理論 全18問の解説
第1問・静電気
空気と固体の2層誘電体の等電位面
電極に垂直な電束密度Dは2層で共通なので、電界はE=D/εで比誘電率に反比例する。空気の電界は固体の6倍になり、等電位面の間隔は電界に反比例して空気側で狭くなる。
公式正答(5) 上側(空気)が密、下側(固体)が疎
E1=ε0D,E2=6ε0D⇒E1=6E2
各選択肢の判断理由
(1) 全体に等間隔:誤り
誘電体が1種類の場合の分布で、2層では電界が層ごとに変わる。
(2) 中央付近だけが密:誤り
電界は各層の中で一様なので、層の内部で間隔が変わることはない。
(3) 下側(固体)が密:誤り
密と疎が逆。比誘電率が大きい固体の方が電界は小さい。
(4) 上下の両端が密:誤り
電界は各層で一様で、電極付近だけが密になることはない。
(5) 上側(空気)が密、下側(固体)が疎:正しい
空気の電界が固体の6倍で、等電位面は空気側に集まる。
第2問・静電気
孤立導体球に帯電できる最大電荷
孤立導体球の表面の電界は、電荷が中心に集まった点電荷と同じE=Q/(4πε₀a²)になる。これが空気の絶縁耐力E_mに達するときの電荷が最大値である。
公式正答(4) 4πε₀a²E_m
4πε0a2Q=Em⇒Q=4πε0a2Em
第3問・電磁気
磁気に関する量と単位の組合せの誤り
電磁誘導の式e=dΦ/dtから、磁束の単位WbはV·s(ボルト秒)である。V/sではない。
公式正答(2) (2) 磁束 V/s が誤り
e=dtdΦ⇒[Wb]=[V⋅s]
第4問・電磁気
反対向きの電流がつくる磁界が打ち消し合う点
直線電流の磁界はH=I/(2πr)。電流が逆向きの2本の導体の外側では、二つの磁界の向きが反対になり、大きさが等しい点で合成磁界が0になる。
公式正答(2) 0.45 m
2π×0.31.2=2π(0.3+l)3⇒0.3+l=0.75,l=0.45 m
各選択肢の判断理由
(1) 0.24:誤り
Bまで0.54 mとなり、Bの磁界約0.88 A/mがAの約0.64 A/mより大きく、打ち消し合わない。
(2) 0.45:正しい
Bまで0.75 mで、両方の磁界が約0.64 A/mになる。
(3) 0.54:誤り
Bまで0.84 mとなり、Bの磁界約0.57 A/mがAより小さい。
(4) 0.75:誤り
PからBまでの距離0.75 mをlとしている。lはAとBの間隔。
(5) 1.05:誤り
PをAとBの間にあるとした値。逆向きの電流では、導体の間で磁界は打ち消し合わない。
第5問・直流回路
二つの電源をもつ回路の抵抗の消費電力
Rの両側をそれぞれテブナンの等価電源に置き換える。左は60 Vを40 Ωずつで分圧して30 V・20 Ω、右は80 Vを60 Ωずつで分圧して40 V・30 Ωになる。
公式正答(1) 0.28 W
I=20+10+3040−30=61 A,P=I2R=(61)2×10≃0.28 W
第6問・直流回路
二つの電池を含む回路の抵抗値
右側の節点を基準(0 V)にし、6 Ωの右端の節点の電位をV_Xとおく。9 Vの枝、4 V・1 Ωの枝、3 V・Rの枝で電流則を立てる。
公式正答(1) 2.0 Ω
69−VX=0.3+1VX+4⇒VX=−2.4 V
R=0.3VX+3=0.30.6=2.0 Ω
各選択肢の判断理由
(1) 2.0:正しい
V_X=−2.4 Vから、Rの電圧は0.6 Vで2.0 Ω。
(2) 2.8:誤り
Rの電圧が0.84 Vになり、電流則を満たすV_X=−2.4 Vと合わない。
(3) 3.7:誤り
Rの電圧が約1.1 Vになり、V_X=−2.4 Vと合わない。
(4) 4.9:誤り
Rの電圧が約1.5 Vになり、V_X=−2.4 Vと合わない。
(5) 25:誤り
4 Vの電池の向きを逆にした場合の値(V_X≒4.46 V)。図の向きではV_X=−2.4 Vになる。
第7問・直流回路
可変抵抗の消費電力が最大になる条件
R₂から見て、電池(E・r)とR₁をテブナンの等価電源にまとめると、内部抵抗はrとR₁の並列になる。負荷の電力が最大になるのは、負荷抵抗が等価内部抵抗に等しいときである。
公式正答(3) R₂=rR₁/(r+R₁)
Rth=r+R1rR1⇒R2=r+R1rR1
第8問・交流回路
LC直列共振回路を直列にした共振周波数
共振周波数はf=1/(2π√(LC))で、LCが大きいほど低い。直列接続ではインダクタンスは和、静電容量は直列合成になる。
公式正答(3) f_B<f_AB<f_A
fA=2πLC1,fB=2π2LC1,fAB=2π3L⋅2C1=2π1.5LC1 第9問・交流回路
高調波を含む電圧・電流の電力
ひずみ波の有効電力は、同じ周波数の成分どうしの電力の和になる。各成分は最大値の積の1/2に、電圧と電流の位相差の余弦を掛ける。
公式正答(2) 1.08 kW
P1=2100×20cos6π≃866 W,P3=250×103cos3π≃216.5 W P=P1+P3≃1083 W≃1.08 kW
第10問・過渡現象
スイッチを閉じた後のスイッチ電流の波形
閉じる前は直流の定常状態で、コイルの電流は0、コンデンサは1 Vに充電されている。閉じるとコイル側の電流は時定数1 sで0から1 Aへ増え、コンデンサは1 Ωを通して時定数2 sで放電する。両方の電流がスイッチを同じ向きに流れる。
公式正答(3) 1 Aに跳ね上がり、いったん1 Aを超えてから1 Aに戻る
iL=1−e−t,iC=e−t/2,iS=iL+iC=1−e−t+e−t/2
t=0で1 A、増え方はdi_S/dt=e^{−t}−0.5e^{−t/2}でt=0では+0.5なので、いったん1 Aを超えたあと1 Aに近づく。
各選択肢の判断理由
(1) 1 Aから下がって1 Aに戻る:誤り
放電電流の時定数(2 s)がコイル電流の時定数(1 s)より長いため、初めは増える。
(2) 0から1 Aへ増える:誤り
コンデンサの放電電流を考えていない。t=0で1 Aが流れる。
(3) 1 Aに跳ね上がり、超えてから1 Aに戻る:正しい
i_S=1−e^{−t}+e^{−t/2}の形と一致する。
(4) 0から増えて1 Aを超えてから戻る:誤り
t=0に放電電流1 Aが流れるので、0からは始まらない。
(5) 1 Aのまま一定:誤り
コイル電流と放電電流の時定数が違うため、和は一定にならない。
第11問・電子理論
バイポーラトランジスタとFETの記述の誤り
バイポーラトランジスタはベース電流でコレクタ電流を制御する電流制御素子、FETはゲート電圧でドレーン電流を制御する電圧制御素子である。
公式正答(4) (4)が誤り
各選択肢の判断理由
(1) バイポーラは消費電力がFETより大きい:正しい
ベース電流が流れる分、消費電力が大きい。正しい。
(2) バイポーラは静電気でFETより壊れにくい:正しい
FETは薄いゲート絶縁膜が静電気で破壊されやすい。正しい。
(3) バイポーラの入力インピーダンスはFETより低い:正しい
正しい。
(4) バイポーラは電圧制御、FETは電流制御:誤り
逆で、バイポーラが電流制御、FETが電圧制御。
(5) バイポーラは電子と正孔、FETはどちらか一方:正しい
正しい。
第12問・電子理論
電界で加速された電子の速さ
電子が陰極板から陽極板まで移動する間に電界がする仕事はeVで、これが運動エネルギーになる。
公式正答(2) eV・√(2eV/m)
各選択肢の判断理由
(1) eV・√(4eV/m):誤り
(ア)は正しいが、解くと√(2eV/m)になる。
(2) eV・√(2eV/m):正しい
2空欄とも正しい。
(3) 2eV・√(4eV/m):誤り
得るエネルギーはeVで、2倍にはならない。
(4) eE・√(2eE/m):誤り
eEは電子が受ける力で、エネルギーではない。
(5) eE・√(4eE/m):誤り
力とエネルギーを取り違えている。
第13問・交流回路
コイルの直列抵抗を並列抵抗に換算した値
rとLの直列回路のアドミタンスを実部と虚部に分ける。r≪ωLなら、実部の逆数が並列の等価抵抗になる。
公式正答(3) R_p=(ωL)²/r
r+jωL1=r2+(ωL)2r−jr2+(ωL)2ωL≃(ωL)2r−jωL1
Rp=r(ωL)2
第14問・電気計測
電気計器の記述で正しいもの
ホイートストンブリッジは、検流計の振れが0になるよう既知の抵抗を調整して未知の抵抗を求める方法で、精密な測定ができる。
公式正答(3) ホイートストンブリッジ
各選択肢の判断理由
(1) クランプメータは磁界が打ち消し合うように1本をクランプする:誤り
1本だけを挟むのは、往復の電流の磁界が打ち消し合わないようにするため。
(2) 電子電圧計は内部抵抗が小さい:誤り
増幅器を使う電子電圧計は内部抵抗(入力抵抗)が大きい。
(3) ホイートストンブリッジは抵抗を精密に測定できる:正しい
正しい。
(4) 接地抵抗計は絶縁抵抗を測る:誤り
接地抵抗計は接地極と大地の間の抵抗を測る。
(5) 絶縁抵抗計は接地電極と大地間の抵抗を測る:誤り
絶縁抵抗計は配線や機器の絶縁抵抗を測る。
第15問・交流回路
電圧・電流の式から判別する素子と蓄積エネルギー
i=−50cos(1000t)=50sin(1000t−π/2)で、電流は電圧より90°遅れる。遅れ電流が流れる素子はコイルである。
公式正答(4・3) (a)L=10 mH (b)12.5 J
ωL=50500=10 Ω⇒L=100010=0.01 H=10 mH
Wmax=21LIm2=21×0.01×502=12.5 J
(a) 各選択肢の判断理由
(1) C=10 nF:誤り
コンデンサでは電流が進み、リアクタンスも100 kΩで合わない。
(2) C=100 nF:誤り
電流が進む素子で、リアクタンスも10 kΩになる。
(3) C=10 μF:誤り
リアクタンスは100 Ωで、電流の位相も進みになる。
(4) L=10 mH:正しい
ωL=10 Ωで、電流は90°遅れる。
(5) L=100 mH:誤り
ωL=100 Ωとなり、電流は5 Aになる。
第16問・電気計測
並列に接続した電流計の測定範囲
並列の電流計には、内部抵抗に反比例した一定の比率で電流が分かれる。測定例の比率90:40:35を保ったまま、最初に最大目盛に達する電流計で全体の上限が決まる。
公式正答(4・5) (a)183 A (b)81.8 A・36.4 A・31.8 A
90100≃1.11,4050=1.25,3550≃1.43
Imax=165×90100≃183 A
(b) 150 Aを同じ比率で分ける。
I1=150×16590≃81.8,I2=150×16540≃36.4,I3=150×16535≃31.8 A
(a) 各選択肢の判断理由
(1) 100:誤り
電流計Ⅰの最大目盛だけで、ⅡとⅢに流れる分を足していない。
(2) 144:誤り
このとき電流計Ⅰは約78.5 Aで、まだ最大目盛まで余裕がある。
(3) 165:誤り
測定例の合計で、上限ではない。
(4) 183:正しい
電流計Ⅰが100 Aに達するときの合計。
(5) 200:誤り
最大目盛の和。比率が決まっているので、3台が同時に最大目盛には達しない。
(b) 各選択肢の判断理由
(1) 31.8・36.4・81.8:誤り
電流計ⅠとⅢが逆。
(2) 31.8・81.8・36.4:誤り
3台とも比率と合わない。
(3) 36.4・31.8・81.8:誤り
3台とも比率と合わない。
(4) 81.8・31.8・36.4:誤り
ⅡとⅢが逆。
(5) 81.8・36.4・31.8:正しい
90:40:35の比率で150 Aを分けた値。
第17問・静電気
Δ結線のコンデンサのY変換と合成静電容量
コンデンサのインピーダンスは静電容量に反比例する。Δ→Y変換ではインピーダンスが1/3になるので、静電容量は3倍の9 μFになる。
公式正答(5・3) (a)9.0 μF (b)4.8 μF
C=3×3=9 μF
(b) 変換後は、a-b-中心が9 μFと9 μFの直列(4.5 μF)、a-c-中心が18 μFと9 μFの直列(6 μF)で、この二つが並列になり、中心-d間の9 μFと直列になる。
C0=(4.5+6)+9(4.5+6)×9=19.594.5≃4.8 μF
(b) 各選択肢の判断理由
(1) 3.0:誤り
a-d間の合成静電容量4.8 μFより小さい。
(2) 4.5:誤り
a-b-中心の経路だけを数えている。
(3) 4.8:正しい
10.5 μFと9 μFの直列で約4.8 μF。
(4) 6.0:誤り
a-c-中心の経路だけを数えている。
(5) 9.0:誤り
中心-d間の9 μFだけの値。
第18問・電子回路
振幅変調の原理と変調率
搬送波には信号波より周波数の高い正弦波を使う。図1は、搬送波v₁と信号波v₂をどちらもベース回路に加えるベース変調で、出力v₃が振幅変調波になる。
公式正答(2・5) (a)高い・信号波・正弦波・検波 (b)ベース・図2(c)・図2(a)・図2(b)・33 %
m=Amax+AminAmax−Amin=4+24−2≃0.33
包絡線の最大振幅は8 V(ピークからピーク)の半分の4 V、最小振幅は4 Vの半分の2 Vとして読む。
(b) 各選択肢の判断理由
(1) コレクタ・(c)・(a)・(b)・33:誤り
信号波v₂はベース回路に入っていて、コレクタ変調ではない。
(2) コレクタ・(c)・(b)・(a)・67:誤り
変調の位置、v₂・v₃の波形、変調率のすべてが合わない。
(3) ベース・(b)・(a)・(c)・50:誤り
v₁は振幅一定の搬送波で(c)、変調率も33 %。
(4) エミッタ・(b)・(c)・(a)・67:誤り
変調の位置と波形の対応がすべて違う。
(5) ベース・(c)・(a)・(b)・33:正しい
ベース変調で、搬送波(c)・信号波(a)・変調波(b)、変調率は約33 %。