理論 全18問の解説
第1問・静電気
2層誘電体を挟んだ平行平板コンデンサの電荷
誘電体が電極と平行に重なっているので、二つのコンデンサの直列とみなせる。合成容量はC=ε₀S/(d₁/ε₁+d₂/ε₂)になる。
公式正答(1) 5.3×10⁻⁹ C
C=22×10−3+44×10−38.85×10−12×0.1=2×10−38.85×10−13≃4.43×10−10 F
Q=CV=4.43×10−10×12≃5.3×10−9 C
各選択肢の判断理由
(1) 5.3×10⁻⁹:正しい
直列合成した4.43×10⁻¹⁰ Fに12 Vを掛けた値。
(2) 7.8×10⁻⁹:誤り
合成容量を約6.5×10⁻¹⁰ Fとしたことになり、直列合成の値と合わない。
(3) 9.4×10⁻⁹:誤り
合成容量を約7.8×10⁻¹⁰ Fとしたことになり、直列合成の値と合わない。
(4) 2.1×10⁻⁸:誤り
合成容量が約1.8×10⁻⁹ F(直列合成の約4倍)になり、合わない。
(5) 4.5×10⁻⁸:誤り
合成容量が約3.8×10⁻⁹ Fになり、直列合成の値と合わない。
第2問・静電気
地球を導体球とみなした静電容量
半径aの孤立導体球の静電容量はC=4πε₀aである。
公式正答(1) 7.08×10⁻⁴ F
C=4π×8.85×10−12×6.37×106≃7.08×10−4 F
第3問・電磁気
磁束の変化で生じる誘導起電力
ファラデーの法則により、起電力は巻数と磁束の変化率の積になる。
公式正答(2) 300 V
e=NΔtΔΦ=30×0.11=300 V
各選択肢の判断理由
(1) 250:誤り
N·ΔΦ/Δtの値300 Vと合わない。
(2) 300:正しい
30×1÷0.1=300 V。
(3) 350:誤り
N·ΔΦ/Δtの値300 Vと合わない。
(4) 400:誤り
N·ΔΦ/Δtの値300 Vと合わない。
(5) 450:誤り
N·ΔΦ/Δtの値300 Vと合わない。
第4問・電磁気
同じ向きの電流が流れる2本の導体に働く力
同じ向きの電流が流れる平行導体は互いに引き合う。左のAは右のBへ(+x方向)、BはAへ(−x方向)引かれる。
公式正答(2) A:+x方向、B:−x方向
第5問・直流回路
直流定常状態で蓄えられるエネルギーの総和
直流の定常状態では、コンデンサは開放、コイルは短絡とみなせる。電流はL₁・R₁・L₂・R₂を流れ、C₁にはR₁の電圧、C₂にはR₂の電圧が加わる。
公式正答(5) 1.52 J
I=20+30100=2 A,VC1=2×20=40 V,VC2=2×30=60 V
W=21(0.02+0.04)×22+21×400×10−6×402+21×600×10−6×602
=0.12+0.32+1.08=1.52 J
各選択肢の判断理由
(1) 0.12:誤り
コイルのエネルギーだけで、コンデンサの分を入れていない。
(2) 1.20:誤り
C₁とC₂の電圧を入れ替えて計算した値(0.72+0.48)。
(3) 1.32:誤り
コンデンサの電圧を入れ替えたうえでコイルの分を足した値。
(4) 1.40:誤り
コンデンサのエネルギーだけで、コイルの分を入れていない。
(5) 1.52:正しい
0.12+0.32+1.08=1.52 J。
第6問・直流回路
二つの電源をもつ回路の各電流
右の2 Vの電源は下側が正極で、上側の端子は下の共通線より2 V低い。中央の節点の電位をVとして電流則を立てる。
公式正答(4) I₁=1 A・I₂=1 A・I₃=0 A
44−V=2V+2+5V⇒V=0
I1=44=1 A,I2=20+2=1 A,I3=0 A
各選択肢の判断理由
(1) −1・−1・0:誤り
I₁とI₂の向きが逆。4 Vの電源からは右向きに電流が流れる。
(2) −1・1・−2:誤り
I₁の向きが逆で、電流則も満たさない。
(3) 2・1・1:誤り
4 Ωに2 A流れると電圧降下が8 Vとなり、電源4 Vを超える。
(4) 1・1・0:正しい
中央の節点の電位が0 Vになる。
(5) 1・−1・2:誤り
5 Ωに2 A流れると中央の電位が10 Vとなり、合わない。
第7問・直流回路
合成抵抗1.8Rとなる並列部分の抵抗
a-b間はRと、RとR_xの並列の直列である。合成抵抗が1.8Rなので、並列部分は0.8Rになる。
公式正答(4) 4R
R+RxRRx=0.8R⇒Rx=0.8(R+Rx)⇒Rx=4R
第8問・交流回路
位相の異なる二つの電圧の合成
e₂はe₁よりπ/2進んだ√3倍の電圧なので、フェーザで直角に合成する。
公式正答(3) 2倍・π/3・進み
V˙=E+j3E,∣V˙∣=1+3E=2E,φ=tan−13=3π 各選択肢の判断理由
(1) 1/2・π/3・進み:誤り
大きさが違う。合成すると2倍になる。
(2) 1+√3・π/6・遅れ:誤り
最大値を算術和にしていて、位相も違う。
(3) 2・π/3・進み:正しい
3空欄とも正しい。
(4) √3・π/6・遅れ:誤り
e₂の大きさだけを見ていて、位相も違う。
(5) 2・2π/3・進み:誤り
位相が違う。tan⁻¹√3=π/3。
第9問・交流回路
周波数を変えたときのRC直列回路の電流
50 Hzのインピーダンスは100/20=5 Ωで、抵抗4 Ωから容量性リアクタンスは3 Ωになる。容量性リアクタンスは周波数に反比例するので、60 Hzでは2.5 Ωになる。
公式正答(3) 21.2 A
X50=52−42=3 Ω,X60=3×6050=2.5 Ω I=42+2.52100=4.72100≃21.2 A 各選択肢の判断理由
(1) 16.7:誤り
電流を周波数に反比例させた値(20×50/60)。
(2) 18.6:誤り
容量性リアクタンスを周波数に比例させて3.6 Ωとした値。
(3) 21.2:正しい
X=2.5 Ωでインピーダンス約4.72 Ω。
(4) 24.0:誤り
電流を周波数に比例させた値(20×60/50)。
(5) 25.6:誤り
インピーダンスが約3.9 Ωとなり、抵抗4 Ωより小さくなってしまう。
第10問・過渡現象
スイッチを閉じた瞬間と定常状態の電流比
初期電荷0のコンデンサは閉じた瞬間に短絡とみなせ、定常状態では開放とみなせる。
公式正答(4) 2.0
I0=6+4+124×12E=9E,I=6+12E=18E,II0=2.0
各選択肢の判断理由
(1) 0.5:誤り
比が逆。閉じた瞬間の方が電流は大きい。
(2) 1.0:誤り
コンデンサの過渡的なふるまいを考えていない。
(3) 1.5:誤り
合成抵抗の比18/9=2と合わない。
(4) 2.0:正しい
E/9とE/18の比。
(5) 2.5:誤り
合成抵抗の比18/9=2と合わない。
第11問・電子理論
電界効果トランジスタの記述の誤り
エンハンスメント形MOSFETは、ゲート電圧を加えたときに初めてチャネルができる。ゲート電圧が0でもチャネルがあるのはデプレション形である。
公式正答(5) (5)が誤り
各選択肢の判断理由
(1) 接合形とMOS形に分類できる:正しい
正しい。
(2) 電流の通路にはn形とp形がある:正しい
nチャネルとpチャネルがあり、正しい。
(3) MOS形はデプレション形とエンハンスメント形に分類できる:正しい
正しい。
(4) ゲート電圧で自由電子又は正孔の移動を制御できる:正しい
正しい。
(5) エンハンスメント形はゲート電圧に関係なくチャネルができる:誤り
チャネルはゲート電圧を加えて初めてできる。この記述が誤り。
第12問・電子理論
直交する電界と磁界の中の電子の運動
電界は高電位の陽極から陰極へ向かう、つまりy軸の負の向きである。負電荷の電子は電界と逆向きの力を受けて陽極へ動き出す。運動する電子はevBのローレンツ力を受ける。y方向に動く電子がx軸の正の向きへ曲がるには、磁界がz軸の負の向きである必要があり、軌跡はサイクロイドになる。
公式正答(4) 負・比例・ローレンツ・負・サイクロイド
F=−ev×B,v=+y, B=−z ⇒ v×B=−x, F=+x
各選択肢の判断理由
(1) 正・比例・ローレンツ・正・サイクロイド:誤り
電界はy軸の負の向きで、磁界も負の向き。
(2) 正・反比例・アンペール・正・ヒステリシス:誤り
5空欄とも違う。
(3) 負・比例・アンペール・負・リサジュー:誤り
(ウ)はローレンツ力、(オ)はサイクロイド。
(4) 負・比例・ローレンツ・負・サイクロイド:正しい
5空欄とも正しい。
(5) 負・反比例・ローレンツ・負・リサジュー:誤り
力は磁束密度に比例し、軌跡はサイクロイド。
第13問・電子回路
静特性と負荷線から求めるバイアス抵抗
直流負荷線は電圧軸の5 V(V_CC)と電流軸の3 mAを結ぶので、V_CE=3.0 VではI_C=1.2 mAになる。静特性から電流増幅率は250(例:2 μAで0.5 mA)である。
公式正答(2) 0.9 MΩ
IC=3×(1−53)=1.2 mA,IB=2501.2×10−3=4.8 μA
RB=IBVCC−VBE=4.8×10−65−0.7≃0.9 MΩ
各選択肢の判断理由
(1) 0.5:誤り
I_Bが約8.6 μAとなり、動作点のV_CEは約1.4 Vになる。
(2) 0.9:正しい
I_B=4.8 μAから約0.9 MΩ。
(3) 1.5:誤り
I_Bが約2.9 μAとなり、V_CEは約3.8 Vになる。
(4) 3.0:誤り
I_Bが約1.4 μAとなり、V_CEは約4.4 Vになる。
(5) 6.0:誤り
I_Bが約0.7 μAとなり、V_CEは約4.7 Vになる。
第14問・電磁気
SI組立単位の他の表し方の誤り
電磁誘導の式e=dΦ/dtから、磁束のWbはV·s(ボルト秒)である。
公式正答(2) (2) Wb=V/s が誤り
各選択肢の判断理由
(1) F=C/V:正しい
C=Q/Vから正しい。
(2) Wb=V/s:誤り
正しくはV·s。この組合せが誤り。
(3) S=A/V:正しい
コンダクタンスは抵抗の逆数で、正しい。
(4) T=Wb/m²:正しい
磁束密度は単位面積当たりの磁束で、正しい。
(5) W=J/s:正しい
仕事率の定義で、正しい。
第15問・三相交流
Y負荷の線電流とΔ接続コンデンサによる力率改善
Δ結線の電源の相電圧200 Vは線間電圧になる。Y負荷1相には200/√3≒115.5 Vが加わり、リアクタンスはωL=2π×50×12.75×10⁻³≒4 Ωで、インピーダンスは5 Ωである。
公式正答(2・2) (a)23.1 A (b)1.7×10⁻⁴ F
I=32+42200/3=5115.5≃23.1 A (b) 負荷の遅れ無効電力をΔ結線のコンデンサで打ち消す。各コンデンサには線間電圧200 Vが加わる。
Q=3I2X=3×23.12×4≃6400 var,3×2002×ωC=6400
C=3×2002×100π6400≃1.7×10−4 F
(b) 各選択肢の判断理由
(1) 1.9×10⁻⁶:誤り
コンデンサの無効電力が約72 varにしかならない。
(2) 1.7×10⁻⁴:正しい
無効電力6,400 varを打ち消す静電容量。
(3) 2.1×10⁻⁴:誤り
リアクタンス4 Ωの代わりにインピーダンス5 Ωで無効電力を求めた値(8,000 var)。
(4) 7.4×10⁻⁴:誤り
コンデンサの無効電力が約28 kvarとなり、大きく進み力率になる。
(5) 5.9×10⁻²:誤り
桁が大きく違い、無効電力が過大になる。
第16問・電気計測
滑り抵抗器を含むブリッジの未知抵抗と電源電流
電源は左の節点と接点cの間につながる。上の辺はR₁とR₄+R_ac、下の辺はR₂とR_x+R_bcで、向かい合う辺の積が等しいとき平衡する。
公式正答(3・4) (a)1.0 kΩ (b)1.7 mA
R1(Rx+Rbc)=R2(R4+Rac)⇒3(Rx+3)=2×6,Rx=1.0 kΩ
(b) 平衡時は検流計に電流が流れないので、上の経路(3+3+3=9 kΩ)と下の経路(2+1+3=6 kΩ)の並列になる。
R=9+69×6=3.6 kΩ,I=3.6×1036≃1.7 mA
第17問・静電気
電荷を保った並列コンデンサの間隔を広げたときの電圧
二つのコンデンサは並列で、x=dのときは面積の合計で静電容量を求める。スイッチを開いた後は、合計電荷が一定のまま保たれる。
公式正答(3・2) (a)9.7×10⁻⁸ C (b)2.5×10³ V
C=dε(A1+A2)=10−38.85×10−12×1.1×10−2≃9.74×10−11 F,Q=9.7×10−8 C
(b) x=3.0×10⁻³ mにすると右側の容量が1/3になり、合計容量が減るので電圧が上がる。
C′=8.85×10−12+3×10−38.85×10−14≃3.84×10−11 F,V=3.84×10−119.74×10−8≃2.5×103 V
(a) 各選択肢の判断理由
(1) 8.0×10⁻⁹:誤り
合計容量9.7×10⁻¹¹ Fに1,000 Vを掛けた値より一桁小さい。
(2) 1.6×10⁻⁸:誤り
合計容量を1.6×10⁻¹¹ Fとしたことになり、面積の合計1.1×10⁻² m²と合わない。
(3) 9.7×10⁻⁸:正しい
面積の合計で求めた容量に1,000 Vを掛けた値。
(4) 1.9×10⁻⁷:誤り
正しい値の約2倍。
(5) 1.6×10⁻⁶:誤り
正しい値の十数倍で、容量の計算と合わない。
(b) 各選択肢の判断理由
(1) 3.3×10²:誤り
電荷一定で容量が減ると電圧は上がるので、1,000 Vより下がることはない。
(2) 2.5×10³:正しい
電荷9.7×10⁻⁸ Cを合計容量3.84×10⁻¹¹ Fで割った値。
(3) 3.0×10³:誤り
右側だけで考え、間隔に比例して電圧が3倍になるとした値。左側の容量は変わらない。
(4) 5.1×10³:誤り
正しい値の約2倍。
(5) 3.0×10⁴:誤り
正しい値の十数倍。
第18問・電子回路
演算増幅器の特徴と直流増幅回路の出力
理想的な演算増幅器は、入力インピーダンスが非常に大きく、出力インピーダンスが非常に小さい。
公式正答(2・1) (a)(2)が誤り (b)6.6 V・−3.0 V
(b) 直流ではコンデンサは開放とみなせる。図1は非反転増幅回路、図2は反転増幅回路である。
Vo1=(1+10100)×0.6=6.6 V,Vo2=−30200×0.45=−3.0 V