法及び関係法令の解答・解説(27問)
貸金業法の定義・登録と変更の届出・監督指針の内部管理・証明書・総量規制の除外と例外・途上与信・広告・書面交付・帳簿・信用情報・取立て規制・債権譲渡と、利息制限法のみなし利息と保証料を扱う27問です。変更の届出の時期(あらかじめ・2週間)や、総量規制の除外契約と例外契約、途上与信の金額要件のように、数字と適用範囲を入れ替えた肢を条文と施行規則で確かめます。
貸金業法の定義
問1 貸金業から除かれる取引・債務者等・貸付けの契約・手続実施基本契約
貸金業法2条の定義を確かめる問題です。「債務者等」には保証人が含まれ、「貸付けの契約」には保証契約も含まれます。手続実施基本契約は、指定紛争解決機関と貸金業者が結ぶ二者間の契約です。
正答 1
適切なのはaの1個で、正答は①です。
aは適切。物品の売買や運送、保管、売買の媒介を営む者が、その取引に付随して行う貸付けは、貸金業から除かれます(2条1項ただし書)。
bは不適切。債務者等とは債務者又は保証人をいい(2条)、保証人も含まれます。
cは不適切。貸付けの契約とは、貸付けに係る契約又はその保証契約をいいます(2条8項)。資金需要者等の利益を損なうおそれがないものという限定はありません。
dは不適切。手続実施基本契約は、紛争解決等業務の実施に関して指定紛争解決機関と貸金業者との間で締結される契約です(2条)。資金需要者等を含む三者間の契約ではありません。
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貸金業の登録
問2 内閣総理大臣の登録の申請先・更新の申請期限・主任者の記載事項・有効期間
2以上の都道府県に営業所等を置く場合は内閣総理大臣の登録で、申請は本店所在地を管轄する財務局長に提出します。登録の有効期間は3年で、更新は満了日の2か月前までに申請します。
正答 3
適切なのはbとdで、正答は③です。
aは不適切。内閣総理大臣の登録の申請は、本店の所在地を管轄する財務局長に提出します。都道府県知事を経由するのではありません。
bは適切。登録の更新は、現に受けている登録の有効期間満了の日の2か月前までに申請しなければなりません(施行規則)。
cは不適切。登録申請書には、営業所等ごとに置かれる貸金業務取扱主任者の氏名と登録番号を記載します(4条1項6号)。住所は記載事項ではありません。
dは適切。貸金業の登録は、3年ごとに更新を受けなければ、期間の経過により効力を失います(3条2項)。
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変更の届出
問3 商号の変更・電話番号の変更・業務の種類と方法・他の事業
登録事項に変更があったときは、原則として変更後2週間以内に届け出ます(8条1項)。広告や勧誘で表示する電話番号など内閣府令で定める連絡先だけは、変更しようとするときにあらかじめ届け出ます。
正答 2
①は不適切。商号、名称又は氏名を変更したときは、変更の日から2週間以内に届け出ます。あらかじめ届け出る必要はありません。
②は適切。広告又は勧誘で表示する営業所等の電話番号(場所を特定するものと、それに係る着信課金・統一番号サービスのもの)を変更しようとするときは、あらかじめ届け出ます。
③は不適切。業務の種類及び方法の変更は、変更後2週間以内の届出で足ります。
④は不適切。他に行っている事業の種類の変更も、変更後2週間以内に届け出ます。
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監督指針の内部管理態勢
問4 社内規則等・内部管理部門・個人貸金業者の自己検証・経営陣の態勢整備
監督指針は、社内規則等を協会員・非協会員の別なく自主規制規則に則った内容とすることを求め、個人の貸金業者の自己検証は少なくとも月1回以上としています。
正答 3
適切なのはbとdで、正答は③です。
aは不適切。非協会員が策定する社内規則等も、貸金業協会の自主規制規則に則った内容とすることが着眼点とされています。
bは適切。内部管理部門が業務運営全般をモニタリング・検証し、重大な問題を経営陣に適切に報告しているかが着眼点です。
cは不適切。他に従事者がいない個人の貸金業者が内部監査に代えて自己検証を行う場合、着眼点は頻度が少なくとも月1回以上となっているかです。年3回ではありません。
dは適切。利益相反のおそれがある業務の牽制や、営業店長の権限に応じた監視について、内部管理部門が顧客対応部署をモニタリング・検証し改善策を策定する態勢を経営陣が整備しているかが着眼点です。
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従業者の証明書の携帯
問5 対面しないシステム管理・広告のみの業務・派遣労働者・委託先の従業者
貸金業者は、貸金業の業務に従事する使用人その他の従業者に証明書を携帯させます(12条の4第1項)。資金需要者等と対面しない業務や、勧誘を伴わない広告のみの業務に従事する者は除かれます。
正答 2
適切なのはaとdで、正答は②です。
aは適切。営業所等で資金需要者等と対面することなく行う業務に従事する者には、証明書を携帯させる必要はありません。
bは不適切。勧誘を伴わない広告のみを行う業務に従事する者には、証明書の携帯は求められていません。
cは不適切。派遣労働者も貸金業者の指揮命令を受けて業務に従事する従業者なので、証明書を携帯させなければなりません。
dは適切。業務の委託先の従業者が貸金業の業務に従事するときも、証明書を携帯させる必要があります。
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不正又は著しく不当な行為
問6 過大な担保・理解困難を認識した契約・障害を理由とする拒否・無効と判断された条項
監督指針は、12条の6第4号の不正又は著しく不当な行為に当たるおそれが大きい例を挙げています。4つの記述はいずれもその例に当たります。
正答 4
4つとも該当し、正答は④です。
aは該当する。貸付けの金額に比べて合理的理由なく過大な担保や保証人を求めることは、例として挙げられています。
bは該当する。資金需要者等が障害等で契約内容の理解が困難なことを認識しながら契約を締結することも例に当たります。
cは該当する。支援者を通じて契約内容を理解してもらう努力をせず、単に障害があることを理由に契約を拒否することも例に当たります。
dは該当する。消費者契約法8条から10条に当たり無効とされ、その判決確定の事実が公表されている条項と同一内容の条項を含む契約を締結することも例に当たります。
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年収に含まれる定期的な収入
問7 年金・投資信託の分配金・不動産の賃貸収入・安定的な事業所得
総量規制で使う「年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額」は、施行規則で範囲が定められています。年金、事業として行わない不動産の賃貸収入、安定的な事業所得は含まれますが、投資信託の分配金は含まれません。
正答 3
該当するのはa、c、dの3個で、正答は③です。
aは該当する。年間の年金の金額は含まれます。
bは該当しない。投資信託の分配金は、年収に含める定期的な収入として定められていません。
cは該当する。事業として行う場合を除き、年間の定期的に受領する不動産の賃貸収入の金額は含まれます。
dは該当する。過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められる年間の事業所得の金額も含まれます。
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総量規制の除外契約
問8 不動産の改良資金・つなぎ融資・不動産の売却代金で返済する貸付け・自動車購入資金
除外契約(施行規則10条の21)は、総量規制の対象外で、残高も個人顧客合算額に含めません。担保の有無や、貸付金額が担保価値の範囲内かといった条件が付くものを区別します。
正答 1
適切なのはaとbで、正答は①です。
aは適切。不動産の改良に必要な資金の貸付けは、その不動産を担保としない場合でも除外契約に当たります。
bは適切。不動産購入資金の貸付けが行われるまでのつなぎとしての貸付けは、その不動産購入の貸付けが金融機関によるものでなくても除外契約に当たります。
cは不適切。売却予定の不動産の売却代金で弁済される貸付けは、貸付けの金額がその不動産の価格の範囲内であるものに限られます。
dは不適切。自動車購入資金の貸付けが除外契約になるのは、その自動車の所有権を貸金業者が取得し、又は自動車が譲渡担保の目的となっている場合です。
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途上与信(基準額超過極度方式基本契約の調査)
問9 1か月ごとの調査の要件・資力書面・減額措置・停止措置の解除
極度方式基本契約では、1か月ごとの期間の貸付けの合計額が5万円を超え、かつ残高が10万円を超えるときなどに、基準額超過極度方式基本契約に当たるかを調査します(13条の3)。
正答 4
①は不適切。1か月ごとの調査が必要なのは、所定の期間の貸付けの合計額が5万円を超え、かつ期間の末日の残高が10万円を超える場合です。合計額が5万円ちょうどなら要件を満たしません。
②は不適切。資力を明らかにする書面の提出を受ける必要があるのは、極度方式個人顧客合算額が100万円を超える場合などです。70万円では、それだけで提出義務は生じません。
③は不適切。3か月ごとの調査は、期間の末日に新たな極度方式貸付けを停止する措置を講じている場合などに不要となります。極度額を減額する措置を講じていたことだけでは不要になりません。
④は適切。新たな極度方式貸付けを停止する措置を解除しようとするときは、基準額超過極度方式基本契約に当たるかの調査をしなければなりません。
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貸付条件の広告
問10 ホームページアドレスと電話番号・主な返済例・新聞等の広告の留意事項・ギャンブル専門紙
貸付けの条件を広告するときの表示事項(15条、施行規則12条)と、自主規制規則の媒体ごとの留意事項を区別します。新聞・雑誌・電話帳の広告では比較広告をしないこととされ、ギャンブル専門紙・誌への出稿は禁止です。
正答 1
①は適切。広告に登録簿上のホームページアドレスを載せるときは、登録された電話番号もあわせて表示しなければなりません。
②は不適切。貸付けの条件の広告で、主な返済例の表示は求められていません。
③は不適切。新聞、雑誌又は電話帳の個人向け広告では、比較広告を行わないこととされています。合理的根拠があれば比較広告ができるという内容ではありません。
④は不適切。自主規制規則では、ギャンブル専門紙及びギャンブル専門誌へ個人向け貸付けの広告を掲出してはならないとされています。
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契約締結前の書面
問11 極度方式基本契約の記載事項・登録番号・電磁的方法・極度方式貸付け
極度方式基本契約を締結しようとするときは契約締結前の書面を交付しますが、その基本契約に基づく個々の極度方式貸付けには契約締結前の書面は不要です(16条の2)。
正答 2
①は不適切。極度方式基本契約の契約締結前の書面には、元本と利息以外に債務者が負担する金銭の事項も記載します。
②は適切。貸金業者の商号等と登録番号は記載事項ですが、契約の相手方の氏名・住所は記載事項に含まれていません。
③は不適切。相手方の承諾を得れば、記載事項を電磁的方法で提供できます(16条の2第4項)。
④は不適切。極度方式貸付けに係る契約については、契約締結前の書面の交付は求められていません(16条の2第1項括弧書)。
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保存すべき記録と帳簿
問12 従業者名簿・返済能力の調査記録・帳簿・信用情報の同意の記録
貸金業者が保存する書類ごとの保存期間を確かめます。帳簿は最終の返済期日などから少なくとも10年間、信用情報の同意の記録は指定信用情報機関が信用情報を保有している間保存します。
正答 4
適切なのはcとdで、正答は④です。
aは不適切。従業者名簿は、最終の記載をした日から10年間保存しなければなりません。営業所等を廃止するまでではありません。
bは不適切。返済能力の調査に関する記録は、貸付けの契約に定められた最終の返済期日(債権が消滅したときはその日)などまで保存します。作成後3年間ではありません。
cは適切。19条の帳簿は、契約に定められた最終の返済期日(債権が消滅したときはその日)から少なくとも10年間保存します。
dは適切。信用情報の提供等に係る同意の記録は、その同意によって指定信用情報機関が信用情報を持っている間、保存します。
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指定信用情報機関への信用情報の提供
問13 提供依頼の同意・個人信用情報の提供時期・機関名の公表・目的外使用
加入貸金業者は、資金需要者等の同意を得て信用情報の提供を依頼し、個人顧客との貸付けの契約を締結したときは遅滞なく個人信用情報を提供します。極度方式基本契約は提供の対象から除かれています。
正答 2
適切なのはaとcの2個で、正答は②です。
aは適切。信用情報の提供を依頼するときは、内閣府令で定める場合を除き、あらかじめ書面又は電磁的方法による同意を得なければなりません(41条の36第1項)。
bは不適切。個人信用情報を提供しなければならない契約から、極度方式基本契約は除かれています(41条の35第2項)。極度方式貸付けを行ったときに提供します。
cは適切。加入貸金業者には、加入している指定信用情報機関の商号又は名称を公表する義務があります。
dは不適切。監督指針は、途上与信のために取得した信用情報を勧誘に二次利用することに加え、債権の保全を目的として利用することも、返済能力の調査以外の目的による使用に当たるとしています。
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みなし利息
問14 カードの再発行手数料・再度の口座振替費用・ATM利用料・書面の再発行手数料
利息制限法では、元本以外に債権者が受ける金銭は原則として利息とみなされますが、債務者の要請による書面やカードの再発行手数料、上限内のATM利用料などは除かれます。
正答 4
適切なのはcとdで、正答は④です。
aは不適切。債務者の要請によるカードの再発行手数料は、利息とみなされません。
bは不適切。弁済期に弁済できなかった債務者の要請で行う再度の口座振替の費用も、利息とみなされません。
cは適切。ATM利用料は、1万円を超える弁済の受領なら220円(税込)までが利息とみなされない範囲です。
dは適切。債務者の要請による契約書面の再発行手数料は、利息とみなされません。
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登録の拒否事由
問15 心身の故障・破産者の復権・罰金刑・登録を取り消された法人の役員
貸金業法6条1項の登録拒否事由について、役員や政令で定める使用人に当てはめて判断します。破産者は復権を得れば拒否事由に当たりません。
正答 2
該当しないのは②で、正答は②です。
①は該当する。精神の機能の障害のため職務を適正に執行するのに必要な認知・判断・意思疎通を適切に行えない者は拒否事由に当たり、役員にいれば登録を拒否されます。
②は該当しない。拒否事由は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者で、復権を得ていれば5年の経過は要りません。
③は該当する。貸金業法の規定に違反して罰金刑に処せられ、執行を終わった日から5年を経過しない者は拒否事由に当たります。
④は該当する。登録を取り消された法人で、取消しの日前30日以内に役員であった者で取消しの日から5年を経過しないものは拒否事由に当たります。
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顧客等に関する情報管理態勢
問16 クレジットカード情報・法人関係情報・第三者提供の同意・アクセス権限
監督指針は、顧客情報へのアクセス権限を特定の役職員に集中させず、分散させることを着眼点としています。
正答 4
①は適切。クレジットカード情報等の保存期間の設定、画面表示の制限、内部監査は、監督指針の着眼点に含まれます。
②は適切。法人関係情報を入手し得る役職員の有価証券取引に報告を義務付けるなど、不公正な取引の防止措置も着眼点です。
③は適切。第三者提供の同意の取得で、優越的地位の濫用や利益相反が生じないよう留意し、過剰な範囲の同意を強いていないかも着眼点です。
④は不適切。監督指針は、アクセス管理の権限等を特定の役職員に集中させず、複数の役職員に分散させることを求めています。
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貸金業務取扱主任者
問17 設置の割合・常時勤務の意味・登録の取消し・氏名の明示
主任者は、営業所等で業務に従事する者50人に1人以上の割合で置きます。常時勤務とは、営業時間中ずっと駐在することではなく、社会通念上常時勤務していると認められる実態があることです。
正答 2
①は適切。営業所等ごとに、従事者の数に対する主任者の数の割合が50分の1以上となるように置かなければなりません(12条の3第1項、施行規則10条の7)。
②は不適切。監督指針は、営業時間内に営業所等に常時駐在する必要はないとしつつ、社会通念に照らし常時勤務していると認められるだけの実態が必要としています。
③は適切。主任者が職務に関し貸金業に関する法令に違反したり、著しく不適当な行為を行ったりしたときは、内閣総理大臣は主任者登録を取り消すことができます(24条の30)。
④は適切。資金需要者等から請求があったときは、業務を行う営業所等の主任者の氏名を明らかにしなければなりません。
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返済能力の調査と信用情報の使用
問18 法人顧客・個人保証人・媒介・極度方式貸付け
個人顧客等との貸付けの契約では、返済能力の調査に指定信用情報機関の信用情報を使用しますが、極度方式貸付けに係る契約など内閣府令で定めるものは除かれます(13条2項)。
正答 4
①は適切。法人との貸付けの契約では、指定信用情報機関の信用情報を使用する義務はありません。
②は適切。主たる債務者が法人でも、個人と保証契約を結ぶときは、その個人の返済能力の調査に信用情報を使用しなければなりません。
③は適切。他の貸金業者を債権者とする金銭の貸借の媒介に係る契約では、信用情報の使用は求められていません。
④は不適切。極度方式貸付けに係る契約は、信用情報の使用義務の対象から除かれています(13条2項括弧書)。
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極度額の増額と返済能力の調査
問19 古い源泉徴収票・減額後の回復・連絡不能による減額・調査記録
極度額の増額は返済能力の調査が必要で、合算額が100万円を超えるときなどは資力を明らかにする書面の提出を受けます。返済能力の低下以外の理由で一時的に減額した極度額を戻すときは、調査は要りません。
正答 1
①は不適切。既に提出を受けている書面で足りるのは、直近の期間に係るものなど所定の要件を満たす場合です。2年前の源泉徴収票では足りず、改めて提出を受ける必要があります。
②は適切。返済能力の低下を理由に減額した極度額を元に戻すのは増額に当たり、返済能力の調査が必要です。
③は適切。返済能力の低下ではなく連絡不能を理由に一時的に減額した極度額を元に戻す場合は、調査は必要ありません。
④は適切。極度額を増額したときは、増額の年月日や資力の調査結果などを記載した調査記録を作成し、保存しなければなりません(13条4項)。
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総量規制の例外契約
問20 合算額への算入・つなぎ融資・顧客に有利な借換え・緊急の医療費等
例外契約(施行規則10条の23)は、年収の3分の1を超えても締結できる契約ですが、残高は個人顧客合算額に算入されます。社会通念上緊急に必要な費用(特定費用)の貸付けは、返済期間3か月以内が要件です。
正答 4
①は適切。除外契約と違い、例外契約の残高は個人顧客合算額に算入されます。
②は適切。金融機関からの正規の貸付けが確実で、返済期間が1か月を超えないつなぎ融資は例外契約に当たります。
③は適切。1か月の負担と総返済額がともに既存債務を上回らず、物的担保も保証もない借換えは、顧客に一方的に有利な借換えとして例外契約に当たります。
④は不適切。特定費用を支払うための貸付けが例外契約になるのは、返済期間が3か月を超えないものです。1年ではありません。
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基本契約に係る書面の再交付
問21 極度額の引下げ・元の額までの引上げ・利率の引下げ・返済の方法の変更
極度方式基本契約の書面(17条2項)の記載事項を変更したときは、原則として変更後の書面を再交付します。相手方の利益となる変更など内閣府令で定める場合は、再交付が要りません。
正答 2
①は適切。極度額の引下げは相手方の利益となる変更として、再交付は不要です。
②は不適切。引き下げた極度額を元の額を上回らない範囲で引き上げる場合も、再交付は不要とされています。
③は適切。貸付けの利率の引下げも、相手方の利益となる変更として再交付は不要です。
④は適切。返済の方法と返済を受ける場所の変更は、利益となるか否かを問わず再交付が必要です。
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取立て行為の規制
問22 家族への名乗り・催告書面の封入・催告書面の記載事項・送付者の氏名
監督指針は、家族に知られないよう要請を受けていない場合に、自宅への電話で貸金業者と名乗ったり、郵送物に差出人として表示したりすることは、直ちに21条1項5号に当たるものではないとしています。
正答 1
①は不適切。家族に知られないよう要請を受けている場合を除き、電話で貸金業者と名乗ることや差出人の表示は、直ちに同号に該当するものではないとされています。要請の有無を問わず該当するおそれが大きいとするのは誤りです。
②は適切。支払を催告する書面を送付するときは、封をするなどして債務者以外の者に借入れの事実が明らかにならないようにします。
③は適切。催告書面には、催告する金額に加えて、契約年月日、貸付けの金額、貸付けの利率なども記載します(21条2項、施行規則)。
④は適切。送付する者の氏名は、その債権を管理する部門又は営業所等で当該債権を管理する者の氏名を記載します。
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債権譲渡等の規制
問23 譲受人への通知・譲受人への立入検査・17条書面の交付・自主規制規則
貸金業者が貸付けに係る債権を譲渡するときは、譲受人が貸金業者かどうかにかかわらず、譲受人に貸金業法の規定が適用される旨などを通知します(24条1項)。
正答 1
①は不適切。24条1項の通知は、譲受人が貸金業者である場合も必要です。
②は適切。債権の譲受人の営業所等の所在地の都道府県知事は、必要があるときは立入検査をさせることができます。
③は適切。譲受人は、24条で準用される17条の書面を遅滞なく債務者に交付しなければなりません。
④は適切。自主規制規則は、譲渡人・譲受人の役割分担の明確化と通知書への明記、廃業等で譲渡した場合の10年間の帳簿保管などを求めています。
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開始等の届出
問24 協会への加入・特定の保証業者・業務の委託・債権の譲受け
24条の6の2は、協会への加入・脱退、業務の委託、特定の保証業者との保証契約を通常の条件とすること、債権の譲渡などがあったときに、2週間以内の届出を求めています。
正答 4
①は適切。貸金業協会に加入又は脱退したときは、その日から2週間以内に届け出ます。
②は適切。特定の保証業者との保証契約の締結を貸付けの通常の条件とすることになったときも届出が必要です。
③は適切。業務の委託を行ったとき、又は行わなくなったときも届出が必要です。
④は不適切。届出が必要なのは、貸付けに係る債権を他人に譲渡したときです。他人から譲り受けたときではありません。
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監督と事業報告書
問25 純資産額の不足・役員の所在不明・事業報告書の提出期限・非協会員の広告の徴収
貸金業者は事業年度ごとに事業報告書を作成し、毎事業年度経過後3か月以内に提出します(24条の6の9)。
正答 3
①は適切。純資産額が基準に満たなくなった場合は、登録の取消し又は1年以内の業務の全部又は一部の停止を命じられます。
②は適切。役員の所在を確知できず、公告から30日を経過しても申出がないときは、登録を取り消すことができます。
③は不適切。事業報告書の提出期限は、毎事業年度経過後3か月以内です。30日以内ではありません。
④は適切。監督指針は、非協会員から四半期ごとに前四半期の広告等の写しなどを徴収するとしています。
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利息制限法の上限
問26 媒介手数料・元本50万円の上限金利・賠償額の予定・天引き
利息の上限は元本10万円未満20%、10万円以上100万円未満18%、100万円以上15%です。営業的金銭消費貸借の賠償額の予定の上限は年20%で、媒介手数料は利息制限法ではなく出資法で制限されています。
正答 1
①は不適切。利息制限法に、媒介手数料を1条の利率で計算した金額までとする規定はありません。金銭の貸借の媒介手数料は、出資法4条1項で貸借の金額の5%(期間1年未満は年5%の割合)までと制限されています。
②は適切。元本50万円の上限金利は年18%です(1条2号)。
③は適切。営業的金銭消費貸借の債務不履行による賠償額の予定は、元本に対する割合が年20%を超える部分が無効です(7条1項)。
④は適切。天引額が受領額を元本として計算した上限を超えるときは、超過部分は元本の支払に充てたものとみなされます(2条)。
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保証料の制限
問27 保証料の上限・変動利率の場合・保証料以外の金銭・利息の変更
保証業者が受ける保証料は、法定上限額から主たる債務の利息を引いた額が上限です。変動利率で特約上限利率の定めがなければ、法定上限額の2分の1が上限になります。
正答 3
①は適切。保証料が法定上限額から主たる債務の利息の額を減じた額を超えるときは、超過部分が無効です(利息制限法8条1項)。
②は適切。変動利率で特約上限利率の定めがない場合、保証料の上限は法定上限額の2分の1で、元本80万円なら80万円×18%÷2=72,000円です。
③は不適切。保証料以外の金銭は、契約の締結や債務の弁済の費用であっても原則として保証料とみなされ、公租公課など政令で定めるものだけが除かれます(8条7項)。
④は適切。元本10万円の法定上限額は1万8,000円で、保証料5,000円を引いた1万3,000円(13%)を超える利息は無効です(9条1項)。
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貸付け・債権管理の実務の解答・解説(15問)
民法の意思表示・無効と取消し・時効・連帯保証・相殺・相続・行為能力・代理・債権の効力・債権譲渡・定型約款と、手形法・電子記録債権法、民事執行法、破産法、犯罪収益移転防止法を扱う15問です。2020年施行の改正民法で整理された時効の完成猶予・更新、定型約款、債権譲渡の規定を、条文の要件どおりに当てはめます。
意思表示
問28 心裡留保・通謀虚偽表示・動機の錯誤・強迫と第三者
意思表示の無効・取消しと第三者保護を確かめます。強迫による取消しは、善意の第三者にも対抗できます。
正答 2
①は不適切。心裡留保は原則有効ですが、相手方が真意でないことを知り又は知ることができたときは無効です(民法93条1項ただし書)。
②は適切。虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗できません(94条2項)。
③は不適切。動機の錯誤で取り消せるのは、その事情が契約の基礎とされていることが表示されていたときに限られます(95条2項)。
④は不適切。強迫による取消しは、善意の第三者にも対抗できます(96条3項は詐欺に限られます)。
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無効と取消し
問29 無効行為の追認・制限行為能力者の取消し・追認後の取消し・追認の要件
無効な行為は追認しても遡って有効にならず、取り消せる行為は追認すると取り消せなくなります。錯誤・詐欺・強迫の追認は、取消しの原因となった状況が消滅し、取消権を知った後でなければ効力を生じません。
正答 4
①は不適切。無効な行為を知って追認したときは、新たな行為をしたものとみなされます(119条)。遡って有効にはなりません。
②は不適切。制限行為能力者は、法定代理人などの同意を得ずに単独で取り消せます(120条1項)。
③は不適切。取り消すことができる行為は、取消権者が追認した後は取り消せません(122条)。
④は適切。追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ取消権を有することを知った後にしなければ効力を生じません(124条1項)。
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時効
問30 確定判決による更新・仮差押え・承認の能力・時効の利益の放棄
2020年4月施行の改正民法の時効の完成猶予と更新を確かめます。仮差押えは、終了から6か月の完成猶予事由です。
正答 2
①は不適切。確定判決などで権利が確定したときは、その事由が終了した時から新たに時効が進行します(147条2項)。6か月後からではありません。
②は適切。仮差押えがある場合、その事由が終了した時から6か月を経過するまで時効は完成しません(149条)。
③は不適切。権利の承認には、相手方の権利の処分について行為能力の制限を受けていないことや権限があることを要しません(152条2項)。
④は不適切。時効の利益は、あらかじめ放棄することができません(146条)。
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連帯保証
問31 主たる債務者の意思・負担の加重・催告の抗弁・請求の効力
連帯保証人には催告と検索の抗弁がありません。連帯保証人に対する履行の請求は、別段の意思表示がない限り主たる債務者に効力を生じません。
正答 4
①は不適切。保証契約は債権者と保証人の契約で、主たる債務者の意思に反しても締結できます。
②は不適切。主たる債務の目的や態様が保証契約の締結後に加重されても、保証人の負担は加重されません(448条2項)。
③は不適切。連帯保証人には催告の抗弁権がありません(454条)。
④は適切。連帯保証人への履行の請求などによる時効の完成猶予・更新は相対的効力で、債権者と主たる債務者が別の意思を表示していなければ、主たる債務者には効力が及びません(458条、441条)。
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相殺
問32 弁済期・条件と期限・時効消滅後の相殺・差押え後に取得した債権
相殺するには自働債権が弁済期にあることが必要です。時効で消滅した債権でも、消滅前に相殺適状にあれば相殺できます。
正答 3
①は不適切。Aが甲債権を自働債権として相殺するには甲債権の弁済期が到来している必要があり、10月15日の時点では相殺できません(505条1項)。
②は不適切。相殺の意思表示には、条件又は期限を付けることができません(506条1項)。
③は適切。時効で消滅した債権でも、消滅以前に相殺に適するようになっていれば相殺できます(508条)。
④は不適切。差押え後に他人から譲り受けた債権は、差押え前の原因に基づくものでも、相殺をもって差押債権者に対抗できません(511条2項ただし書)。
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相続
問33 限定承認・相続放棄と代襲・承認と放棄の撤回・法定相続分
相続放棄をした者の子は代襲相続しません。配偶者と兄弟姉妹が相続人のとき、配偶者の相続分は4分の3です。
正答 1
①は適切。相続によって得た財産の限度でのみ債務と遺贈を弁済することを留保して承認できます(限定承認、922条)。
②は不適切。代襲相続の原因は相続開始以前の死亡、欠格、廃除で、相続放棄は含まれません(887条2項)。
③は不適切。相続の承認と放棄は、熟慮期間内でも撤回できません(919条1項)。
④は不適切。配偶者と兄弟姉妹が相続人のときは、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です(900条3号)。
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手形と電子記録債権
問34 支払呈示期間・分割払の記載・電子記録債権の譲渡・分割
約束手形に支払の条件や分割払を記載すると手形自体が無効になります。電子記録債権の譲渡は、譲渡記録をしなければ効力を生じません。
正答 1
①は適切。確定日払の約束手形は、支払期日かその後の2取引日のうちに支払呈示をします(手形法77条1項3号、38条1項)。
②は不適切。分割払の定めは手形を無効にする記載で、記載だけが無効になるのではなく手形自体が無効になります。
③は不適切。電子記録債権の譲渡は、譲渡記録をしなければ効力を生じません(電子記録債権法17条)。対抗要件ではなく効力要件です。
④は不適切。電子記録債権は、分割記録により分割できます(43条)。
次回受験での注意 政府は2026年度末までに紙の約束手形の利用を廃止する目標を示しており、電子記録債権への移行が進んでいます。手形法と電子記録債権法の規定は同じで、この問の正答は変わりません。
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強制執行
問35 執行証書と執行文・強制競売と強制管理・動産執行の開始・給料の差押禁止
強制執行は、執行文の付いた債務名義の正本に基づいて行います。給料債権は、原則として支払期に受けるべき給付の4分の3が差押禁止です。
正答 4
①は不適切。執行証書による強制執行にも、執行文の付与が必要です(民事執行法25条)。
②は不適切。不動産の強制執行は強制競売又は強制管理の方法で行い、両者は併用できます(43条1項)。
③は不適切。動産執行は、執行官の目的物に対する差押えにより開始します(122条1項)。執行裁判所の差押命令によるのは債権執行です。
④は適切。給料債権は支払期に受けるべき給付の4分の3が差押禁止で(152条1項)、月額28万円なら4分の3の21万円は政令の上限33万円の範囲内です。
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行為能力
問36 営業の許可・成年被後見人と同意・補助人の同意を要する行為・相手方の催告
成年被後見人の法律行為は、成年後見人の同意を得ても取り消せます。成年後見人には同意権がありません。
正答 2
①は適切。営業を許された未成年者は、その営業に関しては成年者と同一の行為能力を有します(6条1項)。
②は不適切。成年被後見人の法律行為は、日用品の購入など日常生活に関する行為を除き取り消すことができ(9条)、同意を得ても有効に借財や保証をすることはできません。
③は適切。補助人の同意を要する旨の審判ができる行為は、13条1項に定める行為の一部に限られます(17条1項ただし書)。
④は適切。法定代理人などに1か月以上の期間を定めて催告し、期間内に確答を発しないときは、追認したものとみなされます(20条2項)。
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代理
問37 顕名のない代理・任意代理人の復代理・代理人の後見開始・代理権消滅後の表見代理
代理権の消滅後に代理人が代理行為をした場合、本人が責任を負うのは、相手方が代理権の消滅を知らず、かつ知らないことに過失がないときです(112条1項)。
正答 4
①は適切。代理人が本人のためにすることを示さなくても、相手方が代理人であることを知っていたときは、本人に直接効力が生じます(100条ただし書)。
②は適切。任意代理人は、本人の許諾を得たときか、やむを得ない事由があるときでなければ復代理人を選任できません(104条)。
③は適切。代理人が後見開始の審判を受けたときは、代理権は消滅します(111条1項2号)。
④は不適切。相手方が代理権の消滅を知らなかったことに過失があるときは、本人は責任を負いません(112条1項ただし書)。
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債権の効力
問38 受領遅滞中の保存義務・特別損害・賠償額の予定・賠償者の代位
特別の事情による損害も、当事者がその事情を予見すべきであったときは賠償を請求できます(416条2項)。
正答 2
①は適切。債権者の受領遅滞中は、特定物の引渡債務者は自己の財産に対するのと同一の注意で保存すれば足ります(413条1項)。
②は不適切。特別の事情によって生じた損害は、特約がなくても、当事者がその事情を予見すべきであったときは賠償を請求できます(416条2項)。
③は適切。当事者は損害賠償の額を予定でき、予定は履行の請求や解除権の行使を妨げません(420条1項・2項)。
④は適切。債権者が損害賠償として物や権利の価額の全部の支払を受けたときは、債務者はその物や権利について当然に債権者に代位します(422条)。
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債権譲渡
問39 譲渡制限特約付き債権の供託・将来債権の譲渡・債務者への対抗要件・相殺
債権譲渡を債務者に対抗するには、譲渡人からの通知か債務者の承諾があれば足り、確定日付は第三者に対抗するための要件です。
正答 3
①は適切。譲渡制限の意思表示がされた金銭債権が譲渡されたときは、債務者は全額を債務の履行地の供託所に供託できます(466条の2第1項)。
②は適切。債権の譲渡は、意思表示の時に債権が現に発生していなくても有効です(466条の6第1項)。
③は不適切。債務者に対抗するには通知又は承諾があれば足り、確定日付のある証書は債務者以外の第三者に対抗するために必要です(467条1項・2項)。
④は適切。対抗要件具備時より後に取得した債権でも、それより前の原因に基づいて生じたものなら相殺を譲受人に対抗できますが、他人から取得した債権は除かれます(469条2項)。
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定型約款
問40 内容の表示・不当条項・変更の周知・相手方の利益となる変更
定型約款準備者は、相手方から請求があったときに遅滞なく内容を示せばよく、契約前に必ず内容を示す義務はありません(548条の3第1項)。
正答 1
①は不適切。定型約款の内容は、定型取引合意の前後に相手方から請求があった場合に示せば足ります。事前に必ず示さなければならないわけではありません。
②は適切。相手方の権利を制限し義務を加重する条項で、信義則に反して相手方の利益を一方的に害するものは、合意をしなかったものとみなされます(548条の2第2項)。
③は適切。定型約款を変更するときは、効力発生時期を定め、変更する旨と変更後の内容、効力発生時期をインターネットなどで周知しなければなりません(548条の4第2項)。
④は適切。変更が相手方の一般の利益に適合するときは、個別の合意なしに契約内容を変更できます(548条の4第1項1号)。
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破産法
問41 破産債権・財団債権・別除権・相殺
別除権は、担保権者が破産手続によらずに担保目的物から回収できる権利です。破産債権は破産手続によらなければ行使できません。
正答 3
①は適切。破産債権は破産手続開始前の原因に基づく財産上の請求権で財団債権でないものをいい、特別の定めがある場合を除き破産手続によらなければ行使できません(破産法2条5項、100条1項)。
②は適切。破産債権者全体の利益のための裁判上の費用の請求権は財団債権で、破産財団から随時弁済を受けられます(148条1項1号、151条)。
③は不適切。別除権は、破産手続によらないで行使できます(65条1項)。
④は適切。破産手続開始の申立ての1年以上前の原因に基づいて負担した債務であれば、相殺禁止の例外として相殺できます(71条2項3号)。
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犯罪収益移転防止法の本人特定事項の確認
問42 書類2点の提示・書類と補完書類・本人の容貌と書類の画像・写しと転送不要郵便
非対面で本人確認書類の写しの送付を受ける方法は、写し1点と転送不要郵便の組合せだけでは足りず、2点の写しなどが必要とされていました(2020年4月施行の施行規則改正)。
正答 4
該当しないのは④で、正答は④です。
①は該当する。顔写真のない本人確認書類2点の提示を受ける方法は、確認方法として認められています。
②は該当する。顔写真のない本人確認書類の提示に加え、現在の住居が記載された公共料金の領収証書などの送付を受ける方法も認められています。
③は該当する。専用ソフトウェアで撮影させた本人の容貌と、厚みなどの特徴を確認できる運転免許証の画像の送信を受ける方法も認められています。
④は該当しない。運転免許証の写し1点の送付に転送不要郵便を組み合わせる方法は、2020年4月の改正で認められなくなりました。
次回受験での注意 国民年金手帳は2022年4月に新規の交付が終わり、健康保険証も2024年12月に新規発行が停止されました。また、2027年4月1日施行の施行規則改正で、本人確認書類の写しや画像の送付を使う非対面の方法は廃止され、ICチップの読取りなどによる方法が中心になります。出題時の制度での正答は変わりません。
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資金需要者等の保護の解答・解説(5問)
個人情報保護法の定義とガイドライン、消費者契約法、日本貸金業協会の紛争解決等業務規則と勧誘規制を扱う5問です。取消しと無効、第三者提供と委託、苦情と紛争の定義のように、効果や区分を入れ替えた肢に注意します。
個人情報保護法の定義
問43 個人識別符号・個人情報取扱事業者・保有個人データ・要配慮個人情報
個人情報取扱事業者は、取り扱う個人情報の数にかかわらず、個人情報データベース等を事業に使う者です。携帯電話番号やクレジットカード番号は個人識別符号に当たりません。
正答 2
①は不適切。携帯電話番号やクレジットカード番号は、個人識別符号に該当しません。
②は適切。個人情報データベース等を事業の用に供している者は、識別される個人の数の多寡にかかわらず個人情報取扱事業者です。
③は不適切。保有個人データは開示等の権限を有する個人データですが、その存否が明らかになることで公益その他の利益が害されるものは除かれます。権限があるものに限られるという説明だけでは足りません。
④は不適切。犯罪により害を被った事実も、要配慮個人情報に含まれます(施行令2条)。
次回受験での注意 2022年4月施行の改正で、6か月以内に消去する個人データも保有個人データに含まれるようになり、条番号も変わりました(現行16条4項)。この問の正答は変わりません。
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消費者契約法
問44 事業者の定義・不利益事実の不告知・平均的な損害・故意重過失の一部免除
不利益事実の不告知は取消事由で、無効ではありません。平均的な損害を超える違約金条項は、超える部分だけが無効です。
正答 4
①は不適切。事業として又は事業のために契約の当事者となる個人も、事業者に当たります(2条2項)。
②は不適切。不利益事実の不告知により誤認して意思表示をしたときは、その意思表示を取り消すことができます(4条2項)。無効ではありません。
③は不適切。平均的な損害の額を超える損害賠償額の予定は、その超える部分について無効です(9条1項1号)。条項全体が無効になるのではありません。
④は適切。事業者の故意又は重大な過失による債務不履行の責任の一部を免除する条項は無効です(8条1項2号)。
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紛争解決等業務に関する規則
問45 苦情の定義・紛争の定義・代理人・申立てができる者
日本貸金業協会の紛争解決等業務に関する規則の定義を確かめます。貸金業務関連紛争は、自主的な交渉では解決できない苦情のうち、当事者が和解をすることができるものです。
正答 1
①は適切。貸金業務等関連苦情とは、貸金業務等に関し、契約者等が当該貸金業務等を行った者に対して不満足を表明することをいいます。
②は不適切。貸金業務関連紛争は、当事者が和解をすることができるものをいいます。和解ができないものではありません。
③は不適切。苦情処理手続の代理人は、法定代理人、弁護士、司法書士、行政書士の4者に限定されていません。
④は不適切。代表者又は管理人の定めのある法人でない社団や財団も、紛争解決手続開始の申立てができます。
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個人情報保護のガイドライン
問46 グループ会社間の提供・共同利用の変更・委託先への提供・個人信用情報機関
業務の委託に伴う個人データの提供は、委託先が第三者に当たらない典型例です。グループ会社間の提供は第三者提供に当たります。
正答 3
①は適切。親子兄弟会社やグループ会社の間で個人データを交換する場合も、委託・事業承継・共同利用に当たらない限り第三者提供です。
②は適切。共同利用者の利用目的は通常予期し得る範囲内で、管理責任者は変更でき、いずれも変更前に本人に通知するか容易に知り得る状態に置きます。
③は不適切。利用目的の達成に必要な範囲内で業務の委託に伴い個人データを提供する場合、提供先は第三者に該当しません(出題時の23条5項1号)。
④は適切。金融分野ガイドラインは、個人信用情報機関への返済能力に関する情報の提供にオプトアウトを用いないこととしています。
次回受験での注意 2022年4月施行の改正で条番号が変わり、委託先への提供の規定は現在27条5項1号です。この問の正答は変わりません。
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自主規制規則の勧誘規制
問47 勧誘拒否の意思表示・特定取引の勧誘拒否・理解困難な者への勧誘・債務者等の承諾
自主規制規則は、障害等で契約内容の理解が困難な資金需要者等と、そのことを認識しながら契約を締結することを禁じています。丁寧に説明すれば勧誘できるという扱いではありません。
正答 3
①は適切。勧誘を一切拒否する強い意思表示があったときは、最低1年間は一切の勧誘を見合わせ、その後も私生活や業務への影響が大きい方法での勧誘は行わないことを目処とします。
②は適切。特定の取引の勧誘を受けたくないという意思表示があったときは、最低6か月間はその取引と類似の取引の勧誘を見合わせることを目処とします。
③は不適切。契約内容の理解が困難なことを認識した場合は、丁寧に説明して勧誘を続けるのではなく、そのことを認識しながら契約を締結してはなりません。
④は適切。債務者等への勧誘は承諾を得て行い、店頭で口頭の承諾を確認して記録を作成・保管する方法などが例示されています。
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