2021年10月17日実施・全50問・公式正解照合

令和3年度 宅建試験(10月試験)解答・解説

令和3年度宅建試験のうち、2021年10月17日に実施された10月試験の全50問について、公式正解と各肢の判断根拠をこのページに載せています。解説は試験の基準である2021年4月1日現在の法令で書き、令和8年度試験(2026年4月1日現在の法令)までに変わった点は各問の注意にまとめました。問題本文は転載していないため、公式PDFを開いて問題番号を合わせて読んでください。

令和3年度10月試験の結果は、受験者209,749人、合格者37,579人、合格率17.9%。合格基準点は50問中34点(登録講習修了者は45問中29点)でした(不動産適正取引推進機構「試験実施概況」)。令和3年度は新型コロナウイルス感染症への対応で10月と12月に分けて実施され、12月試験は別の問題です。

令和7年度(2025年)全50問の解答・解説 →

令和6年度(2024年)全50問の解答・解説 →

令和5年度(2023年)全50問の解答・解説 →

令和4年度(2022年)全50問の解答・解説 →

令和2年度(2020年10月試験)全50問の解答・解説 →

令和元年度(2019年)全50問の解答・解説 →

令和8年度(2026年10月18日)の日程・正解の公表日・合格点の推移 →

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正答一覧(全50問)

権利関係

問題正答論点
問11敷金返還債務と家屋明渡債務の関係(最判昭和49年9月2日)
問22請求・相殺・免除・更改の効力
問34準委任・賃貸借・売買・使用貸借と相続
問41存続期間・第三者への賃貸・相続・対抗要件
問54成年年齢・養育費・営業を許された未成年者・意思無能力
問62譲渡制限特約・将来債権・悪意の譲受人・対抗要件
問73追完請求・代金減額請求・解除・代金支払の拒絶
問81占有者と所有者の責任・不法行為の消滅時効
問91再婚・連れ子・親権と法定相続分
問102選択権者・選択前の給付不能・第三者による選択

借地借家・登記

問題正答論点
問113一般定期借地権・事業用定期借地権・建物譲渡特約付借地権・一時使用
問122期間の定めのない賃貸借の解約・敷金の承継・転貸借の終了・定期借家の通知
問134書面決議・共用部分の重大変更・分離処分の禁止・持分の割合
問143所有権の登記の抹消・代理権・合併による移転・信託の登記

法令上の制限

問題正答論点
問153地区計画に定める事項と地区整備計画
問162公園施設・既成市街地・準都市計画区域・土地区画整理事業
問174シックハウス対策・敷地内通路・外壁の耐火構造・仮使用
問182建蔽率の緩和・地区計画等による用途制限の緩和・居住環境向上用途誘導地区・ごみ焼却場の位置
問194許可が必要な切土・許可の通知・技術的基準の強化・造成宅地防災区域
問203参加組合員の取得・照応の原則・建築行為等の制限・役員の解任請求
問213遺産分割と届出・無許可の売買・一時転用・国等の特例
問224届出期間・助言・無届出の罰則・面積要件

税・不動産鑑定

問題正答論点
問231特別控除の順序・取得費・借地権の権利金・短期譲渡所得
問241既存住宅の控除・新築住宅の取得の時期・申告・税率
問253調査範囲等条件・再調達原価・事情補正・限定賃料

宅建業法

問題正答論点
問262説明する者・代金以外の金銭・登記の時期・引渡しの時期
問274不正手段による取消し・破産者の復権・控訴中の刑・宅建業法違反の罰金
問284登録の移転の手続・登録の消除・変更の登録・登録先
問294従業者名簿の保存期間・案内所の標識・報酬額の掲示・専任の宅建士
問302誇大広告・広告料金・取引態様の明示・建築確認前の広告
問313担保の提供・苦情の解決・還付充当金・社員の地位の喪失
問321宅地の範囲・換地の分譲・農業協同組合・国等との取引
問331図面がない場合・図面の種類・貸借の場合・説明の方法
問342供託の届出・還付を受けられる者・供託物・有価証券の評価
問353事務禁止処分・消除後の再登録・登録の移転の要件・本籍の変更
問361建物・宅地の貸借で説明が必要な事項
問373ペット飼育の禁止・保全措置・代金以外の金銭・自ら貸主
問384有効期間・業務処理状況の報告・指定流通機構・貸借の媒介
問391告知書面の記載事項
問403帳簿・行為能力の制限・標識・秘密を守る義務
問411業者間の記名押印・手付の授受の時期・業者間取引・抵当権
問422割賦販売の登記・手付金等の保全措置・損害賠償額の予定
問434手付の分割・契約を急がせる勧誘・商号を告げない電話勧誘・預り金の返還拒否
問442居住用建物の権利金・代理と媒介の合計・低廉な空家等・店舗兼住宅
問453資力確保措置の対象・保険期間・紛争処理・瑕疵担保責任の特約

住宅・統計・土地建物

問題正答論点
問461証券化支援事業の対象・合理的土地利用建築物の融資・金利の引下げ・条件変更
問472畳数表示・団地と駅の距離・完成予想図・二重価格表示
問483建築着工統計・土地取引件数・地価公示・法人企業統計
問494森林・火山・林相と地盤・谷の出口
問503鉄骨構造の形式・床・用途

令和7年度 全50問の解答解説PDF

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収録した全問を試験実施団体の公表問題・正答と照合しています。照合の手順を見る →

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この年度の出題構成

全50問のうち20問、40%が宅建業法です。問題数の構成比であり、配点や合格基準の比率ではありません。

次に多いのが権利関係の10問で、上位2分野で60%を占めます。

論点は49件で、複数問にまたがるのは建築基準法(2問)です。同じ論点でも問われ方が変わるので、解説は問ごとに分けています。

読み取れた50問の正答番号は3の14件から4の12件までで、番号の偏りはほとんどありません。

分野出題数割合この年に問われた論点
宅建業法20問40%重要事項の説明、免許の基準、宅建士の登録、事務所等の義務、広告、保証協会、宅建業の免許の要否、水害ハザードマップの説明
権利関係10問20%敷金、連帯債務、契約当事者の死亡、配偶者居住権、行為能力・意思能力、債権譲渡、売買の契約不適合責任、工作物責任・時効
法令上の制限8問16%地区計画、開発許可、建築基準法、宅地造成等規制法、土地区画整理法、農地法、国土利用計画法
住宅・統計・土地建物5問10%住宅金融支援機構、不当景品類及び不当表示防止法、統計、土地の形質、建築物の構造
借地借家・登記4問8%定期借地権、建物賃貸借、区分所有法、不動産登記
税・不動産鑑定3問6%所得税(譲渡所得)、不動産取得税、不動産鑑定評価基準
正答番号1234
件数12121412

集計は当サイトが公開している全50問・200件の解説から作成しました。問題と正答は試験実施団体の公表資料と照合しています。

全問に共通する注意

令和8年度試験での注意 2026年4月1日までの改正で用語・数値・正誤の扱いが変わった問(問5・問13・問14・問19・問22・問27・問41・問44・問47・問48)には、各問に注意を付けました。それ以外の問は、2026年4月1日現在の法令で解いても正誤が変わりません。

権利関係の解答・解説(10問)

敷金の判決文、連帯債務、契約当事者の死亡、配偶者居住権、意思能力と行為能力、債権譲渡、売買の契約不適合、工作物責任、相続分、選択債権を扱います。2020年施行の改正民法で変わった論点が多く出ました。

敷金

問1 敷金返還債務と家屋明渡債務の関係(最判昭和49年9月2日)

判決文は、賃貸人は家屋の明渡しを受けた後に敷金の残額を返せば足りるとして、明渡債務と敷金返還債務の同時履行を否定しています。契約が解除で終わった場合も同じです。

公式正解 1

正しいのは1です。明渡しが先履行なので、賃借人は敷金返還請求権を理由に家屋を留置できません。

肢1:正しい。明渡債務が先に履行されるべきものである以上、敷金返還請求権は明渡しの時点ではまだ弁済期にありません。賃借人がこの請求権を被担保債権として家屋に留置権を主張する余地はありません。

肢2:誤り。判決文は、明渡債務と敷金返還債務は1個の双務契約から生じた対価的な債務ではなく、同時履行の関係に立たないとしています。

肢3:誤り。敷金は、賃貸借の終了後、家屋の明渡しまでに生じた賃料相当損害金などの債権も担保します。明渡しまでの債権も敷金から差し引けます。

肢4:誤り。明渡しまでに生じる一切の債権を担保するという敷金の性質からすると、同時履行の関係を認めることはむしろその性質に合いません。2020年施行の民法622条の2も、敷金の返還は賃貸物の返還を受けたときと定めています。

公式問題で問1を見る

連帯債務

問2 請求・相殺・免除・更改の効力

2020年施行の改正民法で、連帯債務者の一人に対する請求と免除は他の連帯債務者に効力が及ばなくなりました。相殺権を持つ連帯債務者がいる場合、他の債務者はその負担部分の限度で履行を拒めるだけで、代わりに相殺はできません。

公式正解 2

誤っているのは2です。Cは、Bの負担部分の限度で支払を拒めるだけで、Bの債権で相殺することはできません。

肢1:正しい。連帯債務者の一人に対する裁判上の請求は、別段の合意がなければ他の連帯債務者に効力を生じません(民法441条)。BとCの債務の時効の完成猶予・更新には影響しません。

肢2:誤り。反対債権を持つ連帯債務者Bが相殺を援用しない間は、他の連帯債務者Cは、Bの負担部分の限度で債務の履行を拒むことができるだけです(439条2項)。Bの債権を使って相殺の意思表示をすることはできません。

肢3:正しい。免除も相対的効力しか持たないので(441条)、DはAとBのそれぞれに300万円全額を請求できます。

肢4:正しい。連帯債務者の一人と債権者との間で更改があったときは、債権は全ての連帯債務者の利益のために消滅します(438条)。

公式問題で問2を見る

契約当事者の死亡

問3 準委任・賃貸借・売買・使用貸借と相続

当事者が死亡したとき、契約が終了するかどうかは契約の種類で決まります。委任は当事者の死亡で、使用貸借は借主の死亡で終了しますが、賃貸借と売買は相続人に引き継がれます。

公式正解 4

誤っているのはア〜エの四つすべてで、正解は4です。

ア:誤り。委任(準委任も同じ)は受任者の死亡によって終了します(民法653条1号・656条)。Aの相続人が清掃業務を行う義務を負うことはありません。

イ:誤り。賃貸人が死亡しても賃貸借は終了せず、賃貸人の地位は相続人に承継されます。死亡を理由に相続人が解除できる規定はありません。

ウ:誤り。売主が死亡しても売買契約は有効で、相続人が売主の地位を承継して土地の引渡し義務を負います。契約が原始的に不能となって無効になるわけではありません。

エ:誤り。使用貸借は借主の死亡によって終了します(597条3項)。借主の相続人は、借主の地位を承継して建物を使い続けることはできません。

公式問題で問3を見る

配偶者居住権

問4 存続期間・第三者への賃貸・相続・対抗要件

配偶者居住権は、配偶者が無償で居住を続けるための一身専属的な権利です。存続期間の満了や配偶者の死亡で消滅し、第三者に対抗するには登記が必要です。

公式正解 1

正しいのは1です。存続期間を定めた場合、その期間の満了で配偶者居住権は消滅し、延長や更新はできません。

肢1:正しい。遺産分割協議で存続期間を定めた場合、その期間が満了すれば配偶者居住権は消滅し、延長や更新はできないと解されています(民法1030条・1036条・597条1項)。

肢2:誤り。配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、第三者に居住建物の使用・収益をさせることができません(1032条3項)。

肢3:誤り。配偶者居住権は配偶者の死亡によって消滅し(1036条・597条3項)、相続の対象になりません。

肢4:誤り。配偶者居住権は、登記をしなければ居住建物の所有権を取得した第三者に対抗できません(1031条2項・605条)。居住建物の所有者には登記の設定義務があります。

公式問題で問4を見る

行為能力・意思能力

問5 成年年齢・養育費・営業を許された未成年者・意思無能力

意思能力のない状態でした法律行為は、後見開始の審判の有無にかかわらず無効です(民法3条の2)。出題時(2021年4月1日)の成年年齢は20歳でした。

公式正解 4

肢1:誤り。出題時の2021年4月1日の成年年齢は20歳で、18歳の者は未成年者でした。法定代理人の同意なしにした契約は取り消すことができます。

肢2:誤り。養育費の対象は子が経済的に自立していない期間で、成年に達したかどうかとは一致しません。成年に達しても未成熟であれば、支払義務は当然には終わりません。

肢3:誤り。営業を許された未成年者が成年者と同一の行為能力を持つのは、その営業に関する行為だけです(6条1項)。営業に関しない負担付贈与を同意なく受けた場合は、法定代理人が取り消すことができます。

肢4:正しい。法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は無効です(3条の2)。後見開始の審判を受けているかどうかは関係ありません。

令和8年度試験での注意 2022年4月1日から成年年齢は18歳になったので、現在の法令では肢1の18歳の者は成年として単独で契約できます。出題時の基準日で判断する問なので、正解の4は変わりません。

公式問題で問5を見る

債権譲渡

問6 譲渡制限特約・将来債権・悪意の譲受人・対抗要件

2020年施行の改正民法で、譲渡制限の意思表示があっても債権譲渡は有効とされ、まだ発生していない将来債権も譲渡できることが条文に明記されました。

公式正解 2

誤っているのは2です。将来発生する債権も譲渡でき、譲受人は発生した債権を当然に取得します。

肢1:正しい。譲渡制限の意思表示がされた金銭債権が譲渡されたときは、債務者はその債権の全額に相当する金銭を供託できます(民法466条の2第1項)。

肢2:誤り。債権の譲渡は、意思表示の時に債権が現に発生していることを要しません。将来発生した債権は、譲受人が当然に取得します(466条の6第1項・2項)。

肢3:正しい。譲渡制限の意思表示を知り、又は重大な過失で知らなかった譲受人に対しては、債務者は履行を拒み、譲渡人への弁済などで債務が消滅したことを対抗できます(466条3項)。

肢4:正しい。債権譲渡は譲渡人の通知又は債務者の承諾がなければ債務者その他の第三者に対抗できず、債務者以外の第三者に対抗するには確定日付のある証書による通知・承諾が必要です(467条)。

公式問題で問6を見る

売買の契約不適合責任

問7 追完請求・代金減額請求・解除・代金支払の拒絶

引き渡された目的物に不適合があるとき、買主は修補などの追完、代金の減額、損害賠償、解除を求められます。追完が可能なら、解除にはまず相当期間を定めた催告が必要です。

公式正解 3

誤っているのは3です。修理が可能な故障なら、原則として修理を催告しなければ解除できません。

肢1:正しい。引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないときは、買主は目的物の修補を請求できます(民法562条1項)。

肢2:正しい。履行の追完が不能であるときは、催告をしなくても直ちに代金の減額を請求できます(563条2項1号)。

肢3:誤り。修理が可能なら、相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に追完がないときに解除できるのが原則です(564条・541条)。無催告で解除できるのは、追完が不能な場合などに限られます(542条)。

肢4:正しい。売買の目的について権利を主張する者があって買主が権利を取得できないおそれがあるときは、売主が相当の担保を供した場合を除き、買主は代金の支払を拒むことができます(576条)。

公式問題で問7を見る

工作物責任・時効

問8 占有者と所有者の責任・不法行為の消滅時効

建物の保存に瑕疵があって他人に損害を与えたとき、まず占有者が責任を負い、占有者が損害の防止に必要な注意をしていたときは所有者が無過失責任を負います(民法717条1項)。

公式正解 1

誤っているのは1です。必要な注意をしなかった占有者Aは、Bに対して責任を負います。

肢1:誤り。賃借人として甲建物を占有するAは、損害の発生の防止に必要な注意をしなかった以上、工作物の占有者としてBに対して不法行為責任を負います(717条1項)。

肢2:正しい。所有者兼占有者であるAは、必要な注意をしていたとしても、所有者として責任を免れません(717条1項ただし書)。所有者の責任は無過失責任です。

肢3:正しい。不法行為による損害賠償請求権は、不法行為の時から20年間行使しないときは時効によって消滅します(724条2号)。

肢4:正しい。人の生命又は身体を害する不法行為の場合、損害及び加害者を知った時からの時効期間は5年です(724条の2)。

公式問題で問8を見る

相続

問9 再婚・連れ子・親権と法定相続分

相続人になるのは被相続人の配偶者と血族です。配偶者の連れ子は、養子縁組をしていなければ相続人になりません。親権を誰が持っているかも、相続人かどうかとは関係ありません。

公式正解 1

正しいのは1です。Dの相続人は配偶者Aと、Dの子であるFとGです。

肢1:正しい。配偶者Aの相続分は2分の1で(民法900条1号)、残り2分の1をDの子FとGが均等に分けて各4分の1になります(900条4号)。

肢2:誤り。CはAと亡夫Bとの子で、Dと養子縁組をしていないので、Dの相続人にはなりません。

肢3:誤り。Fの親権者は元配偶者Eですが、FはDの子であることに変わりはないので相続人になります。

肢4:誤り。Cは相続人ではなく、Fが相続人から外れることもありません。

公式問題で問9を見る

選択債権

問10 選択権者・選択前の給付不能・第三者による選択

選択債権の選択権は、特約がなければ債務者にあります。選択権を持つ者の過失で一方が給付不能になったときは、残りの給付に特定されます。

公式正解 2

正しいのは2です。選択権者Aの失火で甲が全焼したので、給付の目的物は乙になります。

肢1:誤り。第三者が選択をすることができないとき、又は選択をする意思を有しないときは、選択権は債務者に移ります(民法409条2項)。この契約の債務者は売主Aなので、Bではありません。

肢2:正しい。給付の不能が選択権を有する者の過失によるときは、債権はその残存するものについて存在します(410条)。選択権者Aの失火で甲が焼失したので、目的物は乙になります。

肢3:誤り。選択権について特段の合意がない場合、選択権は債務者に属します(406条)。売主Aが選択権者です。

肢4:誤り。第三者が選択をする場合、その選択は債権者又は債務者に対する意思表示によってします(409条1項)。両者に意思表示をする必要はありません。

公式問題で問10を見る

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借地借家・登記の解答・解説(4問)

定期借地権、建物賃貸借、区分所有法、不動産登記を扱います。区分所有法の共用部分の変更の決議要件は2026年4月の改正で変わりました。

定期借地権

問11 一般定期借地権・事業用定期借地権・建物譲渡特約付借地権・一時使用

借地権を確実に終わらせる仕組みには、一般定期借地権(50年以上)、事業用定期借地権(10年以上50年未満で公正証書)、建物譲渡特約付借地権(30年以上)、一時使用目的の借地権があります。

公式正解 3

誤っているのは3です。建物譲渡特約付借地権は、設定から30年以上を経過した日に建物を譲渡する特約でなければなりません。

肢1:正しい。存続期間を50年以上とする一般定期借地権は、更新や建物築造による延長がない旨などを公正証書等の書面で定めれば足り(借地借家法22条)、公正証書である必要はありません。事業用でも60年なら一般定期借地権として設定できます。

肢2:正しい。居住用の建物の所有を目的とする場合、事業用定期借地権(23条)は使えません。期間20年で更新がないとする定めは、公正証書によってもできません。

肢3:誤り。建物譲渡特約付借地権は、借地権を設定してから30年以上を経過した日に建物を相当の対価で借地権設定者に譲渡する旨の特約です(24条1項)。20年ではこの特約を有効に定められません。

肢4:正しい。臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合は、存続期間や更新などの規定は適用されません(25条)。

公式問題で問11を見る

建物賃貸借

問12 期間の定めのない賃貸借の解約・敷金の承継・転貸借の終了・定期借家の通知

建物の所有権が移転して賃貸人の地位が新所有者に移るとき、敷金は未払賃料に当然に充当され、残額が新賃貸人に承継されます。

公式正解 2

肢1:誤り。期間の定めのない建物賃貸借で賃貸人が解約の申入れをするときは、正当事由が必要で、契約は申入れの日から6か月を経過して終了します(借地借家法27条1項・28条)。

肢2:正しい。賃貸人の地位が移転したとき、敷金返還債務は新賃貸人に承継されます(民法605条の2第4項)。判例は、旧賃貸人に対する未払賃料に当然に充当され、残額が承継されるとしています。

肢3:誤り。建物の転貸借がされている場合に、賃貸借が期間満了で終了するときは、賃貸人は転借人にその旨を通知しなければ終了を対抗できず、転貸借は通知の日から6か月を経過して終了します(借地借家法34条)。

肢4:誤り。期間1年以上の定期建物賃貸借で賃貸人が期間満了の1年前から6か月前までに通知しなかった場合は、終了を賃借人に対抗できなくなるだけで、更新したものとはみなされません(38条)。通知期間の経過後に通知すれば、その日から6か月で終了を対抗できます。

公式問題で問12を見る

区分所有法

問13 書面決議・共用部分の重大変更・分離処分の禁止・持分の割合

共用部分の持分の基準となる専有部分の床面積は、壁その他の区画の「内側線」で囲まれた部分の水平投影面積です(区分所有法14条3項)。

公式正解 4

誤っているのは4です。床面積は中心線ではなく内側線で測ります。

肢1:正しい。集会を開かずに書面による決議をするには、区分所有者全員の承諾が必要です(区分所有法45条1項)。一人でも反対すればできません。

肢2:正しい。出題時の規定では、形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更は区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数で決し、区分所有者の定数は規約で過半数まで減らせました(17条1項)。

肢3:正しい。敷地利用権が数人で有する所有権などである場合、規約に別段の定めがない限り、専有部分と敷地利用権を分離して処分できません(22条1項)。

肢4:誤り。共用部分の持分の基準となる床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積です(14条3項)。中心線(壁芯)ではありません。

令和8年度試験での注意 2026年4月1日施行の改正区分所有法で、共用部分の重大変更は、区分所有者・議決権の各過半数が出席したうえで出席者の各4分の3以上の決議になり、規約で2分の1を超える割合まで引き下げられるようになりました(17条1項)。肢2は出題時の規定による記述です。書面決議に全員の承諾が必要な点(肢1)と、誤りの肢4は変わりません。

公式問題で問13を見る

不動産登記

問14 所有権の登記の抹消・代理権・合併による移転・信託の登記

合併で消滅した法人は登記義務者として申請に加われないので、合併による権利の移転の登記は、権利を承継した法人が単独で申請します。

公式正解 3

肢1:誤り。所有権の登記の抹消を登記名義人が単独で申請できるのは、所有権の移転の登記がない場合に限られます(不動産登記法77条)。

肢2:誤り。委任による登記申請の代理権は、本人が死亡しても消滅しません(不動産登記法17条1号)。

肢3:正しい。相続や法人の合併による権利の移転の登記は、権利を承継した者(登記権利者)だけで申請できます(63条2項)。

肢4:誤り。信託の登記は、受託者が単独で申請することができます(98条2項)。

令和8年度試験での注意 2024年4月1日から相続登記の申請が義務化され、2026年4月1日からは所有権の登記名義人の住所・氏名の変更登記も義務になりました。本問の4肢の正誤は変わりません。

公式問題で問14を見る

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法令上の制限の解答・解説(8問)

地区計画、開発許可、建築基準法、宅地造成等規制法、土地区画整理法、農地法、国土利用計画法の事後届出を扱います。宅地造成等規制法は2023年に盛土規制法へ改められました。

地区計画

問15 地区計画に定める事項と地区整備計画

地区整備計画では、建築物の用途・容積率・建蔽率などの制限を細かく定められますが、市街化区域と市街化調整区域の区分(区域区分)は都道府県が都市計画区域について定めるもので、地区整備計画の内容ではありません。

公式正解 3

肢1:正しい。地区計画については、都市計画に当該地区計画の目標を定めるよう努めるものとされています(都市計画法12条の5第2項)。

肢2:正しい。地区計画の区域の面積も、都市計画に定めるよう努めるものとされています(12条の4第2項)。

肢3:誤り。区域区分の決定の有無は、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画区域マスタープラン)に定める事項です(6条の2第2項1号)。地区整備計画で定めることはできません。

肢4:正しい。地区整備計画では、建築物の建蔽率の最高限度を定めることができます(12条の5第7項2号)。

公式問題で問15を見る

開発許可

問16 公園施設・既成市街地・準都市計画区域・土地区画整理事業

市街化区域の開発許可は1,000㎡以上が原則ですが、首都圏整備法の既成市街地などでは500㎡以上に引き下げられています。

公式正解 2

正しいのは2です。既成市街地内の市街化区域では、500㎡以上の開発行為に許可が必要です。

肢1:誤り。都市公園法に規定する公園施設である建築物は、公益上必要な建築物に含まれ、その建築のための開発行為には許可が要りません(都市計画法29条1項3号、施行令21条)。

肢2:正しい。首都圏整備法の既成市街地などにある市街化区域では、許可が必要な規模が500㎡以上とされています(施行令19条2項)。800㎡の開発行為には許可が必要です。

肢3:誤り。準都市計画区域で許可が必要になるのは3,000㎡以上の開発行為です(29条1項1号、施行令19条1項)。2,000㎡なら許可は要りません。

肢4:誤り。土地区画整理事業の施行として行う開発行為は、区域や規模にかかわらず許可が不要です(29条1項5号)。

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建築基準法

問17 シックハウス対策・敷地内通路・外壁の耐火構造・仮使用

検査済証の交付を受ける前でも、特定行政庁が安全上・防火上・避難上支障がないと認めたときなどは、建築物を仮に使用できます(建築基準法7条の6第1項)。

公式正解 4

肢1:誤り。ホルムアルデヒドを発散させる建築材料は、発散量に応じて使用できる面積が制限されるだけで、使用そのものは禁止されていません。使用が禁止されているのはクロルピリホスです。

肢2:誤り。階数3以上の建築物などの敷地内には、屋外への出口から道や公園などに通じる幅員1.5m以上の通路を設けなければなりません(施行令128条)。2m以上ではありません。

肢3:誤り。防火地域又は準防火地域内の建築物で、外壁が「耐火構造」のものは、外壁を隣地境界線に接して設けることができます(63条)。防火構造では足りません。

肢4:正しい。木造3階建ての共同住宅の新築では、検査済証の交付前は使用できませんが、特定行政庁が支障がないと認めたときは仮に使用できます(7条の6第1項)。

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建築基準法

問18 建蔽率の緩和・地区計画等による用途制限の緩和・居住環境向上用途誘導地区・ごみ焼却場の位置

地区計画等の区域で、条例により用途制限を緩和できる規定(建築基準法68条の2第5項)は、集落地区計画を対象から除いています。

公式正解 2

肢1:正しい。準防火地域内の耐火建築物等は建蔽率が10分の1加算され、特定行政庁が指定する角地でさらに10分の1加算されるので、10分の6が10分の8になります(53条3項)。

肢2:誤り。市町村が国土交通大臣の承認を得て条例で用途制限を緩和できるのは、地区計画等の区域のうち集落地区計画を除いたものです(68条の2第5項)。

肢3:正しい。居住環境向上用途誘導地区内では、公益上必要な建築物などを除き、建蔽率は都市計画で定めた最高限度以下でなければなりません(60条の2の2第1項)。

肢4:正しい。ごみ焼却場などは都市計画で敷地の位置が決定していなければ新築できませんが、特定行政庁が都市計画審議会の議を経て許可した場合は新築できます(51条ただし書)。

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宅地造成等規制法

問19 許可が必要な切土・許可の通知・技術的基準の強化・造成宅地防災区域

造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域の外にある一団の造成宅地を指定するものです。規制区域内の土地は指定の対象から除かれています。

公式正解 4

肢1:正しい。出題時の宅地造成等規制法では、切土で高さ2mを超える崖を生ずるもの、又は面積が500㎡を超えるものが宅地造成に当たりました(旧施行令3条)。面積500㎡で崖の高さが1.5mの切土は、許可が要りません。

肢2:正しい。都道府県知事は、許可の申請があったときは、遅滞なく、許可又は不許可の処分を文書で申請者に通知しなければなりません(旧法10条1項)。

肢3:正しい。都道府県知事は、一定の場合には都道府県の規則で、工事の技術的基準を強化し、又は付加することができます(旧施行令15条2項)。

肢4:誤り。造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域内の土地を除いた区域について指定するものです(旧法20条1項)。規制区域内で指定することはできません。

令和8年度試験での注意 令和3年度試験は宅地造成等規制法で出題されましたが、2023年5月26日から宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)に改められました。造成宅地防災区域は今も規制区域の外で指定するので(45条1項)、肢4は誤りのままです。切土で2mを超える崖を生じるか面積が500㎡を超える場合に許可が要るという基準(施行令3条)も同じで、肢1も許可不要です。許可の処分は、許可なら許可証の交付、不許可なら文書による通知になりました(14条2項)。

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土地区画整理法

問20 参加組合員の取得・照応の原則・建築行為等の制限・役員の解任請求

施行地区内の建築行為などの許可権者は都道府県知事(市の区域内では市長)で、施行者である組合ではありません。

公式正解 3

肢1:正しい。換地計画で参加組合員に与えるべきものと定められた宅地は、換地処分の公告があった日の翌日に参加組合員が取得します(土地区画整理法104条10項)。

肢2:正しい。換地は、従前の宅地と位置・地積・土質・水利・利用状況・環境などが照応するように定めます(89条1項、照応の原則)。

肢3:誤り。組合の設立認可の公告後、換地処分の公告がある日までに土地の形質の変更などをするには、都道府県知事(市の区域内では市長)の許可が必要です(76条1項)。組合の許可ではありません。

肢4:正しい。組合員は、組合員総数の3分の1以上の連署で、理由を記載した書面を組合に提出して、理事又は監事の解任を請求できます(27条1項)。

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農地法

問21 遺産分割と届出・無許可の売買・一時転用・国等の特例

農地を一時的に他の用途に使うために借りる場合も転用に当たり、5条の許可が必要です。砂利採取法の認可があっても、農地法の許可は別に必要です。

公式正解 3

肢1:正しい。遺産分割で農地を取得する場合は3条1項の許可は不要ですが、農業委員会への届出が必要です(3条の3)。

肢2:正しい。3条1項の許可を受けずにした売買は、所有権移転の効力を生じません(3条6項)。

肢3:誤り。砂利採取のために農地を一時的に借りる場合も、農地以外のものにするための権利の設定なので、5条1項の許可が必要です。砂利採取法の認可で代えることはできません。

肢4:正しい。都道府県が農地を取得して病院などを建設する場合は、都道府県知事等との協議が成立すれば、5条1項の許可があったものとみなされます(5条4項)。

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国土利用計画法

問22 届出期間・助言・無届出の罰則・面積要件

事後届出は、権利取得者が契約締結日から起算して2週間以内に行います。当事者の一方が地方公共団体なら届出は不要です。

公式正解 4

肢1:誤り。事後届出は、契約を締結した日から起算して2週間以内に行わなければなりません(国土利用計画法23条1項)。

肢2:誤り。都道府県知事が助言できるのは、土地の利用目的についてです(27条の2)。対価の額は助言の対象ではありません。

肢3:誤り。所定の期間内に事後届出をしなかった者には罰則があります(47条)。勧告は届出に係る利用目的について行うもので、無届出に対する措置ではありません。

肢4:正しい。準都市計画区域(都市計画区域外)では10,000㎡以上が届出の対象です。地方公共団体であるB市は届出不要ですが、10,000㎡を取得したCは届出が必要です。

令和8年度試験での注意 2025年6月1日の改正刑法の施行で、懲役と禁錮は拘禁刑に一本化されました。令和8年度試験では刑の名称を拘禁刑で覚えます。この問の正誤は変わりません。

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税・不動産鑑定の解答・解説(3問)

所得税の譲渡所得、不動産取得税、不動産鑑定評価基準を扱います。特別控除の順序、既存住宅の控除額、事情補正と時点修正の違いが問われました。

所得税(譲渡所得)

問23 特別控除の順序・取得費・借地権の権利金・短期譲渡所得

譲渡所得の特別控除50万円は、まず短期譲渡所得から差し引き、残りを長期譲渡所得から差し引きます。総合課税の長期譲渡所得だけが2分の1課税です。

公式正解 1

肢1:正しい。特別控除額50万円は、まず取得の日以後5年以内の譲渡による所得(短期譲渡所得)から控除し、控除しきれない部分を長期譲渡所得から控除します(所得税法33条5項)。

肢2:誤り。取得費には、取得に要した金額のほか、取得後に支出した設備費や改良費も含まれます(38条1項)。

肢3:誤り。建物の所有を目的とする借地権の設定の対価として受ける権利金が、土地の価額の10分の5を超えるときは、不動産所得ではなく譲渡所得として課税されます(施行令79条)。

肢4:誤り。取得の日以後5年以内に譲渡した場合(短期譲渡所得)は、2分の1にはなりません。2分の1課税は、5年を超えて所有した資産の譲渡(長期)の場合です(22条2項2号)。

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不動産取得税

問24 既存住宅の控除・新築住宅の取得の時期・申告・税率

1997年4月1日以後に新築された既存住宅を自己の居住用に取得した場合、床面積50㎡以上240㎡以下なら、課税標準から新築時期に応じた額(この場合1,200万円)が控除されます。

公式正解 1

肢1:正しい。2016年に新築された床面積210㎡の既存住宅を個人が自己の居住のために取得した場合、課税標準から1,200万円が控除されます(地方税法73条の14第3項)。

肢2:誤り。新築された家屋で最初の使用又は譲渡が行われない場合は、新築から6か月(宅地建物取引業者などが売り渡す住宅は特例で1年)を経過した日に取得があったものとみなされます(73条の2第2項)。3年ではありません。

肢3:誤り。不動産取得税は、都道府県が納税通知書を送って徴収する普通徴収の方法によります(地方税法73条の17第1項)。取得者が申告して納める申告納付ではありません。

肢4:誤り。地方税法73条の15が定める4%は標準税率で、上限ではありません。住宅と土地は、2027年3月31日までの取得について3%に軽減されています。

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不動産鑑定評価基準

問25 調査範囲等条件・再調達原価・事情補正・限定賃料

取引事例に特殊な事情が含まれている場合に、その影響を取り除くのは事情補正です。時点修正は、取引時点から価格時点までの価格水準の変動を修正する作業です。

公式正解 3

肢1:正しい。通常の調査では事実を確かめにくい価格形成要因については、鑑定評価書を使う人の利益を害するおそれがないと判断できる場合に限り、調査範囲等条件を設定できます。

肢2:正しい。建設資材や工法の変遷で再調達原価を求めることが困難な場合は、同等の有用性を持つものに置き換えた原価(置換原価)を再調達原価とみなします。

肢3:誤り。取引事例に特殊な事情が含まれ価格に影響している場合に適切に補正することは、事情補正です。時点修正は、取引時点と価格時点の間の価格水準の変動を修正することです。

肢4:正しい。鑑定評価で求める賃料は一般に正常賃料又は継続賃料ですが、依頼目的に応じた条件により限定賃料を求めることができる場合があります。

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宅建業法の解答・解説(20問)

重要事項説明、免許、宅建士の登録、事務所の義務、広告、保証協会、水害ハザードマップ、営業保証金、37条書面、媒介契約、クーリング・オフ、自ら売主制限、禁止行為、報酬、住宅瑕疵担保履行法を横断します。37条書面の押印と空家等の報酬特例は、出題後の改正で変わりました。

重要事項の説明

問26 説明する者・代金以外の金銭・登記の時期・引渡しの時期

重要事項の説明は宅建士であれば専任でなくてもかまいません。代金以外に授受される金銭は額と目的を説明しますが、登記の申請時期と引渡し時期は37条書面の記載事項です。

公式正解 2

肢1:誤り。重要事項の説明は宅建士にさせなければなりませんが、専任の宅建士である必要はありません(宅建業法35条1項)。

肢2:正しい。代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額と、その金銭の授受の目的を説明しなければなりません(35条1項7号)。

肢3:誤り。登記された権利の種類・内容は説明事項ですが、移転登記の申請の時期は37条書面の記載事項で、重要事項の説明事項ではありません。

肢4:誤り。引渡しの時期も37条書面の記載事項で、重要事項の説明事項ではありません。

公式問題で問26を見る

免許の基準

問27 不正手段による取消し・破産者の復権・控訴中の刑・宅建業法違反の罰金

免許の欠格事由になる刑は、確定したものに限られます。宅建業法違反などによる罰金刑は、刑の執行を終わって5年を経過するまで欠格になります。

公式正解 4

肢1:誤り。不正の手段で免許を受けたとして取り消された者も、取消しの日から5年を経過すれば、他に欠格事由がない限り免許を受けられます(宅建業法5条1項2号)。

肢2:誤り。破産手続開始の決定を受けた者も、復権を得れば直ちに免許を受けられます(5条1項1号)。

肢3:誤り。控訴して裁判が係属中であれば刑は確定していないので、役員Dは欠格事由に当たらず、C社は免許を受けられます。

肢4:正しい。宅建業法の規定に違反して罰金の刑に処せられた者が役員にいる法人は、刑の執行を終わってから5年を経過しなければ免許を受けられません(5条1項6号・12号)。

令和8年度試験での注意 2025年6月1日の改正刑法の施行で、懲役と禁錮は拘禁刑に一本化されました。令和8年度試験では刑の名称を拘禁刑で覚えます。この問の正誤は変わりません。

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宅建士の登録

問28 登録の移転の手続・登録の消除・変更の登録・登録先

宅建士の登録は、試験に合格した都道府県の知事に申請します。勤務先の宅建業者の商号・免許証番号は登録事項なので、転職すれば変更の登録が必要です。

公式正解 4

肢1:誤り。登録の移転は、現に登録をしている甲県知事を経由して、乙県知事に申請します(宅建業法19条の2)。

肢2:誤り。宅建士証の交付を受けていない者が宅建士としてすべき事務を行った場合、登録が消除されるのは情状が特に重いときです(68条の2第2項3号)。情状を問わず消除されるわけではありません。

肢3:誤り。勤務する宅建業者の商号又は名称と免許証番号は登録事項なので、専任の宅建士かどうかにかかわらず、転職したときは遅滞なく変更の登録を申請しなければなりません(20条)。

肢4:正しい。登録は、試験を行った都道府県知事に申請します(18条1項)。他県に転勤することになっても、甲県知事に申請します。

公式問題で問28を見る

事務所等の義務

問29 従業者名簿の保存期間・案内所の標識・報酬額の掲示・専任の宅建士

契約の締結や申込みの受付をしない場所には、専任の宅建士を置く必要はありません。標識は、契約をしない案内所にも掲げます。

公式正解 4

肢1:誤り。従業者名簿は、最終の記載をした日から10年間保存しなければなりません(宅建業法施行規則17条の2第4項)。5年ではありません。

肢2:誤り。一団の宅地の分譲を行う案内所には、契約の締結をしない場合でも標識を掲げなければなりません(宅建業法50条1項)。

肢3:誤り。報酬の額を掲示しなければならないのは事務所です(46条4項)。案内所には報酬額の掲示義務はありません。

肢4:正しい。専任の宅建士を置く必要があるのは、事務所と、契約(予約を含む)を締結し又は申込みを受ける案内所などです(31条の3第1項、施行規則15条の5の2)。

公式問題で問29を見る

広告

問30 誇大広告・広告料金・取引態様の明示・建築確認前の広告

建築確認などの処分の前は、売買だけでなく貸借の広告もできません。広告料金を受け取れるのは、依頼者の依頼による広告に限られます。

公式正解 2

正しいのはアとエの二つで、正解は2です。

ア:正しい。宅地の将来の利用制限について事実と著しく異なる表示をすることは、誇大広告として禁止されています(宅建業法32条)。

イ:誤り。報酬とは別に広告料金を受け取れるのは、依頼者の依頼によって行った広告の料金に限られます。依頼がなければ受け取れません。

ウ:誤り。数回に分けて広告するときは、そのたびごとに取引態様の別を明示しなければなりません(34条1項)。

エ:正しい。工事の完了前の建物は、建築確認などの処分があった後でなければ広告をしてはならず、これは貸借の媒介の広告にも当てはまります(33条)。

公式問題で問30を見る

保証協会

問31 担保の提供・苦情の解決・還付充当金・社員の地位の喪失

還付充当金は、保証協会から還付があった旨の通知を受けた日から2週間以内に納付します。還付が行われた日から数えるのではありません。

公式正解 3

肢1:正しい。社員が社員となる前の取引による債権について弁済業務保証金の還付が行われると弁済業務の運営に支障を生ずるおそれがあるときは、保証協会はその社員に担保の提供を求めることができます(宅建業法64条の4第3項)。

肢2:正しい。苦情の解決のために保証協会から資料の提出を求められたときは、社員は正当な理由がある場合でなければ拒めません(64条の5第3項)。

肢3:誤り。還付充当金は、保証協会から還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた日から2週間以内に納付しなければなりません(64条の10第2項)。

肢4:正しい。社員が地位を失ったときは、保証協会は直ちに免許権者へ報告します(64条の4第2項)。

公式問題で問31を見る

宅建業の免許の要否

問32 宅地の範囲・換地の分譲・農業協同組合・国等との取引

宅地とは、建物の敷地に供せられる土地と、用途地域内の土地(道路・公園などを除く)です。用途地域外でソーラーパネルを設置するための土地は宅地に当たりません。

公式正解 1

肢1:正しい。用途地域外の土地で、建物の敷地に供する目的のない太陽光発電設備の設置用地は宅地に当たらないので、その売買の媒介に免許は要りません(宅建業法2条1号)。

肢2:誤り。換地処分で取得した土地でも、住宅用地として反復継続して分譲すれば宅建業に当たり、免許が必要です。

肢3:誤り。農業協同組合は免許を要しない者とはされておらず、組合員の宅地の売却の代理を業として行うには免許が必要です。

肢4:誤り。免許が不要なのは国・地方公共団体自身です(78条1項)。地方公共団体の土地の売買を媒介するD社には免許が必要です。

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水害ハザードマップの説明

問33 図面がない場合・図面の種類・貸借の場合・説明の方法

市町村が水害ハザードマップを作成していれば、洪水・雨水出水(内水)・高潮のすべての図面を示し、物件の位置を示して説明します。作成していなければ、その旨を説明します。

公式正解 1

肢1:正しい。市町村が対象物件の位置を含む水害ハザードマップを作成・公表していないことを確認できたときは、提示すべきハザードマップが存在しない旨を説明すればよいとされています。

肢2:誤り。洪水・雨水出水(内水)・高潮のハザードマップが作成されている場合は、それぞれについて物件の位置を示さなければなりません。いずれか1種類では足りません。

肢3:誤り。水害ハザードマップ上の物件の位置の説明は、売買・交換だけでなく貸借の媒介でも必要です(施行規則16条の4の3第3号の2)。

肢4:誤り。重要事項説明書に添付するだけでは足りず、ハザードマップ上での物件の所在地を示して説明しなければなりません。

公式問題で問33を見る

営業保証金

問34 供託の届出・還付を受けられる者・供託物・有価証券の評価

2017年の改正で、宅建業者は営業保証金や弁済業務保証金から還付を受けられる者から除かれました。

公式正解 2

肢1:誤り。営業保証金を供託したときは、供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して、その旨を免許権者に届け出なければなりません(宅建業法25条4項)。供託所から通知されることはありません。

肢2:正しい。宅建業者と取引をした者は、その取引から生じた債権について営業保証金から弁済を受ける権利を有しますが、取引をした者が宅建業者である場合は除かれます(27条1項)。

肢3:誤り。営業保証金は、金銭と有価証券を併用して供託することもできます。

肢4:誤り。有価証券の評価額は、国債証券が額面金額の100分の100、地方債証券が100分の90です(施行規則15条1項)。

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宅建士の登録と宅建士証

問35 事務禁止処分・消除後の再登録・登録の移転の要件・本籍の変更

登録の移転ができるのは、登録地以外の都道府県にある事務所の業務に従事する場合です。住所を変えただけでは移転はできません。

公式正解 3

正しいのはア・イ・エの三つで、正解は3です。

ア:正しい。事務禁止処分を受けたときは、宅建士証を交付を受けた都道府県知事に速やかに提出しなければならず(宅建業法22条の2第7項)、怠ると10万円以下の過料に処せられることがあります(86条)。

イ:正しい。事務禁止処分の期間中に本人の申請で登録が消除された者は、その期間が満了するまで新たに登録を受けることができません(18条1項)。他県で試験に合格し直しても同じです。

ウ:誤り。登録の移転は、登録地以外の都道府県にある宅建業者の事務所の業務に従事し、又は従事しようとするときに申請できるものです(19条の2)。住所の変更だけでは申請できません。

エ:正しい。本籍は登録事項なので、変更したときは遅滞なく変更の登録を申請しなければなりません(20条)。

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重要事項の説明(貸借)

問36 建物・宅地の貸借で説明が必要な事項

建物の貸借の媒介では、開発許可などの都市計画法上の制限は説明事項に含まれません。借りる人が建物を建てたり造成したりすることはないからです。

公式正解 1

説明事項として掲げられていないのは1です。

肢1:掲げられていない。建物の貸借では、法令上の制限として説明するのは新住宅市街地開発法などの一部の制限に限られ、都市計画法29条1項の開発許可の制限は含まれません(宅建業法施行令3条3項)。

肢2:掲げられている。建物の石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、貸借でもその内容を説明します(施行規則16条の4の3第4号)。

肢3:掲げられている。台所、浴室、便所その他の建物の設備の整備の状況は、建物の貸借の説明事項です(同条7号)。

肢4:掲げられている。敷金その他契約終了時に精算する金銭の精算に関する事項は、宅地・建物の貸借の説明事項です(同条11号)。

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35条書面と37条書面

問37 ペット飼育の禁止・保全措置・代金以外の金銭・自ら貸主

代金以外に授受される金銭について定めがあるときは、37条書面にその額・授受の時期・目的を記載します。重要事項説明と37条書面の記載事項は一致しません。

公式正解 3

肢1:誤り。専有部分の利用制限(ペット飼育の禁止など)は重要事項説明の事項ですが、37条書面の記載事項ではありません。

肢2:誤り。保全措置を講じる必要がない金額の手付金について、講じない旨を37条書面に記載する義務はありません。

肢3:正しい。代金以外に授受する金銭について定めがあれば、その額と授受の時期・目的を37条書面に記載します(宅建業法37条1項6号)。

肢4:誤り。自ら貸主となる賃貸借は宅建業に当たらないので、37条書面の交付義務はありません。

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一般媒介契約

問38 有効期間・業務処理状況の報告・指定流通機構・貸借の媒介

有効期間の上限、業務処理状況の定期報告、指定流通機構への登録義務は、専任媒介契約のルールです。一般媒介契約や貸借の媒介には及びません。

公式正解 4

違反しないものはア〜エの四つで、正解は4です。

ア:違反しない。有効期間を3か月以内とする制限は専任媒介契約のものです(宅建業法34条の2第3項)。一般媒介契約では、6か月でも3か月でもかまいません。

イ:違反しない。業務の処理状況を定期的に報告する義務は専任媒介契約に課されるもので(34条の2第9項)、一般媒介契約には定期報告の義務はありません。

ウ:違反しない。指定流通機構への登録義務と登録証明書の引渡し義務は専任媒介契約のものです。一般媒介契約で任意に登録した場合、14日後に交付しても違反にはなりません。

エ:違反しない。34条の2の規制は売買・交換の媒介契約に適用されるもので、貸借の媒介契約には有効期間を定める義務はありません。

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クーリング・オフの告知書面

問39 告知書面の記載事項

クーリング・オフの告知書面には、買主の氏名・住所、売主業者の商号・住所・免許証番号、告げられた日から8日間の撤回・解除ができることなどを記載します(施行規則16条の6)。

公式正解 1

肢1:正しい。クーリング・オフによる申込みの撤回・解除があったときは、宅建業者は損害賠償や違約金の支払を請求できないことを記載しなければなりません。

肢2:誤り。クーリング・オフができなくなるのは、引渡しを受け、かつ代金の全部を支払った場合です。「又は」ではありません。

肢3:誤り。クーリング・オフは、撤回・解除の書面を発した時に効力を生じます(宅建業法37条の2第2項)。到達した時点ではありません。

肢4:誤り。記載が必要なのは売主である宅建業者Aの商号・住所・免許証番号で、媒介業者Bの情報は記載事項ではありません。

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宅建業者の義務

問40 帳簿・行為能力の制限・標識・秘密を守る義務

一団の宅地建物の分譲をする場合、その物件の所在する場所に標識を掲げなければなりません(宅建業法50条1項、施行規則19条1項)。

公式正解 3

肢1:誤り。帳簿は事務所ごとに備え付けなければならず、支店も事務所に当たるので備え付けが必要です(宅建業法49条)。案内所には不要です。

肢2:誤り。宅建業者(個人に限り、未成年者を除く)が宅建業の業務に関し行った行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができません(47条の3)。

肢3:正しい。一団の宅地建物を分譲するときは、物件の所在場所に国土交通省令で定める標識を掲げます(50条1項)。

肢4:誤り。法令に基づく質問への回答は、秘密を漏らしてはならない義務(45条)の「正当な理由」に当たると考えられ、税務署の職員の質問に回答することは認められます。

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37条書面

問41 業者間の記名押印・手付の授受の時期・業者間取引・抵当権

37条書面は、売主業者と媒介業者のそれぞれに作成・交付の義務があり、各業者の宅建士が記名しなければなりません。抵当権の内容は37条書面の記載事項ではありません。

公式正解 1

正しいのはアの一つだけで、正解は1です。

ア:正しい。売主業者Aと媒介業者Bはどちらも37条書面の交付義務を負い、出題時の規定ではそれぞれの宅建士に記名押印させなければなりませんでした(宅建業法37条3項)。

イ:誤り。代金以外の金銭(手付金)の授受に関する定めがあるときは、額だけでなく、授受の時期と目的も記載しなければなりません(37条1項6号)。手付金の額の大小は関係ありません。

ウ:誤り。37条書面は、相手方が宅建業者であっても交付しなければなりません(業者間取引の適用除外に含まれません)。

エ:誤り。登記された権利(抵当権)の内容は重要事項説明の事項で、37条書面の記載事項ではありません。

令和8年度試験での注意 2022年5月18日施行の改正で、37条書面への宅建士の押印は不要になり、記名だけでよくなりました(37条3項)。売主業者と媒介業者のそれぞれの宅建士が記名しなければならない点は変わらないので、アは今も正しい記述です。

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自ら売主制限

問42 割賦販売の登記・手付金等の保全措置・損害賠償額の予定

未完成物件で保全措置が不要になるのは、手付金等の額が代金の5%以下かつ1,000万円以下の場合です。3,200万円の5%は160万円です。

公式正解 2

肢1:誤り。割賦販売では、引渡しまでに代金の10分の3を超える支払を受けていなければ、10分の3を超える支払を受けるまでに登記をすればよいとされています(宅建業法43条1項)。3,200万円の10分の3は960万円なので、800万円の支払の時点で登記する義務はありません。

肢2:正しい。工事完了前の物件で、手付金等の合計が代金の5%以下かつ1,000万円以下なら保全措置は不要です(41条1項ただし書、施行令3条の5)。手付金100万円と中間金60万円の合計160万円は、3,200万円の5%と同額なので受け取れます。

肢3:誤り。損害賠償額の予定と違約金の合計が代金の10分の2を超える部分が無効になります(38条)。400万円と240万円の合計640万円は3,200万円の10分の2と同額なので、特約は有効です。

肢4:誤り。損害賠償額の予定を定めていない場合は、実際に生じた損害を請求できます。代金の10分の2という上限は、予定額を定める場合の制限です。

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業務に関する禁止事項

問43 手付の分割・契約を急がせる勧誘・商号を告げない電話勧誘・預り金の返還拒否

手付の分割払いを認めて契約を誘うこと、判断に必要な時間を与えないこと、勧誘の前に商号や勧誘目的を告げないこと、申込みの撤回時に預り金を返さないことは、いずれも禁止されています。

公式正解 4

違反するものはア〜エの四つで、正解は4です。

ア:違反する。手付の分割受領を認めることは、手付について信用を供与して契約の締結を誘引する行為で、禁止されています(宅建業法47条3号)。

イ:違反する。正当な理由なく、契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒むことは禁止されています(施行規則16条の11第1号ロ)。

ウ:違反する。勧誘に先立って、宅建業者の商号又は名称、勧誘を行う者の氏名、勧誘の目的を告げずに勧誘することは禁止されています(施行規則16条の11第1号ハ)。

エ:違反する。相手方が契約の申込みを撤回するときに、既に受け取った預り金を返還することを拒むことは禁止されています(施行規則16条の11第2号)。

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報酬

問44 居住用建物の権利金・代理と媒介の合計・低廉な空家等・店舗兼住宅

代理の報酬は媒介の2倍が上限で、同じ取引で媒介の報酬と合わせる場合も合計は媒介の2倍までです。居住用建物の貸借では、権利金を売買代金とみなす計算はできません。

公式正解 2

正しいのは2です。売主から受け取れる上限は489,000円です。

肢1:誤り。権利金の額を売買代金とみなして報酬を計算できるのは居住用以外の建物などの貸借です。居住用建物では借賃を基準にし、双方からの合計は借賃1か月分の1.1倍(22万円)までなので、11万円が上限ではありません。

肢2:正しい。代金1,000万円の媒介報酬の上限は(1,000万円×3%+6万円)×1.1=396,000円で、代理と媒介の合計は2倍の792,000円までです。買主から303,000円を受け取るなら、売主からは489,000円が上限になります。

肢3:誤り。出題時の低廉な空家等の特例で現地調査等の費用を上乗せできたのは売主からの報酬だけで、上限は18万円の1.1倍(198,000円)でした。買主からの通常の報酬154,000円と合わせても44万円にはなりません。

肢4:誤り。店舗兼住宅は居住用建物に当たらないので、依頼者の一方から借賃1か月分の1.1倍(22万円)まで受け取ることができます。双方からの合計が22万円以内であればよいのです。

令和8年度試験での注意 2024年7月1日施行の報酬告示の改正で、低廉な空家等の特例の対象は代金800万円以下の宅地建物に広がり、受け取れる額の上限は30万円の1.1倍(33万円)になりました。肢3の計算は出題時の告示によるもので、肢1・2・4の考え方は変わっていません。

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住宅瑕疵担保履行法

問45 資力確保措置の対象・保険期間・紛争処理・瑕疵担保責任の特約

住宅販売瑕疵担保責任保険を付けた新築住宅の売主と買主は、指定住宅紛争処理機関(弁護士会)にあっせん・調停・仲裁を申請できます。

公式正解 3

肢1:誤り。資力確保措置の義務が免除されるのは、買主が宅建業者の場合です。建設業者である買主に引き渡す場合は、措置を講じなければなりません。

肢2:誤り。住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、引渡しから10年以上の期間にわたって有効なものでなければなりません。2年ではありません。

肢3:正しい。保険契約に係る新築住宅の売買の当事者は、指定住宅紛争処理機関に紛争のあっせん、調停又は仲裁を申請することができます(住宅瑕疵担保履行法33条1項)。

肢4:誤り。構造耐力上主要な部分などの瑕疵について責任を負わない旨の特約は無効なので(品確法95条)、資力確保措置の義務はなくなりません。

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住宅・統計・土地建物の解答・解説(5問)

住宅金融支援機構、不動産の表示に関する公正競争規約、統計、土地、建物の構造を扱います。団地と駅の距離の表示方法は2022年9月の規約改正で変わりました。

住宅金融支援機構

問46 証券化支援事業の対象・合理的土地利用建築物の融資・金利の引下げ・条件変更

証券化支援事業(買取型)で機構が買い取るのは、自ら居住する住宅などの建設・購入資金の貸付債権です。賃貸住宅の購入資金は対象外です。

公式正解 1

肢1:誤り。証券化支援事業(買取型)の対象は、申込者本人や親族が居住する住宅の建設・購入に必要な資金の貸付債権で、賃貸住宅の購入資金の貸付債権は譲受けの対象になりません。

肢2:正しい。市街地の土地を合理的に利用する一定の建築物(合理的土地利用建築物)の建設資金の貸付けは、機構の業務です(独立行政法人住宅金融支援機構法13条1項7号)。

肢3:正しい。省エネルギー性などに優れた住宅を取得する場合に、一定期間の金利を引き下げる制度(フラット35S)を設けています。

肢4:正しい。経済事情の変動で返済が著しく困難になった場合は、償還期間の延長などの貸付条件の変更を行っています。

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不当景品類及び不当表示防止法

問47 畳数表示・団地と駅の距離・完成予想図・二重価格表示

居室の広さを畳数で表示するときは、1畳当たり1.62㎡以上の広さがあるという意味で用います。二重価格表示は、値下げの日から6か月以内に限られます。

公式正解 2

肢1:誤り。畳数で表示する場合、畳1枚当たりの広さは1.62㎡(壁心面積を畳数で除した数値)以上という意味で用いることとされており、実際に敷かれた畳の枚数を表示するわけではありません。

肢2:正しい。出題時の規約では、団地と駅との間の距離は、駅から最も近い団地内の地点を起点又は着点として算出し、団地を数区に分けて取引するときは区分ごとに算出して表示することとされていました。

肢3:誤り。完成予想図を用いて周囲の状況を表示するときは、現況に反する表示をしてはなりません。存在しない公園などを描くことはできません。

肢4:誤り。過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示ができるのは、値下げの日から6か月以内です。1年ではありません。

令和8年度試験での注意 2022年9月1日施行の表示規約施行規則の改正で、団地と駅などとの道路距離・所要時間は、最も近い区画からの数値とともに、最も遠い区画からの数値も表示することになりました。肢2は出題時の基準による記述です。

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統計

問48 建築着工統計・土地取引件数・地価公示・法人企業統計

令和3年地価公示では、全国平均で住宅地・商業地が下落に転じた一方、工業地は5年連続の上昇でした。

公式正解 3

肢1:誤り。令和2年の新設住宅着工戸数は約81.5万戸で、前年より減少しました。4年ぶりの増加ではありません。

肢2:誤り。令和3年版土地白書では、令和2年の土地取引件数(売買による所有権移転登記の件数)は約128万件で、ほぼ横ばいとされています。5年連続の増加ではありません。

肢3:正しい。令和3年地価公示では、全国平均の住宅地と商業地が下落に転じ、工業地は5年連続で上昇しました。

肢4:誤り。令和元年度の不動産業の営業利益は前年度を下回りました。

令和8年度試験での注意 統計は毎年差し替わります。令和8年度試験では、2026年の地価公示、2025年の建築着工統計など、試験の直前に公表された数値で確かめます。

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土地の形質

問49 森林・火山・林相と地盤・谷の出口

崖錐や小河川の出口のように土砂が厚くたまった場所は、過去に土石流が運んだ土砂でできていることが多く、土石流の危険が高い土地です。

公式正解 4

最も不適当なのは4です。

肢1:適当。森林は木材資源として重要なだけでなく、水源の涵養や洪水の防止などの大きな役割を担っています。

肢2:適当。活動度の高い火山のふもとでは、噴火などの火山活動に伴う災害に注意が必要です。

肢3:適当。林相が良好でも、破砕帯や崖錐などの上の杉の植林地は、豪雨のときに崩壊することがあります。

肢4:不適当。崖錐や小河川の出口に堆積物が多いのは、上流から土石流が流れ下ってきた跡だからです。土石流の危険が高い土地として扱います。

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建築物の構造

問50 鉄骨構造の形式・床・用途

鉄骨構造は、耐火被覆が必要などの課題はあるものの、住宅や店舗にも広く使われています。軽量鉄骨のプレハブ住宅はその代表です。

公式正解 3

最も不適当なのは3です。

肢1:適当。鉄骨構造は、主要構造にトラス、ラーメン、アーチなどの形式が用いられ、高層建築の骨組みに適しています。

肢2:適当。鉄骨構造の床は、既製の気泡コンクリート板(ALC板)やプレキャストコンクリート板などで作られます。

肢3:不適当。鉄骨構造には耐火被覆などの課題がありますが、住宅や店舗などの建物にも用いられています。

肢4:適当。鉄骨構造は、工場、体育館、倉庫などの単層で大空間の建物に利用されています。

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出典と照合

出典は一般財団法人不動産適正取引推進機構「令和3年度宅地建物取引士資格試験(10月試験)問題・正解」です。問題本文と選択肢は転載していません。各問の「公式問題で問◯を見る」から公式PDFの該当ページを開けます。

正解は公式発表と1問ずつ照合しています。解説は資格Hubが法令・告示・公的資料で確かめて作成したもので、試験実施団体とは関係ありません。

令和3年度10月試験の正解番号と合否判定基準(公式PDF)→

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