2015年10月18日実施・全50問・公式正解照合

平成27年度 宅建試験 解答・解説

平成27年度宅建試験(2015年10月18日実施)の全50問について、公式正解と各肢の判断根拠をこのページに載せています。2015年4月の改正で宅地建物取引主任者が宅地建物取引士に改められてから最初の試験です。解説は試験の基準である2015年4月1日現在の法令で書き、令和8年度試験(2026年4月1日現在の法令)までに変わった点は各問の注意にまとめました。問題本文は転載していないため、公式PDFを開いて問題番号を合わせて読んでください。

平成27年度の結果は、受験者194,926人、合格者30,028人、合格率15.4%。合格基準点は50問中31点(登録講習修了者は45問中26点)でした(不動産適正取引推進機構「試験実施概況(過去10年間)」Internet Archive保存版)。2020年4月施行の改正民法より前の出題なので、権利関係の問は改正後の条文と照らして読む必要があります。

令和7年度(2025年)全50問の解答・解説 →

令和6年度(2024年)全50問の解答・解説 →

令和5年度(2023年)全50問の解答・解説 →

令和4年度(2022年)全50問の解答・解説 →

令和3年度(2021年10月試験)全50問の解答・解説 →

令和3年度(2021年12月試験)全50問の解答・解説 →

令和2年度(2020年10月試験)全50問の解答・解説 →

令和2年度(2020年12月試験)全50問の解答・解説 →

令和元年度(2019年)全50問の解答・解説 →

平成30年度(2018年)全50問の解答・解説 →

平成29年度(2017年)全50問の解答・解説 →

平成28年度(2016年)全50問の解答・解説 →

令和8年度(2026年10月18日)の日程・正解の公表日・合格点の推移 →

公開 ・更新 ・作成 資格Hub(運営 Boson)・正答の照合方法

正答一覧(全50問)

権利関係

問題正答論点
問14生命・身体侵害の時効・事業用融資の保証・併存的債務引受・過失相殺
問22登記のない譲受人・建物の賃借人・差押債権者・転得者
問34借主の死亡・必要費・契約の成立・貸主の担保責任
問43相続した賃借権・占有の承継・時効完成前の第三者・農地の賃借権
問53監視による占有・権利の推定・占有代理人の訴え・特定承継人
問62敷地の賃借権・抵当権消滅請求・代価弁済・一括競売
問72抵当権の譲渡・順位の譲渡・抵当権の放棄・順位の放棄
問81敷金返還と明渡し・解除後の原状回復・代金と登記
問91判決文の読み取り・承諾ある転貸・信頼関係の破壊・転借人の保護
問104自筆証書の変更・押印の場所・遺言執行者と第三者・時効取得

借地借家・登記

問題正答論点
問114法定更新後の期間・解約申入れ・二重賃貸・債務不履行解除と造作
問121対抗要件の特約・賃料不増額特約・造作買取・中途解約
問131議長・招集通知の期間・議事録の署名・管理者の任期
問144証明書の交付・附属書類の閲覧・オンライン請求・筆界特定書

法令上の制限

問題正答論点
問154区域の縮小・予定建築物・同意しない者の建築・仮設建築物
問161開発整備促進区・準都市計画区域・工業専用地域・都市計画の優先
問17310㎡以内の改築・区域外の木造3階・用途変更・映画館の改築
問182容積率の不算入・2地域にわたる建ぺい率・道路内の建築・借主
問192改善の勧告・指定時の工事中の届出・工事施行者の変更・許可の規模
問204仮換地の指定の通知・地役権・保留地・公共施設の用地
問211相続・届出義務者・農地法の許可・一団の土地と賃借権
問224市街化区域内の取得・賃貸住宅への転用・自宅への転用・競売

税・不動産鑑定

問題正答論点
問233家屋の贈与・国外の家屋・贈与者の年齢・受贈者の所得
問244賦課期日と新築・税率・区分所有家屋の土地・免税点
問251公示区域・正常な価格・鑑定評価・公示事項

宅建業法

問題正答論点
問261工業専用地域の資材置き場・社会福祉法人・用途地域外の倉庫・管理業者
問274聴聞公示後の合併消滅・執行猶予中の政令使用人・未成年者の法定代理人・暴力団員の役員
問284媒介契約書面の説明・指定流通機構への登録事項・貸借の媒介
問292売主への説明・説明の場所・代理による購入・記名押印する宅建士
問303業者が依頼者の場合の書面・登録しない特約・登録期限・報告の頻度
問312宅地の道路斜線制限・新住宅市街地開発法・準防火地域の構造制限
問322預り金の保全措置・定期借地権・特定保守製品・契約の更新
問333代理と媒介の合計・権利金を使う計算・居住用建物の貸借
問343他人物売買・担保責任期間の特約・喫茶店での契約・損害賠償の特約
問354業務処理の原則・信用失墜行為・専任の規定・従業者の教育
問361予定額と違約金の合計・手付の上限・未完成物件の保全措置
問373確認前の貸借の媒介・申請中の広告・貸借の代理の広告・停止条件付契約
問382代理の場合の交付先・引渡しと登記の時期・自ら貸主・自ら買主
問393クーリング・オフの期間・担保責任免除の特約・業者間の予定額・期間の起算点
問404手付解除を制限する特約・保険証券の交付時期・未完成物件の中間金
問411将来の眺望の断定・転売利益の断定・提携ローンの紹介・申込証拠金
問423金銭以外での納付・一部の事務所廃止・必要な金額・還付の範囲
問432担保責任免除の特約・大臣免許業者の業務停止・威迫による契約強要・帳簿の不備
問442代理業者の案内所の標識・契約をしない案内所・専任の宅建士・届出先
問454業者が買主の場合・供託所の説明時期・基準日の届出・保険金の請求

住宅・統計・土地建物

問題正答論点
問463高齢者向け返済特例・元金均等返済・回収業務の委託・災害融資の据置
問473第1期完売の表示・住宅ローンの表示・都市計画道路・新発売
問482不動産価格指数・新設住宅着工戸数・法人企業統計・土地取引件数
問493低地の地盤・臨海部の低地・台地上の池沼の埋立地・丘陵の住宅地
問501木造と湿気・基礎の種類・杭の種類・上部構造と基礎構造

令和7年度 全50問の解答解説PDF

解説を全50問・200肢そろえた78ページのPDFです。 買い切りで、購入後すぐダウンロードできます。

収録した全問を試験実施団体の公表問題・正答と照合しています。照合の手順を見る →

1,980円
表紙と紙面の見本を見る →

この年度の出題構成

全50問のうち20問、40%が宅建業法です。問題数の構成比であり、配点や合格基準の比率ではありません。

次に多いのが権利関係の10問で、上位2分野で60%を占めます。

当サイトの分類では論点名が50件あり、同名の論点は重複していません。名称が異なる問題でも、必要な知識や考え方が共通する場合があります。

読み取れた50問の正答番号は4の14件から1の11件までで、番号の偏りはほとんどありません。

分野出題数割合この年に問われた論点
宅建業法20問40%宅地の定義と免許の要否、免許の欠格事由、媒介契約の規制、重要事項説明の方法、専任媒介契約の規制、貸借の重要事項説明と法令上の制限、重要事項の説明事項、報酬の限度額
権利関係10問20%民法の条文の有無、通謀虚偽表示、賃貸借と使用貸借、取得時効、占有、抵当権、抵当権の処分、同時履行の抗弁権
法令上の制限8問16%開発許可と建築制限、都市計画の内容、建築確認の要否、建築物の面積と道路・建築協定、宅地造成の規制、換地処分の効果、国土利用計画法の事後届出、農地法の許可
住宅・統計・土地建物5問10%住宅金融支援機構の業務、不動産の表示に関する公正競争規約、統計、土地の地形と災害、建物の構造と基礎
借地借家・登記4問8%借家の更新と終了、定期借家と普通借家、区分所有法の集会と管理者、登記事項証明書と附属書類
税・不動産鑑定3問6%住宅取得等資金の贈与税の非課税、固定資産税、地価公示
正答番号1234
件数11121314

集計は当サイトが公開している全50問・194件の解説から作成しました。問題と正答は試験実施団体の公表資料と照合しています。

全問に共通する注意

令和8年度試験での注意 2026年4月1日までの改正で用語・数値・正誤の扱いが変わった問(問1・問3・問8・問9・問10・問12・問13・問14・問17・問19・問23・問27・問28・問29・問31・問33・問34・問38・問39・問42・問45・問47・問48)には、各問に注意を付けました。それ以外の問は、2026年4月1日現在の法令で解いても正誤が変わりません。

権利関係の解答・解説(10問)

民法の条文の有無、通謀虚偽表示、賃貸借と使用貸借、取得時効、占有、抵当権と抵当権の処分、同時履行の抗弁権、土地の無断転貸の判決文、遺言と遺留分を扱います。2020年4月施行の改正民法と2019年の相続法改正の前の出題なので、条文の有無・使用貸借・遺留分などは各問の注意で改正後の扱いを示します。

民法の条文の有無

問1 生命・身体侵害の時効・事業用融資の保証・併存的債務引受・過失相殺

平成27年度は、出題時点(2015年4月1日)の民法に条文があるものを選ぶ問題でした。肢1〜3は、2020年4月施行の改正民法で初めて条文になった内容です。

公式正解 4

出題時の民法に規定されていたのは4です。

肢1:規定されていなかった。人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権について、権利を行使できる時から20年で時効が完成するとした規定(167条)は、2020年の改正で新設されました。出題時は一般の債権と同じ10年でした。

肢2:規定されていなかった。事業のための貸金等債務の保証契約に、事前の公正証書による保証意思の表示を求める規定(465条の6)は、2020年の改正で新設されました。

肢3:規定されていなかった。併存的債務引受は判例で認められていましたが、債権者と引受人の契約でできる旨の条文(470条2項)ができたのは2020年の改正です。

肢4:規定されていた。債務不履行について債権者に過失があったとき、裁判所がこれを考慮して責任と賠償額を定めること(過失相殺)は、出題時から418条に定められていました。

令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、肢1〜3の内容も条文になりました(167条、465条の6、470条2項)。現行法では4つとも規定があるため、出題時の民法で解いた正解として読んでください。

公式問題で問1を見る

通謀虚偽表示

問2 登記のない譲受人・建物の賃借人・差押債権者・転得者

仮装譲渡の無効を対抗できない「善意の第三者」(94条2項)に当たるかどうかは、虚偽表示の目的物について新たに法律上の利害関係を持った者かで判断します。

公式正解 2

肢1:正しい。仮装譲受人Bから土地を買った善意のCは94条2項の第三者に当たり、登記がなくてもAは無効を主張できません(判例)。

肢2:誤り。Bが土地上に建てた建物を借りたCは、土地について法律上の利害関係を持つ者ではなく、94条2項の第三者に当たりません(判例)。AはCに無効を主張できます。

肢3:正しい。仮装譲受人の土地を差し押さえた善意の債権者Cは、94条2項の第三者に当たります(判例)。

肢4:正しい。悪意のCから譲り受けた善意の転得者Dも94条2項の第三者に当たり、AはDに無効を主張できません(判例)。

公式問題で問2を見る

賃貸借と使用貸借

問3 借主の死亡・必要費・契約の成立・貸主の担保責任

同じ建物を有償で貸す賃貸借と無償で貸す使用貸借について、借主の死亡、費用負担、契約の成立、貸主の責任の違いを比べる問題です。

公式正解 4

肢1:正しい。賃借権は相続されるため賃貸借は借主の死亡で終了しませんが、使用貸借は借主の死亡で終了します(出題時の599条)。

肢2:正しい。賃借人は賃貸人が負担すべき必要費を支出したら直ちに償還を請求できます(608条1項)。使用貸借の借主は通常の必要費を自ら負担します(595条1項)。

肢3:正しい。出題時の民法では、賃貸借は合意で成立する諾成契約、使用貸借は物の受取りで成立する要物契約でした(旧593条)。

肢4:誤り。使用貸借の貸主も、物の瑕疵を知りながら借主に告げなかったときは責任を負いました(出題時の596条で551条1項ただし書を準用)。担保責任を負わないと言い切るのは誤りです。

令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、使用貸借は合意で成立する諾成契約になり(593条)、借主の死亡による終了は597条3項に移りました。貸主の責任は、贈与者の引渡義務の規定(551条)を準用する形に改められています。肢3は現行法では誤りになるため、出題時の民法で解いた正解として読んでください。

公式問題で問3を見る

取得時効

問4 相続した賃借権・占有の承継・時効完成前の第三者・農地の賃借権

所有権の時効取得には所有の意思をもってする占有(自主占有)が必要です。時効完成前に登場した第三者に対しては、登記がなくても時効取得を主張できます。

公式正解 3

肢1:誤り。賃借権を相続して賃料を払い続けている占有は、所有の意思のない他主占有です。何年占有しても所有権は時効取得できません(162条)。

肢2:誤り。Bは父の占有を承継し、父の11年と自分の9年を合わせて主張できます(187条1項)。合計20年の占有で所有権を時効取得できます。

肢3:正しい。時効完成前に所有権を取得したCは、時効完成時の所有者として当事者の関係に立ちます。Bは登記がなくてもCに時効取得を主張できます(判例)。

肢4:誤り。農地の賃借権も、賃料を払って継続的に耕作するなど要件を満たせば、農地法の許可がなくても時効取得できます(判例)。

公式問題で問4を見る

占有

問5 監視による占有・権利の推定・占有代理人の訴え・特定承継人

占有は物を事実上支配していれば成立し、鍵の所持に限られません。占有の訴えを起こせる者と、相手方にできる者の範囲を確かめます。

公式正解 3

肢1:誤り。隣家に住んで裏口を常に監視し、他人の侵入を制止していれば、建物に対する事実上の支配があり、占有が認められます(判例)。鍵の所持は必須ではありません。

肢2:誤り。占有者が適法に権利を持つと推定する規定(188条)は、所有者の相続人から明渡しを求められた場面で、占有者が所有者に対抗する根拠には使えません(判例)。

肢3:正しい。他人のために占有する占有代理人も占有の訴えを提起でき(197条後段)、占有を妨害されたときは占有保持の訴えを起こせます。

肢4:誤り。占有回収の訴えは、侵奪者の特定承継人に対しては、その承継人が侵奪の事実を知っていたときに限り提起できます(200条2項)。

公式問題で問5を見る

抵当権

問6 敷地の賃借権・抵当権消滅請求・代価弁済・一括競売

抵当権の効力が及ぶ範囲と、抵当不動産を取得した第三者の保護制度を確かめます。抵当権消滅請求は、債務を負っている者にはできません。

公式正解 2

肢1:正しい。借地上の建物に設定された抵当権の効力は、原則として敷地の賃借権にも及びます(判例)。

肢2:誤り。主たる債務者だけでなく、保証人とその承継人も抵当権消滅請求ができません(380条)。連帯保証人もできません。

肢3:正しい。抵当不動産の買主が抵当権者の請求に応じて代価を弁済すると、抵当権はその買主のために消滅します(代価弁済、378条)。

肢4:正しい。抵当権設定後に土地上に建てられた建物は、土地とともに競売できますが、優先弁済を受けられるのは土地の代価からだけです(389条1項)。

公式問題で問6を見る

抵当権の処分

問7 抵当権の譲渡・順位の譲渡・抵当権の放棄・順位の放棄

売却代金5,400万円は、処分がなければB2,000万円、C2,400万円、D1,000万円、E0円と配当されます。処分の当事者の配当額だけを組み替えて計算します。

公式正解 2

肢1:正しい。無担保債権者Eへの抵当権の譲渡では、Bの配当2,000万円がEの債権2,000万円に先に充てられ、Bの配当は0円です(376条1項)。

肢2:誤り。Dへの順位の譲渡では、BとDの配当の合計3,000万円からDが先に4,000万円まで受けるので、Dが3,000万円、Bは0円です。800万円にはなりません。

肢3:正しい。Eのための抵当権の放棄では、Bの配当2,000万円をBとEが債権額の割合(1対1)で分け、Bは1,000万円です。

肢4:正しい。Dのための順位の放棄では、BとDの配当の合計3,000万円を債権額の割合(2,000万円対4,000万円)で分け、Bは1,000万円、Dは2,000万円です。

公式問題で問7を見る

同時履行の抗弁権

問8 敷金返還と明渡し・解除後の原状回復・代金と登記

敷金、契約解除後の返還義務、売買の代金と登記の三つの場面で、同時履行の関係に立つかどうかを判断します。

公式正解 1

正しいものは一つ(ウ)で、正解は1です。

ア:誤り。敷金は明渡しまでに生じた債務を担保するものなので、明渡しが先で、敷金の返還と同時履行の関係には立ちません(判例)。

イ:誤り。契約が解除された場合の双方の原状回復義務は、同時履行の関係に立ちます(546条で533条を準用)。

ウ:正しい。買主の代金支払義務と、売主の所有権移転登記に協力する義務は、特別の事情がない限り同時履行の関係に立ちます(判例)。

令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、敷金の返還は賃貸借が終了し賃貸物の返還を受けたときに生じると明記されました(622条の2第1項)。アの正誤は同じで、この問の正解は変わりません。

公式問題で問8を見る

土地の無断転貸と合意解除

問9 判決文の読み取り・承諾ある転貸・信頼関係の破壊・転借人の保護

背信行為と認めるに足りない特段の事情がある無断転貸では、賃貸人は賃借人との合意解除を転借人に対抗できない、という判決文の趣旨を各肢に当てはめます。

公式正解 1

肢1:誤り。判決文は、無断転貸を理由に解除できない場合に賃貸借を合意解除しても、その効果を転借人に対抗できず、明渡しを請求できないとしています。

肢2:正しい。転貸を承諾した賃貸人は無断転貸を理由に解除できませんが、賃借人との合意解除をすること自体はできます。

肢3:正しい。無断転貸でも賃料不払でも、信頼関係を破壊しない特段の事情があれば解除は認められず、事情によって解除できる場合とできない場合があります。

肢4:正しい。判決文のとおり、合意解除の効果を転借人に対抗できない場合、転借人は明渡しの請求を拒めます。

令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、適法な転貸借がある場合、賃貸人は賃借人との合意解除を転借人に対抗できないことが明記されました(613条3項)。この問の正解は変わりません。

公式問題で問9を見る

遺言と遺留分

問10 自筆証書の変更・押印の場所・遺言執行者と第三者・時効取得

自筆証書遺言の方式、遺言執行者がいる場合の相続人の処分、遺留分減殺請求の効果を確かめます。

公式正解 4

肢1:誤り。自筆証書の変更は、場所を指示し、変更した旨を付記して署名し、変更の場所に押印しなければ効力を生じません(出題時の968条2項)。二重線と押印だけでは足りません。

肢2:誤り。押印は本文の署名の下でなくてもよく、遺言書を入れた封筒の封じ目にされた押印で要件を満たすとした判例があります。

肢3:誤り。出題時は、遺言執行者がいる場合の相続人の処分行為は無効で、第三者に対しても無効とされていました(判例)。

肢4:正しい。遺留分減殺請求で贈与が効力を失った場合、受贈者は目的物を時効取得したと主張して減殺の効果を否定することはできません(判例)。

令和8年度試験での注意 2019年7月施行の相続法改正で、遺留分は遺留分侵害額に相当する金銭を請求する権利になり(1046条)、贈与が失効することはなくなりました。遺言執行者がいる場合の相続人の処分は無効ですが、善意の第三者には対抗できません(1013条2項)。自筆証書の変更方式は968条3項に移っています。現行法では肢3・4の前提が変わるため、出題時の民法で解いた正解として読んでください。

公式問題で問10を見る

正答一覧へ戻る ↑

借地借家・登記の解答・解説(4問)

借家の更新と終了、定期借家と普通借家の特約、区分所有法の集会と管理者、登記事項証明書と附属書類の閲覧を扱います。

借家の更新と終了

問11 法定更新後の期間・解約申入れ・二重賃貸・債務不履行解除と造作

期間の定めがある建物賃貸借の法定更新、更新後の解約申入れ、借家権の対抗要件、造作買取請求権の要件を確かめます。

公式正解 4

肢1:誤り。更新拒絶の通知をしなかったときは従前と同一の条件で更新したものとみなされますが、期間は定めがないものになります(借地借家法26条1項)。

肢2:誤り。期間の定めがない借家で賃貸人が解約を申し入れたときは、申入れから6か月で終了し(27条1項)、正当事由も必要です(28条)。

肢3:誤り。借家権は建物の引渡しで対抗力を備えます(31条)。先に契約したCも、引渡しを受けたBには賃借権を対抗できません。

肢4:正しい。賃借人の債務不履行で賃貸借が解除された場合、造作買取請求権は認められません(判例)。

公式問題で問11を見る

定期借家と普通借家

問12 対抗要件の特約・賃料不増額特約・造作買取・中途解約

定期借家と普通借家の両方で、特約が有効か無効かを比べます。賃借人に不利な特約は、借地借家法の強行規定に反するときだけ無効になります。

公式正解 1

肢1:正しい。登記がなければ対抗できないとする特約は、引渡しで対抗力を認める31条より賃借人に不利で、どちらの契約でも無効です(37条)。

肢2:誤り。一定期間賃料を増額しない特約は、普通借家でも有効で(32条1項ただし書)、定期借家でも有効です。

肢3:誤り。造作買取請求権を排除する特約は、どちらの契約でも有効です。造作買取請求権(33条)は強行規定の対象外です(37条)。

肢4:誤り。期間の定めがある普通借家では、中途解約を認めない特約は有効です。定期借家では、床面積200㎡未満の居住用建物の賃借人に、やむを得ない事情による中途解約権が保障されています(出題時の38条5項)。

令和8年度試験での注意 2022年5月施行の改正で、定期借家契約の書面に電磁的記録が加わり、38条の項番号が変わりました。中途解約の規定は現在の38条7項、借賃改定特約の規定は38条9項です。この問の正解は変わりません。

公式問題で問12を見る

区分所有法の集会と管理者

問13 議長・招集通知の期間・議事録の署名・管理者の任期

区分所有法の集会の運営ルールと管理者の選任を確かめます。招集通知の期間や議事録の署名者の人数が問われています。

公式正解 1

肢1:正しい。規約や集会の決議で別に定めない限り、管理者または集会を招集した区分所有者の一人が議長になります(41条)。管理者がいなければ、招集した区分所有者の一人です。

肢2:誤り。招集通知は会日の少なくとも1週間前に発します(35条1項)。2週間ではありません。

肢3:誤り。書面の議事録には、議長と集会に出席した区分所有者の2人が署名押印しました(出題時の42条3項)。1人では足りません。

肢4:誤り。区分所有法には管理者の任期の定めがありません。任期を2年以内とする制限は、管理組合法人の理事についての規定です(49条6項)。

令和8年度試験での注意 2026年4月1日施行の改正で、招集通知には議案の要領を必ず示すことになり、通知期間は規約で伸ばせても縮められなくなりました(35条1項)。議事録の押印は2021年の改正で不要になり、現在は2人の署名だけです(42条3項)。この問の正解は変わりません。

公式問題で問13を見る

登記事項証明書と附属書類

問14 証明書の交付・附属書類の閲覧・オンライン請求・筆界特定書

登記記録や関係書類を誰が、どの範囲で請求できるかを確かめます。登記事項証明書と筆界特定書の写しは、利害関係がなくても請求できます。

公式正解 4

肢1:正しい。登記事項証明書の交付は、何人も請求できます(119条1項)。利害関係を示す必要はありません。

肢2:正しい。出題時は、土地所在図などの図面を除く附属書類の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限られていました(出題時の121条2項)。

肢3:正しい。登記事項証明書の交付は、オンラインで請求情報を提供する方法でも請求できます。

肢4:誤り。筆界特定書の写しの交付は、何人も請求できます(149条1項)。利害関係を有する部分に限られるのは、筆界特定書等以外の手続記録の閲覧です(同条2項)。

令和8年度試験での注意 改正後の不動産登記法では、図面以外の附属書類の閲覧は、正当な理由がある部分に限って請求できます(121条3項)。登記を申請した者は自己を申請人とする附属書類を閲覧できます(同条4項)。肢2の要件は変わりましたが、この問の正解は変わりません。

公式問題で問14を見る

正答一覧へ戻る ↑

法令上の制限の解答・解説(8問)

開発許可と建築制限、都市計画の内容、建築確認の要否、容積率・建ぺい率と建築協定、宅地造成等規制法、土地区画整理法の換地処分、国土利用計画法の事後届出、農地法を扱います。宅地造成等規制法は2023年に盛土規制法へ改められました。

開発許可と建築制限

問15 区域の縮小・予定建築物・同意しない者の建築・仮設建築物

開発許可を受けた後の変更許可、工事完了公告前の建築制限、市街化調整区域の開発区域外での建築許可を確かめます。

公式正解 4

肢1:誤り。変更後の開発行為が許可不要の規模になる場合は、変更の許可は要りません(35条の2第1項ただし書)。市街化区域内で100㎡に縮小するなら、許可不要の規模です。

肢2:誤り。開発許可に係る予定建築物を建てるのに、30日前の届出義務はありません。予定建築物以外を建てるときの制限(42条)と混同しないようにします。

肢3:誤り。工事完了の公告前でも、開発行為に同意していない土地所有者などがその権利の行使として建築するときは、知事の承認なしに建築できます(37条2号)。

肢4:正しい。市街化調整区域の開発区域以外の区域では建築に許可が必要ですが、仮設建築物の新築は許可不要です(43条1項3号)。

公式問題で問15を見る

都市計画の内容

問16 開発整備促進区・準都市計画区域・工業専用地域・都市計画の優先

地区計画に定める開発整備促進区を定められる地域、準都市計画区域で定められない都市計画、都道府県と市町村の都市計画の関係を確かめます。

公式正解 1

肢1:正しい。開発整備促進区は、第二種住居地域、準住居地域、工業地域と、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)の地区計画に定められます(12条の5第4項)。

肢2:誤り。区域区分は都市計画区域について定めるもので、準都市計画区域には定められません(7条1項、8条2項)。

肢3:誤り。工業専用地域を風致地区に隣接させてはならないという規定はありません。

肢4:誤り。市町村の都市計画が都道府県の都市計画と抵触するときは、その限りで都道府県の都市計画が優先します(15条4項)。

公式問題で問16を見る

建築確認の要否

問17 10㎡以内の改築・区域外の木造3階・用途変更・映画館の改築

建築確認が必要な建築物の種類・規模と工事の種類を確かめます。特殊建築物への用途変更は、確認が必要な代表例です。

公式正解 3

肢1:正しい。防火地域・準防火地域外で、改築部分の床面積が10㎡以内なら建築確認は不要です(6条2項)。

肢2:正しい。木造で階数が3以上の建築物は、都市計画区域外でも新築に建築確認が必要でした(出題時の6条1項2号)。

肢3:誤り。事務所を床面積500㎡のホテルに用途変更すると、確認が必要な規模の特殊建築物になるため、建築確認が必要です(87条1項)。

肢4:正しい。床面積300㎡の映画館は確認が必要な特殊建築物で、改築にも建築確認が必要です(6条1項1号)。

令和8年度試験での注意 2019年6月施行の改正で、確認が必要な特殊建築物の規模は床面積100㎡超から200㎡超に引き上げられました。2025年4月施行の改正では、階数2以上または延べ面積200㎡超の建築物は都市計画区域外でも確認が必要になりました(6条1項2号)。肢2〜4の正誤は変わらず、この問の正解も変わりません。

公式問題で問17を見る

建築物の面積と道路・建築協定

問18 容積率の不算入・2地域にわたる建ぺい率・道路内の建築・借主

容積率の延べ面積に算入しない部分、敷地が2つの地域にまたがる場合の建ぺい率の求め方、道路内の建築制限の例外を確かめます。

公式正解 2

肢1:正しい。エレベーターの昇降路の部分と、共同住宅の共用の廊下・階段の床面積は、容積率の延べ面積に算入しません(52条6項)。

肢2:誤り。敷地が建ぺい率の異なる地域にわたるときは、各地域の限度にその地域の敷地面積の割合を掛けて合計した値(加重平均)が限度になります(53条2項)。単純な合計の2分の1ではありません。

肢3:正しい。地盤面下に設ける建築物は、道路内に建築できます(44条1項1号)。

肢4:正しい。建築協定の基準が建築物の借主の権限に係るときは、借主を土地の所有者等とみなします(77条)。

公式問題で問18を見る

宅地造成の規制

問19 改善の勧告・指定時の工事中の届出・工事施行者の変更・許可の規模

宅地造成工事規制区域で許可が必要な工事の規模、区域指定の際に既に工事中の者の扱い、許可後の変更手続を確かめます。

公式正解 2

肢1:正しい。知事は、災害防止のため必要があるときは、規制区域内の宅地の所有者などに擁壁の設置などの措置を勧告できます。

肢2:誤り。区域の指定の際に既に工事をしている者は、指定から21日以内に知事に届け出ればよく、改めて許可を受ける必要はありません。

肢3:正しい。工事施行者の変更は軽微な変更に当たり、遅滞なく届け出れば足ります。

肢4:正しい。切土で生じる崖の高さが2m以下で、面積も500㎡以下なら宅地造成に当たらず、許可は要りません。高さ1.5m・面積500㎡はどちらも基準を超えていません。

令和8年度試験での注意 2023年5月26日施行の改正で、宅地造成等規制法は宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)に改められ、規制区域は宅地造成等工事規制区域になりました。工事中の者の届出(21条1項)や許可の規模の基準は同様に定められており、この問の正解は変わりません。

公式問題で問19を見る

換地処分の効果

問20 仮換地の指定の通知・地役権・保留地・公共施設の用地

土地区画整理事業の仮換地の指定方法と、換地処分の公告の翌日に生じる権利の移転を確かめます。

公式正解 4

肢1:正しい。仮換地の指定は、仮換地となる土地の所有者と従前の宅地の所有者に、仮換地の位置・地積と指定の効力発生日を通知して行います(98条5項)。

肢2:正しい。地役権は換地処分の公告の翌日以後も従前の宅地の上に存続し、事業で行使する利益がなくなったものだけが消滅します(104条4項・5項)。

肢3:正しい。保留地は、換地処分の公告の翌日に施行者が取得します(104条11項)。

肢4:誤り。事業で生じた公共施設の用地は、換地処分の公告の翌日に、その公共施設を管理すべき者に帰属します(105条3項)。すべて市町村に帰属するのではありません。

公式問題で問20を見る

国土利用計画法の事後届出

問21 相続・届出義務者・農地法の許可・一団の土地と賃借権

事後届出が必要な「土地売買等の契約」に当たるか、面積要件を満たすか、届出義務者は誰かを確かめます。

公式正解 1

肢1:正しい。相続は契約ではないので、面積が12,000㎡でも事後届出は不要です。

肢2:誤り。事後届出をするのは権利取得者のBだけで、売主Aに届出義務はありません(23条1項)。

肢3:誤り。農地法3条1項の許可を受ける取引は、事後届出の適用除外です(23条2項3号)。

肢4:誤り。対価のない賃借権の設定は土地売買等の契約に当たらず、売買で取得した甲土地1,500㎡だけでは市街化区域の基準(2,000㎡以上)に届きません。届出は不要です。

公式問題で問21を見る

農地法の許可

問22 市街化区域内の取得・賃貸住宅への転用・自宅への転用・競売

市街化区域内の特例(届出)が使えるのは4条・5条の転用だけです。3条の権利移動や、市街化区域外の転用には許可が必要です。

公式正解 4

肢1:誤り。市街化区域内でも、農地を耕作目的で取得するには3条1項の許可が必要です。届出で足りるのは4条・5条の転用です。

肢2:誤り。市街化区域外の自己所有の農地を賃貸住宅のために転用するには、4条1項の許可が必要です。

肢3:誤り。自己の居住用住宅のための転用も、市街化区域外なら4条1項の許可が必要です。許可が不要なのは、2a未満の農業用施設のための転用などに限られます。

肢4:正しい。抵当権の実行による競売で第三者が農地を取得する場合も、3条1項または5条1項の許可が必要です。

公式問題で問22を見る

正答一覧へ戻る ↑

税・不動産鑑定の解答・解説(3問)

住宅取得等資金の贈与税の非課税、固定資産税、地価公示を扱います。

住宅取得等資金の贈与税の非課税

問23 家屋の贈与・国外の家屋・贈与者の年齢・受贈者の所得

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税特例について、贈与の対象、家屋の所在地、贈与者と受贈者の要件を確かめます。

公式正解 3

肢1:誤り。この特例の対象は、住宅用家屋の取得などに充てる金銭の贈与です。家屋そのものの贈与は対象になりません。

肢2:誤り。対象となる住宅用家屋は国内にあるものに限られます。

肢3:正しい。この特例には贈与者の年齢要件がなく、贈与者が60歳未満でも適用を受けられます。60歳以上の要件があるのは相続時精算課税制度です。

肢4:誤り。受贈者の合計所得金額が2,000万円を超える年は、この特例の適用を受けられません。

令和8年度試験での注意 この特例は延長が重ねられ、現在は2026年12月31日までの贈与が対象です(租税特別措置法70条の2)。受贈者の年齢要件は18歳以上に、非課税限度額は省エネ等住宅1,000万円・その他の住宅500万円に改められています。床面積40㎡以上50㎡未満の住宅では、受贈者の合計所得金額は1,000万円以下が要件です。この問の正解は変わりません。

公式問題で問23を見る

固定資産税

問24 賦課期日と新築・税率・区分所有家屋の土地・免税点

固定資産税は1月1日(賦課期日)の所有者に課されます。新築住宅の減額、税率、区分所有家屋の敷地の納税義務、免税点を確かめます。

公式正解 4

肢1:誤り。賦課期日は1月1日なので、1月15日に新築された家屋には、その年度の固定資産税は課されません。

肢2:誤り。標準税率は1.4%で、上限となる制限税率は定められていません(地方税法350条)。

肢3:誤り。区分所有家屋の敷地の固定資産税は、各区分所有者が持分などで按分した額を納めます(352条の2)。連帯して納税義務を負うのではありません。

肢4:正しい。同一の者が所有する土地の課税標準額の合計が30万円未満なら、原則として固定資産税は課されません(免税点、351条)。

公式問題で問24を見る

地価公示

問25 公示区域・正常な価格・鑑定評価・公示事項

地価公示の公示区域、正常な価格の意味、土地鑑定委員会の判定手続と公示する事項を確かめます。

公式正解 1

肢1:誤り。公示区域は、都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれる区域として国土交通省令で定める区域です(地価公示法2条1項)。都市計画区域外も公示区域にできます。

肢2:正しい。正常な価格の前提となる取引から農地・森林などの取引は除かれますが、住宅地などにするための森林の取引は含まれます(2条2項)。

肢3:正しい。土地鑑定委員会は、二人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査・調整して正常な価格を判定します(2条1項)。

肢4:正しい。標準地の形状も公示事項です(6条)。

公式問題で問25を見る

正答一覧へ戻る ↑

宅建業法の解答・解説(20問)

宅地の定義と免許、欠格事由、媒介契約と指定流通機構、重要事項説明、報酬、8種制限とクーリング・オフ、宅建士の義務規定、広告と契約締結の時期、37条書面、禁止行為、営業保証金と保証協会、監督処分、案内所、住宅瑕疵担保履行法を横断します。報酬は消費税8%の時期の出題です。

宅地の定義と免許の要否

問26 工業専用地域の資材置き場・社会福祉法人・用途地域外の倉庫・管理業者

用途地域内の土地は道路・公園などを除き宅地に当たり、用途地域外でも建物の敷地に使われる土地は宅地です。免許が不要になるのは国や地方公共団体などに限られます。

公式正解 1

正しいものは一つ(ア)で、正解は1です。

ア:正しい。用途地域内の土地は、道路・公園・河川・広場・水路の用地を除き、現に建物がなくても宅地に当たります(2条1号)。建築資材置き場も宅地です。

イ:誤り。社会福祉法人は免許が不要な者に当たりません。サービス付き高齢者向け住宅の貸借の媒介を反復継続して行うなら、免許が必要です。

ウ:誤り。用途地域外でも、倉庫など建物の敷地に使われている土地は宅地に当たります。

エ:誤り。賃貸住宅の管理業者でも、入居者募集として貸借の媒介を反復継続して行うなら、免許が必要です。

公式問題で問26を見る

免許の欠格事由

問27 聴聞公示後の合併消滅・執行猶予中の政令使用人・未成年者の法定代理人・暴力団員の役員

免許の取消しから5年間免許を受けられないのは、不正手段による取得や業務停止処分違反など重い理由で取り消された場合です。役員の欠格による取消しは、その役員が退任すれば解消します。

公式正解 4

肢1:正しい。不正手段による免許取得で取消しの聴聞の公示後に、相当の理由なく合併で消滅した法人について、公示の日前60日以内に役員だったBは、消滅の日から5年間免許を受けられません(5条1項)。

肢2:正しい。懲役刑の執行猶予期間中の者は欠格者で(5条1項)、その者が政令で定める使用人にいるE社も免許を受けられません。

肢3:正しい。背任罪で罰金刑に処せられた者は、刑の執行が終わってから5年間欠格者です(5条1項)。営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、法定代理人が欠格者なら免許を受けられません。

肢4:誤り。役員が暴力団員であったことによる取消し(66条1項3号)は、取消しの日から5年間免許を受けられない場合に当たりません。Iが退任すれば、H社は直ちに免許を受けられます。

令和8年度試験での注意 2025年6月1日の改正刑法の施行で、懲役と禁錮は拘禁刑に一本化されました。令和8年度試験では刑の名称を拘禁刑で覚えます。この問の正誤は変わりません。

公式問題で問27を見る

媒介契約の規制

問28 媒介契約書面の説明・指定流通機構への登録事項・貸借の媒介

媒介契約書面(34条の2)は売買・交換の媒介に限って作成し、宅建士の説明は求められていません。指定流通機構に登録する事項も確かめます。

公式正解 4

正しいものはなく、正解は4です。

ア:誤り。業者は媒介契約書面に記名押印して依頼者に交付しますが(34条の2第1項)、宅地建物取引士に内容を説明させる義務はありません。

イ:誤り。指定流通機構には所在、規模、形質、売買すべき価額、法令上の制限で主要なものなどを登録しますが、依頼者の氏名は登録事項ではありません。

ウ:誤り。34条の2の書面は売買・交換の媒介契約について作成するもので、貸借の媒介には交付義務がありません。

令和8年度試験での注意 2022年5月施行の改正で、媒介契約書面は依頼者の承諾を得て電磁的方法で提供できるようになりました(34条の2第11項)。この問の正解は変わりません。

公式問題で問28を見る

重要事項説明の方法

問29 売主への説明・説明の場所・代理による購入・記名押印する宅建士

重要事項の説明は、物件を取得し、または借りようとする者に対して、契約が成立するまでに宅建士が行います。場所や宅建士の専任の要否も確かめます。

公式正解 2

肢1:誤り。重要事項の説明は買主や借主などに対して行うもので、売主に説明する義務はありません(35条1項)。

肢2:正しい。説明と書面の交付をする場所に制限はなく、相手方の自宅や勤務先でも行えます。

肢3:誤り。業者が代理人として建物を購入する場合も、代理を依頼した買主に重要事項を説明しなければなりません。

肢4:誤り。説明する宅建士も、書面に記名押印する宅建士も、専任である必要はありません。

令和8年度試験での注意 2022年5月施行の改正で、重要事項説明書への宅建士の押印は不要になり、記名で足ります(35条5項)。書面は相手方の承諾を得て電磁的方法でも提供できます。この問の正解は変わりません。

公式問題で問29を見る

専任媒介契約の規制

問30 業者が依頼者の場合の書面・登録しない特約・登録期限・報告の頻度

専任媒介契約の規制は、依頼者が宅建業者でも適用されます。指定流通機構への登録は契約締結から7日以内(休業日を除く)、業務の報告は2週間に1回以上です。

公式正解 3

違反するものは三つ(ア・イ・ウ)で、正解は3です。

ア:違反する。媒介契約書面の作成・交付は、依頼者が宅建業者でも必要です。業者間で適用が除外されるのは8種制限です(78条2項)。

イ:違反する。指定流通機構への登録は義務で、依頼者の要望で登録しない特約をしても、登録しないことは許されません(34条の2第5項)。

ウ:違反する。成約の見込みにかかわらず、契約締結日から7日以内(休業日を除く)に登録しなければなりません。登録しないまま期限を過ぎています。

エ:違反しない。専任媒介契約の業務処理状況の報告は2週間に1回以上なので、毎週金曜日に報告する特約は有効です(34条の2第9項)。

公式問題で問30を見る

貸借の重要事項説明と法令上の制限

問31 宅地の道路斜線制限・新住宅市街地開発法・準防火地域の構造制限

貸借の重要事項説明では、宅地と建物で説明すべき法令上の制限の範囲が違います。建物の貸借では、建物の構造の制限など借主に関係の薄い制限は説明対象外です。

公式正解 2

違反するものは二つ(ア・イ)で、正解は2です。

ア:違反する。宅地の貸借では、建築基準法の道路斜線制限など建築に関する制限も説明が必要です。

イ:違反する。新住宅市街地開発事業で造成された宅地上の建物の貸借では、使用収益権の設定・移転に知事の承認を要する制限(新住宅市街地開発法32条1項)を説明しなければなりません。

ウ:違反しない。準防火地域の建物の構造に関する制限は、建物の貸借では説明対象になっていません。

令和8年度試験での注意 2019年6月施行の改正で、準防火地域内の建築物の構造の制限は建築基準法61条に統合されました。建物の貸借で説明対象外であることは同じで、この問の正解は変わりません。

公式問題で問31を見る

重要事項の説明事項

問32 預り金の保全措置・定期借地権・特定保守製品・契約の更新

35条の重要事項と37条書面の記載事項を区別し、貸借に固有の説明事項を確かめます。

公式正解 2

肢1:誤り。保全措置の概要の説明が不要になるのは、受領する預り金が50万円未満の場合などです。代金の10%以下という基準はありません。

肢2:正しい。宅地の貸借で定期借地権を設定しようとするときは、その旨を説明しなければなりません。

肢3:誤り。消費生活用製品安全法の特定保守製品の保守点検に関する事項は、重要事項の説明事項ではありません。

肢4:誤り。建物の貸借では、契約期間だけでなく契約の更新に関する事項も重要事項として説明します。

公式問題で問32を見る

報酬の限度額

問33 代理と媒介の合計・権利金を使う計算・居住用建物の貸借

出題当時の消費税率8%で報酬の限度額を計算します。一つの取引で複数の業者が受け取る報酬の合計にも上限があります。

公式正解 3

違反するのはアとウで、正解は3です。

ア:違反する。代金3,000万円の限度額は媒介で103万6,800円、代理で207万3,600円です。一つの取引でAとBが受け取る合計も207万3,600円が上限で、合計311万0,400円は超えています。

イ:違反しない。居住用以外の建物の貸借では、権利金500万円を代金とみなして計算でき、各当事者から22万6,800円まで受け取れます。22万5,000円ずつは範囲内です。

ウ:違反する。居住用建物の貸借で受け取れる報酬の合計は、借賃1か月分に消費税を加えた10万8,000円です。貸主の承諾があっても、AとBの合計13万4,000円は超えています。

令和8年度試験での注意 現在の消費税率10%では、代金3,000万円の媒介報酬の限度額は105万6,000円、居住用建物の貸借の上限は借賃1か月分に10%を加えた額です。2024年7月からは、800万円以下の低廉な空家等の売買の媒介で、30万円(税抜)まで受け取れる特例もあります。この問の正解は変わりません。

公式問題で問33を見る

自ら売主の制限とクーリング・オフ

問34 他人物売買・担保責任期間の特約・喫茶店での契約・損害賠償の特約

業者が自ら売主で買主が業者でない場合の8種制限を確かめます。条件付きの取得契約では他人物を売ることができず、クーリング・オフに伴う損害賠償の特約は無効です。

公式正解 3

肢1:誤り。他人の物でも売買契約ができるのは、業者が取得する契約を結んでいる場合ですが、効力の発生が条件に係る契約は除かれます(33条の2第1号)。

肢2:誤り。引渡しから1年とする特約は無効ですが、その場合は民法の原則に戻り、買主が瑕疵を知った時から1年以内に責任を追及できます(出題時の民法570条・566条3項)。引渡しから2年になるのではありません。

肢3:正しい。喫茶店での申込みと契約は事務所等以外の場所なので、クーリング・オフができます。代金の全部を支払っていないため、引渡しを受けていても解除を拒めません(37条の2第1項2号)。

肢4:誤り。クーリング・オフによる解除に伴う損害賠償や違約金を請求できる特約は、買主に不利な特約として無効です(37条の2第1項後段・4項)。

令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法で、瑕疵担保責任は契約不適合責任に改められ、買主は不適合を知った時から1年以内に売主に通知すれば権利を保全できます(566条)。業者が自ら売主となる場合の特約の制限も、通知期間を引渡しから2年以上とするものに改められました(40条)。この問の正解は変わりません。

公式問題で問34を見る

宅建業者・宅建士の義務規定

問35 業務処理の原則・信用失墜行為・専任の規定・従業者の教育

2015年4月施行の改正で、宅地建物取引主任者が宅地建物取引士になり、宅建士の業務処理の原則や信用失墜行為の禁止などが新設されました。条文の有無と内容を確かめます。

公式正解 4

肢1:誤り。宅建士にも、公正かつ誠実に事務を行い、関連業務の従事者との連携に努める規定があります(15条)。

肢2:誤り。信用失墜行為の禁止(15条の2)は、業務に従事するときに限定されていません。

肢3:誤り。宅建士に事務所で専ら宅建業に従事し専念することを求める規定はありません。

肢4:正しい。業者の従業者教育の努力義務(31条の2)と、宅建士の知識・能力の維持向上の努力義務(15条の3)は、どちらも規定されています。

公式問題で問35を見る

損害賠償額の予定・手付・保全措置

問36 予定額と違約金の合計・手付の上限・未完成物件の保全措置

業者が自ら売主となる代金2,400万円の売買で、損害賠償額の予定と違約金の合計、手付の額、手付金等の保全措置が不要な範囲を計算します。

公式正解 1

正しいものは一つ(ウ)で、正解は1です。

ア:誤り。損害賠償額の予定と違約金の合計が代金の2割(480万円)を超える特約は、超える部分について無効です(38条2項)。特約全体が無効になるのではありません。

イ:誤り。手付は代金の2割(480万円)を超えて受領できず、買主の承諾があっても上限は変わりません(39条1項)。

ウ:正しい。未完成物件では、手付金等が代金の5%以下かつ1,000万円以下なら保全措置は不要です。2,400万円の5%は120万円です(41条1項)。

公式問題で問36を見る

広告開始時期と契約締結時期の制限

問37 確認前の貸借の媒介・申請中の広告・貸借の代理の広告・停止条件付契約

建築確認前の未完成物件について、広告はすべての取引態様で禁止され、契約の締結は売買・交換に限って禁止されます。

公式正解 3

肢1:誤り。契約締結時期の制限は売買・交換の契約が対象で(36条)、建築確認前でも貸借の媒介はできます。

肢2:誤り。建築確認の申請中である旨を表示しても、確認を受ける前に広告することはできません(33条)。

肢3:正しい。広告開始時期の制限は貸借の代理・媒介にも及ぶため、建築確認を受けるまでは貸借の代理の広告もできません(33条)。

肢4:誤り。建築確認を受けることを停止条件とする特約を付けても、確認前に売買契約を締結することはできません(36条)。

公式問題で問37を見る

37条書面

問38 代理の場合の交付先・引渡しと登記の時期・自ら貸主・自ら買主

37条書面は、業者が自ら当事者となる売買や、代理・媒介をした取引で交付します。自ら貸主となる取引は宅建業に当たらず、交付義務がありません。

公式正解 2

正しいものは二つ(ア・エ)で、正解は2です。

ア:正しい。担保責任の履行に関する保証保険契約などの定めがあれば記載し、代理の場合は相手方の買主と依頼者の売主の双方に交付します(37条1項)。

イ:誤り。引渡しの時期と移転登記の申請の時期は、どちらも記載が必要です。いずれか一方では足りません。

ウ:誤り。自ら貸主となる取引は宅建業に当たらないため、37条書面を交付する義務はありません。

エ:正しい。自ら買主となる場合も37条書面が必要で、売主が業者でも交付します。租税公課の負担の定めがあれば記載します(37条1項12号)。

令和8年度試験での注意 2022年5月施行の改正で、37条書面は宅建士の記名で足り、相手方の承諾を得れば電磁的方法でも提供できます。アの記載事項は、契約不適合責任に関する表現に改められています(37条1項11号)。この問の正解は変わりません。

公式問題で問38を見る

8種制限の適用範囲

問39 クーリング・オフの期間・担保責任免除の特約・業者間の予定額・期間の起算点

8種制限は業者が自ら売主で買主が業者でない場合に適用され、業者間の取引には適用されません。担保責任の期間は引渡しの日から数えます。

公式正解 3

肢1:誤り。クーリング・オフは書面で告げられた日から8日以内に解除の書面を発すればよく、効力は発した時に生じます(37条の2第2項)。7日目に発送しているので解除できます。

肢2:誤り。業者が自ら売主で買主が業者でない売買では、建物を短期間で取り壊す予定でも、担保責任を負わない特約は無効です(40条)。

肢3:正しい。買主Dが業者なので、損害賠償額の予定の制限(38条)は適用されず、代金の30%と定められます(78条2項)。

肢4:誤り。特約で定める担保責任の期間は引渡しの日から2年以上が必要です。契約日から2年では、引渡しから2年に1か月足りず無効です(40条)。

令和8年度試験での注意 2020年4月施行の改正民法と宅建業法の改正で、瑕疵担保責任は契約不適合責任になり、40条の特約も不適合の通知期間を引渡しの日から2年以上とするものに改められました。この問の正解は変わりません。

公式問題で問39を見る

手付解除と手付金等の保全

問40 手付解除を制限する特約・保険証券の交付時期・未完成物件の中間金

買主に不利な手付解除の特約は無効です。未完成物件では、受領する手付金等の合計が代金の5%または1,000万円を超えるとき、受領前に保全措置を講じます。

公式正解 4

正しいものはなく、正解は4です。

ア:誤り。手付を放棄すれば解除できるはずの買主に、代金の1割の支払を求める特約は買主に不利で、無効です(39条3項)。

イ:誤り。未完成物件で代金の5%を超える手付金300万円を受け取るには、保証保険契約を結び、保険証券を買主に交付した後でなければなりません(41条1項)。後日の交付では足りません。

ウ:誤り。未完成の段階で契約した物件は、完成後に受け取る中間金も含めて未完成物件として扱います。合計300万円は代金の5%を超えるため、保全措置が必要です。

公式問題で問40を見る

業務に関する禁止行為

問41 将来の眺望の断定・転売利益の断定・提携ローンの紹介・申込証拠金

契約の勧誘での断定的判断の提供、手付の信用供与、預り金の返還拒否が禁止行為に当たるかを確かめます。

公式正解 1

違反しないものは一つ(ウ)で、正解は1です。

ア:違反する。将来の環境について「絶対ありません」と誤解させる断定的判断を提供しています(47条の2第3項、施行規則16条の11第1号イ)。

イ:違反する。転売で利益が出ることが確実だと誤解させる断定的判断の提供です(47条の2第1項)。

ウ:違反しない。業者自身が手付を貸し付けるのではなく、提携銀行の手付金融資を紹介するだけなので、手付の信用供与には当たりません。

エ:違反する。申込みを撤回した者に預り金の一部を返さないのは、預り金の返還を拒む禁止行為です(施行規則16条の11第2号)。

公式問題で問41を見る

営業保証金と弁済業務保証金

問42 金銭以外での納付・一部の事務所廃止・必要な金額・還付の範囲

営業保証金は金銭か有価証券で供託でき、弁済業務保証金分担金は金銭で納付します。事務所の数に応じた金額と還付の範囲を比べます。

公式正解 3

肢1:誤り。営業保証金は有価証券でも供託できますが、弁済業務保証金分担金は金銭でしか納付できません(64条の9第1項)。

肢2:誤り。営業保証金の取戻しでは公告が必要ですが(30条2項)、保証協会の社員が一部の事務所を廃止した場合、保証協会は公告せずに弁済業務保証金を取り戻せます(64条の11第1項・4項)。

肢3:正しい。主たる事務所と従たる事務所3か所なら、営業保証金は1,000万円+500万円×3=2,500万円、分担金は60万円+30万円×3=150万円です。

肢4:誤り。社員と取引した者は、社員が社員でなければ供託すべき営業保証金の額の範囲で還付を受けられます(64条の8第1項)。分担金の額が上限ではありません。

令和8年度試験での注意 2017年4月施行の改正で、営業保証金と弁済業務保証金の還付を受けられる者から宅建業者が除かれました(27条1項、64条の8第1項)。この問の正解は変わりません。

公式問題で問42を見る

監督処分の権限

問43 担保責任免除の特約・大臣免許業者の業務停止・威迫による契約強要・帳簿の不備

監督処分は、免許権者のほか、業務を行った区域の知事もできます。業務を行っていない県の知事は処分できません。

公式正解 2

肢1:正しい。担保責任を負わない特約は40条に違反するので、Aは免許権者の甲県知事から指示処分を受けることがあります(65条1項)。

肢2:誤り。乙県での手付の受領制限違反について業務停止処分ができるのは、免許権者の国土交通大臣と、業務を行った乙県の知事です(65条2項・4項)。本店がある甲県の知事はできません。

肢3:正しい。威迫して契約の締結を強要することは業務停止事由に当たり、情状が特に重いときは免許権者の甲県知事が免許を取り消さなければなりません(66条1項9号)。

肢4:正しい。知事は、区域内で業務を行う業者に報告を求め(72条1項)、必要な指導などをすることができます(71条)。大臣免許の業者も対象です。

公式問題で問43を見る

案内所の標識と届出

問44 代理業者の案内所の標識・契約をしない案内所・専任の宅建士・届出先

案内所の標識は案内所を設置した業者が掲げ、契約の締結や申込みの受付をする案内所だけが届出と専任の宅建士の設置を要します。

公式正解 2

肢1:誤り。代理業者Bが設置した案内所の標識はBが掲げます(50条1項)。売主Aがその案内所に標識を掲げる必要はありません。

肢2:正しい。案内所には、契約の締結や申込みの受付をするかどうかにかかわらず、50条1項の標識を掲げなければなりません。

肢3:誤り。代理業者Cが設置して契約の締結業務を行う案内所では、Cが専任の宅建士を置き、50条2項の届出もCが行います。

肢4:誤り。甲県知事免許のAが甲県内に案内所を設置するなら、届出先は免許権者でもある甲県知事だけです。乙県知事への届出は要りません。

公式問題で問44を見る

住宅瑕疵担保履行法

問45 業者が買主の場合・供託所の説明時期・基準日の届出・保険金の請求

資力確保措置は、業者が自ら売主で買主が業者でない新築住宅の売買に義務付けられます。供託所の説明時期と、届出をしない場合の契約締結の制限を確かめます。

公式正解 4

肢1:誤り。買主が宅建業者である場合は、資力確保措置の義務はありません(2条7項2号ロ)。

肢2:誤り。供託所の所在地などは、新築住宅の売買契約を締結するまでに書面を交付して説明します(15条1項)。引渡しまでではありません。

肢3:誤り。基準日の届出をしないと、基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結できなくなります(13条)。

肢4:正しい。保険契約を締結した業者は、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について、担保責任を履行して生じた損害の保険金を請求できます。

令和8年度試験での注意 2020年4月施行の民法改正後も、この法律と品確法は「瑕疵」の用語を使い、種類または品質に関して契約の内容に適合しない状態と定義しています(品確法2条5項)。この問の正解は変わりません。

公式問題で問45を見る

正答一覧へ戻る ↑

住宅・統計・土地建物の解答・解説(5問)

住宅金融支援機構、不動産の表示に関する公正競争規約、統計、土地、建物の構造を扱います。統計は平成26年・平成27年の公表値で判定します。

住宅金融支援機構の業務

問46 高齢者向け返済特例・元金均等返済・回収業務の委託・災害融資の据置

住宅金融支援機構の直接融資と証券化支援事業の内容を確かめます。機構は回収業務を金融機関に委託できます。

公式正解 3

肢1:正しい。高齢者が自ら住む住宅のバリアフリー工事や耐震改修工事の融資には、死亡時に元金を一括返済する高齢者向け返済特例があります。

肢2:正しい。証券化支援事業(買取型)で機構が買い取る貸付債権には、元利均等返済のほか元金均等返済のものもあります。

肢3:誤り。機構は、譲り受けた貸付債権の元金・利息の回収などの業務を金融機関に委託できます。

肢4:正しい。災害で滅失した住宅に代わる住宅の建設・購入の融資には、元金の返済を据え置く期間を設けられます。

公式問題で問46を見る

不動産の表示に関する公正競争規約

問47 第1期完売の表示・住宅ローンの表示・都市計画道路・新発売

表示規約では、事実に反する完売表示や、ローンの条件を省いた表示が禁じられ、都市計画道路の区域に含まれる土地にはその旨の明示が求められます。

公式正解 3

肢1:誤り。売れ残りがあるのに「第1期完売」と表示するのは不当表示です。後で売り切れても違反は解消しません。

肢2:誤り。住宅ローンを表示するときは、金融機関の名称、借入金の利率、返済の方法など所定の事項も明示しなければなりません。返済例だけでは足りません。

肢3:正しい。都市計画道路の区域に含まれる土地は、工事が未着手でもその旨を明示しなければなりません。

肢4:誤り。出題当時、「新発売」は新たに造成された宅地や新築の住宅の初めての販売に限られ、築15年の建物をリフォームして売る場合には使えませんでした。

令和8年度試験での注意 2022年9月1日施行の規約改正で、共同住宅の1棟全体を内装・外装まで改装し、工事完了後1年未満で居住されていない「一棟リノベーションマンション」も「新発売」と表示できるようになりました(表示規約18条1項2号)。社宅の1棟全体を改装したものなら肢4が正しくなる場合があるため、出題当時の規約で解いた正解として読んでください。

公式問題で問47を見る

統計

問48 不動産価格指数・新設住宅着工戸数・法人企業統計・土地取引件数

平成27年度試験の統計は、平成26〜27年に公表された数値で判定します。上昇・減少の方向と、前年や前々年との比較を押さえます。

公式正解 2

肢1:誤り。不動産価格指数(住宅)のマンション指数は、2013年以降上昇が続いており、2015年3月まで一貫して下落基調だったわけではありません。

肢2:正しい。平成26年の新設住宅着工戸数は約89万戸で、駆け込み需要があった平成25年の約98万戸より減りましたが、平成24年の約88万戸は上回りました。

肢3:誤り。平成25年度の不動産業の売上高経常利益率は、全産業を大きく上回る水準でした。消費税率の引上げは平成26年4月で、平成25年度より後です。

肢4:誤り。平成26年の土地取引件数は前年より減りましたが、平成24・25年は増えていたため、3年連続の減少ではありません。

令和8年度試験での注意 統計の数値は毎年変わるため、令和8年度試験の前には最新の公表値を確認してください。

公式問題で問48を見る

土地の地形と災害

問49 低地の地盤・臨海部の低地・台地上の池沼の埋立地・丘陵の住宅地

台地は一般に地盤が安定していますが、台地上でも池や沼を埋め立てた土地は液状化などの危険があります。

公式正解 3

最も不適当なのは3です。

肢1:適当。日本の低地はここ数千年の間に形成されたものが多く、湿地や旧河道など若く軟弱な地盤が広がっています。

肢2:適当。臨海部の低地は洪水、高潮、津波などの災害が多く、住宅地にするには十分な防災対策が必要です。

肢3:不適当。台地上でも池沼を埋め立てた地盤は軟弱で、地震時に液状化する危険があります。

肢4:適当。都市周辺の丘陵や山麓に広がる住宅地では、がけ崩れや土石流などの土砂災害に注意が必要です。

公式問題で問49を見る

建物の構造と基礎

問50 木造と湿気・基礎の種類・杭の種類・上部構造と基礎構造

木造は湿気に弱く、土台が腐らないよう基礎を地盤面から立ち上げます。基礎の種類と役割も確かめます。

公式正解 1

最も不適当なのは1です。

肢1:不適当。木造は湿気に弱い構造なので、地盤面からの基礎の立上がりを十分に取る必要があります。

肢2:適当。基礎には、直接基礎や杭基礎などの種類があります。

肢3:適当。杭基礎の杭には、木杭、既製コンクリート杭、鋼杭などがあります。

肢4:適当。建物は上部構造と基礎構造からなり、基礎構造が上部構造を支えます。

公式問題で問50を見る

正答一覧へ戻る ↑

出典と照合

出典は一般財団法人不動産適正取引推進機構「平成27年度宅地建物取引士資格試験 問題・正解」です。問題本文と選択肢は転載していません。各問の「公式問題で問◯を見る」から公式PDFの該当ページを開けます。

正解は公式発表と1問ずつ照合しています。解説は資格Hubが法令・告示・公的資料で確かめて作成したもので、試験実施団体とは関係ありません。

平成27年度の正解番号表(公式PDF)→

公式の過去問題・正解の一覧 →