子どもの食と栄養の解答・解説(20問)
栄養素、授乳・離乳、食育、食物アレルギーと衛生を扱います。栄養素と欠乏症、発達段階と食形態、表示制度の対象食品を結び付けます。
国民健康・栄養調査
問1 令和5年の肥満・野菜・食塩・共食
令和5年国民健康・栄養調査の主な数値を確かめる問題です。肥満者の割合は男性31.5%、野菜摂取量の平均は256.0g、食塩摂取量の平均は9.8gでした。
公式正答 1・2・5
正答は1・2・5です。男性の肥満者の割合31.5%、野菜摂取量約250g、食塩摂取量約10gの記述が適切です。
1は適切。20歳以上の男性の肥満者(BMI25以上)の割合は31.5%、女性は21.1%でした。
2は適切。20歳以上の野菜摂取量の平均値は256.0gで、目標の350gには届いていません。
3は不適切。家庭での共食頻度は「ほとんど毎日」が66.6%で最も多くなっています。「ほとんどない」が最も多いのは職場・学校での共食です。
4は不適切。主食・主菜・副菜をそろえた食事を1日2回以上ほぼ毎日とる人の割合は、男女とも70歳以上で最も高くなっています。
5は適切。20歳以上の食塩摂取量の平均値は9.8gで、男性10.7g、女性9.1gでした。
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鉄
問2 働き・吸収・必要量
鉄は微量ミネラルの一つで、ヘモグロビンの成分として酸素の運搬に関わります。動物性食品のヘム鉄は吸収されやすく、植物性食品の非ヘム鉄はビタミンCと一緒にとると吸収が高まります。
公式正答 2・5
正答は2と5です。鉄がヘモグロビンの構成成分であること、月経のある女子は推奨量が多いことが適切です。
1は不適切。鉄は体内の存在量が少ない微量ミネラルです。
2は適切。鉄は赤血球のヘモグロビンの成分で、全身に酸素を運ぶ働きを担います。
3は不適切。動物性食品に多いのはヘム鉄で、非ヘム鉄より吸収率が高い性質があります。非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれます。
4は不適切。非ヘム鉄の吸収を高めるのはビタミンCです。
5は適切。月経による鉄の損失があるため、月経のある女子の推奨量は多く設定されています。
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亜鉛
問3 微量ミネラルと欠乏症
亜鉛は微量ミネラルで、多くの酵素の働きに関わり、欠乏すると味覚障害の原因になります。
公式正答 4
正答は4です。Aは「微量」(イ)、Bは「味覚障害」(ウ)です。
Aはイの「微量」です。亜鉛は、鉄や銅などとともに微量ミネラルに分類されます。
Bはウの「味覚障害」です。亜鉛は舌の味蕾の細胞の生まれ変わりに関わり、不足すると味を感じにくくなります。
壊血病(エ)はビタミンCの欠乏症、神経管閉鎖障害(オ)は妊娠初期の葉酸不足と関連の深い先天異常です。
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たんぱく質
問4 必須アミノ酸と栄養価
たんぱく質は1g当たり約4kcalのエネルギーを生み、体内で合成できない必須アミノ酸を食事からとる必要があります。成人の必須アミノ酸は9種類です。
公式正答 5
正答は5です。CとDが適切で、必須アミノ酸を8種類としたA、1g当たり約9kcalとしたBが不適切です。
Aは不適切。成人の必須アミノ酸は、ヒスチジンを含む9種類です。
Bは不適切。たんぱく質1g当たりのエネルギーは約4kcalです。約9kcalは脂質です。
Cは適切。動物性食品と植物性食品を組み合わせると、不足するアミノ酸を互いに補い、栄養価が高まります(アミノ酸の補足効果)。
Dは適切。アミノ酸スコアは、必須アミノ酸の含有量を基準と比べて、たんぱく質の質を評価する方法です。
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消化器官
問5 食べ物が通る順序
口から入った食べ物は、食道、胃、小腸(十二指腸・空腸・回腸)、大腸の順に通過します。十二指腸は小腸の最初の部分です。
公式正答 2
正答は2です。食道、胃、十二指腸、大腸の順に通過します。
Aの食道は、口から入った食べ物を胃へ送る管です。
Bの胃では、胃液によってたんぱく質の消化が始まります。
Dの十二指腸は小腸の最初の部分で、膵液や胆汁が分泌されます。
Cの大腸では、主に水分が吸収され、便が作られます。
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食材の旬
問6 野菜と魚介類の季節
旬の食材は味がよく栄養価も高いとされます。かぼちゃは夏から秋、はまぐりは春が旬です。
公式正答 4
正答は4です。なすの旬を夏(B)、里いもの旬を秋(C)とする記述が適切です。
Aは不適切。かぼちゃの旬は夏から秋です。保存がきくため冬至に食べる習慣もあります。
Bは適切。なすの旬は夏です。
Cは適切。里いもの旬は秋で、月見や秋の行事食にも使われます。
Dは不適切。はまぐりの旬は春で、ひな祭りの料理によく使われます。
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母乳育児
問7 授乳スタートガイドが示す利点
母乳育児には、子どもの感染症やSIDSのリスク低下、母親の産後の回復など、母子双方への利点があります。授乳中は月経の再開が遅れる傾向があります。
公式正答 2
正答は2です。A・B・Dが母乳育児の利点で、生理の再開を早めるとしたCが不適切です。
Aは適切。母乳育児は、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率の低下と関連しています。
Bは適切。将来の肥満や2型糖尿病の発症リスクを下げることも利点に挙げられています。
Cは不適切。授乳中は排卵が抑えられやすく、月経の再開はむしろ遅くなる傾向があります。
Dは適切。授乳で分泌されるオキシトシンが子宮の収縮を促し、産後の子宮の戻りを助けます。
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人工乳
問8 調製粉乳と液体ミルク
乳児用調製粉乳は月齢にかかわらず一定の濃度で調乳します。治療用の特殊ミルクや、2018年の省令改正で国内製造が可能になった乳児用液体ミルクの特徴も確かめます。
公式正答 2・4・5
正答は2・4・5です。無乳糖乳の説明、フォローアップミルクの位置付け、液体ミルクの解禁の記述が適切です。
1は不適切。乳児用調製粉乳は、月齢にかかわらず各製品で決められた同じ濃度で調乳します。
2は適切。無乳糖乳は乳糖やガラクトースを除いた調製粉乳で、乳糖不耐症などの乳児に使われます。
3は不適切。アミノ酸混合乳は、たんぱく質を含まずアミノ酸を窒素源とするミルクで、牛乳たんぱく質を含みません。
4は適切。フォローアップミルクは母乳の代わりになる食品とは位置付けられておらず、離乳が順調であれば使う必要はないとされています。
5は適切。2018年8月の省令改正で乳児用液体ミルクの規格基準が定められ、国内での製造・販売が可能になりました。
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離乳の完了
問9 授乳・離乳の支援ガイドの定義
離乳の完了は、形のある食物をかみつぶして食べられるようになり、栄養の大部分を母乳や育児用ミルク以外の食物からとれるようになった状態です。
公式正答 5
正答は5です。Aは「かみつぶす」、Bは「12か月から18か月」、Cは「1〜2」回です。
Aは「かみつぶす」です。舌でつぶせる固さは離乳中期(7〜8か月頃)の目安です。
Bは「12か月から18か月」です。離乳の完了はこの時期が目安とされています。
Cは「1〜2」回です。食事は1日3回となり、必要に応じて1日1〜2回の補食を与えます。
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乳幼児栄養調査
問10 間食の与え方
平成27年度乳幼児栄養調査では、2〜6歳児の保護者が間食について気を付けていることとして、「時間を決めてあげることが多い」が56.3%で最も多く挙げられました。
公式正答 4
正答は4です。「時間を決めてあげることが多い」が最も高い割合でした。
1の「特に気をつけていない」は9.1%でした。
2の「甘いものは少なくしている」は22.9%でした。
3の「欲しがるときにあげることが多い」は20.7%でした。
4の「時間を決めてあげることが多い」が56.3%で最も多い回答でした。
5の「スナック菓子を与えることが多い」は15.8%でした。
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幼児期の食事
問11 食事摂取基準と咀嚼機能
幼児はエネルギーや栄養素の必要量が体の大きさの割に多い一方、消化機能や咀嚼機能は発達の途中です。食事摂取基準(2025年版)では1〜2歳と3〜5歳に区分されています。
公式正答 2
正答は2です。A・B・Dが適切で、1歳半頃に大人と同じ形態の食事が可能になるとしたCが不適切です。
Aは適切。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、幼児期を1〜2歳と3〜5歳の2区分にしています。
Bは適切。幼児は成長のためにエネルギーを使うため、体重1kg当たりの必要量は成人より多くなります。
Cは不適切。1歳半頃は奥歯が生え始める時期で、咀嚼機能はまだ発達の途中です。乳歯が生えそろう3歳頃までは、かたさや大きさに配慮します。
Dは適切。消化吸収の機能が未熟なため、1回の食事の種類や量に配慮し、間食で栄養を補います。
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学校保健統計
問12 令和5年度の肥満・痩身・むし歯
令和5年度学校保健統計では、肥満傾向児の割合は男女とも9〜12歳で高く、男子は9歳以降で1割を超えています。痩身傾向児の割合は男子15歳と女子12歳で4%を超えました。
公式正答 4
正答は4です。肥満傾向児の割合が最も高い年齢(B)と、痩身傾向児が4%以上の年齢(C)の記述が適切です。
Aは不適切。男子の肥満傾向児の割合は9歳以降で1割を超えていますが、3割には届いていません(最も高い12歳で13.50%)。
Bは適切。肥満傾向児の割合は、男子は12歳(13.50%)、女子は9歳(9.82%)が最も高くなっています。
Cは適切。痩身傾向児の割合は、男子15歳が4.21%、女子12歳が4.25%でした。
Dは不適切。幼稚園のむし歯(う歯)の者の割合は3割を下回っています。
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妊産婦の食生活指針
問13 妊娠前からはじめる10項目
妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針(2021年)は10項目からなり、妊娠前からのバランスのよい食事、適切な体重増加、母乳育児、周囲の支えなどを示しています。
公式正答 1・4・5
正答は1・4・5です。体重増加、母乳育児、周囲のサポートに関する項目が指針の文言です。
1は正しい。妊娠中の体重増加を母子にとって望ましい量にすることが、指針の項目の一つです。
2は誤り。指針の最初の項目は、妊娠前からバランスのよい食事をしっかりとることです。カルシウムは、乳製品や緑黄色野菜、豆類、小魚などで十分にとる項目として示されています。
3は誤り。「副菜」でたっぷりとるよう示されているのは、不足しがちなビタミン・ミネラルです。
4は正しい。母乳育児もバランスのよい食生活の中で行うことが、項目に挙げられています。
5は正しい。母と子のからだと心のゆとりは周囲の温かいサポートから生まれる、という項目があります。
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保育所保育指針の食育
問14 食を営む力・全体的な計画・食の循環
保育所保育指針は、食育の目標を「食を営む力」の基礎を培うこととし、食育計画を全体的な計画にもとづいて作成するよう求めています。
公式正答 3
正答は3です。(a)が正しく、(b)と(c)が誤りです。
(a)は正しい。保育所の食育は、健康な生活の基本となる「食を営む力」の基礎を培うことを目標にしています。
(b)は誤り。食事の提供を含む食育計画は、全体的な計画にもとづいて作成します。
(c)は誤り。指針の文言は、自然の恵みとしての食材や「食の循環・環境」への意識です。
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保育所における食育に関する指針
問15 3歳以上児のねらいと内容
2004年に示された保育所における食育に関する指針(楽しく食べる子どもに)は、3歳以上児の食育を食と健康、食と人間関係、食と文化、いのちの育ちと食、料理と食の5項目で示しています。
公式正答 3
正答は3です。食事の仕方を知り自分たちで場を整えることは、「食と健康」の内容です。
1は誤り。食べ物を皆で分けて食べる喜びを味わう内容は、「いのちの育ちと食」に含まれます。
2は誤り。食事づくりの過程で大人の援助を受けながらできることを増やす内容は、「料理と食」に含まれます。
3は正しい。「食と健康」の内容に含まれています。
4は誤り。調理をしている人に関心と感謝の気持ちをもつ内容は、「食と人間関係」に含まれます。
5は誤り。地域の産物を生かした料理を味わう内容は、「食と文化」に含まれます。
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食を通した保護者支援
問16 家庭との連携の方法
保育所は、食事の様子の伝達、試食会、レシピの紹介、保護者同士の交流などを通じて家庭での食育を支えます。家庭の経済的な課題には、関係機関と連携して対応します。
公式正答 2
正答は2です。経済的な理由で栄養状態が心配な子どもに、他の子より多く食事を提供するという対応は不適切です。
1は適切。送迎時の会話や連絡帳で、保育所での食事の様子や食育の取組の意味を伝えます。
2は不適切。経済的な事情が背景にある場合、保育所が食事量を増やして補うのは適切な支援とはいえません。家庭の状況を把握し、市町村などの関係機関と連携して支えます。
3は適切。食事のサンプル展示や保育参観、試食会は、子どもの食への保護者の関心を高めます。
4は適切。季節の食材を使ったレシピなど、家庭で役立つ情報を提供します。
5は適切。保護者懇談会などで保護者同士の交流を図ることも支援の一つです。
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事故防止ガイドライン
問17 誤嚥・窒息とアレルギーへの備え
教育・保育施設等の事故防止ガイドラインは、誤嚥・窒息の事故が起きた食材の扱い、食事介助の方法、初めて食べる食物の扱い、除去食の見分け方を示しています。
公式正答 1
正答は1です。AとCが適切で、保育士のタイミングで与えるとしたB、除去食を普通食と同じ見た目にするとしたDが不適切です。
Aは適切。過去に誤嚥・窒息事故が起きた食材は、危険性を保護者に説明し、使用しないことが望ましいとされています。
Bは不適切。食事の介助は、子どもの意思に合ったタイミングで与えるようにします。
Cは適切。家庭で食べたことのない食物は、施設では基本的に与えないことが望ましいとされています。
Dは不適切。除去食や代替食は、普通食と形や色を変えるなどして、見た目で区別できるようにします。
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食物アレルギー
問18 離乳食・表示・原因物質・除去
食物アレルギーへの対応では、離乳食での卵の進め方、加工食品のアレルギー表示、原因となるたんぱく質、保育所での除去の原則を確かめます。
公式正答 2
正答は2です。卵を卵白から始めるとしたAと、グルテンを牛乳のたんぱく質としたCが不適切です。
Aは不適切。授乳・離乳の支援ガイドでは、卵は卵黄から全卵へ進めていくと示されています。
Bは適切。えびとかには特定原材料で、容器包装された加工食品には表示が義務付けられています。
Cは不適切。グルテンは小麦などに含まれるたんぱく質です。牛乳の主なアレルゲンはカゼインやβ-ラクトグロブリンです。
Dは適切。保育所の食物アレルギー対応では、原因食品の完全除去を基本とします。
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健康日本21(第三次)
問19 栄養・食生活の目標
健康日本21(第三次)の栄養・食生活の目標には、適正体重の維持、バランスの良い食事、野菜摂取量の増加、果物摂取量の改善、食塩摂取量の減少などがあります。
公式正答 3
正答は3です。「砂糖摂取量の減少」は、別表第2の目標に含まれていません。
1の「バランスの良い食事を摂っている者の増加」は目標に含まれています。
2の「野菜摂取量の増加」は目標に含まれています(目標値350g)。
3の「砂糖摂取量の減少」は目標に含まれていません。
4の「食塩摂取量の減少」は目標に含まれています(目標値7g)。
5の「果物摂取量の改善」は目標に含まれています(目標値200g)。
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魚介類
問20 脂肪酸・基礎食品・離乳食・食品分類
魚の脂質に多いDHAやEPAは、多価不飽和脂肪酸(n-3系)です。6つの基礎食品の分類、離乳食での魚の進め方、食品成分表での分類もあわせて確かめます。
公式正答 3
正答は3です。6つの基礎食品の分類(B)と、離乳食での魚の進め方(C)の記述が適切です。
Aは不適切。DHAやEPAは多価不飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸は肉類の脂質に多く含まれます。
Bは適切。6つの基礎食品では、魚は第1群(たんぱく質源)、骨ごと食べる小魚は第2群(カルシウム源)に分類されます。
Cは適切。授乳・離乳の支援ガイドでは、魚は白身魚から赤身魚、青皮魚へ進めると示されています。
Dは不適切。がんもどきは大豆製品で、日本食品標準成分表では「豆類」に分類されます。
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