法規 全13問の解説
第1問・電気事業法
需給悪化時の広域機関と大臣の措置
広域機関が会員へ指示する根拠規程と、経済産業大臣が命令できる相手を分ける。
公式正答(5) 業務規程・会員・電気事業者
OCCTOは業務規程に基づいて会員へ融通などを指示できる。災害時などに経済産業大臣が安定供給措置を命じる相手は電気事業者である。
各選択肢の判断理由
(1):誤り
広域機関の指示根拠は保安規程ではなく業務規程である。
(2):誤り
三つの語が規定上の主体・対象と一致しない。
(3):誤り
指示は特定事業者だけを対象にせず、大臣の命令対象も異なる。
(4):誤り
広域機関が指示する相手と大臣の命令対象が異なる。
(5):正しい
業務規程、会員、電気事業者の組合せが電気事業法に一致する。
第2問・事故報告
自家用電気工作物の報告対象事故
死傷、電気火災、供給支障、公衆への物損と、事業場内部だけの機器損傷を区別する。
公式正答(4) 報告対象外は(4)
受電用真空遮断器が損傷して操作不能になっただけで、死傷、火災、供給支障、構外物損などを伴わない(4)はこの設問の報告対象事故に該当しない。
各選択肢の判断理由
(1):報告対象
電気工作物に起因する火災で建物が半焼している。
(2):報告対象
自家用設備の事故が一般送配電事業者の供給支障を生じさせている。
(3):報告対象
電気工作物の操作に伴う負傷で入院している。
(4):対象外
遮断器単体の損傷・操作不能だけで、列挙された報告事故の結果を伴わない。
(5):報告対象
電気工作物の折損により構外の他人の建物を損傷させている。
第3問・絶縁性能
低圧電線路の漏えい電流基準
絶縁抵抗値そのものではなく、使用電圧を加えたときの漏えい電流上限を規定する条文である。
公式正答(1) 使用電圧・最大供給電流・2,000分の1
低圧電線路の絶縁性能は、使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の2,000分の1を超えないことを求める。
各選択肢の判断理由
(1):正しい
使用電圧、最大供給電流、2,000の三語が条文どおりである。
(2):誤り
最大使用電圧や単なる供給電流という表現ではない。
(3):誤り
基準電流と分母が異なる。
(4):誤り
対地電圧ではなく使用電圧で、分母も2,000である。
(5):誤り
対地電圧と使用電流の組合せが規定と一致しない。
第4問・高圧器具
アークを生じる器具の離隔
アーク発生部を隔離する対象は可燃性のものであり、高圧と特別高圧で必要離隔が変わる。
公式正答(3) 可燃性のもの・1 m・2 m
耐火性の囲いを使わない場合、高圧では可燃性のものから1 m、特別高圧では原則2 m以上離す。35 kV以下でアークを制限した場合は1 mへ緩和できる。
第5問・風力設備
風車支持工作物の安全要件
支持工作物が耐える荷重・外力と、小規模設備で防止する人の行為を対応させる。
公式正答(4) 積雪・衝撃・登る
支持工作物は自重、積載荷重、積雪、風圧、地震その他の振動と衝撃に対して安全でなければならない。小規模設備では取扱者以外が容易に登れない措置を講じる。
第6問・架空引込線
低圧架空引込線の硬銅線径
一般径間の最低強度と、短径間で認められる緩和値を分ける。
公式正答(2) 2.6 mm・15 m・2.0 mm
ケーブル以外の低圧架空引込線には、引張強さ2.30 kN以上の電線または直径2.6 mm以上の硬銅線を使う。径間15 m以下なら、引張強さ1.38 kN以上の電線または直径2.0 mm以上の硬銅線を使用できる。設問の空欄は硬銅線の直径を問う。
第7問・系統連系
高圧連系の自動解列条件
分散型電源の故障・系統事故・単独運転を検出し、系統再閉路前に解列する。解列点となる遮断器を確認する。
公式正答(5) 単独運転・再閉路・連絡用遮断器
分散型電源の単独運転を検出して解列し、一般送配電事業者などが再閉路する場合は再閉路時に系統から切れていなければならない。解列には分散型電源の連絡用遮断器も使える。
第8問・屋内配線
ケーブル工事と高圧屋内配線
低圧ケーブルと他設備は接触を避ける。高圧がいし引き工事は乾燥した展開場所に限り、もう一つの工法はケーブル工事である。
公式正答(4) 接触しない・展開・ケーブル工事
ケーブルは弱電流電線や水管などと接触しないように施設する。高圧屋内配線は乾燥した展開場所のがいし引き工事、またはケーブル工事による。
各選択肢の判断理由
(1):誤り
がいし引き工事を隠ぺい場所に施設できない。
(2):誤り
ケーブルに一律10 cm離隔を求めず、高圧工法も金属管工事ではない。
(3):誤り
三つの条件がいずれも適切な組合せにならない。
(4):正しい
接触防止、展開場所、ケーブル工事が規定に一致する。
(5):誤り
隠ぺい場所と金属管工事が高圧屋内配線の条件に合わない。
第9問・金属ダクト
金属ダクト工事の占積率と接地
一般配線と制御回路等の占積率、ダクト間の接続、使用電圧別接地、C種からD種へ緩和する防護を一組で確認する。
公式正答(1) 20%・50%・電気的・使用電圧・接触防護
占積率は原則20%以下、制御回路等だけなら50%以下である。ダクト相互は電気的に完全接続し、接地種別は使用電圧で決まる。300 V以下はD種、300 V超は原則C種である。300 V超でも所定の接触防護措置があればD種へ緩和できるが、ダクトと電気的に接続するおそれのある金属製の防護は、この緩和の対象から除かれる。
第10問・高圧受電保護
SOGのSO動作
PASが遮断できない短絡電流では、上位遮断器による無電圧を待って開放し、再閉路時の波及事故を防ぐ。
公式正答(5) 短絡・負荷側・開放・波及
PAS負荷側の短絡時は開放命令を保存し、配電線が無電圧になってからPASを開放する。上位遮断器再投入時には事故区間が切れているため波及事故として扱われない。
第11問・水力発電
流況曲線から年間発電量と設備利用率を求める
渇水量の2倍を最大使用流量とし、流量がそれを超える期間は頭打ちにして年間使用水量を積分する。
公式正答(3・5) (a)84.3 GW·h・(b)88.0%
図は左右にスクロールできます。 資格Hub作成。緑の面積が発電に使う流量と日数の積。河川流量の破線は式が与えられた90日以降だけを描いています。年間流況曲線は流量の大きい順に並べた曲線で、横軸は流量を確保できる日数を表す。355日の流量が渇水量となる。最大使用流量15.5 m³/sと河川流量が等しくなるのは、−0.05d+25.5=15.5よりd=200日である。365日では7.25 m³/sとなる。0〜200日は15.5 m³/sまでしか使用できず、200〜365日は河川流量をそのまま使用する。
Q355=−0.05×355+25.5=7.75 m3/s,Qmax=2Q355=15.5 m3/s
∫0365Qudd=15.5×200+215.5+7.25×165=4976.875 m3/s⋅day
流量と日数の積に24時間/日を掛け、密度・重力加速度・有効落差・効率から電力量を求める。W·hからGW·hへの換算では10の9乗で割る。
E=1091000×9.8×90×0.8×4976.875×24≈84.28 GW⋅h
Pmax=1091000×9.8×15.5×90×0.8=0.0109368 GW
設備利用率=0.0109368×876084.28×100≈88.0 %
(a) 各選択肢の判断理由
(1)47.9:誤り
最大使用流量で頭打ちとなる期間と後半の流量を正しく積算していない。
(2)72.8:誤り
年間流況曲線の面積を過小に扱っている。
(3)84.3:正しい
使用流量曲線の面積4976.875 m³/s・日から得る年間発電量である。
(4)94.5:誤り
最大使用流量で制限した年間使用水量の面積から求める84.28 GW·hと一致しない。
(5)97.4:誤り
最大出力で年間連続運転しても約95.81 GW·hであり、それを超える97.4 GW·hにはならない。
(b) 各選択肢の判断理由
(1)50.0%:誤り
年間可能発電量と最大出力年間電力量の比に一致しない。
(2)63.0%:誤り
年間発電量約84.28 GW·hを最大出力での年間電力量約95.81 GW·hで割った値と一致しない。
(3)69.5%:誤り
最大使用流量または年間時間の扱いが異なる。
(4)75.9%:誤り
年間発電量84.3 GW·hとの比が一致しない。
(5)88.0%:正しい
年間発電量を最大出力の年間電力量で割った値である。
第12問・高調波
第5調波電流の系統流出
定格容量から基本波定格電流を出し、第5調波発生率を掛ける。系統とコンデンサの並列回路では電流分流を使う。
公式正答(2・2) (a)6.6 A・(b)6.2 A
IN=3×6600500×103=43.7 A,I5=0.15IN=6.56 A 両枝の百分率インピーダンスは10 MV·Aという同じ基準容量で表されている。n=5ではどちらも誘導性となり、6.56 Aの高調波電流源が系統側とコンデンサ設備側へ分流する。系統側電流には反対側の枝Zcを分子に使う。
Zs=j(6×5)=j30 %,Zc=j50(6×5−5100)=j500 %
I5s=6.56500+30500=6.19 A
(b) 各選択肢の判断理由
(1)1.2 A:誤り
系統側電流は6.56×500/(500+30)=6.19 Aであり、1.2 Aとはならない。
(2)6.2 A:正しい
電流分流により6.19 Aが系統側へ流出する。
(3)10.8 A:誤り
発生電流6.56 Aを超えており分流条件に合わない。
(4)30.9 A:誤り
基本波電流に近く、高調波電流源の値を反映していない。
(5)41.2 A:誤り
定格電流からわずかしか減らしていない。
第13問・太陽光発電
自家消費・逆潮流電力量と自給率
発電曲線と消費電力の差が正になる区間だけを面積計算する。自給量は総発電量から逆潮流量を引く。
公式正答(2・3) (a)1,300 kW·h・(b)46%
図は左右にスクロールできます。 資格Hub作成。塗りつぶした7〜15時の余剰電力を10時・12時で分け、逆潮流電力量を計算します。発電電力は6時に0、12時に600 kW、18時に0となる三角形である。消費電力は0〜10時100 kW、10〜17時300 kW、17〜21時400 kW、21〜24時100 kW。発電と消費の交点は7時と15時で、逆潮流は7〜15時に生じる。10時の消費電力の段差と12時の発電ピークで区間を分ける。
EPV=21×12×600=3600 kW⋅h
Eexport=21×3×300+2100+300×2+21×3×300=1300 kW⋅h
Eload=100×10+300×7+400×4+100×3=5000 kW⋅h
50003600−1300×100=46 %
(a) 各選択肢の判断理由
(1)900:誤り
10時以前または12時以後の余剰面積が不足する。
(2)1,300:正しい
7〜10時、10〜12時、12〜15時の余剰面積の合計である。
(3)1,500:誤り
消費電力段差との交点を正しく反映していない。
(4)2,200:誤り
逆潮流の区間面積は1,300 kW·hである。自家消費量も3,600−1,300=2,300 kW·hであり、2,200 kW·hとは一致しない。
(5)3,600:誤り
太陽光の全発電量であり自家消費分を差し引いていない。
(b) 各選択肢の判断理由
(1)35%:誤り
自家消費量または総消費量を過小・過大に扱っている。
(2)38%:誤り
逆潮流量を差し引く区間計算が一致しない。
(3)46%:正しい
自家消費2,300 kW·hを総消費5,000 kW·hで割った値である。
(4)52%:誤り
総発電量を自給量として扱う方向の過大値である。
(5)58%:誤り
逆潮流と自家消費の区別ができていない。