2025年3月23日実施・全17問

令和6年度下期 電験三種
電力の解答・解説

発電、変電、送配電、電気材料を扱います。 公式問題を開きながら、全問の考え方と途中式を無料で確認できます。

公式問題・正答

問題本文と公式図は転載していません。次の公式PDFを開き、問番号を合わせて解説を読んでください。本文中の説明図は資格Hubが独自に作成したものです。

令和6年度下期 電力の公式問題PDF →

令和6年度下期 4科目の公式正答PDF →

電力 全17問の解説

第1問・水力発電

水力発電の記述の誤り

発電所の主変圧器は、一般に発電機側をΔ結線、系統側をY結線にする。系統側の中性点を接地でき、Δ結線で第3高調波を環流させられる。

公式正答(3) (3)が誤り

各選択肢の判断理由

  • (1) 電圧と周波数は自動電圧調整器と調速機で制御する:正しい

    正しい。

  • (2) カプラン水車は羽根の角度を調整でき部分負荷の効率低下が少ない:正しい

    正しい。

  • (3) 主変圧器は発電機側Y結線、系統側Δ結線が多い:誤り

    結線が逆で、発電機側Δ・系統側Y。この記述が誤り。

  • (4) ペルトン水車は衝動水車の一つ:正しい

    正しい。

  • (5) 水車発電機は回転速度が小さく磁極数が多い:正しい

    正しい。

第2問・火力発電

汽力発電の熱効率向上策の誤り

給水加熱器は、タービンの途中から抽気した蒸気でボイラへの給水を温める装置である。上げるのは給水の温度で、抽気の温度ではない。

公式正答(4) (4)が誤り

各選択肢の判断理由

  • (1) 高温高圧の蒸気を使用する:正しい

    正しい。

  • (2) 復水器の真空度を高める:正しい

    正しい。

  • (3) 再熱サイクルを利用する:正しい

    正しい。

  • (4) 給水加熱器で抽気温度を上げる:誤り

    抽気で給水温度を上げる装置で、この記述が誤り。

  • (5) 節炭器で排ガス温度を下げる:正しい

    排ガスの熱で給水を予熱するので、正しい。

第3問・火力発電

衝動タービンと反動タービン

衝動タービンはノズルで蒸気の圧力を下げて高速の噴流にし、その衝動力で回す。羽根の出入口の圧力は等しく、高圧部に向く。反動タービンは動翼の中でも蒸気を膨張させて反動力を利用し、中低圧部に向く。

公式正答(5) 降下・等しい・高圧・膨張・中低圧

各選択肢の判断理由

  • (1) 上昇・等しい・高圧・膨張・中低圧:誤り

    ノズルでは圧力が下がる。

  • (2) 上昇・異なる・中低圧・凝縮・高圧:誤り

    5空欄とも違う。

  • (3) 上昇・等しい・中低圧・膨張・高圧:誤り

    (ア)(ウ)(オ)が違う。

  • (4) 降下・異なる・中低圧・凝縮・高圧:誤り

    (イ)〜(オ)が違う。

  • (5) 降下・等しい・高圧・膨張・中低圧:正しい

    5空欄とも正しい。

第4問・原子力発電

原子力発電の記述の誤り

軽水炉の燃料は、ウラン235の割合を2〜4 %程度まで高めた低濃縮ウランである。高濃縮ウランではない。

公式正答(1) (1)が誤り

各選択肢の判断理由

  • (1) 2〜4 %まで濃縮した高濃縮ウランを使う:誤り

    2〜4 %は低濃縮ウラン。この記述が誤り。

  • (2) 放射線を出す能力を放射能という:正しい

    正しい。

  • (3) 遅い中性子を衝突させると核分裂を起こす:正しい

    熱中性子による核分裂で、正しい。

  • (4) 中性子が次の核分裂を起こす反応の持続が連鎖反応:正しい

    正しい。

  • (5) 減速材で高速中性子を熱中性子にする:正しい

    正しい。

第5問・発電

地熱発電とバイオマス発電

地熱発電は地下から取り出した蒸気でタービンを回す。地熱資源は火山地域に多い。バイオマス発電は動植物由来の有機物から得た燃料を使い、家畜の糞からはメタンを主成分とするバイオガス(気体燃料)が作られる。

公式正答(3) 蒸気・火山地域・有機物・気体燃料

各選択肢の判断理由

  • (1) 蒸気・火山地域・有機物・液体燃料:誤り

    家畜の糞から作るのはバイオガスで気体燃料。

  • (2) 熱水の流れ・平野部・無機物・気体燃料:誤り

    (ア)〜(ウ)が違う。

  • (3) 蒸気・火山地域・有機物・気体燃料:正しい

    4空欄とも正しい。

  • (4) 蒸気・平野部・有機物・気体燃料:誤り

    (イ)が違う。地熱資源は火山地域に多い。

  • (5) 熱水の流れ・火山地域・無機物・液体燃料:誤り

    (ア)(ウ)(エ)が違う。

第6問・変電

調相設備の働き

調相設備は負荷と並列に接続する。電力用コンデンサは力率を進め、分路リアクトルは遅らせる。同期調相機は界磁電流の加減で進み・遅れの無効電力を連続的に調整し、静止形無効電力補償装置は半導体スイッチでリアクトルの電流を制御する。

公式正答(1) 並列・進める・遅らせる・界磁電流・半導体スイッチ

各選択肢の判断理由

  • (1) 並列・進める・遅らせる・界磁電流・半導体スイッチ:正しい

    5空欄とも正しい。

  • (2) 直列・遅らせる・進める・電機子電流・半導体整流装置:誤り

    5空欄とも違う。

  • (3) 並列・遅らせる・進める・電機子電流・半導体スイッチ:誤り

    (イ)〜(エ)が違う。

  • (4) 直列・進める・遅らせる・電機子電流・半導体整流装置:誤り

    (ア)(エ)(オ)が違う。

  • (5) 並列・遅らせる・進める・界磁電流・半導体スイッチ:誤り

    コンデンサとリアクトルの働きが逆。

第7問・変電

変流器の二次回路の扱い

変流器の二次端子には常に低インピーダンスの負荷(電流計など)をつなぐ。一次電流が流れている状態で二次回路を開放すると、一次電流がすべて励磁電流になって鉄心が飽和し、二次側に高電圧が生じて鉄損が過大になる。一次端子は被測定線路に直列に接続する。

公式正答(4) 低インピーダンス・開放・電圧・鉄損・直列

各選択肢の判断理由

  • (1) 高インピーダンス・短絡・電圧・鉄損・直列:誤り

    (ア)(イ)が違う。二次側は短絡しても問題ない。

  • (2) 低インピーダンス・短絡・誘導電流・銅損・並列:誤り

    (イ)〜(オ)が違う。

  • (3) 高インピーダンス・短絡・誘導電流・銅損・直列:誤り

    (ア)〜(エ)が違う。

  • (4) 低インピーダンス・開放・電圧・鉄損・直列:正しい

    5空欄とも正しい。

  • (5) 高インピーダンス・開放・電圧・銅損・並列:誤り

    (ア)(エ)(オ)が違う。

第8問・送電

がいしの塩害と対策の記述の誤り

がいしの塩害対策は、沿面距離を長くする過絶縁や耐塩がいしの採用、がいしの洗浄、はっ水性物質の塗布などである。絶縁電線は電線の被覆で接触事故を防ぐもので、がいし表面の汚損によるフラッシオーバの対策にはならない。

公式正答(4) (4)が誤り

各選択肢の判断理由

  • (1) 沿面距離を伸ばし、連結個数を増やす:正しい

    過絶縁による対策で、正しい。

  • (2) 水溶性物質だけでなく不溶性物質の付着密度にも影響される:正しい

    正しい。

  • (3) フラッシオーバに至らなくても可聴雑音や電波障害の原因になる:正しい

    正しい。

  • (4) 絶縁電線の採用、がいしの洗浄、はっ水性物質の塗布:誤り

    絶縁電線はがいしの塩害対策ではない。この記述が誤り。

  • (5) 塩害による地絡は雷害より再閉路に失敗しやすい:正しい

    汚損が残るため再閉路に失敗しやすく、正しい。

第9問・配電

高低圧配電系統の保護

6.6 kV配電線路は1線地絡電流を小さくするため非接地方式とする。地絡方向継電器は、故障回線と健全回線で零相電流が逆位相になることを利用して故障回線を選ぶ。柱上変圧器の一次側には高圧カットアウトを付け、低圧側の短絡も保護する。

公式正答(4) 小さく・非接地・逆位相・高圧カットアウト・一次

各選択肢の判断理由

  • (1) 小さく・非接地・同位相・高圧カットアウト・二次:誤り

    (ウ)(オ)が違う。

  • (2) 大きく・接地・逆位相・ケッチヒューズ・一次:誤り

    (ア)(イ)(エ)が違う。

  • (3) 大きく・非接地・逆位相・高圧カットアウト・二次:誤り

    (ア)(オ)が違う。

  • (4) 小さく・非接地・逆位相・高圧カットアウト・一次:正しい

    5空欄とも正しい。

  • (5) 小さく・接地・同位相・ケッチヒューズ・一次:誤り

    (イ)〜(エ)が違う。

第10問・地中送電

地中ケーブルの三相充電容量

三相の充電容量は、1線当たりの静電容量をCとしてQ=ωCV²(Vは線間電圧)で求める。こう長2 kmなのでC=1.0 μFである。

公式正答(3) 16.4 kV·A

各選択肢の判断理由

  • (1) 5.5:誤り

    1線分を相電圧で計算した値(ωC(V/√3)²)で、3線分になっていない。

  • (2) 8.2:誤り

    こう長を1 kmとした値。

  • (3) 16.4:正しい

    ωCV²=16.4 kV·A。

  • (4) 28.4:誤り

    正しい値の√3倍。

  • (5) 49.3:誤り

    線間電圧を1線ずつに加えて3倍した値。

第11問・変電

高圧受電設備の機器の記述の誤り

遮断器(CB)は短絡電流などの故障電流を遮断する機器である。点検・修理のため回路を電源から切り離したり、接続を変えたりする目的で使うのは断路器(DS)である。

公式正答(3) (3)が誤り

各選択肢の判断理由

  • (1) 避雷器は異常電圧を大地に放電し、A種接地工事を施す:正しい

    正しい。

  • (2) LBSは定格電流以下の負荷電流などを開閉する:正しい

    正しい。

  • (3) CBは点検時に電源から開放し、接続を変更するために使う:誤り

    断路器の役割で、この記述が誤り。

  • (4) VCTは電圧と電流を変成し、電力量計と組み合わせて計量する:正しい

    正しい。

  • (5) 進相コンデンサは遅れ無効電力を供給し力率を改善する:正しい

    正しい。

第12問・送電

三相3線式送電線の電力損失率

線電流はI=P/(√3V_r cosθ)で、3線の損失はP_L=3I²Rになる。

公式正答(2) RP/(V_r cosθ)²

各選択肢の判断理由

  • (1) RP/{3(V_r cosθ)²}:誤り

    3線分の損失を1線分としている。

  • (2) RP/(V_r cosθ)²:正しい

    3I²R÷Pの値。

  • (3) RP²/(V_r cosθ)²:誤り

    損失P_Lそのもので、Pで割っていない。

  • (4) 3RP/(V_r cosθ)²:誤り

    √3の2乗で3を打ち消していない。

  • (5) 3RP²/(V_r cosθ)²:誤り

    Pで割っておらず、係数3も残っている。

第13問・送電

温度上昇で伸びた電線のたるみ

電線の実長はL=S+8D²/(3S)で、温度上昇で線膨張係数に比例して伸びる。伸びた実長から新しいたるみを求める。

公式正答(3) 2.39 m

各選択肢の判断理由

  • (1) 2.05:誤り

    このたるみでは実長の伸びが約0.005 mにとどまり、温度上昇による伸び0.045 mと合わない。

  • (2) 2.14:誤り

    実長の伸びが約0.016 mとなり、0.045 mと合わない。

  • (3) 2.39:正しい

    実長100.1517 mに対応するたるみ。

  • (4) 2.66:誤り

    実長の伸びが約0.082 mとなり、0.045 mより大きい。

  • (5) 2.89:誤り

    実長の伸びが約0.116 mとなり、0.045 mより大きい。

第14問・電気材料

導電材料としての銅の記述の誤り

軟銅線は硬銅線を焼きなまして作り、可とう性がよく、導電率も硬銅線より高い(標準軟銅を100 %とすると硬銅は97 %程度)。

公式正答(4) (4)が誤り

各選択肢の判断理由

  • (1) 銅は銀に次いで導電率が高い:正しい

    正しい。

  • (2) 導電率は標準軟銅を100 %とした百分率で表す:正しい

    正しい。

  • (3) 電気銅を精製したものを使う:正しい

    正しい。

  • (4) 軟銅線は硬銅線より導電率が低い:誤り

    軟銅線の方が導電率は高い。この記述が誤り。

  • (5) CVケーブルは軟銅線、架空送電線は硬銅線:正しい

    正しい。

第15問・火力発電

重油専焼火力の燃料消費量とCO₂発生量

発電端効率は出力÷入熱なので、入熱は1,000 MW÷0.41で求める。発熱量で割ると毎秒の燃料重量になる。

公式正答(4・3) (a)200 t/h (b)15.0×10³ t

(b) 炭素は燃料の85 %で、炭素12 gから二酸化炭素44 gが生じる。

(a) 各選択肢の判断理由

  • (1) 50:誤り

    入熱は約611 MWとなり、発電端効率が100 %を超えてしまう。

  • (2) 80:誤り

    入熱は約978 MWで、出力1,000 MWより小さい。

  • (3) 120:誤り

    入熱は約1,467 MWで、効率は約68 %になる。

  • (4) 200:正しい

    入熱約2,439 MWを発熱量で割った値。

  • (5) 250:誤り

    入熱は約3,056 MWで、効率は約33 %になる。

(b) 各選択肢の判断理由

  • (1) 9.5×10³:誤り

    炭素1 tから一酸化炭素(28/12倍)ができるとした値。

  • (2) 12.8×10³:誤り

    炭素の割合0.85を2回掛けた値に近い。

  • (3) 15.0×10³:正しい

    炭素4,070 t/日の44/12倍。

  • (4) 17.6×10³:誤り

    重油のすべてを炭素とした値。

  • (5) 28.0×10³:誤り

    1日の重油消費量約4,800 tの約5.8倍で、炭素の燃焼で生じる量を大きく超える。

第16問・送電

T形等価回路の中間点電圧と送電端電圧

受電端電流I_r=400 A(遅れ30°)にZ/2=10+j40 Ωの電圧降下を加えて中間点の電圧V_cを求め、アドミタンスに流れる電流を足して送電端側の電流と電圧を求める。

公式正答(3・4) (a)161.9 kV (b)170.1 kV

(a) 各選択肢の判断理由

  • (1) 134.2:誤り

    受電端電圧150 kVより低く、電圧降下の向きが逆。

  • (2) 152.3:誤り

    電圧降下を小さく見込みすぎていて、161.9 kVと合わない。

  • (3) 161.9:正しい

    V_r1にZ/2の電圧降下をフェーザで加えた値。

  • (4) 172.0:誤り

    中間点までの電圧降下を大きく見込みすぎている。

  • (5) 180.4:誤り

    中間点までの電圧降下を大きく見込みすぎている。

(b) 各選択肢の判断理由

  • (1) 145.9:誤り

    受電端電圧150 kVより低い。

  • (2) 155.4:誤り

    中間点の電圧161.9 kVより低く、送電端の電圧にならない。

  • (3) 160.6:誤り

    中間点の電圧161.9 kVより低い。

  • (4) 170.1:正しい

    送電端側の電流I_sによる電圧降下を加えた値。

  • (5) 180.7:誤り

    送電端電圧170.1 kVを大きく上回る。

第17問・送電

無負荷送電線のフェランチ効果

受電端が無負荷のとき、リアクタンスXには受電端側のアドミタンスB/2を充電する進み電流だけが流れ、受電端の電圧が送電端より高くなる。

公式正答(2・4) (a)71.7 kV (b)31.8 A

(b) 送電端電流は、送電端側と受電端側の二つのアドミタンスを充電する電流の和である(相電圧で計算する)。

(a) 各選択肢の判断理由

  • (1) 66.0:誤り

    送電端と同じ値で、充電電流による電圧上昇を考えていない。

  • (2) 71.7:正しい

    66.0÷0.92≒71.7 kV。

  • (3) 78.6:誤り

    アドミタンスをBの全量として1−XB=0.84で割った値。

  • (4) 114:誤り

    66.0 kVを√3倍した値。

  • (5) 132:誤り

    送電端電圧の2倍。

(b) 各選択肢の判断理由

  • (1) 15.2:誤り

    送電端側のアドミタンスの充電電流だけ。

  • (2) 16.6:誤り

    受電端側のアドミタンスの充電電流だけ。

  • (3) 28.7:誤り

    受電端の線間電圧71.7 kVにB/2を掛けた値で、相電圧になっていない。

  • (4) 31.8:正しい

    二つの充電電流の和。

  • (5) 55.1:誤り

    正しい値の√3倍。

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出典と照合

出典は一般財団法人電気技術者試験センター「第三種電気主任技術者試験の問題と解答」です。問題本文・図・選択肢は転載せず、解説は資格Hubが独自に作成しました。全17問の正答番号を公式正答と照合しています。

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