2020年11月29日実施・全50問・公式正解照合

マンション管理士試験
令和2年度の解答・解説

令和2年度のマンション管理士試験について、問1〜50の公式正解と各肢の判断根拠をこのページに載せています。問題本文は転載していないため、公益財団法人マンション管理センターの公式問題PDFを開き、問番号を合わせて読んでください。

公開 ・更新 ・作成 資格Hub(運営 Boson)・正答の照合方法

令和2年度の合格最低点と合格率

試験日2020年11月29日
合格最低点50問中36問以上正解(試験の一部免除者は45問中31問以上正解)
受験者数・合格者数12,198名・1,045名
合格率8.6%

出典:マンション管理センター「令和2年度 正解一覧」、マンション管理センター「令和2年度マンション管理士試験の追加合格について」(訂正後の合格者数、Internet Archive保存版)

令和8年度に読み替える点

各問の正解は、出題年度の法令・規約で判断しています。2026年4月1日に改正区分所有法などが施行され、集会の普通決議は出席者の各過半数で、規約の変更や共用部分の重大変更は区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で出席者の各4分の3以上で決める形に改められました。招集通知にはすべての議題で議案の要領を示し、耐震性不足などの建物は建替え決議の要件が4分の3に下がり、被災マンション法の再建決議は区分所有法75条に移っています。

改正で扱いが変わる肢は、その問の解説に注記しています。令和8年度の受験では、改正後の条文をe-Gov法令検索の区分所有法で確かめてください。

正答一覧(全50問)

公式問題・正解と照合しています。問番号を選ぶと各肢の根拠へ移動します。

区分所有法・被災区分所有法

問題正答論点
問12一部共用部分の規約と規約敷地
問21外壁タイルの落下と損害賠償責任
問31議案の要領を通知する趣旨
問41区分所有者が管理者を務める場合
問54規約の保管と閲覧
問62管理組合法人の解散事由
問74配偶者居住権者の立場
問84義務違反者に対する措置
問91建物の滅失と敷地の分割・復旧
問103団地内の建物の建替え承認決議
問113被災マンションの建物敷地売却決議

民法・借地借家法・登記

問題正答論点
問122無権代理と相続
問134抵当権の効力と賃借人
問142賃借人の債務の個人根保証
問153売主の契約不適合責任
問161敷金の担保範囲と返還
問171配偶者居住権の成立要件
問183区分建物の表題登記

標準管理規約・管理組合運営

問題正答論点
問253専有部分の賃借人の扱い
問262団地型・複合用途型の使用料の積立先
問272管理費と修繕積立金の使い分け
問284組合員名簿と個人情報の扱い
問293総会の議長
問303書類の閲覧請求への対応
問312災害時などの管理組合の運営
問322書面等による決議
問333理事会の運営

管理組合会計

問題正答論点
問344年度をまたぐ取引の仕訳
問352比較貸借対照表の読み方

建物・設備・修繕

問題正答論点
問361調査・診断のレベルと試験方法
問373防水とシーリングの劣化
問383長期修繕計画の見直し
問391大規模修繕工事の請負契約
問401建物の構造と荷重
問414室内環境と省エネ基準
問422マンションの計画手法
問433給水設備の計画
問444排水設備と配管材料
問452換気設備と給湯設備

マンション管理適正化法

問題正答論点
問461マンション管理業者の登録と義務
問474適正化法の「マンション」
問482マンション管理士の講習と登録の取消し
問494マンション管理適正化の基本的方向
問503管理業・マンション管理士・管理事務の定義

令和5〜7年度150問のマンション管理士解説集PDF

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この年度の出題構成

7分野に分かれ、最多の区分所有法・被災区分所有法は11問(22%)です。復習する分野は、各問の正誤と理解できなかった根拠から選べます。

次に多いのが建物・設備・修繕の10問で、上位2分野で42%を占めます。

当サイトの分類では論点名が50件あり、同名の論点は重複していません。名称が異なる問題でも、必要な知識や考え方が共通する場合があります。

読み取れた49問の正答番号は3の14件から4の11件までで、番号の偏りはほとんどありません。

分野出題数割合この年に問われた論点
区分所有法・被災区分所有法11問22%一部共用部分の規約と規約敷地、外壁タイルの落下と損害賠償責任、議案の要領を通知する趣旨、区分所有者が管理者を務める場合、規約の保管と閲覧、管理組合法人の解散事由、配偶者居住権者の立場、義務違反者に対する措置
建物・設備・修繕10問20%調査・診断のレベルと試験方法、防水とシーリングの劣化、長期修繕計画の見直し、大規模修繕工事の請負契約、建物の構造と荷重、室内環境と省エネ基準、マンションの計画手法、給水設備の計画
標準管理規約・管理組合運営9問18%専有部分の賃借人の扱い、団地型・複合用途型の使用料の積立先、管理費と修繕積立金の使い分け、組合員名簿と個人情報の扱い、総会の議長、書類の閲覧請求への対応、災害時などの管理組合の運営、書面等による決議
民法・借地借家法・登記7問14%無権代理と相続、抵当権の効力と賃借人、賃借人の債務の個人根保証、売主の契約不適合責任、敷金の担保範囲と返還、配偶者居住権の成立要件、区分建物の表題登記
再生・都市計画・建築関連法令6問12%マンション敷地売却組合、地域地区の指定、工事の停止・階段の手すり・採光・非常用昇降機、簡易専用水道の検査と監督、共同住宅の防火管理、防犯に配慮した共同住宅の設計指針
マンション管理適正化法5問10%マンション管理業者の登録と義務、適正化法の「マンション」、マンション管理士の講習と登録の取消し、マンション管理適正化の基本的方向、管理業・マンション管理士・管理事務の定義
管理組合会計2問4%年度をまたぐ取引の仕訳、比較貸借対照表の読み方
正答番号1234
件数11131411

集計は当サイトが公開している全50問・200件の解説から作成しました。問題と正答は試験実施団体の公表資料と照合しています。

区分所有法・被災区分所有法の解答・解説(11問)

問1 一部共用部分の規約と規約敷地

一部共用部分の管理を全員の規約と一部の区分所有者の規約で分ける方法、一部共用部分に関する全員の規約の決議要件、特定の区分所有者に有利な専用使用権の設定、分割で建物が所在しなくなった土地を確かめます。

正解 2

一部共用部分に関する事項で全員の利害に関係しないものを全員の規約で定めるときは、その一部共用部分を共用する区分所有者の4分の1を超える者か議決権の4分の1を超える者が反対すれば決議できません(31条2項)。4分の3以上の賛成とする2が誤りです。

1 ○

全員の利害に関係する大規模修繕は全員の規約で、全員の利害に関係しない日常の管理や使用方法は、それぞれを共用する区分所有者の規約で定められます(30条2項)。

2 ×

全員の規約で定める場合の要件は、一部共用部分を共用する区分所有者の4分の1を超える者、または議決権の4分の1を超える者が反対しないことです(31条2項)。4分の3以上の賛成が必要なわけではありません。

3 ○

特定の区分所有者に特に有利な条件で排他的な使用権を設定することは、他の区分所有者全員の権利に特別の影響を及ぼすため、その承諾が必要とされています(31条1項後段)。

4 ○

建物が所在する土地の一部が分割で建物の所在しない土地になったときは、規約で建物の敷地と定められたものとみなされ(5条2項)、分離処分の禁止が及びます。

令和8年度 2026年4月1日現在の30条2項、31条2項、5条2項も同じ内容です。規約の設定・変更の決議は、出席者の各4分の3以上で決める形になりました(31条1項)。

公式問題で問1を見る

問2 外壁タイルの落下と損害賠償責任

賃貸中の住戸の外壁タイルが落ちて通行人が負傷した場合について、区分所有者全員の責任の性質、賃借人の責任、施工不良が原因の場合、建物の基本的な安全性を欠く場合の設計者らの責任を確かめます。

正解 1

共用部分の工作物責任を負う区分所有者全員の債務は不可分債務とされ、持分の範囲の分割債務にはなりません。分割債権として請求するとする1が誤りです。

1 ×

共用部分の設置・保存の瑕疵による損害は、所有者である区分所有者全員が賠償責任を負い(民法717条1項)、その債務は不可分債務として各自が全額について責任を負うと解されています。

2 ○

工作物責任を負う占有者は、損害の発生を防ぐ立場にある者です。共用部分の維持管理に関与できない賃借人Cは占有者に当たらず、賠償責任を負いません。

3 ○

原因が工事業者の施工不良でも、被害者に対しては占有者・所有者が責任を負い、その後に施工業者へ求償することになります(717条3項)。

4 ○

建物としての基本的な安全性を欠くことが原因なら、設計者、施工者、工事監理者は、特段の事情がない限り不法行為責任を負います(最判平成19年7月6日)。

公式問題で問2を見る

問3 議案の要領を通知する趣旨

出題当時の区分所有法35条5項について、招集通知に示す事項、議案の要領の通知が必要な決議、議案の要領を通知する趣旨を空欄補充で確かめます。

正解 1

(ア)は会議の目的たる事項、(イ)は規約の改正、(ウ)は議案の要領、(エ)は総会に出席しない組合員で、1が適切です。

1 ○

通常は会議の目的たる事項を示せば足りますが、規約の改正など一定の重要な決議では議案の要領も通知します(出題時の35条5項)。総会に出席しない組合員も書面で議決権を行使できるようにする趣旨です。

2 ×

(ウ)は議決権行使の手続ではなく議案の要領で、(エ)も利害関係人ではありません。

3 ×

(ア)は議題(会議の目的たる事項)ですが、(ウ)に入るのは議案の要領です。

4 ×

(ア)に議案の要領を入れると趣旨が通りません。管理者の選任も議案の要領の通知が必要な決議ではありませんでした。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、招集通知にはすべての議題について議案の要領を示すことになりました(35条1項)。現行法の招集通知の説明としては当てはまらないため、出題時の規定で解いた正解として読んでください。

公式問題で問3を見る

問4 区分所有者が管理者を務める場合

区分所有者Aが管理者である場合について、事務を第三者に委任できる場合、費用の前払請求、敷地が共有でない場合の権限、過失なく受けた損害の賠償請求を確かめます。

正解 1

管理者は、委任者の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときに、事務を第三者に委任できます(区分所有法28条、民法644条の2第1項)。やむを得ない事由がある場合に限るとする1が誤りです。

1 ×

管理者には委任の規定が準用され(28条)、復受任者の選任は、委任者の許諾を得たときか、やむを得ない事由があるときにできます(民法644条の2第1項)。

2 ○

事務の処理に費用が必要なときは、前払いを請求できます(民法649条)。

3 ○

敷地が区分所有者の共有か準共有に属しないときは、管理者の権限は敷地に及びません(21条、26条1項)。

4 ○

職務を行うため自己の過失なく損害を受けたときは、その賠償を請求できます(民法650条3項)。

公式問題で問4を見る

問5 規約の保管と閲覧

法人でない管理組合の規約について、保管する者、保管場所の掲示と閲覧請求、住戸を譲渡した元区分所有者の閲覧請求権、電磁的記録の規約の閲覧方法を確かめます。

正解 4

アからエはいずれも正しく、正解は4です。

ア ○

管理者がいれば管理者が、いなければ建物を使用している区分所有者かその代理人で規約か集会の決議で定めた者が保管します(33条1項)。

イ ○

保管場所は建物内の見やすい場所に掲示し(出題時の33条3項)、利害関係人の閲覧請求は正当な理由がなければ拒めません(同条2項)。

ウ ○

住戸を譲渡して移転登記も済ませた者は、規約について法律上の利害関係を失っているため、閲覧を請求できる利害関係人に当たらないと解されています。

エ ○

電磁的記録の規約は、記録された情報の内容を法務省令で定める方法(紙面や出力装置の映像面への表示)で表示したものを閲覧させます(33条2項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、電磁的記録の規約は請求者の承諾を得て電磁的方法で提供できるようになり(33条3項)、保管場所の掲示は33条4項に移りました。

公式問題で問5を見る

問6 管理組合法人の解散事由

管理組合法人が解散する事由として、建物の全部滅失、分譲業者による全区分所有権の買取り、破産手続開始の決定、集会の特別決議が当たるかを確かめます。

正解 2

解散事由に当たるのはアとエの二つで、正解は2です。

ア ○

建物の全部の滅失は解散事由です(55条1項1号)。

イ ×

一人がすべての区分所有権を取得しても、建物に専有部分がなくなるわけではなく(55条1項2号に当たらない)、解散事由になりません。

ウ ×

破産手続開始の決定は解散事由として挙げられていません。存立中の管理組合法人は、債務超過を理由に破産手続を開始されることもありません(47条10項で破産法16条2項を準用)。

エ ○

区分所有者及び議決権の各4分の3以上の集会の決議は解散事由です(出題時の55条1項3号・2項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、解散の決議は区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で、出席者の各4分の3以上で決める形になりました(55条2項)。

公式問題で問6を見る

問7 配偶者居住権者の立場

住戸の所有者が死亡し、配偶者Bが配偶者居住権に基づいて住み続ける場合について、集会での意見陳述、規約の効力の範囲、固定資産税の負担、共同の利益に反する行為への対応を確かめます。

正解 4

管理組合が集会の決議だけで配偶者居住権を消滅させることはできません。消滅させられるとする4が誤りです。

1 ○

区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項に利害関係があれば、集会に出席して意見を述べられます(44条1項)。

2 ○

占有者が規約や集会決議に基づく義務を負うのは、建物・敷地・附属施設の使用方法に関する事項に限られます(46条2項)。

3 ○

配偶者居住権者は居住建物の通常の必要費を負担し(民法1034条1項)、固定資産税もこれに当たるため、納付したCはBに求償できます。

4 ×

共同の利益に反する行為への対応は、行為の停止請求や訴えによる措置(57条、60条)などで行います。集会の決議で配偶者居住権そのものを消滅させる制度はありません。

公式問題で問7を見る

問8 義務違反者に対する措置

共同の利益に反する行為をした者への措置について、訴えによらなければならない請求、占有者への停止請求、使用禁止請求の決議を規約で省けるか、競売の申立ての期限を確かめます。

正解 4

競売の請求を認める判決に基づく競売の申立ては、判決確定の日から6か月を経過するとできなくなります(59条3項)。4が正しい記述です。

1 ×

行為の停止の請求は訴えによらずにもできます(57条1項)。訴えが必要なのは、使用禁止、競売、占有者への引渡しの各請求です(58条〜60条)。

2 ×

占有者が共同の利益に反する行為をした場合も、行為の停止を請求できます(57条4項)。

3 ×

使用禁止の請求には、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の集会の決議が必要で(出題時の58条2項)、規約で省くことはできません。

4 ○

競売の申立ては、判決が確定した日から6か月を過ぎるとできません(59条3項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、使用禁止や競売の請求の決議は、区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で、出席者の各4分の3以上で決める形になりました(58条2項、59条2項)。

公式問題で問8を見る

問9 建物の滅失と敷地の分割・復旧

政令で定める災害に当たらない地震でマンションが滅失した場合について、全部滅失後の敷地の分割請求、大規模滅失で復旧に反対した者の買取請求、小規模滅失の復旧に関する規約、専有部分の単独復旧を確かめます。

正解 1

出題当時は、全部滅失後の敷地は民法の共有として分割請求でき、大規模滅失で復旧に反対した者は決議賛成者の全部または一部に買取りを請求できました。アとイの組合せの1が正しい選択です。

ア ○

政令で定める災害でない場合、出題当時は被災マンション法の分割請求の制限が適用されず、各共有者は敷地の分割を請求できました(民法256条1項)。

イ ○

大規模滅失の復旧決議に反対した者は、決議賛成者の全部または一部に対し、建物と敷地に関する権利を時価で買い取るよう請求できます(出題時の61条7項)。

ウ ×

小規模滅失の復旧に関する規定は、規約で別段の定めができます(61条4項)。区分所有者単独での共用部分の復旧を認めない規約も設定できます。

エ ×

復旧の決議で単独の復旧ができなくなるのは共用部分です(61条1項ただし書)。自己の専有部分は単独で復旧できます。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、建物が滅失した場合は災害の種類を問わず、滅失の日から1か月を経過した後5年間は、原則として敷地の分割を請求できなくなりました(77条1項)。現行法では肢アが当てはまらないため、この問は出題時の規定で解いた正解として読んでください。

公式問題で問9を見る

問10 団地内の建物の建替え承認決議

団地管理組合の集会で行う建替え承認決議について、議決権の割合、必要な賛成、説明会の要否、建替え決議に反対した区分所有者の議決権の扱いを確かめます。

正解 3

建替え承認決議の集会では、会日の2か月前までに設計の概要などを通知しますが、説明会の開催は求められていません。説明会が必要とする3が誤りです。

1 ○

建替え承認決議の議決権は、規約に別段の定めがあっても、特定建物の所在する土地の持分の割合によります(69条2項)。

2 ○

出題当時の建替え承認決議は、団地管理組合の集会で議決権の4分の3以上の多数で行いました(69条1項)。

3 ×

1か月前までの説明会が求められるのは建替え決議の集会です(62条)。建替え承認決議の集会では、2か月前までに議案の要領と設計の概要を通知します(69条4項)。

4 ○

建替え決議が成立した特定建物の区分所有者は、建替えに反対していても、建替え承認決議では賛成の議決権を行使したものとみなされます(69条3項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、建替え承認決議は議決権の過半数を有する団地建物所有者が出席した集会で、出席者の議決権の4分の3以上で行う形になり、耐震性不足などの建物では3分の2以上に下がります(69条1項・8項)。

公式問題で問10を見る

問11 被災マンションの建物敷地売却決議

政令で定める災害で大規模一部滅失したマンションの建物と敷地の売却決議について、決議要件、招集通知の期間、敷地利用権が賃借権の場合の承諾、専有部分の賃借権の帰すうを確かめます。

正解 3

売却決議があっても、敷地利用権が土地の賃借権であれば、その譲渡には借地権設定者の承諾(または裁判所の許可)が必要です。承諾なしに売却できるとする3が誤りです。

1 ○

区分所有者、議決権、敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の売却決議で、建物と敷地利用権を売却できました(出題時の被災マンション法9条1項)。

2 ○

売却決議の集会の招集通知は会日の2か月前までに発し、この期間は規約で伸ばせても縮められませんでした(出題時の被災マンション法の規定)。

3 ×

売却決議は区分所有者間の意思決定で、土地の賃借権の譲渡に必要な借地権設定者の承諾(民法612条)まで不要になるわけではありません。

4 ○

売却決議があっても、専有部分の賃借権が当然に消滅するわけではありません。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、建物と敷地の売却は災害の場合に限らず、区分所有法64条の6の建物敷地売却決議(区分所有者、議決権、敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上)で行えるようになりました。招集通知は会日の2か月前までに発します(64条の6第3項で62条6項を準用)。

公式問題で問11を見る

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民法・借地借家法・登記の解答・解説(7問)

問12 無権代理と相続

同居する子Bが代理権なく親Aの住戸を売った場合について、表見代理の成否、無権代理人が本人を相続した場合、転得者の保護、催告に確答がない場合を確かめます。

正解 2

無権代理人が本人を単独で相続した場合、本人が自ら法律行為をしたのと同じ地位になり、売買契約は当然に有効になります(最判昭和40年6月18日)。2が正しい記述です。

1 ×

Bには何の代理権も与えられていないため、権限外の行為の表見代理(民法110条)の前提となる基本代理権がありません。委任状を真正と信じても契約は有効になりません。

2 ○

無権代理人が本人を単独相続すると、追認を拒絶することは信義則上許されず、契約は当然に有効になります(最判昭和40年6月18日)。

3 ×

登記には公信力がなく、Aに落ち度もないため、DがCの登記を信じても所有権は取得できず、AはDに権利を主張できます。

4 ×

催告の期間内に本人が確答しないときは、追認を拒絶したものとみなされます(114条後段)。

公式問題で問12を見る

問13 抵当権の効力と賃借人

住戸に設定された抵当権について、設定当時に存在した従物への効力、抵当権の登記前の賃借人の地位、設定後の賃貸、複数の抵当権の順位を確かめます。

正解 4

同じ不動産に複数の抵当権を設定した場合、その順位は登記の前後によります(民法373条)。設定契約の前後で決まるとする4が誤りです。

1 ○

抵当権の効力は、設定当時に存在した従物にも及ぶとされています(最判昭和44年3月28日)。

2 ○

抵当権の登記より前に賃借して引渡しを受けた賃借人は、賃借権を買受人に対抗でき(借地借家法31条)、明渡しを拒めます。

3 ○

抵当権を設定しても所有者は使用収益を続けられ、住戸を賃貸して賃料を受け取れます。

4 ×

抵当権の順位は、登記の前後で決まります(373条)。

公式問題で問13を見る

問14 賃借人の債務の個人根保証

賃借人の債務を保証する契約について、改正民法の施行前後での極度額の定めの要否、保証人が法人の場合と個人の場合、委託を受けた保証人への情報提供を確かめます。

正解 2

極度額を書面で定めなければ無効になるのは、保証人が法人でない個人根保証契約です(民法465条の2)。法人が保証人なら極度額の記載がなくても有効で、無効とする2が誤りです。

1 ○

2020年4月1日より前に結んだ保証契約には改正前の規定が適用され、個人の根保証でも極度額の定めは要件ではありませんでした。

2 ×

極度額の定めが必要な個人根保証契約は、保証人が法人でないものに限られます(465条の2第1項)。法人の保証は有効です。

3 ○

2020年4月1日以後に個人が結ぶ根保証契約は、極度額を書面で定めなければ効力を生じません(465条の2第2項・3項)。

4 ○

委託を受けた保証人から請求があれば、債権者は主たる債務の履行状況について遅滞なく情報を提供しなければなりません(458条の2)。

公式問題で問14を見る

問15 売主の契約不適合責任

2020年8月に売った中古マンションで引渡し後に雨漏りが見つかった場合について、買主ができる請求の種類、通知の期間、催告による解除、代金減額請求の要件を確かめます。

正解 3

相当の期間を定めて補修を催告しても補修されず、不適合が軽微でなければ、買主は契約を解除できます(民法541条、564条)。3が正しい記述です。

1 ×

買主は、損害賠償や解除のほか、雨漏りの補修(履行の追完)も請求できます(562条1項)。

2 ×

買主は、不適合を知った時から1年以内にその旨を通知すれば足ります(566条)。損害額やその根拠を示して請求する必要はありません。

3 ○

催告しても期間内に補修されず、不適合が契約と取引上の社会通念に照らして軽微でなければ、解除できます(541条、564条)。

4 ×

催告しても補修されなければ、不適合の程度に応じて代金の減額を請求でき(563条1項)、売主の帰責事由は要件ではありません。

公式問題で問15を見る

問16 敷金の担保範囲と返還

住戸の賃貸借で交付した敷金について、担保する債務の範囲、明渡しとの同時履行、賃借人からの充当請求、賃貸人が住戸を譲渡した場合の返還義務を確かめます。

正解 1

敷金は、明渡しまでに生じた賃料相当額の損害賠償債務も含め、賃貸借に基づいて賃借人が負う金銭債務を担保します(民法622条の2第1項)。1が正しい記述です。

1 ○

敷金は、賃貸借の終了後、明渡しまでに生じた賃料相当額の損害賠償債務まで担保します(622条の2第1項)。

2 ×

敷金は明渡しを受けたときに返還するもので(622条の2第1項1号)、賃借人は敷金の返還と引換えに明渡しを拒むことはできません。

3 ×

未払賃料に敷金を充てるよう賃借人から請求することはできません(622条の2第2項後段)。

4 ×

賃貸人の地位が譲受人Cに移転すると、敷金の返還債務もCが承継します(605条の2第4項)。BはCに返還を請求できます。

公式問題で問16を見る

問17 配偶者居住権の成立要件

配偶者居住権について、建物が夫婦の共有だった場合、遺産分割や遺贈によらない場合、内縁の配偶者の場合、改正法の施行前にされた遺贈の扱いを確かめます。

正解 1

被相続人が建物を配偶者以外の者と共有していた場合は配偶者居住権が成立しませんが、配偶者との共有なら成立します(民法1028条1項ただし書)。取得しないとする1が誤りです。

1 ×

配偶者居住権が成立しないのは、被相続人が居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合です(1028条1項ただし書)。配偶者Bとの共有なら取得できます。

2 ○

配偶者居住権は、遺産分割、遺贈、死因贈与のいずれかによって取得するもので(1028条1項、554条)、相続によって当然に生じるものではありません。

3 ○

配偶者居住権を取得できるのは法律上の配偶者で、内縁の配偶者は取得できません。

4 ○

2020年4月1日より前にされた遺贈には配偶者居住権の規定が適用されないため(平成30年改正法附則10条2項)、遺産分割で取得しない限り取得できません。

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問18 区分建物の表題登記

不動産登記法について、共用部分の規約を廃止した後に区分建物を取得した者の登記、敷地権の種類の変更登記の申請方法、区分建物でない建物に接続して新築した区分建物の表題登記、合併した法人の承継法人の申請を確かめます。

正解 3

表題登記のある区分建物でない建物に接続して区分建物を新築したときは、その表題登記の申請は、既存の建物の表題部の変更の登記の申請と併せてしなければなりません(不動産登記法48条3項)。3が正しい記述です。

1 ×

規約の廃止後に区分建物の所有権を取得した者は、取得の日から1か月以内に、その建物の表題登記を申請します(58条7項)。表題部所有者の変更の登記ではありません。

2 ×

敷地権に関する表題部の変更の登記は、同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を持つため(51条5項)、他の区分建物の申請と併せてする必要はありません。

3 ○

表題登記のある建物(区分建物を除く)に接続して区分建物が新築されたときは、表題部の変更の登記の申請と併せて申請します(48条3項)。

4 ×

区分建物の新築後に所有者に一般承継があったときは、承継人は被承継人を表題部所有者とする表題登記を申請できます(47条2項)。承継法人を表題部所有者とするのではありません。

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標準管理規約・管理組合運営の解答・解説(9問)

問25 専有部分の賃借人の扱い

標準管理規約で、賃借人が議決権行使の代理人になれるか、賃貸した区分所有者の駐車場使用契約、賃貸する場合に管理組合に出す誓約書、賃借人の総会での意見陳述を確かめます。

正解 3

規約と使用細則を守る旨の誓約書は、組合員ではなく契約の相手方(賃借人)に提出させます(19条2項)。組合員が提出するとする3が適切でありません。

1 ○

代理人になれるのは、配偶者・一親等の親族、同居する親族、他の組合員などで(46条5項)、賃借人は含まれません。

2 ○

区分所有者が専有部分を第三者に貸与したときは、その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失います(15条3項)。

3 ×

区分所有者は、賃借人に規約と使用細則を守る旨の誓約書を管理組合へ提出させなければなりません(19条2項)。

4 ○

利害関係のある賃借人は総会に出席して意見を述べられ、あらかじめ理事長に通知します(45条2項)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約でも、各肢の扱いは同じです。代理人の範囲には国内管理人が加わりました(46条5項4号)。

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問26 団地型・複合用途型の使用料の積立先

団地型の駐車場使用料と庭の専用使用料、複合用途型の屋上テラスと店舗前面敷地の専用使用料が、それぞれどの修繕積立金に積み立てられるかを確かめます。

正解 2

団地型では、駐車場使用料や庭の専用使用料などの使用料のうち管理費用に充てた残りは、団地建物所有者の土地の持分に応じて棟ごとの各棟修繕積立金に積み立てます(団地型31条)。2が適切です。

1 ×

団地型に全体修繕積立金はなく、駐車場使用料も土地の持分に応じて棟ごとの各棟修繕積立金に積み立てます。

2 ○

各棟の1階に面する庭の専用使用料も、管理費用に充てた残りを土地の持分に応じて棟ごとの各棟修繕積立金に積み立てます(団地型31条)。

3 ×

複合用途型の使用料は、管理費用に充てた残りを全体修繕積立金に積み立てます(複合用途型31条)。住宅一部修繕積立金ではありません。

4 ×

店舗前面敷地の専用使用料も、全体修繕積立金として積み立てます。

令和8年度 令和7年改正の団地型・複合用途型でも、使用料の積立先は同じです。

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問27 管理費と修繕積立金の使い分け

標準管理規約で、修繕積立金を管理費に回すこと、管理費の余剰の扱い、地震保険料への修繕積立金の充当、建物劣化診断の費用を確かめます。

正解 2

適切でないのはアとウの二つで、正解は2です。

ア ×

修繕積立金は特別の管理に充てる場合に限って取り崩せ(28条1項)、管理費と区分して経理します。管理費の不足に回すことはできません。

イ ○

管理費の余剰は、翌年度の管理費に充当します(61条1項)。

ウ ×

地震保険料などの損害保険料は通常の管理の経費で、管理費から支出します(27条5号)。

エ ○

修繕工事の前提となる建物劣化診断の費用は、計画修繕の準備段階の費用として修繕積立金から支出できます(28条関係コメント)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約では、計画修繕などの取崩し対象に工事の計画立案や調査・診断などの準備段階の費用が含まれることが28条関係コメントに明記されました。

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問28 組合員名簿と個人情報の扱い

標準管理規約と個人情報保護法で、遺産分割中の届出、総会招集のための組合員名簿の閲覧請求、大規模災害時の名簿の提供、目的外の利用を確かめます。

正解 4

当初の目的に掲げていない目的でも、改めて本人である組合員の同意を得れば、組合員名簿を利用できます(個人情報保護法18条1項)。4が適切です。

1 ×

遺産分割中でも、相続人は組合員の資格を取得しているため、管理組合は届出を求められます(31条)。

2 ×

総会の招集請求のためという理由のある閲覧請求に対し、組合員全員の同意を得るまで閲覧を拒むことはできません。

3 ×

人の生命、身体、財産の保護のために必要で本人の同意を得ることが難しいときは、同意なしに第三者へ提供できます(個人情報保護法27条1項2号)。

4 ○

目的外の利用でも、あらかじめ本人の同意を得れば行えます(18条1項)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約では、組合員名簿と居住者名簿の作成・保管・閲覧の手続が31条の2に定められました。個人情報保護法の扱いは同じです。

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問29 総会の議長

標準管理規約で、組合員が招集した臨時総会の議長、監事が招集した臨時総会の議長、理事長に事故があった場合の議長、外部専門家の再任を審議する総会の議長を確かめます。

正解 3

理事長に事故があるときは副理事長が職務を代理するため(39条)、臨時総会の当日に理事長が出席できなければ副理事長が議長になります。3が適切です。

1 ×

組合員が招集した臨時総会の議長は、出席した組合員の議決権の過半数で組合員の中から選びます(44条2項)。理事長も組合員なので、選ばれれば議長になれます。

2 ×

監事が招集した臨時総会でも、議長は理事長が務めます(42条5項)。招集した監事が当然に議長になるわけではありません。

3 ○

副理事長は理事長を補佐し、理事長に事故があるときはその職務を代理します(39条)。

4 ×

外部専門家の理事長の再任を審議する総会でも、理事長以外の議長を選ばなければならない定めはありません。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約でも、各肢の扱いは同じです。

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問30 書類の閲覧請求への対応

標準管理規約で、賃借人からの総会議事録の閲覧請求、修繕工事請負契約書・会計帳簿と領収書・組合員名簿の閲覧請求に、理事長がどう対応すべきかを確かめます。

正解 3

適切でないのはア、ウ、エの三つで、正解は3です。

ア ×

総会議事録は、組合員か利害関係人の書面による請求があれば閲覧させます(49条3項)。理由を付すことは要件ではなく、賃借人も利害関係人に当たります。

イ ○

修繕工事請負契約書は帳票類に当たり、理由を付した書面による請求があれば閲覧させます(64条1項)。

ウ ×

会計帳簿だけでなく、領収書や請求書などの帳票類も閲覧の対象です(64条1項)。会計帳簿だけに限ったのは適切でありません。

エ ×

総会の招集請求のためという理由を付した書面による請求なら、組合員名簿の閲覧を認めるべきです(出題時の64条1項)。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約では、組合員名簿の閲覧は31条の2で、相当の理由を付した書面による請求があったときに認める形に整理されました。

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問31 災害時などの管理組合の運営

災害や感染症で総会や理事会の開催が難しい場合について、理事長が単独で応急修繕を行う規約、理事全員の同意による競売の申立て、任期満了後の役員の職務、連絡のつかない区分所有者の専有部分への立入りを確かめます。

正解 2

区分所有権の競売の請求は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の集会の決議に基づき、訴えで行うものです(区分所有法59条)。理事全員の同意で申し立てられるとする2が適切でありません。

1 ○

災害などで緊急に保存行為が必要なとき、理事長が単独で行えると規約で定めておけます(21条6項)。

2 ×

競売の請求には集会の決議と訴えが必要です(59条1項・2項)。理事の同意だけで申し立てることはできません。

3 ○

任期の満了で退任する役員は、後任の役員が就任するまで引き続き職務を行います(36条3項)。

4 ○

災害、事故などで緊急に立ち入らなければ他の専有部分などに重大な影響が出るおそれがあるときは、理事長が専有部分に立ち入れます(23条4項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、競売の請求の決議は、区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で、出席者の各4分の3以上で決める形になりました(59条2項)。

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問32 書面等による決議

総会を開かずに書面や電磁的方法で決議する場合について、全員の承諾の要件、可決に必要な賛成、全員の合意による決議の擬制、書面等の保管と閲覧を確かめます。

正解 2

書面等による決議をすることについては組合員全員の承諾が必要ですが、議案の可決は通常の総会と同じ多数決によります。すべての組合員の賛成が必要とする2が適切でありません。

1 ○

総会で決議すべき場合に組合員全員の承諾があれば、書面等による決議ができます(区分所有法45条1項、標準管理規約50条)。

2 ×

全員の承諾が必要なのは書面等で決議するという方法についてで、議案は総会と同じ要件の多数で可決されます。

3 ○

組合員全員の書面等による合意があれば、書面等による決議があったものとみなされます(45条2項)。

4 ○

理事長は書面等による決議に係る書面などを保管し、組合員や利害関係人の請求があれば閲覧させます(45条4項で33条を準用)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、書面等による決議に必要な全員の承諾は、議決権を有しない区分所有者を除いて数えるようになりました(45条1項)。

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問33 理事会の運営

標準管理規約の理事会について、規約による代理出席と総会での代理者の承認、特別決議が必要な総会提出議案の理事会での決議、利益相反取引の承認、専門委員会の委員の議決権を確かめます。

正解 3

適切なのはア、イ、ウの三つで、正解は3です。

ア ○

規約に代理出席を認める定めを置き、総会でそれぞれの理事の職務を代理するにふさわしい者かを審議して代理する者を定めておく方法が示されていました(53条関係コメント)。

イ ○

総会で4分の3以上が必要な議案でも、理事会で提出を決める議事は出席理事の過半数で決します(53条1項)。

ウ ○

利益相反取引の承認決議には特別の利害関係を有する理事は加われず(53条3項)、その理事を除いた理事の過半数で決します。

エ ×

専門委員会の委員でも、理事であれば理事会の決議に加われます。委員であることを理由に議決から外れるわけではありません。

令和8年度 令和7年改正の標準管理規約では、代理出席に代えて、規約の明文の規定により理事が配偶者や一親等の親族を職務代行者に定めて出席させる方法がコメントで示されています。

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管理組合会計の解答・解説(2問)

問34 年度をまたぐ取引の仕訳

前年度に計上した前払金・未収金・前受金・未払金について、当年度に起きた工事の延期、一部入金、前受金の振替え、追加工事を含む支払の仕訳を確かめます。

正解 4

前年度の未払金8万円に追加工事1万円を加えた9万円を払ったときは、未払金8万円と修繕費1万円を借方に、現金預金9万円を貸方に計上します。4が適切です。

1 ×

修繕工事が2020年度に延びたため、前払金10万円は2019年度末も前払金のままで、2019年度に修繕費へ振り替えません。

2 ×

前年度に計上した未収金の回収は、現金預金4万円と未収金4万円を振り替えるだけで、管理費収入は計上しません。

3 ×

前受金を4月の収入にするときは、借方が前受金、貸方が管理費収入になります。示された仕訳は貸借が逆です。

4 ○

未払金80,000円を消し、追加分10,000円を修繕費として計上し、現金預金90,000円の支出を記録します。

令和8年度 仕訳の考え方は出題当時と同じで、令和8年度もこの手順で解けます。

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問35 比較貸借対照表の読み方

管理費会計の比較貸借対照表から、当期収支差額、未払金の減少と現金預金の関係、前期繰越収支差額、3月の滞納管理費の計上を確かめます。

正解 2

未払金が40千円減ったのは、前年度の未払金を支払って現金預金が減ったことを意味します。現金預金が増えた要因の一つとする2が適切でありません。

1 ○

正味財産が610千円から720千円に110千円増えているので、当期収支差額は110千円のプラスです。

2 ×

未払金の減少は支払による資金の流出を表し、現金預金を減らす要因です。

3 ○

前期繰越収支差額は、前年度末の正味財産610千円です。

4 ○

発生主義では、3月分の管理費は滞納されていても3月の管理費収入に計上し、同時に未収金に計上します。

令和8年度 収支報告書と貸借対照表の関係は出題当時と同じで、令和8年度もこの手順で解けます。

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建物・設備・修繕の解答・解説(10問)

問36 調査・診断のレベルと試験方法

マンションの建物の調査・診断について、簡易診断と詳細診断の位置付け、非破壊試験の意味、局部破壊試験の例を確かめます。

正解 1

現状把握や本調査・診断の要否を判断するために行うのは予備調査で、簡易診断(1次診断)は目視や簡単な計測で劣化状況を把握する診断です。両者を同じものとする1が適切でありません。

1 ×

予備調査は、設計図書の確認や現地の概略調査で調査・診断の方針を決めるものです。簡易診断は、目視や指触、打診などで劣化状況を把握する1次診断で、予備調査とは区別されます。

2 ○

詳細診断は、劣化の原因を特定し、修繕工事の要否や内容を判断するために行う2次診断と3次診断です。

3 ○

非破壊試験は、材料や製品の材質・形状・寸法を変えずに健全性を調べる試験です。

4 ○

3次診断で行う局部破壊試験の例として、鉄筋のはつり出し、コンクリートのコア採取、配管の抜管試験があります。

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問37 防水とシーリングの劣化

メンブレン防水の調査・診断の進め方、室内への漏水の経路、シーリング材のチョーキングの意味、シーリングの早期の剥離や破断の原因を確かめます。

正解 3

シーリング材のチョーキングは、表面が劣化して粉状になる現象です。収縮してくびれる現象とする3が適切でありません。

1 ○

メンブレン防水の調査・診断では、竣工図で材料や工法、納まりを確認し、漏水の有無や劣化状況の調査結果と照合して、原因や今後の耐久性を推定します。

2 ○

室内への漏水は、屋根まわりだけでなく、外壁のひび割れやサッシまわりから起きることもあります。

3 ×

チョーキングは、紫外線などでシーリング材の表面が劣化し、粉状になる現象です。

4 ○

施工時のプライマーの不良やシーリングの厚さ不足などの施工不良は、早期の剥離や破断の原因になります。

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問38 長期修繕計画の見直し

出題当時の長期修繕計画作成ガイドラインについて、見直しの間隔、見直しで考慮する事項、見直し時の計画期間、修繕周期の設定での経済性の扱いを確かめます。

正解 3

見直しの際の計画期間は、外壁塗装や屋上防水などの大規模修繕工事を2回含む長さ以上にします。3が適切です。

1 ×

長期修繕計画は、5年程度ごとに見直すことが必要とされています。10年程度ではありません。

2 ×

入居率、賃貸化率、修繕積立金の滞納率は、見直しで考慮する事項として挙げられていません。

3 ○

見直しの際の計画期間は、大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とします。

4 ×

修繕周期は、仕様や立地条件、劣化状況の調査・診断の結果などに基づいて設定し、経済性も考慮して定めます。

令和8年度 令和3年9月の改訂で、計画期間は新築・既存を問わず30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とされ、令和6年6月の改訂でもこの考え方は同じです。

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問39 大規模修繕工事の請負契約

大規模修繕工事の工事請負契約について、契約の当事者、契約書の記載事項、工事請負契約約款の内容、工事保証書の作成者を確かめます。

正解 1

工事請負契約の当事者は、発注者の管理組合と、選ばれた施工会社です。基幹事務を管理会社に委託していても、管理会社が契約の当事者になるわけではありません。1が適切でありません。

1 ×

工事の発注者は管理組合で、契約は管理組合と施工会社が結びます。管理委託契約の内容とは関係ありません。

2 ○

工事請負契約書には、物件の所在地、工事の内容、工期、代金とその支払方法などを記載します。

3 ○

工事請負契約約款は、発注者と請負者がそれぞれ履行すべき事項を詳しく定めたものです。

4 ○

工事保証書は、請負者と塗料などの材料製造会社の連名で作成されることもあります。

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問40 建物の構造と荷重

建築基準法の主要構造部と基礎、免震装置の機能、ラーメン構造の耐力壁、固定荷重の計算方法を確かめます。

正解 1

主要構造部は壁、柱、床、はり、屋根、階段で(建築基準法2条5号)、基礎や基礎ぐいは含まれません。含まれるとする1が適切でありません。

1 ×

主要構造部は防火上の観点から定めた用語で、基礎や基礎ぐいは含まれません(2条5号)。構造上重要な部分を指す「構造耐力上主要な部分」には基礎が含まれます(施行令1条3号)。

2 ○

免震装置には、建物に伝わる揺れを和らげる機能と、揺れのエネルギーを吸収して減衰させる機能があります。

3 ○

ラーメン構造に耐力壁を設けるときは、柱や梁と構造的に一体になるようにします。

4 ○

固定荷重は、屋根、床、壁など建築物の部分ごとに定められた数値を使って計算できます(施行令84条)。

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問41 室内環境と省エネ基準

窓サッシの遮音等級、熱抵抗の求め方、シックハウス対策の内装制限の範囲、建築物省エネ法の住宅の省エネ基準の内容を確かめます。

正解 4

住宅の省エネ基準は、外皮(屋根、外壁、窓など)の断熱性能の基準と、設備の一次エネルギー消費量の基準で評価します。一次エネルギー消費量だけを評価するとする4が適切でありません。

1 ○

窓サッシの遮音性能は、JISのT値(T-1〜T-4)が大きいほど高くなります。

2 ○

熱抵抗は、材料の厚さを熱伝導率で割った値で、熱伝導率の逆数に厚さを掛けて求められます。

3 ○

換気計画上、居室と一体的に換気する廊下なども、シックハウス対策の内装仕上げ制限の対象になります。

4 ×

住宅の建築物エネルギー消費性能基準は、外皮性能の基準と一次エネルギー消費量の基準の両方で構成されています。

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問42 マンションの計画手法

コーポラティブハウス、コンバージョン、スケルトン・インフィル住宅、長期優良住宅の意味を確かめます。

正解 2

コンバージョンは、事務所ビルを住宅にするなど、既存の建物の用途を変える改修です。居住性能を高めるための改修とする2が適切でありません。

1 ○

コーポラティブハウスは、組合を作った人たちが共同で土地の取得や建物の企画を行い、住宅を取得する方式です。

2 ×

コンバージョンは用途の転換のことです。居住性能の向上を目的とする改修は、リノベーションなどと呼ばれます。

3 ○

スケルトン・インフィル住宅は、耐用年数や使い方の違いを考え、構造躯体(スケルトン)と内装・設備(インフィル)を分けて計画する住宅です。

4 ○

長期優良住宅は、構造や設備の変更・維持保全のしやすさのほか、省エネルギー性やバリアフリー性なども求められます。

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問43 給水設備の計画

1人1日当たりの使用水量、水道直結増圧方式の吸排気弁、高置水槽の有効容量、飲料用水槽の緊急遮断弁を確かめます。

正解 3

高置水槽の有効容量は、マンション全体の1日の使用水量の10分の1程度が目安です。2分の1程度は受水槽の目安で、3が適切でありません。

1 ○

集合住宅の居住者1人当たりの1日の使用水量は200〜350リットル程度で、250リットルは妥当な設定です。

2 ○

水道直結増圧方式では、給水立て管の頂部に吸排気弁を設けて、管内の空気の排出と負圧の発生を防ぎます。

3 ×

高置水槽の有効容量は1日の使用水量の10分の1程度とします。受水槽が2分の1程度です。

4 ○

地震で配管が破損しても水槽の水が流れ出ないよう、給水の分岐部に緊急遮断弁を設けることは有効な震災対策です。

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問44 排水設備と配管材料

高層マンションの結合通気管の働き、排水立て管の掃除口の間隔、管径150mmの排水横管の排水ますの間隔、耐火二層管の構成を確かめます。

正解 4

排水・通気用の耐火二層管は、硬質ポリ塩化ビニル管を繊維モルタルで覆ったものです。配管用炭素鋼鋼管を覆ったものとする4が適切でありません。

1 ○

結合通気管は、10階程度ごとに通気立て管と排水立て管をつなぎ、下層階の正圧と上層階の負圧を緩和します。

2 ○

高層マンションの排水立て管には、3階以内ごとか15m以内ごとに掃除口を設けることが望まれます。

3 ○

排水ますの間隔の目安は管径の120倍以内で、管径150mmなら18m以内です。

4 ×

耐火二層管は、内管の硬質ポリ塩化ビニル管を繊維モルタルで被覆して耐火性を持たせた管です。

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問45 換気設備と給湯設備

ガス機器を使う台所の必要換気量、熱交換型換気扇の換気方式、家庭用燃料電池の仕組み、ガス給湯器の号数を確かめます。

正解 2

熱交換型換気扇は、給気と排気をともに機械で行いながら熱を回収する第一種機械換気設備です。第二種とする2が適切でありません。

1 ○

火を使う設備がある台所の必要換気量は、燃料消費量に比例して計算します(建築基準法施行令20条の3第2項)。

2 ×

熱交換型換気扇は機械で給気と排気を行い、排気の熱を給気に伝えるため、第一種機械換気設備に当たります。

3 ○

家庭用燃料電池は、都市ガスなどから取り出した水素と空気中の酸素を反応させて発電し、その排熱で給湯用の湯を作ります。

4 ○

ガス給湯器の1号は、水温を25℃上げた湯を毎分1リットル出す能力です。

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マンション管理適正化法の解答・解説(5問)

問46 マンション管理業者の登録と義務

マンション管理業の登録と有効期間、専任の管理業務主任者を置かなくてよい事務所、名義貸し、事務所の所在地の変更の届出を確かめます。

正解 1

誤っているのはウだけで、正解は1です。マンション管理業者は、自己の名義で他人にマンション管理業を営ませてはなりません(54条)。

ア ○

マンション管理業を営むには国土交通省のマンション管理業者登録簿への登録が必要で、有効期間は5年です(44条1項・2項)。

イ ○

人の居住の用に供する独立部分が5以下の管理組合からの管理事務だけを行う事務所には、専任の管理業務主任者の設置義務がありません(56条1項ただし書、施行規則62条)。

ウ ×

名義貸しは禁止されています(54条)。

エ ○

事務所の所在地など登録事項に変更があったときは、その日から30日以内に国土交通大臣に届け出ます(48条1項)。

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問47 適正化法の「マンション」

マンション管理適正化法の「マンション」の定義について、木造2階建ての建物、敷地と附属施設、居住用の専有部分が長期間空室の場合、全住戸を賃貸している場合を確かめます。

正解 4

2以上の区分所有者がいて人の居住の用に供する専有部分のある建物は、全住戸を賃貸していてもマンションに当たります(2条1号イ)。4が正しい記述です。

1 ×

マンションの定義には構造や階数の要件がなく、木造2階建てでも要件を満たせばマンションに当たります。

2 ×

マンションには、建物だけでなくその敷地と附属施設も含まれます(2条1号イ)。

3 ×

定義は人の居住の用に供する専有部分の「ある」建物で、空室で使われていない期間もマンションに当たります。

4 ○

全住戸を賃貸していても、2以上の区分所有者がいて居住用の専有部分がある以上、マンションに当たります。

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問48 マンション管理士の講習と登録の取消し

マンション管理士の講習を受ける間隔、秘密を漏らした場合の処分、登録を取り消された場合の登録証の返納、取消し後に再び登録を受けられるまでの期間を確かめます。

正解 2

正しいのはイとウの二つで、正解は2です。

ア ×

講習は5年ごとに受けなければなりません(41条、施行規則41条)。3年ごとではありません。

イ ○

正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らせば(42条違反)、登録の取消しや名称の使用停止を命じられることがあります(33条2項)。

ウ ○

登録を取り消されたときは、通知を受けた日から10日以内に登録証を返納しなければなりません(施行規則)。

エ ×

登録を取り消された者は、取消しの日から2年を経過しなければ登録を受けられません(30条1項)。1年ではありません。

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問49 マンション管理適正化の基本的方向

出題当時のマンションの管理の適正化に関する指針の「基本的方向」について、管理組合の役割、区分所有者等の役割、専門家の支援、外部の専門家が役員になる場合の留意点を確かめます。

正解 4

アからエはいずれも指針の記述どおりで、正解は4です。

ア ○

管理の主体は区分所有者等で構成する管理組合で、意見が十分に反映されるよう、長期的な見通しを持って適正に運営することが重要とされています。

イ ○

区分所有者等は、管理組合の一員としての役割を十分に確認し、運営に関心を持って積極的に参加するよう努める必要があるとされています。

ウ ○

専門的な知識が必要な場面では、マンション管理士などの支援を得ながら、主体性を持って対応するよう心がけることが重要とされています。

エ ○

外部の専門家が管理者等や役員に就く場合は、区分所有者等が選任や業務の監視を適正に行い、監視・監督を強める措置で適正な業務運営を担保することが重要とされています。

令和8年度 現在は、2021年に定められたマンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針(2025年11月最終改正)の中に、同じ趣旨のマンション管理適正化指針が置かれています。

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問50 管理業・マンション管理士・管理事務の定義

マンション管理業の更新の登録の申請期間、マンション管理士の定義、管理事務と基幹事務の定義、重要事項説明での管理業務主任者証の提示を確かめます。

正解 3

正しいのはア、イ、エの三つで、正解は3です。

ア ○

更新の登録の申請は、有効期間満了の日の90日前から30日前までに行います(施行規則50条)。

イ ○

マンション管理士は、登録を受け、その名称を使って、専門的知識をもって管理組合の管理者等や区分所有者等の相談に応じ、助言、指導などの援助を行うことを業務とする者です(2条5号)。

ウ ×

基幹事務の対象となるマンションの維持又は修繕は、専有部分を除いたものです(2条6号)。専有部分を含むとする点が誤りです。

エ ○

重要事項を説明するときは、説明の相手方に必ず管理業務主任者証を提示します(72条4項)。

令和8年度 2026年4月1日施行の改正後も、各肢の定めは同じです。

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出典と照合

出典は公益財団法人マンション管理センターが公表した令和2年度の試験問題と正解です。問題本文と選択肢は転載していません。解説は資格Hubが条文、標準管理規約、国の指針とガイドラインを確認して書いたもので、試験実施団体とは関係ありません。

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