法規 全13問の解説
第1問・電気事業法
事業用電気工作物の技術基準への適合
電気事業法第39条は、事業用電気工作物を技術基準に適合するよう維持することを設置者に求め、技術基準の内容として、他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないことなどを挙げている。第40条は、主務大臣が技術基準に適合しない電気工作物の修理・改造・移転・使用の一時停止を命じ、又は使用を制限できると定める。
公式正答(2) 維持・磁気・一時停止
第2問・電気関係報告規則
6,600 V受電の事業場で事故報告に当たらない事例
需要設備の主要電気工作物の破損事故が報告対象になるのは、電圧1万V以上の需要設備に限られる。6,600 V受電の事業場で、誤操作により自社の高圧電動機を壊しただけの場合は、人の死傷や他の物件の損傷もなく報告対象にならない。
公式正答(4) (4)が該当しない
各選択肢の判断理由
(1) 柱の倒壊で第三者の家屋に損傷を与えた:誤り
電気工作物の破損で他の物件に損傷を与えた事故で、報告対象。
(2) 低圧の端子に触れて感電し入院した:誤り
感電による死傷事故(入院を含む)で、報告対象。
(3) 漏電による火災で建屋が半焼した:誤り
半焼以上の電気火災で、報告対象。
(4) 操作を誤って高圧の誘導電動機を損壊した:正しい
1万V未満の需要設備で、他に被害もなく報告対象にならない。
(5) 落雷で高圧負荷開閉器が破損し供給支障を発生させた:誤り
3,000 V以上の自家用電気工作物による波及事故で、報告対象。
第3問・電気設備技術基準
光ファイバケーブルと光ファイバケーブル線路の定義
電技第1条は、光ファイバケーブルを保護被覆で保護した光信号の伝送媒体、光ファイバケーブル線路を光ファイバケーブルとこれを支持し又は保蔵する工作物(造営物の屋内又は屋側に施設するものを除く)と定義している。
公式正答(3) 被覆・支持・屋側
各選択肢の判断理由
(1) 装置・収納・屋外:誤り
3空欄とも違う。
(2) 装置・収納・屋上:誤り
3空欄とも違う。
(3) 被覆・支持・屋側:正しい
3空欄とも正しい。
(4) 被覆・保護・屋上:誤り
(イ)は支持、(ウ)は屋側。
(5) 器具・支持・屋側:誤り
(ア)が違う。保護被覆である。
第4問・電気設備技術基準の解釈
発電所等以外に高圧の機械器具を施設できる場合の誤り
解釈第21条では、工場等の構内であれば、さく・へい等の高さと距離の和(5 m以上)と危険表示を省略できる。ただし、人が触れないようにさく・へい等を設けることは省略できない。表示だけでは施設できない。
公式正答(3) (3)が誤り
各選択肢の判断理由
(1) さく・へい等の高さと距離の和5 m以上と危険表示:正しい
第21条第二号のとおりで、正しい。
(2) 取扱者以外が出入りできない屋内に施設する:正しい
第一号のとおりで、正しい。
(3) 工場等の構内で高圧用である旨の表示をする:誤り
さく・へい等が必要で、表示だけでは足りない。この記述が誤り。
(4) コンクリート製の箱かD種接地した金属製の箱に収める:正しい
第四号のとおりで、正しい。
(5) 充電部分が露出しない機器にさく・へい等を設ける:正しい
第五号の簡易接触防護措置に当たり、正しい。
第5問・発電用風力設備の技術基準
風車の安全な状態の確保
発電用風力設備の技術基準は、回転速度が著しく上昇した場合と、風車の制御装置の機能が著しく低下した場合に、風車を安全かつ自動的に停止させる措置を求めている。最高部の地表からの高さが20 mを超える設備には、雷撃から風車を保護する措置が必要である。
公式正答(3) 回転速度・制御装置・地表・雷撃
各選択肢の判断理由
(1) 回転速度・制御装置・ロータ最低部・雷撃:誤り
高さの基準は地表から測る。
(2) 発電電圧・圧油装置・地表・雷撃:誤り
(ア)(イ)が違う。
(3) 回転速度・制御装置・地表・雷撃:正しい
4空欄とも正しい。
(4) 発電電圧・制御装置・ロータ最低部・強風:誤り
(ア)(ウ)(エ)が違う。
(5) 回転速度・圧油装置・ロータ最低部・強風:誤り
(イ)〜(エ)が違う。
第6問・電気設備技術基準の解釈
高圧架空引込線の施設
解釈第117条では、高圧架空引込線に引張強さ8.01 kN以上か直径5 mm以上の硬銅線を使う高圧絶縁電線、引下げ用高圧絶縁電線、ケーブルを使う。道路・鉄道などを横断しない場合は地表上3.5 m以上にでき、ケーブル以外のときは電線の下方に危険である旨の表示をする。
公式正答(4) 5・引下げ・3.5・下方
各選択肢の判断理由
(1) 5・引下げ・2.5・下方:誤り
(ウ)が違う。高圧の引込線は3.5 m以上。
(2) 4・引下げ・3.5・近傍:誤り
(ア)と(エ)が違う。
(3) 4・引上げ・2.5・近傍:誤り
4空欄とも違う。
(4) 5・引下げ・3.5・下方:正しい
4空欄とも正しい。
(5) 5・引上げ・5・下方:誤り
(イ)(ウ)が違う。
第7問・電気設備技術基準の解釈
高圧連系時の系統連系用保護リレー
解釈第229条の表では、発電電圧の異常上昇・低下を過電圧・不足電圧リレーで、系統側の短絡事故を不足電圧リレーで、系統側の地絡事故を地絡過電圧リレーで、単独運転を周波数上昇・低下リレーと転送遮断装置又は単独運転検出装置で検出する。
公式正答(5) 発電電圧・系統側・地絡過電圧・単独運転
各選択肢の判断理由
(1) 発電電圧・系統側・電流差動・単独運転:誤り
地絡事故の検出は地絡過電圧リレー。
(2) 発電電圧・系統側・地絡過電圧・逆充電:誤り
(エ)が違う。表の最下段は単独運転の検出。
(3) 系統電圧・発電側・電流差動・逆充電:誤り
4空欄とも違う。
(4) 系統電圧・発電側・地絡過電圧・単独運転:誤り
(ア)(イ)が逆。
(5) 発電電圧・系統側・地絡過電圧・単独運転:正しい
4空欄とも正しい。
第8問・電気設備技術基準
低圧電路の絶縁抵抗
電技第58条は、低圧の電路の電線相互間と電路と大地との間の絶縁抵抗について、開閉器又は過電流遮断器で区切れる電路ごとの値を定めている。300 V以下で対地電圧150 V以下は0.1 MΩ、その他は0.2 MΩ、300 Vを超えるものは0.4 MΩ以上である。
公式正答(3) 電路・過電流遮断器・300・対地電圧・0.4
各選択肢の判断理由
(1) 電線・配線用遮断器・400・公称電圧・0.3:誤り
5空欄とも違う。
(2) 電線路・漏電遮断器・400・公称電圧・0.3:誤り
5空欄とも違う。
(3) 電路・過電流遮断器・300・対地電圧・0.4:正しい
5空欄とも正しい。
(4) 電線・過電流遮断器・300・最大使用電圧・0.4:誤り
(ア)は電路、(エ)は対地電圧。
(5) 電路・配線用遮断器・400・対地電圧・0.4:誤り
(イ)は過電流遮断器、区分の境は300 V。
第9問・電気設備技術基準の解釈
低圧用配線器具の施設
解釈第150条は、低圧用の配線器具を充電部分が露出しないように施設し、電線との接続点に張力が加わらないようにし、屋外で損傷を受けるおそれがあるときは堅ろうな防護装置を施すことを求めている。
公式正答(4) 充電部分が露出しない・張力・損傷を受ける
各選択肢の判断理由
(1) 充電部分が露出しない・張力・感電の:誤り
(ウ)が違う。防護装置は損傷を防ぐためのもの。
(2) 取扱者以外が容易に開けられない・異常電圧・損傷を受ける:誤り
(ア)(イ)が違う。
(3) 取扱者以外が容易に開けられない・張力・感電の:誤り
(ア)(ウ)が違う。
(4) 充電部分が露出しない・張力・損傷を受ける:正しい
3空欄とも正しい。
(5) 取扱者以外が容易に開けられない・異常電圧・感電の:誤り
3空欄とも違う。
第10問・施設管理
SOG機能付PASと構内の短絡事故
PASは負荷開閉器なので短絡電流を遮断できない。過電流を検出すると開路をロックして蓄勢し、配電用変電所の遮断器Aが開いて無電圧になってから開路する。その後Aが再閉路すると、事故点を切り離した状態で配電線への送電が回復する。
公式正答(1) Aが開路→Bが開路→Aが閉路
各選択肢の判断理由
(1) Aが開路したのち、Bが開路し、その後Aが閉路する:正しい
SOG機能付PASの短絡事故時の動作。
(2) Bが開路したのち、Aが開路し、その後Aが閉路する:誤り
Bは短絡電流を遮断できないので、先には開かない。
(3) AとBが同時に開路し、その後Aが閉路する:誤り
過電流ロックにより、Bは無電圧になるまで開かない。
(4) Aが開路する(Bは開路しない):誤り
Bは蓄勢トリップで無電圧時に開路する。
(5) Bが開路する(Aは開路しない):誤り
Bは短絡電流を遮断できず、Aが開く必要がある。
第11問・施設管理
専用配電線の送電端電圧とコンデンサ設置後の電圧降下
三相3線式の電圧降下はΔV=√3I(Rcosθ+Xsinθ)、またはΔV=(PR+QX)/Vで求める。力率0.8の無効電力は6,000 kvarである。
公式正答(3・2) (a)22.7 kV (b)68.8 %
ΔV=VPR+QX=208000×3+6000×5=2700 V,Vs=22.7 kV
(b) 力率0.95では無効電力は8,000×tan(cos⁻¹0.95)≒2,630 kvarになる。
ΔV′=208000×3+2630×5≃1857 V,27001857≃0.688
(a) 各選択肢の判断理由
(1) 21.6:誤り
電圧降下が1.6 kVになり、計算値2.7 kVと合わない。
(2) 22.2:誤り
電圧降下が2.2 kVになり、計算値2.7 kVと合わない。
(3) 22.7:正しい
20+2.7=22.7 kV。
(4) 22.9:誤り
cosθとsinθを入れ替えて計算した値(Rsinθ+Xcosθ)。
(5) 23.1:誤り
単相2線式のように√3ではなく2を掛けた値。
(b) 各選択肢の判断理由
(1) 66.6:誤り
設置後の電圧降下が約1,800 Vとなり、計算値1,857 Vと合わない。
(2) 68.8:正しい
1,857÷2,700≒0.688。
(3) 75.5:誤り
設置後の電圧降下が約2,040 Vとなり、計算値と合わない。
(4) 81.7:誤り
電流を力率改善前の288.7 Aのままとし、力率だけを0.95に変えた値。
(5) 97.0:誤り
設置後の電圧降下が約2,620 Vとなり、ほとんど減らないことになる。
第12問・施設管理
直列リアクトル付きコンデンサの端子電圧と容量
直列リアクトルのリアクタンスはコンデンサの6 %で、逆向きの電圧になる。コンデンサの端子電圧は、回路電圧をX_C/(X_C−X_L)倍した値に上がる。
公式正答(5・3) (a)7,021 V (b)186 kvar
VC=6600×XC−0.06XCXC=0.946600≃7021 V
(b) 改善前の無効電力は300×0.8/0.6=400 kvar、改善後は300×0.6/0.8=225 kvarで、設備から175 kvarを供給する。コンデンサ自体の容量はその1/0.94倍になる。
QC=0.94175≃186 kvar
(a) 各選択肢の判断理由
(1) 6,410:誤り
回路電圧6,600 Vより低い。直列リアクトルがあると、コンデンサの端子電圧は回路電圧より高くなる。
(2) 6,795:誤り
上昇が約3 %にとどまり、6 %のリアクトルによる1/0.94倍の上昇と合わない。
(3) 6,807:誤り
上昇が約3 %にとどまり、1/0.94倍の上昇と合わない。
(4) 6,995:誤り
6,600×1.06の値で、0.94で割る計算と合わない。
(5) 7,021:正しい
6600÷0.94≒7,021 V。
(b) 各選択肢の判断理由
(1) 170:誤り
設備の出力は170×0.94≒160 kvarで、必要な175 kvarに届かない。
(2) 180:誤り
設備の出力は180×0.94≒169 kvarで、175 kvarに届かない。
(3) 186:正しい
175÷0.94≒186 kvar。
(4) 192:誤り
設備の出力が約180 kvarとなり、力率は0.8を超えて改善される。
(5) 208:誤り
設備の出力が約196 kvarとなり、必要量より多い。
第13問・施設管理
B種接地抵抗値とD種接地抵抗値の上限
混触時に1秒以内に高圧電路を遮断する装置があるので、B種接地抵抗の上限は600/I_g[Ω]になる。実際の値はその1/3に維持されている。
公式正答(4・5) (a)40 Ω (b)60 Ω
RB=5600×31=40 Ω
(b) 地絡時は100 VがR_BとR_Dの直列に加わり、金属製外箱の対地電圧はR_Dの電圧になる。人体に流れる電流を10 mA以下にするには、外箱の電圧を6,000×0.01=60 V以下にする。
100×40+RDRD≤60⇒RD≤60 Ω
(a) 各選択肢の判断理由
(1) 10:誤り
上限を150/I_gとし、その1/3にした値。遮断装置がある場合の上限は600/I_g。
(2) 20:誤り
1秒を超え2秒以内の場合の300/I_gの1/3。
(3) 30:誤り
150/I_gの値で、遮断時間も1/3も反映していない。
(4) 40:正しい
600÷5÷3=40 Ω。
(5) 50:誤り
最高限度120 Ωの1/3(40 Ω)を超える。
(b) 各選択肢の判断理由
(1) 10:誤り
条件を満たすが、上限ではない。
(2) 15:誤り
条件を満たすが、上限ではない。
(3) 20:誤り
条件を満たすが、上限ではない。
(4) 30:誤り
条件を満たすが、上限ではない。
(5) 60:正しい
外箱の電圧が60 Vとなる上限値。