子ども家庭福祉の解答・解説(20問)
児童福祉法、子育て支援、母子保健と障害児支援を扱います。制度名が似る選択肢では対象年齢、実施主体、給付内容を確認します。
児童の権利に関する条約
問1 父母の共同の責任(18条)
条約18条1は、父母が子どもの養育と発達について共同の責任を負うこと、父母又は法定保護者が第一義的な責任を負うことを定めています。
公式正答 3
正答は3です。Aは「発達」、Bは「共同の責任」、Cは「法定保護者」、Dは「第一義的な責任」です。
Aは「発達」です。子どもの養育及び発達についての責任が論じられています。
Bは「共同の責任」です。締約国は、父母が共同の責任を負うという原則の認識を確保するよう努めます。
Cは「法定保護者」です。父母又は場合により法定保護者が責任を負います。
Dは「第一義的な責任」です。父母等が子どもの養育及び発達について第一義的な責任を有します。
BとDを入れ替えた組み合わせや、「成長」「未成年後見人」を含む組み合わせは誤りです。
公式問題で問1を見る
こども基本法
問2 こどもの定義とこども施策
こども基本法は「こども」を年齢で区切らず、心身の発達の過程にある者と定義しています。18歳で区切る記述が誤りです。
公式正答 4
正答は4です。B・C・Dが適切で、こどもの定義を満18歳未満とするAが不適切です。
Aは不適切。こども基本法の「こども」は「心身の発達の過程にある者」で、18歳などの年齢で区切っていません。
Bは適切。就労、結婚、妊娠、出産、育児など各段階に応じた支援も、こども施策に含まれます。
Cは適切。医療、保健、福祉、教育、療育などの関係機関相互の有機的な連携の確保に努めることが定められています。
Dは適切。政府はこども施策を総合的に推進するため、こども大綱を定めなければなりません。
公式問題で問2を見る
子ども家庭福祉の先駆者
問3 肢体不自由児療育の父
肢体不自由児療育と「整肢療護園」が手がかりです。各人物が取り組んだ分野と施設を結び付けます。
公式正答 1
正答は1です。整肢療護園を開設し、肢体不自由児療育の発展に尽くしたのは高木憲次です。
1は正しい。高木憲次は「肢体不自由」という言葉を提唱し、1942年に整肢療護園を開設しました。
2は誤り。森島峰(美根)は、野口幽香とともに二葉幼稚園を開いた人物です。
3は誤り。岩永マキは、長崎で孤児の養育に当たった浦上養育院の創設者です。
4は誤り。高瀬真卿は、東京感化院を開いて非行少年の感化教育に取り組みました。
5は誤り。池上雪枝は、大阪に池上感化院を開き、感化事業の先駆けとなりました。
公式問題で問3を見る
児童福祉法
問4 措置の際の意見聴取(33条の3の3)
2024年4月施行の改正で、一時保護や施設入所措置などの際に、子どもの年齢や発達の状況に応じて意見聴取等を行うことが義務付けられました。
公式正答 4
正答は4です。Aは「児童相談所長」、Bは「年齢」、Cは「事情」です。
Aは「児童相談所長」です。都道府県知事又は児童相談所長が意見聴取等の措置をとります。
Bは「年齢」です。年齢、発達の状況その他の事情に応じて意見聴取を行います。
Cは「事情」です。当該児童の事情に応じた方法で意見を聴きます。
市区町村長や「性別」「環境」は、この条文の語句ではありません。
公式問題で問4を見る
障害児支援
問5 入所施設と通所・訪問の支援
障害児入所施設は福祉型と医療型に分かれ、「治療」を行うのは医療型です。通所支援と訪問支援の内容とあわせて確かめます。
公式正答 4
正答は4です。B・C・Dが適切で、福祉型障害児入所施設に治療を含めたAが不適切です。
Aは不適切。福祉型障害児入所施設が行うのは、保護と、日常生活における基本的な動作や独立自活に必要な知識技能の習得のための支援です。治療まで行うのは医療型障害児入所施設です。
Bは適切。放課後等デイサービスは、授業の終了後や休業日に児童発達支援センターなどへ通わせ、生活能力の向上に必要な支援や社会との交流の促進を行います。
Cは適切。居宅訪問型児童発達支援は、重度の障害等で外出が著しく困難な子どもの居宅を訪問して発達支援を行います。
Dは適切。保育所等訪問支援は、保育所のほか乳児院や児童養護施設なども訪問先とし、集団生活への適応のための専門的な支援を行います。
公式問題で問5を見る
児童福祉施設の職員配置
問6 設備運営基準の必置職員
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準が、施設ごとにどの職員を必ず置くとしているかを問う問題です。2024年に新設された里親支援センターも含まれます。
公式正答 1・5
正答は1と5です。児童心理治療施設の個別対応職員と、里親支援センターの里親研修等担当者は、いずれも必ず置く職員です。
1は適切。児童心理治療施設には、医師や心理療法担当職員などとともに、個別対応職員を置かなければなりません。
2は不適切。母子生活支援施設に必ず置くのは、母子支援員、嘱託医、少年を指導する職員、調理員などで、家庭支援専門相談員は必置ではありません。
3は不適切。児童自立支援施設の心理療法担当職員は、心理学を修めた者などが要件で、公認心理師に限られていません。
4は不適切。児童家庭支援センターに置くのは支援を担当する職員で、保育士の配置は義務付けられていません。
5は適切。里親支援センターには、里親制度等普及促進担当者、里親等支援員、里親研修等担当者を置かなければなりません。
公式問題で問6を見る
社会福祉事業
問7 第一種と第二種の区別
入所施設の多くは第一種社会福祉事業、通所・利用型や相談支援は第二種社会福祉事業に分類されます。助産施設と里親支援センターは第二種です。
公式正答 2・4
正答は2と4です。里親支援センターを経営する事業と、助産施設を経営する事業が第二種社会福祉事業です。
1は誤り。乳児院を経営する事業は第一種社会福祉事業です。
2は正しい。2024年に新設された里親支援センターを経営する事業は、第二種社会福祉事業です。
3は誤り。障害児入所施設を経営する事業は第一種社会福祉事業です。
4は正しい。助産施設を経営する事業は第二種社会福祉事業です。
5は誤り。児童心理治療施設を経営する事業は第一種社会福祉事業です。
公式問題で問7を見る
ひとり親家庭への支援
問8 基本方針と自立支援の仕組み
母子及び父子並びに寡婦福祉法にもとづく基本方針は、子育て・生活支援、就業支援、養育費確保支援、経済的支援の4本柱で施策を進めます。
公式正答 3
正答は3です。A・C・Dが適切で、4本柱に「住宅支援」を挙げたBが不適切です。
Aは適切。国が基本方針を定め、都道府県等はこれに即して自立促進計画を策定します。
Bは不適切。4本柱は子育て・生活支援、就業支援、養育費確保支援、経済的支援です。「住宅支援」の位置に入るのは就業支援です。
Cは適切。生活一般の相談指導や母子父子寡婦福祉資金の貸付けに関する相談・指導を行うのは、母子・父子自立支援員です。
Dは適切。ひとり親家庭等生活支援事業には、高等学校卒業程度認定試験の合格に向けた学習支援も含まれています。
公式問題で問8を見る
放課後児童クラブ
問9 令和6年の実施状況
こども家庭庁の実施状況調査(令和6年5月1日現在)から、登録児童数、運営主体、職員の資格、待機児童の学年を確かめる問題です。
公式正答 1
正答は1です。登録児童数は150万人を超え(A)、運営主体別では公立民営が最も多くなっています(B)。
Aは適切。登録児童数は1,519,952人で、150万人を超えています。
Bは適切。設置・運営主体別では、公立民営のクラブが約51%で最も多くなっています。
Cは不適切。放課後児童支援員の資格で最も多いのは保育士(23.1%)で、教育職員免許状を有する者(21.9%)が続きます。
Dは不適切。利用できなかった児童(待機児童)が最も多い学年は小学4年生(5,707人)で、小学1年生は2,209人です。
公式問題で問9を見る
一時保護施設
問10 設備運営基準の一般原則
2024年に定められた一時保護施設の設備運営基準の一般原則は、児童福祉施設の基準と同じく、権利への配慮、運営内容の説明、自己評価と外部評価、構造設備への配慮を求めています。
公式正答 2
正答は2です。A・B・Dが適切で、評価の受け方を「指導監査」としたCが不適切です。
Aは適切。入所している子どもの権利に十分配慮し、一人一人の人格を尊重して運営します。
Bは適切。保護者や地域社会に対し、運営の内容を適切に説明するよう努めます。
Cは不適切。業務の質について自己評価を行うとともに、定期的に外部の者による評価を受け、その結果を公表して改善を図ります。「指導監査」ではありません。
Dは適切。構造設備は、採光、換気など子どもの保健衛生と危害防止に十分配慮して設けます。
公式問題で問10を見る
体罰によらない子育て
問11 体罰禁止の法定化とその範囲
2019年の法改正で体罰の禁止が法定化され、2020年4月に施行されました。どんなに軽くても体罰は許されない一方、子どもを守るための制止は体罰に当たりません。
公式正答 1・3・5
正答は1・3・5です。体罰禁止の法定化の経緯、軽いものでも体罰に当たること、社会全体で取り組む必要があることが、ガイドラインの内容です。
1は適切。2019年6月に成立した改正法で体罰の禁止が法定化され、2020年4月1日から施行されました。
2は不適切。改正法は、親権者による体罰の禁止とあわせて、児童相談所長や児童福祉施設の長、里親など、親以外で子どもの監護・教育に当たる者による体罰も禁止しています。
3は適切。しつけのためと親が思っても、身体に苦痛や不快感を意図的にもたらす罰であれば、どんなに軽くても体罰に当たります。
4は不適切。道に飛び出しそうな子の手をつかむなど子どもを守る行為や、他の子への暴力を制止する行為は、体罰に該当しません。
5は適切。体罰のない社会の実現には、一人一人の意識の変化と、保護者への支援を含めた社会全体の取組が必要です。
公式問題で問11を見る
児童自立生活援助事業
問12 事業所の類型と実施場所
2024年4月から、児童自立生活援助事業は年齢による一律の制限が弾力化され、実施場所によりⅠ型からⅢ型に分かれました。Ⅱ型に乳児院が含まれないこと、Ⅲ型から親族里親が除かれることが判断の分かれ目です。
公式正答 2
正答は2です。AとBが適切で、Ⅱ型に乳児院を含めたC、Ⅲ型に親族里親を挙げたDは不適切です。
Aは適切。事業所は実施場所によってⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型の3つに分類されます。
Bは適切。Ⅰ型の実施場所は自立援助ホームです。
Cは不適切。Ⅱ型の実施場所は、母子生活支援施設、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設です。乳児院は含まれません。
Dは不適切。Ⅲ型の実施場所はファミリーホームと里親の居宅で、親族里親は除かれています。
公式問題で問12を見る
特別児童扶養手当等支給法
問13 3つの手当と障害児の年齢
この法律は、障害児を養育する者への特別児童扶養手当、重度障害児本人への障害児福祉手当、著しく重度の障害がある20歳以上の者への特別障害者手当を定めています。
公式正答 4
正答は4です。Aは「障害児福祉」、Bは「特別障害者」、Cは「20歳」です。
Aは「障害児福祉」です。重度の障害がある児童本人に障害児福祉手当を支給します。
Bは「特別障害者」です。著しく重度の障害がある者に特別障害者手当を支給します。
Cは「20歳」です。この法律の「障害児」は20歳未満で、所定の障害等級に該当する者です。
AとBを入れ替えた組み合わせや、Cを18歳・15歳とする組み合わせは誤りです。
公式問題で問13を見る
こどもの貧困対策
問14 法の理念と国の責務
こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律は、貧困を家族の責任だけの問題とせず、国が総合的な対策を講じる責務を負うとしています。
公式正答 3・4
正答は3と4です。国が対策を総合的に策定・実施する責務を負うこと、大綱の指標に「ひとり親世帯の養育費受領率」が含まれることが正しい記述です。
1は不適切。国民については、対策に協力するよう努めることが求められているもので、協力しなければならない義務ではありません。
2は不適切。法律は、こどもの貧困を家族の責任だけの問題とせず、背景に様々な社会的な要因があることを踏まえて、社会的な取組として対策を進めるとしています。
3は適切。国は、基本理念にのっとって対策を総合的に策定・実施する責務を負います。
4は適切。大綱で定める指標には、ひとり親世帯の養育費受領率が含まれています。
5は不適切。この法律がのっとる精神は、日本国憲法25条その他の基本的人権に関する規定、児童の権利に関する条約、こども基本法です。児童福祉法ではありません。
公式問題で問14を見る
児童発達支援管理責任者
問15 児童発達支援計画の作成と見直し
指定通所支援の基準では、児童発達支援管理責任者がアセスメント、計画作成、説明・同意、定期的な見直しを担います。見直しの頻度と、尊重すべき意思の主体がポイントです。
公式正答 1
正答は1です。A・B・Cが適切で、見直しを1年に1回以上としたD、措置権者の意思としたEは不適切です。
Aは適切。管理者は、児童発達支援管理責任者に児童発達支援計画の作成に関する業務を担当させます。
Bは適切。アセスメントに当たっては、保護者と障害児に面接しなければなりません。
Cは適切。計画の作成に当たっては、保護者と障害児に計画を説明し、文書で同意を得なければなりません。
Dは不適切。計画の見直しは、少なくとも6か月に1回以上行います。
Eは不適切。尊重するよう努めるのは、障害児とその保護者の意思です。措置権者ではありません。
公式問題で問15を見る
地域子育て支援拠点事業
問16 実施主体と事業の類型
地域子育て支援拠点事業は、乳幼児と保護者の交流の場を設けて相談や情報提供を行う事業です。一般型と連携型の違い、職員要件を確かめます。
公式正答 1
正答は1です。A・B・Cが適切で、一般型に保育士2名以上の配置を義務付けたDが不適切です。
Aは適切。実施主体は市町村(特別区と一部事務組合を含む)で、市町村が認めた者に委託できます。
Bは適切。乳幼児と保護者が交流できる場を設け、子育てに関する相談や情報提供、助言などの援助を行います。
Cは適切。連携型は、児童館などの児童福祉施設等に親子が集う場を設けて支援を行う類型です。
Dは不適切。一般型の職員は、子育て支援に意欲があり子育てに関する知識・経験を有する者を2名以上配置するもので、保育士の資格は要件ではありません。
公式問題で問16を見る
保育所での不適切な保育
問17 虐待等の疑いへの組織的な対応
2023年4月施行の児童福祉法改正で、保育所等での職員による虐待等を把握した者に、市町村等への通報が義務付けられました。保育所全体で事実に向き合い、自治体と連携して対応します。
公式正答 3
正答は3です。自治体の担当部署に連絡し、引き続き保護者に対応することが適切です。
1は不適切。保護者に説明せずに担当を外すだけでは、事実への対応や説明責任を果たしていません。
2は不適切。子どもの頭を叩き暴言を浴びせる行為は不適切な保育で、問題ないと判断することはできません。
3は適切。職員による虐待等が疑われる事案は、自治体の担当部署に連絡(通報)し、保護者への対応も続けます。
4は不適切。再発防止は当該保育士だけの問題とせず、全職員で人権や保育のあり方を見直す研修などに取り組みます。
5は不適切。保護者の同意なく電話の内容を他の保護者に公表することは、個人情報の扱いとして不適切です。
公式問題で問17を見る
こども家庭センター
問18 母子保健と児童福祉の一体的支援
こども家庭センターは、2024年4月から市町村が設置に努めることとされた機関で、母子保健(子育て世代包括支援センター)と児童福祉(子ども家庭総合支援拠点)の機能を一体的に担います。
公式正答 1
正答は1です。母子保健の事業、保健指導、母子保健に関する相談、関係機関との連絡調整は、いずれもこども家庭センターの業務です。
Aは適切。妊産婦や乳幼児の健康診査、助産など、母子保健の事業を行います。
Bは適切。母性と乳幼児に対する保健指導を行います。
Cは適切。母子保健に関する各種の相談に応じます。
Dは適切。児童と妊産婦の福祉に関する機関との連絡調整を行います。
公式問題で問18を見る
ILO第182号条約
問19 最悪の形態の児童労働
ILO第182号条約は、奴隷労働等、性的搾取、不正な活動への使用、危険有害労働の4つを最悪の形態の児童労働としています。就労の最低年齢は別の条約(第138号)の論点です。
公式正答 1
正答は1です。A・B・Cは最悪の形態として規定されていますが、Dは同条約の規定ではありません。
Aは適切。人身売買、強制的な徴兵を含む強制労働、債務奴隷などの奴隷労働とそれに類する行為が挙げられています。
Bは適切。売春、ポルノの製造、わいせつな演技のために児童を使用、あっせん、提供することが挙げられています。
Cは適切。薬物の生産・取引など不正な活動に児童を使用、あっせん、提供することが挙げられています。
Dは不適切。義務教育年齢との関係で就労の最低年齢を定めるのは第138号条約です。第182号条約の4つ目は、児童の健康、安全、道徳を害するおそれのある危険有害労働です。
公式問題で問19を見る
家庭への支援
問20 気になる家庭への保育士の対応
朝食をとっていない様子の子どもと疲れた様子の母親について、保育士一人で判断せず、保護者に寄り添いながら園内で共有して対応する問題です。
公式正答 5
正答は5です。母親の様子に配慮しながら困りごとを尋ねて寄り添うこと(C)と、園長や主任に報告して園内で対応を話し合うこと(E)が適切です。
Aは不適切。保育士個人が小学校の校長に家庭の状況を詳しく問い合わせるのは、個人情報の扱いとしても組織的な対応としても不適切です。
Bは不適切。朝食をとっていない様子だけでネグレクトと決めつけず、まず園内で情報を共有し、必要に応じて組織として児童相談所や市町村につなぎます。
Cは適切。母親の疲れた様子に配慮しながら困っていることを尋ね、気持ちに寄り添って支援の糸口を探ります。
Dは不適切。病弱で仕事を掛け持ちしている母親を厳しく注意しても、追い詰めるだけで支援につながりません。
Eは適切。すぐに園長や主任保育士に報告し、子どもと家庭への対応を園内で話し合います。
公式問題で問20を見る
正答一覧へ戻る ↑