運用の考え方」と特定賃貸借標準契約書で確かめました。問題本文は転載していないため、公式PDFを開いて問番号を合わせて読んでください。

令和3年度は受験者32,459人、合格者10,240人で、合格率は31.5%でした(賃貸不動産経営管理士協議会「受験申込者数および受験者に関するデータ」)。問46〜50の5問は、講習修了者には免除される問題です。

令和7年度(2025年)全50問の解答・解説 →

令和6年度(2024年)全50問の解答・解説 →

令和5年度(2023年)全50問の解答・解説 →

令和4年度(2022年)全50問の解答・解説 →

公開 ・更新 ・作成 資格Hub(運営 Boson)・正答の照合方法

正答一覧(全50問)

賃貸借契約・民法

問題正答論点
問83責任の順序・管理業者の占有者責任・建築基準法違反・設置と保存の瑕疵
問203充当の時期・預入れの時期・所有者の交代・借主の所在不明
問213効力の発生時期・協議特約・減額請求中の支払・調停前置
問222自力救済の禁止・残置物の処分・敷金の充当・公正証書の執行力
問232使用目的・更新料・賃料の範囲・共益費
問243内縁の配偶者の居住・相続人のない場合・公営住宅
問254必要費の排除特約・留置と賃料相当額・有益費の選択権・造作代金と明渡し
問264貸主の中途解約特約・事前説明書面・宅建業者の重要事項説明・賃料減額請求の排除
問274連帯保証人の抗弁・物上保証人との違い・極度額・随伴性
問284対抗要件ある賃貸借・地位の留保・登記と賃料請求・合意による移転

賃貸住宅管理業法

問題正答論点
問13説明の時期・説明者・相手方の知識経験・報酬変更時の説明
問24説明しなければならない事項の数
問34電磁的方法による提供・出力可能性・事前送付・音声のみの説明
問43委任・準委任・請負の区別
問51管理業者に代理権が授与されている事項
問292定義・建築中の家屋・未入居の住宅・事務所としての賃借
問302維持保全・契約の媒介等・部分のみの維持保全・金銭の管理
問314証明書の携帯・分別管理・帳簿・再委託の禁止
問322死亡の届出・合併による消滅・業務管理者の欠格・標識の掲示

サブリース規制

問題正答論点
問333借主が行う修繕・転貸借の契約態様・反社会的勢力・敷金の分別管理
問342情報提供・修繕の通知・修繕費用の負担・転借人への周知
問352定期報告の内容・随時の報告請求・修繕箇所の通知・緊急時の事後通知
問362交付の時期・更新時の家賃減額・電磁的提供・罰則
問374対象物件の面積・家賃の設定根拠・敷金・維持保全の回数
問382事前送付・記載の省略・説明者・指定業者による修繕
問394家賃・修繕費・解約・家賃保証の表示
問401勧誘者の範囲・再委託先・グループ会社・誇大広告の禁止
問411業務停止命令・勧誘者の違反と事業者の処分・指示・公表

管理受託実務

問題正答論点
問63鍵交換の時期・空室の管理・清掃計画の周知・共用部分の私物
問74ハザードマップ・ブロック塀の改修・不可抗力による損傷の修繕
問424管理業務の対象・代理の範囲・資産運営・求められる役割
問431業務管理者としての役割・管理監督と実施・サブリースの説明・政策課題
問464住生活基本計画・家賃債務保証業者登録簿・建物の床面積・工作物責任
問471障害者差別解消の対応指針・原状回復特約・セーフティネット住宅・消費者契約法
問481主体的な関与・住宅宿泊事業・空き家・住宅確保要配慮者

建物・設備管理

問題正答論点
問112防犯カメラ・玄関扉の錠・接地階の窓・共用玄関の照度
問123居室の定義・換気・ふすまで仕切られた居室・直通階段
問133木造の金物補強・壁の補強・制震装置・鉄筋コンクリート造の補強
問141履歴情報の効用と帰属
問151維持保全の努力義務・定期調査の対象
問161陸屋根の排水・傾斜屋根の劣化・コンクリート外壁の爆裂・タイルの全面打診
問171修繕費の見込み・計画の見直し・資金の積立て
問183直結増圧方式・さや管ヘッダー方式・受水槽・給湯器の号数
問193自然換気・第1種換気・第2種換気・24時間換気

原状回復・退去

問題正答論点
問94清掃の懈怠・経過年数・通常損耗の特約・落書き
問102クロス・フローリング・畳・鍵の負担単位

不動産・税・保険

問題正答論点
問451確定申告・減価償却の方法・取得時の費用・収入の計上時期
問492保険の考え方・保険の分類・地震保険・借家人賠償責任保険
問503地番と住居表示・事業計画・公的な土地価格の水準

募集・媒介

問題正答論点
問441成約済み物件・取引する意思のない物件・虚偽広告との区別・違反する法令

令和7年度 全50問の解答解説PDF

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この年度の出題構成

8分野に分かれ、最多の賃貸借契約・民法は10問(20%)です。復習する分野は、各問の正誤と理解できなかった根拠から選べます。

最も少ない募集・媒介は1問です。出題数が少なくても、科目別基準や苦手分野を確認せずに省略することはできません。

論点は48件で、複数問にまたがるのは原状回復ガイドライン(2問)、特定賃貸借標準契約書(2問)です。同じ論点でも問われ方が変わるので、解説は問ごとに分けています。

読み取れた50問の正答番号は3の13件から2の12件までで、番号の偏りはほとんどありません。

分野出題数割合この年に問われた論点
賃貸借契約・民法10問20%土地工作物責任、敷金、賃料増減請求、賃料回収と明渡し、賃貸住宅標準契約書、借主の死亡、費用償還請求権と造作買取請求権、定期建物賃貸借
サブリース規制9問18%特定賃貸借標準契約書、特定転貸事業者の報告、特定賃貸借契約締結時書面、特定賃貸借契約重要事項説明、特定賃貸借契約重要事項説明の方法、誇大広告等の禁止、勧誘者、国土交通大臣の監督
建物・設備管理9問18%防犯に配慮した共同住宅の設計指針、居室に関する建築基準法の規定、耐震改修、修繕履歴情報、建物の維持保全と定期報告、屋上と外壁の管理、長期修繕計画、給水・給湯設備
賃貸住宅管理業法9問18%管理受託契約重要事項説明、管理受託契約重要事項説明の内容、重要事項説明へのITの活用、管理受託契約の性質、標準管理受託契約書、管理業法の賃貸住宅、管理業法の管理業務、賃貸住宅管理業者の業務
管理受託実務7問14%賃貸住宅の管理実務、自然災害への備え、賃貸住宅管理業者の役割、賃貸不動産経営管理士の業務、賃貸住宅をめぐる制度、管理業務に関わる法令、新たな政策課題と管理士の役割
不動産・税・保険3問6%不動産の税金、保険、企画提案のための調査
原状回復・退去2問4%原状回復ガイドライン
募集・媒介1問2%おとり広告
正答番号1234
件数12121313

集計は当サイトが公開している全50問・200件の解説から作成しました。問題と正答は試験実施団体の公表資料と照合しています。

全問に共通する注意

令和8年度試験での注意 2026年4月1日までの改正や統計の更新で確認が必要な問(問3・問16・問26・問47)には、各問に注意を付けました。それ以外の問は、2026年4月1日現在の法令・ガイドラインで解いても正誤が変わりません。

賃貸借契約・民法の解答・解説(10問)

土地工作物責任、敷金、賃料増減請求、賃料の回収と明渡し、賃貸住宅標準契約書、借主の死亡、費用償還請求権と造作買取請求権、定期建物賃貸借、保証、賃貸人の地位の移転を扱います。

土地工作物責任

問8 責任の順序・管理業者の占有者責任・建築基準法違反・設置と保存の瑕疵

土地工作物責任(民法717条)は、まず占有者が負い、占有者が損害防止に必要な注意をしたときは所有者が負います。所有者の責任は無過失責任です。

正解 3

適切なのはイとエで、正解は3です。

ア:不適切。一次的に責任を負うのは占有者です。占有者が損害防止に必要な注意を尽くしていたときに、所有者が責任を負います。順序が逆です。

イ:適切。建物の管理を受託した管理業者も、建物の安全確保について事実上の支配をしている場合は、占有者として責任を負うことがあります。

ウ:不適切。建築基準法違反の瑕疵で損害が生じた場合も、所有者や占有者は土地工作物責任を負います。建設業者の責任は、それとは別に問題になります。

エ:適切。設置の瑕疵は設置当初からの欠陥、保存の瑕疵は設置後の維持管理の過程で生じた欠陥をいいます。

公式問題で問8を見る

敷金

問20 充当の時期・預入れの時期・所有者の交代・借主の所在不明

敷金は、賃貸借に基づいて生じる借主の金銭債務を担保する金銭です。貸主は明渡し前でも未払賃料に充当でき、建物が譲渡されると敷金返還債務は新所有者に承継されます(民法622条の2、605条の2)。

正解 3

肢1:不適切。借主が賃料などを支払わないときは、貸主は明渡し前でも敷金をその弁済に充てることができます(民法622条の2第2項)。

肢2:不適切。敷金は、貸主と合意すれば契約締結後に預け入れることもできます。

肢3:適切。借主が引渡しを受けて対抗要件を備えた後に建物が譲渡され、譲受人が所有権移転登記をした場合、敷金返還債務は譲受人に承継されます(民法605条の2第4項)。

肢4:不適切。明渡し後の敷金は、未払賃料や原状回復費用に当然に充当されます。借主に充当の通知ができなくても充当できます。

公式問題で問20を見る

賃料増減請求

問21 効力の発生時期・協議特約・減額請求中の支払・調停前置

借地借家法32条の賃料増減請求は、相手方に意思表示が到達した時から将来に向かって効力を生じます。協議が調わない間は、相当と認める額の賃料を支払い、又は請求できます。

正解 3

適切なのはイとエで、正解は3です。

ア:不適切。賃料増減請求の効力は、請求の意思表示が相手方に到達した時から生じます。賃料が不相当になった時まで遡るわけではありません。

イ:適切。賃料改定を協議で行う特約があっても、借地借家法32条の賃料増減請求権を行使できます。

ウ:不適切。減額請求の協議が調わないときは、貸主は減額を正当とする裁判が確定するまで、相当と認める額の賃料を請求できます(同条3項)。借主は減額後の額を支払えば足りるわけではありません。

エ:適切。賃料の増減をめぐる訴えを起こすには、原則として先に調停を申し立てなければなりません(民事調停法24条の2、調停前置主義)。

公式問題で問21を見る

賃料回収と明渡し

問22 自力救済の禁止・残置物の処分・敷金の充当・公正証書の執行力

賃料の回収や明渡しは、法的手続によるのが原則で、判決があっても自力で居室に立ち入ることはできません。公正証書(執行証書)で強制執行できるのは金銭の支払などに限られ、明渡しには判決などの債務名義が必要です。

正解 2

不適切なのはアとウで、正解は2です。

ア:不適切。明渡しを命じる判決が確定しても、強制執行の手続によらずに居室に立ち入り残置物を処分することは、自力救済に当たり許されません。

イ:適切。借主が任意に明け渡すことを承諾し、残置物の所有権を放棄する念書を得ていれば、退去後に残った物を貸主が処分することができます。

ウ:不適切。敷金の充当に判決は不要で、貸主は未払賃料に敷金を充当できます。

エ:適切。公正証書による強制執行は金銭の一定額の支払などの請求に限られ(民事執行法22条5号)、建物の明渡しには訴訟で判決を得るなどの手続が必要です。

公式問題で問22を見る

賃貸住宅標準契約書

問23 使用目的・更新料・賃料の範囲・共益費

賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版)は、居住を目的とする民間賃貸住宅の契約書のひな形です。更新料の定めは置かれておらず、共用部分の維持管理費用は共益費として借主が負担します。

正解 2

肢1:誤り。標準契約書は、居住のみを目的とする賃貸借を対象としています。事務所としての使用は想定していません。

肢2:正しい。標準契約書には、更新料の支払に関する定めはありません。

肢3:誤り。建物の賃料には、建物の使用の対価だけでなく、その敷地を利用する対価も含まれると考えられています。

肢4:誤り。階段や廊下など共用部分の維持管理に必要な光熱費・上下水道使用料・清掃費などは、共益費として借主が負担します。

公式問題で問23を見る

借主の死亡

問24 内縁の配偶者の居住・相続人のない場合・公営住宅

借主が死亡すると、賃借権は相続人に相続されます。相続人がいない場合は、同居していた内縁の配偶者などが借家権を承継できます(借地借家法36条)。公営住宅の使用権は相続されません。

正解 3

肢1:不適切。相続人がいる場合でも、同居していた内縁の妻は、相続人が承継した賃借権を援用して居住を続けることができ、明渡しを拒めます(最判昭和42年2月21日)。

肢2:不適切。相続人がいない場合は、同居していた事実上の配偶者が借主の権利義務を承継します(借地借家法36条1項)。明渡しを拒むことができます。

肢3:適切。公営住宅の使用権は、入居者が死亡しても相続人が当然に承継するものではありません(最判平成2年10月18日)。

肢4:不適切。相続人がいなくても賃借権は当然には消滅しません。同居者が承継する場合があり、承継者がいなければ相続財産に属します。

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費用償還請求権と造作買取請求権

問25 必要費の排除特約・留置と賃料相当額・有益費の選択権・造作代金と明渡し

必要費は支出後直ちに、有益費は契約終了時に償還を請求できます。有益費の額は、支出額か増価額のどちらにするかを貸主が選びます。造作買取代金は建物について生じた債権ではないので、明渡しを拒む理由になりません。

正解 4

適切なのはアとエで、正解は4です。

ア:適切。必要費償還請求権を定める民法608条1項は任意規定なので、これを排除する特約も有効です。

イ:不適切。借主は必要費の支払を受けるまで留置権によって明渡しを拒めますが、その間の使用利益は返還する必要があるので、賃料相当額の負担を免れません。

ウ:不適切。有益費は、支出額か価値の増加額のうち、貸主が選択した額を償還します(民法608条2項、196条2項)。借主が選ぶのではありません。

エ:適切。造作買取代金債権は造作に関して生じた債権で、建物の明渡しとは同時履行の関係に立たず、留置権も認められません(最判昭和29年7月22日)。

公式問題で問25を見る

定期建物賃貸借

問26 貸主の中途解約特約・事前説明書面・宅建業者の重要事項説明・賃料減額請求の排除

定期建物賃貸借では、契約書とは別に、更新がなく期間満了で終了することを書面で事前に説明しなければなりません(借地借家法38条)。賃料の改定に関する特約があれば、賃料増減請求の規定は適用されません。

正解 4

肢1:誤り。定期建物賃貸借でも、貸主からの中途解約を認める特約は借主に不利なもので、無効と解されています。

肢2:誤り。事前説明の書面は、契約書とは別個独立の書面でなければなりません(最判平成24年9月13日)。

肢3:誤り。媒介業者が宅建業法35条の重要事項説明をしても、貸主が行うべき事前説明の書面の交付が不要になるわけではありません。

肢4:正しい。定期建物賃貸借で賃料の改定に関する特約がある場合は、賃料増減請求の規定(借地借家法32条)は適用されないので、減額請求をしない特約も有効です(同法38条)。

令和8年度試験での注意 2022年5月の改正で、定期建物賃貸借の契約と事前説明の書面は、借主の承諾を得て電磁的方法で行えるようになりました。事前説明を契約書と別に行う必要があることなど、この問の正誤は変わりません。

公式問題で問26を見る

保証

問27 連帯保証人の抗弁・物上保証人との違い・極度額・随伴性

連帯保証人には、催告の抗弁権と検索の抗弁権がありません。個人が保証人となる根保証契約には極度額の定めが必要ですが、法人の保証人には適用されません。

正解 4

誤っているのはアとエで、正解は4です。

ア:誤り。検索の抗弁(民法453条)は連帯保証人には認められず(454条)、主債務者に資力があることを証明しても保証債務の履行を拒めません。

イ:正しい。物上保証人の責任は担保に供した不動産の範囲に限られますが、保証人は全財産で責任を負います。

ウ:正しい。極度額の定めが必要なのは、保証人が個人である根保証契約です(民法465条の2)。法人の保証には適用されません。

エ:誤り。随伴性とは、主たる債権が譲渡されると保証債務もこれに伴って移転する性質をいいます。借主の地位が第三者に移転した場合に、保証人が当然に新しい借主の債務を保証し続けるわけではありません。

公式問題で問27を見る

賃貸人の地位の移転

問28 対抗要件ある賃貸借・地位の留保・登記と賃料請求・合意による移転

2020年施行の改正民法は、賃貸不動産が譲渡された場合の賃貸人の地位の移転を明文化しました。対抗要件のない賃貸借でも、譲渡人と譲受人の合意で、借主の承諾なしに賃貸人の地位を移転できます(605条の3)。

正解 4

肢1:正しい。借主が引渡しを受けて対抗要件を備えていれば、建物の譲渡により賃貸人の地位は譲受人Cに移転します(民法605条の2第1項)。

肢2:正しい。譲渡人と譲受人が賃貸人の地位を留保し、譲受人が譲渡人に賃貸する合意をすれば、借主の承諾がなくても地位は譲渡人に留保されます(同条2項)。

肢3:正しい。譲受人Cは、所有権移転登記をしなければ賃貸人の地位の移転を借主に対抗できないので、Bは賃料の支払を拒めます(同条3項)。

肢4:誤り。対抗要件のない賃貸借でも、賃貸人の地位は、借主の承諾なしに譲渡人と譲受人の合意で移転できます(民法605条の3)。

公式問題で問28を見る

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賃貸住宅管理業法の解答・解説(9問)

管理受託契約重要事項説明とITの活用、管理受託契約の性質、標準管理受託契約書の代理権、管理業法の賃貸住宅と管理業務、管理業者の業務規制、登録の効力を扱います。

管理受託契約重要事項説明

問1 説明の時期・説明者・相手方の知識経験・報酬変更時の説明

管理受託契約重要事項説明は、賃貸人が契約内容を理解したうえで判断できるよう、契約締結前に書面を交付して行う説明です。国土交通省の「解釈・運用の考え方」は、説明から締結まで1週間程度の期間をおくことを望ましいとしています。

正解 3

肢1:不適切。説明から契約締結までは1週間程度の期間をおくことが望ましいとされています。期間を短くせざるを得ない場合も、事前に説明書を送付して一定期間後に説明するなど、判断の時間を確保します。

肢2:不適切。説明は業務管理者が行う必要はなく、業務管理者の管理・監督の下で行えば足ります。業務管理者や一定の実務経験者など専門的な知識をもつ者が行うことが望ましいとされています。

肢3:適切。説明の対象となる賃貸人であれば、一定の知識や経験があっても、説明事項を書面に記載して十分に説明しなければなりません。賃貸住宅管理業者や宅建業者など省令で定める専門家は、もともと説明の相手方から除かれています(法13条1項)。

肢4:不適切。契約期間中に報酬額など説明事項を変更する変更契約を結ぶときも、変更する事項について事前に説明が必要です。

公式問題で問1を見る

管理受託契約重要事項説明の内容

問2 説明しなければならない事項の数

管理受託契約重要事項説明の事項は、施行規則31条に11項目が定められています。管理業務の内容と実施方法、報酬、再委託、契約の更新・解除は、いずれもその中に含まれます。

正解 4

4つの記述はすべて説明事項で、正解は4です。

ア:説明事項です。管理業務の内容と実施方法は、回数や頻度も含めてできる限り具体的に説明します(施行規則31条3号)。

イ:説明事項です。報酬の額と支払の時期・方法を説明します(同条4号)。

ウ:説明事項です。管理業務の一部を再委託する場合は、再委託する業務の内容と再委託予定者を説明します(同条6号)。

エ:説明事項です。契約の更新と解除に関する事項も説明します(同条11号)。

公式問題で問2を見る

重要事項説明へのITの活用

問3 電磁的方法による提供・出力可能性・事前送付・音声のみの説明

重要事項説明書は賃貸人の承諾を得て電磁的方法で提供できます。テレビ会議などのITを使う説明は、映像で書類を確認でき双方向でやり取りできることなどの要件を満たす場合に、対面と同じに扱われます。

正解 4

肢1:正しい。説明書に記載すべき事項を電磁的方法で提供するには、賃貸人の承諾が必要です(法13条2項)。

肢2:正しい。電磁的方法で提供する説明書は、出力して書面を作成でき、改変されていないか確認できるものでなければなりません。

肢3:正しい。ITを活用する場合も、説明書を事前に送付し、一定期間後に説明することが望ましいとされています。

肢4:誤り。ITを活用した説明は、図面などの書類と説明内容を十分に理解できる程度に映像が視認できることが前提で、賃貸人の承諾があるだけで音声のみの方法により行うことは認められていません。

令和8年度試験での注意 2023年3月の解釈・運用の考え方の改正で、契約内容の変更に伴う重要事項説明に限り、賃貸人から依頼があるなど一定の要件を満たせば電話による説明も認められるようになりました。賃貸人の承諾だけで音声のみの説明ができるわけではない点は変わらず、この問の正解も変わりません。

公式問題で問3を見る

管理受託契約の性質

問4 委任・準委任・請負の区別

管理受託契約は、法律行為の委託(委任)と事実行為の委託(準委任)の性質をあわせもち、清掃や修繕など仕事の完成を目的とする部分は請負の性質ももつとされます。雇用は想定されていません。

正解 3

肢1:不適切。管理受託契約は、委任と請負の性質をあわせもつことが想定されています。使用者の指揮命令に従う雇用の性質は想定されていません。

肢2:不適切。請負は、仕事の完成を目的とする契約です(民法632条)。法律行為をすることを目的とするのは委任です。

肢3:適切。建物設備の維持保全業務は、法律行為ではない事務の委託なので、準委任に当たります(民法656条)。

肢4:不適切。委任契約は当事者の合意だけで成立する諾成契約で、民法上、書面の作成は義務付けられていません。

公式問題で問4を見る

標準管理受託契約書

問5 管理業者に代理権が授与されている事項

賃貸住宅標準管理受託契約書は、家賃等の徴収、未収金の督促、入居者からの通知の受領、契約の更新、修繕費用の負担や原状回復についての協議などについて、管理業者に代理権を与えています。紛争性のある事件の代理は弁護士法に抵触するため含まれません。

正解 1

代理権が授与されている事項に含まれないのは1です。

肢1:含まれない。代理権の対象は未収金の「督促」までで、未収金の回収をめぐる紛争への対応は含まれません。弁護士でない者が報酬を得て紛争性のある法律事件を扱うことは、弁護士法72条で禁じられています。

肢2:含まれる。賃貸借契約の更新は、代理権が授与されている事項です。

肢3:含まれる。修繕の費用負担についての入居者との協議も、代理権が授与されています。

肢4:含まれる。原状回復についての入居者との協議も、代理権が授与されています。

公式問題で問5を見る

管理業法の賃貸住宅

問29 定義・建築中の家屋・未入居の住宅・事務所としての賃借

管理業法の賃貸住宅は、賃貸借契約によって借りることを目的とした、人が住むための家屋や家屋の一部です。入居者の募集前や建築中の家屋でも、居住の用に供することが明らかなら該当します。

正解 2

肢1:正しい。賃貸住宅は、賃貸借契約で賃借することを目的とした、人が居住するための家屋や家屋の一部をいいます(法2条1項)。

肢2:誤り。建築中の家屋でも、完成後に入居者を募集する予定で、人の居住に使われることが明らかなら賃貸住宅に該当します。

肢3:正しい。入居者の募集を始める前の住宅でも、将来の賃貸借契約が予定されていれば賃貸住宅に該当します。

肢4:正しい。マンションの一室でも、事務所としてのみ賃借されている場合は、賃貸住宅に該当しません。

公式問題で問29を見る

管理業法の管理業務

問30 維持保全・契約の媒介等・部分のみの維持保全・金銭の管理

管理業務は、委託を受けて賃貸住宅の維持保全(点検・清掃等の維持と必要な修繕を一貫して行うこと)を行う業務と、それと併せて行う家賃等の金銭の管理業務です。

正解 2

肢1:正しい。居室とその他の部分について点検・清掃その他の維持を行い、必要な修繕を行うことは、管理業務に含まれます(法2条2項1号)。

肢2:誤り。維持保全に係る契約の締結の媒介・取次ぎ・代理も管理業務に含まれますが、取次ぎは管理業者が自己の名で発注するものなので、賃貸人が契約の当事者となる場合に限られるわけではありません。

肢3:正しい。エレベーターの保守業者のように、賃貸住宅の一部分のみについて維持から修繕まで行う場合は、賃貸住宅の維持保全に当たらないとされています。

肢4:正しい。家賃・敷金・共益費などの金銭の管理は、維持保全と併せて行う場合に限り管理業務に当たります(同項2号)。

公式問題で問30を見る

賃貸住宅管理業者の業務

問31 証明書の携帯・分別管理・帳簿・再委託の禁止

管理業法は、管理業者に従業者証明書の携帯、家賃等の分別管理、帳簿の備付け、管理業務の全部の再委託の禁止などの業務規制を課しています。

正解 4

肢1:正しい。管理業者は、業務に従事する従業者に従業者証明書を携帯させる義務を負います(法17条1項)。

肢2:正しい。管理業務で受領する家賃・敷金・共益費などは、自己の固有財産や他の管理受託契約に基づく金銭と分別して管理しなければなりません(法16条)。

肢3:正しい。営業所又は事務所ごとに帳簿を備え付け、委託者ごとに契約年月日などを記載して保存しなければなりません(法18条)。

肢4:誤り。管理業務の全部を他の者に再委託することは禁止されています(法15条)。再委託先が管理業者であっても、全部を複数の者に分割して再委託することも同様に許されません。

公式問題で問31を見る

登録と業務

問32 死亡の届出・合併による消滅・業務管理者の欠格・標識の掲示

管理業者が死亡・合併・廃業などに当たったときは、届出義務者が30日以内に届け出ます。登録は、届出の有無にかかわらず、その事由に当たった時に効力を失います(法9条)。

正解 2

肢1:誤り。個人の管理業者が死亡したときの相続人の届出期限は、死亡の事実を知った日から30日以内です(法9条1項1号)。

肢2:正しい。法人が合併により消滅したときは、届出をしなくても、その時点で登録は効力を失います(法9条2項)。

肢3:誤り。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者は、業務管理者にもなれません(法12条4項)。

肢4:誤り。標識は営業所又は事務所ごとに公衆の見やすい場所に掲示しなければならず(法19条)、ホームページへの掲示で代えることは認められていません。

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サブリース規制の解答・解説(9問)

特定賃貸借標準契約書、特定転貸事業者の報告、締結時書面、重要事項説明の内容と方法、誇大広告等の禁止、勧誘者、国土交通大臣の監督を扱います。

特定賃貸借標準契約書

問33 借主が行う修繕・転貸借の契約態様・反社会的勢力・敷金の分別管理

特定賃貸借標準契約書は、転貸の条件(契約態様など)を貸主と借主(サブリース業者)が頭書で定め、転借人が反社会的勢力の活動拠点に使うなどした場合の無催告解除を転貸条件とすることを求めています。

正解 3

肢1:不適切。借主が実施するとした修繕を行う際は、その内容と方法についてあらかじめ貸主と協議します(11条9項)。

肢2:不適切。転貸借契約を普通賃貸借に限るか定期賃貸借に限るかは、転貸の条件として貸主と借主が頭書(8)で定めます。借主と転借人だけで自由に決めるものではありません。

肢3:適切。転借人が物件を反社会的勢力の事務所などに使った場合、借主は催告なしに転貸借契約を解除できるとすることが転貸条件とされています(9条2項5号)。

肢4:不適切。分別管理が求められるのは転借人から受け取った敷金で、頭書(9)に記載する方法で整然と管理し、自己の財産や他の貸主の財産と分別します(9条3項)。転借料とまとめて管理できるとはされていません。

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特定賃貸借標準契約書

問34 情報提供・修繕の通知・修繕費用の負担・転借人への周知

特定賃貸借標準契約書では、貸主が修繕を行うときは借主を通じて転借人に通知します。借主は、維持保全の内容と連絡先を書面又は電磁的方法で転借人に通知します。

正解 2

肢1:適切。貸主が維持保全に必要な情報を提供しなかったために借主に生じた損害は、貸主が負担します(10条5項・6項)。

肢2:不適切。貸主が修繕を行う場合は、あらかじめ借主を通じて転借人に通知します(11条4項)。貸主が自ら直接通知するとはされていません。

肢3:適切。頭書(7)で借主が費用を負担するとした修繕等は、借主や転借人の責めに帰すべき事由によらないものでも、貸主に請求できません(11条3項)。

肢4:適切。転貸借契約を締結したときは、維持保全の内容と借主の連絡先を書面又は電磁的方法で転借人に通知します(12条)。

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特定転貸事業者の報告

問35 定期報告の内容・随時の報告請求・修繕箇所の通知・緊急時の事後通知

特定賃貸借標準契約書では、借主は合意した期日に維持保全の実施状況を貸主に報告し、貸主は必要があれば随時報告を求めることができます。修繕が必要な箇所の発見や緊急対応は、速やかに貸主へ通知します。

正解 2

肢1:不適切。定期報告の対象は維持保全の実施状況で、転貸の条件の遵守状況を含みます(13条1項)。転借料の収納状況の報告や、書面の交付までは定められていません。

肢2:適切。貸主は、合意した期日以外でも、必要があると認めるときは維持保全の実施状況について報告を求めることができます(13条2項)。

肢3:不適切。修繕が必要な箇所を発見したときは、緊急でなくても速やかに貸主に通知し、修繕の必要性を協議します(11条5項)。

肢4:不適切。災害などで貸主の承認を受けずに緊急の業務を行ったときは、速やかに書面でその内容と費用を貸主に通知しなければなりません(11条7項)。

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特定賃貸借契約締結時書面

問36 交付の時期・更新時の家賃減額・電磁的提供・罰則

特定転貸事業者は、特定賃貸借契約を締結したときは遅滞なく締結時書面を交付しなければなりません(法31条)。契約の更新で家賃などの条件を変更する場合も、改めて交付が必要です。

正解 2

肢1:正しい。締結時書面は契約締結後に遅滞なく交付すればよく、契約書と同時に交付する必要はありません。契約書と兼ねることもできます。

肢2:誤り。更新時に家賃を減額するのは契約内容の変更に当たるので、締結時書面を交付しなければなりません。期間だけを延長する形式的な更新とは異なります。

肢3:正しい。締結時書面の事項を電磁的方法で提供するには、あらかじめ相手方の承諾を得なければなりません(法31条2項)。

肢4:正しい。締結時書面を交付しなかった場合は、50万円以下の罰金に処されることがあります(法43条)。

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特定賃貸借契約重要事項説明

問37 対象物件の面積・家賃の設定根拠・敷金・維持保全の回数

特定賃貸借契約重要事項説明では、対象となる賃貸住宅、家賃とその設定根拠、敷金、維持保全の実施方法(回数や頻度)などを説明します。いずれもサブリース契約の判断に欠かせない事項です。

正解 4

4つの記述はすべて正しく、正解は4です。

ア:正しい。対象となる賃貸住宅について、所在地や構造とともに面積も説明します。

イ:正しい。賃貸人に支払う家賃の額とあわせて、その設定根拠を説明します。

ウ:正しい。賃貸人に支払う敷金がある場合は、その額を説明します。

エ:正しい。特定転貸事業者が行う維持保全の内容は、回数や頻度を含めて具体的に説明します。

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特定賃貸借契約重要事項説明の方法

問38 事前送付・記載の省略・説明者・指定業者による修繕

特定賃貸借契約重要事項説明は、契約のたびに説明書を交付して行います。過去に同じ相手方と契約していても、記載を省略することはできません。

正解 2

肢1:適切。説明書を事前に送付し、一定期間後に説明してから契約書を取り交わすことは、相手方の判断の時間を確保する方法として望ましいとされています。

肢2:不適切。別の物件で同じ相手方と契約していても、説明書の記載事項は省略できません。契約ごとに全ての事項を記載して説明します。

肢3:適切。説明者に資格の要件はなく、賃貸不動産経営管理士でない従業者が説明しても違反ではありません。一定の実務経験者など専門知識のある者が行うことが望ましいとされています。

肢4:適切。修繕を特定転貸事業者が指定する業者に施工させる条件を設けること自体は禁止されておらず、その旨を説明すれば足ります。

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誇大広告等の禁止

問39 家賃・修繕費・解約・家賃保証の表示

特定転貸事業者は、家賃の支払、維持保全の費用負担、契約の解除などについて、著しく事実に相違する表示や、実際より著しく優良・有利と誤認させる表示をしてはなりません(法28条)。サブリースガイドラインは典型例を示しています。

正解 4

4つの記述はすべて禁止される行為に当たり、正解は4です。

ア:当たる。周辺相場を調査していないのに「周辺相場より高い家賃で借り上げ」と表示することは、根拠のない有利な表示です。

イ:当たる。家賃から大規模修繕の積立金を差し引くのに「修繕費負担なし」と表示することは、費用負担について誤認させる表示です。

ウ:当たる。解除に月額家賃の数か月分の支払が必要なのに、その旨を書かずに「いつでも解除できる」と表示することは、解除の条件を誤認させます。

エ:当たる。借地借家法による賃料減額請求の可能性を表示せずに「10年家賃保証」とだけ表示することは、家賃が減額されないと誤認させます。

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勧誘者

問40 勧誘者の範囲・再委託先・グループ会社・誇大広告の禁止

勧誘者は、特定転貸事業者と特定の関係にあり、特定賃貸借契約の締結を勧誘する者です。委託料の有無や契約の形式は問われず、勧誘者にも不当な勧誘と誇大広告の禁止が適用されます。

正解 1

正しいのはアとイで、正解は1です。

ア:正しい。勧誘者は、委託料を受け取って勧誘を委託された者に限られず、特定の特定転貸事業者と特定の関係性をもつ者が広く含まれます。

イ:正しい。勧誘者から勧誘行為の再委託を受けた第三者も、勧誘者に該当します。

ウ:誤り。特定転貸事業者である親会社との契約を勧める子会社も、勧誘者に当たります。

エ:誤り。誇大広告等の禁止(法28条)は、特定転貸事業者だけでなく勧誘者にも適用されます。

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国土交通大臣の監督

問41 業務停止命令・勧誘者の違反と事業者の処分・指示・公表

国土交通大臣は、特定転貸事業者や勧誘者が規制に違反した場合に指示をすることができ、指示に従わないときなどは1年以内の業務停止を命じることができます。業務停止を命じたときは公表します。

正解 1

肢1:誤り。特定転貸事業者が指示に従わないときは、1年以内の期間を定めて、特定賃貸借契約に関する業務の全部又は一部の停止を命じることができます(法34条1項)。

肢2:正しい。勧誘者が不当な勧誘等の禁止に違反した場合も、特定転貸事業者が指示や業務停止の処分を受けることがあります(法33条、34条)。

肢3:正しい。誇大広告等の禁止に違反した特定転貸事業者には、違反を是正する措置をとるよう指示できます(法33条1項)。

肢4:正しい。業務停止を命じたときは、その旨を公表しなければなりません(法34条3項)。

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管理受託実務の解答・解説(7問)

管理実務、自然災害への備え、管理業者に求められる役割、賃貸不動産経営管理士の業務と新たな政策課題、管理業務に関わる法令を扱います。

賃貸住宅の管理実務

問6 鍵交換の時期・空室の管理・清掃計画の周知・共用部分の私物

日常の管理実務では、防犯、建物の保全、入居者への周知、自力救済の禁止といった観点から、適切な対応を選びます。

正解 3

肢1:不適切。鍵の交換は、前の借主の退去後ではなく、新しい借主が決まった後、入居までの間に行うのが望ましいとされます。早く交換すると、内見などで新しい鍵が使われるおそれがあります。

肢2:不適切。空室も、換気や通水、異常の有無の確認のため、定期的に室内に立ち入って点検することが望ましいとされます。

肢3:適切。年間の清掃計画や定期点検計画を借主に事前に知らせることは、管理業者の重要な役割です。

肢4:不適切。私物を管理業者が独断で移動・撤去すると、自力救済として違法になるおそれがあります。まず所有者を確認し、撤去を求めます。

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自然災害への備え

問7 ハザードマップ・ブロック塀の改修・不可抗力による損傷の修繕

賃貸住宅の災害対策では、借主への情報提供や改修の助成制度の活用に加え、不可抗力による損傷でも貸主が修繕義務を負うことを押さえます。

正解 4

肢1:適切。契約締結時に、ハザードマップに記載された避難所の位置などを借主に示すことが望ましいとされています。

肢2:適切。ブロック塀の耐震診断や除去・改修には、地方公共団体の助成制度の活用を検討することが望ましいとされます。

肢3:適切。震災など不可抗力による損傷の修繕費用は、借主が負担するものではありません。

肢4:不適切。貸主の修繕義務は、借主の責めに帰すべき事由による場合を除いて生じます(民法606条1項)。不可抗力による損傷でも、貸主は修繕を拒めません。

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賃貸住宅管理業者の役割

問42 管理業務の対象・代理の範囲・資産運営・求められる役割

賃貸住宅管理業者は、居室だけでなく共用部分も含めた建物全体を管理し、貸主の資産運営を総合的に支える専門家としての役割が期待されています。

正解 4

肢1:不適切。建物の維持管理や清掃などの維持保全業務は、居室部分だけでなく共用部分も対象です。

肢2:不適切。管理受託方式でも、建物の維持管理のような事実行為は代理ではなく準委任として行います。借主の募集も、媒介として行うことがあります。

肢3:不適切。賃貸住宅管理業者には、貸主に代わって賃貸住宅経営を総合的に担う、資産運営の専門家としての役割も求められます。

肢4:適切。借主の確保と快適な環境の整備、透明性の高い説明と報告、新たな手法の提案、能動的・体系的な管理、非常時の借主のサポートは、いずれも求められる役割です。

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賃貸不動産経営管理士の業務

問43 業務管理者としての役割・管理監督と実施・サブリースの説明・政策課題

業務管理者は、重要事項説明や金銭の管理、帳簿、定期報告などの事項について、管理及び監督に関する事務を行います。すべてを自ら実施するとされているわけではありません。

正解 1

肢1:不適切。業務管理者の役割は、重要事項説明書の交付や金銭の管理、帳簿の備付けなどの事項について、管理及び監督に関する事務を行うことです(法12条1項)。すべてを自ら実施するわけではありません。

肢2:適切。業務管理者としての事務に加え、賃貸借関係の適正化のために管理業者が行う業務について、管理・監督する役割や自ら実施する役割を担います。

肢3:適切。宅建業者が関与しないサブリースの転貸借では、宅建業法に準じて転借人に重要事項説明や書面の交付を行うことが期待されています。

肢4:適切。新しい政策課題への対応や賃貸不動産の新たな活用方法の普及に協力し、国民生活の安定向上に貢献することが求められます。

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賃貸住宅をめぐる制度

問46 住生活基本計画・家賃債務保証業者登録簿・建物の床面積・工作物責任

住生活基本計画、家賃債務保証業者の登録制度、不動産登記の床面積の算定方法、土地工作物責任の主体をまとめて確かめる問題です。

正解 4

肢1:正しい。2021年3月19日に閣議決定された住生活基本計画は、子育て世帯などが安心して居住できる賃貸住宅市場の整備を掲げています。

肢2:正しい。家賃債務保証業者登録規程により、国土交通大臣は登録簿を一般の閲覧に供します。

肢3:正しい。不動産登記の建物の床面積は、区分建物を除き、各階の壁などの中心線で囲まれた部分の水平投影面積で計算します(不動産登記規則115条)。

肢4:誤り。管理を受託した管理業者も、建物の安全を事実上支配している場合は、占有者として土地工作物責任を負うことがあります。

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管理業務に関わる法令

問47 障害者差別解消の対応指針・原状回復特約・セーフティネット住宅・消費者契約法

管理業務には、障害者差別解消法、消費者契約法、住宅セーフティネット法など多くの法令が関わります。国土交通省の対応指針は、宅建業者向けの記載でも賃貸住宅管理業者の業務の参考になります。

正解 1

肢1:不適切。国土交通省の対応指針は宅建業者を対象とした記載ですが、賃貸住宅の入居や管理の場面にも関わる内容で、賃貸住宅管理業者の業務でも参考になります。

肢2:適切。原状回復の負担の特約は、借主に不利で正当化する理由がない場合、無効とされることがあります。

肢3:適切。要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅(セーフティネット住宅)として登録を受けるには、省令の登録基準への適合が必要です。

肢4:適切。日照を妨げる高層建物の建設を知りながら「陽当たり良好」と説明して契約させた場合は、不利益事実の不告知として、消費者契約法により取り消される場合があります(同法4条2項)。

令和8年度試験での注意 2024年4月の障害者差別解消法の改正施行で、事業者による合理的配慮の提供が義務となり、国土交通省の対応指針も改定されています。賃貸住宅管理業者の業務でも参考にすべき点は変わらず、この問の正解も変わりません。

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新たな政策課題と管理士の役割

問48 主体的な関与・住宅宿泊事業・空き家・住宅確保要配慮者

賃貸不動産経営管理士には、空き家の活用、住宅宿泊事業、住宅確保要配慮者への対応など、新しい政策課題に主体的に取り組む役割が期待されています。

正解 1

肢1:不適切。管理士は、所属する管理業者の積極的な指示がある場合に限らず、主体的に制度設計や業務の管理・実施を担い、課題の解決に関与することが期待されています。

肢2:適切。賃貸借や管理に関する専門性は住宅宿泊事業と親和性があり、その専門家としての役割を担う資質があります。

肢3:適切。空き家所有者への助言や提言を通じて、空き家問題の解決に役割を果たすことが期待されています。

肢4:適切。住宅扶助費の代理納付や残置物の処理に関する契約上の扱いを説明し、要配慮者が安心して暮らせる住宅の提供に役割を果たすことが期待されています。

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建物・設備管理の解答・解説(9問)

防犯指針、居室の規定、耐震改修、修繕履歴情報、維持保全と定期報告、屋上と外壁、長期修繕計画、給水・給湯設備、換気設備を扱います。

防犯に配慮した共同住宅の設計指針

問11 防犯カメラ・玄関扉の錠・接地階の窓・共用玄関の照度

国土交通省の「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」は、新築の共同住宅について、共用部分の見通しや照明、住戸の玄関扉や窓の侵入防止措置などを定めています。

正解 2

肢1:適切。指針は、エレベーターのかごの中に防犯カメラを設けるものとしています。

肢2:不適切。住戸の玄関扉には、破壊やピッキングが困難な構造の錠を設置するものとされています。

肢3:適切。接地階の住戸の窓でバルコニーなどに面しないものは、面格子の設置など侵入防止に有効な措置を行うものとされています。

肢4:適切。共用玄関の照明設備は、内側の床面でおおむね50ルクス以上の照度を確保するものとされています。

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居室に関する建築基準法の規定

問12 居室の定義・換気・ふすまで仕切られた居室・直通階段

建築基準法は、居室を継続的に使用する室と定義し、換気や採光のための開口部、避難のための直通階段などの基準を定めています。

正解 3

肢1:正しい。居室とは、居住や作業などの目的で継続的に使用する室で、居間や寝室が該当し、便所や浴室は含まれません(建築基準法2条4号)。

肢2:正しい。居室には、原則として床面積の1/20以上の、換気に有効な開口部を設けます(同法28条2項)。

肢3:誤り。ふすまや障子など随時開放できるもので仕切られた2室は、換気や採光の規定の適用上1室とみなされます(同法28条4項)。

肢4:正しい。共同住宅で、その階の居室の床面積の合計が100㎡(主要構造部が耐火構造等の場合は200㎡)を超えるときは、2以上の直通階段が必要です(建築基準法施行令121条)。

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耐震改修

問13 木造の金物補強・壁の補強・制震装置・鉄筋コンクリート造の補強

耐震改修には、建物を強くする補強(金物、壁、筋かい)と、揺れのエネルギーを吸収する制震(ダンパー)の方法があります。

正解 3

肢1:適切。基礎と土台、柱と梁を金物で緊結すると、地震時の接合部の抜けを防げます。

肢2:適切。壁や開口部を構造用合板や筋かいで補強すると、耐力壁が増えます。

肢3:不適切。制震装置(ダンパー)は地震のエネルギーを吸収して揺れを小さくするもので、木造でも効果があります。

肢4:適切。鉄筋コンクリート造では、耐震壁や鉄骨ブレース(筋かい)の増設が代表的な補強方法です。

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修繕履歴情報

問14 履歴情報の効用と帰属

建物の新築時の情報や点検・修繕の履歴を蓄積して活用すると、計画的な維持保全や災害時の対応、入居者への情報提供に役立ちます。

正解 1

肢1:不適切。履歴情報を利用すれば、重複した点検や不要な工事を避けるなど、維持保全の費用の無駄を省くことができます。

肢2:適切。契約の判断材料となる履歴情報を事前に提供すれば、入居後のトラブル防止につながります。

肢3:適切。正確な履歴情報があれば、災害が起きたときの復旧に迅速かつ適切に対応できます。

肢4:適切。履歴情報は所有者に帰属しますが、管理を受託した者が必要に応じて利用することが考えられます。

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建物の維持保全と定期報告

問15 維持保全の努力義務・定期調査の対象

建築基準法8条は、所有者・管理者・占有者に建物を常時適法な状態に維持する努力義務を課しています。12条の定期調査・検査は、建物の敷地・構造・建築設備や昇降機などが対象です。

正解 1

肢1:正しい。建築基準法8条の維持保全の努力義務は、所有者だけでなく管理者や占有者にも課されています。

肢2:誤り。共同住宅も、規模などの要件を満たして政令や特定行政庁が指定するものは、12条の定期調査・報告の対象になります。

肢3:誤り。定期調査の対象には、建物の構造だけでなく敷地も含まれます。

肢4:誤り。昇降機は、12条3項の定期検査の対象です。

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屋上と外壁の管理

問16 陸屋根の排水・傾斜屋根の劣化・コンクリート外壁の爆裂・タイルの全面打診

屋上や外壁は雨水の浸入を防ぐ重要な部分です。排水口の清掃、屋根材の劣化、鉄筋の錆による爆裂、タイルの剥離など、劣化の現れ方と点検の方法を押さえます。

正解 1

肢1:正しい。陸屋根では、土砂や落ち葉で排水口がふさがると雨水がたまり、防水性能が低下して漏水の原因になります。

肢2:誤り。傾斜屋根の屋根材の変形やゆがみは、雨漏りの原因になります。

肢3:誤り。コンクリート打ち放しの外壁も、鉄筋の錆による膨張でコンクリートが押し出される爆裂の点検が必要です。

肢4:誤り。定期調査で全面打診等が求められるのは、乾式工法によるものを除くタイル張りなどの外壁で、接着剤張り工法も対象から除かれていません。

令和8年度試験での注意 2022年4月から、全面打診等の方法として無人航空機による赤外線調査が明確化され、有機系接着剤張り工法のタイルでは引張接着試験も使えるようになりました。接着剤張り工法が調査の対象から外れたわけではなく、この問の正解は変わりません。

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長期修繕計画

問17 修繕費の見込み・計画の見直し・資金の積立て

長期修繕計画は、将来必要な修繕の時期と費用を見通し、賃貸経営の収支に組み込むためのものです。数年ごとに見直し、計画的に資金を積み立てます。

正解 1

肢1:不適切。修繕費用は不確定な部分があっても、長期修繕計画で試算して賃貸経営の収支に見込んでおくことが大切です。

肢2:適切。建物の劣化の状況に合わせて、数年に一度は計画を見直し、実施時期を確定させます。

肢3:適切。修繕費と支払時期が明確になるので、将来に備えた計画的な積立てが必要になります。

肢4:適切。計画修繕で住環境の性能を維持すれば、入居率や家賃水準を確保でき、安定した賃貸経営につながります。

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給水・給湯設備

問18 直結増圧方式・さや管ヘッダー方式・受水槽・給湯器の号数

給水方式の特徴、配管方式、受水槽の構造基準、給湯器の能力表示を確かめる問題です。受水槽は六面点検ができるよう、建物の躯体と兼用しないことが求められます。

正解 3

肢1:適切。直結増圧方式は、水道本管から引き込んだ水を増圧ポンプで各住戸に直接給水する方式です。

肢2:適切。さや管ヘッダー方式は、ヘッダーから各器具へ個別に配管するため、同時に複数箇所で使っても水量や水圧が変動しにくい方式です。

肢3:不適切。受水槽の天井・底・周壁は、外部から点検(六面点検)できるよう、建物の躯体と兼用してはなりません。

肢4:適切。給湯器の号数は、水温を25℃上げたお湯を1分間に何リットル出せるかを表します。

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換気設備

問19 自然換気・第1種換気・第2種換気・24時間換気

機械換気は、給気と排気のどちらに機械を使うかで3種類に分かれます。給気のみ機械(第2種換気)は室内が正圧になり、排気のみ機械(第3種換気)は負圧になります。

正解 3

肢1:正しい。自然換気は、室内外の温度差による対流や風圧を利用する方式です。

肢2:正しい。給気・排気ともに機械で行う第1種換気は、機械室や電気室などに採用されます。

肢3:誤り。給気のみを機械で行う第2種換気では、室内は負圧ではなく正圧になります。正圧のため、他の部屋から汚染空気が入り込みにくくなります。

肢4:正しい。シックハウス対策として、新築建物には原則として24時間換気できる機械換気設備の設置が義務付けられています。

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原状回復・退去の解答・解説(2問)

原状回復ガイドラインの借主負担の考え方と、クロス・フローリング・畳・鍵の負担単位を扱います。

原状回復ガイドライン

問9 清掃の懈怠・経過年数・通常損耗の特約・落書き

原状回復ガイドラインは、借主の故意・過失や善管注意義務違反による損耗は借主負担、経年変化と通常損耗は貸主負担としています。借主負担の場合も、経過年数を考慮して負担割合を決めます。

正解 4

肢1:不適切。借主が通常の清掃を怠ったために必要となったクリーニング費用は、善管注意義務違反によるものとして借主の負担です。

肢2:不適切。借主の過失で毀損した場合でも、クロスの交換費用は経過年数を考慮して借主の負担割合を決めます。契約書に定めがなくても同じです。

肢3:不適切。通常損耗を借主負担とする特約は、借主が負担する範囲が契約書に具体的に明記されるなど、明確に合意されている必要があります(最判平成17年12月16日)。「全て借主負担」の定めだけでは足りません。

肢4:適切。落書きは借主の故意・過失による汚損なので、契約書に定めがなくても、その修復費用は借主が負担します。

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原状回復ガイドライン

問10 クロス・フローリング・畳・鍵の負担単位

ガイドラインは、補修工事の最低限度の施工単位を基本として借主の負担範囲を決めます。クロスは毀損箇所を含む一面まで、フローリングは原則㎡単位、畳は原則1枚単位とされています。

正解 2

肢1:不適切。クロスは㎡単位が望ましいものの、毀損箇所を含む一面分までの張替え費用を借主負担とすることはやむを得ないとされます。居室全体の張替えまで負担させることはできません。

肢2:適切。フローリングは原則㎡単位で、毀損が複数箇所にわたる場合に居室全体が対象となります。一箇所だけなら居室全体の張替え費用は負担させられません。

肢3:不適切。畳は原則1枚単位で、毀損が複数枚にわたる場合はその枚数分です。色合わせを理由に居室全体の交換費用を負担させることはできません。

肢4:不適切。鍵を紛失した場合は、シリンダーの交換費用を借主が負担し、経過年数は考慮しません。

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不動産・税・保険の解答・解説(3問)

不動産の税金、保険、企画提案のための物件調査と公的な土地価格を扱います。

不動産の税金

問45 確定申告・減価償却の方法・取得時の費用・収入の計上時期

不動産所得は、給与所得者でも確定申告で計算・納付します。個人の減価償却は定額法が原則で、建物は定額法に限られます。収入は、実際の受領額ではなく、収入すべき権利が確定した金額で計上します。

正解 1

肢1:正しい。給与所得者でも、不動産所得がある場合は、原則として確定申告で所得税を計算・納付します。

肢2:誤り。個人の減価償却は定額法が原則で、届出をすれば定率法を選べる資産があります。建物は定額法に限られます。

肢3:誤り。不動産取得税・登録免許税・登記費用・印紙税は必要経費にできます。建物の新築披露のための費用も、取得価額に含めずに必要経費とすることができます。

肢4:誤り。不動産所得の収入金額は、その年に収入すべき権利が確定した金額で計上するので、未収の賃料も含めます。

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保険

問49 保険の考え方・保険の分類・地震保険・借家人賠償責任保険

保険業法では、生命保険を第一分野、損害保険を第二分野、医療保険や傷害保険などを第三分野に分類します。賃貸経営で使う火災保険などの損害保険は第二分野です。

正解 2

肢1:適切。保険は、将来起こるかもしれない危険に備える相互扶助の精神から生まれた制度です。

肢2:不適切。賃貸不動産経営で最も活用される損害保険は、第二分野に分類されます。第一分野は生命保険です。

肢3:適切。地震保険は、地震・噴火・津波による損害を補償する保険で、火災保険に付帯して加入し、単独では加入できません。

肢4:適切。借家人賠償責任保険は、火災や水ぬれなどの事故で貸主に対して法律上の損害賠償責任を負った場合の賠償金などを補償します。

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企画提案のための調査

問50 地番と住居表示・事業計画・公的な土地価格の水準

公的な土地の価格には、公示価格(地価公示)、路線価(相続税評価)、固定資産税評価額などがあり、路線価は公示価格のおおむね8割、固定資産税評価額はおおむね7割の水準とされています。

正解 3

肢1:適切。物件の所在を特定する手段には、不動産登記法の地番と、住居表示に関する法律の住居表示があります。

肢2:適切。事業計画では、建物の種類・規模・用途、資金の調達方法、事業収支計画の3点が重要です。

肢3:不適切。固定資産税評価額は、公示価格のおおむね7割の水準とされています。

肢4:適切。路線価(相続税路線価)は、公示価格のおおむね8割の水準とされています。

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募集・媒介の解答・解説(1問)

宅地建物取引業のおとり広告を扱います。

おとり広告

問44 成約済み物件・取引する意思のない物件・虚偽広告との区別・違反する法令

おとり広告は、実際には取引できない物件や取引する意思のない物件を広告することで、宅建業法32条(誇大広告等の禁止)と不動産の表示に関する公正競争規約の両方に違反します。存在しない物件の広告は、虚偽広告として区別されます。

正解 1

肢1:適切。成約済みの物件を速やかに削除せずに広告し続けることは、おとり広告に該当します。

肢2:不適切。実在する物件でも、実際には取引する意思がない物件の広告はおとり広告に該当します。

肢3:不適切。他の物件情報を改ざんして存在しない物件を広告することは、虚偽広告に当たります。宅建業法の運用では、おとり広告とは区別されています。

肢4:不適切。おとり広告は、公正競争規約だけでなく、宅建業法32条にも違反します。

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出典と照合

出典は賃貸不動産経営管理士協議会「令和3年度賃貸不動産経営管理士試験問題・正解番号表」です。問題本文は転載していません。各問の「公式問題で問◯を見る」から公式PDFの該当ページを開けます。正解は公式正解番号表と照合しています。

解説は資格Hubが法令と国土交通省の公表資料で確かめて作成したもので、試験実施団体とは関係ありません。

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