2022年12月4日実施・全50問・公式正解照合

管理業務主任者試験
令和4年度の解答・解説

令和4年度の管理業務主任者試験について、問1〜50の公式正解と各肢の判断根拠をこのページに載せています。問題本文は転載していないため、一般社団法人マンション管理業協会の公式問題PDFを開き、問番号を合わせて読んでください。

公開 ・更新 ・作成 資格Hub(運営 Boson)・正答の照合方法

令和4年度の合格基準点と合格率

試験日2022年12月4日
合格基準点50問中36問以上正解(試験の一部免除者は45問中31問以上正解)
受験者数・合格者数16,217人・3,065人
合格率18.9%

出典:マンション管理業協会「令和4年度 管理業務主任者試験 結果報告」

令和8年度に読み替える点

各問の正解は、出題年度の法令・規約で判断しています。2026年4月1日に改正区分所有法などが施行され、集会の普通決議は出席者の各過半数で、規約の変更や共用部分の重大変更は区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で出席者の各4分の3以上で決める形に改められました。招集通知にはすべての議題で議案の要領を示し、耐震性不足などの建物は建替え決議の要件が4分の3に下がり、被災マンション法の再建決議は区分所有法75条に移っています。

改正で扱いが変わる肢は、その問の解説に注記しています。令和8年度の受験では、改正後の条文をe-Gov法令検索の区分所有法で確かめてください。

正答一覧(全50問)

公式問題・正解と照合しています。問番号を選ぶと各肢の根拠へ移動します。

民法・管理委託契約

問題正答論点
問12委任契約の報告・報酬・解除
問22時効の効力と利益の放棄
問32請負契約の報酬・解除・担保責任
問42抵当権の効力と法定地上権
問51代襲相続の原因
問64事務管理業務の範囲
問73標準管理委託契約書の前提
問83管理員業務の区分
問93滞納管理費の時効と相続
問102少額訴訟の手続
問113滞納管理費の法的手続

標準管理規約

問題正答論点
問124監事の職務と権限
問134予算承認前の支出と会計細則

会計・税務

問題正答論点
問144貸借対照表の仮払金・仮受金
問154管理費等の入金の仕訳
問163修繕工事の支払と未払金

建物・設備・修繕

問題正答論点
問171建築基準法の用語の定義
問183住宅用防災警報器の設置と維持
問193中性化の進行と√t則
問203ひび割れ補修工法の選び方
問212塗装面の汚れの除去方法
問221給湯機と給湯配管
問233換気方式と換気の基準
問243エレベーターの安全装置と非常用エレベーター
問252長期修繕計画の範囲と計画期間
問261長期修繕計画に含める項目
問274長期修繕計画での管理組合の役割
問284修繕積立金の平均額の算式

区分所有法・標準管理規約

問題正答論点
問294規約で変えられる決議要件
問301修繕積立金を充てられる経費
問312理事会の決議と議事録
問323総会での議決権行使の扱い
問334専有部分の配管の管理と費用
問342規約の保管と閲覧
問353借地上のマンションと敷地利用権
問362集会の招集通知と決議事項
問383団地関係が成立する場合
問394マンションに関する判例

マンション管理適正化法

問題正答論点
問462基本方針と管理計画の認定
問474重要事項説明の手続
問481契約成立時の書面・帳簿・再委託
問491修繕積立金等の分別管理
問504専任の管理業務主任者の設置

令和5〜7年度150問の管理業務主任者解説集PDF

解説を全150問・600肢そろえた268ページのPDFです。 買い切りで、購入後すぐダウンロードできます。

収録した全問を試験実施団体の公表問題・正答と照合しています。照合の手順を見る →

1,980円
表紙と紙面の見本を見る →

この年度の出題構成

7分野に分かれ、最多の建物・設備・修繕は12問(24%)です。復習する分野は、各問の正誤と理解できなかった根拠から選べます。

次に多いのが民法・管理委託契約の11問で、上位2分野で46%を占めます。

当サイトの分類では論点名が50件あり、同名の論点は重複していません。名称が異なる問題でも、必要な知識や考え方が共通する場合があります。

読み取れた50問の正答番号は3の14件から1の11件までで、番号の偏りはほとんどありません。

分野出題数割合この年に問われた論点
建物・設備・修繕12問24%建築基準法の用語の定義、住宅用防災警報器の設置と維持、中性化の進行と√t則、ひび割れ補修工法の選び方、塗装面の汚れの除去方法、給湯機と給湯配管、換気方式と換気の基準、エレベーターの安全装置と非常用エレベーター
民法・管理委託契約11問22%委任契約の報告・報酬・解除、時効の効力と利益の放棄、請負契約の報酬・解除・担保責任、抵当権の効力と法定地上権、代襲相続の原因、事務管理業務の範囲、標準管理委託契約書の前提、管理員業務の区分
区分所有法・標準管理規約10問20%規約で変えられる決議要件、修繕積立金を充てられる経費、理事会の決議と議事録、総会での議決権行使の扱い、専有部分の配管の管理と費用、規約の保管と閲覧、借地上のマンションと敷地利用権、集会の招集通知と決議事項
管理実務・関連法令7問14%一部弁済の充当順序、品確法による売主の担保責任、要除却認定と敷地売却決議、地震保険の対象と補償、分譲マンションの統計、賃貸住宅管理業法の目的、37条書面の記載事項
マンション管理適正化法5問10%基本方針と管理計画の認定、重要事項説明の手続、契約成立時の書面・帳簿・再委託、修繕積立金等の分別管理、専任の管理業務主任者の設置
会計・税務3問6%貸借対照表の仮払金・仮受金、管理費等の入金の仕訳、修繕工事の支払と未払金
標準管理規約2問4%監事の職務と権限、予算承認前の支出と会計細則
正答番号1234
件数11131412

集計は当サイトが公開している全50問・199件の解説から作成しました。問題と正答は試験実施団体の公表資料と照合しています。

民法・管理委託契約の解答・解説(11問)

問1 委任契約の報告・報酬・解除

委任契約について、受任者の報告義務、報酬の特約、委任者からの解除、履行の途中で終わった場合の報酬を確かめます。

正解 2

受任者は、特約がなければ報酬を請求できません(民法648条1項)。この内容の2が最も適切です。

1 ×

受任者は、委任者から求められればいつでも事務の処理状況を報告し、委任が終わった後は遅滞なく経過と結果を報告します(645条)。終了後の報告だけで足りるわけではありません。

2 ○

民法の委任は無償が原則で、報酬は特約があるときに限って請求できます(648条1項)。

3 ×

委任は各当事者がいつでも解除できます(651条1項)。相手方に不利な時期の解除は、やむを得ない事由がなければ損害賠償が必要になりますが(同条2項1号)、解除そのものは有効です。

4 ×

報酬を受ける約束がある委任が途中で終わったときは、既にした履行の割合に応じて報酬を請求できます(648条3項2号)。

公式問題で問1を見る

問2 時効の効力と利益の放棄

時効の効力がさかのぼる時点、時効の利益を放棄できる時期、確定判決による時効の更新、地上権・地役権の取得時効を確かめます。

正解 2

民法146条が禁じているのは、時効の利益をあらかじめ放棄することです。完成後も放棄できないとする2が最も不適切です。

1 ○

時効の効力は起算日にさかのぼります(144条)。援用によって消滅した権利は、初めから存在しなかった扱いになります。

2 ×

完成前の放棄は債権者に強いられるおそれがあるため禁じられていますが(146条)、完成後に放棄することはできます。

3 ○

訴えを提起し、確定判決によって権利が確定すると、時効は裁判が終わった時から新たに進行します(147条2項)。

4 ○

所有権以外の財産権も時効で取得できます(163条)。地上権のほか、継続的に行使され外形上認識できる地役権も取得時効の対象です(283条)。

公式問題で問2を見る

問3 請負契約の報酬・解除・担保責任

管理組合が施工会社と結んだリフォーム工事の請負契約について、報酬の支払時期、完成後の解除、契約不適合の通知期間、完成前に解除された場合の報酬を確かめます。

正解 2

適切なのはウとエの二つで、正解は2です。

ア ×

報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に支払うのが原則です(633条)。着手した時点で全額を支払う義務はありません。

イ ×

注文者が損害を賠償して解除できるのは、請負人が仕事を完成しない間に限られます(641条)。完成した後はこの方法で解除できません。

ウ ○

注文者が不適合を知った時から1年以内に通知しないと、履行の追完、報酬の減額、損害賠償、解除のいずれも請求できなくなります(637条1項)。

エ ○

完成前に解除されても、既にした工事の可分な部分で注文者が利益を受けるときは、その部分を完成とみなし、利益の割合に応じた報酬を請求できます(634条2号)。

公式問題で問3を見る

問4 抵当権の効力と法定地上権

土地に設定した抵当権について、地上の建物への効力、更地に設定した場合の法定地上権、利息の担保の範囲、抵当権だけが時効で消える場合を確かめます。

正解 2

更地に抵当権を設定した場合は法定地上権が成立しないため、Aは買受人Cからの明渡請求に応じることになります。2が最も適切です。

1 ×

抵当権の効力は、目的の不動産に付加して一体となっている物に及びますが、土地の上の建物は除かれます(370条)。土地と建物は別の不動産です。

2 ○

法定地上権は、抵当権を設定した当時に土地の上に建物があり、土地と建物の所有者が同じだったときに成立します(388条)。更地なら成立しません。抵当権者は、後に建てられた建物を土地と一括して競売することもできます(389条)。

3 ×

利息も抵当権で担保されます。ただし、後順位の抵当権者などとの関係では、満期となった最後の2年分に限られます(375条1項)。

4 ×

抵当権は、債務者と抵当権設定者に対しては、被担保債権と同時でなければ時効によって消滅しません(396条)。Aは債務者であり設定者です。

公式問題で問4を見る

問5 代襲相続の原因

被相続人の子が相続放棄、相続欠格、廃除、先に死亡した場合に、その子や孫の子が代わって相続人になるかを確かめます。

正解 1

不適切なのはアだけで、正解は1です。相続放棄は代襲相続の原因になりません。

ア ×

相続を放棄した者は、初めから相続人とならなかったものとみなされます(939条)。代襲の原因は死亡・欠格・廃除に限られるため(887条2項)、Bの子Cは代襲しません。

イ ○

相続欠格は代襲の原因です(887条2項、891条)。Dの子Eが代わって相続人になります。

ウ ○

廃除も代襲の原因です(887条2項)。遺言による廃除が家庭裁判所で確定すれば(893条)、Fの子Gが代襲します。

エ ○

代襲者も相続開始以前に死亡していれば、その子が再代襲します(887条3項)。Iの子Jが相続人になります。

公式問題で問5を見る

問6 事務管理業務の範囲

標準管理委託契約書の別表第1について、滞納状況を報告する頻度、長期修繕計画案の作成と見直しの契約、総会議事録の作成者、点検結果の報告と助言を確かめます。

正解 4

管理業者は、管理対象部分の点検・検査等の結果を管理組合に報告し、改善が必要な事項は具体的な方策を助言します(別表第1 2(3))。4が最も適切です。

1 ×

管理業者は、組合員の管理費等の滞納状況を毎月、管理組合に報告します(別表第1 1(2)②)。年1回では足りません。

2 ×

長期修繕計画案の作成業務や、劣化状況を把握する調査・診断とその結果に基づく見直しの業務は、本契約とは別の契約で行います(別表第1 1(3))。

3 ×

管理業者が受け持つのは総会の議事録案の作成までです(別表第1 2(2))。議事録は議長が作成するもので(標準管理規約49条1項)、管理業者が自己の名で作るものではありません。

4 ○

各種の点検・検査等の結果を報告し、改善等が必要な事項は具体的な方策を管理組合に助言します(別表第1 2(3))。

令和8年度 標準管理委託契約書は令和5年9月と令和7年12月に改訂されましたが、四つの肢に関わる記載は同じです。令和7年12月の改訂は、管理業者が管理者を兼ねる方式への対応が中心です。

公式問題で問6を見る

問7 標準管理委託契約書の前提

標準管理委託契約書の対象外となる業務、専有部分の設備を管理対象に含める場合、管理事務室の使用条件、滞納管理費の督促で管理業者が協力する場合の定め方を確かめます。

正解 3

管理事務室などは、管理事務に欠かせないため管理業者に無償で使用させるものとされています(第7条)。有償とする3が最も不適切です。

1 ○

警備業法上の警備業務や、消防法上の防火管理者が行う業務は管理事務に含まれず、別の契約にするのが望ましいとされています(第1条関係コメント)。

2 ○

専有部分の設備でも、規約で管理組合が管理することとされ、管理組合から依頼があれば、契約の対象に含めることができます(第2条関係コメント)。

3 ×

管理事務室、管理用倉庫、清掃員控室、器具・備品などは、管理事務を行わせるために無償で使用させます(第7条1項)。水道光熱費や通信費などの負担は別に定めます(同条2項)。

4 ○

弁護士法72条との関係から、債権の回収は管理組合自身が行うものとされています。事前に協議が整っていれば、管理業者の協力の内容や費用負担を契約で具体的に定めます(第11条関係コメント)。

令和8年度 令和5年9月・令和7年12月の改訂後も、四つの肢の扱いは同じです。

公式問題で問7を見る

問8 管理員業務の区分

標準管理委託契約書の別表第2について、受付等、点検、立会、報告連絡の各業務に何が含まれるかを確かめます。

正解 3

立会業務は、外注業者の業務の着手・実施、ゴミ搬出時、災害・事故等の処理への立会いで、専有部分の鍵を預かる業務は含まれません。3が最も不適切です。

1 ○

出題当時の別表第2では、受付等の業務に宅配物の預かり・引渡しと、利害関係人に対する管理規約等の閲覧が挙げられていました。

2 ○

点検業務には、建物・諸設備・諸施設の外観目視点検や、無断駐車等の確認が含まれます。

3 ×

災害・事故等の処理の立会いは立会業務に含まれますが、そのために専有部分の鍵を保管する業務はありません。管理員が扱う鍵は、受付等の業務にある共用部分の鍵の管理と貸出しです。

4 ○

報告連絡業務には、各種届出・点検結果・立会結果等の報告と、事故等が起きたときの連絡・報告が含まれます。

令和8年度 令和5年9月改訂の標準管理委託契約書では、受付等の業務から宅配物の預かり・引渡しが削られました。現行の受付等の業務は、各種使用申込と組合員等異動届出書の受理・報告、利害関係人に対する管理規約等の閲覧、共用部分の鍵の管理・貸出し、管理用備品の在庫管理、引越業者等への指示です。現行の版で同じ肢を判断する場合、宅配物の部分は記載がない点に注意します。

公式問題で問8を見る

問9 滞納管理費の時効と相続

滞納管理費について、催告を繰り返した場合の完成猶予、相続人による承継、一部の支払による承認、所在不明の滞納者への訴えの提起を確かめます。

正解 3

滞納額の一部と示して支払うことは債務の承認に当たり、残りの20万円の時効は更新されます(民法152条1項)。3が最も適切です。

1 ×

催告で時効の完成が猶予されている間に再び催告しても、完成猶予の効力は生じません(150条2項)。6か月以内に訴えの提起など別の手続を取る必要があります。

2 ×

金銭債務は、相続開始と同時に法定相続分に応じて各相続人に分割して承継されます(最判昭和34年6月19日)。遺産分割で住戸を取得した相続人だけが負担する扱いは、管理組合が承諾しない限り管理組合に主張できません。

3 ○

一部の支払は残りの債務があることを認める承認に当たり、時効はその時から新たに進行します(152条1項)。

4 ×

相手方の所在が分からなくても訴えは提起できます。訴状などは公示送達で送達できます(民事訴訟法110条)。

令和8年度 2026年4月1日現在の民法・民事訴訟法でも、この問の正誤は変わりません。

公式問題で問9を見る

問10 少額訴訟の手続

管理組合が滞納管理費の請求に少額訴訟を使う場合について、判決への不服申立て、通常の手続への移行、請求額の上限、反訴の可否を確かめます。

正解 2

適切なのはウとエの二つで、正解は2です。

ア ×

少額訴訟の終局判決に対しては控訴できません(民事訴訟法377条)。不服があるときは、判決をした簡易裁判所に2週間以内に異議を申し立てます(378条1項)。

イ ×

被告が通常の手続への移行を申し出られるのは、最初にすべき口頭弁論の期日で弁論をするまでです(373条1項)。訴訟の係属中ならいつでもできるわけではありません。

ウ ○

少額訴訟は、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払請求に使えます(368条1項)。総額70万円のうち60万円分だけを請求する一部請求で利用できます。

エ ○

少額訴訟では反訴を提起できません(369条)。

令和8年度 現行の民事訴訟法でも、60万円以下という上限、控訴の禁止と異議、反訴の禁止、通常手続への移行の期限は同じです。

公式問題で問10を見る

問11 滞納管理費の法的手続

滞納管理費について、遅延損害金に対する不可抗力の抗弁、住戸の買主が引き継ぐ債務の範囲、簡易裁判所の管轄、普通郵便による催告の効力を確かめます。

正解 3

訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求は、簡易裁判所が第一審の裁判権を持ちます(裁判所法33条1項1号)。3が最も適切です。

1 ×

金銭債務の不履行による損害賠償について、債務者は不可抗力を抗弁にできません(民法419条3項)。

2 ×

規約や集会の決議に基づく管理費等の債権は、区分所有者の特定承継人にも請求できます(区分所有法7条1項、8条)。規約で定めた遅延損害金も同じ債権に含まれ、買主が引き継ぎます。

3 ○

140万円を超えない請求なら、管理組合は簡易裁判所に訴えを提起できます(裁判所法33条1項1号)。

4 ×

催告の方法に決まりはなく、普通郵便でも相手方に届けば、その時から6か月間は時効が完成しません(民法150条1項)。内容証明郵便は、届いた事実と内容を証明するために使います。

令和8年度 2026年4月1日現在の民法・区分所有法・裁判所法でも、この問の正誤は変わりません。

公式問題で問11を見る

正答一覧へ戻る ↑

標準管理規約の解答・解説(2問)

問12 監事の職務と権限

標準管理規約の監事について、業務・財産の調査、臨時総会の招集、理事会での意見の陳述、理事の不正を見つけたときの手順を確かめます。

正解 4

理事の不正などを認めた監事は、まず遅滞なく理事会に報告し、必要なら理事長に理事会の招集を請求します。直ちに自ら招集できるとする4が最も不適切です。

1 ○

監事は、いつでも理事や職員に業務の報告を求め、業務と財産の状況を調査できます(41条2項)。

2 ○

業務の執行や財産の状況に不正があると認めるときは、監事が臨時総会を招集できます(41条3項)。

3 ○

監事は理事会に出席し、必要があると認めるときは意見を述べなければなりません(41条4項)。

4 ×

理事の不正行為やそのおそれを認めたときは、遅滞なく理事会に報告します(41条5項)。必要なら理事長に理事会の招集を請求し(同条6項)、請求から5日以内に、2週間以内の日を理事会の日とする招集通知が出されない場合に限って、監事が招集できます(同条7項)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約でも、41条の内容は同じです。

公式問題で問12を見る

問13 予算承認前の支出と会計細則

標準管理規約の会計について、収支予算の承認前に支出できる経費、駐車場使用料の使い道、管理費の余剰の扱い、会計処理の細則を変える決議を確かめます。

正解 4

会計処理などの細則の制定・変更は、総会の普通決議で足ります(48条1号、47条2項)。特別多数決議が必要とする4が最も不適切です。

1 ○

会計年度が始まってから予算案が承認されるまでに、経常的でやむを得ない通常の管理経費が必要になれば、理事長は理事会の承認を得て支出できます(58条3項1号)。予算案の承認後は、その予算案による支出とみなされます(同条4項)。

2 ○

駐車場使用料などの使用料は、駐車場などの管理費用に使い、残りは修繕積立金に積み立てます(29条)。

3 ○

収支決算で管理費に余剰が出たときは、翌年度の管理費に充当します(61条1項)。

4 ×

細則は70条に基づいて定めるもので、制定・変更・廃止は総会の決議事項ですが(48条1号)、特別多数決議(47条3項)が必要なのは規約の制定・変更・廃止です。細則は普通決議で変更できます。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約では、普通決議は議決権総数の過半数を有する組合員が出席し、出席組合員の議決権の過半数で決める形になりました(47条1項・2項)。細則の変更が普通決議で足りる点は同じです。

公式問題で問13を見る

正答一覧へ戻る ↑

会計・税務の解答・解説(3問)

問14 貸借対照表の仮払金・仮受金

一般(管理費)会計の未完成の貸借対照表について、資産の部と負債・繰越金の部の不足額から、空欄に入る科目と金額を求めます。

正解 4

資産の部も負債・繰越金の部も、記入済みの科目の合計は2,000,000円で、合計2,100,000円との差は100,000円です。資産側は仮払金、負債側は仮受金になり、4が最も適切です。

1 ×

金額を200,000円にすると、資産の部も負債・繰越金の部も2,200,000円になり、合計と合いません。

2 ×

仮受金は負債の科目なので、資産の部には入りません。金額も200,000円では合いません。

3 ×

科目が逆です。仮受金は負債、仮払金は資産の科目です。

4 ○

資産の部は現金預金1,000,000円、未収入金500,000円、什器及び備品500,000円で計2,000,000円なので、Aは100,000円の仮払金です。負債・繰越金の部は未払金300,000円、預り金200,000円、次期繰越金1,500,000円で計2,000,000円なので、Bは100,000円の仮受金です。

公式問題で問14を見る

問15 管理費等の入金の仕訳

3月中の入金に、2月以前の未収分、3月分、4月以降の前払分が混じっている場合の、発生主義による3月分の仕訳を確かめます。

正解 4

2月以前分は計上済みの未収入金を消し、3月分だけを収入に計上し、4月以降分は前受金にします。この処理の4が最も適切です。

1 ×

4月以降分まで当期の収入にしています。翌期の収入になる入金は、前受金として負債に計上します。

2 ×

2月以前分は既に未収入金として収入に計上しているため、もう一度収入にすると二重計上です。4月以降分も前受金にしていません。

3 ×

前受金の処理は正しいものの、2月以前分の333,000円を3月の収入に含めています。未収入金の回収として処理します。

4 ○

普通預金4,244,000円の入金に対し、貸方に未収入金333,000円、3月分の管理費収入350,000円・修繕積立金収入100,000円・駐車場使用料収入20,000円・専用庭使用料収入6,000円、前受金3,435,000円を計上します。

公式問題で問15を見る

問16 修繕工事の支払と未払金

2月に完了した工事の3月の支払、3月に完了した修理の翌月払い、4月に行う工事の3月の発注について、発生主義による3月分の仕訳を確かめます。

正解 3

①は2月に計上した未払金の支払、②は3月の修繕費と未払金の計上で、③は3月には仕訳をしません。この組合せの3が最も適切です。

1 ×

③の錆止め塗布は4月に行うため、3月に修繕費や未払金を計上しません。

2 ×

①の工事費は2月の完了時に計上済みで、3月は未払金の支払だけを記録します。②は4月払いなので、3月に普通預金は減りません。

3 ○

①は未払金3,500,000円を普通預金から支払う仕訳、②は修繕費450,000円と未払金450,000円の計上です。③は工事が4月なので、3月の仕訳はありません。

4 ×

①の工事は2月に計上済みで、3月に器具備品を計上すると二重計上になります。3月は未払金を減らす仕訳だけです。

公式問題で問16を見る

正答一覧へ戻る ↑

建物・設備・修繕の解答・解説(12問)

問17 建築基準法の用語の定義

建築基準法2条と施行令1条の定義について、建築物、敷地、主要構造部、大規模の修繕の範囲を確かめます。

正解 1

建築物には建築設備も含まれます(建築基準法2条1号)。建築設備を含まないとする1が最も不適切です。

1 ×

2条1号は、屋根と柱または壁を持つ工作物などを建築物とし、建築設備を含むと定めています。

2 ○

敷地は、一つの建築物、または用途上分けられない関係にある複数の建築物が建つ一団の土地です(施行令1条1号)。

3 ○

主要構造部は壁、柱、床、はり、屋根、階段で、間仕切壁、間柱、小ばり、ひさし、屋外階段など構造上重要でない部分は除かれます(2条5号)。

4 ○

大規模の修繕は、主要構造部の一種以上について行う過半の修繕です(2条14号)。

公式問題で問17を見る

問18 住宅用防災警報器の設置と維持

消防法9条の2の住宅用防災警報器について、定義、取付け位置、設置が必要な場所、維持の義務を確かめます。

正解 3

住宅用防災警報器は、寝室や、寝室がある階から下の階に通じる階段などに設置します(消防法施行令5条の7第1号)。台所だけでよいとする3が最も不適切です。

1 ○

火災の発生を未然に、または早期に感知して知らせる警報器を指します(消防法施行令5条の6第1号)。

2 ○

天井か、壁の屋内に面する部分に取り付けます(施行令5条の7第2号)。

3 ×

設置が求められるのは就寝に使う居室と、その居室がある階から直下階に通じる階段などです(施行令5条の7第1号)。台所は市町村の火災予防条例で設置場所に加えられることがある場所で、台所だけで足りるわけではありません。

4 ○

住宅の関係者は、基準に従って住宅用防災機器を設置し、維持しなければなりません(消防法9条の2第1項)。

公式問題で問18を見る

問19 中性化の進行と√t則

竣工後25年で中性化深さ20mmのコンクリートについて、かぶり厚さ40mmの鉄筋に中性化が届くまでに何年かかるかを中性化の進み方の法則から求めます。

正解 3

中性化深さは経過年数の平方根に比例します。25年で20mmなら、40mmに達するのは竣工後100年で、25年時点から約75年後です。3が最も適切です。

1 ×

中性化深さは経過年数に比例しません。比例すると考えると約25年になりますが、前提の法則が誤りです。

2 ×

経過年数の二乗に比例するという関係は誤りです。

3 ○

深さをC、年数をtとするとC=A√tです。20=A√25からA=4、40=4√tからt=100年で、残りは100−25=75年です。

4 ×

経過年数の立方根に比例するという関係は誤りです。

公式問題で問19を見る

問20 ひび割れ補修工法の選び方

ひび割れの幅と、外気温の変動による動き(挙動)の大小に応じて、補修工法と材料の組合せが適切かを確かめます。

正解 3

挙動の大きいひび割れには、動きに追従できる柔軟な材料を使います。硬化後に伸縮できないポリマーセメントペーストを注入する3が最も不適切です。

1 ○

挙動の小さい細いひび割れには、ポリマーセメントペーストなどでひび割れ部の表面を覆う被覆工法が使われます。

2 ○

挙動の小さい0.5mm程度のひび割れには、アクリル樹脂系などの注入材を使う注入工法が適用できます。

3 ×

セメント系の材料は硬化すると伸び縮みできないため、温度変化で幅が変わるひび割れでは再び割れやすくなります。挙動の大きいひび割れには、軟質形エポキシ樹脂など可とう性のある材料を選びます。

4 ○

挙動の大きい1.0mm程度のひび割れに、可とう性エポキシ樹脂を充填する工法は指針の考え方に沿っています。

公式問題で問20を見る

問21 塗装面の汚れの除去方法

マンションの塗装部分に付いた塵埃、カビ、油脂類、鉄錆について、それぞれの除去方法が適切かを確かめます。

正解 2

カビは、殺菌や除去の効果がある薬剤で処理してから水洗いします。ワイヤブラシでかき落とすとする2が最も不適切です。

1 ○

塵埃は、ブラシを使って水洗いで落とします。

2 ×

カビは菌糸が塗膜の表面に残ると再び発生しやすいため、薬剤で処理してから水洗いします。ワイヤブラシでこすると塗膜を傷めます。

3 ○

油脂類は、中性洗剤で洗ってから水洗いします。

4 ○

鉄錆は、ディスクグラインダーなどで除去してから水洗いします。

公式問題で問21を見る

問22 給湯機と給湯配管

住戸セントラル給湯方式について、自然冷媒ヒートポンプ給湯機、潜熱回収型ガス給湯機、さや管ヘッダ式配管工法、ガス給湯機の号数を確かめます。

正解 1

自然冷媒ヒートポンプ給湯機は、沸かした湯をためる貯湯タンクが必要です。貯湯タンクが要らないとする1が最も不適切です。

1 ×

二酸化炭素を冷媒とするヒートポンプで湯を沸かし、貯湯タンクにためてから供給します。湯をその場で沸かして直接送る給湯機ではありません。

2 ○

潜熱回収型は、捨てていた燃焼排気の熱で水を予熱し、それを燃焼部で加熱するため、熱効率が上がります。

3 ○

住戸の入口付近にヘッダを置き、器具ごとに敷いたさや管へ後から樹脂管を通す工法です。配管の更新がしやすくなります。

4 ○

1号は、水温を25℃上げた湯を毎分1リットル出せる能力を表します。

公式問題で問22を見る

問23 換気方式と換気の基準

全熱交換型換気の方式、居室に必要な換気用の開口部の面積、空気齢の意味、火を使う設備の排気フードの材料を確かめます。

正解 3

空気齢は、外から入った空気がその地点に届くまでの時間で、小さいほど新鮮な空気です。小さいほど汚れている可能性が高いとする3が最も不適切です。

1 ○

全熱交換型換気は、給気と排気をともに機械で行い、その間で熱と湿気を交換する方式なので第1種換気です。

2 ○

居室には、換気に有効な部分の面積が床面積の20分の1以上の開口部が必要です。政令の基準に従った換気設備を設ければ、この限りではありません(建築基準法28条2項)。

3 ×

空気齢が大きいほど、室内に長くとどまった空気で、汚れている可能性が高くなります。

4 ○

火を使う設備の近くに排気フード付きの排気筒を設ける場合、排気フードは不燃材料で造ります(建築基準法施行令20条の3第2項4号)。

公式問題で問23を見る

問24 エレベーターの安全装置と非常用エレベーター

建築基準法上のエレベーターについて、地震時等管制運転装置、戸開走行保護装置、非常用エレベーターの設置基準、乗降ロビーの床面積を確かめます。

正解 3

非常用エレベーターの設置が義務付けられるのは、高さ31mを超える建築物です(建築基準法34条2項)。40mとする3が最も不適切です。

1 ○

地震などの加速度を検知して、かごを出入口の戸の位置に止め、戸を開くか、かご内の人が戸を開けられるようにする装置です(施行令129条の10第3項2号)。

2 ○

駆動装置や制御器が故障し、戸が閉じる前にかごが動いた場合などに、自動でかごを止める装置(戸開走行保護装置)が必要です(施行令129条の10第3項1号)。

3 ×

高さ31mを超える建築物には、非常用の昇降機を設けなければなりません(建築基準法34条2項)。

4 ○

非常用エレベーターの乗降ロビーは、1基当たり10㎡以上の床面積が必要です(施行令129条の13の3第3項7号)。

公式問題で問24を見る

問25 長期修繕計画の範囲と計画期間

長期修繕計画作成ガイドラインについて、計画の対象範囲、新築と既存の計画期間、単価の設定、計画と修繕積立金の見直しを確かめます。

正解 2

計画期間は、新築・既存を問わず30年以上とし、大規模修繕工事を2回含む長さにします。既存は20年以上でよいとする2が最も不適切です。

1 ○

単棟型の対象は、規約で定めた組合管理部分の敷地、建物の共用部分、附属施設で、共用部分の工事に伴って修繕が必要になる専有部分も含みます。

2 ×

令和3年9月の改訂で、既存マンションも新築と同じく、30年以上で大規模修繕工事を2回含む期間とされました。

3 ○

単価は、新築・既存のどちらでも、修繕工事特有の施工条件などを考慮して設定します。

4 ○

長期修繕計画は5年程度ごとに見直し、その際に修繕積立金の額も見直します。

令和8年度 令和6年6月の改訂後も、計画期間の考え方は同じです。この改訂では、段階増額積立方式の引上げの目安(初期額は均等積立方式の0.6倍以上、最終額は1.1倍以内)が示されました。

公式問題で問25を見る

問26 長期修繕計画に含める項目

長期修繕計画作成ガイドラインの「はじめに」について、長期修繕計画に含める項目、計画を基に算出するもの、標準様式などを作った目的を確かめます。

正解 1

(ア)は修繕周期、(イ)は修繕積立金の額、(ウ)は区分所有者間で、1が最も適切です。

1 ○

計画期間、推定修繕工事項目、修繕周期、推定修繕工事費、収支計画を含めて作成し、それを基に修繕積立金の額を算出します。標準様式などは、区分所有者間で合意形成をしやすくするために作られました。

2 ×

(イ)は修繕積立金の額です。(ウ)に入るのも区分所有者間です。

3 ×

推定修繕施工者という項目はありません。(ウ)に入るのは区分所有者間です。

4 ×

(ア)は修繕周期、(イ)は修繕積立金の額です。

令和8年度 令和6年6月の改訂後も、「はじめに」の記述は同じです。

公式問題で問26を見る

問27 長期修繕計画での管理組合の役割

長期修繕計画の作成で管理組合が受け持つ、設計図書や修繕履歴の保管、見直しの体制づくり、説明会と総会の決議、計画書の保管と閲覧を確かめます。

正解 4

アからエはいずれもガイドラインに沿った記述で、正解は4です。

ア ○

分譲会社から受け取った設計図書や数量計算書に加え、計画修繕工事の設計図書や点検報告書などの履歴情報を整理し、区分所有者等が閲覧できるよう保管します。

イ ○

見直しに当たっては、必要に応じて専門委員会を置くなど、管理組合の中で検討する体制を整えます。

ウ ○

計画の作成と修繕積立金の額の設定では、総会の前に説明会などで内容を説明し、長期修繕計画を総会で決議します。

エ ○

長期修繕計画は、管理規約などと併せて、区分所有者等の求めに応じて閲覧できるよう保管します。

令和8年度 令和6年6月の改訂後も、管理組合の役割に関する記述は同じです。

公式問題で問27を見る

問28 修繕積立金の平均額の算式

修繕積立金ガイドラインの目安と比べるために、計画期間全体の修繕積立金を専有面積1㎡・1か月当たりの額に直す計算式を確かめます。

正解 4

計画期間当初の残高、計画期間に集める総額、専用使用料等からの繰入額を合計し、総専有床面積と計画期間の月数で割ります。4が最も適切です。

1 ×

専用使用料等からの繰入額(c)を加えておらず、割る面積にも建築延床面積を使っています。

2 ×

専用使用料等からの繰入額(c)が抜けています。

3 ×

割る面積は総専有床面積です。建築延床面積で割ると、共用部分の面積まで含めてしまいます。

4 ○

g=(a+b+c)÷e÷fです。この平均額と、建物の階数や規模に応じた目安の幅を比べます。

令和8年度 令和6年6月の改訂後も、この算式は同じです。改訂では、段階増額積立方式の初期額を均等積立方式の0.6倍以上、最終額を1.1倍以内とする目安が加わりました。

公式問題で問28を見る

正答一覧へ戻る ↑

区分所有法・標準管理規約の解答・解説(10問)

問29 規約で変えられる決議要件

管理組合法人の理事の任期、普通決議の定足数、共用部分の重大な変更の決議要件、小規模な滅失からの復旧の決議について、規約で定められる範囲を確かめます。

正解 4

アからエはいずれも出題当時の区分所有法で規約に定められる内容で、不適切なものはありません。正解は4です。

ア ○

管理組合法人の理事の任期は2年ですが、規約で3年以内の別の期間を定められます(49条6項)。1年とすることもできます。

イ ○

共用部分の管理に関する普通決議について、区分所有法は定足数を定めておらず、規約で別段の定めができます(18条2項、39条1項)。3分の2以上の出席を定足数にすることもできます。

ウ ○

出題当時の17条1項は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上で決め、区分所有者の定数は規約で過半数まで減らせるとしていました。組合員総数の過半数と議決権総数の4分の3以上とする定めは、この範囲に収まります。

エ ○

建物の価格の2分の1以下の滅失による共用部分の復旧は集会の普通決議で決められ(61条3項)、規約で別段の定めもできます(同条4項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、普通決議は出席した区分所有者と議決権の各過半数で決めることになり(39条1項)、共用部分の重大な変更は、区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で、出席者の各4分の3以上(規約で2分の1超まで引下げ可)で決める形に改められました(17条1項)。理事の任期(49条6項)と小規模滅失の規定(61条3項・4項)は同じです。この問は出題時の規定で解いた正解として読んでください。

公式問題で問29を見る

問30 修繕積立金を充てられる経費

標準管理規約28条で修繕積立金を取り崩せる特別の管理と、管理費で賄う通常の管理の違いを確かめます。

正解 1

建物の建替えに係る合意形成に必要な事項の調査は、修繕積立金を取り崩せる特別の管理に当たります(28条1項4号)。1が最も適切です。

1 ○

建替えなどの合意形成に必要な事項を調べる費用は、28条1項4号の経費として修繕積立金から支出できます。

2 ×

階段のすべり止めの部分的な剥がれの補修は経常的な補修で、管理費から支出します(27条6号)。

3 ×

共用部分等に係る火災保険料は、管理費から支出します(27条5号)。

4 ×

WEB会議に使うパソコンの購入は備品費として、管理費から支出します(27条4号)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約28条1項4号は、建替えのほか建物の更新、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却、取壊しを「マンション再生等」とまとめ、その合意形成に必要な調査を取崩しの対象にしています。5号には修繕積立金の管理及び運用に要する費用が加わりました。

公式問題で問30を見る

問31 理事会の決議と議事録

標準管理規約の理事会について、会計担当理事の職を解く決め方、WEB会議での議決権行使の定め、理事会議事録の署名、書面や電磁的方法による決議の範囲を確かめます。

正解 2

適切なのはアとウの二つで、正解は2です。

ア ○

会計担当理事は理事会で選任・解任し(35条3項)、理事会の議事は出席理事の過半数で決めます(53条1項)。

イ ×

WEB会議で開く理事会の議決権行使の方法などは、規約や細則で定めることも考えられるとされているだけで(53条関係コメント)、定めは必須ではありません。

ウ ○

理事会の議事録には、議長と、議長が指名する理事会に出席した理事2名が署名します(53条4項で49条2項を準用)。

エ ×

書面や電磁的方法で決議できるのは、専有部分の修繕等の承認・不承認(54条1項5号)に限られます(53条2項)。収支予算案は対象外です。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約では、理事長、副理事長、会計担当理事の選任と解任が理事会の決議事項として54条1項16号に明記されました。WEB会議と書面決議の扱いは同じです。

公式問題で問31を見る

問32 総会での議決権行使の扱い

2住戸を持つ組合員が賛否を分けた場合、団地総会で他の棟の組合員を代理人にした場合、押印のない議決権行使書、弁護士を代理人にした委任状について、議長の扱いを確かめます。

正解 3

不適切なのはア、ウ、エの三つで、正解は3です。

ア ×

標準管理規約の議決権は組合員ごとに定まり、2住戸を持っていても一人の組合員の議決権として扱います。同じ議案で賛成と反対に分けた行使を両方とも有効とした扱いは不適切です。

イ ○

団地型の標準管理規約でも、他の組合員は代理人になれます。団地総会では、別の棟の組合員も団地管理組合の組合員です。

ウ ×

議決権行使書に押印は求められていません。本人の署名があり賛否がはっきりしていれば、有効な行使として扱います。

エ ×

複合用途型の標準管理規約でも、代理人は配偶者・一親等の親族、同居する親族、他の組合員などに限られます。弁護士であることを理由に代理人と認めることはできません。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約(単棟型)46条5項では、代理人になれる者に国内管理人が加わりました。弁護士という資格だけで代理人になれない点は同じです。

公式問題で問32を見る

問33 専有部分の配管の管理と費用

専有部分の配管の取替えについて、費用負担の原則、共用部分と一体で管理する場合、長期修繕計画への記載、修繕積立金から費用を出す条件を確かめます。

正解 4

アからエはいずれも標準管理規約21条とそのコメントの内容どおりで、不適切なものはありません。正解は4です。

ア ○

配管の取替えなどの費用のうち専有部分に係るものは、各区分所有者が実費に応じて負担するものとされています(21条関係コメント)。

イ ○

専有部分の設備のうち共用部分と構造上一体となった部分は、共用部分と一体で管理する必要があれば、管理組合が管理できます(21条2項)。

ウ ○

共用部分と専有部分の配管を同時に取り替えたほうが費用を抑えられる場合は、あらかじめ長期修繕計画に専有部分の配管の取替えを記載したうえで、一体の工事を行うことが考えられます(21条関係コメント)。

エ ○

その工事費用を修繕積立金から出すことを規約に定めておけば、取り崩して充てることができます。先に自費で工事をした区分所有者への補償の有無にも注意します(21条関係コメント)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約21条2項は、区分所有法17条3項の「専有部分の保存行為等」という用語を使い、共用部分と一体で行うには総会の決議を経る形に改められました。

公式問題で問33を見る

問34 規約の保管と閲覧

区分所有法33条について、管理者がいる場合といない場合の規約の保管者、利害関係人からの閲覧請求、保管場所の掲示を確かめます。

正解 2

管理者がいないときに規約を保管するのは、建物を使用している区分所有者かその代理人のうち、規約か集会の決議で定めた者です(33条1項ただし書)。区分所有者であればよいとする2が最も不適切です。

1 ○

管理者がいれば、規約は管理者が保管します(33条1項本文)。

2 ×

保管者になれるのは、建物を使用している区分所有者かその代理人に限られます。建物を使っていない区分所有者は保管者になれません。

3 ○

保管者は、正当な理由がある場合を除き、利害関係人の閲覧請求を拒めません。電磁的記録で作られた規約は、内容を表示したものを保管場所で閲覧させます(33条2項)。

4 ○

規約をどこに保管しているかは、建物内の見やすい場所に掲示します(出題時の33条3項、現行の33条4項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、電磁的記録の規約は利害関係人の承諾を得て電磁的方法で提供できる規定が加わり(33条3項)、保管場所の掲示は33条4項に移りました。保管者と閲覧の扱いは同じです。

公式問題で問34を見る

問35 借地上のマンションと敷地利用権

借地上のマンションについて、各区分所有者の借地契約どうしの関係、借地料の不払い、借地契約を解除された区分所有者の立場、区分所有権の売渡請求を確かめます。

正解 3

借地契約を解除された区分所有者は敷地を使う権利を失い、敷地利用権を有しない区分所有者になります。3が最も適切です。

1 ×

土地所有者が各区分所有者と個別に借地契約を結んだ場合、それぞれ別個の契約です。一つの借地権を準共有するのは、一つの借地契約を区分所有者全員で結んだ場合です。

2 ×

個別の借地契約では、借地料を支払う義務は各区分所有者が自分の契約について負います。不払い分を他の区分所有者に請求することはできません。

3 ○

借地契約が解除されれば、その区分所有者は敷地利用権を失い、敷地利用権を有しない区分所有者になります。

4 ×

区分所有法10条の売渡請求権は、専有部分の収去を請求できる者(ここでは土地所有者)が、敷地利用権を有しない区分所有者に区分所有権を時価で売り渡すよう求める権利です。区分所有者の側から買取りを求める権利はありません。

令和8年度 2026年4月1日現在の区分所有法10条も同じ内容で、この問の正誤は変わりません。

公式問題で問35を見る

問36 集会の招集通知と決議事項

規約で伸ばした招集通知の期間、通知していない事項の決議、区分所有者全員の同意による招集手続の省略、集会の招集を請求できる定数の変更を確かめます。

正解 2

集会では、あらかじめ通知した事項についてだけ決議でき、規約に別段の定めがなければ、通知していない事項は議事にできません(37条1項・2項)。2が最も適切です。

1 ×

招集通知は会議の目的たる事項を示して発するものです(35条1項)。規約で2週間前と定めたなら、目的も含めた通知をその期限までに発しなければならず、日時と場所だけを先に知らせても期限を守ったことになりません。

2 ○

特別の定数が定められた事項を除き、規約で別段の定めをすれば通知していない事項も決議できますが(37条2項)、定めがなければ議事にできません。

3 ×

区分所有者全員の同意があれば、招集の手続を経ないで集会を開けます(36条)。

4 ×

集会の招集を請求できる定数(区分所有者と議決権の各5分の1以上)は、規約で減らせますが、増やすことはできません(34条3項ただし書)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、招集通知には会議の目的たる事項と議案の要領を示すことになり、通知期間は規約で伸ばせても縮められなくなりました(35条1項)。招集の請求や手続の省略は、所在等不明区分所有者として除外された者など議決権を有しない区分所有者を除いて数えます(34条3項、36条、38条の2)。

公式問題で問36を見る

問38 団地関係が成立する場合

一団地内の建物の所有者が土地や附属施設を共有している状況ごとに、区分所有法65条の団地関係が成立するかを確かめます。

正解 3

団地関係は、団地内の土地や附属施設が、団地内の建物の所有者の共有に属する場合に成立します。共有関係のないCを規約で団地関係に加えられるとする3が最も不適切です。

1 ○

戸建てのAを含め、A・B・Cの建物の所有者が甲地を共有していれば、甲地を目的とするA・B・Cの団地関係が成立します(65条)。戸建ても団地内の建物に含まれます。

2 ○

A・B・Cの所有者が附属建物Dと通路を共有し、A・Bの所有者が敷地駐車場を共有していれば、A・B・Cの団地関係とA・Bの団地関係が重なって成立します。

3 ×

Cの所有者は通路もほかの土地も共有していないため、Cを含む団地関係は成立しません。団地関係は共有関係があって初めて生じ、規約で作り出すことはできません。

4 ○

A・B・Cの所有者が通路を共有していれば通路を目的とするA・B・Cの団地関係が、B・Cの所有者が乙地を共有していれば乙地を目的とするB・Cの団地関係が成立し、両者は重なって存在します。

令和8年度 2026年4月1日現在の65条も同じ内容で、団地関係の成立の判断は変わりません。

公式問題で問38を見る

問39 マンションに関する判例

共用部分から生じる利益の返還請求、理事会の決議による理事長職の解職、建物の設計者・施工者の注意義務、不在組合員に求める金銭負担について、最高裁判例の内容を確かめます。

正解 4

アからエはいずれも最高裁判例の内容どおりで、正解は4です。

ア ○

区分所有者の団体だけが共用部分から生じる利益を収取すると集会で決議し、または規約で定めた場合、各区分所有者は持分に相当する利益の返還を請求できません(最判平成27年9月18日)。

イ ○

理事長を理事の互選で選ぶと規約で定めていれば、理事の地位は残したまま、理事会の決議で理事長の職を解けます(最判平成29年12月18日)。

ウ ○

設計者・施工者・工事監理者は、契約関係のない居住者や隣人、通行人に対しても、建物としての基本的な安全性を欠かないよう配慮する注意義務を負います(最判平成19年7月6日)。

エ ○

管理業務を分担しにくい不在組合員に金銭負担を求める規約変更は、必要性・合理性と不利益の程度を比べて負担が相当といえれば、受忍限度を超えないとされました(最判平成22年1月26日)。

公式問題で問39を見る

正答一覧へ戻る ↑

マンション管理適正化法の解答・解説(5問)

問46 基本方針と管理計画の認定

マンション管理適正化法の基本方針、都道府県等による助言・指導、管理計画の認定の申請、認定の取消しを確かめます。

正解 2

不適切なのはイとエの二つで、正解は2です。

ア ○

国土交通大臣は基本方針を定めなければならず、基本方針は住生活基本法15条1項の全国計画と調和したものとします(3条1項・3項)。

イ ×

都道府県等の助言・指導は「することができる」と定められ、推進計画の作成も前提になっていません(5条の2第1項)。

ウ ○

管理組合の管理者等は、管理計画を作って計画作成都道府県知事等に認定を申請できます(出題時の5条の3、現行の5条の13)。

エ ×

認定管理計画に従った管理がされていないときは、まず相当の期限を定めて改善を命じ(出題時の5条の9、現行の5条の19)、その命令に違反した場合などに認定を取り消せます(出題時の5条の10、現行の5条の20)。直ちに取り消すことはできません。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、マンション管理適正化支援法人の登録制度などが加わり、管理計画の認定の条文は5条の13以下に移りました。助言・指導は5条の2のままで、正誤は変わりません。

公式問題で問46を見る

問47 重要事項説明の手続

マンション管理適正化法72条の重要事項説明について、説明をする者、説明会の前に書面を交付する期限、更新時に説明を省略できる場合の相手方を確かめます。

正解 4

(ア)は管理業務主任者、(イ)は一週間前、(ウ)は認定管理者等で、4が最も適切です。

1 ×

説明会の前に交付する書面は、説明会の日の一週間前までに交付します(72条1項後段)。前日では足りません。

2 ×

同一条件での更新時に説明は不要と意思表示できるのは、管理計画の認定を受けた管理者等(認定管理者等)です(72条3項ただし書)。

3 ×

重要事項を説明するのは管理業務主任者です(72条1項・3項)。書面の交付期限は一週間前、(ウ)は認定管理者等です。

4 ○

新たに契約するときは、管理業務主任者が説明会で重要事項を説明し、その一週間前までに区分所有者等と管理者等の全員に書面を交付します。同一条件で更新するときも管理者等には管理業務主任者が説明しますが、認定管理者等から説明は要らないと意思表示があれば、書面の交付で代えられます。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、管理業者が管理者事務の委託を受ける契約(管理者受託契約)も重要事項説明の対象に加わりました(72条1項)。空欄に入る語句は同じです。

公式問題で問47を見る

問48 契約成立時の書面・帳簿・再委託

管理受託契約を結んだときの書面の交付と記名、帳簿の記載と保存期間、基幹事務の一括再委託を確かめます。

正解 1

適切なのはアとイで、正解は1です。基幹事務は、管理組合の承諾があっても一括して再委託できません。

ア ○

契約を結んだら遅滞なく、管理者等(管理業者自身が管理者等である場合や管理者等がいない場合は区分所有者等の全員)に、管理事務の対象となる部分などを記載した書面を交付し、管理業務主任者に記名させます(73条)。

イ ○

管理受託契約を結ぶたびに、締結年月日や管理組合の名称などを帳簿に記載し(75条、施行規則86条1項)、各事業年度の末日で閉鎖して、閉鎖後5年間保存します(同条3項)。

ウ ×

基幹事務を一括して他人に委託することは禁止されています(74条)。管理組合の承諾があっても認められません。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、73条の書面交付は管理者事務の委託契約にも広がりました。再委託の制限と帳簿の規定は同じです。

公式問題で問48を見る

問49 修繕積立金等の分別管理

修繕積立金等が金銭である場合の分別管理について、保証契約が必要な方法、印鑑等を管理できない原則とその例外、管理者等がいない場合の会計書面の扱い、分別管理の義務を確かめます。

正解 1

保証契約が必要なのは、収納口座を経由するイ・ロの方法で管理する場合です(施行規則87条3項)。収納・保管口座で管理する方法に保証契約を求める1が最も不適切です。

1 ×

収納・保管口座は管理組合等を名義人とする口座で、区分所有者等から集めたお金をそのまま預金として管理するため、保証契約の締結は求められていません。

2 ○

保管口座や収納・保管口座の印鑑、預貯金の引出用カードなどは管理業者が管理してはならず、管理者等が選ばれるまでの比較的短い期間だけ保管できます(施行規則87条4項)。

3 ○

管理者等がいないとき、毎月作る会計の収支状況の書面は、事業年度の終了の日から2か月を経過する日まで事務所ごとに備え置き、区分所有者等の求めに応じて業務時間内に閲覧させます(施行規則87条5項)。

4 ○

管理業者は、委託を受けて管理する修繕積立金等について、自己の固有財産や他の管理組合の財産と分けて管理しなければなりません(76条)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、管理業者が管理者等を兼ねる場合に限り、総会の決議や保管口座の金額以上の保証契約などの要件をすべて満たせば印鑑等を保管できる例外が加わりました(施行規則87条4項2号)。会計書面を備え置く扱いも、管理業者が管理者等である場合に広がっています(同条5項)。

公式問題で問49を見る

問50 専任の管理業務主任者の設置

マンション管理業者が置く専任の管理業務主任者について、設置の単位、必要な人数の計算、設置が不要になる小規模マンションの戸数を確かめます。

正解 4

(ア)は事務所、(イ)は30、(ウ)は6で、4が最も適切です。

1 ×

人数は、委託を受けた管理組合の数を30で割って求めます。(ウ)の戸数は6です。

2 ×

設置の単位は事務所です。

3 ×

設置の単位は事務所、人数の基準は30組合、戸数は6です。

4 ○

事務所ごとに、委託を受けた管理組合の数を30で割った数(1未満の端数は切上げ)以上の、成年の専任の管理業務主任者を置きます(56条1項、施行規則61条)。人の居住の用に供する独立部分が5以下の管理組合だけを受託する事務所には、設置義務がありません(施行規則62条)。

令和8年度 2026年4月1日現在の56条1項、施行規則61条・62条も同じ内容です。

公式問題で問50を見る

正答一覧へ戻る ↑

出典と照合

出典は一般社団法人マンション管理業協会が公表した令和4年度の試験問題と正解です。問題本文と選択肢は転載していません。解説は資格Hubが条文、標準管理規約、国の指針とガイドラインを確認して書いたもので、試験実施団体とは関係ありません。

一般社団法人マンション管理業協会の公式ページを開く →

令和7年度の解答・解説を見る →

令和6年度の解答・解説を見る →

令和5年度の解答・解説を見る →

令和3年度の解答・解説を見る →

令和2年度の解答・解説を見る →

令和5〜7年度 全150問の解説集PDFを見る →