2020年12月6日実施・全50問・公式正解照合

管理業務主任者試験
令和2年度の解答・解説

令和2年度の管理業務主任者試験について、問1〜50の公式正解と各肢の判断根拠をこのページに載せています。問題本文は転載していないため、一般社団法人マンション管理業協会の公式問題PDFを開き、問番号を合わせて読んでください。

公開 ・更新 ・作成 資格Hub(運営 Boson)・正答の照合方法

令和2年度の合格基準点と合格率

試験日2020年12月6日
合格基準点50問中37問以上正解(試験の一部免除者は45問中32問以上正解)
受験者数・合格者数15,667人・3,739人
合格率23.9%

出典:マンション管理業協会「令和2年度 管理業務主任者試験 結果報告」(令和3年3月9日、問18の正解追加後)

令和8年度に読み替える点

各問の正解は、出題年度の法令・規約で判断しています。2026年4月1日に改正区分所有法などが施行され、集会の普通決議は出席者の各過半数で、規約の変更や共用部分の重大変更は区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で出席者の各4分の3以上で決める形に改められました。招集通知にはすべての議題で議案の要領を示し、耐震性不足などの建物は建替え決議の要件が4分の3に下がり、被災マンション法の再建決議は区分所有法75条に移っています。

改正で扱いが変わる肢は、その問の解説に注記しています。令和8年度の受験では、改正後の条文をe-Gov法令検索の区分所有法で確かめてください。

正答一覧(全50問)

公式問題・正解と照合しています。問番号を選ぶと各肢の根拠へ移動します。

民法・管理委託契約

問題正答論点
問12相続人と相続分
問23請負契約の代金減額・破産・解除・通知
問34制限行為能力者の取引
問43マンションでの不法行為の責任
問51管理委託契約の無権代理
問62債務不履行による解除と原状回復
問72管理委託契約の解除と解約
問81管理事務の再委託
問94維持・修繕の企画と実施の調整
問101滞納管理費の請求訴訟
問111少額訴訟の手続

標準管理規約

問題正答論点
問123管理組合の会計
問132役員の権限と義務

会計・税務

問題正答論点
問142管理組合の税務
問154管理費等の入金の仕訳
問163工事代金と備品の仕訳

建物・設備・修繕

問題正答論点
問174耐火・防火設備と内装制限
問181・2・3建築確認が不要な工事
問191換気方式と換気回数
問202防火管理者と統括防火管理者
問214住宅用防災機器の設置
問224石綿(アスベスト)
問232給排水衛生設備の用語
問242バリアフリー法の用語
問251品確法の目的
問264長期修繕計画作成ガイドラインの目的
問274長期修繕計画の前提条件
問283修繕積立金の額の設定方法

区分所有法・標準管理規約

問題正答論点
問294集会の招集と書面による決議
問304総会の招集通知のあて先
問313共用部分の工事と総会の決議要件
問322総会に出席できる者
問332管理組合法人と標準管理規約の役員
問343全体共用部分と一部共用部分
問354法定敷地とみなし規約敷地
問363管理所有
問371区分所有者の責任と特定承継人
問381公正証書による原始規約
問392建物の基本的な安全性と設計・施工者等の責任

マンション管理適正化法

問題正答論点
問462管理業務主任者証の交付と提出
問473マンション管理業者の帳簿・標識・書面・再委託
問484修繕積立金等の分別管理
問494マンション管理業の登録と欠格事由
問501重要事項の説明と契約成立時の書面

令和5〜7年度150問の管理業務主任者解説集PDF

解説を全150問・600肢そろえた268ページのPDFです。 買い切りで、購入後すぐダウンロードできます。

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この年度の出題構成

7分野に分かれ、最多の建物・設備・修繕は12問(24%)です。復習する分野は、各問の正誤と理解できなかった根拠から選べます。

次に多いのが区分所有法・標準管理規約の11問で、上位2分野で46%を占めます。

当サイトの分類では論点名が50件あり、同名の論点は重複していません。名称が異なる問題でも、必要な知識や考え方が共通する場合があります。

読み取れた48問の正答番号は2の13件から1の10件までで、番号の偏りはほとんどありません。

分野出題数割合この年に問われた論点
建物・設備・修繕12問24%耐火・防火設備と内装制限、建築確認が不要な工事、換気方式と換気回数、防火管理者と統括防火管理者、住宅用防災機器の設置、石綿(アスベスト)、給排水衛生設備の用語、バリアフリー法の用語
区分所有法・標準管理規約11問22%集会の招集と書面による決議、総会の招集通知のあて先、共用部分の工事と総会の決議要件、総会に出席できる者、管理組合法人と標準管理規約の役員、全体共用部分と一部共用部分、法定敷地とみなし規約敷地、管理所有
民法・管理委託契約11問22%相続人と相続分、請負契約の代金減額・破産・解除・通知、制限行為能力者の取引、マンションでの不法行為の責任、管理委託契約の無権代理、債務不履行による解除と原状回復、管理委託契約の解除と解約、管理事務の再委託
管理実務・関連法令6問12%不動産登記の記録と申請、個人情報保護法と管理組合、マンションでの住宅宿泊事業、専有部分の賃貸借、車庫法・警備業法・郵便法・耐震改修促進法、マンション売買の重要事項説明
マンション管理適正化法5問10%管理業務主任者証の交付と提出、マンション管理業者の帳簿・標識・書面・再委託、修繕積立金等の分別管理、マンション管理業の登録と欠格事由、重要事項の説明と契約成立時の書面
会計・税務3問6%管理組合の税務、管理費等の入金の仕訳、工事代金と備品の仕訳
標準管理規約2問4%管理組合の会計、役員の権限と義務
正答番号1234
件数10131213

集計は当サイトが公開している全50問・200件の解説から作成しました。問題と正答は試験実施団体の公表資料と照合しています。

民法・管理委託契約の解答・解説(11問)

問1 相続人と相続分

被相続人Aに配偶者B、子C、父Dがいる場合について、AとCの同時死亡、Aの死亡後のCの死亡、Aより先のCの死亡、共有持分の放棄の帰属を確かめます。

正解 2

Aの死亡でBとCが土地を相続した後にCが死亡すると、子も配偶者もいないCの相続人は母Bになり、最終的にBだけが土地を取得します。2が正しい記述です。

1 ×

AとCが同時に死亡したと推定される場合(民法32条の2)、Cは相続人にならず、相続人は配偶者Bと直系尊属Dです。Dの相続分は3分の1です(900条2号)。

2 ○

Aの死亡でBとCが相続し、続いてCが死亡すると、Cの相続人は直系尊属のBだけです(889条1項1号)。Bが土地の全部を取得します。

3 ×

CがAより先に死亡し、Cに代襲する子がいなければ、相続人はBとDで、Bの相続分は3分の2です。

4 ×

共有者の一人が持分を放棄すると、その持分は他の共有者に帰属します(255条)。Cの持分はBのものになり、国庫には帰属しません。

公式問題で問1を見る

問2 請負契約の代金減額・破産・解除・通知

浴室リフォームの請負契約について、修補できる場合の代金減額請求、注文者の破産と解除、完成後の注文者による解除、契約不適合の通知期間を確かめます。

正解 3

注文者が損害を賠償して解除できるのは、請負人が仕事を完成しない間に限られます(民法641条)。完成後でも解除できるとする3が誤りです。

1 ○

修補が可能な場合、代金の減額を請求するには、まず相当の期間を定めて修補を催告する必要があります(559条で563条1項を準用)。直ちには請求できません。

2 ○

注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人か破産管財人が契約を解除できます(642条1項)。

3 ×

641条による解除は仕事の完成前に限られ、契約内容どおりに完成した後はできません。

4 ○

注文者が不適合を知った時から1年以内に通知しないと、修補などの追完請求ができなくなります(637条1項)。

公式問題で問2を見る

問3 制限行為能力者の取引

住戸の売却について、成年被後見人が後見人の同意を得た場合、制限行為能力者を代理人にした場合、被保佐人の行為への催告、保佐人が同意しない場合の家庭裁判所の許可を確かめます。

正解 4

保佐人が、被保佐人の利益を害するおそれがないのに同意しないときは、家庭裁判所は被保佐人の請求で同意に代わる許可を与えられます(民法13条3項)。4が正しい記述です。

1 ×

成年被後見人の法律行為は、成年後見人の同意を得ていても取り消せます(9条)。成年後見人には同意権がありません。

2 ×

制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限を理由に取り消せません(102条)。

3 ×

被保佐人に対し保佐人の追認を得るよう催告し、期間内に追認を得た旨の通知がないときは、取り消したものとみなされます(20条4項)。

4 ○

保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないのに同意しないときは、家庭裁判所が同意に代わる許可を与えられます(13条3項)。

公式問題で問3を見る

問4 マンションでの不法行為の責任

外壁工事の足場の部品落下、外壁タイルの落下による賠償債務の遅滞の時期、専有部分の瑕疵による損害、17歳の子の事故について、責任を負う者を確かめます。

正解 3

専有部分の設置・保存の瑕疵で他人に損害を与えた場合、その専有部分に住む区分所有者は、瑕疵が施工会社の過失によるものでも賠償責任を免れません(民法717条1項)。3が正しい記述です。

1 ×

足場の部品を落とした従業員Cの使用者は施工会社Bで、Bが使用者責任を負います(715条)。注文者の管理組合Aは、注文や指図に過失がない限り責任を負いません(716条)。

2 ×

不法行為による損害賠償債務は、損害の発生と同時に遅滞に陥るとされています。請求した時点からではありません。

3 ○

工作物の占有者兼所有者であるGは、損害の発生を防ぐ注意をしていても責任を免れません(717条1項)。施工会社の過失なら、賠償後にHへ求償できます(同条3項)。

4 ×

17歳の子には通常、責任能力があり、本人のJに損害賠償を請求できます(709条、712条)。親のIには、監督義務違反があれば709条で請求できます。

公式問題で問4を見る

問5 管理委託契約の無権代理

代理権のないAが管理業者Bの代理人と称して管理委託契約を結んだ場合について、催告に確答がない場合、相手方の取消権、無権代理人の責任、無権代理人が制限行為能力者の場合を確かめます。

正解 1

催告の期間内に本人Bが確答しないときは、追認を拒絶したものとみなされます(民法114条)。追認したとみなすとする1が誤りです。

1 ×

期間内に確答がなければ、追認を拒絶したものとみなされます(114条後段)。

2 ○

契約時にAに代理権がないことを知らなかった相手方Cは、本人が追認しない間は契約を取り消せます(115条)。

3 ○

本人が追認を拒絶したときは、Cは無権代理人Aに対し、自分の選択で履行か損害賠償を請求できます(117条1項)。

4 ○

無権代理人が行為能力の制限を受けていたときは、無権代理人の責任は生じません(117条2項3号)。

公式問題で問5を見る

問6 債務不履行による解除と原状回復

管理業者の債務不履行で管理委託契約を解除した場合について、解除の意思表示の撤回、受領した金銭の返還と利息、全部不能の場合の無催告解除、一部不能の場合の全部解除を確かめます。

正解 2

解除で金銭を返還するときは、受領の時からの利息を付けなければなりません(民法545条2項)。利息は不要とする2が誤りです。

1 ○

解除の意思表示は撤回できません(540条2項)。

2 ×

金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければなりません(545条2項)。

3 ○

債務の全部が履行不能なら、債務者の責めに帰する事由がなくても、催告なしに直ちに解除できます(542条1項1号)。

4 ○

一部が履行不能でも、残りだけでは契約の目的を達せられないときは、契約の全部を解除できます(542条1項3号)。

公式問題で問6を見る

問7 管理委託契約の解除と解約

標準管理委託契約書について、義務の不履行による解除の手続、管理業者の倒産手続開始の申立てと登録の取消しによる解除、解約の申入れの期間を確かめます。

正解 2

適切なのはイとウの二つで、正解は2です。

ア ×

相手方が義務の履行を怠ったときは、相当の期間を定めて催告し、それでも履行しないときに解除できます(第20条1項)。直ちには解除できません。

イ ○

管理業者に破産、会社更生、民事再生などの手続開始の申立てがあったときは、催告なしに解除できます(第20条2項)。

ウ ○

管理業者がマンション管理業の登録の取消しの処分を受けたときも、催告なしに解除できます(第20条2項)。

エ ×

解約の申入れは、少なくとも3か月前に書面で行います(第21条)。1か月前ではありません。

令和8年度 令和5年9月・令和7年12月の改訂後も、第20条と第21条の内容は同じです。

公式問題で問7を見る

問8 管理事務の再委託

標準管理委託契約書について、建物・設備管理業務の再委託の範囲、再委託した場合の責任、再委託先の通知、収納事務を集金代行会社に再委託する場合の通知を確かめます。

正解 1

建物・設備管理業務は、管理員業務や清掃業務と同じく、全部でも一部でも再委託できます(第4条1項)。全部は再委託できないとする1が最も不適切です。

1 ×

再委託できないのは事務管理業務の全部(基幹事務の一括再委託)で、建物・設備管理業務は全部を再委託できます(第4条1項)。

2 ○

管理事務を再委託した場合も、再委託した管理事務の適正な処理について管理業者が管理組合に責任を負います(第4条2項)。

3 ○

契約時に再委託する管理事務と再委託先の名称が分かっていれば、事前に管理組合に通知することが望ましいとされています(第4条関係コメント)。

4 ○

管理費等の収納事務を集金代行会社に再委託する場合は、事務が極めて重要なため、再委託先の名称などを事前に通知すべきとされています(第4条関係コメント)。

令和8年度 令和5年9月・令和7年12月の改訂後も、第4条の再委託の扱いは同じです。

公式問題で問8を見る

問9 維持・修繕の企画と実施の調整

標準管理委託契約書の別表第1の維持・修繕の企画・実施の調整について、長期修繕計画の見直しの助言、長期修繕計画案の作成業務の契約形態、外注の修繕の見積書受理と発注補助、大規模修繕の意味を確かめます。

正解 4

アからエはいずれも適切で、正解は4です。

ア ○

管理事務で把握した劣化状況から長期修繕計画の修繕内容や時期、概算費用などに改善が必要と判断したときは、書面で管理組合に助言します(別表第1 1(3))。

イ ○

長期修繕計画案の作成や、劣化状況の調査・診断とそれに基づく見直しを行う場合は、管理委託契約とは別の契約にします(別表第1 1(3))。

ウ ○

管理組合が大規模修繕以外の修繕や保守点検を他の業者に外注する場合、管理業者は見積書の受理、発注補助、実施の確認を行います(別表第1 1(3))。

エ ○

大規模修繕は、建物の全体か複数の部位について、修繕積立金を充てて行う計画的な修繕や、特別な事情で必要になる修繕などをいいます(別表第1 1(3)関係コメント)。

令和8年度 令和5年9月・令和7年12月の改訂後も、別表第1 1(3)の内容は同じです。

公式問題で問9を見る

問10 滞納管理費の請求訴訟

理事長兼管理者が滞納者に請求訴訟を起こす場合について、提訴前の内容証明郵便の要否、所在不明の被告、簡易裁判所の管轄、訴状の送達先を確かめます。

正解 1

訴えを起こす前に内容証明郵便で催告することは、訴え提起の要件ではありません。必要とする1が誤りです。

1 ×

催告は時効の完成猶予などに使われますが、訴えの提起の前提条件ではありません。

2 ○

被告の所在が分からなくても訴えは提起でき、訴状は公示送達で送達できます(民事訴訟法110条)。

3 ○

訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求は、簡易裁判所が管轄します(裁判所法33条1項1号)。

4 ○

送達は受送達者の住所、居所などでするのが原則で(民事訴訟法103条1項)、Bが生活の本拠としている住所に送達されます。

令和8年度 現行の民事訴訟法・裁判所法でも、この問の正誤は変わりません。

公式問題で問10を見る

問11 少額訴訟の手続

少額訴訟について、同じ簡易裁判所で利用できる回数、終局判決への不服申立て、通常の手続への移行の期限、反訴の可否を確かめます。

正解 1

少額訴訟を求められるのは、同一の簡易裁判所で同一の年に10回までです(民事訴訟法368条1項ただし書、民事訴訟規則223条)。1が正しい記述です。

1 ○

同じ簡易裁判所で同じ年に少額訴訟を求められる回数は10回までです(民事訴訟規則223条)。

2 ×

少額訴訟の終局判決には控訴できず(377条)、判決をした裁判所に異議を申し立てます(378条)。

3 ×

被告が通常の手続への移行を申し出られるのは、最初の口頭弁論の期日で弁論をするまでです(373条1項)。

4 ×

少額訴訟では反訴を提起できません(369条)。

令和8年度 現行の民事訴訟法でも、少額訴訟の回数の制限、控訴の禁止、移行の期限、反訴の禁止は同じです。

公式問題で問11を見る

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標準管理規約の解答・解説(2問)

問12 管理組合の会計

標準管理規約の会計について、通常の管理経費が不足した場合の借入れ、管理費の余剰の扱い、管理費等が不足した場合の負担、収支決算案の会計監査の時期を確かめます。

正解 3

管理費等に不足が生じたときは、組合員に管理費等の負担割合(共用部分の共有持分)に応じて必要な金額の負担を求められ(61条2項)、その賦課徴収の方法は総会で決めます(48条6号)。3が最も適切です。

1 ×

管理組合が借入れできるのは、修繕などの特別の管理(28条1項)を行うため必要な範囲で(63条)、総会の決議が必要です(48条)。通常の管理経費の不足を理事会の決議で借り入れることはできません。

2 ×

管理費の余剰は、翌年度の管理費に充当します(61条1項)。

3 ○

管理費等が不足したときは、共用部分の共有持分に応じた管理費等の負担割合により、その都度必要な金額の負担を求められます(61条2項)。

4 ×

収支決算案は、監事の会計監査を経てから通常総会に報告し、承認を得ます(59条)。承認後に監査を受けることはできません。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約でも、59条、61条、63条の内容は同じです。

公式問題で問12を見る

問13 役員の権限と義務

標準管理規約の役員について、理事長による臨時総会の招集、監事による理事会の招集、理事が著しい損害のおそれを発見した場合の報告、会計担当理事の設置を確かめます。

正解 2

適切なのはウとエの二つで、正解は2です。

ア ×

理事長が臨時総会を招集するには、理事会の決議を経る必要があります(42条4項)。

イ ×

監事は、理事の不正などを理事会に報告し、必要なら理事長に理事会の招集を請求します(41条5項・6項)。直ちに自ら招集できるわけではありません。

ウ ○

理事は、管理組合に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに監事に報告しなければなりません(40条2項)。

エ ○

役員として会計担当理事を置き(35条1項3号)、管理費等の収納、保管、運用、支出などの会計業務を行わせます(40条3項)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約でも、各肢の扱いは同じです。

公式問題で問13を見る

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会計・税務の解答・解説(3問)

問14 管理組合の税務

管理組合の税務について、借入金の支払利息と消費税、組合員だけに貸す駐車場の使用料、携帯電話基地局の設置料、消費税の特定期間による納税義務の判定を確かめます。

正解 2

組合員だけに駐車場を貸して得る使用料は、組合員のための共済的な事業として収益事業に当たりません。収益事業として課税されるとする2が最も不適切です。

1 ○

金融機関からの借入金の利子は、消費税の非課税取引です。

2 ×

組合員のみを対象とする駐車場の貸付けは、区分所有者の共同の利益のための事業で、法人税法上の収益事業に当たらないとされています。

3 ○

携帯電話基地局の設置のために共用部分を通信事業者に貸す賃貸料は、収益事業の不動産貸付業に当たります。

4 ○

基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、特定期間の課税売上高と給与総額がともに1,000万円を超えれば、納税義務は免除されません(消費税法9条の2)。

令和8年度 2026年4月時点の法人税法・消費税法でも、この問の正誤は変わりません。

公式問題で問14を見る

問15 管理費等の入金の仕訳

3月中の入金に、2月以前の未収分、3月分、4月分の前払いが混じっている場合の、発生主義による3月分の仕訳を確かめます。

正解 4

2月以前分は未収入金の回収、3月分は当月の収入、4月分は前受金として処理します。この仕訳の4が最も適切です。

1 ×

未収分も前払分もすべて当月の収入にしています。発生主義では当月分だけを収入にします。

2 ×

未収入金の回収は正しく処理していますが、4月分まで3月の収入に含めています。

3 ×

前受金の処理は正しいものの、2月以前分を3月の収入に含めています。

4 ○

普通預金2,050,000円の入金に対し、貸方に未収入金135,000円、3月分の管理費収入150,000円・修繕積立金収入45,000円・駐車場使用料収入10,000円、前受金1,710,000円を計上します。

令和8年度 仕訳と勘定科目の考え方は出題当時と同じで、令和8年度もこの手順で解けます。

公式問題で問15を見る

問16 工事代金と備品の仕訳

2月に完了した排水管更新工事の3月の支払、3月に完了し3月末に支払った監視カメラの取付工事、4月に実施する外階段の塗装修理について、発生主義による3月分の仕訳を確かめます。

正解 3

①は2月に計上した未払金の支払、②は3月に完了して3月に支払った什器備品の計上で、③は4月の工事なので3月には仕訳しません。この組合せの3が最も適切です。

1 ×

③の修理は4月に実施するため、3月に修繕費や前払金を計上しません。①も2月に計上済みです。

2 ×

①の工事は2月に計上済みで、3月は未払金を減らすだけです。③を前払金にすることもありません。

3 ○

借方に未払金850,000円と什器備品1,500,000円、貸方に普通預金2,350,000円を計上します。③の修理は4月の取引です。

4 ×

③を3月に修繕費と未払金で計上しており、①も二重計上になっています。

令和8年度 仕訳と勘定科目の考え方は出題当時と同じで、令和8年度もこの手順で解けます。

公式問題で問16を見る

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建物・設備・修繕の解答・解説(12問)

問17 耐火・防火設備と内装制限

建築基準法について、準耐火構造が求められる建築物に耐火構造を使えるか、防火設備の例、主要構造部と構造耐力上主要な部分に共通する部材、内装制限を受ける部位を確かめます。

正解 4

内装の仕上げ材料の制限を受けるのは、壁と天井の室内に面する部分で、床は対象外です。床を含めるとする4が誤りです。

1 ○

耐火構造は準耐火構造の性能を上回るため、準耐火構造が求められる建築物を耐火構造にすることもできます。

2 ○

防火設備は、防火戸、ドレンチャーその他火炎を遮る設備です(建築基準法施行令109条1項)。

3 ○

主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)と構造耐力上主要な部分(基礎、壁、柱、床版、屋根版、横架材など)には、壁や柱が共通して含まれます(2条5号、施行令1条3号)。

4 ×

内装制限の対象は居室などの壁と天井の室内に面する部分で(35条の2、施行令128条の5)、床は含まれません。

公式問題で問17を見る

問18 建築確認が不要な工事

都市計画区域内の工事について、従前と同規模の建替え(改築)、主要構造部の過半の修繕、ホテルから共同住宅への用途変更、準防火地域内の15㎡の物置の増築に建築確認が必要かを確かめます。

正解 1・2・3

肢1〜3は、建物の規模や構造によっては確認が不要になります。試験実施機関は当初の正解3に加え、令和3年3月9日に1と2も正解としました。準防火地域内の増築は面積にかかわらず確認が必要で、肢4は当てはまりません。

1 ○

改築でも、防火地域・準防火地域外で床面積10㎡以内なら確認は不要です(建築基準法6条2項)。問題文に規模の条件がないため、確認が不要な場合があり得ます。

2 ○

主要構造部の過半の修繕は大規模の修繕に当たりますが、確認が必要なのは一定規模以上の建築物の場合で(出題時の6条1項1号〜3号)、小規模な建築物なら不要です。

3 ○

ホテルを共同住宅に用途変更する場合、確認が必要なのは変更後の特殊建築物の床面積が200㎡を超えるときで(87条1項)、それ以下なら不要です。

4 ×

防火地域・準防火地域内では、10㎡以内の増築でも建築確認が必要です(6条2項)。15㎡の物置の増築には確認が要ります。

令和8年度 2025年4月施行の改正で、木造2階建てなどの建築物も大規模の修繕・模様替で建築確認が必要になるなど、確認の対象が見直されました(6条1項)。

公式問題で問18を見る

問19 換気方式と換気回数

住宅等の居室のホルムアルデヒド対策の換気回数、空気齢の意味、自然換気の仕組み、第3種換気方式の組合せを確かめます。

正解 1

住宅等の居室の機械換気設備の必要有効換気量は、換気回数0.5回/h(2時間に1回)で計算します(建築基準法施行令20条の8)。3時間に1回とする1が最も不適切です。

1 ×

住宅等の居室では、床面積に天井高さを掛けた値の0.5倍を1時間当たりの必要有効換気量とします(施行令20条の8)。2時間で室内の空気が1回入れ替わる計算です。

2 ○

空気齢は外の空気がその地点に届くまでの時間で、数値が大きいほど汚れている可能性が高くなります。

3 ○

自然換気は、建物の内外の温度差や外部の風を利用して換気する方式です。

4 ○

第3種換気方式は、自然給気と機械排気を組み合わせた方式で、マンションでもよく使われます。

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問20 防火管理者と統括防火管理者

消防法について、防火管理者が必要な共同住宅の居住者数、統括防火管理者が必要な建物の高さ、甲種防火管理者の資格、防火管理者の業務を確かめます。

正解 2

統括防火管理者の選任が必要になるのは、高さ31mを超える高層建築物などで管理権原が分かれているものです(消防法8条の2)。高さ20mとする2が誤りです。

1 ○

共同住宅で収容人員(居住者)が50人以上なら、防火管理者の選任が必要です(施行令1条の2第3項)。

2 ×

統括防火管理者の対象は、高さ31mを超える高層建築物で管理権原が分かれているものなどです(8条の2第1項)。

3 ○

管理的・監督的な地位にあり、総務大臣の登録を受けた機関の甲種防火管理講習を修了した者は、甲種防火管理者の資格を持ちます(施行令3条1項1号イ)。

4 ○

消防用設備等、消防用水、消火活動上必要な施設の点検・整備は、防火管理者の業務に含まれます(8条1項)。

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問21 住宅用防災機器の設置

住宅用防災機器について、新築・既存住宅への設置義務、寝室への設置、スプリンクラー設備を設けた場合の免除、取付け位置を確かめます。

正解 4

住宅用防災警報器は、天井か壁の屋内に面する部分に取り付けます(消防法施行令5条の7第1項2号)。天井に限るとする4が誤りです。

1 ○

住宅用防災機器の設置は、新築住宅だけでなく既存住宅にも義務付けられています(消防法9条の2)。

2 ○

就寝に使う居室には、住宅用防災機器を設置しなければなりません(施行令5条の7第1項1号イ)。

3 ○

スプリンクラー設備などを基準に従って設置した場合は、その有効範囲内の住宅用防災機器の設置を省略できます(施行令5条の7第1項3号)。

4 ×

取付け位置は天井か壁の屋内に面する部分で、壁に設置することもできます(施行令5条の7第1項2号)。

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問22 石綿(アスベスト)

石綿について、有害な石綿の種類、石綿健康診断個人票の保存期間、建築材料としての使用禁止、建築用仕上塗材への石綿の含有を確かめます。

正解 4

建築用仕上塗材には、過去に石綿を含むものが製造されていました。製造されたことがないとする4が最も不適切です。

1 ○

クロシドライト(青石綿)は、人体に有害な石綿の一つです。

2 ○

石綿健康診断個人票は、労働者がその事業場で常時石綿等を取り扱う業務に従事しなくなった日から40年間保存します(石綿障害予防規則41条)。

3 ○

石綿の含有量が重量の0.1%を超える吹付け石綿と吹付けロックウールは、建築材料として使えません(建築基準法28条の2、施行令20条の4)。

4 ×

かつては石綿を含む建築用仕上塗材が製造されており、改修や解体では事前の調査が必要です。

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問23 給排水衛生設備の用語

給排水衛生設備基準の用語について、排水口空間、インバートます、逆サイホン作用、伸頂通気管の意味を確かめます。

正解 2

インバートますは、底に半円状の溝(インバート)を設けて汚物が流れやすいようにした汚水用のますです。土砂をためる泥だめを設けたますは雨水用のためますで、2が最も不適切です。

1 ○

排水口空間は、間接排水管の管端と、排水系統につながる水受け容器などのあふれ縁との間の鉛直距離です。

2 ×

泥だめを設けて雨水中の土砂を集めるのは雨水ます(ためます)です。インバートますは汚水ますの一種です。

3 ○

逆サイホン作用は、給水管内に生じた負圧で、水受け容器にたまった水などが給水管に吸い込まれて逆流することです。

4 ○

伸頂通気管は、最上部の排水横管との接続点よりさらに上へ排水立て管を立ち上げ、通気管として使う部分です。

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問24 バリアフリー法の用語

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律について、基本理念、建築主等の範囲、共同住宅の位置付け、建築物特定施設を確かめます。

正解 2

建築主等には、建築物の建築をしようとする者と所有者のほか、管理者と占有者も含まれます(バリアフリー法2条)。管理者や占有者は含まれないとする2が誤りです。

1 ○

年齢や障害の有無などで分け隔てられず、共に生きる社会の実現に役立つよう措置を行うことが、基本理念に掲げられています(1条の2)。

2 ×

建築主等は、建築物の建築をしようとする者、建築物の所有者、管理者、占有者をいいます(2条)。

3 ○

共同住宅は特定建築物ですが、不特定多数や主に高齢者・障害者等が使う特別特定建築物には当たりません。

4 ○

建築物特定施設には、出入口、廊下、階段、エレベーター、便所、敷地内の通路、駐車場などが含まれます(施行令6条)。

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問25 品確法の目的

住宅の品質確保の促進等に関する法律1条(目的)について、住宅性能の基準と評価の制度、特例の対象となる契約、最終目的を空欄補充で確かめます。

正解 1

(ア)は表示基準、(イ)は新築住宅、(ウ)は国民経済の健全な発展で、1が正しい組合せです。

1 ○

住宅の性能に関する表示基準とそれに基づく評価の制度を設け、新築住宅の請負契約・売買契約の瑕疵担保責任に特別の定めをして、国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することが目的です。

2 ×

(イ)は住宅全般ではなく新築住宅で、(ウ)も公共の福祉の増進ではありません。

3 ×

(ア)は性能基準ではなく表示基準で、(イ)も新築住宅です。

4 ×

(ア)は表示基準、(ウ)は国民経済の健全な発展です。

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問26 長期修繕計画作成ガイドラインの目的

長期修繕計画作成ガイドラインの目的として、適切な長期修繕計画の作成、修繕積立金の額の設定、計画修繕工事の円滑な実施、外部専門家による専門委員会の設置を確かめます。

正解 4

ガイドラインは、外部の専門家による専門委員会に基本方針を決めさせることを目的としていません。4が最も不適切です。

1 ○

適切な内容の長期修繕計画の作成を促すことは、ガイドラインの目的です。

2 ○

長期修繕計画に基づく修繕積立金の額の設定を促すことも目的です。

3 ○

計画修繕工事を適時適切かつ円滑に実施することも目的に掲げられています。

4 ×

専門委員会は管理組合が必要に応じて設けるもので、外部の専門家に基本方針を決めさせることはガイドラインの目的ではありません。

令和8年度 令和6年6月の改訂後も、ガイドラインの目的の記述は同じです。

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問27 長期修繕計画の前提条件

長期修繕計画作成ガイドラインが示す計画作成の前提条件として、性能・機能の維持回復、性能を向上させる改修工事、法定点検と経常的な補修、事前の調査・診断を確かめます。

正解 4

アからエはいずれもガイドラインの前提条件で、正解は4です。

ア ○

推定修繕工事は、建物と設備の性能・機能を新築時と同等の水準に維持・回復させる修繕工事を基本とします。

イ ○

区分所有者の要望など必要に応じて、建物と設備の性能を向上させる改修工事を設定します。

ウ ○

計画期間中に、法定点検などの点検と経常的な補修工事を適切に実施することを前提とします。

エ ○

計画修繕工事が必要かどうかや工事の内容は、事前の調査・診断の結果を踏まえて判断します。

令和8年度 令和6年6月の改訂後も、長期修繕計画の前提条件は同じです。

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問28 修繕積立金の額の設定方法

長期修繕計画作成ガイドラインの修繕積立金の額の設定方法について、均等積立方式、見直しの規定、修繕積立基金や一時金の会計処理、使用料の残額の繰入れを確かめます。

正解 3

修繕積立基金や一時金を負担した場合は、修繕積立金会計に繰り入れて管理します。区分して管理するとする3が最も不適切です。

1 ○

修繕積立金は、計画期間に積み立てる額を均等にする積立方式を基本とします。

2 ○

長期修繕計画と修繕積立金の額を5年程度ごとに見直す規定を管理規約に定めることが望まれています。

3 ×

修繕積立基金や一時金は、修繕積立金会計に繰り入れます。

4 ○

専用庭などの専用使用料や駐車場などの使用料から管理費用に充てた残りは、修繕積立金会計に繰り入れます。

令和8年度 令和6年6月の改訂で、段階増額積立方式の引上げの目安(初期額は均等積立方式の0.6倍以上、最終額は1.1倍以内)が示されました。各肢の正誤は変わりません。

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区分所有法・標準管理規約の解答・解説(11問)

問29 集会の招集と書面による決議

区分所有法の集会について、招集通知の時期と議案の要領、招集手続の省略、全員の承諾による書面決議、全員の書面による合意の効果を確かめます。

正解 4

アからエはいずれも区分所有法の規定どおりで、正しいものは四つです。正解は4です。

ア ○

招集通知は会日の少なくとも1週間前に会議の目的たる事項を示して発し、規約の変更など特別の決議事項では議案の要領も通知しました(出題時の35条1項・5項)。

イ ○

区分所有者全員の同意があれば、招集の手続を省いて集会を開けます(36条)。

ウ ○

区分所有者全員の承諾があれば書面で決議でき、その決議は集会の決議と同じ効力を持ちます(45条1項・3項)。

エ ○

集会で決議すべき事項について区分所有者全員が書面で合意したときは、書面による決議があったものとみなされます(45条2項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、招集通知には全ての集会で議案の要領を示すことになり、通知期間は規約で伸ばせても縮められなくなりました(35条1項)。所在等不明として議決権を有しない区分所有者は、通知や全員の同意の対象から外れます(38条の2)。正しいものが四つであることは変わりません。

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問30 総会の招集通知のあて先

甲マンションの総会の招集通知について、電話で死亡を知らせた相続人、名簿と引落し口座の名義が違う場合、届け出た別の住所、届出のない海外滞在者への通知方法を確かめます。

正解 4

通知を受ける場所を届け出ていない組合員には、規約の定めに従い、建物内の見やすい場所への掲示で通知できます(区分所有法35条4項、標準管理規約43条3項)。4が最も適切です。

1 ×

組合員の資格の取得は書面で届け出る決まりで(標準管理規約31条)、電話の連絡だけで相続人を通知先にするのは不適切です。届出がない間は専有部分の所在地あてに発します(43条2項)。

2 ×

通知は組合員である区分所有者(妻)に発します。管理費等の引落し口座の名義人である夫は組合員ではありません。

3 ×

区分所有者が通知を受ける場所を届け出たときは、その場所にあてて発します(区分所有法35条3項、標準管理規約43条2項)。

4 ○

届出のない組合員への通知は、規約に定めがあれば建物内の見やすい場所への掲示で代えられます(区分所有法35条4項、標準管理規約43条3項)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約では、国外に住む組合員が国内管理人を選んで届け出たときは、その国内管理人あてに通知します(43条2項)。届出のない組合員への掲示による通知は変わりません。

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問31 共用部分の工事と総会の決議要件

標準管理規約について、玄関扉の一斉交換、柱を切断して免震部材を入れる耐震改修、不要になった浄化槽の撤去、エントランスホールの一部を集会室に変える工事に必要な決議を確かめます。

正解 3

不要になった設備の撤去工事は、普通決議で実施できると考えられています(標準管理規約47条関係コメント)。組合員全員の合意を求める3が最も不適切です。

1 ○

窓枠、窓ガラス、玄関扉などの一斉交換工事は、普通決議で実施できると考えられています(47条関係コメント)。

2 ○

基礎部分などを切断して免震構造にする工事は基本的構造部分への加工が大きく、出題当時は組合員総数と議決権総数の各4分の3以上の特別決議によるとされていました(47条3項2号)。

3 ×

既に不要となったダストボックスや高置水槽などの撤去と同じく、不要になった浄化槽の撤去も普通決議で実施できます。全員の合意は要りません。

4 ○

エントランスホールの一部を集会室に変えるのは共用部分の効用の著しい変更に当たり、出題当時は組合員総数と議決権総数の各4分の3以上の決議が必要でした(47条3項2号)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約では、特別決議は組合員総数と議決権総数の各過半数が出席した総会で、出席組合員とその議決権の各4分の3以上で決します(47条3項)。現行の耐震基準を満たさない建物の免震構造化は、同じ定足数のもとで出席者の各3分の2以上で決する工事に整理されました(47条4項1号イ、コメント)。現行規約で解くと、肢2・4の決議要件も変わります。

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問32 総会に出席できる者

区分所有法と標準管理規約について、議決権行使者以外の共有者、修繕積立金の値上げを審議するときの賃借人、委任状を受けた配偶者、引渡し請求訴訟が議題になった賃借人が総会に出席できるかを確かめます。

正解 2

賃借人などの占有者が総会に出席して意見を述べられるのは、会議の目的に利害関係がある場合です(区分所有法44条1項、標準管理規約45条2項)。修繕積立金は区分所有者が負担するもので、その値上げに賃借人の利害関係はありません。2が最も不適切です。

1 ○

共有者はそれぞれ組合員で、議決権を行使する1名を届け出た後も、他の共有者が総会に出席することは妨げられません(標準管理規約46条2項・3項)。

2 ×

修繕積立金の額は区分所有者の負担に関わる事項で、賃借人は会議の目的について利害関係を持ちません。

3 ○

組合員の配偶者は代理人になれるため、委任状を受けて総会に出席し、議決権を行使できます(46条5項1号)。

4 ○

共同利益背反行為を理由とする引渡し請求の訴えを決議するときは、あらかじめ占有者に弁明の機会を与えます(区分所有法60条2項で58条3項を準用)。

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問33 管理組合法人と標準管理規約の役員

区分所有法の管理組合法人と標準管理規約の管理組合を比べ、代表する理事の数、理事の任期と再任、利益相反事項の代表者、監事による集会の招集を確かめます。

正解 2

管理組合法人の理事の任期は原則2年で、規約で3年以内の別の期間を定められますが(区分所有法49条6項)、再任を禁じる規定はありません。再任できないとする2に誤りが含まれています。

1 ○

管理組合法人では理事が数人あれば各自が代表し、代表する理事を定めることもできます(49条4項・5項)。標準管理規約では理事長1名が管理組合を代表します(38条1項)。

2 ×

管理組合法人の理事も再任できます。標準管理規約は役員の任期を規約で定め、再任を妨げないとしています(36条1項)。

3 ○

管理組合法人と理事の利益が相反する事項では監事が法人を代表し(51条)、標準管理規約では監事か理事長以外の理事が管理組合を代表します(38条6項)。

4 ○

管理組合法人の監事は、業務の執行に法令違反などがあれば集会に報告し、そのため必要なら集会を招集できます(50条3項3号・4号)。標準管理規約の監事は、不正があると認めるとき臨時総会を招集できます(41条3項)。

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問34 全体共用部分と一部共用部分

区分所有法の共用部分について、全体共用部分と一部共用部分の区別、一部共用部分を管理する団体、全員の利害に関係する一部共用部分の管理、登記の規定の適用を確かめます。

正解 3

一部共用部分の管理のうち区分所有者全員の利害に関係するものは、規約がなくても区分所有者全員で行います(区分所有法16条)。規約が必要とする3が誤りです。

1 ○

共用部分には、区分所有者全員で使う全体共用部分と、一部の区分所有者だけで使う一部共用部分があります(4条1項、11条1項ただし書)。

2 ○

一部共用部分をそれを使う区分所有者が管理するときは、全体の団体とは別に、当然にその区分所有者の団体が構成されます(3条後段)。

3 ×

全員の利害に関係する一部共用部分の管理は、規約の定めがなくても区分所有者全員で行います(16条)。

4 ○

民法177条の規定は共用部分には適用されません(11条3項)。法定共用部分の持分は、登記なしに第三者に対抗できます。

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問35 法定敷地とみなし規約敷地

区分所有法の建物の敷地について、庭や通路を敷地にする方法、2筆にまたがる建物の敷地、一部の滅失で建物がなくなった土地、分筆で建物がなくなった土地を確かめます。

正解 4

建物が所在する土地の一部が分筆で建物の所在しない土地になったときは、規約で建物の敷地と定めたものとみなされます(区分所有法5条2項後段)。4が正しい記述です。

1 ×

庭や通路などの土地を建物の敷地とするには規約で定めます(5条1項)。登記で敷地になるわけではありません。

2 ×

建物が所在する土地は、筆の数にかかわらず当然に建物の敷地(法定敷地)になります(2条5項)。規約の定めは要りません。

3 ×

一部の滅失で建物が所在しなくなった土地は、規約で建物の敷地と定めたものとみなされます(5条2項前段)。改めて規約で定める必要はありません。

4 ○

分筆で建物が所在しなくなった丙地も、規約で建物の敷地と定めたものとみなされます(5条2項後段)。

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問36 管理所有

区分所有法の管理所有について、主体となる管理者の資格、対象となる物、専有部分の使用を請求する場合、成立の要件を確かめます。

正解 3

管理所有者は、共用部分の保存や改良に必要な範囲で区分所有者の専有部分などの使用を請求できます(区分所有法27条2項で6条2項を準用)。管理者がこの請求をするには管理所有者であることが必要で、3が正しい記述です。

1 ×

管理所有ができるのは管理者で(27条1項)、管理者が区分所有者である必要はありません。

2 ×

管理者が所有できるのは共用部分で(27条1項)、敷地や共有の附属施設は管理所有の対象になりません。

3 ○

専有部分などの使用請求は、管理所有者に準用される6条2項に基づく権限で(27条2項)、管理所有者でない管理者にはありません。

4 ×

管理所有は規約に特別の定めがあれば成立し(27条1項)、登記は要りません。

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問37 区分所有者の責任と特定承継人

区分所有法について、共用部分などに関する債権を特定承継人に行使できるか、権利能力なき社団や管理組合法人の場合の区分所有者の責任、管理者の行為についての責任を確かめます。

正解 1

区分所有法7条1項の債権(共用部分などについての債権や管理費等)は、債務者である区分所有者の特定承継人にも行使できます(8条)。1が正しい記述です。

1 ○

7条1項の債権は、債務者である区分所有者から専有部分を買った特定承継人にも請求できます(8条)。

2 ×

管理者が職務の範囲内で第三者とした行為について、区分所有者は共用部分の持分の割合で責任を負います(29条1項)。連帯して無限責任を負うわけではありません。

3 ×

管理組合法人の財産で債務を完済できないときは、区分所有者が持分の割合で弁済の責任を負います(53条1項)。法人の財産の範囲に限られる有限責任ではありません。

4 ×

第三者との関係でも、区分所有者の責任は持分の割合による分割責任です(29条1項)。連帯責任ではありません。

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問38 公正証書による原始規約

区分所有法32条の公正証書による規約について、規約共用部分の対抗要件、設定できる者、公正証書による理由、設定できる事項を確かめます。

正解 1

規約共用部分は、その旨の登記をしなければ第三者に対抗できません(区分所有法4条2項)。公正証書による規約でも同じで、登記なしで対抗できるとする1が誤りです。

1 ×

規約共用部分を第三者に対抗するには登記が必要です(4条2項後段)。

2 ○

設定できるのは最初に専有部分の全部を所有する者で(32条)、分譲業者や、建物を区分所有建物にして全部を所有することになった者が想定されています。

3 ○

単独行為で設定され、後から区分所有者になる者の権利義務も規律するため、内容をはっきりさせる目的で公正証書が求められています。

4 ○

設定できるのは、規約共用部分、規約敷地、専有部分と敷地利用権の分離処分を認める定め、敷地利用権の割合の定めに限られます(32条)。

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問39 建物の基本的な安全性と設計・施工者等の責任

最高裁判所平成19年7月6日判決について、設計者・施工者と並ぶ者、配慮すべき建物の性質、侵害される利益、賠償責任の根拠を空欄補充で確かめます。

正解 2

(ア)は工事監理者、(イ)は基本的な安全性、(ウ)は生命、身体又は財産、(エ)は不法行為で、2が正しい組合せです。

1 ×

判決が示したのは基本的な安全性で、契約適合性は契約当事者の間で問題になる性質です。(ウ)には財産も含まれます。

2 ○

設計者、施工者、工事監理者は、契約関係のない居住者等に対しても建物の基本的な安全性を損なわないよう配慮する義務を負い、生命、身体又は財産を侵害すれば不法行為責任を負います。

3 ×

工事注文者は設計・施工者等に含まれず、責任の根拠も不法行為です。

4 ×

(ア)は工事監理者、(イ)は基本的な安全性、(エ)は不法行為です。

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マンション管理適正化法の解答・解説(5問)

問46 管理業務主任者証の交付と提出

マンション管理適正化法について、管理業務主任者証の交付前の講習の時期、主任者証の有効期間、登録事項の変更の届出、事務禁止の処分を受けたときの主任者証の提出を確かめます。

正解 2

講習は交付の申請の日前6月以内に受けるもので(マンション管理適正化法60条2項)、主任者証の有効期間は5年です(同条3項)。誤っているのはアとイの二つで、正解は2です。

ア ×

講習は、交付の申請の日前6月以内に行われるものを受けます(60条2項)。試験の合格日から1年以内に交付を受ける者は講習が要りません。

イ ×

管理業務主任者証の有効期間は5年です(60条3項)。

ウ ○

登録を受けた事項に変更があったときは、遅滞なく国土交通大臣に届け出ます(62条1項)。

エ ○

事務の禁止の処分を受けたときは、速やかに管理業務主任者証を国土交通大臣に提出します(60条5項)。

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問47 マンション管理業者の帳簿・標識・書面・再委託

マンション管理適正化法について、管理事務の帳簿の保存期間、支店(従たる事務所)の標識、契約成立時の書面の交付先、基幹事務の一括再委託を確かめます。

正解 3

帳簿は閉鎖後5年間保存し(施行規則86条3項)、標識は事務所ごとに掲げ(法71条)、基幹事務は管理組合の承諾があっても一括して再委託できません(74条)。違反するのはア・イ・エで、正解は3です。

ア ×

帳簿は各事業年度の末日で閉鎖し、閉鎖後5年間保存しなければなりません(施行規則86条3項)。3年で廃棄すると違反です。

イ ×

標識は事務所ごとに掲げる必要があり(71条)、神奈川支店にも掲げなければなりません。

ウ ○

マンション管理業者が管理者等でない管理組合では、契約成立時の書面を管理者等に交付します(73条1項)。違反ではありません。

エ ×

基幹事務の全部を一括して再委託することは、管理組合の承諾があっても禁止されています(74条)。

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問48 修繕積立金等の分別管理

マンション管理適正化法の施行規則について、収納口座の印鑑を保管する場合の保証契約、管理者等がいない場合の収支状況の書面、保管口座の印鑑等の管理、収納・保管口座の定義を確かめます。

正解 4

正しいのはウとエで、正解は4です。収納口座の印鑑等を保管する場合は管理組合の承諾があっても保証契約が必要で(ア)、管理者等が置かれていないときは収支状況の書面を事務所に備え置いて閲覧させます(イ)。

ア ×

保証契約が不要になるのは、収納口座への直接預入などの条件に加え、収納口座の印鑑等を保管しない場合に限られます(施行規則87条3項)。管理組合の承諾で免除されることはありません。

イ ×

管理者等が置かれていないときは、書面の交付に代えて事務所ごとに備え置き、区分所有者等の求めに応じて閲覧させます(87条5項)。

ウ ○

管理者等の選任までの比較的短い期間に限る場合を除き、保管口座や収納・保管口座の印鑑等は保管できません(87条4項1号)。

エ ○

収納・保管口座は、修繕積立金等金銭を預け入れて預貯金として管理する、管理組合等名義の口座です(87条6項3号)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、管理業者が管理者等を兼ねる場合に限り、総会の決議や保管口座の金額以上の保証契約などの要件をすべて満たせば印鑑等を保管できる例外が加わりました(施行規則87条4項2号)。この問の正誤は変わりません。

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問49 マンション管理業の登録と欠格事由

マンション管理適正化法について、更新の申請中に有効期間が満了した場合、個人の業者が死亡したときの届出、役員の破産と復権、役員が罰金刑を受けた場合の登録拒否を確かめます。

正解 4

この法律の規定で罰金刑に処せられ、執行を終えてから2年を経過しない者が役員にいる法人は、登録を受けられません(マンション管理適正化法47条6号・10号)。4が正しい記述です。

1 ×

有効期間の満了までに更新の申請への処分がないときは、処分がされるまで従前の登録が効力を持ちます(44条4項)。

2 ×

相続人の届出期限は、死亡の事実を知った日から30日以内です(50条1項1号)。

3 ×

破産者は復権を得れば欠格事由に当たらず(47条1号)、復権後2年の経過は要りません。

4 ○

この法律の規定で罰金の刑に処せられ、執行を終えた日から2年を経過しない役員がいると、登録は拒否されます(47条6号・10号)。

令和8年度 2025年6月の刑法改正で、欠格事由の「禁錮以上の刑」は「拘禁刑以上の刑」に改められました(47条5号)。各肢の正誤は変わりません。

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問50 重要事項の説明と契約成立時の書面

マンション管理適正化法について、契約成立時の書面の交付と説明、書面への記名、新規契約前の説明会、説明会の開き方を確かめます。

正解 1

契約成立時の書面は管理者等に遅滞なく交付すればよく(マンション管理適正化法73条1項)、管理業務主任者による説明は求められていません。1が誤りです。

1 ×

73条が求めるのは書面の交付で、管理業務主任者に説明させる義務はありません。

2 ○

契約成立時の書面には管理業務主任者に記名させます(73条2項)。出題当時は記名押印でした。

3 ○

新たに管理受託契約を結ぼうとするときは、あらかじめ説明会を開き、区分所有者等と管理者等に管理業務主任者から重要事項を説明させます(72条1項)。

4 ○

説明会は参集の便を考えて日時と場所を定め、管理組合ごとに開きます(施行規則83条1項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、管理業者が管理者事務の委託を受ける契約(管理者受託契約)も、重要事項の説明と契約成立時の書面の交付の対象に加わりました(72条1項、73条1項)。この問の正誤は変わりません。

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出典と照合

出典は一般社団法人マンション管理業協会が公表した令和2年度の試験問題と正解です。問題本文と選択肢は転載していません。解説は資格Hubが条文、標準管理規約、国の指針とガイドラインを確認して書いたもので、試験実施団体とは関係ありません。

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