2022年11月20日実施・全50問・公式正解照合
令和4年度 賃貸不動産経営管理士試験 解答・解説
令和4年度賃貸不動産経営管理士試験(第10回)の全50問について、公式正解と各記述の正誤理由をこのページに載せています。解説は試験の基準である2022年4月1日現在の法令で書き、管理業法とサブリースの運用は国土交通省の「解釈・運用の考え方」と「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」で確かめました。問題本文は転載していないため、公式PDFを開いて問番号を合わせて読んでください。
令和4年度は受験者31,687人、合格者8,774人で、合格率は27.7%でした(賃貸不動産経営管理士協議会「受験申込者数および受験者に関するデータ」)。問46〜50の5問は、講習修了者には免除される問題です。問32は正しい組合せ(イとウ)が選択肢になかったため、全ての解答が正解として扱われました。
令和7年度(2025年)全50問の解答・解説 →
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賃貸借契約・民法の解答・解説(8問)
請負人の担保責任、賃料の時効と弁済の充当、借主の義務と一部滅失、定期建物賃貸借、抵当権と賃借権、終身建物賃貸借、連帯保証の極度額、使用貸借との比較を扱います。
請負人の担保責任
問5 報酬減額と損害賠償・通知期間・修補請求・報酬と引渡し
管理業務として行う大規模修繕は請負契約の性質を持ち、売買の契約不適合責任の規定が準用されます(民法559条)。報酬の減額を求めても、損害賠償の請求はできなくなりません(564条)。
正解 1
肢1:誤り。報酬の減額請求をしても、債務不履行による損害賠償の請求は妨げられません(559条・564条)。
肢2:正しい。注文者が不適合を知った時から1年以内に請負人に通知しないと、担保責任を追及できなくなります(637条1項)。
肢3:正しい。引き渡された建物が契約の内容に適合しないときは、注文者は修補などの履行の追完を請求できます(559条・562条1項)。
肢4:正しい。目的物の引渡しを要する請負では、報酬は引渡しと同時に支払うのが原則です(633条)。
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賃料
問20 賃料債権の消滅時効・敷地の使用対価・相続後の賃料・弁済の充当
2020年4月施行の改正民法で、債権の消滅時効は、権利を行使できることを知った時から5年が基本になりました(166条1項1号)。
正解 1
肢1:適切。貸主は通常、賃料の支払期限を知っているので、賃料債権は支払期限から5年で時効にかかります(166条1項1号)。
肢2:不適切。建物の賃料には、建物を使うために必要な敷地の使用の対価も含まれます。敷地の対価を当然に別途請求することはできません。
肢3:不適切。遺産分割までに相続財産の賃貸住宅から生じた賃料債権は、遺産とは別個の財産で、各相続人が相続分に応じて確定的に取得します(最判平成17年9月8日)。
肢4:不適切。充当の合意がないときは、まず弁済をする借主が充当する債務を指定できます(488条1項)。貸主の指定に借主が当然に従うのではありません。
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借主の義務
問23 一部倒壊と契約の終了・一部滅失と賃料・差押え後の支払・時効の援用
2020年4月施行の改正民法で、賃借物の一部が使えなくなったときの賃料は、使えない部分の割合に応じて当然に減額されることになりました(611条1項)。
正解 4
肢1:不適切。一部の滅失で契約の目的を達することができなくなったときは、借主が契約を解除できます(611条2項)。全部滅失の場合と違い、当然に終了するわけではありません。
肢2:不適切。一部の滅失で使用収益できなくなった部分の割合に応じて、賃料は当然に減額されます(611条1項)。減額請求は必要ありません。
肢3:不適切。賃料債権が差し押さえられた後に借主が貸主に支払っても、差押債権者には対抗できず、取立てを受けることがあります(481条1項)。
肢4:適切。時効期間が経過しても、当事者が時効を援用しなければ、裁判所は時効によって裁判をすることができません(145条)。
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定期建物賃貸借
問24 貸主の死亡で終了する特約・50年超の期間・減額請求の排除・更新否定の明示
定期建物賃貸借は「期間の定め」がある賃貸借で、更新がない旨を期間の定めとは別にはっきり示す必要があります(借地借家法38条)。
正解 3
誤っているものはアとエの2つで、正解は3です。
ア:誤り。貸主の死亡で終了するという特約は、終了時期が確定しない不確定期限で、借主に不利なので無効です(借地借家法30条)。
イ:正しい。定期建物賃貸借は期間50年を超えても有効です(29条2項により民法604条は適用されません)。
ウ:正しい。定期建物賃貸借で借賃の改定に係る特約を定めた場合は、借賃増減請求権(32条)は適用されません。減額請求権を排除できます。
エ:誤り。契約期間を定めただけでは足りず、更新がなく期間満了で終了する旨を契約書に明記しなければなりません(38条1項)。
令和8年度試験での注意 2022年5月18日施行の改正で38条に電磁的記録の規定が加わり、借賃改定特約の規定は現在38条9項にあります。正誤は変わりません。
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抵当権と賃借権
問25 賃借権の対抗要件・相続と対抗力・抵当権設定後の賃借人・買受人の敷金返還義務
抵当権の設定登記より前に対抗要件を備えた賃借権は、抵当権者や競売の買受人に対抗できます。登記の後に入居した賃借人は対抗できず、明渡猶予を受けるだけです(民法395条)。
正解 3
誤っているものはア・イ・ウの3つで、正解は3です。
ア:誤り。建物賃借権は、登記がなくても建物の引渡しを受けていれば第三者に対抗できます(借地借家法31条)。
イ:誤り。Bの賃借権は抵当権の設定登記前に対抗要件を備えており、相続人はその地位をそのまま承継します。相続の時期にかかわらず、Xの同意なしに対抗できます。
ウ:誤り。Cは抵当権の設定登記後の賃借人なので、抵当権者であるXや差押えに対抗できません。
エ:正しい。抵当権設定登記後の賃借人Dは、競売手続開始前から使用収益していれば買受けから6か月の明渡猶予を受けますが(395条)、買受人Eが敷金返還義務を引き継ぐことはありません。
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終身建物賃貸借
問26 死亡時終了の排除・書面による契約・バリアフリー基準・賃料改定特約
終身建物賃貸借は、借主が死亡するまで続き、死亡によって終了することが制度の中身です。これを特約で排除すれば、終身建物賃貸借ではなくなります。
正解 1
肢1:誤り。借主の死亡に至るまで存続し、死亡したときに終了するという性質は終身建物賃貸借の要件で、特約で排除することはできません。
肢2:正しい。終身建物賃貸借は、公正証書による等書面によって契約しなければなりません。
肢3:正しい。対象となる賃貸住宅は、段差のない床や手すりなど、高齢者住まい法が定める加齢対応構造等(バリアフリー)の基準を満たす必要があります。
肢4:正しい。借賃の改定に係る特約がある場合は借地借家法32条が適用されないので、賃料の増額請求権も減額請求権も排除できます。
令和8年度試験での注意 現行の高齢者住まい法でも、書面(電磁的記録を含む)による契約(54条)、加齢対応構造等の基準(57条)、借賃改定特約による借地借家法32条の不適用(64条)が定められています。正誤は変わりません。
公式問題で問26を見る
賃貸借の連帯保証
問27 更新後の保証・極度額の書面・保証人への情報提供・主たる債務者の死亡
個人が賃貸借の債務を保証する契約は個人根保証契約で、極度額を書面で定めなければ効力を生じません(民法465条の2)。2020年4月以降に締結された契約が対象です。
正解 3
正しいのはウとエで、正解は3です。
ア:誤り。賃貸借が法定更新されても保証契約が更新されるわけではありません。保証人は、特段の事情がない限り、更新後の賃貸借から生じる債務についても保証の責任を負うとされています(判例)。
イ:誤り。個人根保証契約は、極度額を書面(又は電磁的記録)で定めなければ効力を生じません(465条の2第2項・3項)。口頭で合意しただけでは無効です。
ウ:正しい。委託を受けた保証人から請求があれば、債権者は主たる債務の不履行の有無や残額などの情報を提供しなければなりません(458条の2)。個人情報保護を理由に拒めません。
エ:正しい。主たる債務者が死亡すると、個人根保証契約の元本は確定します(465条の4第1項3号)。
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賃貸借と使用貸借
問28 法定更新・契約の成立・期間の上限・必要費の負担
2020年4月施行の改正民法で、使用貸借は合意だけで成立する諾成契約になりました(593条)。賃貸借も、もともと引渡しを要しない諾成契約です。
正解 2
正しいものはアとエの2つで、正解は2です。
ア:正しい。法定更新は借地借家法による建物賃貸借の制度で、使用貸借には適用されません。
イ:誤り。賃貸借は合意で成立し(601条)、建物の引渡しは成立要件ではありません。使用貸借も合意で成立します(593条)。
ウ:誤り。使用貸借には存続期間の上限がないので、期間10年の使用貸借も有効です。
エ:正しい。賃貸借では必要費は貸主が負担し、借主が支出すれば直ちに償還を請求できます(608条1項)。使用貸借では借主が通常の必要費を負担します(595条1項)。
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賃貸住宅管理業法の解答・解説(12問)
管理受託契約重要事項説明と電磁的提供、標準管理受託契約書、契約締結時書面、管理業務報告、秘密保持、家賃等の分別管理、制定の背景、業務管理者、登録の経過措置、管理業の範囲、登録を扱います。
管理受託契約重要事項説明
問1 業務の回数・報酬外の費用・再委託・入居者への周知
管理受託契約重要事項説明の項目は、施行規則31条に11項目並んでいます。4つの記述は、いずれもその項目と国土交通省の解釈・運用の考え方に沿った内容です。
正解 4
ア〜エはすべて適切で、正解は4です。
ア:適切。管理業務の内容と実施方法は、回数や頻度を明示してできる限り具体的に記載し、説明します(施行規則31条3号、解釈・運用の考え方 第13条関係)。
イ:適切。報酬に含まれない管理業務の費用で業者が通常必要とするもの(水道光熱費や空室管理費など)は説明事項です(同条5号)。
ウ:適切。管理業務の一部を再委託する場合は、再委託する業務の内容と再委託予定者を事前に明らかにします(同条6号)。
エ:適切。管理業務の内容・実施方法を入居者にどう周知するかも説明事項です(同条10号)。
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重要事項説明書の電磁的提供
問2 賃貸人の承諾・提供方法の指定・出力と改変確認・申出後の再承諾
電磁的方法で提供するには、用いる方法やファイルの形式を賃貸人に示したうえで承諾を得ます。業者が一方的に方法を決められるわけではありません。
正解 2
肢1:適切。書面の交付に代えて電磁的方法で提供できるのは、賃貸人の承諾を得た場合です(法13条2項)。
肢2:不適切。電子メール、ダウンロード、CD-ROMなどの方法や、ソフトウェアの形式・バージョンを示したうえで、相手方が承諾したことが記録に残る方法で承諾を得るとされています(解釈・運用の考え方 第13条関係)。業者の裁量で決めてよいものではありません。
肢3:適切。提供した内容は、相手方が出力して書面を作成でき、改変されていないかを確認できるものでなければなりません。
肢4:適切。いったん電磁的方法での提供を断る申出があっても、その後に改めて承諾を得れば、電磁的方法で提供できます(施行規則の承諾・申出の規定)。
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標準管理受託契約書
問3 鍵の管理・敷金等の引渡し・住戸への立入り・入居者への通知
標準管理受託契約書では、鍵の管理(保管・設置、交換、費用負担)は賃貸人(甲)の担当で、管理業者(乙)は入居者への引渡しなどの際に一時的に預かるだけです(12条)。
正解 1
肢1:不適切。鍵の管理(保管・設置、交換及び費用負担)に関する事項は賃貸人が行うとされています(標準管理受託契約書12条1項)。管理業者は、入居者への引渡しや明渡し業務に伴って一時的に鍵を預かるだけです。
肢2:適切。管理業者が入居者から代理受領した敷金等は、賃貸人に引き渡すものとされています。
肢3:適切。管理業者が住戸に立ち入るときは、あらかじめ入居者に通知して承諾を得なければなりません。防災など緊急を要するときは例外です(17条)。
肢4:適切。管理受託契約を締結したときは入居者に管理業者の連絡先等を通知し、契約が終了したときも管理業務の終了を通知するものとされています。
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契約締結時書面
問4 期間のみの延長・重要事項説明書との一体化・標準契約書の加除・電磁的提供
契約締結時書面(法14条)は、契約の同一性を保ったまま期間だけを延ばす更新なら、改めて交付する必要はないとされています。
正解 1
肢1:正しい。契約の同一性を保ったままで契約期間のみを延長するような形式的な変更の場合は、契約締結時書面の交付を行わなくて差し支えないとされています(解釈・運用の考え方 第14条関係)。
肢2:誤り。重要事項説明書は契約締結前に交付するもので、契約締結時書面とは交付の時期も目的も異なります。両者を一体の書面とすることはできません。
肢3:誤り。標準管理受託契約書は契約書のひな形で、使用は義務ではありません。個別の事情に応じて加除・修正して使えます。
肢4:誤り。契約締結時書面も、賃貸人の承諾を得れば電磁的方法で提供できます(法14条2項)。
公式問題で問4を見る
管理業務報告の方法
問6 メール・CD-ROM・専用ページ・電話
管理業務報告書は、書面の交付に代えて、委託者の承諾を得て電磁的方法で提供できます(施行規則40条2項)。電磁的方法は記録として残る方法に限られます。
正解 3
正しいものはア・イ・ウの3つで、正解は3です。
ア:正しい。電子メールで送信する方法は、電子情報処理組織を使用する方法として認められています。
イ:正しい。CD-ROMなどに記録して交付する方法も、電磁的方法として認められています。
ウ:正しい。業者が設ける委託者専用のウェブページで閲覧できるようにする方法も認められます(閲覧していない場合の通知などの基準があります)。
エ:誤り。電話で内容を伝えるだけでは、管理業務報告書の交付やそれに代わる電磁的方法による提供になりません。
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秘密を守る義務
問8 義務の存続期間・アルバイト・再委託先・罰則
秘密保持義務は、業者が賃貸住宅管理業を営まなくなった後も、従業者が従業者でなくなった後も続きます(法21条)。違反には両罰規定があります。
正解 2
正しいのはイとウで、正解は2です。
ア:誤り。賃貸住宅管理業を営まなくなった後においても秘密を守る義務は続きます(21条1項)。廃業までで終わるわけではありません。
イ:正しい。従業者とは業者の指揮命令に服して業務に従事する者で、アルバイトも含まれます(21条2項)。
ウ:正しい。再委託契約に基づいて管理業務の一部の再委託を受ける者など、直接の雇用関係にない者も従業者に含まれるとされています(解釈・運用の考え方 第21条第2項関係)。
エ:誤り。秘密を漏らした従業者本人が30万円以下の罰金の対象となり(44条7号)、両罰規定により会社も罰金刑を受けます(45条)。会社だけが処罰されるのではありません。
公式問題で問8を見る
家賃等の分別管理
問21 口座の分別・帳簿の分別・報酬分の移し替え
家賃等の口座は、少なくとも家賃等の口座と業者の固有財産の口座を分ければ足ります。一方、帳簿は管理受託契約ごとに金銭の出入りを区別する必要があります。
正解 2
不適切なのは2です。
肢1:適切。家賃等を管理する口座を一つにまとめ、業者の固有財産の口座と分けていれば足りるとされています(解釈・運用の考え方 第16条関係)。
肢2:不適切。帳簿は、管理受託契約ごとに金銭の出入りを区別して作成するなど、勘定上も分別管理する必要があります(施行規則36条)。家賃等を一つの帳簿にまとめれば足りるのではありません。
肢3:適切。家賃等の口座にいったん全額を入れ、そこから管理報酬分を固有財産の口座に移すことは差し支えありません。
肢4:適切。固有財産の口座にいったん全額を入れ、報酬分を差し引いた額を家賃等の口座に移すことも、速やかに移し替える限り差し支えないとされています。
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管理業法の背景と概要
問29 賃貸住宅ストック・管理委託の傾向・特定転貸事業者の登録・勧誘者への規制
サブリースの規制のうち、誇大広告等の禁止と不当な勧誘等の禁止は、特定転貸事業者だけでなく勧誘者にも適用されます(法28条・29条)。
正解 4
肢1:不適切。民間主体が保有する賃貸住宅のストック数は、近年増加傾向にあります。
肢2:不適切。近年は、所有者が自ら管理するより、管理業者に業務を委託する所有者が増えています。
肢3:不適切。特定転貸事業者でも、管理戸数200戸以上で賃貸住宅の維持保全を行うなど賃貸住宅管理業を営むなら、登録を受けなければなりません。
肢4:適切。サブリース事業には指示・業務停止などの監督処分と罰則があり、誇大広告等や不当な勧誘等の禁止は勧誘者にも適用されます。規制の対象は特定転貸事業者に限られません。
公式問題で問29を見る
業務管理者
問30 欠格事由・管理監督する事務・秘密の保持・全員が欠けたとき
業務管理者が管理・監督する事務は、施行規則13条に列挙されています。秘密の保持は含まれますが、従業者証明書の携帯は含まれていません。
正解 2
正しいものはアとウの2つで、正解は2です。
ア:正しい。禁錮以上の刑、又は管理業法違反による罰金の刑に処せられ、執行を終わるなどした日から5年を経過しない者は、業務管理者になれません(法12条4項・6条1項4号)。
イ:誤り。業務管理者に管理・監督させる事務(施行規則13条)に、従業者証明書の携帯は挙げられていません。
ウ:正しい。秘密の保持に関する事項は、業務管理者が管理・監督する事務の一つです(施行規則13条6号)。
エ:誤り。業務管理者の全員が欠けたときに禁止されるのは、新たに業務管理者を選任するまでの間、その営業所等で管理受託契約を締結することです(法12条2項)。既存の契約に基づく管理業務まで行えなくなるわけではありません。
令和8年度試験での注意 2025年6月1日施行の刑法等改正で、業務管理者の欠格事由の「禁錮以上の刑」は「拘禁刑以上の刑」に改められました(6条1項4号)。正誤は変わりません。
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登録の経過措置
問31 既存契約の履行・新規の管理受託契約・特定賃貸借契約の締結・転貸借契約の締結
管理業法の登録制度は2021年6月15日に施行され、既存の業者には1年間の猶予がありました。2022年6月15日以降は、管理戸数200戸以上の業者は登録なしに賃貸住宅管理業を営めません。
正解 3
正しいのはイとエで、正解は3です。
ア:誤り。猶予期間後は、それ以前に結んだ管理受託契約に基づくものでも、登録を受けずに維持保全を内容とする管理業務を業として行うことはできません。
イ:正しい。登録を受けなければ、2022年6月15日以降、新たに管理受託契約を結んで管理業務を行うことはできません。
ウ:誤り。特定賃貸借契約(マスターリース契約)を締結すること自体には、賃貸住宅管理業の登録は要件とされていません。
エ:正しい。入居者との転貸借契約の締結は賃貸住宅管理業(維持保全や金銭管理)そのものではないので、登録がなくても行えます。
公式問題で問31を見る
賃貸住宅管理業の範囲
問33 苦情対応のみ・金銭管理のみ・分譲マンションの一室・マンスリーマンション
賃貸住宅管理業は、委託を受けて賃貸住宅の維持保全(維持と修繕を一貫して行うこと)を業として行うことが中心で、金銭管理はそれと併せて行う場合に限り含まれます(法2条2項)。
正解 2
誤っているのはアとウで、正解は2です。
ア:誤り。入居者からの苦情対応のみを行い、維持・修繕(業者への発注を含む)を行わない業務は、賃貸住宅管理業に当たりません(解釈・運用の考え方 第2条第2項関係)。
イ:正しい。金銭の管理のみを行う業務は、維持保全と併せて行わない限り、賃貸住宅管理業に当たりません。
ウ:誤り。分譲マンションの一室(専有部分)の維持保全を一貫して行う業務は、共用部分を別のマンション管理業者が管理していても、賃貸住宅管理業に当たります。
エ:正しい。マンスリーマンションのように利用者の滞在が長期に及び、生活の本拠として使われるものは賃貸住宅に当たり、その維持保全は賃貸住宅管理業です。
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登録
問34 業務未開始と取消し・法人単位の登録・財産的基礎・変更の届出
財産的基礎は、債務超過であっても、直前2年の各事業年度で当期純利益が出ているなどの事情があれば認められる場合があります。変更の届出期限は30日以内です。
正解 4
誤っているのはウとエで、正解は4です。
ア:正しい。現に営業していなくても登録はできますが、登録から1年以内に業務を始めないときは、登録を取り消されることがあります(23条2項)。
イ:正しい。法人の登録は法人単位で行い、支社・支店ごとに登録を受けることはできません。
ウ:誤り。負債が資産を超えていても、直前2年の各事業年度で当期純利益が生じている場合などは、財産的基礎を有しない者とは扱われないとされています(解釈・運用の考え方 第6条第10号関係)。
エ:誤り。役員の変更などの変更の届出は、その日から30日以内です(7条1項)。3か月以内ではありません。
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サブリース規制の解答・解説(8問)
勧誘者の不当勧誘と罰則、特定賃貸借契約の範囲、誇大広告等の禁止、業務状況調書等の閲覧、締結時書面、重要事項説明とその内容、特定賃貸借標準契約書を扱います。問32は正しい組合せが選択肢になく、全員正解になりました。
勧誘者の不当勧誘と罰則
問32 勧誘者の法人・代表者・特定転貸事業者・行為者
両罰規定は、法人の従業者がその法人の業務に関して違反したとき、行為者とその法人を罰する規定です(管理業法45条)。勧誘を委託した特定転貸事業者は、この関係にありません。
公式:全ての解答を正解として扱う
正しいのはイとウですが、この組合せが選択肢になかったため、公式発表で全ての解答が正解とされました(いずれを選んでも正解)。
ア:誤り。Dは勧誘者であるA法人の従業員で、A法人の業務に関して違反したので、両罰規定によりA法人も罰金刑の対象です(45条)。
イ:正しい。代表者Bは違反行為をしていないので、処罰の対象になりません。
ウ:正しい。C法人は勧誘を委託した特定転貸事業者で、DはC法人の従業者ではないため、両罰規定でC法人が罰金に処せられることはありません。
エ:誤り。故意に不実のことを告げたD本人は行為者として処罰されます(42条2号)。
令和8年度試験での注意 2025年6月1日施行の刑法等改正で、管理業法の罰則の「懲役」は「拘禁刑」に改められました(42条など)。正誤は変わりません。
公式問題で問32を見る
特定賃貸借契約
問35 再転貸目的の転貸借・一時的な転貸・賃料が同額の場合・借上社宅
特定賃貸借契約は、借主が転貸する事業を営むこと(営利の意思をもって反復継続的に転貸すること)を目的とする賃貸借です。営利の意思は客観的に判断されます。
正解 1
肢1:正しい。特定転貸事業者と、さらに転貸する事業を営むことを目的とする転借人との間の転貸借契約も、転貸事業を目的とする賃貸借として特定賃貸借契約に当たります。
肢2:誤り。個人が留学中など一時的に第三者に転貸するような場合は、転貸する事業を営むものではないので、特定賃貸借契約に当たりません(解釈・運用の考え方 第2条第4項関係)。
肢3:誤り。受け取る賃料と支払う賃料が同額でも、手数料など別の名目で収益を得るなど営利の意思があれば、転貸事業を営むものと判断されます。同額だから当たらないとはいえません。
肢4:誤り。借上社宅で従業員に相場より低い利用料で使わせる場合、企業は転貸で利益を上げることを目的としないので、特定転貸事業者に当たらないとされています。転貸料の多寡を問わず当たるわけではありません。
公式問題で問35を見る
誇大広告等の禁止
問36 著しく事実に相違する表示・家賃保証・借上げ保証・体験談
体験談を使った広告は、「個人の感想です」などの打消し表示をはっきり書いても、問題のある表示になるおそれがあるとされています(サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン)。
正解 4
肢1:正しい。広告と事実の相違が大きくなくても、相違を知っていれば通常その契約に誘引されないと判断される程度なら、虚偽広告に当たります。
肢2:正しい。「家賃保証」と表示するときは、その文言に隣接する箇所に、借地借家法32条により家賃が減額されることがある旨を表示しなければ、誇大広告に当たります。
肢3:正しい。「○年間借上げ保証」と表示するときは、その期間中でも特定転貸事業者から解約する可能性がある旨を表示しなければ、誇大広告に当たります。
肢4:誤り。体験談と異なる経営実績の事例が一定数ある場合などは、打消し表示を明瞭に書いても問題のある表示となるおそれがあり、体験談を用いることは法28条違反になる可能性があるとされています。
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業務状況調書等の閲覧
問37 勧誘者の義務・電磁的記録・作成時期と備置場所・閲覧できる者
業務状況調書等の作成と閲覧の義務を負うのは特定転貸事業者です(法32条)。閲覧できるのは、特定賃貸借契約の相手方と、相手方になろうとする者です。
正解 2
肢1:誤り。業務状況調書等を作成・保存して閲覧させる義務は特定転貸事業者のもので、勧誘者には課されていません。
肢2:正しい。電磁的記録で保存する場合は、電子計算機などを使って明確に紙面に表示される状態に置かなければなりません。
肢3:誤り。業務状況調書等は事業年度経過後3か月以内に作成し、営業所又は事務所ごとに備え置きます。主たる事務所にまとめて置けば足りるのではありません。
肢4:誤り。閲覧を求められるのは、特定賃貸借契約の相手方と、相手方となろうとする者です。入居者(転借人)は含まれません。
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特定賃貸借契約締結時書面
問38 管理受託契約書との兼用・交付の時期・更新時の作成・電磁的提供の承諾
特定賃貸借契約締結時書面(法31条)は、契約を締結したとき遅滞なく交付します。期間だけを延ばす更新なら、改めて作成・交付する必要はないとされています。
正解 2
肢1:誤り。特定賃貸借契約と管理受託契約を一つの契約書で締結することもでき、その契約書を締結時書面として兼ねることも認められています。
肢2:正しい。特定賃貸借契約を締結したときは、遅滞なく締結時書面を交付しなければなりません(31条1項)。
肢3:誤り。契約の同一性を保ったまま契約期間のみを延長するような更新では、締結時書面を改めて交付する必要はないとされています。
肢4:誤り。電磁的方法で提供する場合の承諾は、書面のほか電子メールなど電磁的方法でも得ることができます。書面による承諾に限られません。
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特定賃貸借契約重要事項説明
問39 説明する者・説明から締結までの期間・説明不要の相手方・変更時の説明
説明を省けるのは、相手方が特定転貸事業者、賃貸住宅管理業者、宅地建物取引業者など、専門的知識を持つ者である場合です(法30条1項、施行規則45条)。
正解 3
肢1:誤り。説明は、一定の実務経験を持つ者など専門的な知識と経験を持つ者が行うことが望ましいとされているもので、3年の実務経験が義務ではありません。また、説明は特定転貸事業者自らが行う必要があり、第三者に委託できません。
肢2:誤り。説明から契約締結までに1週間程度の期間をおくことは望ましいとされているだけで、義務ではありません。
肢3:正しい。相手方が賃貸住宅管理業者である場合は、特定賃貸借契約重要事項説明を行う必要はありません(施行規則45条)。
肢4:誤り。契約期間中に説明事項に変更があった場合は、変更契約を締結しようとするときに、変更のあった事項を説明します。契約更新時まで待つのではありません。
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特定賃貸借契約重要事項説明の内容
問40 家賃改定日と減額請求・更新拒絶の正当事由・転貸人の地位の承継・普通借家の減額
特定賃貸借契約が終わったとき賃貸人が転貸人の地位を承継する定めを置く場合は、承継後は正当な事由なく入居者の契約更新を拒めないことなども説明し、賃貸人が認識できるようにします。
正解 3
肢1:誤り。家賃改定日を定めていても、その日以外に借地借家法32条に基づく減額請求ができることを記載し、説明しなければなりません(解釈・運用の考え方 第30条関係)。
肢2:誤り。協議で更新できると定める場合も、賃貸人からの更新拒絶には正当な事由が必要であることを説明します(借地借家法28条)。
肢3:正しい。転貸人の地位を承継する定めを設ける場合は、その旨に加え、承継後は正当な事由なく入居者の契約更新を拒めないこと、敷金返還債務を承継することなどを説明します。
肢4:誤り。説明すべきなのは、一定期間家賃を減額しないといった定めが契約にあっても、特定転貸事業者は借地借家法32条に基づいて減額を請求できることです(解釈・運用の考え方 第30条関係)。そうした特約を定めること自体ができないと説明するのではありません。
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特定賃貸借標準契約書
問41 家賃不払いと解除・民泊の可否・情報提供・契約終了時の敷金
特定賃貸借標準契約書では、貸主は、借主の家賃不払いが3か月分以上になっても、相当の期間を定めて催告し、その期間内に支払がないときに解除できます。
正解 1
肢1:正しい。家賃支払義務を3か月分以上怠った場合でも、相当の期間を定めて催告し、期間内に履行がないときに解除できるとされており、無催告での解除は定められていません。
肢2:誤り。標準契約書では、住宅宿泊事業(民泊)を目的とする転貸の可否は、転貸の条件として頭書で選ぶ形式になっています。特約事項欄に書く前提ではありません。
肢3:誤り。維持保全に必要な情報は、貸主が借主に提供する仕組みです。借主に書面で情報提供を求める義務が課されているのではありません。
肢4:誤り。契約が終了したときは貸主が転貸人の地位を承継し、借主は転借人から受け取った敷金を貸主に引き渡します。転借人と精算させて転借人から貸主に交付させるのではありません。
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管理受託実務の解答・解説(6問)
賃貸住宅の管理実務、企業会計原則、個人情報保護法、賃貸住宅管理の動向、賃貸不動産経営管理士の役割とコンプライアンスを扱います。
賃貸住宅の管理実務
問7 履歴情報・漏水の保険・引渡し時の記録
漏水の原因が上階入居者の使い方にあるときは、上階入居者の賠償責任を補償する保険で対応します。建物所有者の施設賠償責任保険は、建物の欠陥や管理の不備による事故に備えるものです。
正解 3
適切なものはアとウの2つで、正解は3です。
ア:適切。新築時からの維持管理の履歴情報を蓄積して使うと、建物の現状を把握でき、必要なメンテナンスを無駄なく行えます。
イ:不適切。原因が上階入居者の使用方法にある場合は、上階入居者が加入する保険の賠償責任特約などで対応します。建物所有者の施設所有者賠償責任保険は、建物の構造や管理の欠陥による事故を対象とする保険で、この場合には適用されません。
ウ:適切。鍵の引渡しの際に立会いなどで室内の状態を記録しておくと、後の修繕や原状回復をめぐるトラブルの防止になります。
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企業会計原則
問22 企業会計原則の性格・構成・明瞭性の原則・発生主義
企業会計原則の一般原則のうち、正確な会計帳簿の作成を求めるのは「正規の簿記の原則」です。明瞭性の原則は、財務諸表での表示の仕方に関する原則です。
正解 3
不適切なのは3です。
肢1:適切。企業会計原則は、実務の慣習の中から一般に公正妥当と認められたものを要約した基準です。
肢2:適切。企業会計原則は、一般原則・損益計算書原則・貸借対照表原則の3つからなります。
肢3:不適切。記述は正規の簿記の原則の内容です。明瞭性の原則は、財務諸表で利害関係者に必要な会計事実を明瞭に表示することを求めるものです。
肢4:適切。収益・費用の認識には発生主義と現金主義があり、取引を適正に処理するには発生主義が好ましいとされます。
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個人情報保護法
問42 取得時の同意・漏えい等の報告・委託先への提供・5,000人以下の事業者
漏えい等の報告義務は、人数が1,000人を超える場合のほか、不正アクセスなど不正の目的による漏えい等なら人数にかかわらず生じます(個人情報保護法26条、施行規則7条)。
正解 3
誤っているのはイとウで、正解は3です。
ア:正しい。個人情報の取得時は利用目的を通知又は公表すれば足り(21条1項)、本人の同意が必要なのは要配慮個人情報を取得する場合です(20条2項)。
イ:誤り。不正アクセスなど不正の目的によるおそれがある漏えい等は、本人の数にかかわらず個人情報保護委員会への報告対象です(施行規則7条3号)。
ウ:誤り。利用目的の達成に必要な範囲内で個人データの取扱いを委託する場合の提供は、第三者提供に当たらず、本人の同意は不要です(27条5項1号)。
エ:正しい。2017年5月の改正法施行以降は、取り扱う個人情報が5,000人分以下の事業者も、個人情報データベース等を事業に使っていれば規制の対象です。
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賃貸住宅管理の動向
問44 計画修繕と投資判断・空室対策・借主の位置付け・不動産業ビジョン
国土交通省は、賃貸住宅の高経年化を背景に、貸主が中長期的な視点で計画修繕などの投資判断を行う重要性を示しています。
正解 1
肢1:適切。国土交通省が2019年3月に公表した計画修繕に関する報告は、空室率の上昇や家賃水準の低下のおそれを背景に、貸主が中長期的視点で計画修繕などの投資判断を行う重要性を述べています。
肢2:不適切。借り手市場で入居率を保つには、一時金収入や賃料の引上げに期待するのではなく、既存の借主に長く住み続けてもらうことが重視されています。
肢3:不適切。借主の立場を重視した管理が求められており、借主は消費者として保護される存在と捉える必要があります。借地借家法の保護があるから消費者保護の視点が要らないわけではありません。
肢4:不適切。不動産業ビジョン2030で資産価値の維持・向上やコミュニティ形成、見守りサービスなどの役割を指摘されたのは管理業です。不動産流通業の役割としての記述ではありません。
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賃貸不動産経営管理士の役割
問45 政策課題への関与・住宅確保要配慮者・空き家・残置物の処理
残置物の処理等に関するモデル契約条項で、解除事務受任者・残置物事務受任者は、借主の相続人の利益にも配慮して事務を処理する立場です。
正解 4
肢1:適切。重要な政策課題や新しい賃貸住宅の活用について、所属する管理業者に助言して制度設計を進め、業務の管理監督や実施を担うことが期待されています。
肢2:適切。住宅扶助費の代理納付や残置物の扱いを貸主に説明して理解を得ることで、住宅確保要配慮者の入居を進める役割が期待されています。
肢3:適切。空き家所有者への有効活用の助言や入居者募集、管理の引受けなどを通じて、空き家問題の解決に役割を果たすことが期待されています。
肢4:不適切。受任者は、借主が死亡したときの契約関係の処理について、相続人の利益のためにも誠実に事務を行うべき立場で、相続人の意向による影響を排除する立場ではありません。
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賃貸不動産経営管理士のコンプライアンス
問46 人権意識・能力を超える業務・利益相反・会社からの要請
賃貸不動産経営管理士は、自らの能力や知識を超える業務を引き受けてはなりません。情報化社会の進展は、その例外の理由にはなりません。
正解 2
肢1:適切。人権意識を高めて専門性を発揮し、貸主には差別が許されないことを理解してもらい、従業員を指導するなどして業界全体の人権意識の向上に努めるべきです。
肢2:不適切。法令やルールを守り、社会的信用を傷つける行為をしないことに加え、自らの能力や知識を超える業務を引き受けてはなりません。
肢3:適切。貸主から委託を受けた管理業務は法律上は代理に当たるため、当事者間の利益相反のおそれに留意する必要があります。
肢4:適切。コンプライアンス上選ぶべきでない手法を会社から求められた場合は、正確な法令知識に基づいて誤りを指摘するなど、高い倫理観で業務に当たるべきです。
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建物・設備管理の解答・解説(9問)
定期調査報告、構造形式、避難規定、内装・構造の規定、シックハウス対策、雨水の浸入、外壁の劣化、排水・通気設備、電気・ガス設備を扱います。
定期調査報告
問9 対象・調査者・報告義務者・周期
建築基準法12条1項の定期調査報告は、特定建築物の所有者(管理者がいれば管理者)が、資格者に調査させて特定行政庁に報告する制度です。4つの記述はすべて制度どおりです。
正解 4
正しいものは4つで、正解は4です。
ア:正しい。調査・報告の対象は、建築物の敷地、構造及び建築設備です(12条1項)。
イ:正しい。調査を行えるのは、一級・二級建築士と、建築物調査員の資格者証を持つ者です。
ウ:正しい。報告義務者は原則として所有者ですが、所有者と管理者が異なるときは管理者です。
エ:正しい。調査・報告の周期は、おおむね6か月から3年までの間で特定行政庁が定めます(施行規則5条1項)。
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建物の構造形式
問12 鉄筋コンクリート造のひび割れ・ラーメン構造・CLT工法・壁式構造
鉄筋コンクリート造は、現場で打ち込んだコンクリートが乾燥する過程で収縮するため、ひび割れが起きやすい構造です。
正解 1
肢1:不適切。現場打ちのコンクリートは乾燥収縮によるひび割れが発生しやすく、鉄筋コンクリート造の弱点の一つです。
肢2:適切。ラーメン構造は柱と梁を剛に接合した骨組で、鉄筋コンクリート造の建物で多く使われます。
肢3:適切。CLT工法は、繊維方向が直交するように板を張り合わせたパネルで床・壁・天井(屋根)を構成する木質系工法です。
肢4:適切。壁式鉄筋コンクリート造は柱のない耐力壁で荷重を支える構造で、特に低層の集合住宅に使われます。
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避難規定
問13 直通階段までの距離・6階以上の直通階段・非常用照明
共同住宅の避難規定は、建築基準法施行令の避難施設等の規定(120条以下)から出題されます。3つの記述はいずれも規定どおりです。
正解 1
誤っているものはなく、正解は1です。
ア:正しい。居室の各部分から直通階段までの歩行距離には、構造や用途に応じた上限があります(施行令120条)。
イ:正しい。共同住宅で6階以上の階に居室がある場合は、原則として直通階段を2つ以上設けなければなりません(施行令121条1項6号)。
ウ:正しい。各室から地上に通じる廊下や階段(外気に開放された部分を除く)など避難経路には、非常用照明の設置が求められます(施行令126条の4)。
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内装・構造の規定
問14 内装制限と原状回復工事・シックハウス・防火区画・界壁
内装制限は新築時だけでなく、内装を改める工事にも及びます。入居者の入替え時の原状回復工事でも、使う材料は制限に従います。
正解 1
肢1:誤り。内装制限は、入居者が入れ替わるときの原状回復工事にも適用されます。
肢2:正しい。シックハウス対策の規定は、中古住宅でも増改築や大規模な修繕・模様替えを行う場合に適用されます。
肢3:正しい。防火区画の壁・床は耐火構造とし、区画を構成する部分の開口部には防火扉や防火シャッターなどの防火設備を設けます。
肢4:正しい。共同住宅の各戸の界壁は、遮音のため小屋裏又は天井裏に達するものとします(法30条)。天井が一定の遮音性能を持つ場合などは例外です。
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シックハウス対策
問15 原因物質・24時間換気・天井裏等の対策・規制対象の建材
天井裏や床下からホルムアルデヒドが居室に入るのを防ぐ対策は、3種類の措置のうちいずれかを講じれば足ります。
正解 3
肢1:正しい。建材や家具、日用品などから出るホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)などが、シックハウス症候群の原因と考えられています。
肢2:正しい。ホルムアルデヒドは家具などからも発散するため、原則として居室のある新築建物には24時間換気の機械換気設備の設置が義務付けられています。
肢3:誤り。天井裏などからの流入を防ぐ措置は、建材、気密層・通気止め、換気設備のうちいずれかの措置で足ります。すべてが必要なのではありません。
肢4:正しい。木質建材、壁紙、断熱材、接着剤、塗料、仕上塗材など、ホルムアルデヒドを発散する建材が規制の対象です。
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雨水の浸入
問16 屋上の補修範囲・出窓・タイル外壁・換気扇の排気口
雨漏りの原因は、防水層や構造部材の劣化だけでなく、部材の取り合い部分や開口部まわりにもあります。原因箇所の見当を付ける知識を問う設問です。
正解 2
肢1:不適切。屋上や屋根の防水層・構造部材の劣化による漏水は、部分補修で済まず、全面的な改修が必要になる場合があります。
肢2:適切。出窓からの漏水は、出窓の屋根と外壁の取り合い部分やサッシまわりが主な原因になることが多いです。
肢3:不適切。タイル張りの外壁では、タイルの剥がれやひび割れ、目地やシーリングの劣化による漏水が起こりやすくなります。
肢4:不適切。台所・浴室・トイレの換気扇の排気口から、強風を伴う雨のときなどに雨水が入り込んで漏水することがあります。
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外壁の劣化現象
問17 タイルの浮き・チョーキング・エフロレッセンス
外壁の劣化は、浮き・剥落、白亜化(チョーキング)、白華(エフロレッセンス)など、現象の名前と確認方法をセットで覚えます。3つとも正しい記述です。
正解 4
正しいものは3つで、正解は4です。
ア:正しい。タイル外壁やモルタル外壁の浮き・剥離は、目視のほか、外壁周辺にタイルなどの落下物があるかどうかで確認できることがあります。
イ:正しい。塗膜やシーリング材の劣化で表面が粉状になる白亜化(チョーキング)は、手で擦ると白い粉が付くことで確認できます。
ウ:正しい。モルタルやコンクリートの石灰分が雨水などに溶けて表面に流れ出し、白く結晶化する白華(エフロレッセンス)は、目視で確認できます。
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排水・通気設備
問18 合流式と分流式・二重トラップ・トラップの破封
1系統の排水管にトラップを2つ以上直列に設ける二重トラップは、排水の流れを悪くするため禁止されています。
正解 2
誤っているものはイの1つで、正解は2です。
ア:正しい。公共下水道には、汚水・雑排水と雨水を同じ管で流す合流式と、雨水用の管を別に設ける分流式があります。
イ:誤り。二重トラップは、トラップ間の空気が逃げずに排水の流れを悪くするため、設けてはならないとされています。
ウ:正しい。排水管内の圧力変動で封水が流れ出たり、長く使わずに蒸発したりして封水がなくなる現象が、トラップの破封です。
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電気・ガス設備
問19 高圧受電・単相2線式・ガス警報器・ガス配管
200ボルトの家電を使うには単相3線式の引込みが必要です。単相2線式で使えるのは100ボルトだけです。
正解 2
肢1:適切。高圧受電は、受変電設備を設けて6,000ボルト級の電圧で受電し、大規模な建物の照明・コンセントや動力設備に電気を供給する方式です。
肢2:不適切。単相2線式は電圧線と中性線の2本で100ボルトだけを使える方式です。200ボルトの機器を使うには、単相3線式が必要です。
肢3:適切。プロパンガスは空気より重いため、ガス警報器は床面の上方30cm以内の壁などに設置します。
肢4:適切。ガス配管では、屋外の埋設部分にポリエチレン管・ポリエチレン被覆鋼管、屋内部分に塩化ビニル被覆鋼管が多く使われています。
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不動産・税・保険の解答・解説(3問)
保険、不動産の税金、プロパティマネジメントとアセットマネジメントを扱います。
保険
問48 保険によるリスク分散・地震保険の限度額・失火責任・保険料率
火災保険料率は、建物の構造だけでなく所在地(都道府県)などによっても異なります。木造だから全国一律という仕組みではありません。
正解 4
肢1:適切。賃貸不動産経営のリスクは、保険に加入することで一定程度軽減・分散できます。
肢2:適切。地震保険の金額は火災保険金額の30〜50%で、建物は5,000万円が上限です。1億1,000万円の50%は5,500万円ですが、限度額は5,000万円になります。
肢3:適切。失火責任法により、重大な過失がなければ失火者は損害賠償責任を負わないので、類焼被害には自ら火災保険で備える必要があります。
肢4:不適切。保険料率は、構造に加えて所在地などによる危険度の違いを反映して定められており、木造建物でも全国一律ではありません。
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不動産の税金
問49 併用住宅の譲渡の特例・新築家屋の固定資産税・青色申告特別控除
固定資産税は、賦課期日である1月1日の現況で課税されます。1月2日以降に完成した家屋は、その年度の固定資産税の対象になりません。
正解 3
適切なものはイとウの2つで、正解は3です。
ア:不適切。賃貸部分と自宅部分がある不動産を売るときは、居住用部分に居住用財産の特例、事業用部分に事業用資産の特例というように、要件を満たせば組み合わせて適用できます。
イ:適切。固定資産税は1月1日現在の所有者に課税されるので、令和4年1月15日に完成した家屋には令和4年度の固定資産税は課されません。
ウ:適切。事業的規模の不動産貸付けで、正規の簿記の原則により記帳し、電子申告(e-Tax)などの要件を満たせば、青色申告特別控除は65万円です。
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プロパティマネジメントとアセットマネジメント
問50 PMの説明責任・テナントの引き留め・資金運用・指示関係
アセットマネジメント(AM)は投資資金の運用全体を担い、プロパティマネジメント(PM)はAMの指示の下で個々の物件の運営管理を担います。
正解 1
肢1:適切。プロパティマネージャーは自らの業務の合理性について説明責任を負い、そのための客観的な根拠を用意しておく必要があります。
肢2:不適切。既存の借主が退出しないよう引き留めて維持すること(テナントリテンション)は、プロパティマネージャーの責務です。
肢3:不適切。不動産投資の資金運用について計画を立て、決定・実施し、その実施を管理するのはアセットマネジメントです。
肢4:不適切。指示を出すのはアセットマネージャーで、プロパティマネージャーがその指示の下でプロパティマネジメント業務を担当します。
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