権利関係の解答・解説(10問)
民法の条文の有無、制限行為能力者、不動産物権変動、抵当権、債権譲渡、売主の担保責任、賃借物の一部滅失と使用者責任、転貸借、説明義務違反の判決文、相続の承認を扱います。2020年4月施行の改正民法の前の出題なので、条文の有無・錯誤・債権譲渡・担保責任などは各問の注意で改正後の扱いを示します。
民法の条文の有無
問1 法定利率・敷金の充当・免責的債務引受・第三者のためにする契約
平成28年度は、出題時点(2016年4月1日)の民法に条文があるものを選ぶ問題でした。肢1〜3は、2020年4月施行の改正民法で初めて条文になった内容です。
公式正解 4
出題時の民法に規定されていたのは4です。
肢1:規定されていなかった。出題時の法定利率は年5%でした(旧404条)。年3%を基本とする変動制は、2020年の改正で導入されました(404条)。
肢2:規定されていなかった。敷金を未払賃料の弁済に充てられることは判例・実務で認められていましたが、条文(622条の2第2項)ができたのは2020年の改正です。
肢3:規定されていなかった。免責的債務引受は判例上認められていましたが、債権者と引受人の契約でできる旨の条文(472条2項)は2020年の改正で新設されました。
肢4:規定されていた。第三者のためにする契約で、第三者が債務者に直接給付を請求できることは、出題時から537条1項に定められていました。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、肢1〜3の内容も条文になりました(404条、622条の2、472条)。現行法では4つとも規定があるため、出題時の民法で解いた正解として読んでください。
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制限行為能力者
問2 営業の許可・保佐人の同意・居住用不動産の処分・詐術
制限行為能力者が単独でできる行為と、保護者の同意や家庭裁判所の許可が必要な行為を区別します。詐術を用いた制限行為能力者は、その行為を取り消せません(21条)。
公式正解 4
肢1:誤り。営業を許された未成年者が成年者と同一の行為能力をもつのは、許された営業に関してだけです(6条1項)。古着の仕入販売と関係のない自宅用の建物の購入は取り消すことができます。
肢2:誤り。贈与の申込みを拒絶することも、保佐人の同意が必要な行為に含まれています(13条1項7号)。
肢3:誤り。成年被後見人の居住用の建物を売却するには、家庭裁判所の許可が必要です(859条の3)。後見監督人の許可だけでは足りません。
肢4:正しい。被補助人が詐術を用いて相手方に補助人の同意があると信じさせたときは、その行為を取り消すことができません(21条)。
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不動産物権変動
問3 二重譲渡・詐欺取消し前の第三者・背信的悪意者・錯誤
不動産の二重譲渡は登記の先後で決まりますが、もっぱら相手を害する目的で買い受けた背信的悪意者は、登記がないことを主張する正当な利益をもたない第三者として扱われます。
公式正解 3
肢1:誤り。二重譲渡の譲受人どうしは、先に登記を備えた方が優先します(177条)。登記のないCは、Bに所有権を主張できません。
肢2:誤り。詐欺による取消しは、取消し前の善意の第三者に対抗できません(出題時の96条3項)。Dが詐欺の事実を知っていたなら、AはDに所有権を主張できます。
肢3:正しい。Bに高値で売りつける目的で買い受けたEは背信的悪意者に当たり、登記を備えていてもBに所有権を主張できません(判例)。
肢4:誤り。錯誤を主張できるのは表意者Bの側で、相手方Aが錯誤を理由に契約を否定することはできません。出題時の民法では、錯誤の効果は取消しではなく無効でした。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、錯誤の効果は取消しに改められ(95条)、詐欺による取消しから保護される第三者は善意かつ無過失の者に限られました(96条3項)。この問の正解は変わりません。
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抵当権
問4 法定地上権・物上代位の対象・順位の変更・抵当権消滅請求
抵当権の効力が及ぶ範囲と、抵当権者・第三取得者の権利を確かめる問題です。物上代位は、抵当権の目的物の価値代替物について認められます。
公式正解 2
肢1:正しい。抵当権設定当時、土地と建物が同じ所有者に属していたので、競売により法定地上権が成立し(388条)、建物の譲受人Cは明渡しを拒めます。
肢2:誤り。Bの抵当権の目的は甲土地なので、土地上の建物の火災保険金に対して物上代位をすることはできません。
肢3:正しい。抵当権の順位の変更は、各抵当権者の合意(利害関係人があればその承諾)でき、設定者Aの同意は不要です。登記をしなければ効力を生じません(374条)。
肢4:正しい。抵当不動産の第三取得者Fは、383条の書面を送付して抵当権消滅請求をすることができます(379条)。
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債権譲渡
問5 譲渡禁止特約と転得者・異議をとどめない承諾・将来債権・相殺
出題時の民法による債権譲渡の問題です。譲渡禁止特約は善意(無重過失)の転得者に対抗できず、将来債権も特定されていれば譲渡できます。
公式正解 3
肢1:誤り。特約について悪意の譲受人Cからさらに譲り受けた転得者Dが、重大な過失なく特約を知らなかった場合は、BはDに特約を対抗できません(判例)。
肢2:誤り。通知が到達していなくても、債務者Bの承諾があれば債権譲渡を対抗できます(467条1項)。異議をとどめない承諾をしたBは、弁済を拒めません。
肢3:正しい。将来発生する債権でも、種類・金額・期間などで特定されていれば、特段の事情がない限り譲渡は有効です(最判平成11年1月29日)。
肢4:誤り。譲渡の通知を受ける前に取得した反対債権であれば、債務者Bはその後に相殺の意思表示をして譲受人Cに対抗できます(判例)。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、譲渡制限特約があっても譲渡は有効とされ(466条2項)、異議をとどめない承諾の制度は廃止されました。将来債権の譲渡(466条の6)や相殺(469条)も条文になりましたが、この問の正解は変わりません。
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売主の担保責任
問6 他人物売買と抵当権付き不動産の売買(出題時の民法)
出題時の民法では、他人物売買で権利を移転できないとき、悪意の買主は解除できるが損害賠償は請求できず、抵当権の実行で所有権を失ったときは、悪意の買主でも解除と損害賠償の請求ができました。
公式正解 3
出題時の民法で誤っているのは3です。
肢1:正しい(出題時)。他人物売買で売主が権利を移転できないとき、悪意の買主は損害賠償を請求できませんでした(旧561条)。
肢2:正しい。悪意の買主でも、契約を解除することはできました(旧561条)。
肢3:誤り。抵当権の実行で所有権を失った買主は、抵当権の存在を知っていても損害賠償を請求できました(旧567条3項)。
肢4:正しい。抵当権の実行で所有権を失ったときは、悪意の買主でも契約を解除できました(旧567条1項)。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、売主の担保責任は契約不適合責任と債務不履行の一般規定に整理されました。現行法では、他人物売買で権利を移転できない場合も債務不履行として損害賠償を請求できる余地があり、肢1も誤りとなります。出題時の民法で解いた正解として読んでください。
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賃借物の一部滅失と使用者責任
問7 賃料の減額・残部での解除・使用者の求償の制限
第三者の事故で賃借建物の一部が壊れた場面です。賃借人に落ち度のない一部滅失では賃料の減額と解除が認められ、使用者の被用者への求償は信義則上相当な限度に制限されることがあります。
公式正解 3
3つの記述はすべて正しく、正解は3です。
ア:正しい。賃借人の過失によらずに賃借物の一部が滅失したときは、滅失した部分の割合に応じて賃料の減額を請求できました(出題時の611条1項)。
イ:正しい。残りの部分だけでは賃借の目的を達成できないときは、賃借人は契約を解除できます(611条2項)。
ウ:正しい。被害者に賠償した使用者Cは被用者Dに求償できますが、その範囲は信義則上相当と認められる限度に制限されることがあります(最判昭和51年7月8日)。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、賃借物の一部が使用できなくなった場合の賃料は、請求を待たずに当然に減額されることになりました(611条1項)。この問の正解は変わりません。
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転貸借
問8 賃料不払いによる解除と転借人・直接請求・債務不履行解除・合意解除
適法な転貸借では、転借人は賃貸人に直接義務を負います。賃料不払いによる解除に転借人への催告は不要で、合意解除は転借人に対抗できません。
公式正解 1
肢1:誤り。賃借人の賃料不払いを理由に解除する場合、転借人に支払の機会を与えるための催告は不要です(最判昭和37年3月29日)。
肢2:正しい。転借人Cは賃貸人Aに対して直接義務を負うので、Aは賃借人Bとの賃料(月10万円)の範囲でCに直接支払を請求できます(613条1項)。
肢3:正しい。賃借人の債務不履行による解除は転借人に対抗でき、Aは転借人Cに明渡しを求めることができます(判例)。
肢4:正しい。賃貸借を合意解除しても、特段の事情がない限り転借人に対抗できず、当然には明渡しを求められません(判例)。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、合意解除を転借人に対抗できないことが条文になりました(613条3項)。この問の正解は変わりません。
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説明義務違反の責任(判決文)
問9 不法行為責任の消滅時効・相殺の禁止・債務不履行責任の否定
判決文は、契約締結前の説明義務違反による責任は不法行為責任であり、契約上の債務不履行責任ではないとしています(最判平成23年4月22日)。不法行為の規定に当てはめて各肢を判断します。
公式正解 2
肢1:正しい。不法行為による損害賠償請求権は、被害者が損害及び加害者を知った時から3年で時効により消滅します(724条)。
肢2:誤り。損害を知らない場合の期間制限は、売買契約からではなく不法行為の時から20年でした(出題時の724条後段)。10年ではありません。
肢3:正しい(出題時)。不法行為による損害賠償債務の債務者(加害者である売主)は、その債務を受働債権として相殺できませんでした(出題時の509条)。
肢4:正しい。判決文は、説明義務違反による責任を不法行為責任とし、債務不履行による賠償責任は負わないとしています。
令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、不法行為の20年は時効期間とされ、人の生命・身体の侵害では「知った時から5年」に延長されました(724条、724条の2)。相殺の禁止も悪意による不法行為と生命・身体の侵害に限られたため(509条)、現行法では肢3は常に正しいとはいえません。
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相続の承認
問10 保存行為・相続財産の処分・限定承認・熟慮期間
相続人が相続財産を処分すると単純承認とみなされますが、保存行為は除かれます。熟慮期間は、相続の開始を知った時から3か月です。
公式正解 4
肢1:正しい。不法占拠者への明渡請求は保存行為なので、単純承認とはみなされません(921条1号ただし書)。
肢2:正しい。相続財産である未払賃料を取り立てて受け取ることは相続財産の処分に当たり、単純承認とみなされます(判例)。
肢3:正しい。限定承認は共同相続人の全員が共同でしなければならないので、Cが単純承認したときは、Bは限定承認できません(923条)。
肢4:誤り。熟慮期間の3か月は、自己のために相続の開始があったことを知った時から起算します(915条1項)。開始を知らない間に単純承認とはみなされません。
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借地借家・登記の解答・解説(4問)
借地権の対抗要件と定期借地権、借家の更新と正当事由・造作買取・定期建物賃貸借、区分所有法の管理者、不動産登記の申請義務を扱います。
借地権
問11 借地権の対抗要件・登記の軽微な相違・定期借地権・建物買取請求権
借地上の建物の登記は借地人本人の名義が必要ですが、地番や床面積の軽微な相違は対抗力を妨げません。居住用の30年の借地で、期間満了時に建物を収去する特約は認められません。
公式正解 1
肢1:正しい。建物の登記が子C名義であれば、借地権を土地の譲受人Dに対抗できません(最大判昭和41年4月27日)。
肢2:誤り。登記上の所在地番や床面積に多少の相違があっても、建物の同一性が認識できれば対抗力があります(判例)。
肢3:誤り。居住用建物の借地で更新がない定期借地とするには、存続期間50年以上の一般定期借地権(借地借家法22条)にする必要があります。期間30年では設定できません。
肢4:誤り。地代不払いによる債務不履行解除の場合は、建物買取請求権は認められません(判例)。
公式問題で問11を見る
借家権
問12 法定更新・正当事由と立退料・転借人の造作買取請求・定期建物賃貸借の通知
期間の定めのある借家は、期間満了前の通知がなければ法定更新されます。立退料の申出は正当事由を補完する事情の一つにすぎず、それだけで正当事由が認められるわけではありません。
公式正解 2
肢1:正しい。期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶の通知をしなければ、同一条件で更新したものとみなされ、期間の定めのないものになります(26条1項)。
肢2:誤り。財産上の給付(立退料)の申出は、正当事由の判断で考慮される事情の一つです(28条)。一定額以上を申し出れば正当事由があるとみなされるわけではありません。
肢3:正しい。賃貸人の同意を得て付加した造作については、適法な転借人も、期間満了時に賃貸人に時価での買取りを請求できます(33条)。
肢4:正しい。期間1年以上の定期建物賃貸借では、期間満了の1年前から6か月前までに終了の通知をしなければ、終了を借主に対抗できません(出題時の38条4項)。
令和8年度試験での注意 2022年5月の改正で借地借家法38条に電磁的記録に関する項が加わり、定期建物賃貸借の終了の通知の規定は38条6項になりました。この問の正解は変わりません。
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区分所有法
問13 管理者の事務報告・管理所有・管理者の資格・共用部分の持分
区分所有法の管理者は、規約に定めがあれば共用部分を所有でき(管理所有)、区分所有者でなくても選任できます。共用部分の持分は、専有部分の床面積の割合によります。
公式正解 2
肢1:誤り。管理者は、集会で毎年1回一定の時期に事務の報告をしなければなりません(43条)。年2回ではありません。
肢2:正しい。規約に特別の定めを置けば、管理者が共用部分の所有者となる管理所有が認められます(27条1項)。
肢3:誤り。管理者は自然人でも法人でもよく、区分所有者である必要もありません。
肢4:誤り。各共有者の共用部分の持分は、規約に別段の定めがない限り、専有部分の床面積の割合によります(14条1項)。
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不動産登記法
問14 保存登記の申請義務・登記できる権利・滅失の登記・区分建物の保存登記
表示に関する登記(表題登記や滅失の登記)には申請義務がありますが、所有権の保存登記には申請義務がありません。区分建物は、表題部所有者から所有権を取得した者も保存登記を申請できます。
公式正解 1
肢1:誤り。1か月以内の申請義務があるのは表題登記です(47条1項)。所有権の保存の登記には申請義務がありません。
肢2:正しい。抵当権も賃借権も、登記することができる権利です(3条)。
肢3:正しい。建物の滅失の登記は、表題部所有者や所有権の登記名義人が、滅失の日から1か月以内に申請する義務を負います(57条)。
肢4:正しい。区分建物では、表題部所有者から所有権を取得した者も、所有権の保存の登記を申請できます(74条2項)。
令和8年度試験での注意 2024年4月から、相続により不動産を取得した相続人に相続登記の申請義務(知った日から3年以内)が課されました(76条の2)。所有権の保存の登記に申請義務がない点は変わらず、この問の正解も変わりません。
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法令上の制限の解答・解説(8問)
国土利用計画法の事後届出、都市計画、開発許可、建築基準法の防火・用途・形態、宅地造成等規制法、土地区画整理法、農地法を扱います。宅地造成等規制法は2023年に盛土規制法へ改められました。
国土利用計画法の事後届出
問15 届出期限・監視区域・一団の土地・届出の時期
事後届出は、一定面積以上の土地売買等の契約をした権利取得者が、契約締結日から起算して2週間以内に行います。面積要件は、市街化区域2,000㎡以上、その他の都市計画区域5,000㎡以上、都市計画区域外10,000㎡以上です。
公式正解 3
肢1:誤り。事後届出の期限は、契約を締結した日から起算して2週間以内です。3週間ではありません。
肢2:誤り。監視区域内では事前届出が必要で、事後届出の対象にはなりません。また、事後届出を行うのは権利取得者だけです。
肢3:正しい。都市計画区域外で一団の土地の合計11,000㎡を購入したので、10,000㎡以上となり事後届出が必要です。
肢4:誤り。事後届出は契約ごとに、締結日から2週間以内に行わなければならず、後の契約とまとめて届け出ることはできません。
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都市計画法
問16 施行予定者・準都市計画区域・高度利用地区・地区計画
都市計画の種類ごとの定義と、定めなければならない事項を確かめる問題です。高さを定めるのは高度地区、容積率などを定めるのが高度利用地区です。
公式正解 1
肢1:正しい。市街地開発事業等予定区域に関係する市街地開発事業・都市施設の都市計画では、施行予定者も定める必要があります。
肢2:誤り。準都市計画区域で定めることができる地域地区に、防火地域・準防火地域は含まれていません。
肢3:誤り。建築物の高さの最高限度又は最低限度を定めるのは高度地区です。高度利用地区は、容積率の最高・最低限度や建ぺい率の最高限度などを定めます。
肢4:誤り。地区計画の都市計画に定めるのは、種類、名称、位置、区域などで、建ぺい率や容積率の最高限度は必ず定める事項ではありません。
公式問題で問16を見る
開発許可
問17 工事の廃止・複数の都府県にまたがる開発・地位の承継・建築物の制限
開発許可を受けた者の地位は、相続などの一般承継では当然に承継されますが、土地の所有権を取得した者などの特定承継には知事の承認が必要です。
公式正解 4
肢1:誤り。開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく都道府県知事に届け出ればよく、許可は不要です(38条)。
肢2:誤り。二以上の都府県にまたがる開発行為でも、それぞれの都道府県知事の許可を受けます。国土交通大臣の許可という仕組みはありません。
肢3:誤り。開発区域内の土地の所有権などを取得した者が開発許可に基づく地位を承継するには、都道府県知事の承認が必要です(45条)。
肢4:正しい。用途地域の定められていない区域の開発許可では、必要に応じて建ぺい率や建築物の高さなど、敷地・構造・設備に関する制限を定めることができます(41条1項)。
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建築基準法(防火・構造)
問18 外壁の隣地境界線への接近・非常用昇降機・準防火地域の制限・防火壁
防火地域・準防火地域内で外壁が耐火構造の建築物は、外壁を隣地境界線に接して設けることができます。非常用の昇降機は高さ31mを超える建築物に必要です。
公式正解 1
肢1:正しい。防火地域又は準防火地域内にある建築物で外壁が耐火構造のものは、外壁を隣地境界線に接して設けることができます(出題時の65条)。
肢2:誤り。非常用の昇降機が必要になるのは、高さ31mを超える建築物です(34条2項)。
肢3:誤り。準防火地域内で延べ面積が1,500㎡を超える建築物は、耐火建築物としなければなりません。2,000㎡の共同住宅は、準耐火建築物では足りません。
肢4:誤り。防火壁による1,000㎡以内の区画が求められるのは、耐火建築物や準耐火建築物以外の建築物です(26条)。
令和8年度試験での注意 2019年6月施行の建築基準法改正で、防火地域・準防火地域内の建築物の規定は61条に整理され、外壁の隣地境界線への接近の規定は63条になりました。延焼防止性能が同等以上の建築物も認められていますが、この問の正解は変わりません。
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建築基準法(用途・形態)
問19 用途制限の許可・前面道路による容積率・公園内の建ぺい率・外壁の後退距離
外壁の後退距離の制限は、都市計画で限度を定めた第一種・第二種低層住居専用地域に限って適用されます。第一種住居地域には適用されません。
公式正解 4
肢1:正しい。特定行政庁の許可があれば、第一種低層住居専用地域内でも飲食店を建築できます(48条ただし書)。
肢2:正しい。前面道路の幅員による容積率の制限は、前面道路の幅員が12m未満の場合に適用されます(52条2項)。
肢3:正しい。公園や広場などの内にある建築物で、特定行政庁が安全上・防火上・衛生上支障がないと認めて許可したものには、建ぺい率の制限は適用されません(53条)。
肢4:誤り。外壁の後退距離の制限は、第一種・第二種低層住居専用地域の都市計画で定められるもので、第一種住居地域には適用されません(54条)。
令和8年度試験での注意 2018年4月に田園住居地域が新設され、外壁の後退距離の制限は田園住居地域にも適用されるようになりました。第一種住居地域に適用がない点は変わらず、この問の正解も変わりません。
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宅地造成等規制法
問20 造成宅地防災区域・設計者の資格・擁壁の除却の届出・宅地への転用の届出
造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域外で、盛土の面積や高さなどの政令の基準に当たる危険な造成宅地について指定されます。盛土の高さが5m未満でも、面積の基準に当たれば指定の対象になります。
公式正解 1
肢1:誤り。盛土の面積が3,000㎡以上の造成宅地なども指定の対象になるので、盛土の高さが5m未満であることだけを理由に、指定できないとはいえません。
肢2:正しい。資格者による設計が必要なのは、切土・盛土の面積が1,500㎡を超える土地の排水施設などです。600㎡なら不要です。
肢3:正しい。規制区域内の宅地で高さ2mを超える擁壁を除却する工事は、着手の14日前までに知事に届け出ます(出題時の15条2項)。
肢4:正しい。規制区域内で宅地以外の土地を宅地に転用した者は、転用した日から14日以内に知事に届け出ます(出題時の15条3項)。
令和8年度試験での注意 2023年5月26日、宅地造成等規制法は宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)に改められ、区域の名称も「宅地造成等工事規制区域」などになりました。転用の届出は、公共施設用地を宅地又は農地等に転用した場合とされています(21条4項)。肢1が誤りである点は変わらず、この問の正解も変わりません。
公式問題で問20を見る
土地区画整理法
問21 仮換地の指定・仮換地の使用収益・使用収益開始日・建築行為等の制限
土地区画整理事業の施行地区内で、施行の障害となるおそれのある土地の形質の変更や建築物の新築などをするには、都道府県知事等の許可が必要です。組合の許可ではありません。
公式正解 4
肢1:正しい。施行者は、換地処分の前に、換地計画にもとづく換地処分のため必要があれば仮換地を指定できます(98条1項)。
肢2:正しい。従前の宅地の使用収益権者は、仮換地の指定の効力発生日から換地処分の公告の日まで、仮換地を使用収益できます(99条1項)。
肢3:正しい。特別の事情があるときは、仮換地の使用収益を開始できる日を効力発生日と別に定めることができます(99条2項)。
肢4:誤り。組合施行の場合、建築行為等の制限で許可をするのは都道府県知事(市の区域内では市長)です(76条1項)。組合の許可ではありません。
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農地法
問22 相続と特定遺贈・農地所有適格法人以外の法人・無許可売買・市街化調整区域の転用
農地法3条の許可は、相続による取得では不要ですが、相続人以外の者への特定遺贈では必要です。市街化区域内の転用は届出で足りますが、市街化調整区域では許可が必要です。
公式正解 3
肢1:誤り。相続による取得は3条の許可が不要ですが、相続人に当たらない者への特定遺贈による取得には許可が必要です。
肢2:誤り。農地所有適格法人でない株式会社も、一定の要件を満たせば、解除条件付きの賃貸借などで耕作目的の農地を借りることができます(3条3項)。
肢3:正しい。3条又は5条の許可が必要な売買を許可なく行っても、所有権移転の効力は生じません。
肢4:誤り。農業委員会への届出で転用の許可が不要になるのは、市街化区域内の農地です。市街化調整区域内の農地を住宅用地に転用するには、4条の許可が必要です。
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宅建業法の解答・解説(20問)
監督処分、媒介契約、8種制限、業務規制、重要事項説明と37条書面、保証協会、広告、報酬、免許、宅建士の登録、営業保証金、クーリング・オフ、住宅瑕疵担保履行法を横断します。報酬は消費税8%の時期の出題で、37条書面の電磁的提供は2022年の改正前です。
監督処分
問26 重要事項説明義務違反・業務地の知事の処分・業務停止の期間・自ら貸主
業務停止処分は、免許権者のほか、業務を行った区域の都道府県知事も行えます。期間は1年以内です。自ら貸主となる行為は宅建業に当たらず、35条の説明義務もありません。
公式正解 1
肢1:正しい。35条の重要事項の説明をしなかったことは業法違反で、免許権者から業務停止を命じられることがあります(65条2項)。
肢2:誤り。乙県内で著しく不当な行為をした場合、乙県知事もAに業務停止を命じることができます(65条4項)。
肢3:誤り。業務停止の期間は1年以内に限られます(65条2項)。
肢4:誤り。自ら所有する物件を自ら貸すことは宅建業に当たらないので、35条の説明義務はなく、その違反を理由に業務停止を受けることもありません。
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媒介契約
問27 標準媒介契約約款の別・指定流通機構への通知・記名押印・売買すべき価額
媒介契約の書面(34条の2)には、売買すべき価額や標準媒介契約約款に基づくか否かの別を記載し、宅建業者が記名押印します。宅建士の記名押印は求められていません。
公式正解 3
肢1:誤り。標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別は、一般媒介でも記載事項です(施行規則15条の9)。
肢2:誤り。専任媒介契約の目的物の売買契約が成立したときは、引渡しの完了を待たず、遅滞なく指定流通機構に通知しなければなりません(34条の2第7項)。
肢3:正しい。34条の2の書面に記名押印するのは宅建業者で、宅建士の記名押印は求められていません。
肢4:誤り。媒介契約の種類を問わず、売買すべき価額は書面の記載事項です(34条の2第1項2号)。
令和8年度試験での注意 2022年5月18日施行の改正で、媒介契約書面は宅建業者の記名で足り(押印は不要)、依頼者の承諾を得れば電磁的方法で提供できるようになりました。宅建士の記名が求められていない点は変わらず、この問の正解も変わりません。
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8種制限
問28 手付金等の保全・手付解除・損害賠償額の予定
宅建業者が自ら売主となる取引では、未完成物件は代金の5%、完成物件は10%(いずれも1,000万円以下)を超える手付金等を受け取る前に保全措置が必要です。損害賠償の予定額は代金の20%が上限です。
公式正解 4
法に違反するのはア・ウ・エで、正解は4です。
ア:違反する。未完成物件では代金4,000万円の5%(200万円)を超える受領に保全措置が必要なので、中間金を受け取る前に、手付金と合わせた400万円について保全措置を講じなければなりません。
イ:違反しない。完成物件では代金の10%(400万円)以下の手付金は保全措置が不要です。
ウ:違反する。売主が手付解除をするには、手付の倍額(1,000万円)を現実に提供しなければなりません(39条2項)。受け取った額を返すだけでは解除できません。
エ:違反する。損害賠償の予定額と違約金の合計は代金の20%(800万円)が上限で、1,000万円とする特約は違反です(38条)。
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業務上の規制
問29 案内所の標識・手付の貸付け・帳簿の閲覧・割賦販売の解除
標識は契約や申込みを受けない案内所にも必要です。手付の貸付けによる誘引は契約が成立しなくても違反で、割賦販売の契約解除には30日以上の期間を定めた書面での催告が必要です。
公式正解 3
法に違反するのはア・イ・エで、正解は3です。
ア:違反する。契約の締結や申込みの受付をしない案内所にも、50条1項の標識を掲示しなければなりません。
イ:違反する。手付の貸付けを告げて契約の締結を勧誘することは、契約が成立しなくても禁止されています(47条3号)。
ウ:違反しない。49条の帳簿を取引関係者に閲覧させる義務はありません。閲覧義務があるのは従業者名簿です(48条4項)。
エ:違反する。割賦販売で賦払金の支払がないときは、30日以上の相当の期間を定めて書面で催告し、その期間内に支払がなければ解除できます(42条)。直ちに解除することはできません。
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重要事項説明と37条書面
問30 借賃・宅建士証の提示・37条書面の電磁的記録・交付者
37条書面には宅建士の記名押印が必要ですが、交付は宅建士でない従業者が行っても構いません。重要事項の説明では、請求がなくても宅建士証を提示します。
公式正解 4
肢1:誤り。借賃の額や支払時期・方法は37条書面の記載事項ですが、35条の重要事項としての説明事項ではありません。
肢2:誤り。重要事項の説明をするときは、相手方から求められなくても宅建士証を提示しなければなりません(35条4項)。
肢3:誤り(出題時)。出題時は、37条書面を電磁的記録で交付することは認められていませんでした。
肢4:正しい。37条書面には宅建士に記名押印させなければなりませんが、交付そのものは宅建士でない従業者に行わせることができます。
令和8年度試験での注意 2022年5月18日施行の改正で、37条書面は宅建士の「記名」で足り(押印は不要)、相手方の承諾を得れば電磁的方法で提供できるようになりました(37条4項)。現行法では肢3も正しくなるため、出題時の法令で解いた正解として読んでください。
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保証協会
問31 重複加入・追加の分担金・還付充当金・弁済の限度額
保証協会の社員は、新たに事務所を設置したときは2週間以内に追加の分担金を納付し、還付があったときは通知から2週間以内に還付充当金を保証協会に納付します。
公式正解 4
肢1:誤り。一の保証協会の社員である者は、他の保証協会の社員になることができません(64条の4第1項)。
肢2:誤り。新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内に追加の弁済業務保証金分担金を納付しなければなりません(64条の9第2項)。
肢3:誤り。還付充当金は、通知を受けた日から2週間以内に保証協会に納付します。供託所に供託するのではありません。
肢4:正しい。分担金150万円は本店60万円と支店3か所分(30万円×3)に当たるので、弁済の限度は営業保証金に相当する2,500万円(1,000万円+500万円×3)です。
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広告の規制
問32 未完成物件の広告・取引態様の明示・業務停止期間中の広告
工事完了前の物件は、開発許可や建築確認など必要な処分があった後でなければ広告できません。広告には取引態様の別を明示し、業務停止期間中は広告もできません。
公式正解 1
法に違反しないのは1です。
肢1:違反しない。工事に必要な許可等の処分があった後であれば、工事完了前でも販売の広告ができます(33条)。
肢2:違反する。建築確認の申請中であることを示しても、確認を受ける前に販売の広告をすることはできません(33条)。
肢3:違反する。広告をするときは取引態様の別を明示しなければならず(34条1項)、問い合わせや契約がなくても違反です。
肢4:違反する。業務の全部の停止を命じられた期間中は、広告も業務に含まれるので行うことができません。
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報酬の制限
問33 差額の受領・広告料金・居住用建物の権利金
宅建業者の報酬は、国土交通大臣の定める額が上限です。依頼者の依頼による特別の広告料金などを除き、上限を超える受領はできません。居住用建物の貸借では、権利金を売買代金とみなす計算は使えません。
公式正解 3
3つの記述はすべて誤りで、正解は3です。
ア:誤り。売主が受取額を定め、実際の売却額との差額を業者が受け取る方法でも、媒介報酬の限度額の適用を受けます。
イ:誤り。限度額とは別に受け取れる広告料金は、依頼者の依頼によって行った特別の広告の料金に限られます。通常の広告料金は受け取れません。
ウ:誤り。権利金を売買代金とみなして計算できるのは、居住用建物以外の貸借の場合です。居住用建物の貸借では使えません。
令和8年度試験での注意 報酬額の告示は消費税率の引上げにより、居住用建物の貸借の上限は借賃の1か月分の1.1倍となっています。2024年7月には低廉な空家等の特例なども改正されましたが、この問の正解は変わりません。
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業務に関する禁止事項
問34 不実の告知・断定的判断の提供・手付解除の拒否・手付の分割払い
宅建業者は、相手方の判断に影響を及ぼす重要な事項について事実を告げず、又は不実のことを告げることが禁止されています。将来の環境について断定的判断を提供する勧誘も、故意の有無を問わず禁止です。
公式正解 2
肢1:正しい。入居申込書の収入欄が虚偽と知りながら、それを告げずに貸主に提出することは、重要な事項の不告知として違反します(47条1号)。
肢2:誤り。将来の環境や交通の利便について誤解させるような断定的判断を提供することは、うわさを根拠にしただけで故意でなくても禁止されています(47条の2)。
肢3:正しい。所有権移転登記と引渡しを済ませた売主は履行に着手しているので、買主からの手付放棄による解除を拒むことができます。
肢4:正しい。手付金の分割払いを持ちかけることは、手付の信用の供与による誘引として、契約に至らなくても違反します(47条3号)。
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免許
問35 有効期間の満了と免許証・業務停止中の更新・破産の届出・死亡と取引の結了
宅建業者が死亡した場合、一般承継人は、被相続人が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲で、なお宅建業者とみなされます。
公式正解 4
肢1:誤り。免許の有効期間が満了したことは、免許証を返納しなければならない事由に含まれていません。
肢2:誤り。業務の停止を命じられている期間中でも、免許の更新を受けることはできます。
肢3:誤り。法人である宅建業者が破産手続開始の決定を受けたときに届け出るのは、破産管財人です(11条1項3号)。代表役員ではありません。
肢4:正しい。宅建業者が死亡した場合、一般承継人は、被相続人が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内で、なお宅建業者とみなされます(76条)。
令和8年度試験での注意 出題時は、国土交通大臣への届出は主たる事務所の所在地の知事を経由して行いましたが、2024年5月25日からは知事を経由しなくなりました。届出義務者が破産管財人である点は変わらず、この問の正解も変わりません。
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重要事項の説明
問36 定期借地権の内容・流通業務地区の制限・代金以外の金銭・未完成建物の説明
重要事項説明では、区分所有建物の敷地の権利の内容、法令上の制限、代金以外に授受される金銭、未完成物件の完了時の形状などを説明します。代金の額そのものは37条書面の記載事項です。
公式正解 4
4つの記述はすべて正しく、正解は4です。
ア:正しい。区分所有建物の敷地が定期借地権の土地であれば、登記の有無を問わず、敷地に関する権利の種類と内容として説明します。
イ:正しい。宅地の貸借でも、流通業務地区内の制限の概要は説明事項に含まれます。
ウ:正しい。売買代金の額や支払時期は説明事項ではありませんが、代金以外に授受される金銭の額と目的は説明しなければなりません。
エ:正しい。未完成の建物の貸借では、必要に応じ図面を交付して、完了時の主要構造部、内装・外装の構造又は仕上げ、設備の設置と構造を説明します。
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免許の基準と効力
問37 免許換えの懈怠・取引の結了・欠格事由・免許換え申請中の業務
免許換えをしなければならないのに怠っていることが判明したときは、免許は必ず取り消されます。不正又は著しく不当な行為をした者は、刑に処せられていなくても5年間免許を受けられません。
公式正解 2
正しいのはイとウの2つで、正解は2です。
ア:誤り。免許換えをしなければならないのに怠っていることが判明したときは、業務停止ではなく免許の取消しの対象です(66条1項5号)。
イ:正しい。免許の有効期間が満了しても、満了前に締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲では、宅建業者とみなされます(76条)。
ウ:正しい。免許の申請前5年以内に宅建業に関し不正又は著しく不当な行為をした者は、刑に処せられていなくても免許を受けられません(5条1項)。
エ:誤り。免許換えの申請中も従前の甲県知事の免許は有効なので、35条書面や37条書面を交付することができます。
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宅建士の登録と宅建士証
問38 登録の移転と有効期間・従業者証明書・後見開始の届出・名簿の閲覧
登録の移転の申請と同時に交付を受ける宅建士証の有効期間は、従前の宅建士証の残りの期間です。従業者証明書は、代表者を含むすべての従業者に携帯させます。
公式正解 1
正しいのはエの1つで、正解は1です。
ア:誤り。登録の移転とともに交付される宅建士証の有効期間は、従前の宅建士証の有効期間の残りの期間です(22条の2第5項)。
イ:誤り。従業者証明書は代表取締役にも携帯させるもので、取引の関係者から求められれば提示しなければなりません(48条)。
ウ:誤り。出題時は、宅建士が後見開始の審判を受けたときは、成年後見人が30日以内に届け出ることとされていました。3か月以内ではありません。
エ:正しい。宅建士資格登録簿は一般の閲覧に供されませんが、専任の宅建士の氏名は宅建業者名簿に登載され、名簿は一般の閲覧に供されます。
令和8年度試験での注意 2019年12月施行の改正で、成年被後見人・被保佐人であることは登録の欠格事由ではなくなり、心身の故障により宅建士の事務を適正に行えない者に改められました。その場合の届出は、本人・法定代理人・同居の親族が30日以内に行います。この問の正解は変わりません。
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区分所有建物の貸借と37条書面
問39 用途制限・解除の定め・借賃の支払方法・天災等の負担
37条書面の記載事項は、必ず記載するものと、定めがある場合に記載するものに分かれます。重要事項説明書で説明した事項でも、37条書面の記載事項であれば省略できません。
公式正解 2
肢1:誤り。専有部分の用途その他の利用制限は重要事項説明の事項で、貸借の37条書面の記載事項ではありません。
肢2:正しい。契約の解除に関する定めがあるときは、重要事項説明書で説明していても、37条書面に記載しなければなりません。
肢3:誤り。借賃の支払方法は37条書面の必要的記載事項で、当事者の承諾があっても省略できません。
肢4:誤り。天災その他不可抗力による損害の負担は、定めがあるときに記載する事項です。定めがなければ記載は不要です。
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営業保証金
問40 主たる事務所の移転・不足額の供託と届出・還付の限度・取戻しの公告
主たる事務所を移転して最寄りの供託所が変わった場合、金銭のみで供託していれば保管替えを請求し、有価証券を含むときは移転後の供託所に新たに供託します。
公式正解 1
肢1:正しい。国債証券を含めて供託している場合は保管替えができないので、遅滞なく、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所へ営業保証金を改めて供託する必要があります(29条1項)。
肢2:誤り。還付による不足額は通知を受けた日から2週間以内に供託し、供託した日から2週間以内に届け出ます(28条)。30日以内ではありません。
肢3:誤り。還付を受けられる限度は、Aが供託している営業保証金の額(1,500万円)です。本店で取引したからといって1,000万円に限られるわけではありません。
肢4:誤り。主たる事務所の移転で新たに供託したために従前の営業保証金を取り戻す場合は、公告は不要です(30条2項ただし書)。
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業務に関する規制
問41 代理契約の書面・37条書面の説明・自己の所有に属しない物件・専属専任媒介の登録
自己の所有に属しない物件の売買の制限(33条の2)は、買主が宅建業者でない場合の規制です。業者間取引には適用されません。
公式正解 3
肢1:誤り。代理契約を締結したときも、媒介契約と同様に契約内容を記載した書面を交付しなければなりません(34条の3)。
肢2:誤り。37条書面は交付すればよく、宅建士による説明は求められていません。
肢3:正しい。買主Dが宅建業者なので、他人が所有する宅地を自ら売主として売買する契約を締結できます(33条の2は業者間取引に適用されません)。
肢4:誤り。専属専任媒介契約では、契約締結日から休業日数を除いて5日以内に指定流通機構に登録します。
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37条書面の記載事項
問42 業者間の引渡時期・消費税等相当額・売主業者の記名押印・代理の場合の交付先
37条書面は、業者間取引でも省略できず、売主業者と媒介業者のそれぞれに作成・交付の義務があります。代理で契約を成立させたときは、依頼者と相手方の双方に交付します。
公式正解 4
肢1:誤り。宅建業者間の売買でも、引渡しの時期は37条書面の記載事項です。
肢2:誤り。代金の額は、消費税等相当額を含めて記載しなければなりません。
肢3:誤り。売主である宅建業者Aにも37条書面の作成・交付義務があるので、媒介業者Dが記名押印させていても、Aも自らの宅建士に記名押印させなければなりません。
肢4:正しい。貸主Fの代理として契約を成立させたときは、代理を依頼したFと相手方Gの双方に37条書面を交付しなければなりません。
令和8年度試験での注意 2022年5月18日施行の改正で、37条書面は宅建士の記名で足り(押印は不要)、承諾を得れば電磁的方法で提供できるようになりました。この問の正解は変わりません。
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手付金等の保全措置
問43 保全措置がない場合の支払拒否・媒介報酬・中間金を受ける場合・登記後の扱い
未完成物件で代金3,000万円なら、5%の150万円を超える手付金等を受け取る前に保全措置が必要です。買主への所有権移転登記がされた後は保全措置が不要になります。
公式正解 2
正しいのはアとウの2つで、正解は2です。
ア:正しい。保全措置が必要なのに講じられていないときは、買主は手付金等の支払を拒むことができます(41条4項)。
イ:誤り。媒介業者が受け取る報酬は手付金等に当たらないので、保全措置は不要です。
ウ:正しい。手付金150万円の後に中間金350万円を受け取ると合計500万円が5%を超えるので、受け取る前に、既に受けた手付金も含めた500万円について保全措置を講じなければなりません。
エ:誤り。中間金を受け取って合計300万円となる時点で保全措置が必要です。所有権移転の登記がされた後は保全措置が不要になるという関係で、登記まで不要なのではありません。
公式問題で問43を見る
クーリング・オフの告知書面
問44 記載事項
クーリング・オフを告げる書面には、売主・買主の表示、告げられた日から8日以内に書面で解除できること、解除は発信時に効力を生じること、損害賠償等を請求できず受領済みの金銭を返還することなどを記載します。
公式正解 2
肢1:正しい。売主の商号・名称・住所・免許証番号と、買主の氏名(名称)・住所は記載事項です。
肢2:誤り。クーリング・オフができなくなるのは、宅地の引渡しを受け、かつ代金の全部を支払った場合です。代金の全部の支払だけを除外事由とした記載は誤りです。
肢3:正しい。解除は、買主が解除の書面を発した時に効力を生じることを記載します。
肢4:正しい。売主は解除に伴う損害賠償や違約金を請求できず、受け取った手付金などは遅滞なく全額返還することを記載します。
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住宅瑕疵担保履行法
問45 床面積による戸数の算定・届出の時期・供託所の説明・保険契約の解除
宅建業者が自ら売主として新築住宅を宅建業者でない買主に販売するときは、資力確保措置(保証金の供託又は保険契約)が必要です。保証金を供託する場合は、契約締結までに供託所の所在地などを書面で説明します。
公式正解 3
肢1:誤り。2戸をもって1戸と数えるのは、床面積が55㎡以下の住宅です。100㎡以下ではありません。
肢2:誤り。資力確保措置の状況の届出は、基準日から3週間以内に行います。住宅を引き渡した日からではありません。
肢3:正しい。保証金を供託する場合は、売買契約を締結するまでに、供託所の所在地などを記載した書面を交付して説明しなければなりません。
肢4:誤り。買主が引渡しから10年以内に転売しても、保険契約を解除しなければならないという定めはありません。
令和8年度試験での注意 資力確保措置の届出の基準日は、その後の改正で毎年3月31日の年1回となりました。基準日から3週間以内に届け出る点は変わらず、この問の正解も変わりません。
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住宅・統計・土地建物の解答・解説(5問)
住宅金融支援機構、不動産の表示に関する公正競争規約、統計、土地、建物の構造を扱います。統計は平成27年・平成28年の公表値で判定します。
住宅金融支援機構
問46 子育て・高齢者向け賃貸住宅の融資・証券化支援の対象・金利引下げ・マンション共用部分
住宅金融支援機構の証券化支援事業(買取型)が譲り受けるのは、債務者本人又は親族が住むための住宅の建設・購入資金の貸付債権です。賃貸住宅の資金は対象外です。
公式正解 2
肢1:正しい。子どもを育成する家庭や高齢者の家庭に適した賃貸住宅の建設・改良資金の貸付けは、機構の業務です。
肢2:誤り。証券化支援事業(買取型)で譲り受けるのは、債務者又はその親族が居住する住宅の取得資金の貸付債権で、賃貸住宅の資金に係る債権は対象外です。
肢3:正しい。省エネルギー性や耐震性などに優れた住宅の取得では、一定期間金利を引き下げる制度(フラット35S)があります。
肢4:正しい。マンション管理組合や区分所有者へのマンション共用部分の改良資金の貸付けも、機構の業務です。
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不当景品類及び不当表示防止法
問47 契約済み物件の広告・市街化調整区域の表示・道路距離・新駅の表示
不動産の表示に関する公正競争規約は、取引できない物件の広告(おとり広告)を禁じ、市街化調整区域の土地では建築できない旨の表示を求めています。新駅は、事業者が公表した予定時期を明示すれば表示できます。
公式正解 4
肢1:誤り。契約済みで取引できない物件を広告に掲載し続けることは、問合せに説明したとしても、おとり広告として不当表示に当たります。
肢2:誤り。市街化調整区域内の土地では、市街化調整区域に所在する旨に加え、宅地の造成や建物の建築ができない旨を16ポイント以上の文字で表示しなければなりません。
肢3:誤り。学校や市役所などの公共施設は、物件からの道路距離を明示して表示しなければなりません。
肢4:正しい。新設予定の駅は、鉄道事業者が設置と予定時期を公表しているときは、その予定時期を明示して表示できます。
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統計
問48 地価公示・土地白書・建築着工統計・宅建業者数(出題時の数値)
統計問題は出題年度の公表資料にもとづきます。平成28年地価公示では、全用途平均が上昇に転じ、住宅地は下落幅が縮小しました。
公式正解 1
出題時の統計で正しいのは1です。
肢1:正しい。平成28年地価公示では、全国平均で住宅地はわずかに下落しつつ下落幅が縮小し、全用途平均は上昇に転じました。
肢2:誤り。宅地(住宅地、工業用地等)は約193万ヘクタールで、近年は増加傾向にありました。
肢3:誤り。平成27年の分譲住宅の着工は、マンションと一戸建住宅がそろって2年連続で減少したわけではありません。
肢4:誤り。平成27年3月末の宅建業者数122,685業者は、前年3月末と比べて増加していました。
令和8年度試験での注意 統計の問は毎年の最新の公表資料から出題されます。令和8年度試験では、最新の地価公示、土地白書、建築着工統計、宅建業者数で確かめてください。
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土地の知識
問49 深層崩壊・まさ土・堆積地形の危険性・崖崩れの傾斜
土石流や崩壊でできた堆積地形(扇状地や崖錐など)は、再び土砂災害に見舞われるおそれがあり、住宅地として好適とはいえません。
公式正解 3
最も不適当なのは3です。
肢1:適当。豪雨による深層崩壊は、山体の深い所まで崩れ、巨大な土塊が移動して甚大な被害を及ぼします。
肢2:適当。花崗岩が風化したまさ土の地帯では、土石流災害の危険性が改めて認識されています。
肢3:不適当。土石流や土砂崩壊の堆積でできた地形は、再び災害が起こるおそれがあり、危険性が低いとはいえません。
肢4:適当。崖崩れは、傾斜が25度を超えると急激に増えるとされています。
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建築物の構造
問50 鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造・ブロック造
鉄骨造は自重が軽く粘り強さ(靭性)が大きいので、大空間や高層の建築に適しています。鉄筋コンクリート造はラーメン構造が一般的です。
公式正解 1
最も不適当なのは1です。
肢1:不適当。鉄骨造は自重が小さく靭性が大きいため、大空間の建築や高層建築に多く使われます。
肢2:適当。鉄筋コンクリート造の骨組は、柱と梁を剛に接合するラーメン構造が一般的です。
肢3:適当。鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄筋コンクリート造の内部に鉄骨を入れ、強度と粘り強さをさらに高めた構造です。
肢4:適当。ブロック造を耐震的な構造にするには、鉄筋コンクリートの布基礎と臥梁で壁体の底部と頂部を固めることが必要です。
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