権利関係の解答・解説(10問)
意思表示、代理、条件、時効の援用、事務管理、法定地上権、債権譲渡、通常損耗の判決文、相殺、相続を扱います。2020年4月施行の改正民法の前の出題なので、錯誤・債権譲渡・相殺などは各問の注意で改正後の扱いを示します。
意思表示
問1 取消し後の原状回復と同時履行・錯誤無効の主張者・虚偽表示と善意の第三者・第三者の詐欺
出題時(2018年4月1日)の民法では、錯誤は無効、第三者による詐欺は相手方が詐欺の事実を知っていたときに限って取り消せる、という規定でした。肢4は、転得者Dではなく相手方Bの認識で判断します。
公式正解 4
肢1:正しい。契約が取り消された場合の双方の原状回復義務(登記の抹消と代金の返還)は、同時履行の関係に立ちます(判例)。
肢2:正しい。錯誤無効は表意者を保護するための制度なので、表意者Aが重過失で無効を主張できないときは、相手方Bも錯誤を理由に無効を主張できません(判例)。
肢3:正しい。仮装譲渡(虚偽表示)による無効は、善意の第三者Cに対抗できません(94条2項)。
肢4:誤り。第三者の詐欺による意思表示を取り消せるのは、相手方Bがその事実を知っていたときに限られていました(旧96条2項)。Bが知らなければ、転得者Dが知っていても取り消せません。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、錯誤は無効から取消しに改められ(95条)、第三者の詐欺は相手方が知り、又は知ることができたときに取り消せることになりました(96条2項)。Bが過失なく知らなかった場合に取り消せない点は同じで、正解の4は変わりません。
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代理
問2 代理権の濫用・制限行為能力者の代理人・双方代理・代理人の後見開始
代理権は、代理人の死亡、破産手続開始の決定、後見開始の審判で消滅します(民法111条1項2号)。補助開始や保佐開始は消滅原因ではありません。
公式正解 4
肢1:誤り。代理人が自己の利益を図る目的で代理行為をし、相手方Cがそれを知っていたときは、効果は本人Aに帰属しません(判例)。
肢2:誤り。代理人は行為能力者であることを要しないので(102条)、補助開始の審判を受けていたBも有効に代理権を取得できます。
肢3:誤り。双方代理は原則として禁止されますが、本人があらかじめ許諾した行為は有効にできます(108条)。許諾の有無にかかわらず無効になるわけではありません。
肢4:正しい。代理人が後見開始の審判を受けると代理権は消滅するので(111条1項2号)、その後の契約締結は無権代理行為になります。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、代理権の濫用は相手方が知り又は知ることができたときに無権代理とみなすこと(107条)、双方代理は無権代理とみなすこと(108条1項)が明文化されました。正解の4は変わりません。
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条件
問3 停止条件付贈与・条件成否未定の間の侵害・条件成就の効果・意思無能力
停止条件付きの法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(民法127条1項)。当事者が特に合意しない限り、契約の時にさかのぼりません。
公式正解 3
肢1:正しい。試験に合格したら贈与するという約定は、合格という不確実な事実の発生で効力が生じる停止条件付贈与です。
肢2:正しい。条件の成否が未定の間も、相手方の利益を害してはならず(128条)、Aが故意に建物を滅失させたときは損害賠償責任を負います。
肢3:誤り。停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(127条1項)。当事者の意思表示がなければ、約定の時点にさかのぼって所有権を取得するわけではありません。
肢4:正しい。意思能力のない者がした法律行為は無効なので(判例、現行3条の2)、Bは合格しても所有権を取得できません。
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時効の援用
問4 保証人の援用・後順位抵当権者・詐害行為の受益者・時効完成後の承認
時効を援用できる者は、時効により直接利益を受ける者です。後順位抵当権者は、先順位の被担保債権が消えて順位が上がっても、それは反射的な利益にとどまるとされています(最判平成11年10月21日)。
公式正解 2
肢1:正しい。主たる債務者が時効の利益を放棄しても、その効果は保証人に及ばないので、保証人は時効を援用できます(判例)。
肢2:誤り。後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができません(判例)。
肢3:正しい。詐害行為の受益者は、取消権を行使する債権者の被保全債権について、消滅時効を援用できます(判例)。
肢4:正しい。時効完成後に債務を承認した債務者は、完成を知らなかったときでも、信義則上その時効を援用できません(判例)。
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事務管理
問5 報酬請求・報告義務・緊急事務管理の注意義務・有益費の償還
本人の財産に対する急迫の危害を免れさせるための事務管理(緊急事務管理)では、管理者は悪意又は重過失がなければ損害賠償責任を負いません(民法698条)。善管注意義務がそのまま課されるわけではありません。
公式正解 3
肢1:正しい。事務管理者は、特段の事情がない限り、本人に報酬を請求できません。
肢2:正しい。管理者は、本人の請求があるときは、いつでも事務の処理の状況を報告しなければなりません(701条・645条)。
肢3:誤り。台風が迫る中での屋根の修理は、本人の財産に対する急迫の危害を免れさせるための緊急事務管理で、悪意又は重大な過失がなければ責任を負いません(698条)。善管注意義務で修理しなければならないわけではありません。
肢4:正しい。本人の意思に反しない事務管理では、管理者は本人のために支出した有益な費用の全額の償還を請求できます(702条1項)。
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法定地上権
問6 建物の登記名義・更地への抵当権設定・共同抵当と再築・設定後の建物譲渡
法定地上権の成否は、抵当権設定当時に土地上に建物があり、土地と建物が同一の所有者だったかで判断します。建物の登記名義が前主のままでも、実体上同一の所有者なら成立します。
公式正解 1
肢1:誤り。抵当権設定当時に土地と建物の所有者が同一であれば、建物の登記名義が前主Bのままでも、法定地上権は成立します(判例)。
肢2:正しい。更地に抵当権を設定した後に建物を建築しても、設定当時に建物がないので法定地上権は成立しません(判例)。
肢3:正しい。土地と建物に共同抵当権を設定した後に建物を再築し、新建物に土地と同順位の共同抵当権が設定されないまま土地の抵当権が実行されても、新建物のために法定地上権は成立しません(判例)。
肢4:正しい。抵当権設定当時に土地と建物が同一の所有者であれば、設定後に建物をDに譲渡しても、法定地上権は成立します。
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債権譲渡
問7 譲渡禁止特約と重過失・転得者の保護・譲渡人による無効主張・悪意の質権者
出題時の民法では、譲渡禁止特約に反する債権譲渡は、悪意又は重過失の譲受人との関係で無効でした。善意無重過失の転得者が現れると、債務者は特約を対抗できなくなります。
公式正解 2
肢1:正しい。譲渡禁止特約を知らなかったことに重大な過失がある譲受人は悪意と同様に扱われ、債権を取得できませんでした(旧466条2項、判例)。
肢2:誤り。譲受人が悪意でも、転得者が善意で重大な過失がなければ転得者は債権を取得し、債務者は特約を転得者に対抗できません(判例)。
肢3:正しい。譲渡禁止特約は債務者を保護するためのものなので、特約に反して譲渡した債権者自身は、債務者に無効を主張する意思があることが明らかであるなどの事情がない限り、譲渡の無効を主張できません(判例)。
肢4:正しい。譲渡禁止特約のある債権に質権を設定した場合も、質権者が特約について悪意であれば質権設定は無効でした(判例)。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法では、譲渡制限の意思表示があっても債権譲渡は有効です(466条2項)。債務者は悪意又は重過失の譲受人に対して履行を拒めるにとどまるので(466条3項)、「取得できない」「質権設定は無効」とする肢1・肢4は現行法では誤りになり、この問は成り立ちません。
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判決文(通常損耗)
問8 通常損耗の原状回復と補修特約(最判平成17年12月16日)
判決文は、通常損耗の補修費は賃料に含めて回収されるのが通常なので、賃借人に負担させるには、その旨の特約が明確に合意されていることが必要だとしています。肢1は、判決文の「通常の使用」の限定を外しています。
公式正解 1
肢1:誤り。判決文が賃料に含めて回収されるとしているのは、社会通念上通常の使用をした場合に生ずる損耗(通常損耗)の減価です。どのように使用しても全て賃料で回収されるわけではありません。
肢2:正しい。判決文の定義では、通常損耗は社会通念上通常の使い方をしたときに生じる劣化や価値の減少です。
肢3:正しい。通常損耗の範囲が契約書に明記されず、口頭の説明もないのに補修を負担させると、賃借人は予想していない特別な負担を負うことになります。
肢4:正しい。原状回復義務を負う旨の定めがあるだけでは、通常損耗補修特約が明確に合意されたとはいえず、賃料とは別に補修費を支払う義務は生じません。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法621条で、賃借人は通常損耗と経年変化について原状回復義務を負わないことが明文化されました。この問の正誤は変わりません。
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相殺
問9 自働債権の弁済期・差押え後に取得した債権・不法行為の被害者からの相殺・時効消滅した債権
相殺するには、相殺する側の債権(自働債権)の弁済期が到来していることが必要です。不法行為による損害賠償債権は、被害者の側からなら自働債権として相殺に使えます。
公式正解 3
肢1:誤り。Bの貸金債権(自働債権)の弁済期は12月31日で、12月1日にはまだ到来していないので、相殺できません(505条1項)。
肢2:誤り。差押えを受けた債権の第三債務者Bは、差押え後に取得した債権による相殺を差押債権者に対抗できません(511条)。
肢3:正しい。不法行為の被害者Bが、損害賠償債権を自働債権として売買代金債務と相殺することはできます。禁止されていたのは、加害者の側からの相殺です(旧509条)。
肢4:誤り。時効によって消滅した債権で相殺できるのは、消滅以前に相殺に適するようになっていた場合です(508条)。9月30日に時効が完成した貸金債権と、10月1日に生じた代金債権とは、相殺適状になっていません。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、相殺が禁止されるのは、悪意による不法行為や人の生命・身体の侵害による損害賠償債務を受働債権とする場合に改められました(509条)。被害者の側から相殺する肢3が正しい点は変わりません。
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相続
問10 無権代理人の本人相続・共同相続と登記・連帯債務の相続・過半数持分の共有者による明渡請求
共有物を単独で占有する共有者も、自己の持分に基づいて共有物を使用する権原を持っています。持分の過半数を持つ共有者でも、当然に明渡しを請求できるわけではありません(最判昭和41年5月19日)。
公式正解 4
肢1:正しい。無権代理人が本人を単独で相続した場合は、本人が自ら法律行為をしたのと同様の効果が生じます(判例)。
肢2:正しい。遺産分割前に単独名義の登記をした共同相続人から移転登記を受けた第三者に対し、他の共同相続人は自己の持分を登記なしに対抗できます(判例)。
肢3:正しい。連帯債務者の一人が死亡し相続人が数人いるときは、相続人は債務を分割して承継し、その範囲で本来の債務者とともに連帯債務者になります(判例)。
肢4:誤り。持分の価格が過半数を超える共有者でも、協議なく共有物を占有する他の共有者に対して、当然には明渡しを請求できません(判例)。
令和8年度試験での注意 2023年4月施行の改正で、共有物を使用する共有者がいても、持分の価格の過半数で使用方法などの管理に関する事項を決められるようになりました(252条1項)。決定もないまま当然に明渡しを請求できるわけではない点は同じで、正解の4は変わりません。
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借地借家・登記の解答・解説(4問)
借地権の存続期間と対抗力、定期建物賃貸借と法定更新、区分所有法の規約、不動産登記を扱います。
借地権
問11 事業用借地と公正証書・短い存続期間と更新しない特約・長い存続期間・家族名義の建物登記
借地権の存続期間は30年以上で、30年より短い定めは30年になり、更新を否定する特約も借地権者に不利なものとして無効です(借地借家法3条・9条)。
公式正解 2
肢1:誤り。公正証書が必要なのは事業用定期借地権(23条)を設定する場合です。事業用の建物の所有を目的とする借地契約がすべて公正証書によらなければ無効になるわけではありません。
肢2:正しい。存続期間を20年とする定めは30年となり(3条)、更新請求をしない旨の定めも借地権者に不利な特約として無効です(9条)。
肢3:誤り。存続期間を30年より長く定めることは、公正証書によらなくても有効です。60年と定めれば60年になります。
肢4:誤り。借地権の対抗要件となる建物の登記は、借地権者本人の名義でなければならず、同居する長男名義の登記では対抗できません(判例)。
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借家契約
問12 定期建物賃貸借の終了の通知・中途解約・法定更新後の期間・転借人の造作買取請求
期間1年以上の定期建物賃貸借では、賃貸人は期間満了の1年前から6か月前までに終了の通知をしなければ、終了を賃借人に対抗できません(借地借家法38条)。
公式正解 3
肢1:誤り。期間が1年以上の定期建物賃貸借では、期間満了の1年前から6か月前までの間に終了の通知をしなければ、期間満了による終了を賃借人に対抗できません(38条)。当然に対抗できるわけではありません。
肢2:誤り。床面積200㎡未満の居住用建物では、転勤などやむを得ない事情があれば、賃借人から中途解約を申し入れることができます(38条)。中途解約が一切できないわけではありません。
肢3:正しい。通常の建物賃貸借で更新しない旨などの通知がなかったときは、従前と同一の条件で更新されたものとみなされ、期間は定めがないものとなります(26条1項)。
肢4:誤り。建物の転借人も、賃貸人の同意を得て付加した造作について、賃貸人に対して買取請求権を行使できます(33条2項)。
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区分所有法
問13 規約の設定の決議要件・規約の閲覧拒絶・保管場所の掲示・占有者の義務
規約の設定、変更、廃止は、区分所有者と議決権の各4分の3以上の特別決議によります(区分所有法31条1項)。過半数の普通決議では足りません。
公式正解 1
肢1:誤り。規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によります(31条1項)。過半数では足りません。
肢2:正しい。規約を保管する者は、利害関係人の請求があれば正当な理由がない限り閲覧を拒めず(33条2項)、正当な理由なく拒むと20万円以下の過料に処されます。
肢3:正しい。規約をどこに保管しているかは、建物内の見やすい場所に掲示する必要があります(33条)。
肢4:正しい。占有者は、建物や敷地・附属施設の使用方法について、規約や集会の決議により区分所有者が負うのと同じ義務を負います(46条2項)。
令和8年度試験での注意 2026年4月1日施行の改正区分所有法で、規約の設定・変更・廃止は、区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で、出席者とその議決権の各4分の3以上の賛成によることになりました(31条1項)。過半数で足りるとする肢1が誤りである点は変わりません。
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不動産登記法
問14 申請主義・表示に関する登記の職権・床面積の変更登記・住所の変更登記
表示に関する登記には、変更から1か月以内の申請義務があります。出題時は、権利に関する登記(住所の変更など)には申請義務がありませんでした。
公式正解 4
肢1:正しい。登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁・公署の嘱託がなければすることができません(16条1項)。
肢2:正しい。表示に関する登記は、登記官が職権ですることができます(28条)。
肢3:正しい。建物の床面積に変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、変更の日から1か月以内に変更の登記を申請しなければなりません(51条1項)。
肢4:誤り。出題時の規定では、所有権の登記名義人の住所の変更登記に申請義務はありませんでした。
令和8年度試験での注意 2026年4月1日から、所有権の登記名義人の氏名・住所の変更登記は、変更の日から2年以内に申請することが義務になりました(76条の5)。「1か月以内」ではないので、肢4が誤りである点は変わりません。
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法令上の制限の解答・解説(8問)
国土利用計画法の事後届出、都市計画、開発許可、建築基準法、宅地造成等規制法、土地区画整理法、農地法を扱います。宅地造成等規制法は2023年に盛土規制法へ改められました。
国土利用計画法
問15 勧告と公表・国等が当事者の取引・届出の経由・市街化区域の面積要件
事後届出は、市町村長を経由して都道府県知事に提出します。権利取得者の届出義務は、売主が宅建業者でも変わりません。
公式正解 1
肢1:正しい。土地の利用目的について勧告を受けた者が従わないときは、知事はその旨と勧告の内容を公表することができます(26条)。
肢2:誤り。当事者の一方が国・地方公共団体等である場合は、事後届出は不要です(23条2項3号)。
肢3:誤り。事後届出は、土地が所在する市町村の長を経由して都道府県知事に行います(23条1項)。
肢4:誤り。市街化区域では2,000㎡以上の土地が届出対象なので、2,500㎡の土地を購入した宅建業者Cは事後届出が必要です。売主・買主が宅建業者でも免除されません。
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都市計画
問16 田園住居地域内の農地・風致地区の条例・市街化区域と用途地域・準都市計画区域と区域区分
区域区分(市街化区域と市街化調整区域の線引き)は都市計画区域に定めるもので、準都市計画区域には定めません。
公式正解 4
肢1:正しい。田園住居地域内の農地で土地の形質の変更などをするときは、一定の場合を除き、市町村長の許可が必要です(52条1項)。
肢2:正しい。風致地区内の建築物の建築などについては、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で必要な規制ができます(58条1項)。
肢3:正しい。市街化区域には少なくとも用途地域を定め、市街化調整区域には原則として用途地域を定めません(13条1項7号)。
肢4:誤り。準都市計画区域には区域区分を定めることができません。区域区分は都市計画区域について定めるものです(7条1項)。
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開発許可
問17 非常災害の応急措置・工事完了公告後の建築制限・区域外の8,000㎡・準都市計画区域の農家住宅
市街化区域以外(準都市計画区域や市街化調整区域を含む)では、農林漁業を営む者の居住用建築物のための開発行為は許可が不要です(都市計画法29条1項2号)。
公式正解 4
肢1:正しい。非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為は、市街化調整区域内でも許可が不要です(29条1項10号)。
肢2:正しい。用途地域等の定めがない開発区域では、工事完了の公告後、知事の許可を受けなければ予定建築物以外の建築物を新築できません(42条1項)。
肢3:正しい。都市計画区域及び準都市計画区域外では、1ha(10,000㎡)以上の開発行為が許可の対象なので、8,000㎡なら許可は不要です。
肢4:誤り。準都市計画区域内で農業を営む者の居住用建築物のために行う開発行為は、許可が不要です(29条1項2号)。1,000㎡は面積の点でも許可の対象(3,000㎡以上)に当たりません。
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建築基準法
問18 非常用の進入口・防火地域内の小規模な増築・バルコニーの手すり壁・既存不適格建築物
防火地域・準防火地域では、10㎡以内の増築でも建築確認が必要です。確認が必要な工事なので、完了検査も受けます。
公式正解 3
肢1:誤り。非常用の進入口は、高さ31m以下の部分にある3階以上の階に設けます(施行令126条の6)。全ての階ではありません。
肢2:誤り。防火地域内の増築は、床面積が10㎡以内でも建築確認が必要で(6条2項)、工事完了時には完了検査を受けなければなりません。
肢3:正しい。階数3以上の建築物などの2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、高さ1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければなりません(施行令126条1項)。
肢4:誤り。法改正で規定に適合しなくなった既存の建築物(既存不適格建築物)は、そのまま使用でき、直ちに適合させる義務はありません(3条2項)。
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建築基準法
問19 田園住居地域の高さ制限・用途地域にわたる敷地と大学・2項道路・壁面線と容積率
敷地が二以上の用途地域にわたる場合、建築物の用途制限は敷地の過半が属する地域の制限によります(建築基準法91条)。
公式正解 2
肢1:正しい。田園住居地域内の建築物の高さは、一定の場合を除き、都市計画で定めた10m又は12mの限度を超えてはなりません(55条1項)。
肢2:誤り。敷地の過半(60%)が第一種中高層住居専用地域にあるので、その地域の用途制限が適用されます(91条)。第一種中高層住居専用地域では大学を建築できます。
肢3:正しい。法第3章の規定が適用されるに至った際に現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものは、道路とみなされます(42条2項)。
肢4:正しい。壁面線の指定がある場合に特定行政庁が許可した建築物については、容積率の算定で、前面道路の境界線は壁面線にあるものとみなされます(52条)。
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宅地造成等規制法
問20 所有者の安全維持の努力義務・許可の条件・宅地以外にする形質変更・切土の規模
旧宅地造成等規制法で許可が必要な切土は、高さ2mを超える崖を生ずるものか、面積500㎡を超えるものでした。面積と崖の高さの組み合わせで判断します。
公式正解 4
肢1:正しい。規制区域内の宅地の所有者などは、災害が起きないよう宅地を常に安全な状態に保つ努力義務を負っていました(旧法16条1項)。
肢2:正しい。知事は、宅地造成に関する工事の許可に、工事の施行に伴う災害を防止するため必要な条件を付すことができました(旧法8条3項)。
肢3:正しい。宅地を農地などの宅地以外の土地にするための形質の変更は、旧法の宅地造成から除かれていました(旧法2条2号)。
肢4:誤り。切土で許可が必要なのは、高さ2mを超える崖を生ずる場合か、面積が500㎡を超える場合でした。面積400㎡で高さ1mの崖を生ずる切土は許可が不要です。
令和8年度試験での注意 2023年5月26日施行の宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)で、規制区域は宅地造成等工事規制区域に改められました。切土の許可の規模(2m超の崖、500㎡超)は同じで、肢4が誤りである点は変わりません。宅地を宅地以外にする行為も、現行法では農地などへの盛土として規制される場合があります。
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土地区画整理法
問21 事業の区域・建築行為等の許可権者・建築物の移転除却・仮換地の使用収益開始日
施行者は、仮換地の指定に伴って従前の宅地上の建築物を移転し、又は除却することが必要になったときは、自らそれを行うことができます(土地区画整理法77条1項)。
公式正解 3
肢1:誤り。土地区画整理事業は、都市計画区域内の土地について行う事業です(2条1項)。都市計画区域外は含まれません。
肢2:誤り。施行地区内での建築行為等の許可権者は、都道府県知事(市の区域内では市長など)で(76条1項)、知事と市町村長の双方の許可を受けるわけではありません。
肢3:正しい。仮換地の指定に伴い従前の宅地上の建築物の移転・除却が必要になったときは、施行者がこれを移転し、又は除却できます(77条1項)。
肢4:誤り。仮換地に使用収益の障害となる物件があるときなどは、使用収益を開始できる日を効力発生の日と別に定めることができます(99条2項)。同一の日に定めなければならないわけではありません。
公式問題で問21を見る
農地法
問22 市街化区域内の転用目的の取得・遺産分割・一般法人の借入れ・登記簿の地目
市街化区域内の農地を転用目的で取得する場合は、あらかじめ農業委員会に届け出れば5条の許可は不要です。
公式正解 1
肢1:正しい。市街化区域内の農地を宅地にする目的で権利を取得する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば、5条1項の許可は要りません(5条1項7号)。
肢2:誤り。遺産分割による取得は、3条1項の許可が不要です(3条1項12号)。農業委員会への届出は必要です。
肢3:誤り。農地所有適格法人ではない株式会社でも、解除条件付きの賃貸借など一定の要件を満たせば、耕作目的で農地を借り入れることができます(3条3項)。
肢4:誤り。農地かどうかは現況で判断するので、登記簿上の地目が雑種地でも、耕作している土地は農地です。
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宅建業法の解答・解説(20問)
広告、既存住宅の媒介と建物状況調査、業者が当事者の取引、自ら売主制限、報酬、監督処分、媒介契約、37条書面、重要事項説明、免許、クーリング・オフ、手付金等の保全措置、禁止事項、宅建士、営業保証金、保証協会、住宅瑕疵担保履行法を横断します。報酬は消費税8%の時期の出題です。
広告
問26 契約成立後の広告掲載・誇大広告の罰則・建築確認申請中の広告・利用制限の不表示
誇大広告等の禁止に違反すると、監督処分に加えて、6か月以下の懲役(出題時)若しくは100万円以下の罰金、又はその併科の対象になります(宅建業法81条1号)。
公式正解 2
肢1:誤り。売買契約の成立後も広告を掲載し続けると、取引できない物件の広告(おとり広告)として誇大広告等の禁止(32条)に違反します。
肢2:正しい。著しく事実に相違する表示をした場合は、監督処分の対象になるほか、6か月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその併科の対象になります(81条1号)。
肢3:誤り。建築確認を受ける前は、売買の媒介だけでなく貸借の媒介に関する広告もできません(33条)。
肢4:誤り。現在又は将来の利用の制限の一部を表示しないことで誤認させることも、誇大広告等の禁止に違反します(32条)。
令和8年度試験での注意 2025年6月1日の改正刑法の施行で、懲役と禁錮は拘禁刑に一本化されました。令和8年度試験では刑の名称を拘禁刑で覚えます。この問の正誤は変わりません。
公式問題で問26を見る
既存住宅の媒介
問27 建物状況調査のあっせん・書類の保存状況の説明・調査の時期・37条書面の確認事項
既存住宅の取引では、媒介契約書(あっせんの有無)、重要事項説明(調査の結果の概要と書類の保存状況)、37条書面(双方が確認した事項)と、段階ごとに確認の内容が違います。
公式正解 4
肢1:誤り。建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項は、売主Bとの媒介契約書に記載する事項で、Aが買主Dに確認する義務ではありません。
肢2:誤り。重要事項として説明するのは、設計図書などの書類の保存の状況で、それぞれの書類に記載されている内容まで説明する必要はありません。
肢3:誤り。説明が必要なのは、実施後1年を経過していない建物状況調査です。媒介契約の2年前に受けた調査は、説明の対象になりません。
肢4:正しい。構造耐力上主要な部分等の状況について双方が確認した事項は、買主が宅建業者でも37条書面の記載事項で、省略できません(37条1項2号の2)。
令和8年度試験での注意 2024年4月1日施行の改正で、鉄筋コンクリート造などの共同住宅等については、実施後2年以内の建物状況調査も説明の対象になりました。戸建ての甲住宅には1年以内の規定が適用され、正解の4は変わりません。
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業者が当事者の取引
問28 買主としての契約締結時期の制限・37条書面・供託所等の説明・購入申込みの報告
契約締結時期の制限(36条)は、宅建業者が「自ら当事者として」契約する場合に及ぶので、買主の立場でも適用されます。
公式正解 1
正しいものはエの一つで、正解は1です。
ア:誤り。工事完了前の宅地について、宅建業者は、開発許可などの処分があった後でなければ、自ら当事者として売買契約を締結できません(36条)。買主の立場でも同じです。
イ:誤り。宅建業者が買主となる場合も、相手方の業者に37条書面を交付しなければなりません。
ウ:誤り。供託所等の説明は、相手方が宅建業者の場合は不要です(35条の2)。
エ:正しい。媒介契約の目的物について購入の申込みがあったときは、依頼者が宅建業者であっても、遅滞なくその旨を依頼者に報告しなければなりません(34条の2第8項)。
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自ら売主制限
問29 業者間の37条書面・業者間の損害賠償額の予定・手付の上限・瑕疵担保責任の特約
自ら売主制限(8種制限)は、買主が宅建業者でない場合にだけ適用されます。業者間では損害賠償額の予定の制限も適用されません。
公式正解 2
違反しないのは2です。
肢1:違反する。業者間の取引でも、37条書面には宅建士の記名押印(現行は記名)が必要です(37条3項)。
肢2:違反しない。損害賠償額の予定の制限(38条)は、業者間の取引には適用されません(78条2項)。
肢3:違反する。宅建業者が自ら売主となる場合、代金の2割(400万円)を超える手付は受領できません(39条1項)。
肢4:違反する。瑕疵担保責任の期間を引渡しの日から1年とする特約は、2年以上とする場合を除き買主に不利な特約として無効です(40条)。
令和8年度試験での注意 2022年5月18日施行の改正で37条書面への押印は不要になり、2020年4月施行の改正民法で瑕疵担保責任は契約不適合責任に改められました(40条は通知期間を引渡しから2年以上とする特約を認める形)。この問の正誤は変わりません。
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報酬(貸借)
問30 店舗の権利金・居住用建物・依頼によらない広告料・定期建物賃貸借の再契約
居住用建物の貸借では、権利金を売買代金とみなして報酬を計算する方法は使えません。定期建物賃貸借の再契約も新たな契約なので、報酬の規定が適用されます。
公式正解 4
肢1:誤り。店舗の貸借で依頼者双方から受ける報酬の合計は、借賃1か月分(出題時の消費税8%込みで10万8,000円)が上限で、承諾を得ても双方から各10万8,000円は受けられません。権利金150万円を売買代金とみなしても、一方から8万1,000円が上限です。
肢2:誤り。権利金を売買代金とみなして計算できるのは居住用建物以外の貸借で、居住用建物には使えません。
肢3:誤り。依頼者の依頼によらない広告の料金は、契約成立に寄与しても報酬とは別に請求できません。
肢4:正しい。定期建物賃貸借の再契約も新たな貸借の媒介に当たるので、報酬に関する宅建業法の規定が適用されます。
令和8年度試験での注意 2019年10月から消費税率は10%です。肢1の上限額は消費税込みで11万円、権利金を基にした額は一方から8万2,500円になります。正解の4は変わりません。
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報酬(低廉な空家等)
問31 低廉な空家等の特例の対象・売主と買主・貸借への適用
出題時の報酬告示では、代金400万円以下の宅地建物の売買の媒介で現地調査等の費用を多く要する場合、売主からに限り、18万円(消費税8%込み19万4,400円)まで受けられました。
公式正解 3
肢1:誤り。代金500万円は特例の対象(400万円以下)を超えるので、通常どおり500万円×3%+6万円=21万円、消費税8%込み22万6,800円が上限です。
肢2:誤り。出題時の特例は売主からの報酬に限られていたので、買主Cからは通常の300万円×4%+2万円=14万円、消費税込み15万1,200円が上限です。
肢3:正しい。代金350万円の土地の売主Dからは、通常の報酬16万円に現地調査等の費用2万円を加えた18万円、消費税8%込み19万4,400円まで受けられます。
肢4:誤り。特例は売買・交換の媒介に限られ、貸借には適用されません。貸主Eからは借賃1か月分(消費税込み16万2,000円)が上限です。
令和8年度試験での注意 2024年7月1日施行の報酬告示の改正で、低廉な空家等の特例は代金800万円以下の物件に広がり、売主・買主のどちらからも30万円(消費税込み33万円)を上限に受けられるようになりました。消費税率も10%なので、この問の金額は現行の規定では成り立ちません。
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監督処分
問32 宅建士の処分と業者への指示・不正登録と合格の取消し・指導助言の対象・宅建士証の提出先
宅建士が処分を受けた場合で、業者に責めに帰すべき理由があるときは、免許権者などは業者に指示処分ができます(宅建業法65条1項4号)。
公式正解 1
肢1:正しい。宅建士が処分を受けた場合に宅建業者に責めに帰すべき理由があるときは、免許権者の国土交通大臣はその業者に指示処分ができます(65条1項4号)。
肢2:誤り。不正の手段で登録を受けたときは登録が消除されますが(68条の2第1項3号)、試験の合格の決定が取り消されるのは不正の手段で受験した場合です(17条1項)。
肢3:誤り。国土交通大臣がすべての者に指導、助言、勧告ができると定められているのは宅建業者に対してで(71条)、すべての宅建士に対してではありません。
肢4:誤り。事務禁止処分を受けた宅建士は、宅建士証をその交付を受けた甲県知事に提出します(22条の2第7項)。
公式問題で問32を見る
媒介契約
問33 建物状況調査のあっせん・専属専任媒介の登録期限・価額の根拠の調査費用・違約措置
媒介契約書には、依頼者が他の業者の媒介で契約を成立させた場合などの措置(違約措置)を記載します。専任媒介でも専属専任媒介でも同じです。
公式正解 4
肢1:誤り。依頼者があっせんを希望しなかった場合も、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項(あっせんしない旨)を媒介契約書に記載します(34条の2第1項4号)。
肢2:誤り。専属専任媒介契約では、契約締結日から5日以内(休業日を除く)に指定流通機構に登録しなければなりません。
肢3:誤り。価額の根拠を明らかにすることは法律上の義務なので、そのための調査費用を依頼者に請求することはできません。
肢4:正しい。専任媒介契約では、依頼者が他の業者の媒介・代理で売買・交換の契約を成立させたときの措置も、媒介契約書の記載事項です(施行規則15条の9第1号)。
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37条書面(貸借)
問34 貸借の必要的記載事項
既存建物の貸借の37条書面で必ず記載するのは、当事者の氏名・住所、物件の表示、借賃、引渡しの時期などです。瑕疵担保責任や構造耐力上主要な部分の確認事項は、売買の記載事項です。
公式正解 2
必ず記載する事項はイとウで、正解は2です。
ア:不要。瑕疵担保責任(現行は契約不適合責任)の内容は、売買・交換で定めがあるときの記載事項で、貸借では記載を要しません。
イ:必要。当事者の氏名(法人は名称)及び住所は、必ず記載します(37条2項1号・1項1号)。
ウ:必要。建物の引渡しの時期は、貸借でも必ず記載します(37条2項1号・1項4号)。
エ:不要。建物の構造耐力上主要な部分等について双方が確認した事項は、売買・交換の場合の記載事項です(37条1項2号の2)。
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業者間取引の重要事項説明
問35 耐震診断・未完成建物と説明・瑕疵担保責任の履行措置・少額の預り金
業者間の取引では、重要事項の説明は省略できますが、重要事項説明書の交付と記載は省略できません(35条6項)。記載が必要な事項自体は一般の取引と同じです。
公式正解 3
肢1:誤り。売主に耐震診断を受ける義務はありません。昭和56年5月31日以前に着工した建物について耐震診断を受けているときに、その内容を記載します。
肢2:誤り。相手方が宅建業者の場合は、建物が未完成であっても、宅建士に説明させる必要はありません(35条6項)。
肢3:正しい。瑕疵担保責任(現行は契約不適合責任)の履行に関し保証保険契約の締結などの措置を講じるかどうかと、その概要は、業者間でも重要事項説明書に記載しなければなりません(35条1項13号)。
肢4:誤り。支払金又は預り金の保全措置の記載が必要なのは50万円以上の場合で、30万円の預り金は対象外です。
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免許
問36 更新申請中の免許・他県での媒介・懲役刑と欠格・非常勤役員の変更届
宅建業者名簿の役員は、常勤・非常勤を問わずすべての役員です。役員の氏名に変更があれば30日以内に変更の届出をします。
公式正解 3
肢1:誤り。有効期間の満了の日までに更新申請の処分がないときは、従前の免許は処分がされるまで効力を有します(3条4項)。
肢2:誤り。他県所在の宅地の売買を媒介するだけなら、事務所を設置するわけではないので免許換えは不要です。
肢3:正しい。懲役刑(現行は拘禁刑)の執行を終えてから5年を経過していない者は、免許を受けられません(5条1項5号)。
肢4:誤り。役員の氏名は業者名簿の登載事項で、常勤か非常勤かを問わず、D・Eの両方について変更の届出が必要です(9条)。
令和8年度試験での注意 2025年6月1日の改正刑法の施行で、懲役と禁錮は拘禁刑に一本化されました。令和8年度試験では刑の名称を拘禁刑で覚えます。この問の正誤は変わりません。
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クーリング・オフ
問37 到達主義の特約・媒介業者の事務所での申込み・自宅での申込み・告知書面の記載事項
クーリング・オフの解除は書面を発した時に効力を生じます(発信主義)。到達しなければ解除できないとする特約は、買主に不利なので無効です。
公式正解 2
正しいものはアとイの二つで、正解は2です。
ア:正しい。解除の書面を8日以内に到達させなければならないとする特約は、発信主義(37条の2第2項)より買主に不利なので無効です。
イ:正しい。媒介業者Bの事務所は、クーリング・オフができない事務所等に当たります。そこで申し込んだ以上、契約を喫茶店で締結しても解除できません。
ウ:誤り。業者の提案で買主の自宅で申し込んだ場合はクーリング・オフの対象で、書面で告げられていなければ期間は進行しません。引渡しを受けて代金を全額支払うまでは解除できます。
エ:誤り。告げる書面に記載するのは、売主である宅建業者Aの商号又は名称、住所、免許証番号などで、媒介業者Bのものではありません。
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手付金等の保全措置
問38 完成物件の中間金・未完成物件の基準額・指定保管機関・保証期間
保全措置が必要になる額は、完成物件で代金の10%、未完成物件で5%を超える場合(又は1,000万円を超える場合)です。既に受け取った手付金と合わせて判断します。
公式正解 1
肢1:正しい。完成物件で代金3,000万円の10%は300万円です。手付金200万円に中間金300万円を加えると500万円になるので、中間金を受け取る前に500万円全額について保全措置を講じなければなりません。
肢2:誤り。未完成物件で代金2,500万円の5%は125万円なので、手付金150万円を受け取るには保全措置が必要です。
肢3:誤り。工事完了前の物件では、指定保管機関による保管(手付金等寄託契約)は使えません。銀行等の保証か保証保険によります(41条1項)。
肢4:誤り。銀行等との保証契約は、少なくとも宅建業者が受領した手付金等に係る物件の引渡しまでの期間を保証期間としなければなりません。建築工事の完了までではありません。
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重要事項の説明(貸借)
問39 業者が借主の場合・建物状況調査・設備の整備状況・ITを活用した説明
ITを活用した重要事項説明でも、宅建士証を画面上で提示し、相手方が視認できたことを確認する必要があります。相手方の承諾があっても省略できません。
公式正解 4
肢1:正しい。借主が宅建業者であるときは、重要事項説明書の交付は必要ですが、宅建士に説明させる必要はありません(35条6項)。
肢2:正しい。既存の住宅の貸借でも、建物状況調査を実施しているかどうかと結果の概要を説明しなければなりません(35条1項6号の2イ)。
肢3:正しい。建物の貸借では、台所、浴室、便所その他の設備の整備の状況を説明しなければなりません。
肢4:誤り。ITを活用して説明する場合も、宅建士証を提示しなければならず、相手方の承諾があっても省略できません。
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業務に関する禁止事項
問40 手付の分割払い・値引きによる勧誘・宅建士以外による利便の説明・拒否後の訪問勧誘
手付の分割払いを認めることは、手付について信用を供与して契約を誘引する行為として禁止されています(宅建業法47条3号)。
公式正解 2
違反するものはアとエの二つで、正解は2です。
ア:違反する。手付金の分割払いを提案して契約を締結させることは、手付について信用の供与をして契約の締結を誘引する行為に当たります(47条3号)。
イ:違反しない。販売価格を値引きして勧誘することは禁止されていません。
ウ:違反しない。交通等の利便の状況は重要事項説明の対象ではないので、宅建士でない従業者に説明させても違反になりません。
エ:違反する。相手方が購入の意思がないことを示したのに、訪問して勧誘を続けることは禁止されています(47条の2第3項、施行規則16条の11)。電話でなく訪問に切り替えても同じです。
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宅建業の免許が必要な業務
問41 自ら貸主の賃貸・自社ビルのテナント募集・管理業者による賃貸の代理・建築請負
宅建業に当たるのは、宅地建物の売買・交換と、売買・交換・貸借の代理・媒介を業として行うことです。自ら貸主となる賃貸や建築請負は含まれません。
公式正解 3
免許を要する業務が含まれるのは3です。
肢1:免許不要。自ら所有する建物を貸し付けることは、宅建業に当たりません。
肢2:免許不要。自社ビルのテナントを募集して貸すことも、自ら貸主となる行為で宅建業に当たりません。
肢3:免許が必要。管理業務の中に、貸主を代理して賃貸借契約を締結する業務が含まれているので、貸借の代理として宅建業に当たります。
肢4:免許不要。顧客の土地に建物を建築することを請け負うのは建設業で、宅建業に当たりません。
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宅地建物取引士
問42 死亡の届出の起算点・登録の移転・事務禁止と宅建士証・37条書面交付時の提示
宅建士は、取引の関係者から請求があったときは宅建士証を提示しなければなりません(22条の4)。専任かどうかは関係ありません。
公式正解 4
肢1:誤り。宅建士が死亡したときの相続人の届出は、死亡の事実を知った日から30日以内です(21条1号)。
肢2:誤り。他の都道府県の事務所に従事する場合の登録の移転は任意で、申請しなければならないわけではありません(19条の2)。
肢3:誤り。事務禁止の処分を受けたときは宅建士証を交付を受けた知事に提出し(22条の2第7項)、登録消除の処分を受けたときは返納します(同条6項)。
肢4:正しい。宅建士は、取引の関係者から請求があったときは、専任かどうかにかかわらず宅建士証を提示しなければなりません(22条の4)。
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営業保証金
問43 供託の届出と免許の取消し・家賃収納代行の債権・届出の時期・有価証券の評価額
営業保証金に充てる有価証券は、国債証券は額面金額、地方債証券は額面金額の90%で評価します。
公式正解 1
肢1:正しい。免許から3か月以内に供託の届出がなく催告を受けた業者が、催告の到達から1か月以内に届出をしないときは、免許を取り消されることがあります(25条6項・7項)。
肢2:誤り。営業保証金から弁済を受けられるのは宅建業に関する取引で生じた債権で、家賃収納代行業務による債権は含まれません。
肢3:誤り。営業保証金を供託した旨を届け出た後でなければ事業を開始できません(25条5項)。事業開始後1週間以内に届け出るのではありません。
肢4:誤り。2か所増設で必要な額は1,000万円です。額面800万円の地方債証券は720万円と評価されるので、国債証券は額面280万円が必要です。
公式問題で問43を見る
保証協会
問44 社員の地位を失った場合・苦情の解決・営業保証金の供託額・一部の事務所の廃止
保証協会の社員が地位を失ったときは、1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません。供託額は、主たる事務所1,000万円、従たる事務所1か所につき500万円です。
公式正解 2
肢1:誤り。社員の地位を失ったときに還付請求権者に対する公告をするのは保証協会で(64条の11第4項)、業者Aではありません。
肢2:正しい。保証協会は、取引の相手方から苦情を受けた場合、社員に対し文書又は口頭による説明を求めることができます(64条の5第2項)。
肢3:誤り。分担金150万円は主たる事務所と従たる事務所3か所分なので、営業保証金は1,000万円+500万円×3=2,500万円が必要です。
肢4:誤り。一部の事務所を廃止した場合の分担金の返還には、公告は不要です。公告が必要なのは社員の地位を失った場合です。
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住宅瑕疵担保履行法
問45 媒介業者の義務・届出の期限・届出をしない場合の契約締結制限・保険金の対象
資力確保措置の義務を負うのは、自ら売主として新築住宅を宅建業者でない買主に引き渡す業者です。媒介業者には義務がありません。
公式正解 3
肢1:誤り。資力確保措置の義務は、自ら売主となる場合に限られ、新築住宅の売買の媒介をする業者には課されません。
肢2:誤り。供託と保険契約の締結の状況の届出は、基準日から3週間以内に行います(12条1項)。住宅を引き渡した日から3週間以内ではありません。
肢3:正しい。届出をしなければ、基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後は、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結できません(13条)。
肢4:誤り。保険の対象は、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵で、構造耐力上主要な部分だけではありません。
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住宅・統計・土地建物の解答・解説(5問)
住宅金融支援機構、不動産の表示に関する公正競争規約、統計、土地、建物の構造を扱います。統計は平成29年・平成30年の公表値で判定します。
住宅金融支援機構
問46 買取型の対象となる土地の取得資金・住宅融資保険・MBS・高齢者向けの改良資金
証券化支援事業(買取型)で機構が譲り受ける貸付債権には、住宅の建設・購入に付随する土地や借地権の取得資金も含まれます。
公式正解 1
肢1:誤り。買取型で譲り受ける貸付債権には、住宅の建設・購入とあわせて土地や借地権を取得するための資金の貸付けも含まれます。
肢2:正しい。機構は、金融機関が貸し付けた住宅ローンについて住宅融資保険を引き受けています。
肢3:正しい。買取型では、機構がMBS(資産担保証券)を発行して債券市場から資金を調達しています。
肢4:正しい。高齢者が自ら居住する住宅を高齢者向けに改良するための資金の貸付けは、機構の業務です。
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不動産の広告表示
問47 二重価格表示・古家のある土地・完成図の加工・取引態様の表示
過去の販売価格と比べる二重価格表示では、過去の価格の公表時期と値下げの時期を明示します。値下げ額が明確なだけでは足りません。
公式正解 2
肢1:誤り。値下げ前の価格を併記する二重価格表示では、過去の販売価格の公表時期と値下げの時期を明示しなければなりません。
肢2:正しい。土地に古家がある場合は、その旨を表示すれば売地として販売できます。古家が住宅として使える状態でも同じです。
肢3:誤り。完成図から敷地内の電柱や電線を消去する加工は、実際より優良であると誤認させるおそれがあり、不当表示に当たります。
肢4:誤り。取引態様は物件ごとに明示しなければならず、広告の下部にまとめて表示するだけでは足りません。
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統計
問48 新設住宅着工戸数・法人企業統計・平成30年地価公示・土地取引件数
平成30年地価公示では、住宅地の全国平均が10年ぶりに上昇に転じました。統計の問は、増加と減少を入れ替えた肢が典型的な誤りです。
公式正解 3
肢1:誤り。平成29年の新設住宅着工戸数は前年比0.3%の減少で、分譲住宅は1.9%の増加でした。増減が逆です。
肢2:誤り。平成28年度の法人企業統計では、全産業の売上高が減少した一方、不動産業の売上高は増加しました。増減が逆です。
肢3:正しい。平成30年地価公示では、住宅地の全国平均の変動率が前年の横ばいから10年ぶりに上昇に転じました。
肢4:誤り。平成29年の土地取引件数は約132万件で、ほぼ横ばいで推移しています。5年連続の減少ではありません。
令和8年度試験での注意 統計は毎年差し替わります。令和8年度試験では、2026年の地価公示、2025年の建築着工統計など、試験の直前に公表された数値で確かめます。
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土地の災害リスク
問49 地すべり地形・台地の浅い谷・大都市の低地・低地の危険度
低地の中で災害の危険度が高いのは、沿岸部の標高の低いデルタ地域や旧河道などで、扇状地の中の微高地や自然堤防は比較的危険度が低いとされます。
公式正解 4
最も不適当なのは4です。
肢1:適当。地すべりでできた地形は一見なだらかで住宅地に適しているように見えますが、末端の急斜面部などは斜面崩壊の危険度が高い所です。
肢2:適当。台地上の浅い谷は豪雨時に一時的に浸水することがあり、現地でも気付きにくいので、住宅地としては注意が必要です。
肢3:適当。大都市の大部分は、湿地や旧河道だった新しい低地に立地しており、地震、洪水、高潮、津波などの災害の危険度が高い地域が多くあります。
肢4:不適当。危険度が高いのは沿岸部の標高の低いデルタ地域や旧河道などで、扇状地の微高地や自然堤防、廃川敷になった旧天井川などは比較的危険度が低い所です。記述は逆です。
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建物の構造
問50 木材の乾燥・集成木材構造・鉄骨構造の耐火被覆・鉄筋コンクリート構造の中性化
鉄骨構造は不燃構造ですが、鋼材は高温で強度が下がるので、耐火構造にするには耐火材料による耐火被覆が必要です。
公式正解 3
最も不適当なのは3です。
肢1:適当。木材は乾燥しているほど強度と耐久性が高いので、できるだけ乾燥した木材を使うのが好ましいとされます。
肢2:適当。集成木材構造は集成材で骨組を構成したもので、体育館などの大規模な建物にも使われています。
肢3:不適当。鉄骨構造を耐火構造にするには、耐火材料による耐火被覆が必要です。
肢4:適当。鉄筋コンクリート構造の耐久性を高めるには、コンクリートの中性化とひび割れを防ぐ注意が必要です。
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