令和7年後期・10問・公式正答照合
令和7年後期 社会的養護 解答・解説
家庭養護、施設養護、里親制度と子どもの権利擁護を扱います。全10問の公式正答と、各選択肢の判断根拠をこのページに載せています。
公開 ・更新 ・作成 資格Hub(運営 Boson)・正答の照合方法
社会的養護の解答・解説(10問)
家庭養護、施設養護、里親制度と子どもの権利擁護を扱います。措置・契約・相談の主体と、各施設・専門職の役割を区別します。
児童の権利に関する条約
問1 家庭環境を奪われた児童の保護(20条)
児童の権利に関する条約20条は、家庭環境を奪われた子どもや、最善の利益の観点から家庭にとどまれない子どもが、国による特別の保護を受ける権利を定めています。
公式正答 2
正答は2です。Aは「家庭」、Bは「最善の利益」、Cは「国」が条文の語句です。
Aは「家庭」です。一時的又は恒久的に家庭環境を奪われた児童が対象です。
Bは「最善の利益」です。児童自身の最善の利益に照らして家庭環境にとどまることが認められない場合も含みます。
Cは「国」です。特別の保護と援助を与えるのは締約国です。
「養育」「社会的養護」「社会」は、この条文の語句ではありません。
公式問題で問1を見る
養育里親
問2 委託の期間と里親の種類
養育里親の委託人数、委託期間、措置延長の年齢、認定要件を確かめる問題です。短期の委託があることと、委託児童数が最も多い里親であることが正しい内容です。
公式正答 2・4
正答は2と4です。養育里親には短期の委託もあり、委託児童数は里親の種類の中で養育里親が最も多くなっています。
1は不適切。養育里親が同時に養育できる委託児童は4人までです(実子なども含めた子どもの人数は6人まで)。
2は適切。長期の委託のほか、数週間や1年以内などの短期の委託もあります。
3は不適切。都道府県が必要と認めて措置を延長できるのは、満20歳に達する日までです。
4は適切。令和4年度末の福祉行政報告例では、委託児童数が最も多いのは養育里親です。
5は不適切。戸籍上の夫婦であることは要件ではなく、単身者でも養育里親に認定されることがあります。
公式問題で問2を見る
社会的養護の現状
問3 入所理由と施設別の傾向
こども家庭庁「社会的養育の推進に向けて」の統計から、入所理由、障害等のある子どもの割合、施設別の入所児童数、被虐待体験の割合を読み取る問題です。
公式正答 2
正答は2です。AとCが適切で、障害等のある子どもの割合が最も高いのは児童心理治療施設、被虐待体験のある子どもの割合が高いのはファミリーホームです。
Aは適切。乳児院の入所理由には、父母の行方不明も含まれています。
Bは不適切。障害等のある子どもの割合が最も高いのは児童心理治療施設です。
Cは適切。社会的養護の施設の中で、入所している子どもが最も多いのは児童養護施設です。
Dは不適切。被虐待体験のある子どもの割合は、里親よりファミリーホームのほうが高くなっています。
公式問題で問3を見る
里親及びファミリーホーム養育指針
問4 家庭養護と「ひらく」養育
里親とファミリーホームは、養育者の家庭に迎え入れて養育する「家庭養護」です。施設の小規模化を指す「家庭的養護」と区別します。
公式正答 2
正答は2です。Aは「家庭養護」、Bは「社会的」な責任、Cは養育のあり方をできるだけ「ひらく」です。
Aは「家庭養護」です。里親とファミリーホームは、養育者の家庭で子どもを育てる家庭養護に位置付けられます。
Bは「社会的」です。社会的養護の担い手として、社会的な責任に基づいて提供される養育の場です。
Cは「ひらく」です。協力者を活用し、養育のあり方を家庭の外にひらいていく必要があるとしています。
「家庭的養護」は施設の小規模化などを指す言葉で、里親・ファミリーホームを表す語ではありません。
公式問題で問4を見る
一時保護ガイドライン
問5 一時保護開始時の記録
一時保護を始める際の説明や聴取の記録は、子どもの言葉をできるだけそのまま残すことが基本です。要約を勧める肢が不適切です。
公式正答 2
正答は2です。聴取した内容は、要約するのではなく、子どもから聴き取った言葉をできるだけそのまま記録します。
1は適切。日時と場所、説明の方法と内容、聴取した内容、子どもの反応や様子、所見を記録します。
2は不適切。子どもの意見や話は、要約せず、できるだけ子どもが話した言葉のまま記録することが求められます。
3は適切。記録に相違がないか、可能な範囲で子ども本人にも確認してもらうことが望ましいとされています。
4は適切。意見を言いたくないという態度を示したときは、そのこと自体を記録します。
5は適切。言葉での表出が難しい乳幼児や障害児は、泣き方、表情、しぐさなどの反応や変化を客観的に記録します。
公式問題で問5を見る
児童福祉施設の食事
問6 多職種での共有と食文化の伝承
児童養護施設での食育は、施設全体で多職種が連携して進めるものです。担当保育士だけを中心に据える肢と、研修を義務とする肢を見分けます。
公式正答 3
正答は3です。BとCが適切で、Aは担当保育士だけを中心とする点、Dは研修を義務とする点が不適切です。
Aは不適切。食育や食事提供の計画は、施設長の下で管理栄養士・栄養士、調理員、保育士などの多職種が連携して立てるものです。
Bは適切。食事場面で得られる子どもの情報を多職種で共有し、日々の養育に生かすことが重要です。
Cは適切。将来家庭を築くときのモデルとなるよう、行事食や地域の食文化を伝えることも自立支援の一環です。
Dは不適切。管理栄養士・栄養士による職員への研修は望ましい取組として示されているもので、義務付けられてはいません。
公式問題で問6を見る
児童福祉の歴史
問7 人物と創設した施設
明治期の慈善事業家と、創設した施設の組み合わせを問う定番の問題です。
公式正答 4
正答は4です。石井十次は岡山孤児院、石井亮一は滝乃川学園、野口幽香は二葉幼稚園、留岡幸助は家庭学校を創設しました。
Aの石井十次は、岡山孤児院(イ)を創設し、孤児の養育に取り組みました。
Bの石井亮一は、日本で最初の知的障害児施設とされる滝乃川学園(ア)を創設しました。
Cの野口幽香は、貧しい家庭の子どものための二葉幼稚園(エ)を開きました。
Dの留岡幸助は、感化教育の場として家庭学校(ウ)を創設しました。
公式問題で問7を見る
親子関係再構築支援
問8 子どもと親の双方への支援
親子関係再構築の支援は、子どもの意見を確かめながら、子どもと親の双方、さらに家族や地域を含めて総合的に行うものです。
公式正答 2・3・5
正答は2・3・5です。親自身への支援、子どもの意見・意向の丁寧な確認、家族や地域を含めた総合的な支援が、ガイドラインの考え方です。
1は不適切。分離すれば自尊感情や自己肯定感を高めることが容易になるとは限らず、分離自体が子どもにとって喪失体験となる面もあります。
2は適切。親も自らの生育歴や家族関係の中で課題や葛藤を抱えていることがあり、親自身への支援も必要です。
3は適切。支援は、子どもの意見や意向を丁寧に確認しながら進めます。
4は不適切。外部講師による月1回以上の研修を義務付ける定めはありません。
5は適切。子どもと親の双方に支援を行い、きょうだいなどの家族や親族、地域を含めて総合的に支えることが求められています。
公式問題で問8を見る
性に関する相談への対応
問9 妊娠の可能性を打ち明けられたとき
妊娠の可能性を打ち明けた中学生への対応を問う問題です。本人の話を受け止めて事実を確かめ、医療につなぎ、施設全体で支援体制を整えます。
公式正答 1
正答は1です。A・C・Dが適切で、本人だけで考えるよう突き放すBは不適切です。
Aは適切。安心して話せる場で、妊娠の可能性とその経緯を丁寧に聴き取ります。
Bは不適切。性に関わる事柄でも、本人だけに判断を委ねて突き放すのではなく、心身の安全を守る支援が必要です。
Cは適切。保育士が付き添って産婦人科を受診することを提案し、早期に医療につなぎます。
Dは適切。外部講師による職員の学習会など、施設として性教育の取組を見直すことを検討します。
公式問題で問9を見る
里親委託の開始
問10 家庭と学校への説明
新たに子どもを迎える里親家庭では、家族の理解、学校との連携、子どものアイデンティティへの配慮、支援機関とのつながりが大切になります。
公式正答 1
正答は1です。家庭にいるJ君への説明(A)と、入学する学校への事前の説明(B)が適切です。
Aは適切。一緒に暮らすJ君にも、新たにS君を迎える事情が理解できるよう説明します。
Bは適切。学校生活が始まる前に、里親家庭の子どもであることを学校に伝え、配慮について連携します。
Cは不適切。里親の姓(通称)を名乗るかどうかは、子どもの気持ちや実親の意向、家庭復帰の見込みも踏まえて慎重に考えるもので、言い聞かせて強いるものではありません。
Dは不適切。養育経験があっても、児童相談所や里親会などの支援を活用し、孤立しないで養育することが大切です。
公式問題で問10を見る
正答一覧へ戻る ↑