保育実習理論の解答・解説(20問)
音楽、造形、言語表現、実習記録と児童福祉施設での支援を扱います。技法名と定義、楽典の音程、実習生と職員の権限を区別します。
音楽(伴奏の和音)
問1 旋律に合う和音の選び方
公式PDFでは、この問題の楽譜は著作権の関係で公表されていません。伴奏の和音は、各小節の旋律に多く含まれる音を手がかりに、主要三和音(Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ)とⅤ7から選ぶのが基本です。
公式正答 2
正答は2です。Aはア、Bはウ、Cはイ、Dはアの組み合わせです。
楽譜が公表されていないため、ここでは公式正答の確認にとどめます。
旋律の拍の頭に来る音や長く伸ばす音が、どの和音の構成音に当たるかを確かめると、当てはまる和音を絞り込めます。
曲の始まりと終わりは主和音(Ⅰ)、終止の直前は属和音(Ⅴ・Ⅴ7)になることが多く、選択肢を検討する手がかりになります。
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音楽用語
問2 強弱・速度・奏法の記号
楽譜に使われる強弱記号、反復に関わる用語、速度標語、奏法の用語の意味を確かめる問題です。
公式正答 4
正答は4です。Aはオ(少し強く)、Bはイ(おわり)、Cはケ(中ぐらいの速さで)、Dはキ(音と音の間を切れ目なくつなぐ)です。
Aのmf(メゾフォルテ)は「少し強く」です。「とても強く」はff(フォルティッシモ)です。
BのFine(フィーネ)は「おわり」です。D.C.(ダ・カーポ)で曲の初めに戻ったときに、Fineで曲を終えます。
Cのmoderato(モデラート)は「中ぐらいの速さで」です。
Dのlegato(レガート)は、音と音の間を切れ目なくなめらかにつなぐことです。
「やや速く」はallegretto、「だんだん遅く」はritardando(rit.)、「甘くやわらかに」はdolceなどで表します。
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音楽(和音)
問3 長三和音の聞き分け
ヘ音記号の譜表に書かれた三和音から、長三和音(根音から長3度+短3度)を選ぶ問題です。臨時記号の♯が付いた音に注意して構成音を読み取ります。
公式正答 4
正答は4です。長三和音はイ(ヘ長三和音)、エ(ニ長三和音)、オ(イ長三和音)です。
アはレ・ファ・ラの短三和音(Dm)です。
イはド・ファ・ラで、ファを根音とするヘ長三和音(F)の転回形です。
ウはミ・ソ・シの短三和音(Em)です。
エはレ・ファ♯・ラのニ長三和音(D)です。♯でファが半音上がり、長三和音になります。
オはラ・ド♯・ミのイ長三和音(A)です。
カはシ・レ・ファの減三和音(B°)で、長三和音ではありません。
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音楽(移調)
問4 長2度下げたときのコード
曲を長2度(全音)下げると、伴奏のコードもすべて長2度下げます。コードの種類(メジャー・マイナー・セブンス)はそのまま保ちます。
公式正答 3
正答は3です。DはC、BmはAm、E7はD7になります。
DをDから長2度下げるとC(ハ長調の主和音)です。
Bmは長2度下げるとAmです。マイナーコードの性質は変わりません。
E7は長2度下げるとD7です。
B♭やD♭7などは半音や短3度のずれを含むため、長2度下げた結果に当たりません。
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音楽(童謡)
問5 リズムから曲を判別する
公式PDFでは、この問題のリズム譜は著作権の関係で公表されていません。歌い始めのリズムは、拍子、弱起(アウフタクト)の有無、付点のリズムなどから曲を絞り込みます。
公式正答 5
正答は5です。示されたリズムは「山のワルツ」(作詞:香山美子、作曲:湯山昭)の歌い始めです。
リズム譜が公表されていないため、ここでは公式正答の確認にとどめます。
保育でよく歌われる曲は、歌詞を口ずさみながら手拍子でリズムを打ってみると、拍子や弱起を確かめやすくなります。
選択肢の曲はいずれも保育の場で親しまれている童謡や唱歌です。曲名と作詞者・作曲者を結び付けて覚えておくと、ほかの問題にも役立ちます。
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音楽の基礎知識
問6 童謡の作詞者・音階・記号・楽器
童謡の作詞者、日本の伝統音楽の音階、変化記号、打楽器の奏法、舞曲の拍子をまとめて確かめる問題です。
公式正答 1・4・5
正答は1・4・5です。「しゃぼんだま」の作詞者、ウッド・ブロックの奏法、ワルツの拍子の記述が適切です。
1は適切。「しゃぼんだま」は野口雨情の作詞、中山晋平の作曲です。
2は不適切。日本の民謡やわらべうたの多くは、5つの音からなる5音音階でできています。
3は不適切。シャープ(♯)は音の高さを半音上げる記号です。半音下げるのはフラット(♭)です。
4は適切。ウッド・ブロックは、木の箱をばち(マレットやスティック)で打って鳴らす打楽器です。
5は適切。ワルツは3拍子の舞曲です。
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保育所保育指針(1歳以上3歳未満児)
問7 表現の内容の取扱い
1歳以上3歳未満児の「表現」では、子どもが試行錯誤しながら表現を楽しみ、自分の力でやり遂げる充実感に気付けるよう、温かく見守りながら援助することが示されています。
公式正答 2
正答は2です。Aは「試行錯誤」、Bは「自分の力で」、Cは「援助」です。
Aは「試行錯誤」です。子どもが試したり繰り返したりしながら表現を楽しむ姿を大切にします。
Bは「自分の力で」です。自分でやり遂げたという充実感に気付けるようにします。
Cは「援助」です。保育士は温かく見守りながら、必要に応じて援助します。
「協力して」「指導」「工夫」は、この文の語句ではありません。
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子どもの描画
問8 描画の発達と特徴
幼児の描画は、見たままを写すより、知っていることや感じたことを表すのが特徴です。頭足人や基底線、レントゲン描法などの用語もあわせて確かめます。
公式正答 3
正答は3です。見たものを描こうとしているとは限らないこと(B)と、初期の人物表現に頭から手足が出る表現があること(D)が適切です。
Aは不適切。描画は子どもの経験や興味とともに育つもので、描き方を必ず教える必要はありません。子どもが表したい気持ちを大切にします。
Bは適切。幼児は、見たままよりも知っていることや印象に残ったことを描く傾向があります。
Cは不適切。画面の下部に縁と平行に引かれた線は基底線です。レントゲン描法は、外から見えない内部(家の中や地中など)を透かしたように描く表現です。
Dは適切。頭から直接手足が出ているような初期の人物表現は、頭足人と呼ばれます。
Eは不適切。描画の発達は、遊びや生活体験の豊かさと深く関わっています。
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色彩
問9 色の心理的効果
色には、暖かさや冷たさ、距離感、大きさの感じ方に影響する心理的な効果があります。暖色系や明るい色は進出色・膨張色になりやすいとされます。
公式正答 3
正答は3です。Aは「暖色」、Bは「進出色」、Cは「膨張色」、Dは「収縮色」です。
Aは「暖色」です。赤や橙、黄など、暖かさを感じさせる色をいいます。
Bは「進出色」です。実際より近くに飛び出して見える色で、暖色系に多く見られます。反対に遠くに見える色は後退色です。
Cは「膨張色」です。同じ面積でも大きく見える色で、明るい色や暖色系に多く見られます。
Dは「収縮色」です。小さく引き締まって見える色で、暗い色や寒色系に多く見られます。
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造形の材料(段ボール)
問10 段ボールの性質と加工
段ボールは、厚みや強度の異なる種類があり、筋を付けると折りやすく、組み立て方によっては人が乗れるほどの強さになります。切断や接着には適した用具を選びます。
公式正答 2・3・5
正答は2・3・5です。人が乗れるものも作れること、筋を入れると折りやすいこと、厚みや強度の種類があることが適切です。
1は不適切。段ボールを切るには、段ボールカッターやカッターナイフなどを使います。木工用のこぎりは適していません。
2は適切。種類や組み立て方を工夫すれば、子どもが乗れるほど丈夫なものも作れます。
3は適切。ヘラやカッターナイフで筋や溝を付けると、きれいに折り曲げられます。
4は不適切。大きな段ボール同士をしっかり接合するには、布やクラフトのガムテープ、木工用接着剤などを使います。セロハンテープは強度が足りません。
5は適切。段ボールには、片面・両面・複両面など、厚みや強度の異なる種類があります。
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造形の用具
問11 紙の判型・鉛筆・のこぎり・筆
紙の大きさの規格、鉛筆の芯の硬さ、両刃のこぎりの刃、絵筆の番号の意味を確かめる問題です。
公式正答 4
正答は4です。BとCが適切で、B4をA4より小さいとしたA、番号が大きい筆ほど細いとしたDが不適切です。
Aは不適切。A4は210×297mm、B4は257×364mmで、B4の方が大きい紙です。
Bは適切。Bは黒く軟らかい芯、Hは硬く薄い芯を表すため、同じ筆圧なら2Bの方が濃く書けます。
Cは適切。両刃のこぎりには、木目に沿って切る縦引き用と、木目を断つ横引き用の刃が付いています。
Dは不適切。水彩用の筆は、番号が大きいほど太くなります。
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版画
問12 スチレン版画の版と刷り
スチレン版画は、版を紙に押し当てて写し取るため、刷り上がりは版の左右を反転した形になります。版を作るときは、仕上がりの図を左右反対にして描きます。
公式正答 3
正答は3です。図1を左右反転させた版が3で、これを刷ると図1の向きになります。
版画では、版と刷り上がりが鏡に映したように左右反転します。
図1の角のぎざぎざや胴体の斜めの線、とがった脚の位置が、左右反対になっている版を探します。
3の版は、図1の各部分がすべて左右反対の位置にあるため、刷ると図1と同じ向きになります。
図1と同じ向きに描いた版や、一部だけを反転させた版では、刷り上がりが図1と一致しません。
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4歳児の活動計画
問13 言葉と表現を豊かにする関わり
4歳児の生活と遊びを豊かにするには、伝統的な遊びや文化に触れる機会、言葉の響きを楽しめる絵本、豊かな言葉を添えるやり取りが有効です。文字への関心も、必要に応じて援助します。
公式正答 2
正答は2です。A・C・Dが適切で、保育士が文字を書く手伝いをしてはならないとしたBが不適切です。
Aは適切。唱歌やわらべうた、こま回しなどの伝統的な遊びや、さまざまな国の文化に触れる機会を設けます。
Bは不適切。自主性を尊重しつつも、子どもが文字を書きたいと思ったときには、保育士が手伝ったり見本を示したりして関心を支えます。
Cは適切。繰り返しの言葉や韻を踏んだ表現のある絵本や紙芝居は、言葉のリズムや響きを楽しむ経験になります。
Dは適切。子どもの言葉に「しとしと」などの表現を添えて返すことで、豊かな言葉に触れる機会が広がります。
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実習生の援助
問14 製作活動での一人一人への対応
節分の製作活動で、実習生が子ども一人一人の思いや取り組み方を尊重して関わる場面です。性別で色を決めつけたり、怖がらせて参加させたりする関わりは不適切です。
公式正答 5
正答は5です。もう1つ作りたいという子どもに追加の折り紙を渡す対応(D)だけが適切です。
Aは不適切。性別で色を決めつけず、子どもが選んだ色を尊重します。
Bは不適切。自分なりの作り方を工夫している姿は認め、必要に応じて援助します。
Cは不適切。怖がらせて活動させることは、子どもの心を傷つける不適切な関わりです。苦手な気持ちを受け止め、できる部分から誘います。
Dは適切。もっと作りたいという意欲に応えて、追加の材料を渡します。
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保育所保育指針(子育て支援)
問15 保育所を利用している保護者への支援
保育所保育指針第4章は、保護者の多様な需要に応じる際にも子どもの福祉の尊重と生活の連続性への配慮を求め、障害や発達上の課題がある場合は関係機関と連携した個別の支援を示しています。
公式正答 4
正答は4です。Aは「福祉」、Bは「連続性」、Cは「連携」、Dは「個別の」です。
Aは「福祉」です。保護者の状況に配慮しつつ、子どもの福祉が尊重されるよう努めます。
Bは「連続性」です。延長保育や病児保育などでも、子どもの生活の連続性を考慮します。
Cは「連携」です。市町村や関係機関と連携・協力を図ります。
Dは「個別の」です。障害や発達上の課題が見られる場合は、保護者に対する個別の支援を行うよう努めます。
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絵本の読み聞かせ
問16 環境・選書・絵本の構成
読み聞かせでは、子どもが集中できる環境を整え、子どもの状況や興味に合った絵本を選び、表紙から裏表紙まで含めて作品として味わえるようにします。
公式正答 1・2・3
正答は1・2・3です。環境の整え方、子どもの状況の理解、表紙や裏表紙の扱いの記述が適切です。
1は適切。物や音が多い場所は避け、保育士の背景はできるだけシンプルにして、子どもが絵本に集中できるようにします。
2は適切。幅広いジャンルから選ぶには、子どもたちの状況や興味への理解を深めることが必要です。
3は適切。表紙や裏表紙、見返しにも物語の一部が描かれていることがあるため、丁寧に見せます。
4は不適切。読み終えた直後に内容の記憶を確かめる質問をすると、余韻を味わう時間が損なわれます。
5は不適切。子どもの興味を大切にして選ぶことが基本です。学ばせたい内容だけを優先するのは適切ではありません。
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児童福祉法の保育士規定
問17 守秘義務・登録取消し・名称独占
児童福祉法は、保育士の守秘義務(保育士でなくなった後も続く)、児童生徒性暴力等を行った場合の登録取消し、名称独占を定めています。
公式正答 4
正答は4です。BとCが適切で、保育士でなくなった後は守秘義務がないとしたAが不適切です。
Aは不適切。保育士の守秘義務は、保育士でなくなった後も続きます。
Bは適切。2022年の改正(2023年4月施行)で、児童生徒性暴力等を行ったと認められる場合、都道府県知事は保育士の登録を取り消さなければならなくなりました。
Cは適切。保育士は名称独占資格で、保育士でない者がその名称や紛らわしい名称を使うことは禁止されています。
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保育所保育指針(3歳以上児)
問18 表現の内容の取扱い
3歳以上児の「表現」では、表現する意欲を十分に発揮させる環境を整え、さまざまな素材や表現の仕方に親しめるようにし、表現する過程を大切にすることが示されています。
公式正答 5
正答は5です。Aは「意欲」、Bは「素材」、Cは「過程」です。
Aは「意欲」です。自ら表現を楽しみ、表現しようとする意欲を十分に発揮できるようにします。
Bは「素材」です。さまざまな素材や表現の仕方に親しめるよう配慮します。
Cは「過程」です。できあがった作品よりも、表現する過程を大切にします。
「能力」「言葉」「気持ち」は、この文の語句ではありません。
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施設実習
問19 入所理由を尋ねられたとき
児童養護施設の子どもが、なぜ施設にいるのか知らないと打ち明けた場面です。子どもが自分の状況を知ることは大切ですが、実習生が独断で伝えたりごまかしたりせず、施設の方針を実習指導者に確かめます。
公式正答 2
正答は2です。子どもが自分の状況を知る機会を施設がどう保障しているか、振り返りの場で実習指導者に尋ねる対応が適切です。
1は不適切。職員の意図を推測して伝えると、子どもの疑問を受け止めないまま誤った説明をすることになります。
2は適切。子どもの知る権利に関わる重要な事柄なので、施設での取組を実習指導者に確かめ、子どもの言葉も共有します。
3は不適切。Kちゃんは「家に帰りたい」とは話していません。子どもの言葉を事実と異なる形で報告してはいけません。
4は不適切。根拠のない見通しを伝えて期待させることは不適切です。
5は不適切。実習生が独断で入所理由を伝えることは、施設の方針や子どもへの配慮を欠いた対応です。
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乳児院実習
問20 接触を嫌がる子どもへの関わり
長いネグレクトの経験から、人に触れられることがストレスになっている子どもの事例です。無理に触れず、言葉をかけながら一緒に過ごす時間を重ね、安心できる関係を築きます。
公式正答 4
正答は4です。一緒に過ごす時間をとり、ゆっくり言葉をかけて関わるBだけが適切です。
Aは不適切。嫌がるたびにすぐ交代すると、Uさんとの関係を築く機会がなくなります。触れる前に声をかけるなど、安心できる関わりを積み重ねます。
Bは適切。一緒に過ごす時間を大切にし、穏やかな言葉をかけながら、少しずつ信頼関係を築きます。
Cは不適切。泣いて嫌がっているのに体に触れ続けることは、子どものストレスを強めます。
Dは不適切。突き放すような言葉で一人で着替えさせることは、子どもを傷つけ、関係を損ないます。
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