2021年12月5日実施・全50問・公式正解照合

管理業務主任者試験
令和3年度の解答・解説

令和3年度の管理業務主任者試験について、問1〜50の公式正解と各肢の判断根拠をこのページに載せています。問題本文は転載していないため、一般社団法人マンション管理業協会の公式問題PDFを開き、問番号を合わせて読んでください。

公開 ・更新 ・作成 資格Hub(運営 Boson)・正答の照合方法

令和3年度の合格基準点と合格率

試験日2021年12月5日
合格基準点50問中35問以上正解(試験の一部免除者は45問中30問以上正解)
受験者数・合格者数16,538人・3,203人
合格率19.4%

出典:マンション管理業協会「令和3年度 管理業務主任者試験 結果報告」

令和8年度に読み替える点

各問の正解は、出題年度の法令・規約で判断しています。2026年4月1日に改正区分所有法などが施行され、集会の普通決議は出席者の各過半数で、規約の変更や共用部分の重大変更は区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で出席者の各4分の3以上で決める形に改められました。招集通知にはすべての議題で議案の要領を示し、耐震性不足などの建物は建替え決議の要件が4分の3に下がり、被災マンション法の再建決議は区分所有法75条に移っています。

改正で扱いが変わる肢は、その問の解説に注記しています。令和8年度の受験では、改正後の条文をe-Gov法令検索の区分所有法で確かめてください。

正答一覧(全50問)

公式問題・正解と照合しています。問番号を選ぶと各肢の根拠へ移動します。

民法・管理委託契約

問題正答論点
問11意思表示の無効・取消しと第三者
問23連帯債務の弁済・相殺・求償
問34管理費債権の保全と債権者代位権
問43代理人の行為能力・代理権の濫用・無権代理
問54管理費債権の消滅時効
問61再委託・管理事務室・督促・解約
問72宅建業者への管理規約等の提供
問82緊急時の業務と免責
問91滞納管理費の請求先と手続
問102民事訴訟によらない滞納対策
問111滞納者の売却・破産・相続放棄と遅延損害金
問134管理事務の報告

標準管理規約

問題正答論点
問122管理組合の会計と理事会の決議事項

会計・税務

問題正答論点
問141貸借対照表の前払金・前受金
問151管理費等の入金の仕訳
問161修繕工事・備品購入の仕訳

建物・設備・修繕

問題正答論点
問173屋上防水の工法
問184鉄筋コンクリートの性質と劣化
問193建物の構造と基礎・界壁
問201上水の給水設備
問213排水通気設備
問222換気方式と換気の基準
問234建築基準法2条の用語
問243防火管理者と防火管理業務の委託
問252長期修繕計画の対象範囲
問264長期修繕計画の用語
問274長期修繕計画を見直す時期

区分所有法・標準管理規約

問題正答論点
問282監事の職務
問292団地の排水管工事と費用
問302共用部分の工事と決議要件
問313理事会に出席できない理事の扱い
問321共用部分の持分と敷地利用権
問332共用部分の変更と規約の変更の決議
問344建替え決議後の売渡請求
問353管理組合法人の機関
問362総会の招集・定足数・決議の数
問373規約共用部分にできるもの
問382理事会の決議だけでできること
問392マンション管理の判例

マンション管理適正化法

問題正答論点
問462契約成立時の書面
問473重要事項説明の手続
問484管理業務主任者証と登録の取消し
問493修繕積立金等の分別管理
問503マンション管理業の登録

令和5〜7年度150問の管理業務主任者解説集PDF

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この年度の出題構成

7分野に分かれ、最多の区分所有法・標準管理規約は12問(24%)です。復習する分野は、各問の正誤と理解できなかった根拠から選べます。

次に多いのが民法・管理委託契約の12問で、上位2分野で48%を占めます。

当サイトの分類では論点名が50件あり、同名の論点は重複していません。名称が異なる問題でも、必要な知識や考え方が共通する場合があります。

読み取れた50問の正答番号は2の16件から4の9件までで、番号の偏りはほとんどありません。

分野出題数割合この年に問われた論点
区分所有法・標準管理規約12問24%監事の職務、団地の排水管工事と費用、共用部分の工事と決議要件、理事会に出席できない理事の扱い、共用部分の持分と敷地利用権、共用部分の変更と規約の変更の決議、建替え決議後の売渡請求、管理組合法人の機関
民法・管理委託契約12問24%意思表示の無効・取消しと第三者、連帯債務の弁済・相殺・求償、管理費債権の保全と債権者代位権、代理人の行為能力・代理権の濫用・無権代理、管理費債権の消滅時効、再委託・管理事務室・督促・解約、宅建業者への管理規約等の提供、緊急時の業務と免責
建物・設備・修繕11問22%屋上防水の工法、鉄筋コンクリートの性質と劣化、建物の構造と基礎・界壁、上水の給水設備、排水通気設備、換気方式と換気の基準、建築基準法2条の用語、防火管理者と防火管理業務の委託
管理実務・関連法令6問12%消費者契約法が適用される契約、賃貸借の特約の有効性、景観・動物・個人情報・浄化槽の規制、分譲マンションのストック統計、サブリース業者の規制、売買の重要事項説明
マンション管理適正化法5問10%契約成立時の書面、重要事項説明の手続、管理業務主任者証と登録の取消し、修繕積立金等の分別管理、マンション管理業の登録
会計・税務3問6%貸借対照表の前払金・前受金、管理費等の入金の仕訳、修繕工事・備品購入の仕訳
標準管理規約1問2%管理組合の会計と理事会の決議事項
正答番号1234
件数1216139

集計は当サイトが公開している全50問・199件の解説から作成しました。問題と正答は試験実施団体の公表資料と照合しています。

民法・管理委託契約の解答・解説(12問)

問1 意思表示の無効・取消しと第三者

住戸の売買契約について、心裡留保、通謀虚偽表示と第三者の過失、詐欺による取消し前の第三者、強迫による取消し前の第三者を確かめます。

正解 1

真意でない意思表示は、相手方が真意を知り、または知ることができたときは無効になります(民法93条1項ただし書)。1が最も適切です。

1 ○

Aが売るつもりがないことをBが知り、または知ることができたときは、Aは契約の無効を主張できます(93条1項ただし書)。

2 ×

通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗できません(94条2項)。第三者に過失があっても善意であれば保護されるため、AはCに無効を主張できません。

3 ×

詐欺による取消しを対抗できないのは、善意でかつ過失のない第三者です(96条3項)。過失のあるDには取消しの効果を主張できます。

4 ×

強迫による取消しは、善意・無過失の第三者にも対抗できます。96条3項の第三者保護は詐欺の場合に限られます。

公式問題で問1を見る

問2 連帯債務の弁済・相殺・求償

900万円の連帯債務について、一人への免除の効果、弁済した者の求償、他の連帯債務者が持つ反対債権による履行拒絶、資力のない者がいる場合の求償を確かめます。

正解 3

他の連帯債務者が反対債権で相殺しない間に履行を拒めるのは、その者の負担部分の限度です(民法439条2項)。600万円まで拒めるとする3が最も不適切です。

1 ○

600万円の弁済で残りは300万円です。Aへの免除は他の連帯債務者に効力が及ばないため(441条)、Bは300万円の請求を拒めません。

2 ○

連帯債務者は、自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、弁済した額のうち各自の負担部分に応じた額を求償できます(442条1項)。270万円の3分の1の90万円ずつです。

3 ×

Cが相殺を援用しない間、Aが履行を拒めるのはCの負担部分300万円の限度です(439条2項)。600万円全額は拒めません。

4 ○

Cが700万円を弁済すると、AとBに約233万円ずつ求償できますが、Bに資力がなく、Cに過失がなければ、Bの分はCとAが負担部分に応じて分け合います(444条1項)。CはAに350万円を求償できます。

公式問題で問2を見る

問3 管理費債権の保全と債権者代位権

管理組合法人が200万円の管理費債権を保全するため、区分所有者の第三債務者に対する500万円の債権を代位行使する場合について、行使の性質、金額の限度、相手方の抗弁、直接の支払請求を確かめます。

正解 4

代位行使する権利が金銭の支払を目的とするときは、相手方に直接自己への支払を求められます(民法423条の3)。4が最も適切です。

1 ×

債権者代位権は、債権者が自己の名で債務者の権利を行使するもので、債務者の代理人として行うものではありません(423条1項)。

2 ×

代位行使できるのは、被代位権利が可分なら自己の債権額の限度までです(423条の2)。200万円が限度になります。

3 ×

相手方Cは、債務者Bに主張できる抗弁があれば、代位行使する債権者Aにもそれを主張できます(423条の4)。相殺の抗弁も同じです。

4 ○

金銭の支払を求める場合、債権者は相手方に対し、自己に直接支払うよう求められます(423条の3)。

公式問題で問3を見る

問4 代理人の行為能力・代理権の濫用・無権代理

住戸の売却をCに委任した場合について、制限行為能力者の代理行為、代理権の濫用、無権代理への催告に確答がない場合、任意代理人の復代理人の選任を確かめます。

正解 3

無権代理で相手方が追認するかどうか催告し、期間内に確答がないときは、追認を拒絶したものとみなされます(民法114条)。追認したとみなすとする3が最も不適切です。

1 ○

制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限を理由に取り消せません(102条)。

2 ○

代理人が自己の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をし、相手方がその目的を知り、または知ることができたときは、無権代理とみなされます(107条)。

3 ×

代理権のないDの行為について、Bの催告に相当の期間内に確答がなければ、Aは追認を拒絶したものとみなされます(114条後段)。

4 ○

任意代理人が復代理人を選べるのは、本人の許諾を得た場合か、やむを得ない事由がある場合に限られます(104条)。

公式問題で問4を見る

問5 管理費債権の消滅時効

管理費債権について、確定判決後の時効期間、催告を繰り返した場合、書面による承認の効果、時効を主張させない規約の定めの効力を確かめます。

正解 4

時効の利益は、あらかじめ放棄できません(民法146条)。消滅時効を主張できないとする規約の定めは無効で、4が最も不適切です。

1 ○

確定判決で確定した権利は、10年より短い時効期間の定めがあっても、時効期間が10年になります(169条1項)。

2 ○

催告で時効の完成が猶予されている間に再び催告しても、完成猶予の効力は生じません(150条2項)。

3 ○

滞納を書面で認めることは権利の承認に当たり、その時から時効は新たに進行します(152条1項)。

4 ×

時効を主張できないとする定めは、時効の利益をあらかじめ放棄させるもので無効です(146条)。時効が完成すれば、区分所有者は援用して債務の消滅を主張できます。

公式問題で問5を見る

問6 再委託・管理事務室・督促・解約

標準管理委託契約書について、事務管理業務の再委託の範囲、管理事務室の使用条件、督促しても支払われない場合の扱い、契約の解約申入れを確かめます。

正解 1

事務管理業務の管理事務は、一部なら再委託できますが、全部を再委託することはできません(第4条1項)。全部を再委託できるとする1が最も不適切です。

1 ×

再委託できるのは事務管理業務の一部と、管理員業務・清掃業務・建物設備等管理業務の全部または一部です(第4条1項)。基幹事務の一括再委託を禁じる適正化法74条を踏まえた定めです。

2 ○

管理事務室、管理用倉庫、清掃員控室、器具、備品などは、管理事務を行わせるために無償で使用させます(第7条1項)。

3 ○

出納業務で督促しても組合員が支払わないときは、管理業者は責めを免れ、その後の収納の請求は管理組合が行います(第11条1項)。

4 ○

管理組合と管理業者は、相手方に少なくとも3か月前に書面で解約を申し入れれば、契約を終了させられます(第21条)。

令和8年度 令和5年9月と令和7年12月の改訂後も、四つの肢に関わる定めは同じです。

公式問題で問6を見る

問7 宅建業者への管理規約等の提供

組合員から住戸の売却を依頼された宅建業者が管理規約の提供や開示を求めた場合について、費用の受領、滞納管理費の清算の求め、提供・開示の根拠規定、情報開示の意義を確かめます。

正解 2

適切なのはウとエの二つで、正解は2です。

ア ×

管理業者は、管理規約等の提供や開示にかかる費用について、提供・開示の相手方から受け取ることができます(第15条2項)。

イ ×

組合員が管理費等を滞納しているときは、管理組合に代わって、宅建業者に清算に必要な措置を求めることができます(第15条3項)。

ウ ○

管理業者が提供・開示を行うには、管理規約等にその根拠が明確に定められ、これと整合する形で管理委託契約書にも管理業者による提供・開示を定めておく必要があります(第15条関係コメント)。

エ ○

管理組合の財務・管理に関する情報を購入予定者に提供・開示することは、購入予定者の利益の保護やトラブルの未然防止、資産価値の向上などの点で有意義とされています(第15条関係コメント)。

令和8年度 令和7年12月の改訂で、管理規約等の提供・開示の費用は、マンション管理業協会のガイドラインで示す手数料の算式を参考に定めることがコメントに加わりました。四つの肢の正誤は変わりません。

公式問題で問7を見る

問8 緊急時の業務と免責

標準管理委託契約書について、災害時に承認を受けずに行う業務、その費用の負担、緊急時の専有部分への立入り、管理業者の責めによらない損害の扱いを確かめます。

正解 2

緊急時の業務で管理業者が支出した費用でも、その原因が管理業者の責めによる事故等であれば、管理組合は支払う必要がありません(第9条2項ただし書)。2が最も不適切です。

1 ○

地震などで緊急に行う必要があり、承認を受ける時間がない業務は承認なしに実施でき、その後速やかに書面で内容と費用を通知します(第9条1項)。

2 ×

管理組合は、緊急時の業務でやむを得ず支出された費用を速やかに支払いますが、管理業者の責めによる事故等の場合は除かれます(第9条2項)。

3 ○

漏水などで緊急に行う必要があるときは専有部分等に立ち入ることができ、管理組合と立ち入った専有部分等の組合員等に事後速やかに報告します(第14条3項)。

4 ○

管理業者の責めによらない火災などで管理組合や組合員等が損害を受けても、管理業者は賠償責任を負いません(第19条)。

令和8年度 令和5年9月と令和7年12月の改訂後も、四つの肢の扱いは同じです。

公式問題で問8を見る

問9 滞納管理費の請求先と手続

管理費の滞納について、住戸を賃貸している場合の請求先、共有住戸の請求、区分所有者の破産、管理業者が訴訟代理人になれる範囲についての説明を確かめます。

正解 1

管理費の支払義務を負うのは区分所有者で、住戸を借りて住んでいる賃借人は管理組合に支払義務を負いません。1が最も不適切です。

1 ×

管理費は規約に基づき区分所有者が負担するもので、賃借人は管理組合に対して管理費の支払義務を負いません。

2 ○

共有住戸の管理費債務は性質上不可分の債務とされ、管理組合は共有者の一人に全額を請求できます。

3 ○

破産手続開始の決定があれば、管理組合は滞納管理費債権を破産債権として届け出て、破産手続に参加できます。

4 ○

地方裁判所では、法令による代理人のほか弁護士でなければ訴訟代理人になれません(民事訴訟法54条1項)。管理業者は管理組合の訴訟代理人になれません。

公式問題で問9を見る

問10 民事訴訟によらない滞納対策

管理費の滞納に使う手段について、内容証明郵便による督促、支払督促、民事調停、少額訴訟の特徴を確かめます。

正解 2

支払督促は、簡易裁判所の書記官が支払を命じる簡略な手続ですが、債務者から督促異議の申立てがあると通常の訴訟に移行します。2が最も適切です。

1 ×

内容証明郵便による督促も催告に当たり、その時から6か月間は時効の完成が猶予されます(民法150条1項)。

2 ○

支払督促は裁判所書記官が発付し(民事訴訟法382条)、適法な督促異議があれば通常の訴訟に移行します(395条)。

3 ×

調停でも弁護士などの専門家に依頼できます。調停委員の意見に強制力はなく、当事者が合意して調停が成立したときに効力が生じます。

4 ×

少額訴訟は60万円以下の金銭の請求に使えます(368条1項)。60万円を超える滞納でも、一部を請求する形で利用できます。

令和8年度 現行の民事訴訟法でも、支払督促と少額訴訟の仕組みは同じで、この問の正誤は変わりません。

公式問題で問10を見る

問11 滞納者の売却・破産・相続放棄と遅延損害金

管理費を滞納した区分所有者について、住戸を売却した場合、破産手続開始の決定を受けた場合、相続人全員が相続を放棄した場合、規約に遅延損害金の定めがない場合を確かめます。

正解 1

滞納者が住戸を売却しても、買主が滞納管理費を承継するだけで、売主の支払義務は消えません。売主が債務を免れるとする1が最も不適切です。

1 ×

買主は特定承継人として滞納管理費の支払義務を負いますが(区分所有法8条)、売主の債務も残り、両者が併存して責任を負います。

2 ○

破産手続開始の決定を受けただけでは、管理費の支払義務は消えません。免責許可の決定が確定するまで債務は残ります。

3 ○

相続を放棄した者は初めから相続人でなかったものとみなされるため(民法939条)、全員が放棄すれば、どの相続人も滞納管理費を負担しません。

4 ○

金銭債務の不履行による損害賠償は、規約に定めがなくても法定利率で請求できます(民法419条1項)。

公式問題で問11を見る

問13 管理事務の報告

標準管理委託契約書について、事業年度終了後の報告をする者、毎月交付する書面の内容、管理組合の請求による報告、報告の際の関係書類の提示を確かめます。

正解 4

管理業者が管理事務の処理状況や会計の収支状況を報告するとき、管理組合は関係書類の提示を求められます(第10条4項)。4が最も適切です。

1 ×

事業年度終了後の管理事務の処理状況と会計の収支の結果の報告は、管理業務主任者にさせなければなりません(第10条1項)。

2 ×

毎月末日までに交付するのは、前月の管理組合の会計の収支状況に関する書面です(第10条2項)。

3 ×

管理組合から請求があったときの報告(第10条3項)は、管理業務主任者にさせることまでは求められていません。

4 ○

第10条1項〜3項の報告をするとき、管理組合は管理事務の処理状況と会計の収支に関する関係書類の提示を求められます(第10条4項)。

令和8年度 令和7年12月の改訂で、管理業者が管理者を兼ねる方式では、定期に説明会を開いて組合員等に管理事務を報告する考え方が第10条関係コメントに加わりました。四つの肢の正誤は変わりません。

公式問題で問13を見る

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標準管理規約の解答・解説(1問)

問12 管理組合の会計と理事会の決議事項

標準管理規約の会計について、預金口座の印鑑等の保管、理事会の議決事項、災害時の応急修繕と資金の手当て、修繕積立金の保管・運用方法の決め方を確かめます。

正解 2

不適切なのはウとエの二つで、正解は2です。

ア ○

預金口座の印鑑等は、施錠できる場所に保管し、印鑑と鍵の保管を理事長と副理事長に分けるなど取扱い方法を検討し、その取扱いについて総会の承認を得たうえで細則などに定めることが望ましいとされています(62条関係コメント)。

イ ○

収支決算案、事業報告案、収支予算案、事業計画案は、理事会の議決事項です(54条1項1号)。

ウ ×

災害等で総会の開催が困難なときに理事会が応急修繕の実施を決議した場合は、その実施に充てる資金の借入れと修繕積立金の取崩しの両方を理事会で決議できます(54条2項)。

エ ×

修繕積立金の保管及び運用方法は、総会の決議事項です(48条7号)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約でも、54条2項と48条7号、62条関係コメントの内容は同じです。

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会計・税務の解答・解説(3問)

問14 貸借対照表の前払金・前受金

一般(管理費)会計の未完成の貸借対照表について、資産の部と負債・繰越金の部の合計1,500,000円との差額から、空欄に入る科目と金額を求めます。

正解 1

資産の部の記入済み科目は計1,100,000円、負債・繰越金の部も計1,100,000円で、どちらも400,000円不足しています。資産側は前払金、負債側は前受金になり、1が最も適切です。

1 ○

資産の部は現金100,000円、普通預金900,000円、未収入金100,000円で計1,100,000円なので、Aは400,000円の前払金です。負債・繰越金の部は未払金200,000円、預り金100,000円、次期繰越剰余金800,000円で計1,100,000円なので、Bは400,000円の前受金です。

2 ×

600,000円では合計が1,700,000円になり、1,500,000円と合いません。

3 ×

科目が逆です。前受金は負債、前払金は資産の科目です。

4 ×

科目が逆で、金額も合いません。

公式問題で問14を見る

問15 管理費等の入金の仕訳

3月中の入金に、2月以前の未収分、3月分、4月分の前払いが混じっている場合の、発生主義による3月分の仕訳を確かめます。

正解 1

2月以前分は計上済みの未収入金を消し、3月分だけを収入にし、4月分は前受金にします。この処理の1が最も適切です。

1 ○

普通預金3,580,000円の入金に対し、貸方に未収入金280,000円、3月分の管理費収入250,000円・修繕積立金収入50,000円、前受金3,000,000円を計上します。

2 ×

未収分も前払分もすべて当月の収入にしています。発生主義では、収入はその月に帰属する分だけ計上します。

3 ×

前受金の処理は正しいものの、2月以前分を3月の収入に含めています。未収入金の回収として処理します。

4 ×

4月分を前受金にせず、3月の収入にしています。

公式問題で問15を見る

問16 修繕工事・備品購入の仕訳

2月に完了した塗装工事の3月の支払、3月に完了した補修工事の翌月払い、3月に発注して4月に納入される除雪機について、発生主義による3月分の仕訳を確かめます。

正解 1

①は2月に計上した未払金の支払、②は3月の修繕費と未払金の計上で、③の除雪機は納入が4月なので3月には仕訳をしません。この組合せの1が最も適切です。

1 ○

①は未払金2,350,000円を普通預金から支払う仕訳、②は修繕費1,200,000円と未払金1,200,000円の計上です。③は4月納入のため3月の仕訳はありません。

2 ×

①の工事費は2月の完了時に修繕費として計上済みです。3月にもう一度修繕費にすると二重計上になります。

3 ×

②の工事代金は4月払いなので、3月に普通預金は減りません。

4 ×

①の修繕費は計上済みで、③の除雪機も3月には納入されていないため、備品と未払金は計上しません。

公式問題で問16を見る

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建物・設備・修繕の解答・解説(11問)

問17 屋上防水の工法

マンションの屋上防水について、メンブレン防水の意味、シート防水の特徴、気温が著しく下がるときの施工、ウレタン系塗膜防水が向く改修を確かめます。

正解 3

建築改修工事監理指針では、外気温の著しい低下が予想されるときは防水工事を行わないとしています。塗膜防水を施工しなければならないとする3が最も不適切です。

1 ○

メンブレン防水は、膜状の防水層を作る工法の総称で、アスファルト防水、シート防水、塗膜防水などが含まれます。

2 ○

シート防水に使う合成高分子系のシートは伸びが大きく、下地の動きに追従します。

3 ×

気温が著しく下がると材料の硬化や接着に支障が出るため、塗膜防水を含め、防水工事は施工しないこととされています。

4 ○

ウレタン系塗膜防水は液状の材料を塗り重ねるため、設備の架台など突出物の多い屋上の改修でも施工しやすく、よく採用されます。

公式問題で問17を見る

問18 鉄筋コンクリートの性質と劣化

鉄筋コンクリートについて、基礎のかぶり厚さ、コンクリートと鉄筋の熱膨張、中性化の意味、アルカリ骨材反応の仕組みを確かめます。

正解 4

アルカリ骨材反応は、骨材中の反応性のある鉱物とコンクリート中のアルカリが反応して骨材が膨張し、ひび割れなどを起こす現象です。鉄筋の発錆による膨張とする4が最も不適切です。

1 ○

布基礎の立上り部分を除く基礎では、捨コンクリートの部分を除き、かぶり厚さを6cm以上とします(建築基準法施行令79条1項)。

2 ○

コンクリートと鉄筋は、通常の温度範囲で熱膨張の程度がほぼ等しく、一体として働けます。

3 ○

硬化したコンクリートが空気中の二酸化炭素と反応してアルカリ性を失っていく現象を中性化といいます。

4 ×

肢の説明は鉄筋の腐食による膨張(爆裂)のことです。アルカリ骨材反応は、骨材とアルカリの反応による膨張です。

公式問題で問18を見る

問19 建物の構造と基礎・界壁

マンションの構造について、免震構造の仕組み、主要構造部に含まれない部分、高さが部分的に異なる建物の基礎、各戸の界壁の高さを確かめます。

正解 3

建築物には、原則として異なる構造方法による基礎を併用してはなりません(建築基準法施行令38条2項)。高さに応じて異なる基礎を併用しなければならないとする3が最も不適切です。

1 ○

免震装置で建物をゆっくり水平移動させ、建物に伝わる地震力を小さくする構造形式を免震構造といいます。

2 ○

主要構造部からは、構造上重要でない間仕切壁などが除かれます(建築基準法2条5号)。

3 ×

異なる構造方法による基礎の併用は、原則として禁じられています(施行令38条2項)。

4 ○

長屋や共同住宅の各戸の界壁は、一定の場合を除き、小屋裏か天井裏に達するようにします(施行令114条1項)。

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問20 上水の給水設備

給水設備について、簡易専用水道の規模、給水タンクの点検用マンホールの大きさ、ウォーターハンマーを防ぐ流速、流しの水栓の逆流防止を確かめます。

正解 1

簡易専用水道は、水槽の有効容量の合計が10㎥を超えるものです(水道法3条7項、施行令2条)。20㎥とする1が最も不適切です。

1 ×

簡易専用水道に当たるのは、水道事業の用に供する水道から受ける水だけを水源とし、水槽の有効容量の合計が10㎥を超えるものです。

2 ○

給水タンクに設ける保守点検用のマンホールは、直径60cm以上の円が内接できる大きさとします。

3 ○

ウォーターハンマーを防ぐため、給水管内の流速は毎秒1.5m〜2.0m以下が標準とされています。

4 ○

水栓の吐水口とあふれ面との間に垂直距離(吐水口空間)を確保するなど、逆流を防ぐ措置を講じます。

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問21 排水通気設備

排水通気設備について、二重トラップの禁止、通気弁の機能と設置場所、特殊継手排水システムの方式、排水立て管の管径を確かめます。

正解 3

特殊継手排水システムは、通気立て管を設けずに、特殊な継手で伸頂通気だけで排水できるようにした方式です。伸頂通気管と通気立て管を併設するとする3が最も不適切です。

1 ○

排水トラップを二重に設けると排水が流れにくくなるため、二重トラップにならないようにします。

2 ○

通気弁は空気を吸い込む機能だけを持つ弁で、排水通気管内が負圧になる部分に設けます。

3 ×

特殊継手排水システムは、伸頂通気方式を改良して許容流量を大きくしたもので、通気立て管を省けるのが特徴です。

4 ○

排水立て管の管径は、どの階でも最下部の管径と同じにします。上の階で細くすることはしません。

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問22 換気方式と換気の基準

換気設備について、ホルムアルデヒド対策の必要有効換気量、全熱交換型換気の方式、排気フードの材料、第3種換気での給気口を確かめます。

正解 2

全熱交換型の換気は、給気と排気をともに機械で行う第1種換気方式です。第2種換気方式とする2が最も不適切です。

1 ○

住宅等の居室の機械換気設備の必要有効換気量は、床面積に天井の高さを掛けた値の0.5倍(換気回数0.5回/h)です(建築基準法施行令20条の8)。

2 ×

全熱交換型は給気と排気を機械で行い、その間で熱と湿気を交換するので第1種換気方式です。第2種は機械給気と自然排気の組合せです。

3 ○

火を使う設備の近くに排気フード付きの排気筒を設ける場合、排気フードは不燃材料で造ります(施行令20条の3第2項4号)。

4 ○

第3種換気方式は機械で排気し、自然に給気するため、必要な換気量を確保できる大きさの給気口を設けます。

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問23 建築基準法2条の用語

建築基準法2条の定義について、特殊建築物、建築設備、居室、建築の範囲を確かめます。

正解 4

建築は、建築物を新築、増築、改築、移転することをいい(建築基準法2条13号)、大規模の修繕や大規模の模様替は含まれません。4が最も不適切です。

1 ○

特殊建築物には共同住宅も含まれ、学校、病院、劇場、百貨店、工場などと並んで2条2号に挙げられています。

2 ○

建築設備は、建築物に設ける電気・ガス・給排水・換気・冷暖房・消火・排煙・汚物処理の設備や、煙突、昇降機、避雷針をいいます(2条3号)。

3 ○

居室は、居住、執務、作業、集会、娯楽などのために継続的に使う室です(2条4号)。

4 ×

建築の定義は新築、増築、改築、移転の四つです(2条13号)。大規模の修繕と大規模の模様替は、2条14号・15号で別に定義されています。

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問24 防火管理者と防火管理業務の委託

消防法の防火管理について、管理権原が分かれた高層の共同住宅の統括防火管理者、防火管理者に行わせる業務、防火管理業務を外部に委託できる場合を確かめます。

正解 3

管理的・監督的な地位にある者がいずれも遠隔地に勤務しているなどで防火管理業務を適切に行えない場合は、外部の者を防火管理者に選んで委託できます(消防法施行令3条2項)。委託できないとする3が最も不適切です。

1 ○

高さ31mを超える高層建築物で管理について権原が分かれているものは、権原を有する者が協議して統括防火管理者を定めます(消防法8条の2第1項)。高さ40mの共同住宅は人数にかかわらず対象です。

2 ○

管理について権原を有する者は、資格を持つ者から防火管理者を定め、消防計画に基づく消火・通報・避難の訓練を行わせます(8条1項)。

3 ×

共同住宅などで、管理的・監督的な地位にある者がいずれも遠隔地に勤務しているなどの事情があれば、外部の者に防火管理業務を委託できます(施行令3条2項)。

4 ○

防火管理者には、避難や防火上必要な構造と設備の維持管理も行わせます(8条1項)。

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問25 長期修繕計画の対象範囲

長期修繕計画作成ガイドラインについて、単棟型と団地型の長期修繕計画が対象とする敷地、専有部分、団地共用部分、各棟の共用部分の範囲を確かめます。

正解 2

単棟型の長期修繕計画は、共用部分の修繕工事や改修工事に伴って修繕が必要になる専有部分も対象に含めます。専有部分を一切対象にしないとする2が最も不適切です。

1 ○

単棟型は、管理規約に定めた組合管理部分である敷地、建物の共用部分、附属施設を対象とします。

2 ×

共用部分の工事に伴って修繕工事が必要になる専有部分は、長期修繕計画の対象に含まれます。

3 ○

団地型は、一般に、団地全体の土地、附属施設、団地共用部分を対象とします。

4 ○

団地型では、各棟の共用部分も対象になります。

令和8年度 令和6年6月の改訂後も、長期修繕計画の対象範囲の考え方は同じです。

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問26 長期修繕計画の用語

長期修繕計画作成ガイドラインで使う推定修繕工事、計画修繕工事、修繕工事費、修繕積立金の定義を確かめます。

正解 4

修繕積立金は、計画修繕工事に要する費用に充当するための積立金と定義されています。推定修繕工事の費用に充てる積立金とする4が最も不適切です。

1 ○

推定修繕工事は、計画期間内に見込まれる修繕工事(経常的な補修工事を除く補修工事を含む)と改修工事です。

2 ○

計画修繕工事は、長期修繕計画に基づいて計画的に実施する修繕工事と改修工事です。

3 ○

修繕工事費は、計画修繕工事の実施に要する費用です。

4 ×

修繕積立金の定義は、計画修繕工事に要する費用に充てるための積立金です。推定修繕工事に要する概算の費用は「推定修繕工事費」と呼びます。

令和8年度 令和6年6月の改訂後も、これらの用語の定義は同じです。

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問27 長期修繕計画を見直す時期

長期修繕計画作成ガイドラインが示す見直しの時期として、大規模修繕工事の中間、直前、直後のそれぞれが挙げられているかを確かめます。

正解 4

ガイドラインは、大規模修繕工事の中間の時期に単独で行う場合、直前に基本計画の検討と併せて行う場合、直後に工事の結果を踏まえて行う場合を挙げています。アからウをすべて含む4が最も適切です。

ア ○

大規模修繕工事と大規模修繕工事の中間の時期に、単独で見直す方法が挙げられています。

イ ○

大規模修繕工事の直前に、基本計画の検討と併せて見直す方法も挙げられています。

ウ ○

大規模修繕工事の実施の直後に、修繕工事の結果を踏まえて見直す方法も挙げられています。

令和8年度 令和6年6月の改訂後も、5年程度ごとに調査・診断を行って見直す考え方と、見直しの時期の例は同じです。

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区分所有法・標準管理規約の解答・解説(12問)

問28 監事の職務

標準管理規約の監事について、臨時総会の招集、収支決算案の報告と承認、理事の著しく不当な業務執行への対応、理事会決議違反の報告を確かめます。

正解 2

ア ○

業務の執行や財産の状況に不正があると認めるときは、監事が臨時総会を招集できます(41条3項)。

イ ×

収支決算案は、監事の会計監査を経て、理事長が通常総会に報告し、承認を得ます(59条)。報告と承認を得るのは監事ではありません。

ウ ×

著しく不当な事実を認めたときは、遅滞なく理事会に報告し(41条5項)、必要なら理事長に理事会の招集を請求します(同条6項)。直ちに自ら招集できるわけではありません。

エ ○

理事が理事会の決議に違反する事実を認めたときは、遅滞なくその旨を理事会に報告しなければなりません(41条5項)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約でも、41条と59条の内容は同じです。

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問29 団地の排水管工事と費用

団地型の標準管理規約について、全棟の雑排水管の高圧洗浄、各棟の排水立て管の更新、各住戸の給湯器ボイラーの一斉取替え、集会所の排水管の更新の費用負担を確かめます。

正解 2

ア ○

雑排水管の高圧洗浄は経常的な維持管理の費用で、事業計画と予算の承認を得ていれば管理費から支出できます。

イ ×

各棟の雑排水管の立て管や継手は各棟の共用部分で、その更新工事は各棟修繕積立金から支出できます。

ウ ×

給湯器ボイラーは共用部分から除かれた専有部分の設備で(別表第2)、その取替え費用を団地修繕積立金から出すことはできません。

エ ○

集会所は団地共用部分で、その雑排水管の更新工事は普通決議で実施し、団地修繕積立金から支出できます。

令和8年度 令和7年改正の団地型でも、団地修繕積立金と各棟修繕積立金の使い分けは同じです。

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問30 共用部分の工事と決議要件

単棟型と複合用途型の標準管理規約について、窓枠・窓ガラスの一斉交換、店舗用階段のエレベーターへの変更、各住戸の換気扇の一斉取替え、光ファイバーの敷設工事に必要な決議を確かめます。

正解 2

ア ○

窓枠、窓ガラス、玄関扉などの一斉交換工事は、普通決議で実施できると考えられています(47条関係コメント)。

イ ×

店舗用階段をエレベーターに変える工事は共用部分の重大な変更で、総会の特別多数決議が必要です。店舗部会は意思を決める機関ではなく、部会の決議だけでは実施できません。

ウ ×

各住戸の台所や浴室の換気扇は専有部分の設備で、その取替えは各区分所有者が行うものです。総会の普通決議で一斉に取り替えることはできません。

エ ○

既存のパイプスペースを使い、共用部分の形状を変えずに光ファイバー・ケーブルを敷設する工事は、普通決議で実施できると考えられています(47条関係コメント)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約でも、各肢の工事の扱いは同じです。

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問31 理事会に出席できない理事の扱い

標準管理規約と同じ定めの管理組合で、出張中の理事の委任状、議決権行使書、専有部分の改良工事の電磁的方法による決議、入院中の理事の配偶者の出席を確かめます。

正解 3

専有部分の修繕等の承認・不承認は、理事の過半数の承諾があれば電磁的方法で決議できます(53条2項、54条1項5号)。監事が反対していても影響はなく、3が最も適切です。

1 ×

理事会には理事本人が出席して議論することが求められ、議長一任の委任状のような代理出席は、規約に定めがなければ認められません(53条関係コメント)。

2 ×

欠席する理事が書面で賛否を示すことを認めるには、規約の明文の規定が必要です(53条関係コメント)。

3 ○

専有部分の修繕等の承認・不承認は、理事の過半数の承諾があれば書面か電磁的方法で決議できます(53条2項)。承諾が必要なのは理事で、監事の反対は要件に関係しません。

4 ×

理事の配偶者が理事会に出席して決議に加わることは、規約に定めがなければ認められません。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約では、規約に明文の規定を置けば、理事が配偶者や一親等の親族を職務代行者に定めて理事会に出席させられることがコメントで示されました。規約に定めがない限り認められない点は同じです。

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問32 共用部分の持分と敷地利用権

区分所有法について、数個の専有部分を持つ場合の敷地利用権の割合、共用部分の管理で専有部分の使用に特別の影響がある場合、持分割合と管理費の負担割合、共用部分の持分の分離処分を確かめます。

正解 1

数個の専有部分を持つ場合の各敷地利用権の割合は、原則として共用部分の持分の割合と同じですが、規約で別の割合を定められます(22条2項ただし書)。規約で定められないとする1が最も不適切です。

1 ×

各専有部分に係る敷地利用権の割合は14条の割合によりますが、規約で異なる割合を定めればその割合になります(22条2項)。

2 ○

共用部分の管理に関する事項でも、専有部分の使用に特別の影響を及ぼすときは、その専有部分の所有者の承諾が必要です(18条3項で17条2項を準用)。

3 ○

管理費等の負担割合は規約で定められるため、共用部分の持分の割合と一致しないこともあります(19条)。

4 ○

共用部分の共有者は、法律に別段の定めがある場合を除き、専有部分と分離して共用部分の持分を処分できません(15条2項)。

令和8年度 2026年4月1日現在の22条2項、18条3項、15条2項も同じ内容です。

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問33 共用部分の変更と規約の変更の決議

共用部分の重大な変更と規約の変更について、規約で決議要件を緩められるか、書面による決議ができるか、議案の要領の通知が必要か、規約で図るべき利害の衡平を確かめます。

正解 2

ア ○

出題当時の17条1項ただし書は、共用部分の重大な変更について区分所有者の定数だけを規約で過半数まで減らせるとしていました。規約の変更(31条1項)には同じ定めがありません。

イ ×

区分所有者全員の承諾があれば、規約の変更も書面による決議ができます(45条1項)。

ウ ×

出題当時の35条5項は、共用部分の重大な変更(17条1項)と規約の変更(31条1項)のどちらも、議案の要領の通知を求めていました。

エ ○

規約は、専有部分や共用部分などの形状、面積、位置関係、使用目的、利用状況、区分所有者が支払った対価などを総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めます(30条3項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、共用部分の重大な変更は、区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で出席者の各4分の3以上(規約で2分の1超まで引下げ可)、規約の変更は同じ出席要件で出席者の各4分の3以上となり、招集通知にはすべての議題で議案の要領を示すことになりました。現行法では肢アの書き方も当てはまらなくなるため、この問は出題時の規定で解いた正解として読んでください。

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問34 建替え決議後の売渡請求

建替え決議の後、参加するかどうかの催告期間中に区分所有者がとった行動ごとに、買受指定者が催告期間の経過後に売渡請求できる相手かを確かめます。

正解 4

回答期間内に回答しなかった区分所有者は、建替えに参加しない旨を回答したものとみなされ(区分所有法63条4項)、売渡請求の対象になります(同条5項)。4が正解です。

1 ×

建替え決議に賛成した区分所有者は、建替えを行う旨の合意をしたものとみなされます(64条)。催告の対象でもなく、売渡請求の相手にはなりません。

2 ×

建替えに参加する旨を回答した時点で、建替えの合意をしたものとみなされます(64条)。その後に撤回を申し出ても、売渡請求の相手にはなりません。

3 ×

参加しない旨を回答していても、回答期間内に改めて参加する旨を回答すれば、参加する旨を回答した区分所有者として扱われます。

4 ○

決議で議決権を行使せず、催告にも回答しなかった区分所有者は、参加しない旨を回答したものとみなされ、回答期間満了の日から2か月以内に売渡請求を受けます(63条4項・5項)。

令和8年度 2026年4月1日現在の63条・64条も同じ内容で、この問の正誤は変わりません。

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問35 管理組合法人の機関

区分所有法の管理組合法人について、代表理事を管理者とする規約、代理権の制限と第三者、代表権のない理事、監事の任期を確かめます。

正解 3

管理組合法人では、規約か集会の決議で代表理事を定めたり、理事の互選で代表理事を定めたりでき、代表権のない理事を置くことも認められます(49条5項)。無効とする3が最も不適切です。

1 ○

管理組合法人には管理者に関する規定が適用されないため(47条11項)、代表理事を管理者とする規約の定めは無効です。

2 ○

管理組合法人の代理権に加えた制限も(47条7項)、理事の代理権に加えた制限も(49条の2)、善意の第三者に対抗できません。

3 ×

理事が数人いる場合、規約か集会の決議で管理組合法人を代表する理事を定め、または規約で理事の互選によって定めることができます(49条5項)。その結果、代表権のない理事も置けます。

4 ○

監事の任期は2年ですが、規約で3年以内の別の期間を定められます(50条4項で49条6項を準用)。3年とすることもできます。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正後も、47条11項、49条、50条の内容は同じです。管理組合法人の代理と訴訟追行の規定(47条6項〜9項)には、保険金等の請求に関する定めが加わりました。

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問36 総会の招集・定足数・決議の数

総住戸96戸(2住戸を持つ区分所有者6人、2人で共有する住戸3戸を含む)、1住戸1議決権のマンションについて、招集通知の部数、定足数、招集請求に必要な数、規約変更に必要な賛成数を計算します。

正解 2

組合員は90人(単独所有81人+2住戸所有6人+共有住戸3組)、議決権は96です。不適切なのはアとイの二つで、正解は2です。

ア ×

招集通知は組合員ごとに発し、共有住戸は議決権行使者などに1通で足ります。必要な部数は90部で、93部ではありません。

イ ×

出題当時の定足数は議決権総数の半数以上で、96の半数の48以上の出席があれば会議は成立しました(出題時の47条1項)。

ウ ○

総会の招集請求には組合員総数の5分の1以上と議決権総数の5分の1以上の同意が必要で(44条1項)、90人の5分の1は18人、96の5分の1は19.2なので20以上です。

エ ○

出題当時の規約変更の特別決議は組合員総数と議決権総数の各4分の3以上で、90人の4分の3の67.5から68人以上、96の4分の3の72以上の賛成が必要でした(出題時の47条3項)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約では、定足数が議決権総数の過半数(この例では49以上)に改められ、規約変更は組合員総数の過半数かつ議決権総数の過半数を有する組合員が出席し、出席組合員と議決権の各4分の3以上で決める形になりました(47条)。現行の規定ではイとエの判断が変わるため、この問は出題時の規約で解いた正解として読んでください。

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問37 規約共用部分にできるもの

区分所有法4条2項で規約により共用部分にできるものとして、団地内の集会場の建物、屋根のない駐輪場、全員が使える専有部分、エントランスホールを確かめます。

正解 3

規約で共用部分にできるのは、専有部分になり得る建物の部分と附属の建物です(4条2項)。区分所有者全員が使える専有部分を規約共用部分とする3が正解です。

1 ×

団地内の集会場の建物を共用部分にするのは、団地規約で団地共用部分と定める場合で(67条1項)、4条2項による規約共用部分ではありません。

2 ×

屋根のない駐輪場は建物ではなく土地の一部なので、共用部分にはなりません。規約で建物の敷地とすることは考えられます(5条1項)。

3 ○

構造上・利用上独立した建物の部分(専有部分になり得る部分)は、規約で共用部分にできます(4条2項)。

4 ×

エントランスホールは、構造上区分所有者全員の共用に供される法定共用部分で(4条1項)、規約で共用部分とするまでもありません。

令和8年度 2026年4月1日現在の4条2項も同じ内容で、この問の正誤は変わりません。

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問38 理事会の決議だけでできること

管理業者の変更、屋上への携帯電話基地局の設置、専門委員会の設置、理事長と他の理事の職務の交代のうち、理事会の決議だけで行えるものを確かめます。

正解 2

理事会の決議だけで行えるのはウとエの二つで、正解は2です。

ア ×

組合管理部分に関する管理委託契約の締結は総会の決議事項です(48条)。管理業者を変更するには総会の決議が必要です。

イ ×

敷地や共用部分等の一部を第三者に使用させることは総会の決議事項です(16条2項、48条)。屋上を携帯電話基地局に貸す契約も総会で決めます。

ウ ○

理事会は、その責任と権限の範囲内で専門委員会を設置できます(55条1項)。別途の予算を要しない検討のための委員会なら理事会の決議で足ります。

エ ○

理事長、副理事長、会計担当理事は理事会の決議で選任・解任できます(35条3項)。判例も、理事会の決議で理事長の職を解けるとしています(最判平成29年12月18日)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約では、理事長、副理事長、会計担当理事の選任と解任が理事会の決議事項として54条1項16号に明記されました。各肢の正誤は変わりません。

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問39 マンション管理の判例

階下の天井裏にある排水枝管の帰属、占有者に対する契約解除・引渡請求の弁明の機会、駐車場専用使用料の増額、政党ビラの投函のための立入りについて、判例の内容を確かめます。

正解 2

適切なのはアとウの二つで、正解は2です。

ア ○

特定の住戸の排水を階下の天井裏の枝管で流す場合、その枝管は、建物の附属物のうち専有部分に属しないものとして、区分所有者全員の共用部分に当たるとされました(最判平成12年3月21日)。

イ ×

占有者に対する契約解除と引渡しの請求を決議する前に弁明の機会を与える相手は占有者で、賃貸人である区分所有者に与える必要はないとされました(最判昭和62年7月17日)。

ウ ○

駐車場専用使用料の増額は、必要性と合理性があり、増額後の額が社会通念上相当であれば、専用使用権者の承諾がなくても規約や集会決議で決められるとされました(最判平成10年10月30日)。

エ ×

政党ビラを配るため分譲マンションの各階の廊下などに管理組合の意思に反して立ち入った行為について、住居侵入罪の成立が認められました(最判平成21年11月30日)。

令和8年度 2026年4月時点でも、これらの判例の考え方は変わっていません。

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マンション管理適正化法の解答・解説(5問)

問46 契約成立時の書面

マンション管理業者が管理受託契約を結んだときの書面について、交付の相手方、電磁的方法で提供する場合の承諾、再委託の定めの記載、虚偽記載の罰則を確かめます。

正解 2

書面の交付に代えて電磁的方法で提供するには、管理組合の管理者等や区分所有者等の承諾が必要です(73条3項)。承諾が要らないとする2が最も不適切です。

1 ○

契約を結んだら遅滞なく、管理組合の管理者等(管理業者自身が管理者等である場合や管理者等がいない場合は区分所有者等の全員)に書面を交付します(73条1項)。

2 ×

電磁的方法による提供は、管理者等または区分所有者等の承諾を得て行います(73条3項)。

3 ○

管理事務の一部の再委託に関する定めがあるときは、その内容を書面に記載します(73条1項4号)。

4 ○

虚偽の記載がある書面を交付すると、30万円以下の罰金の対象になります(109条1項6号)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、73条の書面交付は管理者事務の委託契約にも広がりました。各肢の正誤は変わりません。

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問47 重要事項説明の手続

重要事項の書面交付と説明について、新築分譲直後に契約期間が満了する契約の扱い、説明会の掲示の期限、説明会の開き方、同一条件で更新する場合の管理者等への説明を確かめます。

正解 3

適切なのはイ、ウ、エの三つで、正解は3です。

ア ×

新築マンションの引渡しの日のうち最も早い日から1年以内に契約期間が満了する契約は、重要事項説明の対象となる管理受託契約から除かれています(72条1項かっこ書、施行規則82条)。

イ ○

説明会の開催日の1週間前までに、日時と場所を区分所有者等と管理者等の見やすい場所に掲示します(施行規則83条2項)。

ウ ○

説明会は、参加者が集まりやすい日時と場所を選び、委託を受けた管理組合ごとに開きます(施行規則83条1項)。

エ ○

同一条件で更新する場合に管理者等がいるときは、管理業務主任者に書面を交付して説明させます(72条3項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、管理業者が管理者事務の委託を受ける契約(管理者受託契約)も重要事項説明の対象に加わりました(72条1項)。

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問48 管理業務主任者証と登録の取消し

管理業務主任者証の有効期間と返納義務、主任者証の更新、不正な行為の情状が特に重い場合の登録の取消しを確かめます。

正解 4

アからエはいずれも適切で、正解は4です。

ア ○

管理業務主任者証の有効期間は5年です(60条3項)。

イ ○

主任者証が効力を失ったときは速やかに国土交通大臣に返納しなければならず(60条4項)、違反すると10万円以下の過料に処せられます(113条3号)。

ウ ○

主任者証の有効期間は、申請により更新します(61条1項)。

エ ○

管理業務主任者として行う事務に関し不正または著しく不当な行為をし、情状が特に重いときは、国土交通大臣は登録を取り消さなければなりません(65条1項4号、64条1項)。

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問49 修繕積立金等の分別管理

マンション管理業者による財産の分別管理について、分別管理の義務、収納・保管口座を使う場合の保証契約、印鑑等の管理の禁止とその例外、保管口座の定義を確かめます。

正解 3

適切なのはア、ウ、エで、正解は3です。収納・保管口座で管理する場合は保証契約を求められません。

ア ○

管理業者は、委託を受けて管理する修繕積立金等について、自己の固有財産や他の管理組合の財産と分けて管理しなければなりません(76条)。

イ ×

保証契約が必要なのは、収納口座を経由するイ・ロの方法で管理する場合です(施行規則87条3項)。収納・保管口座による方法(同条2項1号ハ)では求められていません。

ウ ○

保管口座や収納・保管口座の印鑑、引出用カードなどは、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に保管する場合を除き、管理業者が管理してはなりません(出題時の施行規則87条4項)。

エ ○

保管口座は、修繕積立金を預け入れ、または収納口座から管理費用に充てる金銭などの残額を移し換えて、預貯金として管理する口座で、管理組合等を名義人とするものです(施行規則87条6項2号)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、管理業者が管理者等を兼ねる場合に限り、総会の決議や保証契約などの要件をすべて満たせば印鑑等を保管できる例外が加わりました(施行規則87条4項2号)。

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問50 マンション管理業の登録

マンション管理業の更新の登録の申請期間、処分が遅れた場合の従前の登録の効力、暴力団員等を役員に含む法人の登録拒否、廃業の届出期限を確かめます。

正解 3

適切なのはア、イ、ウで、正解は3です。廃業の届出期限は30日以内です。

ア ○

更新の登録の申請は、有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に行います(施行規則50条)。

イ ○

有効期間の満了の日までに処分がされないときは、従前の登録は処分がされるまでの間、なお効力を持ちます(44条4項)。

ウ ○

役員に暴力団員や暴力団員でなくなってから5年を経過しない者がいる法人は、登録を受けられません(47条)。

エ ×

マンション管理業を廃止したときの届出は、その日から30日以内です(50条1項)。2週間ではありません。

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出典と照合

出典は一般社団法人マンション管理業協会が公表した令和3年度の試験問題と正解です。問題本文と選択肢は転載していません。解説は資格Hubが条文、標準管理規約、国の指針とガイドラインを確認して書いたもので、試験実施団体とは関係ありません。

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