機械 全18問の解説
第1問・直流機
直流機の誘導起電力の式
導体の誘導起電力はフレミングの右手の法則でe=Blvになる。ブラシ間にはZ/a本の導体が直列につながるので、1本の平均起電力をZ/a倍して電機子の起電力を求める。
公式正答(5) 右手・Blv・Z/a・直列・pZΦn/(60a)
B=πDlpΦ,v=πD60n⇒E=aZBlv=60apZΦn
各選択肢の判断理由
(1) 左手・Bv/l・Z/a・直列・ZΦn/(60pa):誤り
起電力は右手の法則で、Blvになる。
(2) 左手・Blv・Za・直列・pZaΦn/60:誤り
左手は電動機の力の向き。直列の導体数はZ/a。
(3) 右手・Bv/l・Za・並列・pZaΦn/60:誤り
(イ)〜(オ)が違う。
(4) 右手・Blv・a/Z・並列・pZΦn/(60a):誤り
導体数はZ/aで、直列に接続される。
(5) 右手・Blv・Z/a・直列・pZΦn/(60a):正しい
5空欄とも正しい。
第2問・直流機
入力と出力から求める電機子巻線の抵抗
損失は電機子巻線の銅損だけなので、入力(電機子電圧×電流)と機械出力(トルク×角速度)の差が銅損になる。
公式正答(1) 1.0 Ω
Po=Tω=0.4×602π×1500≃62.8 W,Pi=24×3=72 W
R=3272−62.8≃1.0 Ω
各選択肢の判断理由
(1) 1.0:正しい
銅損約9.2 Wを3²で割った値。
(2) 2.3:誤り
逆起電力が17.1 Vとなり、トルクは約0.33 N·mで0.4 N·mに届かない。
(3) 3.1:誤り
逆起電力が14.7 Vとなり、トルクは約0.28 N·m。
(4) 4.5:誤り
逆起電力が10.5 Vとなり、トルクは約0.20 N·m。
(5) 6.9:誤り
逆起電力が3.3 Vとなり、トルクは約0.06 N·m。
第3問・誘導機
巻線形誘導電動機のトルク特性と比例推移
トルク-回転速度曲線は電源電圧と周波数が一定のときの特性で、最大トルクは停動トルクと呼ばれ、二次抵抗に無関係である。トルクは二次抵抗と滑りの比で決まるので、二次抵抗をk倍すると同じトルクがk倍の滑りで生じる(比例推移)。
公式正答(1) 電源周波数・停動・二次・比例推移
各選択肢の判断理由
(1) 電源周波数・停動・二次・比例推移:正しい
4空欄とも正しい。
(2) 電源周波数・停動・一次・二次励磁:誤り
(ウ)(エ)が違う。
(3) 負荷・臨界・一次・比例推移:誤り
(ア)〜(ウ)が違う。
(4) 電源周波数・臨界・二次・二次励磁:誤り
(イ)(エ)が違う。
(5) 負荷・臨界・二次・比例推移:誤り
(ア)(イ)が違う。
第4問・誘導機
損失の関係から求める二次銅損
鉄損と一次銅損はどちらも二次銅損の1/2なので、二つの和は二次銅損と等しい。二次入力P₂は一次入力からその分を引いた値で、二次銅損はsP₂になる。
公式正答(3) 550 W
P1=3×400×25.8×0.8≃14299 W P2=P1−Pc2,Pc2=sP2⇒Pc2=1+ssP1=1.040.04×14299≃550 W
第5問・同期機
水車発電機とタービン発電機の構造
水車は回転速度が低いので、極数を多くする。回転子は直径が大きく軸方向に短い。タービン発電機は高速で回るため、遠心力に耐えるよう直径を小さくして軸方向に長くする。
公式正答(2) 小さい・大きく・大きく・大きい・小さく
各選択肢の判断理由
(1) 小さい・小さく・大きく・大きい・大きく:誤り
低速の水車発電機は極数を大きくし、タービン発電機は直径を小さくする。
(2) 小さい・大きく・大きく・大きい・小さく:正しい
5空欄とも正しい。
(3) 小さい・大きく・大きく・小さい・大きく:誤り
タービン発電機の回転速度は大きく、直径は小さくする。
(4) 大きい・大きく・小さく・大きい・小さく:誤り
水車の回転速度は小さく、回転子の直径は大きい。
(5) 大きい・小さく・小さく・小さい・大きく:誤り
5空欄とも違う。
第6問・同期機
定格電流に等しい短絡電流を流す界磁電流
三相短絡特性は直線なので、短絡電流は界磁電流に比例する。定格電流はI_n=P/(√3V)で求める。
公式正答(1) 69 A
In=3×660011000×103≃962 A,If=54×750962≃69 A 第7問・電気機器
分布巻と短節巻
1相のコイルを複数のスロットに分ける巻線法を分布巻といい、毎極毎相のスロット数は2以上になる。コイルピッチを極ピッチより短くした短節巻は、誘導起電力がやや小さくなるが、コイル端を短くでき、高調波が減って電圧波形が改善される。
公式正答(4) 分布巻・2以上・短節巻・誘導起電力・電圧波形
各選択肢の判断理由
(1) 分布巻・2未満・短節巻・励磁電流・電圧波形:誤り
分布巻のスロット数は2以上で、小さくなるのは誘導起電力。
(2) 分散巻・2未満・全節巻・励磁電流・力率:誤り
5空欄とも違う。
(3) 分布巻・2未満・短節巻・励磁電流・力率:誤り
(イ)(エ)(オ)が違う。
(4) 分布巻・2以上・短節巻・誘導起電力・電圧波形:正しい
5空欄とも正しい。
(5) 分散巻・2以上・全節巻・誘導起電力・力率:誤り
(ア)(ウ)(オ)が違う。
第8問・変圧器
単巻変圧器の構成と特徴
単巻変圧器の共通部分を分路巻線、共通でない部分を直列巻線という。二次端子電圧と二次電流の積は負荷容量(線路容量)で、直列巻線の電圧と電流の積が自己容量になる。巻線の一部が共通なので漏れ磁束が少なく、電圧変動率も小さい。
公式正答(3) 分路巻線・直列巻線・負荷容量・少なく・小さい
各選択肢の判断理由
(1) 分路巻線・直列巻線・負荷容量・多く・小さい:誤り
漏れ磁束は少ない。
(2) 直列巻線・分路巻線・自己容量・少なく・小さい:誤り
(ア)〜(ウ)が違う。
(3) 分路巻線・直列巻線・負荷容量・少なく・小さい:正しい
5空欄とも正しい。
(4) 分路巻線・直列巻線・定格容量・多く・大きい:誤り
(ウ)〜(オ)が違う。
(5) 直列巻線・分路巻線・定格容量・多く・大きい:誤り
5空欄とも違う。
第9問・変圧器
V-V結線の変圧器2台の負荷損
V結線では各変圧器に線電流がそのまま流れる。線電流と定格電流の比が負荷率で、負荷損は負荷率の2乗に比例する。
公式正答(4) 864 W
I=3×630090×103≃8.25 A,In=6300100×103≃15.87 A,α≃0.52 2×1600×0.522≃864 W
第10問・パワーエレクトロニクス
太陽光発電用パワーコンディショナの記述の誤り
図のチョッパは、太陽電池側にリアクトルを直列に入れ、スイッチで短絡と開放を繰り返して直流リンクへ電流を送る昇圧チョッパである。降圧チョッパではない。
公式正答(1) (1)が誤り
各選択肢の判断理由
(1) 降圧チョッパとインバータを組み合わせる:誤り
図の回路は昇圧チョッパで、この記述が誤り。
(2) 最大電力点追従制御(MPPT)を行う:正しい
正しい。
(3) キャパシタ容量が大きいほど出力電圧リプルは小さい:正しい
正しい。
(4) 高調波抑制フィルタとPWM制御で高調波流出を減らす:正しい
正しい。
(5) 系統連系保護装置で異常時に出力を遮断する:正しい
正しい。
第11問・電動機応用
減速機を介した負荷の回転速度・トルク・入力
減速比6で回転速度は1/6、トルクは6倍になり、効率0.96の分だけ損失が出る。負荷の軸入力は電動機出力に効率を掛けた値である。
公式正答(2) 200 min⁻¹・576 N·m・12.1 kW
nL=61200=200 min−1,TL=100×6×0.96=576 N⋅m
PL=100×602π×1200×0.96≃12.1 kW
第12問・電熱
平板の壁を伝わる熱流
熱伝導による熱流は、熱伝導率×面積×温度差÷厚さで求める。
公式正答(4) 400 W
Φ=dλAΔT=0.10.4×25×4=400 W
第13問・自動制御
PID制御の各動作の役割
積分動作は偏差を積み重ねて残留偏差をなくし、定常特性を改善する。微分動作は偏差の変化に応じて先回りし、過渡特性を改善する。比例動作は両方をある程度改善する。
公式正答(2) 定常・過渡・比例
各選択肢の判断理由
(1) 定常・過渡・加算:誤り
(ウ)が違う。PID制御の基本動作は比例。
(2) 定常・過渡・比例:正しい
3空欄とも正しい。
(3) 過渡・定常・比例:誤り
積分動作と微分動作の役割が逆。
(4) 過渡・定常・加算:誤り
3空欄とも違う。
(5) 定常・過渡・減算:誤り
(ウ)が違う。
第14問・情報
論理回路の出力波形
回路の出力はX=A·C+B·C̄である。Cが1の区間ではXはAに、Cが0の区間ではXはBに一致する。
公式正答(3) (3)の波形
X=A⋅C+B⋅Cˉ
各選択肢の判断理由
(1) (1):誤り
最後のCが1の区間で、Aの1つ目のパルスが抜けている。
(2) (2):誤り
2回目のCが0の区間のBのパルスと、最後の区間のAの2つ目のパルスが抜けている。
(3) (3):正しい
C=1ではA、C=0ではBに一致する。
(4) (4):誤り
最初のCが1の区間と最後の区間で、Aの2つ目のパルスが抜けている。
(5) (5):誤り
Cが1の区間でBのパルスを出力し、Aの2つ目のパルスが抜けている。
第15問・同期機
同期インピーダンスと力率1での出力
同じ界磁電流での無負荷電圧(相電圧)を三相短絡電流で割ると、1相の同期インピーダンスになる。
公式正答(2・3) (a)4.76 Ω (b)5.28 MW
(b) 力率1では電流が端子電圧と同相で、同期リアクタンスの電圧降下は端子電圧と直角になる。負荷角30°から電流を求める。
ZsI=36600tan30∘≃2200 V,I≃462 A,P=3×6600×462≃5.28 MW (a) 各選択肢の判断理由
(1) 2.75:誤り
正しい値をさらに√3で割った値。
(2) 4.76:正しい
相電圧3,810 Vを800 Aで割った値。
(3) 8.25:誤り
線間電圧6,600 Vを短絡電流で割った値。
(4) 19.1:誤り
相電圧を界磁電流200 Aで割った値。
(5) 33.0:誤り
線間電圧を界磁電流で割った値。
第16問・パワーエレクトロニクス
降圧チョッパの電流経路と平均電流
ダイオードの電圧v_DがEの時刻t₁はスイッチSがオンで、電源からS・L・Rを通る経路(A)に電流が流れる。v_Dが0の時刻t₂はSがオフで、Lの電流がダイオードDを通って環流する経路(B)になる。
公式正答(5・2) (a)経路(A)・経路(B) (b)25.0 A
Vo=0.5×100=50 V,IR=250=25.0 A
第17問・照明
均等放射の点光源の光度と水平面照度
均等放射の点光源の平均光度は、全光束を4π[sr]で割る。B点までの距離は√(2²+1.5²)=2.5 mで、入射角の余弦は2/2.5=0.8である。
公式正答(2・3) (a)239 cd (b)31 lx
I=4π3000≃239 cd,Eh=r2Icosθ=2.52239×0.8≃31 lx
(a) 各選択肢の判断理由
(1) 191:誤り
平均光度に0.8を掛けた値。
(2) 239:正しい
3000÷4π≒239 cd。
(3) 318:誤り
全光束を3πで割った値。
(4) 477:誤り
全光束を2πで割った値。
(5) 955:誤り
全光束をπで割った値。
(b) 各選択肢の判断理由
(1) 10:誤り
正しい値の約1/3。
(2) 24:誤り
cosθを2回掛けた値。
(3) 31:正しい
239×0.8÷6.25≒31 lx。
(4) 61:誤り
正しい値の2倍。
(5) 122:誤り
正しい値の4倍。
第18問・情報
半加算器と全加算器
図1はS₁=(A+B)·(A·B)の否定、T₁=A·Bで、S₁は排他的論理和(和)、T₁は桁上げになる半加算器である。図2は半加算器2組とORで構成した全加算器で、S₂は3入力の和、T₂は桁上げになる。
公式正答(3・2) (a)(3)の真理値表 (b)(2)が正しい
S2=A⊕B⊕C,T2=A⋅B+(A⊕B)⋅C
(a) 各選択肢の判断理由
(1) (1):誤り
A=0・B=1やA=1・B=0でS₁が0になっていて、排他的論理和と合わない。
(2) (2):誤り
A=B=0でT₁が1になっていて、論理積と合わない。
(3) (3):正しい
S₁=A⊕B、T₁=A·Bの真理値表。
(4) (4):誤り
A=1・B=0でS₁が0になっていて、排他的論理和と合わない。
(5) (5):誤り
A=B=0でT₁が1になっていて、論理積と合わない。
(b) 各選択肢の判断理由
(1) A=0・B=0・C=0でS₂=0・T₂=1:誤り
入力がすべて0なので、桁上げT₂も0。
(2) A=0・B=1・C=0でS₂=1・T₂=0:正しい
1が1個なので和1、桁上げ0で正しい。
(3) A=0・B=0・C=1でS₂=0・T₂=1:誤り
1が1個なので、S₂=1・T₂=0になる。
(4) A=1・B=0・C=1でS₂=1・T₂=0:誤り
1が2個なので、S₂=0・T₂=1になる。
(5) A=1・B=1・C=0でS₂=1・T₂=1:誤り
1が2個なので、S₂=0・T₂=1になる。