権利関係の解答・解説(10問)
自力救済の判決文、相隣関係、成年後見人の居住用不動産の処分、売買、代理、物権変動の対抗要件、遺言、申込者の死亡、売買と賃貸借の比較、抵当権と賃貸借を扱います。
自力救済
問1 自力救済が許される例外(最判昭和40年12月7日)
判決文は、法律上の手続によっていては権利を守れない緊急やむを得ない特別の事情がある場合に限って、必要な限度で私力の行使を認めています。各肢がこの限定を外していないかを読みます。
公式正解 4
正しいのは4です。判決文の要件をそのまま満たす場合だけが例外です。
肢1:誤り。自力救済が許されるのは、法律の手続では現状を維持できない緊急やむを得ない特別の事情がある場合だけです。「事情のいかんにかかわらず」許されるわけではありません。
肢2:誤り。賃貸借の終了後に残置物があっても、賃貸人が裁判によらず賃借人の同意なく撤去することは、原則として許されない自力救済に当たります。
肢3:誤り。賃料を長期間滞納されても、裁判を経ずに鍵とシリンダーを交換して賃借人を締め出すことは、原則として許されません。
肢4:正しい。判決文のとおり、緊急やむを得ない特別の事情がある場合には、必要な限度で例外的に自力救済が許されます。
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相隣関係
問2 境界標の設置・境界線上の障壁・高地の排水・雨水を注ぐ屋根
相隣関係の条文は、隣地の負担を認める規定と、隣地に迷惑をかけてはならない規定が交互に並びます。高地の所有者の排水(民法220条)は、隣地に負担を求められる側の規定です。
公式正解 3
肢1:正しい。土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができます(223条)。
肢2:正しい。境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定されます(229条)。
肢3:誤り。高地の所有者は、浸水した高地を乾かすために、公の水流や下水道まで低地に水を通すことができます(220条)。低地のために損害が最も少ない場所と方法を選ぶ必要があります。
肢4:正しい。土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはなりません(218条)。これに反する屋根に対しては、隣地所有者は所有権に基づく妨害排除・予防を請求できます。
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成年後見
問3 成年後見人が家庭裁判所の許可を要する処分
成年被後見人の住まいは生活の基盤なので、成年後見人が居住用の建物や敷地を処分するときだけ、家庭裁判所の許可が必要です(民法859条の3)。
公式正解 2
許可が必要なのは2です。
肢1:許可は不要。乗用車は居住用の建物・敷地ではないので、成年後見人は家庭裁判所の許可なしに売却を代理できます。
肢2:許可が必要。成年被後見人の居住の用に供する建物への抵当権の設定は、家庭裁判所の許可を得なければなりません(859条の3)。
肢3:許可は不要。オフィスビルは居住用ではないので、抵当権の設定に家庭裁判所の許可は要りません。
肢4:許可は不要。居住用ではない倉庫の賃貸借の解除にも、家庭裁判所の許可は要りません。
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売買契約
問4 手付解除の時期・買戻しの期間・他人物売買・悪意の売主と通知期間
2020年4月施行の改正民法で、他人物売買の善意の売主の解除権はなくなり、契約不適合の通知期間には売主が悪意・重過失の場合の例外が置かれました。2021年7月の契約なので改正後の規定で判断します。
公式正解 4
肢1:誤り。売主が手付の倍額を現実に提供して解除できるのは、相手方が契約の履行に着手するまでです(557条1項)。目的物の引渡しまでいつでも解除できるわけではありません。
肢2:誤り。買戻しの期間を定めなかったときは、5年以内に買戻しをしなければならないとされるだけで(580条3項)、特約自体が無効になるわけではありません。
肢3:誤り。改正前にあった善意の売主の解除権の規定は削除されています。売主は他人の権利を取得して買主に移転する義務を負い、知らなかったことを理由に損害賠償なしで解除することはできません。
肢4:正しい。買主が不適合を知った時から1年以内に通知しないと権利を失うのが原則ですが、売主が引渡しの時に不適合を知り、又は重大な過失で知らなかったときは、この期間制限は適用されません(566条ただし書)。消滅時効にかかるまでは責任を追及できます。
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代理
問5 代理権の濫用・代理権授与の表示・無権代理・代理権消滅後
代理の各肢は、相手方の主観(知っていたか、過失があったか)で答えが分かれます。表見代理は、相手方が代理権を信じたことに正当な理由がある場合に限られます。
公式正解 3
肢1:誤り。代理権を濫用して自己や第三者の利益を図る行為をした場合、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、無権代理行為とみなされます(107条)。効果はBに帰属しません。
肢2:誤り。代理権を与えた旨の表示による表見代理は、相手方が代理権のないことを知り、又は過失で知らなかったときは成立しません(109条1項ただし書)。
肢3:正しい。代理権を全く与えられていない者が代理人と詐称した場合、相手方が代理権を信じても、表見代理の要件を満たさない限り、効果は本人に帰属しません(113条1項)。
肢4:誤り。代理権消滅後の表見代理は、相手方が過失によって代理権消滅の事実を知らなかったときは成立しません(112条1項ただし書)。
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物権変動の対抗要件
問6 前々主・登記ある建物を所有する借地人・時効完成前の第三者・共同相続
「第三者」に当たるかどうかで迷わせる設問です。民法177条の第三者は、登記がないことを主張する正当な利益を持つ者に限られ、転々譲渡の前々主は含まれません。
公式正解 1
肢1:誤り。AからB、BからC、CからDへ転々譲渡された場合、前々主のAは、Dにとって登記がないことを主張できる第三者に当たりません(判例)。DはAに登記なく所有権を主張できます。
肢2:正しい。借地上に登記のある建物を所有する土地の賃借人は、土地の新所有者と対抗関係に立つ第三者に当たります。新所有者は、所有権移転登記をしなければ賃貸人の地位を主張できません(判例)。
肢3:正しい。第三者が登記した後に取得時効が完成した場合、時効取得者は、その第三者に対して登記なしに時効取得を主張できます(判例)。
肢4:正しい。共同相続人の一人が不動産の全部を譲渡して移転登記をしても、他の共同相続人は、自己の持分を登記なしにその第三者に主張できます(判例)。
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遺言
問7 財産目録の自書・公正証書遺言の証人・船舶遭難者遺言・遺贈の承認の催告
遺言の方式は種類ごとに要件が細かく決まっています。催告に答えなかった受遺者の扱いは、「承認」とみなすのか「放棄」とみなすのかを条文で確かめます。
公式正解 4
肢1:正しい。自筆証書遺言に添付する相続財産の目録は自書でなくてよく、遺言者は目録の毎葉(両面に記載があるときは両面)に署名し、印を押します(968条2項)。
肢2:正しい。公正証書遺言には証人2人以上の立会いが必要で、推定相続人は成年者でも証人になれません(969条1号・974条2号)。
肢3:正しい。船舶が遭難し、船舶中で死亡の危急に迫った者は、証人2人以上の立会いがあれば、口頭で遺言をすることができます(979条1項)。
肢4:誤り。遺贈義務者の催告に対して受遺者が期間内に意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなされます(987条)。放棄したものとみなされるのではありません。
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申込者の死亡
問8 申込みの発信後の死亡・死亡で効力を失う旨の意思表示・承諾期間のない申込みの撤回・契約の成立時期
意思表示は、発信後に表意者が死亡しても原則として効力を失いません(民法97条3項)。申込みについては、526条が効力を失う2つの例外を定めています。
公式正解 2
肢1:誤り。相手方が承諾の通知を発するまでに申込者の死亡を知ったときは、申込みは効力を失います(526条)。
肢2:正しい。申込者が、死亡すれば申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたときは、相手方が死亡を知らなくても申込みは効力を失います(526条)。
肢3:誤り。承諾の期間を定めないでした申込みは、承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは撤回できません(525条1項)。相続人もいつでも撤回できるわけではありません。
肢4:誤り。改正民法では、承諾の通知を発信した時に契約が成立する旨の規定は削除され、意思表示の到達で効力が生じます(97条1項)。承諾が到達した時に契約が成立します。
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売買と賃貸借の比較
問9 解除の効果・転貸と承諾・不法占拠者への対抗・引渡し前の滅失
同じ建物でも、売買なら買主は所有者、賃貸借なら賃借人です。肢ごとに、買主・賃借人のどちらの立場の話かを分けて判断します。
公式正解 3
肢1:正しい。売買の解除では原状回復として、買主は使用収益した利益も返還します。賃貸借の解除は将来に向かってのみ効力を生じるので(620条)、解除までの賃料を返す必要はありません。
肢2:正しい。①では所有者となったBは自由に賃貸できます。②の賃借人Bは、賃貸人Aの承諾がなければ転貸できません(612条1項)。
肢3:誤り。不法占拠者は、登記がないことを主張する正当な利益を持つ第三者に当たりません。①のBは登記がなくても所有権をDに主張できます。②で登記した賃借人は、占有する第三者に返還を請求できます(605条の4)。
肢4:正しい。双方に責任のない事由で引渡しができなくなったときは、買主は代金の支払を拒めます(536条1項)。賃借物の全部が滅失したときは、賃貸借は終了します(616条の2)。
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抵当権と賃貸借
問10 賃料への物上代位・抵当権設定前の引渡し・建物明渡猶予制度
抵当権と賃借権の優劣は、抵当権の設定登記と賃借権の対抗要件(建物の引渡し)のどちらが先かで決まります。後れる賃借人は、建物の明渡しを6か月猶予されるだけです。
公式正解 1
肢1:正しい。被担保債権の不履行があった後は、抵当権者は物上代位により、抵当権設定者が賃借人に対して持つ賃料債権を差し押さえることができます(372条・304条)。
肢2:誤り。抵当権設定登記より前に建物の引渡しを受けた賃借人は、期間の定めの有無にかかわらず、賃借権を買受人に対抗できます(借地借家法31条)。
肢3:誤り。抵当権に後れる賃借人が受けられるのは、買受けの時から6か月の明渡猶予だけです(民法395条1項)。賃貸借の期間満了まで引渡しを拒めるわけではありません。
肢4:誤り。抵当権設定登記より前に引渡しを受けたCは、賃借権を買受人に対抗できるので、買受けから1年で建物を引き渡す必要はありません。
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借地借家・登記の解答・解説(4問)
借地権の存続期間と対抗力、建物賃貸借の終了、区分所有法、不動産登記を扱います。造作買取請求権を排除する特約が有効かどうかが問われました。
借地権
問11 更新後の存続期間・更新請求と異議・建物登記による対抗力の範囲・地代の先取特権
借地権の数字は、最初の存続期間30年、最初の更新20年、2回目以降10年、先取特権は最後の2年分です。数字の入れ替えに注意します。
公式正解 3
肢1:誤り。更新後の存続期間は、最初の更新で20年、その後の更新で10年が下限で、当事者がこれより長い期間を定めることもできます(借地借家法4条)。30年以下に定められないわけではありません。
肢2:誤り。建物があるときに借地権者が更新を請求しても、借地権設定者が正当事由のある異議を遅滞なく述べれば、更新は生じません(5条1項・6条)。
肢3:正しい。借地上の建物の登記による対抗力は、登記に建物の敷地として記載された土地に限って生じます(判例)。
肢4:誤り。借地権設定者の先取特権の対象は、弁済期の到来した最後の2年分の地代等です(12条1項)。3年分ではありません。
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借家契約の終了
問12 法定更新後の期間・解約申入れの効果・債務不履行解除と転貸借・造作買取請求権の特約
建物賃貸借の終了に関する規定は、借地借家法の強行規定(30条・37条)に当たるかどうかで特約の効力が変わります。造作買取請求権(33条)は強行規定に入っていません。
公式正解 2
肢1:誤り。法定更新された場合、従前の契約と同一の条件で更新されますが、期間は定めがないものとなります(借地借家法26条1項)。
肢2:正しい。期間の定めのない建物賃貸借で賃貸人が正当事由を備えて解約を申し入れた場合、申入れの日から6か月を経過すると契約は終了します(27条1項・28条)。
肢3:誤り。原賃貸借が転貸人の債務不履行で解除された場合、転貸借は、原則として賃貸人が転借人に目的物の返還を請求した時に終了します(判例)。通知から6か月の規定(34条)は期間満了や解約申入れの場合です。
肢4:誤り。造作買取請求権を排除する特約は有効です。37条は33条を借家人に不利な特約を無効とする規定に含めていません。
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区分所有法
問13 占有者の意見陳述・公正証書による規約・管理所有・管理組合法人の理事
最初に専有部分の全部を所有する者が公正証書で設定できる規約は、規約共用部分、規約敷地、敷地利用権の分離処分などに限られます(区分所有法32条)。
公式正解 2
肢1:正しい。専有部分を区分所有者の承諾を得て占有する者は、集会の議題に利害関係があれば、集会に出席して意見を述べることができますが、議決権はありません(44条1項)。
肢2:誤り。廊下や階段室のように構造上共用に供される部分は、法律上当然に共用部分(法定共用部分)です。公正証書で設定できるのは規約共用部分などの規約で(32条)、記述の部分は対象ではありません。
肢3:正しい。共用部分は区分所有者全員の共有に属しますが、規約に特別の定めがあれば、管理者を共用部分の所有者とすることができます(11条2項・27条1項)。
肢4:正しい。管理組合法人には理事を置かなければならず、理事が数人あるときは、規約に別段の定めがない限り、事務は理事の過半数で決します(49条1項・2項)。
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不動産登記法
問14 表題登記の申請義務・共用部分の合併制限・登記官の調査・区分建物の一般承継人の申請
表示に関する登記は、物理的な状況を公示するため、申請義務や登記官の調査権限が定められています。建物の合併は、共用部分である旨の登記がある建物などについて禁止されています。
公式正解 2
肢1:正しい。表題登記がない土地の所有権を取得した者は、取得の日から1か月以内に表題登記を申請しなければなりません(36条)。
肢2:誤り。共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記は、することができません(56条1号)。
肢3:正しい。登記官は、表示に関する登記の申請があった場合に必要があると認めるときは、その不動産の表示に関する事項を調査できます(29条1項)。
肢4:正しい。区分建物を新築した所有者に相続その他の一般承継があったときは、一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする表題登記を申請できます(47条2項)。
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法令上の制限の解答・解説(8問)
用途地域と地域地区、開発許可、建築基準法、宅地造成等規制法、土地区画整理法、農地法、国土利用計画法を扱います。宅地造成等規制法は2023年に盛土規制法へ改められました。
都市計画法(地域地区)
問15 近隣商業地域・準工業地域・特定用途制限地域・高層住居誘導地区
用途地域の定義は、似た言い回しの組み合わせで出題されます。「これと調和した住居の環境を保護する」は、準住居地域の定義に出てくる言葉です。
公式正解 4
肢1:誤り。近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域です(都市計画法9条9項)。
肢2:誤り。準工業地域は、主に環境悪化のおそれがない工業の利便を増進するための地域で、住居の環境の保護は定義に含まれません(9条11項)。
肢3:誤り。特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)に定めるものです(9条15項)。第一種低層住居専用地域には定められません。
肢4:正しい。高層住居誘導地区は、第一種・第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域で、容積率が10分の40又は10分の50と定められた区域に定めることができます(9条17項)。
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開発許可
問16 申請書の記載事項・軽微な変更・工事の廃止・同意していない土地所有者の建築
開発許可を受けた後の手続は、変更は許可、軽微な変更は届出、工事の廃止も届出です。「許可」と「届出」の入れ替えが典型的な誤りです。
公式正解 3
肢1:正しい。開発許可の申請書には、工事施行者(工事の請負人又は請負契約によらないで自らその工事を施行する者)を記載します(都市計画法30条1項4号)。
肢2:正しい。省令で定める軽微な変更なら許可は要らず、変更後に遅滞なく知事へ届け出れば足ります(35条の2第3項)。
肢3:誤り。開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく知事に届け出れば足ります(38条)。許可は要りません。
肢4:正しい。開発行為に同意していない土地の所有者は、工事完了の公告前でも、その権利の行使として建築物を建築できます(37条2号)。
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建築基準法
問17 劇場の直通階段・類似用途への用途変更・居室の換気・百貨店の階段の排煙設備
居室の採光は床面積の7分の1以上、換気は20分の1以上です。数字の入れ替えは建築基準法の典型的な出題です。
公式正解 3
肢1:正しい。劇場など客席を有する階が避難階以外の階にある場合、その階から避難階か地上へ通じる直通階段を2つ以上設ける必要があります(建築基準法施行令121条1項1号)。
肢2:正しい。映画館から演芸場への用途変更は、政令で定める類似の用途相互間の変更に当たるので、建築確認は要りません(87条1項、施行令137条の18)。
肢3:誤り。換気設備を設けていない居室の換気に有効な開口部の面積は、床面積の20分の1以上です(28条2項)。10分の1ではありません。
肢4:正しい。延べ面積500㎡を超える特殊建築物には排煙設備が必要ですが、階段の部分は設置が求められる部分から除かれています(施行令126条の2第1項)。
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建築基準法
問18 みなし道路の要件・準工業地域の道路斜線・第一種住居地域の畜舎・建蔽率の異なる地域にわたる敷地
道路斜線制限の適用距離は、用途地域の区分と容積率の組み合わせで決まります。準工業地域で容積率10分の40を超える場合は35mで、勾配は1.5です。
公式正解 2
肢1:誤り。条例の制定などで建築基準法が適用されるに至った際に現に建築物が立ち並んでいる道が道路とみなされるには、幅員4m未満で特定行政庁が指定したものであることが必要です(42条2項)。
肢2:正しい。準工業地域で容積率の限度が10分の40を超える場合、道路斜線制限の適用距離は35mで、前面道路の反対側の境界線までの水平距離に1.5を乗じた値以下としなければなりません(56条1項1号・別表第3)。
肢3:誤り。第一種住居地域では、別表第2(は)項に掲げる建築物以外の用途に供する部分の床面積が3,000㎡を超える建築物は建築できません。畜舎4,000㎡はこれに当たります。
肢4:誤り。敷地が建蔽率の異なる地域にわたる場合は、各地域の建蔽率の限度にその地域内の敷地の割合を乗じた合計(加重平均)が限度になります(53条2項)。過半の属する地域の制限によるのではありません。
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宅地造成等規制法
問19 規制区域外の工事・知事の報告徴取・資格者の設計・不正手段による許可の取消し
旧宅地造成等規制法の規制は、宅地造成工事規制区域の内側だけにかかっていました。区域外の工事に届出義務はありませんでした。
公式正解 1
肢1:誤り。宅地造成工事規制区域外で行われる宅地造成に関する工事について、工事着手前の届出義務は定められていませんでした。
肢2:正しい。知事は、規制区域内の宅地の所有者、管理者又は占有者に対し、その宅地や宅地で行われている工事の状況の報告を求めることができました(旧法19条)。
肢3:正しい。高さ5mを超える擁壁を設置する工事は、政令の資格を持つ者が設計しなければなりませんでした(旧法9条2項、旧施行令16条)。
肢4:正しい。偽りその他不正な手段により許可を受けた者に対して、知事は許可を取り消すことができました(旧法14条1項)。
令和8年度試験での注意 2023年5月26日施行の宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)で、規制区域は宅地造成等工事規制区域に改められ、その外側にも特定盛土等規制区域が設けられました。特定盛土等規制区域内の一定の工事は、着手の30日前までに届け出なければなりません(27条1項)。報告の徴取(25条)、高さ5m超の擁壁の資格者設計(13条2項、施行令21条)、不正手段による許可の取消し(20条1項)は現行法にもあります。
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土地区画整理法
問20 組合員の範囲・公共施設の定義・換地処分の登記所への通知・土地区画整理審議会
組合施行の土地区画整理事業では、施行地区内の宅地について所有権又は借地権を持つ者は、全員が組合員になります(土地区画整理法25条1項)。
公式正解 1
肢1:誤り。施行地区内の宅地について借地権のみを有する者も、その組合の組合員となります(25条1項)。
肢2:正しい。公共施設は、道路、公園、広場、河川のほか、政令で定める公共用の施設を指します(2条5項)。
肢3:正しい。換地処分の公告があったときは、施行者は直ちに、換地計画の区域を管轄する登記所へ通知します(107条1項)。
肢4:正しい。市町村施行の事業では、事業ごとに土地区画整理審議会が置かれ、換地計画、仮換地の指定、減価補償金の交付に関する事項について権限を行使します(56条1項・3項)。
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農地法
問21 抵当権の設定・賃貸借の解約申入れ・登記簿の地目と現況・市街化区域内の転用
農地法の許可が要るかどうかは、権利移動・転用の態様と、市街化区域内の特例で判断します。農地かどうかは登記簿の地目ではなく現況で決まります。
公式正解 4
肢1:誤り。抵当権の設定は、農地法3条の許可が必要な権利の設定・移転に当たりません。
肢2:誤り。農地の賃貸借の解約の申入れは、原則として都道府県知事の許可を受けなければなりません(18条1項)。
肢3:誤り。農地かどうかは現況で判断するので、登記簿上の地目が宅地でも、現況が農地なら農地法の規制を受けます。
肢4:正しい。市街化区域内の農地を転用する場合は、あらかじめ農業委員会に届け出れば、4条1項の許可は要りません(4条1項7号)。
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国土利用計画法
問22 地上権の設定と事後届出・遊休土地の計画届出・一団の土地の分割取得・勧告と公表
事後届出は、面積要件(都市計画区域外は10,000㎡以上など)を満たす対価のある権利の移転・設定で必要になります。分割して取得しても一団の土地として合計面積で判断します。
公式正解 1
肢1:正しい。都市計画区域外では10,000㎡以上の土地が対象で、対価を得て地上権を設定する契約も土地売買等の契約に当たるので、権利取得者Bは一定の場合を除き事後届出が必要です(国土利用計画法23条)。
肢2:誤り。遊休土地の通知を受けた者は、通知があった日から起算して6週間以内に、利用又は処分の計画を届け出なければなりません(29条1項)。1か月ではありません。
肢3:誤り。市街化調整区域の届出対象面積は5,000㎡以上で、一定の計画に従って分割取得した一団の土地の合計が5,000㎡なので、Dは事後届出が必要です。
肢4:誤り。勧告に従わない者について、知事はその旨と勧告の内容を公表することができます(26条)。公表は義務ではありません。
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宅建業法の解答・解説(20問)
37条書面、自ら売主制限、監督処分と罰則、免許、広告、報酬、供託所等の説明、媒介契約、重要事項説明、宅建士、保証協会、クーリング・オフ、住宅瑕疵担保履行法を横断します。問44は公式発表で2と3のどちらも正解とされました。
37条書面
問26 引渡しと移転登記の時期・既存建物の確認事項・借賃以外の金銭・宅建士の記名と説明
37条書面の記載事項は、売買と貸借で違います。既存建物の構造耐力上主要な部分等の確認事項は、売買・交換だけの記載事項です。
公式正解 3
肢1:誤り。売買の37条書面には、引渡しの時期と移転登記の申請の時期の両方を記載しなければなりません(37条1項4号・5号)。
肢2:誤り。既存建物の構造耐力上主要な部分等の状況について双方が確認した事項は、売買・交換の場合だけの記載事項で、貸借では記載を要しません(37条1項2号の2・2項)。
肢3:正しい。貸借で借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額、授受の時期、授受の目的を記載しなければなりません(37条2項3号)。
肢4:誤り。37条書面には宅建士の記名が必要ですが、その内容を宅建士に説明させる義務はありません。説明が義務付けられているのは35条の重要事項です。
令和8年度試験での注意 2022年5月18日施行の改正で、37条書面への宅建士の押印は不要になり、記名だけでよくなりました(37条3項)。相手方の承諾を得て電磁的方法で提供することもできます。説明の義務がない点は同じで、肢4は誤りのままです。
公式問題で問26を見る
自ら売主制限
問27 損害賠償額の予定・未完成物件の保全措置・手付の額の制限・保全措置がない場合の支払拒否
自ら売主制限では、2割を超える部分を無効とする損害賠償額の予定(38条)と、2割を超える受領そのものを禁止する手付(39条)で効果が違います。
公式正解 4
肢1:誤り。損害賠償額の予定と違約金の合計が代金の2割を超える特約は、2割を超える部分について無効になります(38条2項)。特約全体が無効になるわけではありません。
肢2:誤り。工事完了前の物件で使える保全措置は、銀行等による保証か保険事業者による保証保険です(41条1項)。指定保管機関との手付金等寄託契約は、完成物件の場合の方法です(41条の2)。
肢3:誤り。宅建業者が自ら売主となる場合、代金の2割を超える額の手付は、買主の承諾があっても受領できません(39条1項)。
肢4:正しい。宅建業者が必要な保全措置を講じないときは、買主は手付金等を支払わないことができます(41条4項)。
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監督処分と罰則
問28 不正手段による免許・免許の条件違反・報酬額の掲示・従業者名簿の虚偽記載
免許の取消しには、必ず取り消す場合(66条1項)と取り消すことができる場合(66条2項)があります。罰則は、行為者に加えて法人も罰する両罰規定まで確かめます。
公式正解 1
正しいものはアの一つで、正解は1です。
ア:正しい。不正の手段により免許を受けたときは、免許権者は免許を取り消さなければなりません(66条1項8号)。
イ:誤り。免許に付された条件に違反したときは、免許を取り消すことができるにとどまります(66条2項)。
ウ:誤り。報酬の額を掲示しないことは46条4項違反で、50万円以下の罰金の対象です(83条1項2号)。
エ:誤り。従業者名簿に虚偽の記載をすると、行為者のBが罰せられるだけでなく、両罰規定によりA(業者)も罰金刑を受けます(83条1項3号の2・84条2号)。
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免許の更新と廃業等の届出
問29 有効期間と更新申請の時期・更新中の従前の免許・死亡の届出の起算点・合併による消滅
廃業等の届出の期限は30日以内ですが、死亡の場合だけ、起算点が「その事実を知った日」になります(宅建業法11条1項)。
公式正解 3
肢1:正しい。免許の有効期間は5年で、更新の申請は有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に行います(3条2項、施行規則3条)。
肢2:正しい。有効期間の満了の日までに更新申請の処分がないときは、従前の免許は処分がされるまでの間なお効力を有します(3条4項)。
肢3:誤り。個人の宅建業者が死亡したときの相続人の届出は、死亡の事実を知った日から30日以内です(11条1項1号)。死亡の日から数えるのではありません。
肢4:正しい。法人が合併により消滅したときは、その法人を代表する役員であった者が、その日から30日以内に届け出ます(11条1項2号)。
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広告
問30 取引態様の明示・建築確認申請中の広告・おとり広告・免許取消し後の取引の結了
広告の規制は、広告をした時点で違反が成立します。問合せや取引がなかったことは、違反の成否に影響しません。
公式正解 3
肢1:誤り。広告をするときは取引態様の別を明示しなければならず(34条1項)、問合せがなく契約に至らなくても違反です。
肢2:誤り。工事完了前の建物は、建築確認を受けた後でなければ広告できません(33条)。「建築確認申請済」と明示しても同じです。
肢3:正しい。売る意思のない物件で客を集めるおとり広告は、誇大広告等の禁止(32条)に違反し、売買が成立しなくても監督処分の対象です。
肢4:誤り。免許取消し後に宅建業者とみなされるのは、取消し前に締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内です(76条)。広告をしていただけでは当たりません。
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報酬
問31 居住用建物の貸借の媒介・店舗の貸借の合計額・権利金を基にした計算・広告料
貸借の報酬は、居住用か店舗かで依頼者一方から受けられる額が変わります。居住用以外で権利金の授受があるときは、権利金を売買代金とみなして計算した額と比べます。
公式正解 2
誤っているものはウとエの二つで、正解は2です。
ア:正しい。居住用建物の貸借の媒介では、依頼を受けるに当たって承諾を得ている場合を除き、依頼者の一方から受けられる報酬は借賃の0.5か月分(消費税を含め44,000円)以内です。
イ:正しい。貸借の場合、依頼者双方から受ける報酬の合計は借賃の1か月分(消費税を含め88,000円)以内で、代理と媒介の業者が分け合う場合も同じです。
ウ:誤り。店舗で権利金200万円の授受がある場合、200万円を売買代金とみなすと、一方から11万円、双方の合計で22万円(いずれも消費税込み)まで受けられます。合計11万円が上限ではありません。
エ:誤り。依頼者の依頼によらない通常の広告の料金は、報酬とは別に受け取ることはできません。別に受けられるのは、依頼者の依頼による特別な広告の料金です。
令和8年度試験での注意 2024年7月1日施行の報酬告示の改正で、長期間使用されていない空家等の貸借の媒介・代理には報酬の特例が設けられました。この問の店舗・居住用建物には当てはまらず、正誤は変わりません。
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供託所等の説明
問32 書面交付の要否・業者間取引・説明の時期・保証協会の社員が説明する事項
供託所等の説明(35条の2)は、契約が成立するまでに、宅建業者ではない相手方に行います。書面の交付までは義務付けられていません。
公式正解 1
肢1:正しい。供託所等の説明は書面の交付が義務付けられていませんが、重要事項説明書に記載して説明することが望ましいとされています。
肢2:誤り。相手方が宅建業者の場合は、供託所等の説明は不要です(35条の2)。
肢3:誤り。供託所等の説明は、契約が成立するまでの間に行います。契約成立後ではありません。
肢4:誤り。保証協会の社員である業者は、社員である旨、保証協会の名称・住所・事務所の所在地、弁済業務保証金の供託所とその所在地を説明します。営業保証金の供託所ではありません。
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媒介契約
問33 業務処理状況の報告・指定流通機構への登録・一般媒介の書面・価額の意見の根拠
専任媒介と専属専任媒介の違いは、報告の頻度(2週間に1回以上と1週間に1回以上)と登録期限(7日以内と5日以内)です。媒介契約書の交付と価額の根拠の明示は、一般媒介でも必要です。
公式正解 2
正しいものはウとエの二つで、正解は2です。
ア:誤り。専任媒介契約の業務処理状況の報告は、2週間に1回以上です(34条の2第9項)。1週間に1回以上は専属専任媒介契約の場合です。
イ:誤り。専任媒介契約では、契約締結日から7日以内(休業日を除く)に指定流通機構に登録しなければならず、登録しない旨の特約は無効です。
ウ:正しい。媒介契約書の作成・交付義務は一般媒介契約にも適用されます(34条の2第1項)。
エ:正しい。価額について意見を述べるときは根拠を明らかにしなければならず(34条の2第2項)、根拠の明示は口頭でも書面でもよいとされています。
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宅地・建物の定義
問34 宅地の範囲・建物の一部の取引・公共的施設と建物・地目と宅地
宅建業法の宅地は、現に建物の敷地に供されている土地だけでなく、建物の敷地に供する目的で取引される土地と、用途地域内の土地(道路・公園などを除く)を含みます。
公式正解 1
肢1:正しい。宅地は建物の敷地に供せられる土地をいい、用途地域内の土地でも道路、公園、河川、広場、水路の用に供せられているものは除かれます(2条1号、施行令1条)。
肢2:誤り。建物の一部の売買の代理を業として行うことも宅建業に当たります。
肢3:誤り。学校、病院、官公庁施設などの公共的な施設も、宅建業法上の建物に当たります。
肢4:誤り。宅地には、現に建物の敷地に供されている土地だけでなく、建物の敷地に供する目的で取引される土地も含まれます。地目や現況だけで判断するのではありません。
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重要事項の説明
問35 ITを活用した説明と宅建士証・説明の時期・書面への記名・業者が買主の場合
相手方が宅建業者の場合は重要事項の説明を省略できますが、重要事項説明書の交付は省略できません(35条6項)。
公式正解 4
肢1:誤り。ITを活用して重要事項を説明する場合も、宅建士証を画面上で提示し、相手方が視認できたことを確認する必要があります。承諾があっても省略できません。
肢2:誤り。重要事項説明書は、契約が成立するまでの間に交付して説明します(35条1項)。契約成立後に遅滞なく交付するのは37条書面です。
肢3:誤り。重要事項説明書に記名(出題時は記名押印)するのは宅建士で、専任である必要はありません。契約の各当事者が記名押印する必要もありません。
肢4:正しい。買主が宅建業者であっても、重要事項説明書は交付しなければなりません。省略できるのは説明だけです(35条6項)。
令和8年度試験での注意 2022年5月18日施行の改正で、重要事項説明書への宅建士の押印は不要になり、記名だけでよくなりました(35条5項)。相手方の承諾を得て電磁的方法で提供することもできます。肢1〜4の正誤は変わりません。
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免許
問36 破産手続開始の届出・免許換え申請中の業務・有効期間満了と免許証の返納・1年以上の休止
必ず免許を取り消さなければならない事由(66条1項)には、免許を受けてから1年以内の事業不開始と、引き続き1年以上の休止が含まれます。
公式正解 4
肢1:誤り。破産手続開始の決定があったときに届け出るのは破産管財人です(11条1項3号)。代表役員ではありません。
肢2:誤り。免許換えの申請中も従前の免許は有効なので、重要事項説明書や37条書面を交付して業務を行えます。
肢3:誤り。有効期間が満了して免許が効力を失ったときは、免許証の返納義務はありません。返納が必要なのは、免許換えで免許が効力を失ったときや免許を取り消されたときなどです(施行規則4条の4)。
肢4:正しい。引き続いて1年以上事業を休止したときは、免許権者は免許を取り消さなければなりません(66条1項6号)。
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宅地建物取引士
問37 登録の移転・資格登録簿と業者名簿の閲覧・罰金刑と登録欠格・未成年者の登録
登録の移転は、他の都道府県の事務所に勤務する場合に「申請することができる」任意の手続です。義務と誤解させる肢がよく出題されます。
公式正解 2
肢1:誤り。他の都道府県に所在する事務所に従事する場合でも、登録の移転は申請することができるだけで、義務ではありません(19条の2)。
肢2:正しい。宅建士資格登録簿は一般の閲覧に供されませんが、宅建業者名簿には事務所ごとの専任の宅建士の氏名が登載され、名簿は一般の閲覧に供されます。
肢3:誤り。傷害罪で罰金刑に処せられた者が登録を受けられないのは、刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年間です(18条1項7号)。登録が消除された日から数えるのではありません。
肢4:誤り。宅建業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は、成年に達する前でも登録を受けることができます(18条1項1号)。
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宅建業法の規制の組合せ
問38 貸借の媒介と広告開始時期・貸借の代理と契約締結時期・業者間の他人物売買・停止条件付きの取得
広告開始時期の制限(33条)は貸借にも適用されますが、契約締結時期の制限(36条)は売買・交換だけです。自己の所有に属しない物件の売買の制限は、業者間取引には適用されません。
公式正解 3
違反しないものはイとウで、正解は3です。
ア:違反する。建築確認を受ける前の建物は、貸借の媒介であっても広告することができません(33条)。
イ:違反しない。契約締結時期の制限(36条)は売買・交換に限られるので、建築確認前でも貸借の代理として賃貸借契約を締結できます。
ウ:違反しない。自己の所有に属しない宅地の売買契約の制限(33条の2)は、買主が宅建業者の場合には適用されません(78条2項)。
エ:違反する。農地法5条の許可を条件とする売買契約は停止条件付きの契約なので、取得が確実とはいえず、宅建業者ではない個人と売買契約を締結することはできません(33条の2)。
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保証協会
問39 名称等の変更の届出・新規加入の報告・分担金の納付時期・苦情解決への協力
保証協会の弁済業務保証金分担金は、加入しようとする日までに納付します。営業保証金の供託とは時期の決まり方が違います。
公式正解 3
肢1:正しい。保証協会が名称・住所・事務所の所在地を変更するときは、事前に国土交通大臣への届出が必要です。
肢2:正しい。新たな社員の加入があれば、保証協会は直ちにその社員の免許権者へ報告します(64条の4第2項)。
肢3:誤り。保証協会に加入しようとする者は、加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を納付しなければなりません(64条の9第1項1号)。加入後1週間以内ではありません。
肢4:正しい。保証協会から苦情の解決について説明や資料の提出を求められた社員は、正当な理由がある場合でなければ拒めません(64条の5第3項)。
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37条書面
問40 複数業者の関与と記名・契約不適合責任の特約・自ら買主の場合・自ら貸主の場合
37条書面は、取引に関与したすべての宅建業者に交付義務があります。一方で、宅建業者が自ら貸主となる賃貸借は宅建業に当たらず、37条の義務はありません。
公式正解 2
肢1:誤り。売主Aも媒介業者Bも37条書面の交付義務を負い、それぞれ宅建士に記名(出題時は記名押印)させなければなりません。
肢2:正しい。契約不適合を担保すべき責任に関する特約があるときは、その内容を37条書面に記載し、売主と買主の双方に交付しなければなりません(37条1項11号)。
肢3:誤り。自ら買主となる場合も、売主Fに37条書面を交付しなければなりません。
肢4:誤り。自ら貸主となる賃貸借は宅建業に当たらないので、37条書面を作成・交付する義務はありません。
令和8年度試験での注意 2022年5月18日施行の改正で、37条書面への宅建士の押印は不要になり、記名だけでよくなりました(37条3項)。関与したすべての業者に記名の義務がある点は同じで、正誤は変わりません。
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宅地建物取引士の設置
問41 申込みを受けない案内所・専任の宅建士の補充・申込みのみを受ける案内所・未成年の宅建士
専任の宅建士を置く義務がある案内所は、契約を締結し、又は契約の申込みを受ける場所に限られます(宅建業法施行規則15条の5の2)。
公式正解 1
肢1:誤り。契約を締結せず、申込みも受けない案内所には、専任の宅建士を置く必要はありません。
肢2:正しい。専任の宅建士が不足したときは、2週間以内に必要な措置を執らなければなりません(31条の3第3項)。
肢3:正しい。申込みのみを受ける案内所にも、1名以上の成年者である専任の宅建士を置かなければなりません。
肢4:正しい。専任の宅建士は成年者でなければならず、成年者とみなされる例外は役員が宅建士である場合です(31条の3第2項)。出題時の成年年齢は20歳でした。
令和8年度試験での注意 2022年4月1日から成年年齢は18歳です。令和8年度試験では、18歳・19歳の宅建士は成年者として専任の宅建士になれるので、「20歳未満」を一律に専任になれないとする肢4は現行法では誤りになります。
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37条書面(貸借)
問42 借賃以外の金銭・建物の維持保全の書類・契約の解除・天災等による損害の負担
既存建物の貸借の37条書面と、売買の35条書面・37条書面の記載事項を混ぜた設問です。設計図書などの保存の状況は、売買・交換の重要事項説明の事項です。
公式正解 3
記載が必要なものはア・ウ・エの三つで、正解は3です。
ア:必要。借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額と授受の時期・目的を記載します(37条2項3号)。
イ:不要。設計図書、点検記録などの建物の建築・維持保全の状況に関する書類の保存の状況は、既存建物の売買・交換の重要事項説明の事項で(35条1項6号の2ロ)、貸借の37条書面の記載事項ではありません。
ウ:必要。契約の解除に関する定めがあるときは、その内容を記載します(37条2項1号・1項7号)。
エ:必要。天災などの不可抗力による損害の負担について定めがあれば、その内容を記載します(37条2項1号・1項10号)。
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クーリング・オフ
問43 書面によらない告知・期間を延ばす特約・発信主義・事務所での申込み
クーリング・オフができるかは、買受けの申込みをした場所で決まります。8日間の期間は、クーリング・オフについて書面で告げられた日から数えます。
公式正解 1
肢1:誤り。仮設テント張りの案内所での申込みはクーリング・オフの対象で、8日間の期間は書面で告げられた日から起算します。口頭で告げられただけでは期間が進行しないので、引渡しを受けて代金を全額支払うまでは解除できます。
肢2:正しい。解除できる期間を14日間とする特約は買主に有利なので有効です(37条の2第4項)。12日後でも解除できます。
肢3:正しい。クーリング・オフによる解除は書面を発した時に効力を生じます(37条の2第2項)。8日目に発信していれば、到達が10日目でも解除の効力が生じます。
肢4:正しい。宅建業者の事務所で買受けの申込みをした場合は、契約を喫茶店で締結しても、クーリング・オフはできません。
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重要事項の説明
問44 水害ハザードマップ上の位置・既存住宅の建物状況調査・契約不適合責任の履行の措置
公式発表では、設問文アの誤植(「第1号」を「第1項」と表記)のため、アの正誤を問わない扱いとされました。イとウが正しいことを確定できれば、正解の2又は3にたどり着けます。
公式正解 2又は3(複数正解)
公式発表では、問44は2と3のどちらも正解として扱われました。イ・ウは正しく、アを正しいと読むと三つ、アを除くと二つになります。
ア:公式発表では正誤を問わない扱い。条文の番号を正しく読めば、水防法施行規則11条1号の図面(水害ハザードマップ)における宅地・建物の所在地は、売買・交換だけでなく貸借でも説明事項です(宅建業法施行規則16条の4の3第3号の2)。
イ:正しい。既存住宅の貸借でも、建物状況調査を実施しているかどうかと、実施している場合の結果の概要は説明事項です(35条1項6号の2イ)。
ウ:正しい。建物の売買では、契約不適合責任の履行に関し保証保険契約の締結などの措置を講じるかどうかと、講じる場合の措置の概要を説明しなければなりません(35条1項13号)。
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住宅瑕疵担保履行法
問45 資力確保措置の免除・届出をしない場合の契約締結制限・保険金額・保険金の直接請求
新築住宅の売主である宅建業者は、買主の承諾があっても資力確保措置(供託又は保険)を省略できません。買主が宅建業者でない限り、義務は当然に生じます。
公式正解 4
肢1:誤り。宅建業者ではない買主に新築住宅を引き渡した売主は、買主の承諾があっても、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は保険契約の締結を省略できません。
肢2:誤り。基準日に係る届出をしなかった場合、新たな売買契約を締結できなくなるのは、基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後です(13条)。1か月ではありません。
肢3:誤り。保険金額は2,000万円以上でなければならず、買主の承諾があっても減らすことはできません。
肢4:正しい。売主が相当の期間を経過しても瑕疵担保責任を履行しないときは、買主は保険の有効期間内であれば、保険法人に直接、損害の填補を請求できます(2条7項2号ロ)。
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住宅・統計・土地建物の解答・解説(5問)
住宅金融支援機構、不動産の表示に関する公正競争規約、統計、土地、建物の構造を扱います。
住宅金融支援機構
問46 子育て・高齢者向け賃貸住宅・災害復興・証券化支援の対象・マンション共用部分
機構は直接融資を原則として行いませんが、災害復興や子育て・高齢者向け賃貸住宅、マンション共用部分の改良など、政策上の必要がある分野では例外的に貸付けを行います。
公式正解 1
肢1:誤り。機構は、子どもを育成する家庭や高齢者の家庭に適した良好な居住性能・居住環境を有する賃貸住宅の建設等に必要な資金の貸付けを業務として行っています(独立行政法人住宅金融支援機構法13条1項)。
肢2:正しい。災害により住宅が滅失した場合の代わりの建築物の建設・購入に必要な資金の貸付けは、機構の業務です(13条1項)。
肢3:正しい。買取型の証券化支援事業で譲り受ける貸付債権は、自ら居住する住宅か、親族の居住の用に供する住宅を建設・購入する者への貸付けに係るものです。
肢4:正しい。管理組合や区分所有者にマンションの共用部分の改良資金を貸し付けることも、機構の業務です(13条1項)。
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不動産の広告表示
問47 商業施設の表示・物件名称に使える旧跡・土地の価格・修繕積立金
不動産の表示に関する公正競争規約では、全戸の額を示すのが難しいとき、管理費や修繕積立金は最低額と最高額で表示します。平均額での表示は認められていません。
公式正解 4
肢1:誤り。商業施設は、工事中であるなど将来確実に利用できると認められるものであれば、整備予定時期を明示して表示することができます。
肢2:誤り。物件の名称に旧跡などの名称を使えるのは、その施設から直線距離で1,000m以内に所在する場合です。1,100mの地点では使えません。
肢3:誤り。土地の価格は1区画当たりの価格で表示し、1区画当たりの面積を明らかにして算出する場合に限り、1㎡当たりの価格で表示できます。両方の表示が常に必要なわけではありません。
肢4:正しい。修繕積立金が住戸により異なり全戸の額を示すことが困難なときは、最低額及び最高額のみで表示でき、平均額で表示することはできません。
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統計
問48 宅建業者数・令和3年地価公示・土地白書の土地利用・マンション着工戸数
令和3年地価公示は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた最初の公示で、住宅地と商業地が下落に転じる一方、工業地は上昇を続けました。
公式正解 4
肢1:誤り。令和3年版国土交通白書によると、令和元年度末の宅建業者数は約12万5千業者で、10万業者を上回っています。
肢2:誤り。令和3年地価公示の全国平均では、住宅地と商業地は下落に転じましたが、工業地は上昇が続きました。全用途が下落したわけではありません。
肢3:誤り。令和3年版土地白書によると、令和元年の国土面積約3,780万haのうち、森林は約2,500万ha、農地は約440万ha、宅地は約197万haです。宅地と農地の合計は森林を大きく下回ります。
肢4:正しい。令和2年のマンション着工戸数は、三大都市圏計とその他の地域のいずれも前年を下回りました。
令和8年度試験での注意 統計は毎年差し替わります。令和8年度試験では、2026年の地価公示、2025年の建築着工統計など、試験の直前に公表された数値で確かめます。
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土地の災害リスク
問49 津波と防波堤・崩壊しやすい地質・低地の利用・丘陵地の開発
マサ土化した花崗岩、凝灰岩、頁岩は、風化して崩れやすい地質です。土地の問題では、地質の名前と崩壊のしやすさの組み合わせが繰り返し出題されます。
公式正解 2
最も不適当なのは2です。
肢1:適当。巨大な防波堤を造っても限度があり、津波の襲来を完全に防ぐことはできません。
肢2:不適当。凝灰岩、頁岩、風化してマサ土化した花崗岩は、崩壊しやすい地質です。崩壊しにくいわけではありません。
肢3:適当。低地は大部分が水田や宅地として利用され、大都市の大部分も低地に立地しています。
肢4:適当。平地の乏しい都市の周辺では、住宅地が丘陵や山麓に広がり、土砂崩壊などの災害を引き起こす例が多くみられます。
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建物の構造
問50 組積式構造の性能・耐震化・補強コンクリートブロック造の位置付けと用途
補強コンクリートブロック造は、組積式構造を鉄筋で補強したもので、壁量を多く必要とします。住宅などの小規模な建物に使われています。
公式正解 4
最も不適当なのは4です。
肢1:適当。組積式構造は耐震性に劣りますが、熱や音を遮断する性能に優れています。
肢2:適当。組積式構造を耐震的にするには、大きな開口部を避け、壁厚を大きくする必要があります。
肢3:適当。補強コンクリートブロック造は組積式構造の一種で、コンクリートブロック造を鉄筋コンクリートで耐震的に補強したものです。
肢4:不適当。補強コンクリートブロック造は壁量を多く必要とし、住宅などの小規模な建物にも使われています。
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