問1 タウンハウスの区分所有と敷地利用権
3筆の土地にまたがるタウンハウスで、各住戸の下の土地をAが所有し、BとCに個別に賃貸している場合について、区分所有者の団体、敷地利用権の性質、譲渡の承諾、抵当権の設定を確かめます。
正解 2
正しいのはアとウの二つで、正解は2です。
ア ○
区分所有者が数人いる1棟の建物では、区分所有者全員で当然に区分所有法3条の団体が構成されます。A、B、Cの全員が構成員です。
イ ×
Bの敷地利用権は乙地の賃借権、Cの敷地利用権は丙地の賃借権で、それぞれ単独の権利です。二人で準共有する関係にはありません。
ウ ○
敷地利用権が単独の賃借権なので分離処分の禁止(22条)は及ばず、賃借権の譲渡には賃貸人Aの承諾が必要です(民法612条1項)。
エ ×
抵当権を設定できるのは不動産の所有権、地上権、永小作権で(民法369条)、賃借権には設定できません。
令和8年度 2026年4月1日現在の区分所有法・民法でも、この問の正誤は変わりません。
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問2 共有物分割請求と共用部分
民法の不分割契約の更新、共用部分の分割請求、専有部分を共有する場合の分割請求、規約共用部分の分割請求を確かめます。
正解 2
正しいのはイとエの二つで、正解は2です。
ア ×
5年以内の不分割契約は更新できます。更新の期間も5年を超えることはできません(民法256条2項)。
イ ○
共用部分の共有には区分所有法13条〜19条が適用され(12条)、民法の共有物分割請求の規定は使えません。
ウ ×
専有部分を共有している場合は民法の共有の規定が適用されるため、共有物分割請求ができます。
エ ○
規約で共用部分とした専有部分も共用部分として扱われるため(12条)、分割請求はできません。
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問3 管理組合法人の事務と解散
区分所有法の管理組合法人について、訴訟の当事者となる者、区分所有者名簿、解散の事由、代表理事の不法行為の責任を確かめます。
正解 1
規約か集会の決議で区分所有者のために原告・被告になれるのは管理組合法人自身で(47条8項)、理事ではありません。1が誤りです。
1 ×
管理組合法人は、規約か集会の決議により、その事務に関し区分所有者のために原告・被告になれます(47条8項)。当事者は法人で、理事個人ではありません。
2 ○
管理組合法人は区分所有者名簿を備え置き、区分所有者が変わるたびに必要な変更を加えます(48条の2第2項)。
3 ○
建物の全部の滅失、建物に専有部分がなくなったこと、集会の決議が解散の事由です(55条1項)。出題当時の解散の決議は区分所有者及び議決権の各4分の3以上でした(同条2項)。
4 ○
代表理事が職務を行う中で第三者に損害を与えた場合、管理組合法人自身が賠償責任を負います(47条10項で一般社団法人法78条を準用)。
令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、解散の決議は区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で、出席者の各4分の3以上で決める形になりました(55条2項)。
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問4 管理者による管理所有
規約による管理所有について、対象になる共用部分、敷地・附属施設を所有させる定め、損害保険契約の締結、各区分所有者の保存行為を確かめます。
正解 2
管理者が規約で所有できるのは共用部分で(27条1項)、建物の敷地や附属施設は管理所有の対象になりません。2が誤りです。
1 ○
管理所有の対象は共用部分で、法定共用部分だけでなく規約共用部分も含まれます(27条1項)。
2 ×
27条1項が管理者の所有を認めるのは共用部分だけです。敷地や附属施設を管理者の所有とする規約は定められません。
3 ○
管理所有者は、共用部分について損害保険契約を結ぶことができます。
4 ○
管理所有が定められていても、共用部分の保存行為は各区分所有者もできます。
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問5 専有部分と敷地利用権の分離処分
分離処分の禁止について、規約に別段の定めがない場合の原則、一筆の土地の一部を分離処分できるとする規約、禁止に違反した処分の効力、公正証書による規約の設定を確かめます。
正解 2
規約で別段の定めをすれば、一筆の土地の一部について分離処分を認めることもできます(22条1項ただし書)。設定できないとする2が誤りです。
1 ○
敷地利用権が共有などの権利である場合、規約に別段の定めがない限り、専有部分と敷地利用権を分離して処分できません(22条1項)。
2 ×
22条1項ただし書の規約で分離処分を認める範囲は限定されておらず、一筆の土地の一部について分離処分を認める定めもできます。
3 ○
分離処分禁止に違反する処分の無効は善意の相手方に主張できません。ただし、分離処分できない旨の登記の後の処分は除かれます(23条)。
4 ○
最初に専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、分離処分を認める規約を設定できます(32条)。
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問6 規約で定められる事項と作成方法
規約で定められる事項の範囲、規約の作成方法、公正証書で設定できる規約の種類、管理者がいる場合の規約の保管者を確かめます。
正解 2
規約は、書面か電磁的記録で作成しなければなりません(30条5項)。2が正しい記述です。
1 ×
規約では、建物、敷地、附属施設の管理や使用に関する区分所有者相互間の事項を定められ(30条1項)、専有部分の使い方に関する事項も含まれます。
2 ○
規約は書面か電磁的記録で作成します(30条5項)。
3 ×
公正証書で設定できる規約は、規約共用部分、規約敷地、分離処分を認める定め、敷地利用権の割合の定めに限られます(32条)。構造上共用部分となる建物の部分を専有部分とする規約はそもそも定められません。
4 ×
管理者がいるときは、管理者が規約を保管します(33条1項)。管理者が指名した者を保管者とする定めはできません。
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問7 電磁的方法による議決権行使と決議
電磁的方法による議決権の行使、区分所有者全員の承諾による電磁的方法の決議、その場合の通知の期限、全員の合意による決議の効力を確かめます。
正解 3
書面や電磁的方法による決議にも集会に関する規定が準用されるため(45条5項)、通知は回答の期日の1週間前までに発すれば足ります(35条1項)。3週間前とする3が誤りです。
1 ○
規約か集会の決議があれば、書面による議決権の行使に代えて電磁的方法で行使できます(39条3項)。
2 ○
区分所有者全員の承諾を得てした電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を持ちます(45条1項・3項)。
3 ×
書面・電磁的方法による決議でも、通知期間は集会の招集通知と同じく少なくとも1週間前です(45条5項、35条1項)。3週間前までに発する必要はありません。
4 ○
区分所有者全員の電磁的方法による合意があれば、電磁的方法による決議があったものとみなされ、集会の決議と同一の効力を持ちます(45条2項・3項)。
令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、書面・電磁的方法による決議に必要な全員の承諾は、議決権を有しない区分所有者を除いて数えるようになりました(45条1項)。各肢の正誤は変わりません。
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問8 規約で別段の定めができない事項
共用部分の保存行為の方法、共用部分の重大な変更の決議要件、共用部分の負担と収益の配分、一部共用部分の帰属について、規約で別段の定めができるかを確かめます。
正解 2
出題当時の17条1項は、重大な変更の決議について規約で減らせるのを区分所有者の定数だけ(過半数まで)とし、議決権の4分の3は減らせませんでした。各過半数に減らす2が正解です。
1 ×
共用部分の管理に関する事項は規約で別段の定めができ(18条2項)、保存行為を管理者を通じて行うと定めることもできます。
2 ○
出題当時は、重大な変更の決議要件のうち議決権の4分の3を規約で減らすことはできず、各過半数とする定めは認められませんでした(17条1項ただし書)。
3 ×
共用部分の負担と収益の配分は、規約で持分割合と異なる定めができます(19条)。
4 ×
共用部分の所有関係は規約で別段の定めができ(11条2項)、一部共用部分を区分所有者全員の共有とすることもできます。
令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、共用部分の重大な変更は、区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で出席者の各4分の3以上で決め、この割合は規約で2分の1を超える割合まで下げられるようになりました(17条1項)。現行法では肢2の判断が変わり得るため、この問は出題時の規定で解いた正解として読んでください。
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問9 建替え決議後の催告と売渡請求
建替え決議の後の手続について、参加するかどうかの催告の時期、建替えに合意したとみなされる者、無回答の者への売渡請求、取壊しの工事に着手しない場合の買戻しを確かめます。
正解 1
建替え決議があったときは、集会を招集した者は遅滞なく催告しなければなりません(63条1項)。「決議の日から2月以内」とする1が誤りです。
1 ×
催告は建替え決議の後「遅滞なく」書面で行うものとされています(63条1項)。2か月以内という期限ではありません。
2 ○
決議に賛成した者、参加する旨を回答した者、区分所有権などを買い受けた買受指定者は、建替えを行う旨の合意をしたものとみなされます(64条)。
3 ○
反対した者が催告に回答しないまま期間が過ぎると、参加しない旨を回答したものとみなされ(63条4項)、回答期間満了の日から2か月以内に売渡請求を受けます(同条5項)。
4 ○
建替え決議の日から2年以内に正当な理由なく取壊しの工事に着手しないときは、売り渡した者は、期間満了の日から6か月以内に、代金相当額を提供して権利を売り渡すよう請求できます(63条7項)。
令和8年度 2026年4月1日現在の63条・64条も同じ内容です(出題時の63条4項〜6項は、電磁的方法による催告の規定が加わって5項〜7項に移っています)。
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問10 団地共用部分
一団地内の附属施設たる建物を規約で団地共用部分とする場合について、専有部分を対象にできるか、一部の団地建物所有者の共有に属する建物の扱い、登記による対抗、規約設定の決議を確かめます。
正解 2
団地共用部分にできるのは、団地建物所有者全員の共有に属する附属施設たる建物です。一部の共有に属する建物も団地共用部分にできるとする2が誤りです。
1 ○
附属施設たる建物には専有部分も含まれ、規約で団地共用部分にできます(67条1項かっこ書)。
2 ×
団地共用部分は団地建物所有者全員の共有に属するものとされ(67条3項で11条1項本文を準用)、規約で団地共用部分にできるのは、団地建物所有者全員の共有に属する附属施設たる建物と解されています。一部の者だけが共有する建物は対象になりません。
3 ○
団地共用部分である旨の登記をしなければ、第三者に対抗できません(67条1項後段)。
4 ○
団地共用部分を定める規約は、団地建物所有者と議決権の各4分の3以上による集会の決議で設定しました(66条で31条1項を準用)。
令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、規約の設定の決議は、出席者の各4分の3以上で決める形になりました(31条1項を66条で準用)。
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問11 被災マンション法の再建決議
政令で定める災害で区分所有建物の全部が滅失した場合の再建決議について、元の管理者の招集権、取り壊した場合の扱い、敷地共有者等集会の規約、決議に必要な賛成を確かめます。
正解 1
建物が全部滅失すると元の管理者の地位はなくなり、敷地共有者等が改めて管理者と定めない限り集会を招集できません。招集できるとする1が誤りです。
1 ×
敷地共有者等集会を招集できるのは、敷地共有者等が定めた管理者か、議決権の5分の1以上を有する敷地共有者等です(出題時の被災マンション法3条1項で区分所有法34条を準用)。
2 ○
災害で一部が滅失した建物を取壊し決議や全員の同意で取り壊した場合も、全部滅失と同じく再建決議ができました(出題時の2条)。
3 ○
出題時の被災マンション法は、敷地共有者等集会に規約の規定を準用しておらず、規約は定められませんでした(3条1項)。
4 ○
再建決議は敷地共有者等の議決権の5分の4以上で行い、人数の要件はありませんでした(出題時の4条1項)。
令和8年度 2026年4月1日施行の改正で、建物が滅失した後の敷地共有者等の集会と再建決議は区分所有法72条〜75条に移り、敷地共有者等は集会を開き、規約を定め、管理者を置けるようになりました。政令で定める災害の場合は、再建決議の要件が議決権の3分の2以上に下がります(被災マンション法2条)。現行法では肢3が当てはまらないため、この問は出題時の規定で解いた正解として読んでください。
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